JP2008127693A - 微細セルロースを用いる高強度材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、濾過によって容易に水分を除くことが可能であり、かつ高強度が実現できる、セルロースを主体とする材料を提供することである。
【解決手段】製紙用パルプと、(ペクチン+ヘミセルロース):α−セルロースを0.4:1〜1.8:1の質量比率で含む微細セルロースとからなるシートを含有する高強度材料。
【選択図】なし

Description

本発明は微細セルロースを用いる高強度材料に関するものである。
種々の方法で微細化したセルロースを用いる高強度材料はすでに知られている。例えばラテックス類との組み合わせ(例えば、特許文献1参照)、柔組織細胞セルロースから得られる微細セルロースを用いた高強度材料(例えば、特許文献2参照)、微細セルロース65〜99質量%と熱可塑性樹脂等の添加剤0〜35質量%の組み合わせ(例えば、特許文献3参照)等を挙げることができる。
しかしながら、微細セルロースは通常10質量%以下の水懸濁物として取り扱われ、水切れが悪いため濾過によって水分を除去する工程に長い時間を必要とするという問題点がある。水切れの良い合成繊維や製紙用パルプを主たる構成材料として用い、微細セルロースの若干量と抄紙する例は知られているが(例えば、特許文献3参照)、得られたシートの強度は微細セルロースを主たる構成材料として用いた場合よりも大きく劣る。濾過によって容易に水分を除くことが可能であり、かつ高強度が実現できる材料はいまだ知られていないのが現状である。
特表平9−509694号公報 特開平11−209401号公報 特許3641690号公報
本発明の課題は、濾過によって容易に水分を除くことが可能であり、かつ高強度が実現できる材料を提供することにある。
上記課題の第一の解決手段となる材料は、製紙用パルプと、(ペクチン+ヘミセルロース):α−セルロースを0.4:1〜1.8:1の質量比率で含む微細セルロースとからなるシートを含有する高強度材料である。上記課題の第二の解決手段となる材料は、第一の解決手段において、製紙用パルプと、ペクチン:α−セルロースを0.2:1〜0.8:1の質量比率で含む微細セルロースとからなるシートを含有する高強度材料である。上記課題の第三の解決手段となる材料は、第一または第二の解決手段において、微細セルロース:製紙用パルプの質量比率が0.33:1〜1.5:1である、微細セルロースと製紙用パルプからなるシートを含有する高強度材料である。上記課題の第四の解決手段となる材料は、第一、第二または第三の解決手段において、製紙用パルプと微細セルロースに加えて、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を添加剤として含有する高強度材料である。
本発明によれば、濾過によって容易に水分を除くことが可能であり、かつ高強度が実現できる、セルロースを主体とする材料を得ることができる。
本発明において用いられる微細セルロースとは、繊維の太さが1nm以上1000nm以下の、セルロースを主成分とする水に不溶な繊維であり、その原料としては、酢酸菌等の微生物由来のもの、ホヤ等の動物由来のもの、木材、竹、麻、ケナフ、サトウキビ、甜菜、果実等の植物由来のものが挙げられるが、中でも甜菜の根や果実に代表される植物柔細胞組織が好ましい。これは、もともと含有されている(ペクチン+ヘミセルロース):α−セルロースの質量比率が本発明の範囲に近く、以下に述べる精製工程によって容易に、本発明の質量比率に導くことが可能であるからである。
これら微細セルロースの原料を構成する化学成分としては、α−セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、リグニン、灰分等がある。本発明においては微細セルロースの状態において、(ペクチン+ヘミセルロース):α−セルロースが0.4:1〜1.8:1の質量比率で存在していること、さらにはペクチン:α−セルロースが0.2:1〜0.8:1の質量比率で存在していることが、本発明の課題を解決するために必要である。
微細セルロースの状態において、(ペクチン+ヘミセルロース)が所定の割合で残存している必要がある理由は明らかではないが、微細セルロースの表面状態に何らかの影響を与えて、濾過等による水分の除去に好ましい影響を与えている可能性や、高強度材料形成時に接合剤としての役割を果たす可能性等があるのではないかと推測している。(ペクチン+ヘミセルロース)が、(ペクチン+ヘミセルロース):α−セルロースの質量比率0.4:1を下回って少ない場合には、水分除去に時間がかかるようになる。一方、(ペクチン+ヘミセルロース)が、(ペクチン+ヘミセルロース):α−セルロースの質量比率1.8:1を上回って多い場合には、これらから得られる高強度材料の強度が低下する。
ペクチンの残存比率については、ペクチンが、ペクチン:α−セルロースの質量比率0.2:1を下回って少ない場合には、水分除去に時間がかかるようになることがあり、ペクチン:α−セルロースの質量比率0.8:1を上回って多い場合には、これらから得られる高強度材料の強度が低下することがある。
微細セルロース中のα−セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、リグニン、灰分の定量は、ソックスレー抽出装置を用いた溶剤抽出や熱水抽出、アルカリ水溶液抽出、シュウ酸アンモニウム水溶液抽出、亜塩素酸ナトリウム水溶液抽出といった公知の抽出法の組み合わせと、燃焼法による灰分の算出によって実施可能である。
微細セルロースの状態において、(ペクチン+ヘミセルロース)を所定の割合で含有させる方法としては、精製工程において、アルカリ洗浄工程におけるアルカリの質量濃度、加熱温度、および加熱時間を制御すればよい。具体的には、水酸化ナトリウムを例に挙げてアルカリについて説明するならば、微細セルロース原料量に対する水酸化ナトリウムの量を質量比にして0.12倍から0.15倍とし、加熱温度については室温から80℃、加熱時間については20分から1時間とすることが好ましい。
微細セルロースを得るための微細化法としては特に限定されず、公知の方法が使用できる。具体的には例えば、媒体攪拌ミル処理、振動ミル処理、高圧均質化装置での処理、石臼式粉砕処理などが挙げられる。
本発明で用いられる製紙用パルプは、ソーダパルプ、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、ケミカルグランドパルプ、セミケミカルパルプのような木材パルプ や、コウゾ、ミツマタ、ガンピのような靭皮パルプ、ワラパルプ、竹パルプ等の通常、製紙原料として慣用されているパルプが用いられる。これらは、単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。これらの製紙用パルプは、通常の製紙原料として用いられる繊維径10〜30μmレベルに離解されたものを用い、さらに適宜叩解処理されたものでも良い。
微細セルロースと製紙用パルプの質量比率は、0.33:1〜1.5:1が好ましく、0.5:1〜1.3:1がさらに好ましい。微細セルロースが、微細セルロースと製紙用パルプの質量比率0.33:1を下回って少ない場合は、これらから得られる高強度材料の強度が低下する場合があり、一方微細セルロースが、微細セルロースと製紙用パルプの質量比率1.5:1を上回って多い場合は、水分除去に時間がかかることがあるので好ましくない。
本発明の高強度材料は、製紙用パルプと微細セルロース以外に種々の添加剤を含有させても良い。添加剤の含有率は、添加剤:製紙用パルプと微細セルロースからなるシートの質量比率が、0.01:1〜0.5:1の範囲が好ましい。
添加剤としては、強度をさらに上昇させる目的で熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いることができる。さらに、必要に応じて耐熱性、導電性、伝熱性等を付与するために、これらの目的に適する化合物を加えることもできる。
熱硬化性樹脂としては、限定されるものではないが、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、限定されるものではないが、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトン、ポリグルタミン酸、ポリリジン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。
上記した熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は組み合わせて用いることが可能であり、さらに、ゼラチン、ニカワ、カゼイン等の天然高分子を併用することもできる。
添加剤として用いられるその他の化合物としては、例えばガラス繊維、炭素繊維といった繊維状のもの、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、カーボンブラックといった球状のもの、タルク、マイカ、黒鉛、モンモリロナイト等の板状フィラー、チタン酸カルシウム、硼酸アルミニウム等の針状フィラー等が挙げられる。
本発明の高強度材料にはさらに必要に応じて、顔料、染料、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、導電剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、分散剤、消臭剤、難燃剤等を添加することができる。
本発明において、強度とは破断応力のことを言う。高強度材料を幅15mm、長さ100mmに切り、引っ張り試験機の治具にはさみ、10mm/分の速度で引っ張って測定を行う。
本発明の高強度材料を製造するには種々の方法が可能であるが、製紙用パルプと微細セルロースの混合懸濁液を抄造によりシート化し、このものをさらに加熱加圧する方法が挙げられる。抄造法は特に限定されず、通常、紙を作るときに用いられる方法でよい。懸濁液の濃度は、抄造性、流動性の点から考えると、0.01〜10質量%、好ましくは0.02〜5質量%である。
抄造により得られたシートは目的に応じた枚数を重ね、熱気乾燥、圧縮などにより水分を減少させる。水分が少なくなった時点で、加熱加圧する。
加熱加圧を始めるタイミングに特に制限はなく、作業性から適宜判断すればよい。加熱加圧条件は、温度20〜200℃、好ましくは80〜180℃、圧力1〜200MPa、好ましくは10〜80MPa、加熱加圧時間10秒〜48時間、好ましくは0.1〜24時間が例示できるが、目的に応じて適宜判断すればよい。
水分を減少させながら加熱加圧を行うには、例えば、ポーラスメタルや多孔質セラミックスのような水分を透過させる材質からなる金型を用いて圧縮成型を行うと、目的とする形状に成型し易いので、好ましい。
添加剤の添加は、水溶液または水性懸濁液として抄造前の段階で添加しておく方法、抄紙により得られたシートに対してシートまたは繊維等の固体状態で添加する方法、溶液状態としてシートを浸漬させる方法等が挙げられ、添加剤の性質により適宜選択すればよい。
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の部数や百分率は、特にことわりがない場合、質量基準である。
微細セルロースの製造(その1)
スラリー1:甜菜搾りかす(ビートパルプ)20gを十分量の水でよく洗浄した上で、4000mlの水とともに家庭用ミキサーで1分間粉砕した。濾過後、固形分濃度が0.5%となるよう水を加えてスラリーを調整した。このものをスラリー1とする。
スラリー2:スラリー1の1000mlを濾過、水洗、濾過後、水酸化ナトリウム0.6gを水350mlに溶かした溶液に、室温にて1時間懸濁させた。濾過、水洗、濾過後、固形分濃度が0.5%となるよう水を加えてスラリーを調整した。このものをスラリー2とする。
スラリー3:スラリー1の1000mlを濾過、水洗、濾過後、水酸化ナトリウム0.65gを水350mlに溶かした溶液に、60℃にて1時間懸濁させた。濾過、水洗、濾過後、固形分濃度が0.5%となるよう水を加えてスラリーを調整した。このものをスラリー3とする。
スラリー4:スラリー1の1000mlを濾過、水洗、濾過後、水酸化ナトリウム0.75gを水350mlに溶かした溶液に、80℃にて1時間懸濁させた。濾過、水洗、濾過後、固形分濃度が0.5%となるよう水を加えてスラリーを調整した。このものをスラリー4とする。
スラリー5:スラリー1の1000mlを濾過、水洗、濾過後、水酸化ナトリウム2.5gを水350mlに溶かした溶液に、80℃にて1時間懸濁させた。濾過、水洗、濾過後、水酸化ナトリウム2.5gを水350mlに溶かした溶液に、80℃にて1時間懸濁させた。濾過、水洗、濾過後、固形分濃度が0.5%となるよう水を加えてスラリーを調整した。このものをスラリー5とする。
以上のようにして得られたスラリー1〜5を、小型高圧ホモジナイザーで微細化した。スラリー1〜5より得られた微細セルローススラリーをそれぞれ微細セルローススラリー1〜5とする。
微細セルロースの製造(その2)
スラリー6:りんご搾りかす20gを十分量の水でよく洗浄した上で、4000mlの水とともに家庭用ミキサーで1分間粉砕した。濾過後、固形分濃度が0.5%となるよう水を加えてスラリーを調整した。このものをスラリー6とする。
スラリー7:スラリー6の1000mlを濾過、水洗、濾過後、水酸化ナトリウム0.6gを水350mlに溶かした溶液に、室温にて1時間懸濁させた。濾過、水洗、濾過後、固形分濃度が0.5%となるよう水を加えてスラリーを調整した。このものをスラリー7とする。
スラリー8:スラリー6の1000mlを濾過、水洗、濾過後、水酸化ナトリウム0.75gを水350mlに溶かした溶液に、80℃にて1時間懸濁させた。濾過、水洗、濾過後、固形分濃度が0.5%となるよう水を加えてスラリーを調整した。このものをスラリー8とする。
以上のようにして得られたスラリー6〜8を、小型高圧ホモジナイザーで微細化した。スラリー6〜8より得られた微細セルローススラリーをそれぞれ微細セルローススラリー6〜8とする。
微細セルローススラリー1〜8に含まれる固形分の成分分析
1)溶剤抽出
上記スラリーを乾燥し、乳鉢で粉砕した粉体2.00gを、トルエン:エタノール=2:1の混合溶媒で6時間、次いでエタノールのみで3時間、ソックスレー抽出した。抽出された溶剤可溶分は、以下の5)に記した灰分と併せて、全固形分に対する質量比率として表1に%値で示す。
2)ペクチンの定量
1)の残滓を蒸留水で3時間、ソックスレー抽出した。水層を減圧濃縮して、その質量を求め、表1のBに全固形分に対する質量比率として%値で示す。
3)α−セルロースとヘミセルロースの定量
2)の残滓に、蒸留水15ml、亜塩素酸ナトリウム0.1g、および氷酢酸0.02mlを加え、70℃で1時間加熱した。亜塩素酸ナトリウム0.1gと氷酢酸0.02mlを再度加え、70℃で1時間加熱後に吸引濾過した。濾過物をロート上、蒸留水50mlとアセトン5mlで洗浄した。この濾過物がα−セルロースとヘミセルロースの混合物である。その質量から下記4)で求めたα−セルロースの質量を差し引いた値が、表1のAに記載したヘミセルロースになり、全固形分に対する質量比率として%値で示す。
4)α−セルロースの定量
3)の濾過物に、濃度17.5質量%の水酸化ナトリウム水溶液25mlを加え、ガラス棒でよく混ぜ合わせた後、室温で30分静置する。蒸留水25mlを加え、よく混ぜ合わせ、室温で5分置き、ガラスフィルターで吸引濾過する。ロート上、蒸留水で洗い、残滓に10質量%の酢酸水溶液40mlを注ぎ、5分放置後に吸引濾過する。蒸留水1lで洗浄し、残滓の質量を求めた。この値が表1のCに記載したα−セルロースになり、全固形分に対する質量比率として%値で示す。
5)灰分の定量
乳鉢で粉砕した乾燥粉体2.00gを、るつぼ中にて550℃3時間焼成した。残滓の質量を灰分とし、1)で求めた溶剤抽出分と併せて、表1に全固形分に対する質量比率として%値で示す。
Figure 2008127693
実施例1
内径11cmのグラスフィルターに濾紙を敷き、ここへ微細セルローススラリー2を120g、製紙用パルプ(LBKP)0.5%懸濁液を120g、水160mlをホモミキサーで混合した懸濁液を注ぎ、水流アスピレーターにて減圧濾過した。濾過に要した時間は320秒であった。得られた湿潤シートを140℃、40MPaの加熱加圧条件下に1時間置いて、厚さ166μmのシートを作製し、高強度材料を得た。
実施例2〜6
微細セルローススラリー2の代わりに、微細セルローススラリー3、4、6〜8を用いる以外は、実施例1と同様に操作して、シートを作製し、高強度材料を得た。
比較例1〜2
微細セルローススラリー2の代わりに、微細セルローススラリー1、5を用いる以外は、実施例1と同様に操作して、シートを作製し、比較の高強度材料を得た。
高強度材料の評価
実施例1〜6と比較例1、2により得た高強度材料を幅15mm、長さ100mmに切り、ORIENTEC社製強度試験機SAT−1150の治具にはさみ、10mm/分の速度で引っ張って破断応力を測定した。結果を、シート作製時の濾過に要した時間と併せて、表2に示す。
Figure 2008127693
実施例7〜10及び比較例3
微細セルローススラリー2(固形分濃度0.5%)と製紙用パルプ(LBKP)の固形分濃度0.5%懸濁液の混合比を表3に示すように変える以外は、実施例1と同様にして、高強度材料を得た。減圧濾過に要した時間と高強度材料の破断応力を、実施例1の結果と併せて表3に示す。
Figure 2008127693
実施例11
実施例1で得られた湿潤シートを、含浸用フェノール樹脂液(不揮発分60%のメタノール溶液)に浸漬し、乾燥後、140℃、40MPaの加熱加圧条件下に1時間置いて、シート化し、高強度材料を得た。この高強度材料の破断応力は120MPaであった。
実施例12
微細セルローススラリー2を120g用いる代わりに、微細セルローススラリー2を80gと長さ5mmのポリ乳酸繊維を0.2g用いる以外は、実施例1と同様に操作して得られた湿潤シートを、170℃、40MPaの加熱加圧条件下に15分間置いて、シート化し、高強度材料を得た。この高強度材料の破断応力は78MPaであった。
以上の結果のごとく、製紙用パルプと、(ペクチン+ヘミセルロース):α−セルロースを0.4:1〜1.8:1の質量比率で含む微細セルロースとからなるシートを含有する高強度材料は、ペクチン+ヘミセルロース):α−セルロースの質量比率がこの範囲外である高強度材料と比較して、破断応力が高い高強度材料であり、シート製造時に濾過による水分除去も容易に行うことができた。また、ペクチン:α−セルロースを0.2:1〜0.8:1の質量比率で含む微細セルロースでは、破断応力がより向上すると共に、水分除去も容易であった。
微細セルロース:製紙用パルプの質量比率が0.33:1〜1.5:1である高強度材料では、水分除去も容易に行うことができると共に、破断応力も高いものであった。微細セルロースの含有量がこの範囲を下回ると、破断応力が低下した。また、微細セルロースの含有量がこの範囲を上回ると、水分の除去が容易に行えず、高強度材料の製造時間が長くなってしまった。
実施例11の熱硬化性樹脂を添加剤として含有する高強度材料、実施例12のポリ乳酸繊維を添加剤として含有する高強度材料も、高い破断応力を示した。
本発明の材料は、軽く高強度なので、パソコン、携帯電話等の筐体、事務機器、家具、自動車内装等の構造部材、建材等に使用することができる。

Claims (4)

  1. 少なくとも、製紙用パルプと、(ペクチン+ヘミセルロース):α−セルロースを0.4:1〜1.8:1の質量比率で含む微細セルロースとからなるシートを含有する高強度材料。
  2. 少なくとも、製紙用パルプと、ペクチン:α−セルロースを0.2:1〜0.8:1の質量比率で含む微細セルロースとからなるシートを含有する請求項1記載の高強度材料。
  3. 微細セルロース:製紙用パルプの質量比率が0.33:1〜1.5:1である、微細セルロースと製紙用パルプからなるシートを含有する、請求項1または2記載の高強度材料。
  4. 熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を添加剤として含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の高強度材料。
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