JP2009249785A - 澱粉系層間接着剤およびそれを用いた抄紙方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生澱粉または生澱粉に非イオン的処理を施した改質澱粉の未溶解粒子の水性スラリーに、高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の水溶液が混合されてなる層間接着剤を、シート層間に噴霧、塗布して、抄き合わせ抄造によって板紙などを製造する。
【選択図】なし
Description
実施例1
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を0.5重量%濃度となるように水で希釈して試験用紙料スラリー(濾水度445mlCSF)を作製した。この紙料を11cm径のブフナーロート内に60メッシュ金網をセットした中に流し入れ、坪量100g/m2、11cm径、水分70%の湿紙を2枚作成した。タピオカ澱粉a(商品名:SBガム−EVO、アセチル化変性、澱粉粒子表面のアニオン化度0.0001meq/g、三晶(株)販売)を約10倍量の水に懸濁し、ここへ予め希薄水溶液にした高度構造型PAM1(商品名:メイプロフロックEHSC−10、高度構造型高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体、B型粘度556mPa・s、三晶(株)販売)を澱粉固形分当り固形分で1,000ppm添加した。得られた層間接着剤を1重量%濃度に希釈して、1枚目の湿紙片面にスプレーノズルを用いて噴霧した。付着量は噴霧された澱粉系層間接着剤スラリーの重量と濃度から乾燥固形分として算出し、1g/m2であった。この上にもう1枚の湿紙を重ね合わせた。11cm径のブフナーロートに60メッシュ金網をセットして、抄き合わせ試験紙を金網の上に載せ、その上に11cm径の東洋濾紙(株)製No.2濾紙を載せた。アスピレーターにて吸引しながらブフナーロート内に水300mlを流し入れて湿紙を通過した濾液を採取した。得られた濾液にアミラーゼ酵素を添加して80℃で2時間反応させて澱粉を分解し、濾液中の全糖量を測定した。湿紙に噴霧された澱粉量と濾液中に流れ出た澱粉量から澱粉粒子のパルプ繊維への歩留り率を求めて、結果を表1に記した。
澱粉をトウモロコシ澱粉b(商品名:コートマスターK49F、ヒドロキシエチル化、澱粉粒子表面のアニオン化度0.0005meq/g、三晶(株)販売)としたことを除き、実施例1と同様の条件で試験を行ない、澱粉粒子のパルプ繊維への歩留り率を求めて、結果を表1に記した。
澱粉を馬鈴薯澱粉(商品名:アクチサイズG104、アセチル化、澱粉粒子表面のアニオン化度0.0004meq/g、ロケットジャパン(株)製)としたことを除き、実施例1と同様の条件で試験を行ない、澱粉粒子のパルプ繊維への歩留り率を求めて、結果を表1に記した。
カチオンポリマーを添加せずにタピオカ澱粉aのみとしたことを除き、実施例1と同様の条件で試験を行ない、澱粉粒子のパルプ繊維への歩留り率を求めて、結果を表1に記した。
カチオンポリマーを添加せずにトウモロコシ澱粉bのみとしたことを除き、実施例1と同様の条件で試験を行ない、澱粉粒子のパルプ繊維への歩留り率を求めて、結果を表1に記した。
カチオンポリマーを添加せずに馬鈴薯澱粉のみとしたことを除き、実施例1と同様の条件で試験を行ない、澱粉粒子のパルプ繊維への歩留り率を求めて、結果を表1に記した。
実施例4
段ボールを水中で離解して作成した1重量%濃度の段ボール故紙(濾水度396mlCSF)に、撹拌しながら硫酸バンドをパルプ固形分に対して1.5%、次いで紙力増強剤(商品名LAMS71、内添用両性PAM系、三晶(株)販売)をパルプ固形分に対して0.3%添加して試験用紙料スラリーを作製した。この紙料スラリー500gを採取して、常法により角形シートマシンを用いて抄紙して、乾燥坪量100g/m2の湿紙を金網上に形成させた。吸取紙2枚を金網上の湿紙に重ねて置き、その上にコーチプレートを重ね、コーチロールを2回かけて脱水し、吸取紙に転写した。ここで得られた水分量75%の湿紙を第1層とした。次いで、第1層と同様にして乾燥坪量100g/m2の湿紙を金網上に形成させたが、この際に排水時の水を金網下付近に残した状態で排水コックを一旦閉じた。金網上に形成された水分量92%の湿紙を第2層とした。タピオカ澱粉c(商品名:SBガム−A、アセチル化変性、澱粉粒子表面のアニオン化度0.0001meq/g、三晶(株)販売)を約10倍量の水に懸濁し、ここへ予め希薄水溶液にした高度構造型PAM2(商品名:メイプロフロックEHSC−30、高度構造型高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体、B型粘度572mPa・s、三晶(株)販売)を澱粉固形分当り固形分で1,000ppm添加した。得られた層間接着剤を1重量%濃度に希釈して、第1層片面にスプレーノズルを用いて噴霧した。付着量は噴霧された澱粉系層間接着剤スラリーの重量と濃度から乾燥固形分として算出し、0.5g/m2であった。層間接着剤を噴霧した面を第2層に合わせて重ね、シートマシン金網下の水を排水することにより減圧脱水した。その後、常法により水分率65%になるようにプレス脱水した後、ドラムドライヤーにて110℃で5分間乾燥させて抄き合わせ紙を得た。この抄き合わせ紙を30mm幅に切り、90°層間剥離強度を島津オートグラフで測定し、結果を表2に記した。
高度構造型PAM2の添加率を澱粉固形分当り固形分で5,000ppmとしたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
高度構造型PAM2の添加率を澱粉固形分当り固形分で8,000ppmとしたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
澱粉をトウモロコシ澱粉d(商品名:コーンスターチ、未変性、澱粉粒子表面のアニオン化度0.0001meq/g、三晶(株)販売)としたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
高度構造型PAM2の添加率を澱粉固形分当り固形分で100ppmとしたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
カチオンポリマーを直鎖型PAM(商品名:メイプロフロックPC−33、直鎖型高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体、B型粘度400mPa・s、三晶(株)販売)としたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
カチオンポリマーを溶解したカチオン澱粉(商品名:SBガム−POSIT300、三晶(株)販売)としたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
カチオンポリマーをカチオングァーガム(商品名:メイプロボンド9806、三晶(株)販売)としたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
カチオンポリマーをポリダドマック(商品名:フロックスターLD55、三晶(株)販売)としたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
カチオンポリマーを添加せずにタピオカ澱粉cのみとしたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
カチオンポリマーを添加せずにトウモロコシ澱粉dのみとしたことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
層間接着剤を噴霧しないことを除き、実施例4と同様の条件で抄き合わせ紙を得た。同様に層間剥離強度を測定し、結果を表2に記した。
Claims (2)
- 生澱粉または生澱粉に非イオン的処理を施した改質澱粉の未溶解の粒子スラリーに、濃度0.5重量%水溶液の25℃、60rpmにおけるB型粘度が300mPa・s以上であってイオン回復度(IR)が60%以上の高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の水溶液が澱粉固形分当り固形分で0.05〜1%混合されてなる層間接着剤。
- 請求項1に記載の層間接着剤を、抄紙工程における抄き合わせ前の湿紙表面に噴霧、塗布する製紙方法であって、前記層間接着剤中の未溶解の澱粉粒子を高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体により抄き合わせた紙の層間に定着させ、その後の乾燥工程において澱粉粒子を溶解して層間接着強度を向上させることを特徴とする製紙方法。
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JP2008101309A JP2009249785A (ja) | 2008-04-09 | 2008-04-09 | 澱粉系層間接着剤およびそれを用いた抄紙方法 |
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2008
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