JPH08188981A - 微細繊維化パルプシートの製造方法 - Google Patents

微細繊維化パルプシートの製造方法

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JPH08188981A
JPH08188981A JP128295A JP128295A JPH08188981A JP H08188981 A JPH08188981 A JP H08188981A JP 128295 A JP128295 A JP 128295A JP 128295 A JP128295 A JP 128295A JP H08188981 A JPH08188981 A JP H08188981A
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浩 末永
Chitose Kawamata
千登勢 川又
Hisao Ishikawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、微細繊維化パルプシートの製造
方法に関するもので、特定の抄紙機または流延装置によ
り連続的に生産することが可能で、設備費が安く、水分
蒸発量が少なく経済的に有利で、かつ地合いの優れた微
細繊維化パルプシートを製造する方法を提供する。 【構成】 JAPAN TAPPI No.26-78により規定される保
水度が210〜430%の微細繊維化パルプを全原料中
に50重量%以上含む水性懸濁液を用いて、ワイヤーベ
ルトおよび真空脱水装置を備えた(A)連続式抄紙機ま
たは(B)連続式流延装置の前記ワイヤーベルト上に、
押出機により前記水性懸濁液を流延して製造する微細繊
維化パルプシートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細繊維化パルプを用
い、連続式抄紙機または連続式流延装置により、効率良
くかつ経済的に、地合いの優れた微細繊維化パルプシー
トを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】湿式法にてシートを製造する方法とし
て、通常パルプにおいては抄紙機でパルプシートを製造
する方法は一般に生産性の高い方法であるが、従来、微
細繊維化パルプのような脱水性の悪い物質のシート化に
は、固形分濃度が低いのでワイヤーの網目から細かい繊
維が多量に抜け易く、また濾水性が非常に悪い、という
理由でシートを製造することは困難であると一般に認識
されていた。また、流延法はPVAフィルム等の製造に
使用されている方法であり、この装置を使用して微細繊
維化パルプのシートを製造する場合、歩留りが100%
であるという長所を持つ反面、流動性をもたせるために
は固形分濃度を低くする必要があり、乾燥するために多
量の熱量を消費し経済性が非常に悪いという短所を持
つ。
【0003】特開昭60−171262号公報には、ポ
リエステルフィルムを基板として用いた流延法によって
微細繊維化パルプおよび無機質を含むシート材料の製造
法が示されている。また、特開昭60−134100号
公報、特開昭60−126399号公報、および特開昭
63−147874号公報には、抄造法によって無機質
または無機繊維および微細繊維化パルプのシート化する
方法について記載されているが、これらの場合は、無機
質または無機繊維を主体としたシート化で、微細繊維化
パルプはバインダーとして利用されているに過ぎない。
これらはまた実験室用手抄抄紙機を用いることによって
もシート化は可能であるが、本発明のように微細繊維化
パルプそのものを主体にしたシート化は行われていな
い。
【0004】流延法を用いて微細繊維化パルプのシート
化を行う場合、スラリーの供給方法としては、バー塗工
法やTダイ等を用いる押出法などがある。しかしなが
ら、従来の流延法では一般に、微細繊維化パルプの水性
懸濁液中の固形分濃度が高過ぎると、地合のよい微細繊
維化パルプシートを得るのは難しい。従って、地合の優
れた微細繊維化パルプシートを作製するには、固形分濃
度が非常に低い水性懸濁液を使わざるを得ず、この場
合、固形分濃度を例えば3重量%から、風乾状態である
固形分濃度95重量%近くまで、熱源を用いた乾燥によ
って固形分濃度を上げるのに大量の熱を消費することに
なり、新規の微細繊維化パルプシートの大量生産方法が
望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ワイヤーベ
ルトおよび真空脱水装置を備えた連続式抄紙機または連
続式流延装置のワイヤー上に微細繊維化パルプ懸濁液を
押出機を用いて流延させることにより設備費が安く、水
分蒸発量が少なく経済的に有利で、かつ地合いの優れた
微細繊維化パルプシートの製造方法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の微細繊維化パル
プシートの製造方法は、JAPAN TAPPI No.26-78により規
定される保水度が210〜430%の微細繊維化パルプ
を全原料中に50重量%以上含む水性懸濁液を用いて、
ワイヤーベルトおよび真空脱水装置を備えた(A)連続
式抄紙機または(B)連続式流延装置の前記ワイヤーベ
ルト上に、押出機により前記水性懸濁液を流延して製造
することを特徴とするものである。本発明の微細繊維化
パルプシートの製造方法において、前記水性懸濁液の固
形分濃度が0.5〜3重量%であることが好ましい。
【0007】
【作用】本発明において上記目的を達すべく鋭意研究し
た結果、一般に用いられている連続式抄紙機に新たな改
良を加える方法、および流延法に予備脱水法を組み合わ
せた方法によって、生産性の高い微細繊維化パルプのシ
ート化に成功した。即ち本発明者等は、ワイヤーベルト
および真空脱水装置を備えた既存の抄紙機を微細繊維化
パルプのシート化に用いる方法として、通常抄紙機に用
いられているヘッドボックスの代わりに、種々検討した
結果、特にTダイ等の押出機を用いる方法が優れている
ことを見出した。また、連続式流延装置の場合には、通
常使用するスチールベルトの代わりにワイヤーベルトお
よび真空脱水装置を組み合わせることにより微細繊維化
パルプシートを効率的に製造することが可能となった。
ここでいうTダイとは、一般にはプラスチックフィルム
シートを製造するとき、あるいは溶融物または流動物を
塗工するときに押出機の先端に取り付けて使用するもの
であるが、本発明においては、特にワイヤーベルト上で
の紙層形成を最適にコントロールすることが可能で、シ
ート地合の良好な微細繊維化パルプシートが得られるも
のと考えられる。
【0008】本発明者らは、25cm角のボックスの上
側にワイヤー支持板と所定のワイヤーを取り付け、ボッ
クス内をアスピレーターにより真空脱水できる装置を用
いて、微細繊維化パルプが固形分中100%の水性懸濁
液をシート作製原料とし、これをアプリケーターバーを
用いてワイヤー上に流延する方法を用い、使用するワイ
ヤーのメッシュサイズ、ワイヤー上で強制的に水を脱水
するサクションボックスの真空度、およびシート作製原
料の固形分濃度について種々検討を加えた。ワイヤーメ
ッシュとしては、60メッシュ、80メッシュ、150
メッシュ、300メッシュを使用し、真空度は50〜5
00mmHgの範囲で変化させ、またシート原料の固形
分濃度は0.3〜5%の範囲で変化させた。ワイヤーメ
ッシュは、細かい方が脱水性は良いが、例えば一般の抄
紙機で使用される60メッシュ、80メッシュ等のワイ
ヤーでも原料濃度0.5重量%以上で真空度が200〜
300mmHg程度であれば原料中の固形分の3%程度
しかワイヤーを抜けず、十分使用できることが判った。
【0009】本発明特定の連続式抄紙機および連続式流
延装置において、微細繊維化パルプの水性懸濁液中の固
形分濃度については、0.5%以上でワイヤー上での脱
水が十分に行われ、3%以下で地合の優れたシートが得
られ、更に好ましくは0.6〜2.5重量%の範囲であ
る。またワイヤーメッシュは、60〜300メッシュの
ワイヤーを用いることが出来る。脱水装置の真空度とし
ては、50〜500mmHg程度の真空度が有れば充分
シート化が可能であり、好ましくは100〜400mm
Hg、更に150〜300mmHgが好ましい。500
mmHg以上に真空度を上げるとワイヤーを傷める恐れ
がある。
【0010】通常パルプの抄紙の場合には、一般に水性
懸濁液中の固形分濃度としては0.1〜0.5重量%程
度の範囲で抄紙されているが、本発明の微細繊維化パル
プのシート化方法では、固形分濃度を上げることが可能
である。また上記のごとくワイヤーメッシュを選択し、
かつ脱水装置の真空度を適宜調節することにより、シー
トがワイヤーを出る時の固形分濃度は約15%以上とな
り良好な脱水効果が得られるため、水分蒸発量が少なく
て済み、生産効率が向上する。シートの坪量は、原料濃
度、ダイのスリット幅、原料の押出量等により調整する
ことが出来る。このような条件で作製した湿紙のシート
を通常の抄紙工程と同様に、引続きプレスパートでプレ
ス処理し、その後乾燥処理して乾燥したシートを得るこ
とが出来る。
【0011】本発明で使用する微細繊維化パルプは、パ
ルプ水懸濁液を媒体撹拌ミル、振動ミル、高圧均質化装
置、スーパーマスコロイダー(増幸産業社製)等により
製造することができる。出来た微細繊維化パルプの物性
が前2者と後2者で多少異なるが、脱水し難い点では同
じであり、特にこれらにより微細繊維化パルプの製法を
制限するものではない。媒体撹拌ミルは、固定した粉砕
容器に挿入した撹拌機を高速で回転させて、粉砕容器内
に充填した媒体(例、ガラスビーズ、アルミナビーズ
等)と試料を撹拌して剪断応力等の力を発生させて試料
を粉砕する装置であり、塔式、槽式、流通管式、アニュ
ラー式等があるが、媒体撹拌方式であればどの装置でも
使用可能である。振動ミルは、粉砕容器を高速振動させ
ることにより、容器内に充填されたビーズ、ボールまた
はロッド間で試料を衝撃、剪断等の力を作用させる粉砕
装置である。高圧均質化装置は、パルプ懸濁液を少なく
とも3000psiの圧力差において小径オリフィスを
高速で通過させ、この時に剪断力を試料に与えて粉砕さ
せる装置である。また、スーパーマスコロイダーは、円
盤状の砥石が装置の上下に取り付けられ、この上下の砥
石の間で試料をすり潰す装置である。
【0012】本発明で使用する微細繊維化パルプは、保
水度210〜250%では固形分濃度1%で半クリーム
状態であり、保水度250%以上になるとクリーム状態
になり水とパルプが分離せずに均一な流動性のある懸濁
液になるのに対し、保水度210%未満だとパルプはま
だ微細化が進まず柔軟性が不足しているため、水とパル
プが分離した不均一な状態となるため本発明の方法でシ
ート化すると地合が悪くなる。逆に保水度430%を越
えると本発明の方法でも脱水性が極端に悪くなるため、
使用できる微細繊維化パルプの保水度は210〜430
%、好ましくは300〜430%である。ここでいう保
水度はJAPAN TAPPI No.26-78により規定されている値で
ある。また微細繊維パルプの長さ加重平均繊維長につい
ては、特に限定するものではないが、0.3〜2.1m
m程度のものが望ましく使用される。但し平均繊維長
は、繊維長測定装置(形式:FS−200、フィンラン
ドKAJAANI社製)にて測定したものである。
【0013】微細繊維化パルプの原料としては、クラフ
トパルプ化、サルファイトパルプ化、アルカリパルプ化
等で得られる針葉樹、広葉樹漂白化学パルプ、コット
ン、リンター、古紙パルプ等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。
【0014】本発明は、微細繊維化パルプを主体として
用いるものであるが、用途に応じて本発明本来の目的を
損なわない範囲内で、通常パルプ、無機微粒子、無機繊
維、有機微粒子または合成繊維などから選ばれる少なく
とも一種を適宜併用することができる。例えば無機微粒
子としては、炭酸カルシウム微粒子、クレー、タルク、
シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、ジル
コニア微粒子等が、無機繊維としては、ガラス繊維、セ
ラミック繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、ロックウール
等が、有機微粒子としては、ポリエチレン微粒子、ナイ
ロン微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子、尿素メラ
ミン系微粒子、フェノール系微粒子等が、合成繊維とし
ては、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊
維、アラミド繊維等が好ましく使用される。特に無機繊
維および合成繊維の場合には、長さ加重平均繊維長が
2.0mm以下、更には1.5mm以下が好ましく、こ
れより繊維長が長いものは、半クリーム状またはクリー
ム状の微細繊維化パルプ懸濁液中で均一に分散しにくく
なる。前記併用される材料の配合量は、微細繊維化パル
プに対して100重量%未満が好ましく、100重量%
以上併用すると地合が不十分となる。
【0015】
〔シート地合の評価基準〕
◎: 非常に良好で、実用的に全く問題無し。 ○: 良好で、実用的に問題なし。 △: やや劣り、実用的にやや問題有り。 ×: かなり悪く、実用的に問題あり。
【0016】実施例2 セルロース系繊維として広葉樹漂白クラフトパルプを用
いて、1.5L容のダイノミル(型式:KDL−PIL
OT型、シンマル・エンタープライゼス社製)を使用し
て保水度が400%、長さ加重平均繊維長が0.54m
mの微細繊維化パルプ(A)を得た。一方、針葉樹漂白
クラフトパルプを水湿潤状態で12インチ型シングルリ
ファイナー(型式:DR30−300HB、熊谷理機工
業社製)にて処理することにより、カナダ標準フリーネ
スが200mlの叩解パルプ(B)を得た。そして前記
微細繊維化パルプ(A)80部、リファイナー叩解パル
プ(B)20部、および水を加えて固形分濃度0.6%
の水懸濁液を調製し、水懸濁液押出流量2.0L/分の
速度で流延させた後は、実施例1と同様にして、絶乾坪
量30g/m2のシートを作製した。このシートがワイヤー
を出るときの固形分濃度は16%であった。
【0017】実施例3 セルロース系繊維として広葉樹漂白クラフトパルプを用
い、六筒式サンドグラインダー(アイメックス(株)
製、処理容量300ml)を用いて、保水度が210
%、長さ加重平均繊維長が0.75mmの微細繊維化パ
ルプを得た。このパルプ80部、シリカ微粒子20部、
および水を加えて固形分濃度2.5%の水懸濁液を調製
し、流延法を模式して、25cm角のボックスの上側に
ワイヤー支持板と所定の80メッシュのワイヤーを取り
付けたワイヤー上にスリット幅5mmのアプリケーター
バーにて前記原料パルプ水懸濁液を流延し、400mm
Hgにて7秒間脱水したあと、ワイヤーごと乾燥機にて
シートを乾燥させ、絶乾坪量が90g/m2のシートを作製
した。このシートがワイヤー上で脱水処理された後の固
形分濃度は20%であった。
【0018】実施例4 セルロース系繊維として広葉樹漂白クラフトパルプを用
いて、高圧均質化装置(マイクロフルイダイザー:月島
機械社製)を用いて、保水度が400%、長さ加重平均
繊維長が0.55mmの微細繊維化パルプを得た。この
パルプ80部に炭素繊維を20部配合し、水を加えて固
形分濃度1.0%の水懸濁液を調製し、水懸濁液押出流
量2.4L/分の速度で流延させた後は、実施例1と同
様の方法で、絶乾坪量が60g/m2のシートを作製した。
このシートがミゼットマシーンのワイヤーを出るときの
固形分濃度は16%であった。
【0019】実施例5 実施例1と同様にして得られた微細繊維化パルプ80部
に尿素樹脂微粒子を20部配合し、水を加えて固形分濃
度1.0%の水懸濁液を調製し、水懸濁液押出流量2.
4L/分の速度で流延させた後は、実施例1と同様にし
て絶乾坪量が60g/m2のシートを作製した。このシート
がミゼットマシーンのワイヤーを出るときの固形分濃度
は18%であった。
【0020】実施例6 セルロース系繊維として広葉樹漂白クラフトパルプを用
い、スーパーマスコロイダー(型式:MKZA10-10 、増幸
産業社製)を用いて、保水度が400%、長さ加重平均
繊維長が1.70mmの微細繊維化パルプを得た。この
パルプ60部にアラミド繊維を40部配合し、水を加え
て固形分濃度1.0%の水懸濁液を調製し、水懸濁液押
出流量2.4L/分の速度で流延させた後は、実施例1
と同様にして、絶乾坪量が60g/m2のシートを作製し
た。このシートがミゼットマシーンのワイヤーを出ると
きの固形分濃度は16%であった。
【0021】実施例7 流延時の固形分濃度を0.6%から0.5%に変え、水
懸濁液押出流量4.0L/分の速度で流延させたこと以
外は実施例2と同様にして絶乾坪量30g/m2のシートを
作製した。このシートがミゼットマシーンのワイヤーを
出るときの固形分濃度は15%であった。
【0022】実施例8 流延時の固形分濃度を2.5%から3.0%に変え、水
懸濁液押出流量1.0L/分の速度で流延させたこと以
外は実施例3と同様にして絶乾坪量90g/m2のシートを
作製した。このシートがミゼットマシーンのワイヤーを
出るときの固形分濃度は20%であった。
【0023】比較例1 セルロース系繊維として針葉樹漂白クラフトパルプを水
湿潤状態で、12インチ型シングルリファイナー(型
式:DR30−300HB、熊谷理機工業社製)にて処
理することにより、カナダ標準フリーネスが30ml、
保水度が180%、長さ加重平均繊維長が1.92mm
の叩解パルプを得た。この叩解パルプを微細繊維化パル
プの代わりに使用し、水懸濁液押出流量1.1L/分の
速度で流延させたこと以外は実施例1と同様にし、絶乾
坪量70g/m2のシートを作製した。このシートがミゼッ
トマシーンのワイヤーを出るときの固形分濃度は19%
であった。
【0024】比較例2 保水度が460%、長さ加重平均繊維長が0.49mm
になるまで高圧ホモジナイザーで処理したパルプを微細
繊維化パルプとして使用し、水懸濁液押出流量2.4L
/分の速度で流延させたこと以外は実施例4と同様にし
て、絶乾坪量60g/m2のシートを作製した。このシート
がミゼットマシーンのワイヤーを出るときの固形分濃度
は12%であった。
【0025】比較例3 Tダイを用いる代わりに、通常抄紙する際に用いられる
ヘッドボックス(ミゼットマシーン備付)を使用して抄
紙した以外は実施例5と同様にして、絶乾坪量60g/m2
のシートを作製した。このシートがミゼットマシーンの
ワイヤーを出るときの固形分濃度は12%であった。
【0026】比較例4 微細繊維化パルプの配合量を40部、アラミド繊維の配
合量を60部に変えた以外は実施例6と同様にして、絶
乾坪量60g/m2のシートを作製した。このシートがミゼ
ットマシーンのワイヤーを出るときの固形分濃度は13
%であった。
【0027】比較例5 セルロース系繊維として、広葉樹漂白クラフトパルプ
を、実験用23リットル・ナイヤガラビーター(東西精
機社製)にて叩解し、カナダ標準フリーネスが450m
lの叩解パルプを得た。この叩解パルプを微細繊維化パ
ルプの代わりに使用した以外は実施例1と同様にして、
絶乾坪量70g/m2のシートを作製した。このシートがワ
イヤーを出るときの固形分濃度は20%であった。
【0028】各実施例および比較例で得られたシートの
評価結果を表1に示す。表1より明らかなように、本発
明の各実施例においては、特定の保水度を有する微細繊
維化パルプを使用することにより、地合の良好なシート
が得られる。一方リファイナー叩解パルプを用いて抄紙
した場合には、スラリー濃度が高めになるために、地合
が悪くなる(比較例1)。保水度が460%の微細繊維
化パルプを用いると、ワイヤー上での濾水性が極端に悪
く、シート固形分濃度が低くなり、シートがワイヤーか
ら剥がれ難いなどの問題が起こったり(比較例2)、ま
たTダイを使わず、通常の抄紙機備付のヘッドボックス
を用いた場合には、ワイヤー上での紙層形成がうまく行
かず、地合の悪いシートが出来る(比較例3)。さらに
微細繊維化パルプが全原料の40%以下の場合(比較例
4)や、従来の通常パルプのみを用いて本発明の方法で
抄紙した場合(比較例5)も地合は不良となる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は、微細繊維化パルプ懸濁液を用
いて、特定の抄紙機または流延装置により連続的に生産
することが可能で、設備費が安く、水分蒸発量が少なく
経済的に有利で、かつ地合いの優れた微細繊維化パルプ
シートの製造方法を提供するという効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JAPAN TAPPI No.26-78により規定される
    保水度が210〜430%の微細繊維化パルプを全原料
    中に50重量%以上含む水性懸濁液を用いて、ワイヤー
    ベルトおよび真空脱水装置を備えた(A)連続式抄紙機
    または(B)連続式流延装置の前記ワイヤーベルト上
    に、押出機により前記水性懸濁液を流延して製造するこ
    とを特徴とする微細繊維化パルプシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記水性懸濁液の固形分濃度が0.5〜
    3重量%である請求項1記載の微細繊維化パルプシート
    の製造方法。
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