JP2013170851A - センサー素子、センサー素子の製造方法、センサーデバイスおよび電子機器 - Google Patents

センサー素子、センサー素子の製造方法、センサーデバイスおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができるセンサー素子、センサー素子の製造方法およびセンサーデバイスを提供すること、また、かかるセンサーデバイスを備える信頼性の高い電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明のセンサー素子は、基部21と、基部21から延出された振動腕22、23と、振動腕22、23に設けられた駆動部51〜54と、振動腕22、23に設けられた検出部55、56と、振動腕22、23に設けられ、振動腕22、23に物理量が加わっていないときに検出部55、56から発生する電荷と逆極性の電荷を発生する調整部57、58とを備え、調整部57、58は、第1の電極層、第2の電極層および圧電体層を有し、調整部57、58の第2の電極層は、振動腕22、23の延出方向に沿って設けられた共通部60と、共通部60から分岐した複数の分岐部61とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、センサー素子、センサー素子の製造方法、センサーデバイスおよび電子機器に関するものである。
センサー素子としては、例えば、車両における車体制御、カーナビゲーションシステムの自車位置検出、デジタルカメラやビデオカメラ等の振動制御補正(いわゆる手ぶれ補正)等に用いられ、角速度、加速度等の物理量を検出するセンサーが知られている。センサーとして、例えば、角速度センサー(振動ジャイロセンサー)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献に記載の角速度センサーは、2つのアームと、この2つのアームの一端同士を接続する接続部とで構成された音叉を有する。また、特許文献1に記載の角速度センサーでは、音叉が非圧電体材料で構成されており、各アームには、1対の電極間に圧電薄膜が介挿されてなる駆動部および検出部がそれぞれ設けられている。
このような特許文献1に記載の角速度センサーでは、駆動部の1対の電極間に電圧を印加することにより、アームを屈曲振動(駆動)させる。そして、その駆動状態で、アームがその延出方向に沿った軸線まわりの角速度を受けると、コリオリ力により、アームが前述した駆動方向と直交する方向に撓み、その撓み量に応じた電荷が検出部の1対の電極から検出される。その検出された電荷に基づいて、角速度を検出することができる。
ところで、前述したような2つのアームを有する音叉は一般に基板をエッチング加工することにより形成される。その際、その基板のエッチング異方性や加工プロセスのばらつき等により、音叉の寸法を設計通りとすることが難しい。そのため、音叉が意図しない形状となり、アームが角速度を受けていない状態でも、アームが駆動方向と異なる方向にアームが撓んでしまう場合がある。このようなアームの撓みに伴う検出部の1対の電極から生じた電荷を検出してしまうと、検出精度の低下を招くこととなる。
そこで、特許文献1に記載の角速度センサーでは、検出部の1対の電極のうちの一方の電極を部分的に除去することにより、アームが角速度を受けていない状態における検出部の1対の電極から出力される電荷量を調整している。
しかし、特許文献1に記載の角速度センサーでは、検出部の1対の電極から出力される電荷量の調整を高精度に行うことが難しいという問題があった。
特開2008−14887号公報
本発明の目的は、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができるセンサー素子、センサー素子の製造方法およびセンサーデバイスを提供すること、また、かかるセンサーデバイスを備える信頼性の高い電子機器を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明のセンサー素子は、基部と、
前記基部から延出された振動腕と、
前記振動腕に設けられ、前記振動腕を屈曲振動させる駆動部と、
前記振動腕に設けられ、前記振動腕に加えられた物理量に応じて信号を出力する検出部と、
前記振動腕に設けられ、前記検出部に電気的に接続され、かつ、前記振動腕に物理量が加わっていないときに前記検出部から発生する電荷と逆極性の電荷を発生する調整部とを備え、
前記駆動部、前記検出部および前記調整部は、第1の電極層、第2の電極層、および、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に設けられた圧電体層を有し、
前記調整部の前記第2の電極層は、前記振動腕の延出方向に沿って設けられている共通部と、前記共通部から分岐している複数の分岐部とを含むことを特徴とする。
このように構成されたセンサー素子によれば、振動腕の断面非対称に起因する検出部の漏れ出力に対し、調整部の複数の分岐部のうちの少なくとも1つの分岐部の途中を切断することにより、逆極性の電荷を調整部から発生させ、漏れ出力を相殺してセンサー出力を調整することができる。具体的には、センサー素子に物理量が加えられていない状態でのセンサー出力が所望の基準値(例えばゼロ)となるように、センサー出力を調整(補正)することができる。
特に、複数の分岐部が共通部から分岐しているので、任意の分岐部を切断しても、その他の分岐部を検出部に対して電気的に接続された状態を維持することができる。すなわち、複数の分岐部のうちの任意の分岐部の分だけ調整部の第2の電極層の電極面積を小さくすることができる。
しかも、複数の分岐部が振動腕の延出方向に沿って並んで設けられているので、切断される分岐部の位置および数に応じて、センサー出力を簡単かつ高精度に調整することができる。
以上のようなことから、本発明のセンサー素子は、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
[適用例2]
本発明のセンサー素子では、前記調整部は、前記検出部よりも前記振動腕の先端側に設けられていることが好ましい。
これにより、振動腕の屈曲振動において応力が大きい箇所に検出部を設けることができるので、効率良く物理量を検出することができる。
[適用例3]
本発明のセンサー素子では、前記検出部の少なくとも一部に前記検出部の他の部分より幅の広い幅広部が設けられていることが好ましい。
これにより、調整部によるセンサー出力の調整幅を適度なものとしつつ、振動腕に加えられた物理量を検出部により高感度に検出することができる。
[適用例4]
本発明のセンサー素子では、前記調整部の前記第1の電極層および前記圧電体層は、平面視したときに、前記調整部の前記第2の電極層と実質的に同じ形状をなすことが好ましい。
これにより、調整部の第1の電極層、圧電体層および第2の電極層を一括してパターニングすることにより形成することができる。そのため、センサー素子の製造時における調整部の形成が容易となる。
[適用例5]
本発明のセンサー素子では、前記複数の分岐部は、電極幅が前記共通部側よりも先端側の方が大きいことが好ましい。
これにより、調整前(分岐部の途中を切断する前)の調整部の第2の電極層の電極面積を大きく確保し、分岐部の途中の切断によるセンサー出力の調整幅を大きくするとともに、分岐部の途中を比較的簡単に切断することができる。
[適用例6]
本発明のセンサー素子では、前記複数の分岐部は、前記共通部の両側にそれぞれ分岐していることが好ましい。
これにより、共通部が調整部からの出力(調整用出力)に影響するのを防止または抑制することができる。そのため、センサー出力の調整を容易なものとすることができる。また、調整前(分岐部の途中を切断する前)の調整部の第2の電極層の電極面積を大きく確保することができる。
[適用例7]
本発明のセンサー素子の製造方法は、
前記センサー素子は、
基部と、
前記基部から延出された振動腕と、
前記振動腕に設けられ、前記振動腕を屈曲振動させる駆動部と、
前記振動腕に設けられ、前記振動腕に加えられた物理量に応じて信号を出力する検出部と、
前記振動腕に設けられ、前記検出部に電気的に接続され、かつ、前記振動腕に物理量が加わっていないときに前記検出部から発生する電荷と逆極性の電荷を発生する調整部とを備え、
前記駆動部、前記検出部および前記調整部は、第1の電極層、第2の電極層、および、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に設けられた圧電体層を有し、
前記調整部の前記第2の電極層は、前記振動腕の延出方向に沿って設けられている共通部と、前記共通部から分岐している複数の分岐部とを含んでおり、
前記分岐部の途中を切断することにより、前記調整部に発生する前記電荷を調整する電荷調整工程を備えることを特徴とする。
このようなセンサー素子の製造方法によれば、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
[適用例8]
本発明のセンサーデバイスは、本発明のセンサー素子と、
前記駆動用振動腕を駆動させる回路、および、前記検出用電極からの信号を検出する回路を有することを特徴とする。
これにより、安価で、優れた検出感度を有するセンサーデバイスを提供することができる。
[適用例9]
本発明の電子機器は、本発明のセンサー素子を有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るセンサーデバイス(電子デバイス)の概略構成を示す模式的断面図である。 図1に示すセンサーデバイスの平面図である。 図1に示すセンサーデバイスに備えられたセンサー素子を示す平面図である。 (a)は、図3中のA−A線断面図、(b)は、図3中のB−B線断面図である。 図3に示すセンサー素子における検出部および調整部の接続状態を示す図である。 (a)は、検出部の漏れ出力を示す図、(b)は、調整部の出力を示す図である。 本発明のセンサー素子の製造方法(特性調整方法)の一例を示すフローチャートである。 本発明のセンサー素子の製造方法(特性調整方法)の一例を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係るセンサー素子を示す平面図である。 図9中のC−C線断面図である。 本発明の第3実施形態に係るセンサー素子を示す平面図である。 図11中のD−D線断面図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
以下、本発明のセンサー素子、センサー素子の製造方法、センサーデバイスおよび電子機器を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサーデバイス(電子デバイス)の概略構成を示す模式的断面図、図2は、図1に示すセンサーデバイスの平面図、図3は、図1に示すセンサーデバイスに備えられたセンサー素子を示す平面図、図4(a)は、図3中のA−A線断面図、図4(b)は、図3中のB−B線断面図、図5は、図3に示すセンサー素子における検出部および調整部の接続状態を示す図、図6(a)は、検出部の漏れ出力を示す図、図6(b)は、調整部の出力を示す図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図1〜4において、互いに直交する3つの軸として、x軸、y軸およびz軸を図示しており、その図示した矢印の先端側を「+側」、基端側を「−側」とする。また、x軸に平行な方向を「x軸方向」、y軸に平行な方向を「y軸方向」、z軸に平行な方向を「z軸方向」といい、また、+z側(図1中の上側)を「上」、−z側(図1の下側)を「下」ともいう。
(センサーデバイス)
図1および図2に示すセンサーデバイス1は、角速度を検出するジャイロセンサーである。
このようなセンサーデバイス1は、例えば、撮像機器の手ぶれ補正や、GPS(Global Positioning System)衛星信号を用いた移動体ナビケーションシステムにおける車両などの姿勢検出、姿勢制御等に用いることができる。
このセンサーデバイス1は、図1および図2に示すように、センサー素子2と、ICチップ3と、センサー素子2およびICチップ3を収納するパッケージ4とを有する。
以下、センサーデバイス1を構成する各部を順次説明する。
[センサー素子]
センサー素子2は、1つの軸まわりの角速度を検出するジャイロセンサー素子(振動片)である。
このセンサー素子2は、図3に示すように、振動体20と、振動体20上に設けられた駆動部51〜54、検出部55、56、調整部57、58および端子59a〜59hとを有する。
《振動体》
振動体20は、基部21と、2つ(1対)の振動腕22、23とを備える。
2つの振動腕22、23は、互いに平行となるように基部21からそれぞれ延出して設けられている。より具体的には、2つの振動腕22、23は、基部21からそれぞれy軸方向(+y側)に延出するとともに、x軸方向に並んで設けられている。
この振動腕22、23は、それぞれ、長手形状をなし、その基部21側の端部(基端部)が固定端となり、基部21と反対側の端部(先端部)が自由端となる。
また、各振動腕22、23の横断面は、四角形をなしている(図4参照)。なお、各振動腕22、23の横断面形状は、四角形に限定されず、例えば、各振動腕22、23の上面および下面にy軸方向に沿った溝を形成することにより、H字状をなしていてもよい。
なお、必要に応じて、振動腕22、23の各先端部には、基端部よりも横断面積(幅)が大きい質量部(ハンマーヘッド)を設けてもよい。この場合、振動体20をより小型なものとしたり、振動腕22、23の共振周波数をより低めたりすることができる。
また、振動腕22、23の先端部には、振動腕22、23の共振周波数を調整するための調整膜(重り)が設けられていてもよい。
このような振動体20の構成材料としては、所望の振動特性を発揮することができるものであれば、特に限定されず、各種圧電体材料および各種非圧電体材料を用いることができる。
例えば、振動体20を構成する圧電体材料としては、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ホウ酸リチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。特に、振動体20を構成する圧電体材料としては水晶(Xカット板、ATカット板、Zカット板等)が好ましい。水晶で振動体20を構成すると、振動体20の振動特性(特に周波数温度特性)を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動体20を形成することができる。
また、振動体20を構成する非圧電体材料としては、例えば、シリコン、石英等が挙げられる。特に、振動体20を構成する非圧電体材料としてはシリコンが好ましい。シリコンで振動体20を構成すると、優れた振動特性を有する振動体20を比較的安価に実現することができる。また、公知の微細加工技術を用いてエッチングにより高い寸法精度で振動体20を形成することができる。
このような振動体20の振動腕22には、1対の駆動部51、52と、検出部55と、調整部57とが設けられ、同様に、振動腕23には、1対の駆動部53、54と、検出部56と、調整部58とが設けられている。
本実施形態では、振動体20の上面には、図4に示すように、絶縁体層24が設けられている。これにより、駆動部51〜54、検出部55、56、調整部57、58間での短絡を防止することができる。
この絶縁体層24は、例えば、SiO(酸化ケイ素)、AlN(窒化アルミ)、SiN(窒化ケイ素)等で構成されている。また、絶縁体層24の形成方法としては、特に限定されず、公知の成膜法を用いることができる。例えば、絶縁体層24をSiOで構成する場合、振動体20の上面を熱酸化することにより、絶縁体層24を形成することができる。
以下、駆動部51〜54、検出部55、56、調整部57、58について順次詳細に説明する。
《駆動部》
まず、駆動部51〜54について説明する。
1対の駆動部51、52は、振動腕22をx軸方向に屈曲振動させるものである。同様に、1対の駆動部53、54は、振動腕23をx軸方向に屈曲振動させるものである。
この1対の駆動部51、52は、振動腕22の幅方向(x軸方向)において、一方側(図3中右側)に駆動部51が設けられ、他方側(図3中左側)に駆動部52が設けられている。
同様に、1対の駆動部53、54は、振動腕23の幅方向(x軸方向)において、一方側(図3中右側)に駆動部53が設けられ、他方側(図3中左側)に駆動部54が設けられている。
本実施形態では、駆動部51、52は、振動腕22の基端側の部分に主に設けられている。同様に、駆動部53、54は、振動腕23の基端側の部分に主に設けられている。
そして、駆動部51〜54は、それぞれ、通電によりy軸方向に伸縮するように構成されている。
具体的に説明すると、図4(a)に示すように、駆動部51は、第1の電極層511、第1の電極層511に対して振動腕22とは反対側に設けられた第2の電極層513、および、第1の電極層511と第2の電極層513との間に設けられた圧電体層512を有する。言い換えると、駆動部51は、振動腕22上に、第1の電極層511、圧電体層(圧電薄膜)512、第2の電極層513がこの順で積層されて構成されている。
同様に、駆動部52は、振動腕22上に、第1の電極層521、圧電体層(圧電薄膜)522、第2の電極層523がこの順で積層されて構成されている。また、駆動部53は、振動腕23上に、第1の電極層531、圧電体層(圧電薄膜)532、第2の電極層533がこの順で積層されて構成されている。また、駆動部54は、振動腕23上に、第1の電極層541、圧電体層(圧電薄膜)542、第2の電極層543がこの順で積層されて構成されている。
このような駆動部51〜54を用いることにより、振動腕22、23自体が圧電性を有していなかったり、振動腕22、23自体が圧電性を有していても、その分極軸や結晶軸の方向がx軸方向での屈曲振動に適していなかったりする場合でも、比較的簡単かつ効率的に、各振動腕22、23をx軸方向に屈曲振動(駆動振動)させることができる。また、振動腕22、23の圧電性の有無、分極軸や結晶軸の方向を問わないので、各振動腕22、23の構成材料の選択の幅が広がる。そのため、所望の振動特性を有する振動体20を比較的簡単に実現することができる。
以下、駆動部51を構成する各層を順次説明する。なお、駆動部52〜53については、駆動部51と同様であるため、その説明を省略する。
第1の電極層511は、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料や、ITO、ZnO等の透明電極材料により形成することができる。
中でも、第1の電極層511の構成材料としては、金を主材料とする金属(金、金合金)または白金を用いるのが好ましく、金を主材料とする金属(特に金)を用いるのがより好ましい。
Auは、導電性に優れ(電気抵抗が小さく)、酸化に対する耐性に優れているため、電極材料として好適である。また、AuはPtに比しエッチングにより容易にパターニングすることができる。さらに、第1の電極層511を金または金合金で構成することにより、圧電体層512の配向性を高めることもできる。
また、第1の電極層511の平均厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜300nm程度であるのが好ましく、10〜200nmであるのがより好ましい。これにより、第1の電極層511が駆動部51の駆動特性や振動腕22の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、前述したような第1の電極層511の導電性を優れたものとすることができる。
なお、第1の電極層511と振動腕22との間には、第1の電極層511が振動腕22から剥離するのを防止する機能を有する下地層が設けられていてもよい。
かかる下地層は、例えば、Ti、Cr等で構成されている。
このような第1の電極層511上には、圧電体層512が設けられている。
圧電体層512の構成材料(圧電体材料)としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、四ホウ酸リチウム(Li)、チタン酸バリウム(BaTiO)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等が挙げられる。
中でも、圧電体層512の構成材料としては、PZTを用いるのが好ましい。PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)は、c軸配向性に優れている。そのため、圧電体層512をPZTを主材料として構成することにより、センサー素子2のCI値を低減することができる。また、これらの材料は、反応性スパッタリング法により成膜することができる。
また、圧電体層512の平均厚さは、50〜3000nmであるのが好ましく、200〜2000nmであるのがより好ましい。これにより、圧電体層512が振動腕22の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、駆動部51の駆動特性を優れたものとすることができる。
このような圧電体層512上(圧電体層512の振動腕22とは反対の面側)には、第2の電極層513が設けられている。
第2の電極層513は、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料やITO、ZnO等の透明電極材料により形成することができる。
また、第2の電極層513の平均厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜300nm程度であるのが好ましく、10〜200nmであるのがより好ましい。これにより、第2の電極層513が駆動部51の駆動特性や振動腕22の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、第2の電極層513の導電性を優れたものとすることができる。
なお、圧電体層512と第2の電極層513との間には、圧電体層512を保護するとともに、第1の電極層511と第2の電極層513との間の短絡を防止する機能を有する絶縁体層(絶縁性の保護層)が設けられていてもよい。
かかる絶縁体層は、例えば、SiO(酸化ケイ素)、AlN(窒化アルミ)、SiN(窒化ケイ素)等で構成されている。
また、圧電体層512と第2の電極層513との間には、第2の電極層513が圧電体層512(上述した絶縁体層を設けた場合には絶縁体層)から剥離するのを防止する機能を有する下地層が設けられていてもよい。
かかる下地層は、例えば、Ti、Cr等で構成されている。
このように構成された駆動部51においては、第1の電極層511と第2の電極層513との間に電圧が印加されると、圧電体層512にz軸方向の電界が生じ、圧電体層512がy軸方向に伸張または収縮する。同様に、駆動部52においては、第1の電極層521と第2の電極層523との間に電圧が印加されると、圧電体層522にz軸方向の電界が生じ、圧電体層522がy軸方向に伸張または収縮する。
このとき、駆動部51、52のうちの一方の駆動部をy軸方向に伸張させたときに他方の駆動部をy軸方向に収縮させることにより、振動腕22をx軸方向に屈曲振動させることができる。
同様に、駆動部53、54により振動腕23をx軸方向に屈曲振動させることができる。
本実施形態では、駆動部51の第1の電極層511、および、駆動部54の第1の電極層541が、それぞれ、図3に示す基部21に設けられた端子59aに電気的に接続されている。また、駆動部51の第2の電極層513、および、駆動部54の第2の電極層543が、それぞれ、図3に示す基部21に設けられた端子59bに電気的に接続されている。また、駆動部52の第1の電極層521、および、駆動部53の第1の電極層531が、それぞれ、図3に示す基部21に設けられた端子59dに電気的に接続されている。また、駆動部52の第2の電極層523、および、駆動部53の第2の電極層533が、それぞれ、図3に示す基部21に設けられた端子59cに電気的に接続されている。
したがって、端子59aと端子59cとを同電位とするとともに、端子59bと端子59dとを同電位としつつ、端子59a、59cと端子59b、59dとの間に電圧を印加することにより、振動腕22、23を互いに接近または離間するようにx軸方向に屈曲振動させることができる。
《検出部》
次に、検出部55、56について説明する。
検出部55は、振動腕22のz軸方向での屈曲振動(いわゆる面外振動)を検出するものである。同様に、検出部56は、振動腕23のz軸方向での屈曲振動を検出するものである。
この検出部55は、振動腕22の幅方向(x軸方向)での中央部に設けられている。同様に、検出部56は、振動腕23の幅方向(x軸方向)での中央部に設けられている。
本実施形態では、検出部55は、振動腕22の基端側の部分に主に設けられている。同様に、検出部56は、振動腕23の基端側の部分に主に設けられている。
また、検出部55は、前述した1対の駆動部51、52間に設けられ、同様に、検出部56は、前述した1対の駆動部53、54間に設けられている。
そして、検出部55、56は、それぞれ、y軸方向に伸縮することにより電荷を出力するように構成されている。
具体的に説明すると、図4(a)に示すように、検出部55は、第1の電極層551、第1の電極層551に対して振動腕22とは反対側に設けられた第2の電極層553、および、第1の電極層551と第2の電極層553との間に設けられた圧電体層552を有する。言い換えると、検出部55は、振動腕22上に、第1の電極層551、圧電体層(圧電薄膜)552、第2の電極層553がこの順で積層されて構成されている。
同様に、検出部56は、振動腕23上に、第1の電極層561、圧電体層(圧電薄膜)562、第2の電極層563がこの順で積層されて構成されている。
このような検出部55、56を用いることにより、振動腕22、23自体が圧電性を有していなかったり、振動腕22、23自体が圧電性を有していても、その分極軸や結晶軸の方向がz軸方向での屈曲振動の検出に適していなかったりする場合でも、比較的簡単かつ効率的に、各振動腕22、23のz軸方向での屈曲振動を検出することができる。また、振動腕22、23の圧電性の有無、分極軸や結晶軸の方向を問わないので、各振動腕22、23の構成材料の選択の幅が広がる。そのため、所望の振動特性を有する振動体20を比較的簡単に実現することができる。
また、第1の電極層551、561は、前述した駆動部51〜54の第1の電極層と同一材料で構成することができる。
また、第1の電極層551、561は、前述した駆動部51〜54の第1の電極層と同一厚さで構成することができる。
また、第1の電極層551、561は、前述した駆動部51〜54の第1の電極層と同一工程で一括して形成することができる。
また、圧電体層552、562は、前述した駆動部51〜54の圧電体層と同一材料で構成することができる。
また、圧電体層552、562は、前述した駆動部51〜54の圧電体層と同一厚さで構成することができる。
また、圧電体層552、562は、前述した駆動部51〜54の圧電体層と同一工程で一括して形成することができる。
また、第2の電極層553、563は、前述した駆動部51〜54の第2の電極層と同一材料で構成することができる。
また、第2の電極層553、563は、前述した駆動部51〜54の第2の電極層と同一厚さで構成することができる。
また、第2の電極層553、563は、前述した駆動部51〜54の第2の電極層と同一工程で一括して形成することができる。
このように構成された検出部55は、振動腕22がz軸方向に屈曲すると、y軸方向に伸張または収縮し、電荷を出力する。これにより、検出部55は、振動腕22のz軸方向での屈曲振動に伴って電荷を出力する。
同様に、検出部56は、振動腕23のz軸方向での屈曲振動に伴って電荷を出力する。
本実施形態では、検出部55の第1の電極層551が、図3に示す基部21に設けられた端子59eに電気的に接続されている。また、検出部55の第2の電極層553が、図3に示す基部21に設けられた端子59fに電気的に接続されている。また、検出部56の第1の電極層561が、図3に示す基部21に設けられた端子59gに電気的に接続されている。また、検出部56の第2の電極層563が、図3に示す基部21に設けられた端子59hに電気的に接続されている。
したがって、振動腕22のz軸方向での屈曲振動に伴って、端子59eと端子59fとの間に電位差が生じる。同様に、振動腕23のz軸方向での屈曲振動に伴って、端子59gと端子59hとの間に電位差が生じる。
《調整部》
次に、調整部57、58について説明する。
調整部57は、必要に応じて、検出部55の後述する漏れ出力Sの電荷を相殺する電荷(振動腕22に物理量が加わっていないときに検出部55から発生する電荷と逆極性の電荷)を出力するものである。同様に、調整部58は、必要に応じて、検出部56の後述する漏れ出力Sの電荷を相殺する電荷(振動腕23に物理量が加わっていないときに検出部56から発生する電荷と逆極性の電荷)を出力するものである。
この調整部57は、振動腕22の幅方向(x軸方向)でのほぼ全域に亘って設けられている。同様に、調整部58は、振動腕23の幅方向(x軸方向)でのほぼ全域に亘って設けられている。
本実施形態では、調整部57は、振動腕22の先端側の部分に主に設けられている。同様に、調整部58は、振動腕23の先端側の部分に主に設けられている。
また、調整部57は、前述した検出部55よりも振動腕22の先端側に設けられている。同様に、調整部58は、前述した検出部56よりも振動腕23の先端側に設けられている。これにより、振動腕22、23の屈曲振動において応力が大きい箇所に検出部55、56を設けることができるので、効率良く物理量を検出することができる。一方、調整部57、58は多くの電荷を出力する必要がないので、調整部57、58の設置位置は、応力変位の少ない振動腕22、23の先端側でもよい。
そして、調整部57、58は、図3に示すような初期状態(後述するような電荷調整を行っていない状態)では、x軸方向に屈曲しても電荷をほとんど出力しないが、後述するような電荷調整工程において調整部57、58のx軸方向での一方側の部分を除去した場合、x軸方向に屈曲することにより、その除去量に応じた電荷を出力するように構成されている。
また、調整部57、58は、それぞれ、y軸方向に伸縮することにより電荷を出力するように構成されている。すなわち、調整部57は、検出部55とともに、振動腕22のz軸方向での屈曲振動に伴って電荷を出力する。同様に、調整部58は、検出部56とともに、振動腕23のz軸方向での屈曲振動に伴って電荷を出力する。
具体的に説明すると、図4(b)に示すように、調整部57は、第1の電極層571、第1の電極層571に対して振動腕22とは反対側に設けられた第2の電極層573、および、第1の電極層571と第2の電極層573との間に設けられた圧電体層572を有する。言い換えると、調整部57は、振動腕22上に、第1の電極層571、圧電体層(圧電薄膜)572、第2の電極層573がこの順で積層されて構成されている。
同様に、調整部58は、振動腕23上に、第1の電極層581、圧電体層(圧電薄膜)582、第2の電極層583がこの順で積層されて構成されている。
このような調整部57、58を用いることにより、振動腕22、23自体が圧電性を有していなかったり、振動腕22、23自体が圧電性を有していても、その分極軸や結晶軸の方向がx軸方向での屈曲振動に伴って電荷を出力するのに適していなかったりする場合でも、比較的簡単かつ効率的に、各振動腕22、23のx軸方向での屈曲振動に伴って電荷を出力することができる。また、振動腕22、23の圧電性の有無、分極軸や結晶軸の方向を問わないので、各振動腕22、23の構成材料の選択の幅が広がる。そのため、所望の振動特性を有する振動体20を比較的簡単に実現することができる。
また、第1の電極層571、581は、前述した駆動部51〜54および検出部55、56の第1の電極層と同一材料で構成することができる。
また、第1の電極層571、581は、前述した駆動部51〜54および検出部55、56の第1の電極層と同一厚さで構成することができる。
また、第1の電極層571、581は、前述した駆動部51〜54および検出部55、56の第1の電極層と同一工程で一括して形成することができる。
本実施形態では、第1の電極層571は、検出部55の第1の電極層551と一体的に形成され、同様に、第1の電極層581は、検出部56の第1の電極層561と一体的に形成されている。
また、圧電体層572、582は、前述した駆動部51〜54および検出部55、56の圧電体層と同一材料で構成することができる。
また、圧電体層572、582は、前述した駆動部51〜54および検出部55、56の圧電体層と同一厚さで構成することができる。
また、圧電体層572、582は、前述した駆動部51〜54および検出部55、56の圧電体層と同一工程で一括して形成することができる。
本実施形態では、圧電体層572は、検出部55の圧電体層552と一体的に形成され、同様に、圧電体層582は、検出部56の圧電体層562と一体的に形成されている。
また、第2の電極層573、583は、前述した駆動部51〜54および検出部55、56の第2の電極層と同一材料で構成することができる。
また、第2の電極層573、583は、前述した駆動部51〜54および検出部55、56の第2の電極層と同一厚さで構成することができる。
また、第2の電極層573、583は、前述した駆動部51〜54および検出部55、56の第2の電極層と同一工程で一括して形成することができる。
本実施形態では、第2の電極層573は、検出部55の第2の電極層553と一体的に形成され、同様に、第2の電極層583は、検出部56の第3の電極層563と一体的に形成されている。
このように構成された調整部57は、振動腕22がx軸方向に屈曲すると、x軸方向での一方側の部分がy軸方向に伸張し、x軸方向での他方側の部分がy軸方向に収縮する。そのため、調整部57は、図3に示すような初期状態では、x軸方向に屈曲しても、x軸方向での一方側の部分で生じた電荷と、x軸方向での他方側の部分で生じた電荷とが互いに相殺されるため、電荷をほとんど出力しない。また、調整部57は、後述するように調整部57の一部を除去した場合、x軸方向に屈曲することにより、x軸方向での一方側の部分で生じた電荷と、x軸方向での他方側の部分で生じた電荷とのうちの一方の電荷の一部が相殺されず、その除去量に応じた電荷を出力する。
同様に、調整部58は、図3に示すような初期状態では、x軸方向に屈曲しても、電荷をほとんど出力しないが、後述するように調整部57の一部を除去した場合、その除去量に応じた電荷を出力する。
本実施形態では、調整部57の第1の電極層571が、前述した検出部55の第1の電極層551を介して、図3に示す基部21に設けられた端子59eに電気的に接続されている。また、調整部57の第2の電極層573が、前述した検出部55の第2の電極層553を介して、図3に示す基部21に設けられた端子59fに電気的に接続されている。また、調整部58の第1の電極層581が、前述した検出部56の第1の電極層561を介して、図3に示す基部21に設けられた端子59gに電気的に接続されている。また、調整部58の第2の電極層583が、前述した検出部56の第2の電極層563を介して、図3に示す基部21に設けられた端子59hに電気的に接続されている。
このような調整部57、58を有するセンサー素子2では、図5に示すように、検出部55に発生する電荷に、調整部57に発生する電荷を加えたもの端子59e、59fから出力する。また、検出部56に発生する電荷に、調整部58に発生する電荷を加えたもの端子59g、59hから出力する。
そして、調整部57、58の第2の電極層573、583(調整用電極)の一部を切断または除去することにより、これらの出力(以下、単に「センサー出力」ともいう)を調整することができる。
以下、調整部57についてさらに詳述する。なお、調整部58は、調整部57と同様であるため、その説明を省略する。
前述したように、調整部57は、振動腕22上に、第1の電極層571、圧電体層(圧電薄膜)572、第2の電極層573がこの順で積層されて構成されている(図4(b)参照)。
本実施形態では、第1の電極層571、圧電体層572および第2の電極層573は、図3に示すように、z軸方向からみたときに(平面視したとき)、互いに外周縁が一致または近似するように形成されている。すなわち、第1の電極層571および圧電体層は572、平面視したときに、第2の電極層573と一致または近似した形状(実質的に同じ形状)をなす。これにより、調整部57の第1の電極層571、圧電体層572および第2の電極層573を一括してパターニングすることにより形成することができる。また、駆動部51〜54や検出部55、56を形成するエッチング工程と同じプロセスで調整部57、58を形成することができる。そのため、センサー素子2の製造時における調整部57の形成が容易となる。
以下、第2の電極層573の平面視形状について、代表的に説明する。
この調整部57の第2の電極層573は、図3に示すように、共通部60と、複数の分岐部61とを備える。
共通部60は、前述した検出部55の第2の電極層553に電気的に接続されている。
また、複数の分岐部61は、共通部60から分岐するとともに振動腕22の延出方向に沿って並んで設けられている。
このような第2の電極層573は、複数の分岐部61のうちの少なくとも1つの分岐部61の途中を切断することにより、センサー出力を調整することができる。例えば、センサー素子2に物理量が加えられていない状態でのセンサー出力(以下、「ゼロ点出力」ともいう)がゼロとなるように、センサー出力を調整(補正)することができる。
特に、複数の分岐部61が共通部60から分岐しているので、任意の分岐部61を切断しても、その他の分岐部61を共通部60に対して電気的に接続した状態を維持することができる。すなわち、複数の分岐部61のうちの任意の分岐部61の分だけ第2の電極層573の電極面積を小さくすることができる。
しかも、複数の分岐部61が振動腕22の延出方向に沿って並んで設けられているので、切断される分岐部61の位置および数に応じて、センサー出力を簡単かつ高精度に調整することができる。
本実施形態では、共通部60は、振動腕22の延出方向に沿って延在し、複数の分岐部61は、共通部60の長手方向での互いに異なる複数の部位から分岐している。これにより、第2の電極層573の構成を簡単化することができる。
本実施形態では、共通部60は、図3に示すように、平面視したとき(z軸方向からみたとき)、振動腕22の幅方向での中央部に設けられている。また、共通部60は、幅狭に形成されている。
そして、各分岐部61は、共通部60側に幅狭に形成された幅狭部62と、共通部60とは反対側に幅広に形成された幅広部63とを有する。このように各分岐部61が幅広部63を有することにより、調整前(分岐部61の途中を切断する前)の第2の電極層573の電極面積を大きく確保し、分岐部61の途中の切断によるセンサー出力の調整幅を大きくすることができる。また、各分岐部61が幅狭部62を有することにより、分岐部61の途中を比較的簡単に切断することができる。
また、分岐部61は、共通部60の幅方向での一方側および他方側にそれぞれ設けられている。これにより、共通部60が後述する調整用出力Tに影響するのを防止または抑制することができる。そのため、センサー出力の調整を容易なものとすることができる。また、調整前(分岐部の途中を切断する前)の第2の電極層573の電極面積を大きく確保することができる。
また、複数の幅狭部62は、互いに平行となるように設けられている。また、各幅狭部62は、振動腕22の延出方向に直交する方向、すなわちx軸方向に延在している。なお、幅狭部62の延出方向は、振動腕22の延出方向と直交する方向でなくてもよい。この場合、周波数調整に際し、レーザーの走査方向が、x方向、y方向どちらの方向でも幅狭部を切断できる。
また、複数の分岐部61は、互いに等しい寸法となるように形成されている。また、複数の分岐部61は、振動腕22の延出方向、すなわちy軸方向に等ピッチで並んで設けられている。
また、複数の幅広部63は、互いに面積が等しくなるように形成されている。なお、複数の幅広部62の面積は、互いに異なっていてもよい。この場合、幅広部の面積を個々に設定することによって、周波数の調整量を所望の値にすることができる。
以上説明したように構成されたセンサー素子2では、端子59aと端子59cとを同電位とするとともに、端子59bと端子59dとを同電位としつつ、端子59a、59cと端子59b、59dとの間に電圧を印加することにより、振動腕22、23を互いに接近または離間するようにx軸方向に屈曲振動(駆動振動)させる。
このように振動腕22、23を駆動振動させた状態で、センサー素子2にy軸まわりの角速度ωが加わると、振動腕22、23は、コリオリ力により、z軸方向に互いに反対側に屈曲振動(検出振動)する。
このような振動腕22、23の検出振動により検出部55、56に生じた電荷を検出することにより、センサー素子2に加わった角速度ωを求めることができる。
かかるセンサー素子2では、例えば製造時のバラツキにより振動腕22、23の横断面形状が設計通りとならない場合、センサー素子2に物理量を加えずに振動腕22、23を通電により振動させた状態において、図6(a)に示すように、検出部55、56にそれぞれ漏れ出力Sとなる電荷が生じる。
また、センサー素子2では、調整部57、58の第2の電極層573、583の一部を除去または切断することにより、センサー素子2に物理量が加えられているか否かにかかわらず振動腕22、23を通電により振動させた状態において、図6(b)に示すように、調整部57、58にそれぞれ調整用出力Tとなる電荷を生じさせることができる。
そして、漏れ出力Sおよび調整用出力Tを互いに逆極性とし、かつ、調整用出力Tの絶対値を漏れ出力の絶対値と等しくすることにより、センサー素子2のゼロ点出力をゼロにすることができる。
そこで、センサー素子2の製造方法は、分岐部61の途中を切断することにより、調整部57、58に発生する電荷を調整する電荷調整工程を備える。
以下、電荷調整工程(センサー素子2の特性調整方法)について具体例を挙げて説明する。なお、以下では、振動腕22に関する特性調整について代表的に説明するが、振動腕23に関する特性調整についても同様である。
図7は、本発明のセンサー素子の製造方法(特性調整方法)の一例を示すフローチャート、図8は、本発明のセンサー素子の製造方法(特性調整方法)の一例を説明するための図である。
センサー素子2の特性調整方法は、前述したセンサー素子2を用意し、センサー素子2の複数の分岐部61のうちの少なくとも1つの分岐部61の途中を切断することにより、センサー素子2の特性を調整する。
このようなセンサー素子2の特性調整方法によれば、前述したような振動腕22の断面非対称に起因する検出部55の漏れ出力Sに対し、調整部57の複数の分岐部61のうちの少なくとも1つの分岐部61の途中を切断することにより、逆極性の電荷を調整部57から発生させ、漏れ出力Sを相殺してセンサー出力を調整することができる。具体的には、センサー素子2に物理量が加えられていない状態でのセンサー出力が所望の基準値(例えばゼロ)となるように、センサー出力を調整(補正)することができる。
特に、複数の分岐部61が共通部60から分岐しているので、任意の分岐部61を切断しても、その他の分岐部61を検出部55に対して電気的に接続された状態を維持することができる。すなわち、複数の分岐部61のうちの任意の分岐部61の分だけ調整部57の第2の電極層571の電極面積を小さくすることができる。
しかも、複数の分岐部61が振動腕22の延出方向に沿って並んで設けられているので、切断される分岐部61の位置および数に応じて、センサー出力を簡単かつ高精度に調整することができる。
かかる特性調整に際しては、図3および図5に示す端子59eと端子59fとの間の電荷量を測定し、その測定結果に基づいて前記切断を行う。これにより、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
より具体的に説明すると、図7に示すように、まず、漏れ出力(ゼロ点出力)を測定する(ステップS1)。
そして、その測定結果に基づき、粗調整が必要か否かを判断する(ステップS2)。具体的には、ゼロ点出力が第1の設定値以上である場合には、粗調整が必要である判断し、ゼロ点出力が第1の設定値未満である場合には、粗調整が必要でないと判断する。
粗調整が必要であると判断した場合、粗調整を行う(ステップS3)。具体的には、例えば、図8(a)に示すように、調整部57の複数の分岐部61のうち、振動腕22の基端側に位置する分岐部61を必要数切断する。
ここで、各分岐部61ごとに、切断による調整用出力Tの発生量(電荷量)を実験や計算等により予め求めておくことにより、ステップS1で測定したゼロ点出力に基づいて、切断する分岐部61の数や位置を適切に選択することができる。
また、分岐部61の切断は、特に限定されないが、例えば、レーザーを用いて行うことができる。
かかる粗調整の後、再度、ステップS1に戻り、漏れ出力(ゼロ点出力)を測定する。そして、ゼロ点出力が第1の設定値未満となるまで、ゼロ点出力の測定と粗調整とが交互に繰り返されることとなる。
一方、粗調整が必要でないと判断した場合、ステップS1での測定結果に基づき、微調整が必要か否かを判断する(ステップS4)。具体的には、ゼロ点出力が第1の設定値よりも小さい第2の設定値以上である場合には、微調整が必要である判断し、ゼロ点出力が第2の設定値未満である場合には、微調整が必要でないと判断する。
微調整が必要であると判断した場合、微調整を行う(ステップS5)。具体的には、例えば、図8(b)に示すように、調整部57の複数の分岐部61のうち、振動腕22の先端側に位置する分岐部61を必要数切断する。なお、図8(b)は、粗調整を行った後に微調整を行った場合を図示している。
ここで、粗調整と同様、各分岐部61ごとに、切断による調整用出力Tの発生量(電荷量)を実験や計算等により予め求めておくことにより、ステップS1で測定したゼロ点出力に基づいて、切断する分岐部61の数や位置を適切に選択することができる。
かかる微調整の後、再度、ステップS1に戻り、漏れ出力(ゼロ点出力)を測定する。そして、ゼロ点出力が第2の設定値未満となるまで、ゼロ点出力の測定と微調整とが交互に繰り返されることとなる。
一方、微調整が必要でないと判断した場合、センサー素子2の特性調整を終了する。
以上説明したようなセンサー素子2の特性調整方法によれば、前述したような粗調整および微調整を必要に応じて任意に選択して行うことができるので、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
[ICチップ3]
図1および図2に示すICチップ3は、前述したセンサー素子2を駆動する機能と、センサー素子2からの出力(センサー出力)を検出する機能とを有する電子部品である。
このようなICチップ3は、図示しないが、センサー素子2を駆動する駆動回路と、センサー素子2からの出力を検出する検出回路とを備える。
また、ICチップ3には、複数の接続端子31が設けられている。
(パッケージ4)
図1および図2に示すように、パッケージ4は、上方に開放する凹部を有するベース部材41(ベース)と、このベース部材41の凹部を覆うように設けられた蓋部材42(リッド)とを備える。これにより、ベース部材41と蓋部材42との間には、センサー素子2およびICチップ3が収納される内部空間が形成されている。
ベース部材41は、平板状の板体411(板部)と、板体411の上面の外周部に接合された枠体412(枠部)とで構成されている。
このようなベース部材41は、例えば、酸化アルニウム質焼結体、水晶、ガラス等で構成されている。
図1に示すように、ベース部材41の上面(蓋部材42に覆われる側の面)には、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂等を含んで構成された接着剤のような接合部材81により、前述したセンサー素子2の基部21が接合されている。これにより、センサー素子2がベース部材41に対して支持・固定されている。
また、ベース部材41の上面には、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂等を含んで構成された接着剤のような接合部材82により、前述したICチップ3が接合されている。これにより、ICチップ3がベース部材41に対して支持・固定されている。
さらに、図1および図2に示すように、ベース部材41の上面には、複数の内部端子71および複数の内部端子72が設けられている。
複数の内部端子71には、例えばボンディングワイヤーで構成された配線を介して、前述したセンサー素子2の端子59a〜59hが電気的に接続されている。
この複数の内部端子71は、図示しない配線を介して、複数の内部端子72に電気的に接続されている。
また、複数の内部端子72には、例えばボンディングワイヤーで構成された配線を介して、前述したICチップ3の複数の接続端子31が電気的に接続されている。
一方、図1に示すように、ベース部材41の下面(パッケージ4の底面)には、センサーデバイス1が組み込まれる機器(外部機器)に実装される際に用いられる複数の外部端子73が設けられている。
この複数の外部端子73は、図示しない内部配線を介して、前述した内部端子72に電気的に接続されている。これにより、ICチップ3と複数の外部端子73とが電気的に接続されている。
このような各内部端子71、72および各外部端子73は、それぞれ、例えば、タングステン(W)等のメタライズ層にニッケル(Ni)、金(Au)等の被膜をメッキ等により積層した金属被膜からなる。
このようなベース部材41には、蓋部材42が気密的に接合されている。これにより、パッケージ4内が気密封止されている。
この蓋部材42は、例えば、ベース部材41と同材料、または、コバール、42アロイ、ステンレス鋼等の金属で構成されている。
ベース部材41と蓋部材42との接合方法としては、特に限定されず、例えば、ろう材、硬化性樹脂等で構成された接着剤による接合方法、シーム溶接、レーザー溶接等の溶接方法等を用いることができる。
かかる接合は、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行うことにより、パッケージ4内を減圧状態または不活性ガス封入状態に保持することができる。
以上説明したような第1実施形態に係るセンサーデバイス1に備えられたセンサー素子2によれば、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
また、前述したようなセンサー素子2を備えるセンサーデバイス1によれば、安価で、優れた検出感度を有する。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態に係るセンサー素子を示す平面図、図10は、図9中のC−C線断面図である。
本実施形態に係るセンサー素子は、調整部および検出部の構成(特に平面視形状)が異なる以外は、前述した第1実施形態に係るセンサー素子と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態のセンサー素子に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図9、10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態のセンサー素子2Aは、図9に示すように、振動体20上に設けられた検出部55A、56Aおよび調整部57A、58Aを有する。
検出部55Aは、振動腕22の延出方向に沿って延在し、基部21と反対側の部分に、検出部55Aの基部21側の部分よりもx軸方向での幅が大きい幅広部554が設けられている。同様に、検出部56Aは、振動腕23の延出方向に沿って延在し、基部21と反対側の部分に、検出部56Aの基部21側の部分よりもx軸方向での幅が大きい幅広部564が設けられている。
このような幅広部554、564を設けることにより、検出部55A、56Aの検出感度を高めることができる。
また、幅広部554は、駆動部51、52に対して基部21とは反対側に設けられている。同様に、幅広部564は、駆動部53、54に対して基部21とは反対側に設けられている。これにより、振動腕22、23を駆動部51〜54により効率的に駆動振動させるとともに、振動腕22、23に加えられた物理量を検出部55A、56Aにより高感度に検出することができる。
また、幅広部554は、調整部57Aに対して基部21側に設けられている。同様に、幅広部564は、調整部58Aに対して基部21側に設けられている。これにより、調整部57A、58Aによるセンサー出力の調整幅を適度なものとしつつ、振動腕22、23に加えられた物理量を検出部55A、56Aにより高感度に検出することができる。
このような検出部55A、56Aは、前述した第1実施形態の検出部55、56と同様の積層構造を有する。具体的には、図10に示すように、検出部55Aは、振動腕22上に、第1の電極層551A、圧電体層(圧電薄膜)552A、第2の電極層553Aがこの順で積層されて構成されている。同様に、検出部56Aは、振動腕23上に、第1の電極層561A、圧電体層(圧電薄膜)562A、第2の電極層563Aがこの順で積層されて構成されている。
なお、このような幅広部554、564は、それぞれ、幅広部554、564における第2の電極層553A、556Aの一部をレーザーにより除去することにより、センサー出力の調整に用いてもよい。すなわち、幅広部554、564が調整部57A、58Aの一部を兼ねていてもよい。
また、調整部57Aは、必要に応じて、検出部55Aの漏れ出力Sの電荷を相殺する電荷を出力するものである。同様に、調整部58Aは、必要に応じて、検出部56Aの漏れ出力Sの電荷を相殺する電荷を出力するものである。
以上説明したような第2実施形態に係るセンサー素子2Aによっても、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図11は、本発明の第3実施形態に係るセンサー素子を示す平面図、図12は、図11中のD−D線断面図である。
本実施形態に係るセンサー素子は、調整部の構成(特に第1の電極層および圧電体層の平面視形状)が異なる以外は、前述した第1実施形態に係るセンサー素子と同様である。
なお、以下の説明では、第3実施形態のセンサー素子に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図11、12において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態のセンサー素子2Bは、図11に示すように、振動体20上に設けられた調整部57B、58Bを有する。
この調整部57B、58Bは、前述した第1実施形態の調整部57B、58Bと同様の積層構造を有する。具体的には、図12に示すように、調整部57Bは、振動腕22上に、第1の電極層571B、圧電体層(圧電薄膜)572B、第2の電極層573がこの順で積層されて構成されている。同様に、調整部58Bは、振動腕23上に、第1の電極層581B、圧電体層(圧電薄膜)582B、第2の電極層583がこの順で積層されて構成されている。
特に、本実施形態では、調整部57Bの第1の電極層571Bおよび圧電体層572Bは、それぞれ、平面視したときに、調整部57Bの第2の電極層573を含み、かつ、振動腕22の延出方向(y軸方向)に沿って一定の幅(x軸方向での幅)で延在する形状をなす。これにより、第1の電極層571Bおよび圧電体層572Bのパターンと第2の電極層573のパターンとの位置ずれによって調整部57Bの特性が変化するのを防止することができる。そのため、センサー出力を簡単かつ高精度に調整することができる。
同様に、調整部58Bの第1の電極層581Bおよび圧電体層582Bは、それぞれ、平面視したときに、調整部58Bの第2の電極層583を含み、かつ、振動腕23の延出方向(y軸方向)に沿って一定の幅(x軸方向での幅)で延在する形状をなす。
このような調整部57B、58Bによれば、振動腕22、23の剛性の均一化を図り、振動腕22、23の振動特性を優れたものとすることができる。その結果、センサー素子2Bの検出精度を向上させることができる。また、調整部57B、58Bを形成する際に、第2の電極層573B、583Bとなる層のみをエッチングにより櫛形に形成するため、得られる第2の電極層573B、583Bをより微細な櫛型とすることができる。その結果、周波数調整をより高精度に行うことができる。
以上説明したような第3実施形態に係るセンサー素子2Bによっても、簡単かつ確実に、優れた検出感度を発揮することができる。
以上説明したような各実施形態のセンサーデバイスは、各種の電子機器に組み込んで使用することができる。
このような電子機器によれば、信頼性を優れたものとすることができる。
(電子機器)
ここで、本発明の電子デバイスを備える電子機器の一例について、図13〜図15に基づき、詳細に説明する。
図13は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピュータ1100には、ジャイロセンサーとして機能する前述したセンサーデバイス1が内蔵されている。
図14は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。
このような携帯電話機1200には、ジャイロセンサーとして機能する前述したセンサーデバイス1が内蔵されている。
図15は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリ1308に転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリ1308に格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
このようなディジタルスチルカメラ1300には、ジャイロセンサーとして機能する前述したセンサーデバイス1が内蔵されている。
なお、本発明の電子機器は、図13のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図14の携帯電話機、図15のディジタルスチルカメラの他にも、電子デバイスの種類に応じて、例えば、車体姿勢検出装置、ポインティングデバイス、ヘッドマウントディスプレイ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、ナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ゲームコントローラー、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ等に適用することができる。
以上、本発明のセンサー素子、センサー素子の製造方法(特性調整方法)、センサーデバイスおよび電子機器について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明のセンサー素子、センサーデバイスおよび電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、本発明のセンサー素子、センサーデバイスおよび電子機器は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、本発明のセンサー素子の製造方法では、任意の工程を追加することができる。
また、前述した実施形態では、二脚音叉のセンサー素子に本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明は、ダブルT型、H型音叉、三脚音叉、くし歯型、直交型、角柱型等、種々のセンサー素子(ジャイロ素子)に適用することが可能である。
また、少なくとも1つの振動腕に前述したような駆動部、検出部および調整部が設けられていれば、振動腕の数は、1つまたは3つ以上であってもよい。
また、駆動部の数、位置、形状、大きさ等は、振動腕を通電により振動させることができるものであれば、前述した実施形態に限定されるものではない。
また、検出部の数、位置、形状、大きさ等は、物理量が加えられることによる振動腕の振動を電気的に検出することができるものであれば、前述した実施形態に限定されるものではない。
また、調整部の数、位置、形状、大きさ等は、振動腕の駆動振動に伴って生じる電荷を出力することができるものであれば、前述した実施形態に限定されるものではない。
1‥‥センサーデバイス 2‥‥センサー素子 2A‥‥センサー素子 2B‥‥センサー素子 3‥‥ICチップ 4‥‥パッケージ 20‥‥振動体 21‥‥基部 22‥‥振動腕 23‥‥振動腕 24‥‥絶縁体層 31‥‥接続端子 41‥‥ベース部材 42‥‥蓋部材 51‥‥駆動部 52‥‥駆動部 53‥‥駆動部 54‥‥駆動部 55‥‥検出部 55A‥‥検出部 56‥‥検出部 56A‥‥検出部 57‥‥調整部 57A‥‥調整部 57B‥‥調整部 58‥‥調整部 58A‥‥調整部 58B‥‥調整部 59a‥‥端子 59b‥‥端子 59c‥‥端子 59d‥‥端子 59e‥‥端子 59f‥‥端子 59g‥‥端子 59h‥‥端子 60‥‥共通部 61‥‥分岐部 62‥‥幅狭部 63‥‥幅広部 71‥‥内部端子 72‥‥内部端子 73‥‥外部端子 81‥‥接合部材 82‥‥接合部材 100‥‥表示部 411‥‥板体 412‥‥枠体 511‥‥第1の電極層 512‥‥圧電体層 513‥‥第2の電極層 521‥‥第1の電極層 522‥‥圧電体層 523‥‥第2の電極層 531‥‥第1の電極層 532‥‥圧電体層 533‥‥第2の電極層 541‥‥第1の電極層 542‥‥圧電体層 543‥‥第2の電極層 551‥‥第1の電極層 551A‥‥第1の電極層 552‥‥圧電体層 552A‥‥圧電体層(圧電薄膜) 553‥‥第2の電極層 553A‥‥第2の電極層 554‥‥幅広部 561‥‥第1の電極層 561A‥‥第1の電極層 562‥‥圧電体層 562A‥‥圧電体層(圧電薄膜) 563‥‥第2の電極層 563A‥‥第2の電極層 564‥‥幅広部 571‥‥第1の電極層 571B‥‥第1の電極層 572‥‥圧電体層 572B‥‥圧電体層 573‥‥第2の電極層 581‥‥第1の電極層 581B‥‥第1の電極層 582‥‥圧電体層 582B‥‥圧電体層 583‥‥第2の電極層 1100‥‥パーソナルコンピュータ 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン
1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥メモリ 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ S‥‥漏れ出力 S1‥‥ステップ S2‥‥ステップ S3‥‥ステップ S4‥‥ステップ S5‥‥ステップ T‥‥調整用出力 ω‥‥角速度

Claims (9)

  1. 基部と、
    前記基部から延出された振動腕と、
    前記振動腕に設けられ、前記振動腕を屈曲振動させる駆動部と、
    前記振動腕に設けられ、前記振動腕に加えられた物理量に応じて信号を出力する検出部と、
    前記振動腕に設けられ、前記検出部に電気的に接続され、かつ、前記振動腕に物理量が加わっていないときに前記検出部から発生する電荷と逆極性の電荷を発生する調整部とを備え、
    前記駆動部、前記検出部および前記調整部は、第1の電極層、第2の電極層、および、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に設けられた圧電体層を有し、
    前記調整部の前記第2の電極層は、前記振動腕の延出方向に沿って設けられている共通部と、前記共通部から分岐している複数の分岐部とを含むことを特徴とするセンサー素子。
  2. 前記調整部は、前記検出部よりも前記振動腕の先端側に設けられている請求項1に記載のセンサー素子。
  3. 前記検出部の少なくとも一部に前記検出部の他の部分より幅の広い幅広部が設けられている請求項1または2に記載のセンサー素子。
  4. 前記調整部の前記第1の電極層および前記圧電体層は、平面視したときに、前記調整部の前記第2の電極層と実質的に同じ形状をなす請求項1ないし3のいずれか一項に記載のセンサー素子。
  5. 前記複数の分岐部は、電極幅が前記共通部側よりも先端側の方が大きい請求項1ないし4のいずれかに記載のセンサー素子。
  6. 前記複数の分岐部は、前記共通部の両側にそれぞれ分岐している請求項1ないし5のいずれか一項に記載のセンサー素子。
  7. センサー素子の製造方法であって、
    前記センサー素子は、
    基部と、
    前記基部から延出された振動腕と、
    前記振動腕に設けられ、前記振動腕を屈曲振動させる駆動部と、
    前記振動腕に設けられ、前記振動腕に加えられた物理量に応じて信号を出力する検出部と、
    前記振動腕に設けられ、前記検出部に電気的に接続され、かつ、前記振動腕に物理量が加わっていないときに前記検出部から発生する電荷と逆極性の電荷を発生する調整部とを備え、
    前記駆動部、前記検出部および前記調整部は、第1の電極層、第2の電極層、および、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に設けられた圧電体層を有し、
    前記調整部の前記第2の電極層は、前記振動腕の延出方向に沿って設けられている共通部と、前記共通部から分岐している複数の分岐部とを含んでおり、
    前記分岐部の途中を切断することにより、前記調整部に発生する前記電荷を調整する電荷調整工程を備えることを特徴とするセンサー素子の製造方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のセンサー素子と、
    前記駆動用振動腕を駆動させる回路、および、前記検出用電極からの信号を検出する回路を有することを特徴とするセンサーデバイス。
  9. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のセンサー素子を有することを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018016190A1 (ja) * 2016-07-21 2018-01-25 ソニー株式会社 ジャイロセンサ、信号処理装置、電子機器およびジャイロセンサの制御方法

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