JP5838696B2 - センサー素子、センサー素子の製造方法、センサーデバイスおよび電子機器 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献に記載の角速度センサーは、2つのアームと、この2つのアームの一端同士を接続する接続部とで構成された音叉を有する。また、特許文献1に記載の角速度センサーでは、音叉が非圧電体材料で構成されており、各アームには、1対の電極間に圧電薄膜が介挿されてなる駆動部および検出部がそれぞれ設けられている。
しかし、特許文献1に記載の角速度センサーでは、検出部の1対の電極から出力される電荷量の調整を高精度に行うことが難しいという問題があった。
[適用例1]
本発明のセンサー素子は、基部と、
前記基部から延出され、駆動振動する第1振動腕と、
前記基部から延出され、前記駆動振動に伴って振動する第2振動腕と、
前記第1振動腕に加えられた物理量に応じて変化する第1信号を出力する第1電極と、を備え、
前記第2振動腕には、前記第1電極に電気的に接続され、且つ、前記第1振動腕に物理量が加わっていないときに前記第1電極から出力される前記第1信号と逆相の第2信号を出力する第2電極が設けられ、
前記第2電極は、前記第2振動腕の延出方向に沿って設けられている共通部と、前記共通部から分岐している複数の分岐部と、を含むことを特徴とする。
このように構成されたセンサー素子によれば、駆動用振動腕(第1振動腕)の断面非対称に起因する検出用電極(第1電極)の漏れ出力(第1信号)に対し、逆極性の電荷(逆相の第2信号)を振動腕(第2振動腕)に設けた電極から発生させることにより、漏れ出力を相殺してセンサー出力として出力することができる。
しかも、複数の分岐部が振動腕の延出方向に沿って並んで設けられているので、切断される分岐部の位置および数に応じて、センサー出力を簡単かつ高精度に調整することができる。
以上のようなことから、本発明のセンサー素子は、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
本発明のセンサー素子では、前記複数の分岐部は、電極幅が前記共通部側よりも先端側の方が大きいことが好ましい。
これにより、調整前(共通部または分岐部の途中を切断する前)の電極の電極面積を大きく確保し、共通部または分岐部の途中の切断によるセンサー出力の調整幅を大きくするとともに、分岐部の途中を比較的簡単に切断することができる。
本発明のセンサー素子では、前記複数の分岐部は、電極面積が互いに異なることが好ましい。
これにより、電極の電荷量の調整を容易に行うことができる。具体的には、電極面積に応じた電荷量を予め算出しておき、検出用電極の漏れ出力の電荷量と同等の電荷量だけ分岐部を切断すれば精度良く調整することができる。
本発明のセンサー素子では、前記複数の分岐部は、前記第2振動腕の前記延出方向に対して傾斜していることが好ましい。
これにより、分岐部の途中を簡単に切断することができる。具体的には、分岐部をレーザー等を用いて切断する際に、レーザーをX方向またはY方向のどちらに動かしても分岐部を切断することができ、レーザーに対する素子の配置向きを考慮しなくても良いので、製造効率が向上する。
本発明のセンサー素子では、前記複数の分岐部は、前記共通部の両側にそれぞれ分岐していることが好ましい。
これにより、共通部が調整用電極として機能するのを防止または抑制することができる。そのため、センサー出力の調整を容易なものとすることができる。また、調整前(共通部または分岐部の途中を切断する前)の調整用電極の電極面積を大きく確保することができる。
本発明のセンサー素子では、前記第2振動腕は、第1面と、該第1面と反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面とを連結する第1側面および第2側面と、を有し、
前記共通部および前記複数の分岐部は、前記第1面および前記第2面の少なくとも一方の面に設けられているとともに、
前記第2電極は、前記第1側面に設けられている第1側面電極と、前記第2側面に設けられている第2側面電極と、をさらに含むことが好ましい。
第1電極の少なくとも複数の分岐部の先端に対向するように第2電極を配置することにより、分岐部と第2電極間に発生する電荷を調整用として用いることができる。
本発明のセンサー素子では、前記第2振動腕は、前記延出方向に沿って設けられている溝部を備え、
前記分岐部の少なくとも一部は、前記溝部の壁面に設けられていることが好ましい。
これにより、電極の分岐部とそれに近接する電極間の距離が短くなり、電極から出力される電荷を大きくすることができる。そのため、センサー出力の調整幅を大きくすることができる。
本発明のセンサー素子では、前記共通部および前記複数の分岐部は、前記第1面および前記第2面にそれぞれ設けられており、
前記第1面に設けられている前記複数の分岐部、および、前記第2面に設けられている前記複数の分岐部は、前記第1面の法線方向から見たときに、少なくとも一部が互いに重ならないように設けられていることが好ましい。
これにより、振動腕の表面に設けられた分岐部と、振動腕の裏面に設けられた分岐部とをレーザーを用いて別々に切断することができる。そのため、センサー出力をより高精度に調整することができる。
本発明のセンサー素子では、前記基部から延出され、前記第1振動腕に加えられた物理量に応じて振動する第3振動腕をさらに備え、
前記第1電極は、前記第3振動腕に設けられていることが好ましい。
これにより、検出用電極の電極面積を大きくすることができる。そのため、センサー素子の検出感度を向上させることができる。
[適用例10]
本発明のセンサー素子では、前記物理量は角速度であることが好ましい。
本発明のセンサー素子の製造方法は、
基部と、
前記基部から延出され、駆動振動する第1振動腕と、
前記基部から延出され、前記駆動振動に伴って振動する第2振動腕と、
前記第1振動腕に加えられた物理量に応じて信号を出力する第1電極と、を備え、
前記第2振動腕には、前記第1電極に電気的に接続され、且つ、前記第1振動腕に物理量が加わっていないときに前記第1電極から出力される第1信号と逆相の第2信号を出力する第2電極が設けられ、
前記第2電極は、前記第2振動腕の延出方向に沿って設けられている共通部と、前記共通部から分岐している複数の分岐部と、を備えている素子を用意し、
前記分岐部および前記共通部の少なくとも一部を除去することにより、前記第2電極に発生する電荷を調整する電荷調整工程を備えることを特徴とする。
このようなセンサー素子の製造方法によれば、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
[適用例12]
本発明のセンサー素子の製造方法では、前記分岐部の途中および前記共通部の少なくとも一方の途中を切断することにより、前記第2電極に発生する電荷を調整することが好ましい。
本発明のセンサー素子の製造方法では、前記電荷調整工程の前に、前記第1振動腕に物理量を加えずに前記第1振動腕を通電により振動させた状態で前記第1電極に発生する電荷を測定する工程と、前記第2振動腕の共振周波数を調整する工程と、を備えることが好ましい。
これにより、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
本発明のセンサーデバイスは、本発明のセンサー素子と、
前記第1振動腕を駆動させる回路、および、前記第1電極からの信号を検出する回路を有することを特徴とする。
これにより、安価で、優れた検出感度を有するセンサーデバイスを提供することができる。
[適用例15]
本発明の電子機器は、本発明のセンサー素子を有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器を提供することができる。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサーデバイス(電子デバイス)の概略構成を示す模式的断面図、図2は、図1に示すセンサーデバイスの平面図、図3は、図1に示すセンサーデバイスに備えられたセンサー素子を示す平面図、図4(a)は、図3に示すセンサー素子の駆動用振動腕を示す拡大平面図、図4(b)は、図4(a)に示す駆動用振動腕の断面図、図5(a)は、図3に示すセンサー素子の検出用振動腕を示す拡大平面図、図5(b)は、図5(a)に示す検出用振動腕の断面図、図6(a)は、図3に示すセンサー素子の調整用振動腕を示す拡大平面図、図6(b)は、図6(a)に示す調整用振動腕の断面図、図7は、図3に示すセンサー素子における検出用電極および調整用電極の接続状態を示す図、図8は、図3に示すセンサー素子の動作を説明するための図、図9(a)は、図5に示す検出用電極の漏れ出力を示す図、図9(b)は、図6に示す調整用電極の出力を示す図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図1〜7において、互いに直交する3つの軸として、x軸、y軸およびz軸を図示しており、x軸に平行な方向を「x軸方向」、y軸に平行な方向を「y軸方向」、z軸に平行な方向を「z軸方向」という。また、+z軸側を「上」、−z軸側を「下」ともいう。
図1および図2に示すセンサーデバイス1は、角速度を検出するジャイロセンサーである。
このようなセンサーデバイス1は、例えば、撮像機器の手ぶれ補正や、GPS(Global Positioning System)衛星信号を用いた移動体ナビケーションシステムにおける車両などの姿勢検出、姿勢制御等に用いることができる。
このセンサーデバイス1は、図1および図2に示すように、センサー素子2と、ICチップ3と、センサー素子2およびICチップ3を収納するパッケージ4とを有する。
以下、センサーデバイス1を構成する各部を順次説明する。
センサー素子2は、1つの軸まわりの角速度を検出するジャイロセンサー素子である。
このセンサー素子2は、図3に示すように、基部21と、1対の駆動用振動腕221、222と、1対の検出用振動腕231、232と、1対の調整用振動腕(振動腕)241、242と、支持部25と、4つの連結部261、262、263、264と、駆動用電極群51、52と、検出用電極群53、54と、調整用電極群55、56とを有している。
駆動用振動腕221、222は、それぞれ、基部21からy軸方向(+y方向)に延出している。また、駆動用振動腕221、222は、それぞれ、水晶のY軸に沿って延在している。さらに、駆動用振動腕221、222の横断面は、それぞれ、x軸に平行な1対の辺とz軸に平行な1対の辺とで構成された矩形をなしている。
そして、駆動用振動腕221には、駆動用電極群51が設けられ、同様に、駆動用振動腕222には、駆動用電極群52が設けられている。
駆動用電極群51は、図4(a)、(b)に示すように、駆動用振動腕221の上面に設けられた駆動用電極511と、駆動用振動腕221の下面に設けられた駆動用電極512と、駆動用振動腕221の一方(図4中の左側)の側面に設けられた駆動用電極513と、駆動用振動腕221の他方(図4中の右側)の側面に設けられた駆動用電極514とで構成されている。
このような検出用振動腕231、232は、それぞれ、駆動用振動腕221、222に加えられた物理量に応じて振動するものである。
検出用電極群53は、図5(a)、(b)に示すように、検出用振動腕231の上面に設けられた検出用電極531、532と、検出用振動腕231の下面に設けられた検出用電極533、534とで構成されている。ここで、検出用電極531、533は、それぞれ、検出用振動腕231の幅方向での一方側(図5中の左側)に設けられ、また、検出用電極532、534は、それぞれ、検出用振動腕231の幅方向での他方側(図5中の右側)に設けられている。
そして、調整用振動腕241には、調整用電極群55が設けられ、同様に、調整用振動腕242には、調整用電極群56が設けられている。
調整用電極群55は、図6(a)、(b)に示すように、調整用振動腕241の上面に設けられた調整用電極551と、調整用振動腕241の下面に設けられた調整用電極552と、調整用振動腕241の一方(図6中の左側)の側面に設けられた調整用電極(側面電極)553と、調整用振動腕241の他方(図6中の右側)の側面に設けられた調整用電極(側面電極)554とで構成されている。
このような調整用電極551、552は、図示しない配線を介して、前述した検出用電極532、533とともに、図3に示す支持部25に設けられた端子57eに電気的に接続されている。また、調整用電極553、554は、図示しない配線を介して、前述した検出用電極531、534とともに、図3に示す支持部25に設けられた端子57cに電気的に接続されている。なお、調整用電極群56は、図示しない配線を介して、検出用電極群54とともに、図3に示す支持部25に設けられた端子57d、57fに電気的に接続されている。
そして、調整用電極551、552の一部を除去することにより、センサー出力を調整することができる。
調整用電極551は、図6(a)に示すように、共通部60と、複数の分岐部61とを備える。
共通部60は、前述した検出用電極531、534に電気的に接続されている。
また、複数の分岐部61は、共通部60から分岐するとともに調整用振動腕241の延出方向に沿って並んで設けられている。
しかも、複数の分岐部61が調整用振動腕241の延出方向に沿って並んで設けられているので、切断される分岐部61の位置および数に応じて、センサー出力を簡単かつ高精度に調整することができる。
本実施形態では、共通部60は、図6(a)に示すように、平面視したとき(z軸方向からみたとき)、調整用振動腕241の幅方向での片側に偏在している。また、共通部60は、幅狭に形成されている。これにより、共通部60の途中を比較的簡単に切断することができる。
また、複数の分岐部61は、互いに等しい寸法となるように形成されている。また、複数の分岐部61は、調整用振動腕241の延出方向、すなわちy軸方向に等ピッチで並んで設けられている。
このとき、調整用振動腕241、242も駆動用振動腕221、222の駆動振動に伴って互いに接近・離間する方向に屈曲振動する。
漏れ出力Sおよび調整用出力Tは互いに逆極性であるため、調整用出力Tの絶対値を漏れ出力の絶対値と等しくすることにより、センサー素子2のゼロ点出力をゼロにすることができる。
すなわち、センサー素子2の製造方法は、分岐部61の途中、または、共通部60の途中を切断することにより、調整用電極551、552に発生する電荷を調整する電荷調整工程を備える。
図10は、本発明のセンサー素子の特性調整方法の一例を示すフローチャート、図11は、本発明のセンサー素子の特徴調整方法の一例を説明するための図である。
このようなセンサー素子2の特性調整方法によれば、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
より具体的に説明すると、図10に示すように、まず、漏れ出力(ゼロ点出力)を測定する(ステップS1)。
粗調整が必要であると判断した場合、粗調整を行う(ステップS3)。具体的には、例えば、図11(a)に示すように、調整用電極551の複数の分岐部61のうち、調整用振動腕241の基端側に位置する分岐部61を必要数切断する。
また、分岐部61の切断は、特に限定されないが、例えば、レーザーを用いて行うことができる。
かかる粗調整の後、再度、ステップS1に戻り、漏れ出力(ゼロ点出力)を測定する。そして、ゼロ点出力が第1の設定値未満となるまで、ゼロ点出力の測定と粗調整とが交互に繰り返されることとなる。
微調整が必要であると判断した場合、微調整を行う(ステップS5)。具体的には、例えば、図11(b)または図11(b)に示すように、調整用電極551の複数の分岐部61のうち、調整用振動腕241の先端側に位置する分岐部61を必要数切断する。なお、図11(b)は、粗調整を行わずに微調整を行った場合を図示しており、図11(c)は、粗調整を行った後に微調整を行った場合を図示している。また、図11(b)、(c)では、分岐部61の幅狭部62を切断する場合を図示しているが、共通部60の途中を切断してもよい。これにより、一回の切断により複数の分岐部61分まとめて調整用電極551の電極面積を小さくすることができる。
かかる微調整の後、再度、ステップS1に戻り、漏れ出力(ゼロ点出力)を測定する。そして、ゼロ点出力が第2の設定値未満となるまで、ゼロ点出力の測定と微調整とが交互に繰り返されることとなる。
一方、微調整が必要でないと判断した場合、センサー素子2の特性調整を終了する。
以上説明したようなセンサー素子2の特性調整方法によれば、前述したような粗調整および微調整を必要に応じて任意に選択して行うことができるので、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
図1および図2に示すICチップ3は、前述したセンサー素子2を駆動する機能と、センサー素子2からの出力(センサー出力)を検出する機能とを有する電子部品である。
このようなICチップ3は、図示しないが、センサー素子2を駆動する駆動回路と、センサー素子2からの出力を検出する検出回路とを備える。
また、ICチップ3には、複数の接続端子31が設けられている。
図1および図2に示すように、パッケージ4は、上方に開放する凹部を有するベース部材41(ベース)と、このベース部材41の凹部を覆うように設けられた蓋部材42(リッド)とを備える。これにより、ベース部材41と蓋部材42との間には、センサー素子2およびICチップ3が収納される内部空間が形成されている。
このようなベース部材41は、例えば、酸化アルニウム質焼結体、水晶、ガラス等で構成されている。
図1に示すように、ベース部材41の上面(蓋部材42に覆われる側の面)には、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂等を含んで構成された接着剤のような接合部材81により、前述したセンサー素子2の支持部25が接合されている。これにより、センサー素子2がベース部材41に対して支持・固定されている。
さらに、図1および図2に示すように、ベース部材41の上面には、複数の内部端子71および複数の内部端子72が設けられている。
この複数の内部端子71は、図示しない配線を介して、複数の内部端子72に電気的に接続されている。
また、複数の内部端子72には、例えばボンディングワイヤーで構成された配線を介して、前述したICチップ3の複数の接続端子31が電気的に接続されている。
この複数の外部端子73は、図示しない内部配線を介して、前述した内部端子72に電気的に接続されている。これにより、ICチップ3と複数の外部端子73とが電気的に接続されている。
このようなベース部材41には、蓋部材42が気密的に接合されている。これにより、パッケージ4内が気密封止されている。
ベース部材41と蓋部材42との接合方法としては、特に限定されず、例えば、ろう材、硬化性樹脂等で構成された接着剤による接合方法、シーム溶接、レーザー溶接等の溶接方法等を用いることができる。
以上説明したような第1実施形態に係るセンサーデバイス1に備えられたセンサー素子2によれば、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
また、前述したようなセンサー素子2を備えるセンサーデバイス1によれば、安価で、優れた検出感度を有する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係るセンサー素子の調整用振動腕を示す拡大平面図である。
本実施形態に係るセンサー素子は、調整用電極の形状が異なる以外は、前述した第1実施形態に係るセンサー素子と同様である。
本実施形態のセンサー素子は、図12に示す調整用振動腕241Aを有する。なお、かかるセンサー素子は、図示しないが、前述した第1実施形態と同様、基部、1対の駆動用振動腕および1対の検出用振動腕を有し、また、かかる基部からは、調整用振動腕241Aと対をなす調整用振動腕も延出している。
この調整用電極群55Aは、調整用振動腕241Aの上面(表面)に設けられた調整用電極551Aと、調整用振動腕241Aの下面(裏面)に設けられた調整用電極552Aと、調整用振動腕241Aの一方の側面に設けられた調整用電極553と、調整用振動腕241Aの他方の側面に設けられた調整用電極554とで構成されている。
そして、各分岐部61Aは、共通部60A側に幅狭に形成された幅狭部62Aと、共通部60Aとは反対側に幅広に形成された幅広部63Aとを有する。
同様に、調整用電極552Aは、共通部64と、複数の分岐部65とを備える。
そして、各分岐部65は、共通部64側に幅狭に形成された幅狭部66と、共通部64とは反対側に幅広に形成された幅広部67とを有する。
以上説明したような第2実施形態に係るセンサー素子によっても、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図13は、本発明の第3実施形態に係るセンサー素子の調整用振動腕を示す拡大平面図である。
本実施形態に係るセンサー素子は、調整用電極の形状が異なる以外は、前述した第1実施形態に係るセンサー素子と同様である。
本実施形態のセンサー素子は、図13に示す調整用振動腕241Bを有する。なお、かかるセンサー素子は、図示しないが、前述した第1実施形態と同様、基部、1対の駆動用振動腕および1対の検出用振動腕を有し、また、かかる基部からは、調整用振動腕241Bと対をなす調整用振動腕も延出している。
この調整用電極群55Bは、調整用振動腕241Bの上面に設けられた調整用電極551Bと、調整用振動腕241Bの下面に設けられた調整用電極552Bと、調整用振動腕241Bの一方の側面に設けられた調整用電極553と、調整用振動腕241Bの他方の側面に設けられた調整用電極554とで構成されている。
調整用電極551Bは、共通部60Bと、複数の分岐部61Bとを備える。
そして、各分岐部61Bは、共通部60B側に幅狭に形成された幅狭部62Bと、共通部60Bとは反対側に幅広に形成された幅広部63Bとを有する。
幅広部63B1〜63B18は、調整用振動腕241Bの基端側から先端側に向けて、幅広部63B1、幅広部63B2、幅広部63B3、幅広部63B4、幅広部63B5、幅広部63B6・・・幅広部63B18の順に並んで設けられている。
以上説明したような第3実施形態に係るセンサー素子によっても、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図14は、本発明の第4実施形態に係るセンサー素子の調整用振動腕を示す拡大平面図である。
本実施形態に係るセンサー素子は、調整用電極の形状が異なる以外は、前述した第1実施形態に係るセンサー素子と同様である。
本実施形態のセンサー素子は、図14に示す調整用振動腕241Cを有する。なお、かかるセンサー素子は、図示しないが、前述した第1実施形態と同様、基部、1対の駆動用振動腕および1対の検出用振動腕を有し、また、かかる基部からは、調整用振動腕241Cと対をなす調整用振動腕も延出している。
この調整用電極群55Cは、調整用振動腕241Cの上面に設けられた調整用電極551Cと、調整用振動腕241Cの下面に設けられた調整用電極552Cと、調整用振動腕241Cの一方の側面に設けられた調整用電極553と、調整用振動腕241Cの他方の側面に設けられた調整用電極554とで構成されている。
調整用電極551Cは、共通部60Cと、複数の分岐部61Cとを備える。
そして、各分岐部61Cは、共通部60C側に幅狭に形成された幅狭部62Cと、共通部60Cとは反対側に幅広に形成された幅広部63Cとを有する。
幅広部63C1〜63C5は、互いに隣り合う2つの幅広部63Cのうち、調整用振動腕241Cの先端側の幅広部63Cのy軸方向での幅が基端側の幅広部63Cのy軸方向での幅よりも大きくなっている。これにより、各幅広部63C1〜63C5を有する分岐部61Cを切断することによる調整用出力の減少量(すなわち粗調整での調整量)を互いに等しく、または、かかる減少量の互いの差を少なくすることができる。その結果、粗調整を容易なものとすることができる。
以上説明したような第4実施形態に係るセンサー素子によっても、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図15は、本発明の第5実施形態に係るセンサー素子の調整用振動腕を示す拡大平面図である。
本実施形態に係るセンサー素子は、調整用電極の形状が異なる以外は、前述した第1実施形態に係るセンサー素子と同様である。
本実施形態のセンサー素子は、図15に示す調整用振動腕241Dを有する。なお、かかるセンサー素子は、図示しないが、前述した第1実施形態と同様、基部、1対の駆動用振動腕および1対の検出用振動腕を有し、また、かかる基部からは、調整用振動腕241Dと対をなす調整用振動腕も延出している。
この調整用電極群55Dは、調整用振動腕241Dの上面に設けられた調整用電極551Dと、調整用振動腕241Dの下面に設けられた調整用電極552Dと、調整用振動腕241Dの一方の側面に設けられた調整用電極553と、調整用振動腕241Dの他方の側面に設けられた調整用電極554とで構成されている。
調整用電極551Dは、共通部60Dと、複数の分岐部61Dとを備える。
共通部60Dは、平面視にて、調整用振動腕241Dの幅方向での中央部に設けられている。
このような分岐部61Dは、共通部60Dの幅方向での一方側および他方側にそれぞれ設けられている。これにより、共通部60Dが調整用電極551Dとして機能するのを防止または抑制することができる。そのため、センサー出力の調整を容易なものとすることができる。また、調整前(共通部または分岐部の途中を切断する前)の調整用電極551Dの電極面積を大きく確保することができる。
以上説明したような第5実施形態に係るセンサー素子によっても、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
図16は、本発明の第6実施形態に係るセンサー素子の調整用振動腕を示す拡大平面図である。
本実施形態に係るセンサー素子は、調整用電極の形状が異なる以外は、前述した第1実施形態に係るセンサー素子と同様である。また、本実施形態に係るセンサー素子は、調整用振動腕の横断面形状が異なる以外は、前述した第5実施形態に係るセンサー素子と同様である。
本実施形態のセンサー素子は、図16に示す調整用振動腕241Eを有する。なお、かかるセンサー素子は、図示しないが、前述した第1実施形態と同様、基部、1対の駆動用振動腕および1対の検出用振動腕を有し、また、かかる基部からは、調整用振動腕241Eと対をなす調整用振動腕も延出している。
溝部2411、2412の横断面は、それぞれ、矩形をなし、調整用振動腕241Eの側面に平行な壁面を有する。
この調整用電極群55Eは、調整用振動腕241Eの上面に設けられた調整用電極551Eと、調整用振動腕241Eの下面に設けられた調整用電極552Eと、調整用振動腕241Eの一方の側面に設けられた調整用電極553と、調整用振動腕241Eの他方の側面に設けられた調整用電極554とで構成されている。
調整用電極551Eは、共通部60Eと、複数の分岐部61Eとを備える。
共通部60Eは、平面視にて、調整用振動腕241Eの幅方向での中央部に設けられている。
このような分岐部61Eは、共通部60Eの幅方向での一方側および他方側にそれぞれ設けられている。
特に、各分岐部61Eの一部は、溝部2411の壁面(調整用振動腕241Eの側面に平行な壁面)に設けられている。これにより、調整用電極551Eから出力される電荷を大きくすることができる。そのため、センサー出力の調整幅を大きくすることができる。
以上説明したような第6実施形態に係るセンサー素子によっても、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
図17は、本発明の第7実施形態に係るセンサー素子の調整用振動腕を示す拡大平面図である。
本実施形態に係るセンサー素子は、調整用電極の形状が異なる以外は、前述した第1実施形態に係るセンサー素子と同様である。また、本実施形態に係るセンサー素子は、調整用電極の幅狭部の向きが異なる以外は、前述した第5実施形態に係るセンサー素子と同様である。
本実施形態のセンサー素子は、図17に示す調整用振動腕241Fを有する。なお、かかるセンサー素子は、図示しないが、前述した第1実施形態と同様、基部、1対の駆動用振動腕および1対の検出用振動腕を有し、また、かかる基部からは、調整用振動腕241Fと対をなす調整用振動腕も延出している。
この調整用電極群55Fは、調整用振動腕241Fの上面に設けられた調整用電極551Fと、調整用振動腕241Fの下面に設けられた調整用電極552Fと、調整用振動腕241Fの一方の側面に設けられた調整用電極553と、調整用振動腕241Fの他方の側面に設けられた調整用電極554とで構成されている。
調整用電極551Fは、共通部60Fと、複数の分岐部61Fとを備える。
共通部60Fは、平面視にて、調整用振動腕241Fの幅方向での中央部に設けられている。
特に、各幅狭部63Fは、調整用振動腕241Fの延出方向に対して傾斜する方向に延在している。これにより、レーザーで幅狭部62Fを切断する際に、レーザーをx軸方向およびy軸方向のいずれの方向に走査しても、幅狭部62Fを切断することができる。そのため、分岐部61Fの途中を簡単に切断することができる。
このような分岐部61Fは、共通部60Fの幅方向での一方側および他方側にそれぞれ設けられている。
以上説明したような各実施形態のセンサーデバイスは、各種の電子機器に組み込んで使用することができる。
このような電子機器によれば、信頼性を優れたものとすることができる。
ここで、本発明の電子デバイスを備える電子機器の一例について、図18〜図20に基づき、詳細に説明する。
図18は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
このようなパーソナルコンピュータ1100には、ジャイロセンサーとして機能する前述したセンサーデバイス1が内蔵されている。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。
このような携帯電話機1200には、ジャイロセンサーとして機能する前述したセンサーデバイス1が内蔵されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリ1308に格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
このようなディジタルスチルカメラ1300には、ジャイロセンサーとして機能する前述したセンサーデバイス1が内蔵されている。
以上、本発明のセンサー素子、センサー素子の特性調整方法、センサーデバイスおよび電子機器について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明のセンサー素子、センサーデバイスおよび電子機器は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、H型音叉のセンサー素子に本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明は、ダブルT型、二脚音叉、三脚音叉、くし歯型、直交型、角柱型等、種々のセンサー素子(ジャイロ素子)に適用することが可能である。
また、駆動用振動腕、検出用振動腕および調整用振動腕の数は、それぞれ、1つまたは3つ以上であってもよい。また、駆動用振動腕は、検出用振動腕を兼ねていてもよい。
また、検出用電極の数、位置、形状、大きさ等は、物理量が加えられることによる駆動用振動腕の振動を電気的に検出することができるものであれば、前述した実施形態に限定されるものではない。
また、調整用電極の数、位置、形状、大きさ等は、調整用振動腕の駆動振動に伴って生じる電荷を出力することができるものであれば、前述した実施形態に限定されるものではない。
Claims (15)
- 基部と、
前記基部から延出され、駆動振動する第1振動腕と、
前記基部から延出され、前記駆動振動に伴って振動する第2振動腕と、
前記第1振動腕に加えられた物理量に応じて変化する第1信号を出力する第1電極と、を備え、
前記第2振動腕には、前記第1電極に電気的に接続され、且つ、前記第1振動腕に物理量が加わっていないときに前記第1電極から出力される前記第1信号と逆相の第2信号を出力する第2電極が設けられ、
前記第2電極は、前記第2振動腕の延出方向に沿って設けられている共通部と、前記共通部から分岐している複数の分岐部と、を含むことを特徴とするセンサー素子。 - 前記複数の分岐部は、電極幅が前記共通部側よりも先端側の方が大きい請求項1に記載のセンサー素子。
- 前記複数の分岐部は、電極面積が互いに異なる請求項1または2に記載のセンサー素子。
- 前記複数の分岐部は、前記第2振動腕の前記延出方向に対して傾斜している請求項1ないし3のいずれか一項に記載のセンサー素子。
- 前記複数の分岐部は、前記共通部の両側にそれぞれ分岐している請求項1ないし4のいずれか一項に記載のセンサー素子。
- 前記第2振動腕は、第1面と、該第1面と反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面とを連結する第1側面および第2側面と、を有し、
前記共通部および前記複数の分岐部は、前記第1面および前記第2面の少なくとも一方の面に設けられているとともに、
前記第2電極は、前記第1側面に設けられている第1側面電極と、前記第2側面に設けられている第2側面電極と、をさらに含む請求項1ないし5のいずれか一項に記載のセンサー素子。 - 前記第2振動腕は、前記延出方向に沿って設けられている溝部を備え、
前記分岐部の少なくとも一部は、前記溝部の壁面に設けられている請求項6に記載のセンサー素子。 - 前記共通部および前記複数の分岐部は、前記第1面および前記第2面にそれぞれ設けられており、
前記第1面に設けられている前記複数の分岐部、および、前記第2面に設けられている前記複数の分岐部は、前記第1面の法線方向から見たときに、少なくとも一部が互いに重ならないように設けられている請求項6または7に記載のセンサー素子。 - 前記基部から延出され、前記第1振動腕に加えられた物理量に応じて振動する第3振動腕をさらに備え、
前記第1電極は、前記第3振動腕に設けられている請求項1ないし8のいずれか一項に記載のセンサー素子。 - 前記物理量は角速度である請求項1ないし9のいずれか一項に記載のセンサー素子。
- 基部と、
前記基部から延出され、駆動振動する第1振動腕と、
前記基部から延出され、前記駆動振動に伴って振動する第2振動腕と、
前記第1振動腕に加えられた物理量に応じて信号を出力する第1電極と、を備え、
前記第2振動腕には、前記第1電極に電気的に接続され、且つ、前記第1振動腕に物理量が加わっていないときに前記第1電極から出力される第1信号と逆相の第2信号を出力する第2電極が設けられ、
前記第2電極は、前記第2振動腕の延出方向に沿って設けられている共通部と、前記共通部から分岐している複数の分岐部と、を備えている素子を用意し、
前記分岐部および前記共通部の少なくとも一部を除去することにより、前記第2電極に発生する電荷を調整する電荷調整工程を備えることを特徴とするセンサー素子の製造方法。 - 前記分岐部の途中および前記共通部の少なくとも一方の途中を切断することにより、前記第2電極に発生する電荷を調整する請求項11に記載のセンサー素子の製造方法。
- 前記電荷調整工程の前に、前記第1振動腕に物理量を加えずに前記第1振動腕を通電により振動させた状態で前記第1電極に発生する電荷を測定する工程と、前記第2振動腕の共振周波数を調整する工程と、を備える請求項11または12に記載のセンサー素子の製造方法。
- 請求項1ないし10のいずれか一項に記載のセンサー素子と、
前記第1振動腕を駆動させる回路、および、前記第1電極からの信号を検出する回路を有することを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1ないし10のいずれか一項に記載のセンサー素子を有することを特徴とする電子機器。
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