JP5747818B2 - 微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法および微細繊維状セルロースコンポジットシート積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、微細繊維状セルロースと高分子のコンポジットシートを効率よく積層体とする方法を提供することを目的とする。
本願は、2009年7月31日に日本に出願された特願2009−179114号、および2010年4月22日に日本に出願された特願2010−098352号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
天然繊維の中でもセルロース繊維、とりわけ木材由来のセルロース繊維(パルプ)は主に紙製品として幅広く使用されている。紙に使用されるセルロース繊維の幅は10〜50μmのものがほとんどである。このようなセルロース繊維から得られる紙(シート)は不透明であり、不透明であるが故に印刷用紙として幅広く利用されている。一方、セルロース繊維をレファイナーやニーダー、サンドグラインダーなどで処理(叩解、粉砕)し、セルロース繊維を微細化(ミクロフィブリル化)すると透明紙(グラシン紙等)が得られる。しかし、この透明紙の透明性は半透明レベルであり、光の透過性は高分子フィルムに比べると低く、曇り度合い(ヘーズ値)も大きい。
セルロース繊維を機械的に粉砕し、その繊維幅を50nm以下とした微細繊維状セルロースの水分散液は透明である。他方、微細繊維状セルロースシートは空隙を含むため白く乱反射し、不透明性が高くなるが、微細繊維状セルロースシートに樹脂を含浸すると前記空隙が埋まるため、透明なシートが得られる。さらに、微細繊維状セルロースシートの繊維はセルロース結晶の集合体で、非常に剛直であり、また、繊維幅が小さいため、通常のセルロースシート(紙)に比べると同質量において繊維の本数が飛躍的に多くなる。そのため、高分子とコンポジット化すると高分子中で細い繊維がより均一かつ緻密に分散し、耐熱寸法安定性が飛躍的に向上する。また、繊維が細いため透明性が高い。このような特性を有する微細繊維状セルロースのコンポジットは、有機ELや液晶ディスプレイ用のフレキシブル透明基板(曲げたり折ったりすることのできる透明基板)として非常に大きな期待が寄せられている。
また、前記微細繊維状セルロースコンポジットシートを2枚以上重ね合わせる、あるいは前記微細繊維状セルロースコンポジットシートの少なくとも片面に高分子層を形成し、熱圧着して積層体を製造する方法を提供するものである。
また、本発明者らは前記コンポジットシートをそのまま、あるいは前記コンポジットシートの少なくとも片面にさらに高分子層を形成し、それらシートを2枚以上積層し、熱圧着によって積層体ができるか否か種々検討し、かかる知見に基づき本発明を完成させた。
(1)微細繊維状セルロースを用いたコンポジットシートの製造方法であって、微細繊維状セルロースを含む水系懸濁液に高分子エマルションを混合し、さらに水溶性無機塩からなるセルロール凝結剤を配合して混合液を製造する調製工程、前記混合液を多孔性の基材上でろ過により脱水し、水分を含んだシートを形成する抄紙工程、及び前記水分を含んだシートを加熱乾燥する乾燥工程を有する微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法。
また、本発明によって、微細繊維状セルロースコンポジットシートの積層体を非常に効率よく生産できる製造方法を提供することができる。
本発明における微細繊維状セルロースは通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに幅の狭いセルロース繊維あるいは棒状粒子である。微細繊維状セルロースは結晶状態のセルロース分子の集合体であり、その結晶構造はI型(平行鎖)である。微細繊維状セルロースの幅は電子顕微鏡で観察して2nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは2nm〜500nm、さらに好ましくは4nm〜100nmである。繊維の幅が2nm未満であると、セルロース分子として水に溶解しているため、微細繊維としての物性(強度や剛性、寸法安定性)が発現しなくなる。1000nmを超えると微細繊維とは言えず、通常のパルプに含まれる繊維にすぎないため、微細繊維としての物性(強度や剛性、寸法安定性)が得られない。また、微細繊維状セルロースのコンポジットに透明性が求められる用途であると、微細繊維の幅は50nm以下が好ましい。
ここで、高分子エマルションとは、天然あるいは合成高分子を分散質とするエマルションであり、粒子径が0.001〜10μm程度の微細な高分子粒子を水中に分散した乳白色の液体である。これらの高分子エマルションは、通常乳化重合により製造されるが、高分子ラテックスと称されることもある。乳化重合は、ラジカル重合の一種で、基本的には水系媒体中で媒体に難溶な単量体と乳化剤を混合し、媒体に溶解可能な重合開始剤を加えて行う重合法である。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のような高分子樹脂の分散質は後乳化法によってエマルション化し、本発明の高分子エマルションとしてもよい。
本発明の高分子エマルションを形成する分散質としては、ポリウレタン、ポリエチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酸変性スチレン−ブタジエン共重合体、およびポリプロピレンが好ましい。
まず、本発明において使用する高分子エマルションは、ラジカル重合性単量体を乳化剤の使用により水中に乳化させ、かつこれらの単量体が重合して生成するエマルション粒子を水中で安定化させる能力を十分に有する高分子を分散質とする。
前記高分子エマルションの製造方法は、従来の伝統的な乳化重合法によるものである。すなわち、適当な水性媒体中で、過酸化物、アゾ化合物等の重合開始剤、チオール化合物、ジスルフィド化合物等の連鎖移動剤の存在下で、ラジカル重合性単量体(乳化物)をラジカル重合するものである。
このようにして得られた高分子エマルションの濃度は20〜65質量%が好ましく、より好ましくは30〜60質量%程度に調節される。
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂を乳化剤や保護コロイド剤等の分散剤を用いて水に分散させた分散液、いわゆるエマルションを製造する方法は、種々知られている。
前記高分子エマルションにカチオン性を付与する方法としてはカチオン性単量体を共重合する方法や、カチオン性乳化剤を用いてエマルションの分散質を重合する方法等が挙げられる。
前記3級アミノ基を有する活性水素化合物の活性水素含有基と、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基とを反応させることによって、3級アミノ基を有する活性水素化合物をウレタンプレポリマーに結合させる。その後、4級化剤によって、3級アミノ基を4級化すると、水溶性のカチオン性ウレタンプレポリマーを得ることができる。
また4級化を行わず、3級アミノ基を酸で中和し、塩にすることによって水溶化することもできる。中和酸としては、酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタール酸、アジピン酸、マレイン酸などの有機酸かリン酸や硝酸など無機酸が好ましい。
カチオン性化合物としては、例えば、第4級アンモニウム塩を有するカチオン性乳化剤が挙げられる。具体的には、アルキルトリメチルアンモニム塩やアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン縮合物などのジシアンジアミド系化合物などが挙げられる。
カチオン性化合物を含む乳化剤を用いてウレタンプレポリマーを水に乳化することによって、ウレタンプレポリマーにカチオン性を付与することができる。
1分子中に二個以上の活性水素を持つ多価アミンとして、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
さらに、コロイド滴定法により測定されるカチオン化度が1.0〜3.0meq/gである微カチオン樹脂、例えばポリアミド化合物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物及びポリアミドアミン化合物などの有機高分子も使用できる。市販品としては、SPI−203(変性アミン系樹脂、田岡化学工業社製)、SPI−106N(変性ポリアミド系樹脂、田岡化学工業社製)、SPI−102A(変性ポリアミド系樹脂、田岡化学工業社製)等が挙げられる。
カチオン化度の測定に使用されるコロイド滴定法は寺山宏・東京大学理学部教授により提案された高分子電解質の滴定法であり、その原理はポリカチオンとポリアニオンがイオン会合し、瞬時に複合体を形成することに基づくものである。また、滴定の終点検出には色素のメタクロマジー現象が利用されている。コロイド滴定法を用いたカチオン化度の測定には「コロイド滴定セット」(株式会社同仁化学研究所製)を使用することができる。
コンポジットシートの少なくとも片面に高分子エマルションあるいは微細繊維状セルロースを含有する高分子エマルションを塗布して、未乾燥のまま貼合して加熱乾燥したところ積層は可能であったが、シワが発生し易かった。特に、コンポジットシートの積層枚数が増えるとシワが大きくなる。
そこで、コンポジットシートの少なくとも片面に高分子エマルションあるいは微細繊維状セルロースを含有する高分子エマルションを塗布して、加熱乾燥することにより高分子層が設けられたコンポジットシートどうしを熱圧着して積層体を製造することでシワのない外観に優れた積層体が得られた。
本発明においては高分子エマルションを塗布した面どうしを熱圧着してもかまわないし、高分子エマルションを塗布した面とコンポジットシートの未塗布面とを熱圧着してもよい。また、2枚以上同時に熱圧着しても良い。
熱圧着の温度は高分子エマルションの高分子の融点や軟化点に依存するため、融点あるいは軟化点以上の温度が好ましい。また、セルロースは250℃を超えると劣化したり、変色し易くなるので250℃以下が好ましい。より具体的には100℃〜250℃が好ましい。
熱圧着の圧力に特に制限はないが、1kg/cm2〜100kg/cm2が好ましく、3kg/cm2〜50kg/cm2がより好ましく、5kg/cm2〜30kg/cm2がさらに好ましい。1kg/cm2未満であると圧着性が不十分となるおそれがあり、100kg/cm2を超えるとコンポジットの構造が破壊され、強度低下を招くおそれがある。
熱圧着の方法には特に制限はないが、平判どうしの圧着であるホットプレス法やロールとロールのニップで熱圧着するロール法が好ましい。特にロール法は連続で処理できるため、好ましい実施態様である。
また、本発明によって作製されるコンポジットシートの積層体はセルロース由来の高弾性率を持ち、かつシワのない高密度シートである。また、本来水に弱いセルロースシートに耐水性といった高分子のもつ機能を付与することが可能となる。さらに、熱圧着によって易成形可能であるため、各種容器、パソコン、テレビ、携帯電話などの電化製品の筐体や自動車、電車、自転車などの構造部材に使用可能である。
LBKPパルプ(王子製紙社製:水分53.0%、フリーネス600mLcsf)をパルプ濃度が1%になるように水を加えてディスインテグレーターで解繊した。
得られたパルプ懸濁液に対して石臼型分散機(商品名:「スーパーマスコロイダー」、増幸産業社製)を用いて1回処理を行った。さらにこれを高圧衝突型分散機(商品名:「アルティマイザー」、スギノマシン社製)で10回処理し、セルロース水系懸濁液を得た。このセルロース繊維の繊維幅は250nmであった。最後に水系懸濁液のパルプ濃度を0.5%に調整した。
LBKPパルプ(王子製紙社製:水分53.0%、フリーネス600mLcsf)をパルプ濃度が1%になるように水を加えてディスインテグレーターで解繊した。
得られたパルプ懸濁液に対して石臼型分散機(商品名:「スーパーマスコロイダー」、増幸産業社製)を用いて4回処理を行った。さらにこれを高圧衝突型分散機(商品名:「アルティマイザー」、スギノマシン社製)で20回処理し、セルロース水系懸濁液を得た。最後に水系懸濁液のパルプ濃度を0.5%に調整し、20kHz超音波処理を行った。得られたセルロース繊維の繊維幅は30nmであった。
上記のセルロース水系懸濁液Aを濃度0.5%に希釈したカチオン性ポリウレタン樹脂エマルション(商品名:「スーパーフレックス650」(平均粒子径:0.01μm)、第一工業製薬社製)と表1に示した比率で混合した後、濃度0.3%の硫酸アルミニウム水溶液を1.58部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を508メッシュナイロンシート上で吸引脱水した後に90℃のシリンダードライヤーで0.2MPaに加圧しながら乾燥し、微細繊維状セルロースコンポジットシートを得た。
上記のセルロース水系懸濁液Bを濃度0.5%に希釈したアニオン性ポリエチレンエマルション(商品名:「E−2213」(平均粒子径:0.07μm)、東邦化学工業社製)と表2に示した比率で混合した後、濃度0.3%の硫酸アルミニウム水溶液を1.58部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を508メッシュナイロンシート上で吸引脱水した後に90℃のシリンダードライヤーで0.2MPaに加圧しながら乾燥し、微細繊維状セルロースコンポジットシートを得た。
上記のセルロース水系懸濁液Bと濃度0.5%に希釈した酸変性スチレン−ブタジエン(SBR)共重合体ラテックス(商品名:「ピラテックス J9049」、日本エイアンドエル社製、固形分49%、Tg:−40℃、粒子径220nm)とを表3に示した比率で混合した後、濃度0.3%の硫酸アルミニウム水溶液を1.58部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を508メッシュナイロンシート上で吸引脱水した後に90℃のシリンダードライヤーで0.2MPaに加圧しながら乾燥し、微細繊維状セルロースコンポジットシートを得た。
上記のセルロース水系懸濁液Bと濃度0.5%に希釈したアニオン性アクリル系エマルション(商品名:「VONCOAT CP−6190」、DIC社製、固形分40%、Tg:43℃、粒子径100nm)とを表4に示した比率で混合した後、濃度0.3%の硫酸アルミニウム水溶液を1.58部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を508メッシュナイロンシート上で吸引脱水した後に90℃のシリンダードライヤーで0.2MPaに加圧しながら乾燥し、微細繊維状セルロースコンポジットシートを得た。
上記のセルロース水系懸濁液Bと濃度0.5%に希釈したアニオン性ポリプロピレン系エマルション(商品名:「HYTEC E−8045」、東邦化学工業社製、固形分25%、融点:156℃、粒子径150nm)とを表5に示した比率で混合した後、濃度0.3%の硫酸アルミニウム水溶液を1.58部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を508メッシュナイロンシート上で吸引脱水した後に90℃のシリンダードライヤーで0.2MPaに加圧しながら乾燥し、微細繊維状セルロースコンポジットシートを得た。
上記のセルロース水系懸濁液Bと濃度0.5%に希釈したカチオンポリウレタンエマルション(商品名:「スーパーフレックス650」(平均粒子径:0.01μm)、第一工業製薬社製)とをセルロース:ポリウレタン=50:50(固形分比率)となるように混合した後、濃度0.3%の硫酸アルミニウム水溶液を1.58部添加して1分間攪拌した。得られた混合液を508メッシュナイロンシート上で吸引脱水した後に90℃のシリンダードライヤーで乾燥し、坪量80g/m2の微細繊維状セルロースコンポジットシート(I)を得た。
上記コンポジットシート(I)を2枚重ね合わせて170℃、2分間熱圧着(圧力10kg/cm2)して坪量161g/m2の微細繊維状セルロースコンポジットシートの積層体を得た。
上記のセルロース水系懸濁液Aと濃度0.5%に希釈したカチオン性ポリウレタンエマルション(商品名:「スーパーフレックス650」(平均粒子径:0.01μm)、第一工業製薬社製)とをセルロース:ポリウレタン=90:10(固形分比率)になるように混合した後、濃度0.3%の硫酸アルミニウム水溶液を1.58部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を508メッシュナイロンシート上で吸引脱水した後に90℃のシリンダードライヤーで乾燥し、坪量80g/m2の微細繊維状セルロースコンポジットシート(II)を得た。
上記コンポジットシート(II)の片面に10%に希釈したカチオン性ポリウレタンエマルション(商品名:「スーパーフレックス650」(平均粒子径:0.01μm)、第一工業製薬社製)をバーコーターで塗布、105℃で乾燥して、塗布量1g/m2のポリウレタン層を形成した(これをコンポジットシート(III)とする。)。別途用意したコンポジットシート(II)の片面と前記ポリウレタン層の面を重ね合わせて170℃、2分間熱圧着(圧力10kg/cm2)して坪量161g/m2の微細繊維状セルロースコンポジットシートの積層体を得た。
実施例7のコンポジットシート(III)をポリウレタン層面とポリウレタン層が形成されていない面が接するように5枚重ね合わせて170℃、5分間熱圧着(圧力10kg/cm2)して坪量404g/m2の微細繊維状セルロースコンポジットシートの積層体を得た。
ポリエチレンエマルション(商品名:「E−2213」、東邦化学工業社製)を用いたこと以外は実施例7と同様にして坪量80g/m2の微細繊維状コンポジットシート(IV)を得た。
上記コンポジットシート(IV)の片面に10%に希釈したポリエチレンエマルション(商品名:「E−2213」、東邦化学社製)をバーコーターで塗布、105℃で乾燥して、塗布量1g/m2のポリエチレン層を形成した(これをコンポジットシート(V)とする。)。コンポジットシート(V)をポリエチレン層面とポリエチレン層が形成されていない面が接するように15枚重ね合わせて170℃、15分間熱圧着(圧力10kg/cm2)して坪量1214g/m2の微細繊維状セルロースコンポジットシートの積層体を得た。
1.引張試験
引張試験はJIS P 8113:1998に準じて行った。スパン長は100mm、引張速度は10mm/minで試験を行った。
湿度伸縮試験は佐川製作所製の湿度伸縮測定装置を用いて行った。20gのおもりで荷重をかけながら、チャンバー内の湿度を(a)50%RH、(b)85%RH、(c)25%RH、(d)85%RH、(e)25%RHの湿度履歴を与えた後に、更に80%RH、25%RHの順に変更し、両者の伸縮量を測定し、下式により湿度伸縮率を計算した。
湿度伸縮率(%)=(湿度80%RH時伸縮量−湿度25%RH時伸縮量)/スパン長×100
JIS Z 0208:1976防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)条件Bに準拠して行った。各シートの坪量が異なったため、透湿度が坪量と比例すると仮定し、実測値を30g/m2シート時の値に換算して透湿度を求めた。
また、表6から明らかなように、本発明の微細繊維状セルロースコンポジットシート積層体の製造方法によれば、コンポジットシート積層体が容易に作製でき、コンポジットシート積層体の引張破断強度が強く、引張弾性率が高いコンポジットシート積層体が得られる。
Claims (10)
- 微細繊維状セルロースを用いたコンポジットシートの製造方法であって、微細繊維状セルロースを含む水系懸濁液に高分子エマルションを混合し、さらに水溶性無機塩からなるセルロール凝結剤を配合して混合液を製造する調製工程、前記混合液を多孔性の基材上でろ過により脱水して水分を含んだシートを形成する抄紙工程、及び前記水分を含んだシートを加熱乾燥する乾燥工程を有する微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法。
- 前記混合液の固形分濃度が3質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法。
- 前記高分子エマルションがポリウレタン、ポリエチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酸変性スチレン−ブタジエン共重合体、またはポリプロピレンから選択される少なくとも1種の高分子から形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法。
- 前記高分子エマルションがカチオン性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法。
- 前記調製工程において、混合する微細繊維状セルロースの繊維幅が2〜1000nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法。
- 微細繊維状セルロースコンポジットシート積層体の製造方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法により得た微細繊維状セルロースコンポジットシートを2枚以上重ね合わせる工程、及び前記重ね合わせた微細繊維状セルロースコンポジットシートを熱圧着する工程を有する微細繊維状セルロースコンポジットシート積層体の製造方法。
- 更に前記微細繊維状セルロースコンポジットシートの少なくとも1枚の少なくとも片面に高分子層を設ける工程を有する請求項6に記載の微細繊維状セルロースコンポジットシート積層体の製造方法。
- 前記微細繊維状セルロースコンポジットシートの少なくとも1枚が、少なくとも片面に高分子層が設けられた微細繊維状セルロースコンポジットシートである請求項6に記載の微細繊維状セルロースコンポジットシート積層体の製造方法。
- 前記高分子層が前記微細繊維状セルロースコンポジットシートに含有させた高分子エマルションと同じ組成であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の微細繊維状セルロースコンポジットシート積層体の製造方法。
- 前記高分子層が前記高分子エマルションを塗布、及び加熱乾燥して得られる請求項7〜9のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースコンポジットシート積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
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