特定の例示的実施形態の説明
本発明の全体的な理解を提供するために、ここで、画像を表示するための装置および方法を含む、特定の例示的実施形態を説明する。ただし、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、扱われる適用例にとって適切なように適合および修正されてもよいということと、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、他の適切な適用例の中で使用されてもよいということと、そのような他の追加および修正は、本明細書の範囲を逸脱するものではないということが、当業者によって理解されるであろう。
図1Aは、本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置100の等角投影図である。ディスプレイ装置100は、複数の光変調器、特に、行および列内に配置された複数のシャッタ組立体102a〜102d(一般に「シャッタ組立体102」)を含む。ディスプレイ装置100内で、シャッタ組立体102aおよび102dは、開状態になっており、光の通過を可能にしている。シャッタ組立体102bおよび102cは、閉状態になっており、光の通過を妨げている。ランプ105によって照射された場合に、シャッタ組立体102a〜102dの状態を選択的に設定することにより、ディスプレイ装置100は、投射型またはバックライト付きディスプレイで画像104を形成するために利用されることが可能である。別の実装では、装置100は、装置の前方からもたらされる環境光の反射によって画像を形成してもよい。
ディスプレイ装置100内で、各シャッタ組立体102は、画像104内のピクセル106に対応している。他の実装では、ディスプレイ装置100は、複数のシャッタ組立体を利用して、画像104内のピクセル106を形成してもよい。例えば、ディスプレイ装置100は、3つの色固有シャッタ組立体102を含んでもよい。特定のピクセル106に対応する色固有シャッタ組立体102のうちの1つ以上を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置100は、画像104内にカラーピクセル106を生成することが可能である。別の例では、ディスプレイ装置100は、画像104内にグレースケールを提供するために、ピクセル106につき2つ以上のシャッタ組立体102を含む。画像に関しては、「ピクセル」は、画像の解像度によって画定される最小の画素に対応する。ディスプレイ装置100の構造部品に関しては、用語「ピクセル」は、画像の1つのピクセルを形成する光を変調するために使用される、機械的および電気的構成要素の組み合わせを意味する。
各シャッタ組立体102は、シャッタ108と、アパーチャ109とを含む。画像104内のピクセル106を明るくするためには、シャッタ108は、見る人に向けて光がアパーチャ109を通過することを可能にするように配置される。ピクセル106を点灯されていないままにするためには、シャッタ108は、アパーチャ109を通した光の通過を妨げるように配置される。アパーチャ109は、各シャッタ組立体102内に、反射性または光吸収性材料を貫いてパターニングされた、開口部によって画定される。
ディスプレイ装置は、さらに、シャッタの移動を制御するための、基板とシャッタ組立体とに接続された制御マトリクスを含む。制御マトリクスは、ピクセルの行につき少なくとも1つの書き込み許可相互接続110(「走査ライン相互接続」とも呼ばれる)と、ピクセルの各列に対して1つのデータ相互接続112と、すべてのピクセルに、または少なくとも、ディスプレイ装置100内の複数列および複数行の両方からのピクセルに、共通電圧を提供する、1つの共通相互接続114とを含む、一連の電気的相互接続(例えば、相互接続110、112、および114)を含む。適切な電圧(「書き込み許可電圧、Vwe」)の印加に応えて、所与のピクセル行に対しての書き込み許可相互接続110は、行内のピクセルを、新しいシャッタ移動指示を受け入れるように準備させる。データ相互接続112は、新しい移動指示を、データ電圧パルスの形式で伝達する。データ相互接続112に印加されるデータ電圧パルスは、一部の実装では、シャッタの静電的な移動に直接寄与する。他の実装では、データ電圧パルスは、シャッタ組立体102への、通常はデータ電圧よりも大きさが大きい別個の作動電圧の印加を制御する、例えばトランジスタまたはその他の非線形回路素子などのスイッチを制御する。これらの作動電圧の印加は、次に、シャッタ108の静電的な移動をもたらす。
図1Bは、ディスプレイ装置100のブロック図150である。上述のディスプレイ装置100の要素に加えて、ブロック図150に示すように、ディスプレイ装置100は、複数の走査ドライバ152(「書き込み許可電圧源」とも呼ばれる)と、複数のデータドライバ154(「データ電圧源」とも呼ばれる)とを含む。走査ドライバ152は、書き込み許可電圧を、走査ライン相互接続110に印加する。データドライバ154は、データ電圧を、データ相互接続112に印加する。ディスプレイ装置の一部の実装では、特に画像104のグレースケールがアナログ形式で導き出されるべき場合に、データドライバ154は、アナログデータ電圧をシャッタ組立体に提供するように構成される。アナログ動作においては、シャッタ組立体102は、さまざまな中間電圧がデータ相互接続112を介して印加された場合に、結果として、シャッタ108のさまざまな中間的開状態がもたらされ、したがって、さまざまな中間的な照射状態、すなわち画像104内のグレースケールがもたらされるように設計される。
他の場合には、データドライバ154は、2つ、3つ、または4つの、縮小された組のデジタル電圧レベルのみを、制御マトリクスに印加するように構成される。これらの電圧レベルは、シャッタ108のそれぞれに、開状態または閉状態のいずれかを、デジタル形式で設定するように設計される。
走査ドライバ152とデータドライバ154とは、デジタルコントローラ回路156(「コントローラ156」とも呼ばれる)に接続される。コントローラは、入力画像信号を、ディスプレイの空間アドレス指定およびグレースケール機能のために適切な、デジタル画像フォーマットに処理する、ディスプレイインタフェース158を含む。各画像のピクセル位置およびグレースケールデータは、フレームバッファ159内に記憶され、それにより、データは、必要に応じてデータドライバ154に送り出されることが可能になる。データは、行によって、そして画像フレームによってグループ化された、所定の順序に編成されて、大部分はシリアル方式でデータドライバ154に送信される。データドライバ154は、直列−並列データ変換器、レベルシフティング、および一部の適用例に対しては、デジタルアナログ電圧変換器を含んでもよい。
さまざまな表示機能のための、すべてのドライバ(例えば、走査ドライバ152、データドライバ154、作動ドライバ153、および大域的作動ドライバ155)は、コントローラ156内のタイミング制御160によって時刻同期される。タイミングコマンドは、ランプドライバ168を経由した、赤、緑、および青のランプ162、164、および166の照射と、ピクセルのアレイの特定の行の、書き込み許可および順序付けと、データドライバ154からの電圧の出力と、シャッタの作動を提供する電圧の出力とを調整する。
コントローラ156は、アレイ内のシャッタ108のそれぞれが、新しい画像104に適合する照射レベルに再設定されることを可能にする、順序付けまたはアドレス指定方式を決定する。新しい画像104は、定期的な間隔で設定されてもよい。例えば、ビデオ表示の場合、ビデオのカラー画像104またはフレームは、10〜300Hzの範囲の周波数でリフレッシュされる。一部の実施形態では、交代する画像フレームが、赤、緑、および青などの交代する一連の色を使用して照射されるように、画像フレームの設定はバックライトの照射と同期される。各それぞれの色に対する画像フレームは、カラーサブフレームと呼ばれる。フィールド順次式カラー方法(field sequential color method)と呼ばれる、この方法においては、カラーサブフレームが20Hzを超える周波数で交代させられると、人間の脳は、交代するフレーム画像を平均化して、広い連続的な範囲の色を有する画像を知覚する。
ディスプレイ装置100が、シャッタ108の開状態と閉状態との間のデジタル切り換えのために設計されている場合、コントローラ156は、適切なグレースケールを有する画像104を生成するために、アドレス指定シーケンス、および/または、画像フレーム間の時間間隔を制御してもよい。特定のフレーム内でシャッタ108が開いている時間の長さを制御することによって、グレースケールのさまざまなレベルを生成するプロセスは、時分割グレースケール(time division gray scale)と呼ばれる。時分割グレースケールの一実施形態では、コントローラ156は、シャッタ108が開状態のままであることを可能とされる、各フレーム内での期間、または時間の割合を、そのピクセルに対しての望ましい照射レベルまたはグレースケールに従って決定する。時分割グレースケールの別の実施形態では、フレーム時間は、例えば、4ビットの2進グレースケールに適合する照射レベルに従って、15の等しい持続時間のサブフレームに分割される。コントローラ156は、次に、15のサブフレームのそれぞれの中に、別個の画像を設定する。画像のより明るいピクセルは、15のサブフレームのうちのほとんどまたはすべてに対して開状態のままにされ、より暗いピクセルは、サブフレームのうちの一部分のみに対して開状態に設定される。時分割グレースケールの別の実施形態では、コントローラ回路156は、照射値を表すコード化されたグレースケールワードのビットレベルの重みに比例して、一連のサブフレームの持続時間を変更する。すなわち、サブフレームの持続時間は、2進級数1、2、4、8、・・・に従って変化させられてもよい。各ピクセルに対してのシャッタ108は、次に、意図されるグレーレベルのための、2進ワード内の対応する位置におけるビット値に従って、特定のサブフレーム内で、開または閉状態のいずれかに設定される。
上述の時分割技術を、ピクセルにつき複数のシャッタ108を使用すること、またはバックライト強度の独立制御によることの、いずれかと組み合わせた、いくつかの複合型技術が、グレースケールを形成するために利用可能である。これらの技術については、以下でさらに説明する。
制御マトリクスのアドレス指定、すなわち、ピクセルのアレイへの制御情報の供給は、一実装では、走査ライン、またはマトリクスの行と呼ばれることもある、個別のラインの順次アドレス指定によって達成される。所与の走査ラインに対しての書き込み許可相互接続110にVweを印加し、各列に対してのデータ相互接続112にデータ電圧パルスVdを選択的に印加することによって、制御マトリクスは、書き込み許可された行内の各シャッタ108の移動を制御してもよい。ディスプレイ装置100内の各ピクセル行に対して、これらのステップを繰り返すことによって、制御マトリクスは、ディスプレイ装置100内の各ピクセルへの移動指示の設定を完了してもよい。
1つの代替の実装においては、例えば、異なるピクセル行内のピクセルに対しての移動指示間の類似性を利用し、それにより、ディスプレイ装置100内のすべてのピクセルに移動指示を提供するために必要とされる時間の長さを減らすために、制御マトリクスは、Vweを、複数のピクセル行の書き込み許可相互接続110に同時に印加する。別の代替の実装においては、特にコード化された時分割グレースケールの使用と組み合わせて生成される場合がある、視覚的アーティファクトを最小にするために、行は、非順次の、例えば擬似ランダム化された順序でアドレス指定される。
代替実施形態では、ピクセルのアレイと、アレイ内に組み込まれたピクセルを制御する制御マトリクスとは、矩形の行および列以外の構成で配置されてもよい。例えば、ピクセルは、六角形のアレイ、または曲線をなす行および列内に配置されてもよい。一般に、本明細書で使用する場合、走査ラインという用語は、書き込み許可相互接続を共有する任意の複数のピクセルを意味する。
シャッタ組立体
図2は、図1のディスプレイ装置100内への組み込みのために適切な、例示的シャッタ組立体200の図である。シャッタ組立体200は、アクチュエータ204に結合されたシャッタ202を含む。アクチュエータ204は、2つの別個のコンプライアント電極ビームアクチュエータ205から形成される。シャッタ202は、一方の側が、アクチュエータ205に結合されている。アクチュエータ205は、シャッタを、実質的に表面に平行な移動平面内で、表面の上を横方向に移動させる。シャッタの反対側は、アクチュエータ204によって及ぼされた力に対向する復元力を提供する、スプリング207に結合されている。
各アクチュエータ205は、シャッタ202をロードアンカー208に接続する、コンプライアントロードビーム206を含む。ロードアンカー208はコンプライアントロードビーム206とともに、シャッタ202を表面のすぐ近くに浮遊したままに保つ、機械的支持として働く。表面には、光の通過を許すための1つまたは複数のアパーチャ211が含まれる。ロードアンカー208は、物理的には、コンプライアントロードビーム206とシャッタ202とを表面に接続し、電気的には、ロードビーム206をバイアス電圧に、場合によっては、接地に接続する。
各アクチュエータ204は、さらに、各ロードビーム206に隣接して配置されたコンプライアント駆動ビーム216を含む。駆動ビーム216は、一方の端において、駆動ビーム216間で共有される駆動ビームアンカー218に結合される。各駆動ビーム216のもう一方の端は、自由に動くことができる。各駆動ビーム216は、駆動ビーム216の自由端およびロードビーム206の固定端の近くで、駆動ビーム216がロードビーム206に最も近くなるように、湾曲している。
動作時、シャッタ組立体200を組み込んだディスプレイ装置は、駆動ビームアンカー218を介して、駆動ビーム216に、電位を印加する。第2の電位が、ロードビーム206に印加されてもよい。結果としてもたらされる、駆動ビーム216とロードビーム206との間の電位差は、駆動ビーム216の自由端を、ロードビーム206の固定端の方へ引き、そして、ロードビーム206のシャッタ端を、駆動ビーム216の固定端の方へ引き、それにより、シャッタ202を、駆動アンカー218の方へ横方向に駆動する。コンプライアント部材206はスプリングとして働き、それにより、ビーム206と216とにわたる電位の電圧が除去された場合に、ロードビーム206は、ロードビーム206内に蓄積された応力を解放しながら、シャッタ202をその初期位置に押し戻す。
受動的復元力機構を組み込んだ、シャッタ組立体200などのシャッタ組立体は、本明細書では、一般に、弾性シャッタ組立体と呼ぶ。多数の弾性復元機構が、静電アクチュエータ内に、または静電アクチュエータと組み合わせて構築されてもよく、シャッタ組立体200内に示したコンプライアントビームは、一例を提供しているにすぎない。弾性シャッタ組立体は、アクティブにされていない、または弛緩された状態において、シャッタが開いているか、または閉じているかのいずれかであるように構築されてもよい。例示的な目的のために、以下、本明細書に記載する弾性シャッタ組立体は、弛緩された状態において閉じているように構築されると仮定する。
駆動ビーム216およびロードビーム206の曲率によって、シャッタ組立体は、アナログまたはデジタル形式のいずれかで制御されてもよい。ビームが、強非線形の、または発散の曲率を有する場合(2次を超える曲率で発散するビーム)、駆動ビーム216とロードビーム206とにわたるアナログ作動電圧の印加は、結果として、シャッタ202の所定の増分変位をもたらす。したがって、シャッタ202の変位の大きさは、駆動ビーム216とロードビーム206とにわたって異なる大きさの電圧を印加することによって変化させられてもよい。より多く湾曲したビームを含むシャッタ組立体200は、したがって、アナロググレースケール(analog gray scale)プロセスを実装するために使用される。
より少なく湾曲したビーム(2次の曲率またはそれ未満で発散するビーム)を有するシャッタ組立体の場合、駆動ビーム216とロードビーム206とにわたる電圧の印加は、結果として、電圧がしきい値電圧(Vat)よりも大きい場合にシャッタの変位をもたらす。Vatと等しいか、またはそれを超える電圧の印加は、結果として、最大のシャッタ変位をもたらす。すなわち、しきい値と等しいか、またはそれを超える電圧の印加がないためシャッタ202が閉じられている場合、Vatと等しいか、またはそれを超える任意の電圧の印加によりシャッタは完全に開く。そのようなシャッタ組立体は、ディスプレイ装置100のさまざまな実施形態において、時分割、および/またはデジタル領域分割(digital area division)のグレースケールプロセスを実装するために利用される。
図3Aおよび図3bは、ディスプレイ装置100内での使用に適した第2のシャッタ組立体300の等角投影図である。図3Aは、開状態における第2のシャッタ組立体300の図である。図3Bは、閉状態における第2のシャッタ組立体300の図である。シャッタ組立体200とは対照的に、シャッタ組立体300は、シャッタ306の両側に、アクチュエータ302と304とを含む。各アクチュエータ302および304は、独立に制御される。第1のアクチュエータである、シャッタ開アクチュエータ302は、シャッタ306を開く役割を果たす。第2のアクチュエータである、シャッタ閉アクチュエータ304は、シャッタ306を閉じる役割を果たす。両方のアクチュエータ302および304は、好ましくは、コンプライアントビーム電極アクチュエータである。アクチュエータ302および304は、表面307の上に浮遊しているシャッタ306を、表面307に実質的に平行な平面内で駆動することによって、シャッタ306を開閉する。シャッタ306は、アクチュエータ302および304に取り付けられたアンカー308によって、表面の上に浮遊させられる。シャッタ306の両端に、その運動軸に沿って取り付けられた支持体を含めることにより、シャッタ306の面外の動きが減少し、動きは実質的に、所望の運動面に限定される。表面307は、表面307を介した光の通過を許すための、少なくとも1つのアパーチャ309を含む。
図4は、ディスプレイ装置100内に含めるのに適したシャッタ組立体402のアレイ400の上面図である。各シャッタ組立体402は、シャッタ404と、ロードビーム406と、2つの駆動ビーム408とを含む。上述のシャッタ組立体200および300と同様に、表面の上で駆動されるシャッタ404が、表面内のアパーチャを介して通過する光を選択的に妨げるように、シャッタ組立体402は、それらの対応するシャッタ404を横方向に駆動することによって光を変調する。
シャッタ組立体のうちの1つの中の、シャッタのうちの1つを駆動するには、ロードビーム406と、駆動ビーム408のうちの1つとにわたって、電圧が印加される。電圧を生成するには、第1の電位が、選択された駆動ビームに印加され、第2の電位が、ロードビーム406とシャッタ404とに印加される。第1および第2の電位は、同じ極性であってもよく、または、それらは反対の極性であってもよい。それらは、さらに、同じ大きさを有してもよく、または、それらは異なる大きさを有してもよい。いずれかの電位は、さらに、接地に設定されてもよい。シャッタ組立体が作動するためには(すなわち、シャッタがその位置を変えるためには)、第1の電位と第2の電位との間の差が、作動しきい値電圧Vatと等しいか、またはそれを超えていなければならない。
ほとんどの実施形態において、Vatは、選択された駆動ビームと、ロードビームとに、十分に異なる大きさの電圧を印加することによって到達される。例えば、Vatが40Vであると仮定すると、ディスプレイ装置100は、駆動ビームに30Vを印加し、ロードビームに−10Vを印加して、40Vの電位差をもたらしてもよい。ただし、電力損失を制御する目的のためには、さらに、接地、またはディスプレイのパッケージ電位に対する、各電極に印加される絶対電圧を考慮して制御することも重要である。アクチュエータのアレイに電位を印加するために必要とされる電力は、電圧源によって見られる静電容量に比例し(P=1/2fCV2)、ここで、fは駆動信号の周波数、Vは電圧源の電圧、Cは電圧源から見られる全静電容量である。全静電容量は、ロードビームと駆動ビームとの間に存在する静電容量、電圧源とアクチュエータとの間の相互接続ラインに沿ったトランジスタ(特に、ゲートが閉じられているトランジスタ)の、ソース−ドレイン間静電容量、相互接続ラインと、その周囲にある、隣接するシャッタ組立体および/または交差する線などとの間の静電容量、ならびに、ロードビームまたは駆動ビームと、それらの周囲にある、隣接するシャッタ組立体またはディスプレイパッケージなどとの間の静電容量を含む、いくつかの追加要素を有する。ロードビーム406は、シャッタ404に電気的に結合されるため、ロードビーム406の静電容量は、シャッタ404の静電容量を含む。シャッタは、通常、ピクセルの領域のうちの大きな部分を含むため、ロードビームとその周囲にあるものとの間の静電容量は、電圧源によって見られる全静電容量のうちのかなりの割合を示す可能性がある。さらに、ロードビーム406とシャッタ404との組み合わせの面積と、駆動ビーム408の面積との差は大きいため、ロードビームとその周囲にあるものとの間の静電容量は、通常、駆動ビームとその周囲にあるものとの間の静電容量よりもはるかに大きい。結果として、駆動ビームまたはロードビームのいずれかに接続された電圧源で発生するCV2の電力損失は、それらの電圧偏位の範囲が同じである場合、大幅に異なる。この理由により、アクチュエータのより高い静電容量の端、すなわち、ロードビームは、接地またはパッケージ電位に対して電圧が大幅に変化しない電圧源に、または、駆動システムによって要求される最高の周波数で電圧を変化させない電圧源に接続することが、一般に有利である。例えば、アクチュエータを作動させるために、ロードビーム406と駆動ビーム408との間に40Vの差が必要とされる場合、駆動ビームと接地またはケース電位との間の電圧差が、40Vのほとんどではないにしても、少なくとも半分を示すならば有利である。
シャッタ組立体アレイ400の上に重ね合わされた破線は、1つのピクセル410の境界を示す。ピクセル410は、2つのシャッタ組立体402を含み、それらのそれぞれは別個に制御されてもよい。ピクセル410につき2つのシャッタ組立体402を有することにより、シャッタ組立体アレイ400を組み込んだディスプレイ装置は、領域分割(area division)グレースケールを使用して、ピクセルにつき3つのレベルのグレースケールを提供することが可能である。より詳細には、ピクセルは、両方のシャッタ組立体が閉じられた状態か、1つのシャッタ組立体が開かれ、1つのシャッタ組立体が閉じられた状態か、または両方のシャッタ組立体が開かれた状態に、駆動されてもよい。したがって、結果としてもたらされる画像ピクセルは、オフ、半分の輝度、または完全な輝度であってもよい。ピクセル410内の各シャッタ組立体402が、異なるサイズのアパーチャを有するようにすることにより、ディスプレイ装置は、さらに別のレベルのグレースケールを、領域分割グレースケールのみを使用して提供することが可能である。図2、図3、および図4のシャッタ組立体200、300、および402は、双安定にされてもよい。すなわち、シャッタは、少なくとも2つの平衡位置(例えば、開または閉)に、いずれの位置にそれらを保つためにも、電力はほとんどまたはまったく必要なしに、存在してもよい。より詳細には、シャッタ組立体300は、機械的に双安定であってもよい。シャッタ組立体300のシャッタが所定の位置に設定されたら、その位置を維持するために、電気的エネルギーまたは保持電圧は必要とされない。シャッタ組立体300の物理要素上の機械的応力が、シャッタを所定の位置に保持してもよい。
シャッタ組立体200、300、および402は、さらに、電気的に双安定にされてもよい。電気的に双安定なシャッタ組立体においては、シャッタ組立体の作動電圧未満の電圧範囲が存在し、閉じられたアクチュエータ(シャッタは開または閉のいずれか)にこの電圧が印加された場合、たとえ対向する力がシャッタ上に働かされたとしても、アクチュエータは閉じられたままに、そしてシャッタは所定の位置に保持される。対向する力は、シャッタ組立体200内のスプリング207などの、シャッタの反対の端に取り付けられたスプリングによって働かされてもよく、または、対向する力は、対向するアクチュエータによって働かされてもよい。そのような対向する力に逆らってシャッタの位置を維持するために必要な最小電圧は、維持電圧Vmと呼ばれる。
電気的双安定性は、アクチュエータにわたっての静電力は、位置および電圧の強関数であるという事実に起因する。シャッタ組立体200、300、および402内のアクチュエータのビームは、キャパシタプレートとして働く。キャパシタプレート間の力は、1/d2に比例し、ここで、dは、キャパシタプレート間の局所的分離距離である。閉じられたアクチュエータでは、アクチュエータビーム間の局所的分離は非常に小さい。したがって、小さな電圧の印加により、比較的強い力をアクチュエータビーム間にもたらすことが可能である。結果として、たとえ他の要素が対向する力をアクチュエータ上に働かせたとしても、Vmなどの比較的小さな電圧で、アクチュエータを閉じたままに保つことが可能である。
2つの別々に制御可能なアクチュエータを(それぞれ、シャッタを開く、および閉じるという目的のために)提供する、300などのシャッタ組立体においては、シャッタの平衡位置は、それぞれのアクチュエータの両端の電圧差の、複合効果によって決定される。言い換えると、シャッタ上の均衡する力を決定するには、3つのすべての端子(シャッタ開駆動ビーム、シャッタ閉駆動ビーム、およびシャッタ/ロードビーム)の電位と、シャッタの位置とを考慮しなければならない。
電気的双安定システムについては、一組の論理規則が、安定状態を説明することができ、また、シャッタのための確実なアドレス指定またはデジタル制御方式を開発するために使用可能である。そのような論理規則は、次のとおりである。
Vsは、シャッタまたはロードビーム上の電位であるとする。Voは、シャッタ開駆動ビーム上の電位であるとする。Vcは、シャッタ閉駆動ビーム上の電位であるとする。式/Vo−Vs/は、シャッタとシャッタ開駆動ビームとの間の電圧差の絶対値を表すとする。Vmは、維持電圧であるとする。Vatは、作動しきい値電圧、すなわち、対向する駆動ビームへのVmの印加がない場合に、アクチュエータを作動させるために必要な電圧であるとする。Vmaxは、VoおよびVcの最大許容電位であるとする。Vm<Vat<Vmaxであるとする。次に、VoおよびVcがVmax未満のままであると仮定すると、
1./Vo−Vs/<Vmかつ/Vc−Vs/<Vmならば、
シャッタは、その機械的スプリングの平衡位置に弛緩する。
2./Vo−Vs/>Vmかつ/Vc−Vs/>Vmならば、
シャッタは移動しない、すなわち、開または閉状態のうち、最後の作動イベントによって確立されたいずれかの位置に保たれる。
3./Vo−Vs/>Vatかつ/Vc−Vs/<Vmならば、
シャッタは開位置に移動する。
4./Vo−Vs/<Vmかつ/Vc−Vs/>Vatならば、
シャッタは閉位置に移動する。
規則1に従って、各アクチュエータ上の電圧差が0に近い場合、シャッタは弛緩する。多くのシャッタ組立体において、機械的に弛緩した位置は、部分的にのみ開いているか閉じており、したがって、アドレス指定方式において、この電圧条件は回避されることが好ましい。
規則2の条件は、アドレス指定方式に大域的作動機能を含めることを可能にする。少なくとも維持電圧であるビーム電圧差を提供する、シャッタ電圧を維持することによって、シャッタ開およびシャッタ閉電位の絶対値は、意図しないシャッタの動きの危険なしに、広い電圧範囲にわたって(電圧差がVatを超える範囲にさえ)、アドレス指定シーケンスの最中に、変更されるか、または切り換えられてもよい。
規則3および4の条件は、シャッタの双安定作動を確実にするための、アドレス指定シーケンスの間を一般に対象とした条件である。
維持電圧差Vmは、作動しきい値電圧Vatの一定の割合として設計または表現されてもよい。有用な程度の双安定性のために設計されたシステムの場合、維持電圧は、Vatの20%〜80%の範囲内に存在してもよい。これは、システム内の電荷漏洩または寄生電圧変動が、設定保持電圧の、その維持範囲外への逸脱(シャッタの意図しない作動をもたらす可能性がある逸脱)をもたらさないことを確実にするために役立つ。一部のシステムでは、VmがVatの2%〜98%の範囲にわたって存在する、例外的な程度の双安定性またはヒステリシスが提供されてもよい。ただし、そのようなシステムでは、利用可能なアドレス指定および作動時間内に、電極電圧条件V<Vmが確実に得られることを保証するように注意する必要がある。
制御マトリクスおよびその動作方法
図5Aは、ピクセルのアレイをアドレス指定するために、ディスプレイ装置100内に含めるのに適した、制御マトリクス500の概念図である。図5Bは、制御マトリクス500を含む、ピクセルのアレイの部分の等角投影図である。各ピクセル501は、アクチュエータ503によって制御される、シャッタ組立体200などの、弾性シャッタ組立体502を含む。
制御マトリクス500は、シャッタ組立体502が上に形成される基板504の表面上に、拡散された、または薄膜蒸着された電気回路として製造される。制御マトリクス500は、制御マトリクス500内のピクセル501の各行に対しての、走査ライン相互接続506と、制御マトリクス500内のピクセル501の各列に対しての、データ相互接続508とを含む。各走査ライン相互接続506は、書き込み許可電圧源507を、ピクセル501の対応する行内のピクセル501に電気的に接続する。各データ相互接続508は、データ電圧源(「Vdソース」)509を、ピクセルの対応する列内のピクセル501に電気的に接続する。制御マトリクス500内で、データ電圧Vdは、作動のために必要なエネルギーの大部分を提供する。したがって、データ電圧源509は、作動電圧源としても働く。
アレイ内の各ピクセル501に対して、または各シャッタ組立体に対して、制御マトリクス500は、トランジスタ510とキャパシタ512とを含む。各トランジスタのゲートは、ピクセル501が配置されているアレイ内の行の走査ライン相互接続506に電気的に接続される。各トランジスタ510のソースは、その対応するデータ相互接続508に電気的に接続される。シャッタ組立体502は、2つの電極を有するアクチュエータを含む。2つの電極は、周囲にあるものに対する大幅に異なる静電容量を有する。トランジスタは、データ相互接続508を、より低い静電容量を有するアクチュエータ電極に接続する。より詳細には、各トランジスタ510のドレインは、対応するキャパシタ512の一方の電極と、アクチュエータのより低い静電容量の電極とに、並列に、電気的に接続される。キャパシタ512のもう一方の電極と、シャッタ組立体502内のアクチュエータのより高い静電容量の電極とは、共通または接地電位に接続される。動作時、画像を形成するために、制御マトリクス500は、各走査ライン相互接続506にVweを次々に印加することによって、アレイ内の各行を順に書き込み許可する。書き込み許可された行に対しては、行内のピクセル501のトランジスタ510のゲートへのVweの印加により、データ相互接続508を通りトランジスタを通る電流の流れが、シャッタ組立体502のアクチュエータに電位を印加することが可能になる。行が書き込み許可されている間、データ電圧Vdが、データ相続接続508に選択的に印加される。アナロググレースケールを提供する実装においては、各データ相互接続508に印加されるデータ電圧は、書き込み許可走査ライン相互接続506とデータ相互接続508との交点に配置されたピクセル501の所望される輝度に関連して、変化させられる。デジタル制御方式を提供する実装においては、データ電圧は、相対的に低い大きさの電圧(すなわち、接地付近の電圧)であるように、あるいは、Vat(作動しきい値電圧)を満たすかまたは超過するように選択される。データ相互接続508へのVatの印加に応えて、対応するシャッタ組立体502内のアクチュエータが作動して、シャッタ組立体502内のシャッタを開く。データ相互接続508に印加された電圧は、制御マトリクス500が行にVweを印加するのを停止した後も、ピクセルのキャパシタ512内に蓄積されたままになる。したがって、シャッタ組立体502が作動するための十分に長い時間、行上の電圧Vweを保持して待つ必要はなく、そのような作動は、書き込み許可電圧が行から除去された後で進行することが可能である。行内のキャパシタ510内の電圧は、ビデオフレーム全体が書き込まれるまで、そして一部の実装においては、新しいデータが行に書き込まれるまで、実質的に蓄積されたままになる。
制御マトリクス500は、以下の処理ステップのシーケンスの使用を通して製造されてもよい。
第1に、アパーチャ層550が、基板504上に形成される。基板504が、シリコンなどの、不透明なものである場合、基板504はアパーチャ層550として働き、基板504を通して穴のアレイをエッチングすることによって、アパーチャ穴554が基板504内に形成される。基板504が、ガラスなどの、透明なものである場合、アパーチャ層550は、基板504上に遮光層を蒸着することと、遮光層をエッチングして穴のアレイにすることとから形成されてもよい。アパーチャ穴554は、一般に、円形、楕円形、多角形、蛇行形状、または不規則な形であってもよい。遮光層が、さらに、金属などの、反射性材料で作られている場合、アパーチャ層550は、光学的効率を増加させるために、送出されなかった光を再循環させて、取り付けられたバックライトに戻す、鏡面として働いてもよい。光の再循環を提供するための適切な反射性金属膜は、スパッタリング、蒸発(evaporation)、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相蒸着法などの、多くの蒸着技術によって形成されてもよい。この反射性適用例のための効果的な金属としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、Au、Ag、Cu、Ni、Ta、Ti、Nd、Nb、Si、Mo、および/またはその合金が挙げられる。厚さは、30nm〜1000nmの範囲で十分である。
第2に、金属間誘電体層が、アパーチャ層金属550の上を一面に覆うやり方で蒸着される。
第3に、第1の導電層が、基板上に蒸着され、パターニングされる。この導電層は、走査ライン相互接続506の導電性トレースとなるようにパターニングされてもよい。上に記載した任意の金属、またはインジウムスズ酸化物などの導電性酸化物は、この適用例のための十分に低い抵抗率を有することが可能である。各ピクセル内の走査ライン相互接続506の一部は、トランジスタ510のゲートを形成するように配置される。
第4に、別の金属間誘電体層が、導電性相互接続の第1の層の上を、トランジスタ510のゲートを形成する部分を含めて、一面に覆うやり方で蒸着される。この目的のために十分な金属間誘電体としては、厚さが30nm〜1000nmの範囲の、SiO2、Si3N4、およびAl2O3が挙げられる。
第5に、アモルファスシリコンの層が、金属間誘電体の上に蒸着され、次に、薄膜トランジスタ活性層のソース、ドレイン、およびチャネル領域を形成するようにパターニングされる。あるいは、この半導体材料は、多結晶シリコンであってもよい。
第6に、第2の導電層が、アモルファスシリコンの上に蒸着され、パターニングされる。この導電層は、データ相互接続508の導電性トレースとなるようにパターニングされてもよい。上に記載したのと同じ金属および/または導電性酸化物が使用されてもよい。第2の導電層の一部は、さらに、トランジスタ510のソースおよびドレイン領域への接点を形成するために使用されてもよい。
キャパシタ512などのキャパシタ構造は、第1および第2の導電層内に形成された平板、および間にはさまれた誘電体材料として構築されてもよい。
第7に、パシベーション誘電体(passivating dielectric)が、第2の導電層の上に蒸着される。
第8に、犠牲メカニカル層(sacrificial mechanical layer)が、パシベーション層の上に蒸着される。後続のMEMSシャッタ層が、下の導電層に電気的に接触し、かつ機械的に取り付けられることが可能なように、犠牲層とパシベーション層との両方にビアが開けられる。
第9に、MEMSシャッタ層が、犠牲層の上に蒸着され、パターニングされる。MEMSシャッタ層は、シャッタ502およびアクチュエータ503を有するようにパターニングされ、犠牲層内にパターニングされたビアを通して基板504に固定される。シャッタ502のパターンは、第1のアパーチャ層550内に形成されたアパーチャ穴554のパターンと揃えられる。MEMSシャッタ層は、Au、Cr、またはNiなどの、蒸着された金属、あるいは、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどの、蒸着された半導体から構成されてもよく、厚さは300ナノメートル〜10ミクロンの範囲であってもよい。
第10に、MEMSシャッタ層の構成要素が、アクチュエータ503の両端に印加された電圧に応えて自由に移動するようになるように、犠牲層が除去される。
第11に、対向する電圧を有する電極間の短絡を防止するために、アクチュエータ503の電極の側壁が誘電体材料を使用してコーティングされる。
上記のプロセスに対する多くの変形が可能である。例えば、ステップ1の反射性アパーチャ層550は、第1の導電層と組み合わされてもよい。この導電層内にギャップがパターニングされて、導電性トレースが層内で提供され、そして、ピクセル領域のほとんどは反射性金属で覆われたままになる。別の実施形態では、トランジスタ510のソースおよびドレイン端子は第1の導電層上に配置され、ゲート端子は第2の導電層内に形成されてもよい。別の実施形態では、半導体アモルファスまたは多結晶シリコンは、第1および第2の導電層のそれぞれの真下に配置される。この実施形態では、下にある半導体層への金属接点が作られることが可能なように、金属間誘電体内にビアがパターニングされてもよい。
図6は、ピクセル602のアレイをアドレス指定するために、ディスプレイ装置100内に含めるのに適した、第2の制御マトリクス600の図である。制御マトリクス600内のピクセル602は、制御マトリクス500内に含まれているような、トランジスタおよびキャパシタの使用をなしで済ませて、金属−絶縁体−金属(「MIM」)ダイオード604を採用する。制御マトリクス600は、制御マトリクス600内のピクセル602の各行に対しての、走査ライン相互接続606と、制御マトリクス600内のピクセルの各列に対しての、データ相互接続607とを含む。各走査ライン相互接続606は、その対応する、ピクセル602の行内の、各ピクセル602のMIMダイオード604の一方の端子に電気的に接続される。ピクセル602内のMIMダイオード604のもう一方の端子は、ピクセル602内の、シャッタ組立体200などの、シャッタ組立体608の2つの電極のうちの1つに電気的に接続される。
動作時、MIMダイオード604は、走査ライン相互接続606とデータライン相互接続607との間に提示される電圧がしきい値電圧Vdiodeを超えない限り、電流がシャッタ組立体609に流れるのを防止する、非線形スイッチ素子として働く。したがって、データライン相互接続607によって提供される電圧パルスがVdiodeを超えない場合、そのようなデータパルスは、データラインに沿って接続されたシャッタ組立体608の作動を引き起こさない。しかし、走査ライン相互接続606と、走査ライン相互接続606に交差するいくつかのデータライン相互接続607のうちのいずれかとの間に、Vdiodeを超える電圧差が現れるように、走査ライン相互接続606に書き込み許可電圧Vweが印加された場合、その走査ライン相互接続606と、それらのデータライン相互接続607との交点におけるシャッタは、それらの電荷を受け取り、作動させられることが可能となる。アナロググレースケールを提供する実装においては、各データ相互接続607に印加されるデータ電圧は、書き込み許可走査ライン相互接続606とデータ相互接続607との交点に配置されたピクセル602の所望される輝度に関連して、変化させられる。デジタル制御方式を提供する実装においては、データ電圧は、Vweに近くなるように(すなわち、ダイオード604を通して電流がほとんどまたはまったく流れないように)、あるいは、Vwe−VdiodeがVat(作動しきい値電圧)を満たすかまたは超過するように十分に高くなるように選択される。
他の実装では、MIMダイオード604は、シャッタ組立体608とデータライン相互接続607との間に配置されてもよい。動作方法は上記と同様である。他の実装では、2つのMIMダイオードが使用され、それぞれは、別個の隣接した走査ラインに接続される。シャッタ電極上に現れる電圧が2つの走査ライン間の電圧差のほぼ1/2になるように、シャッタ組立体の1つの電極は、MIMダイオードのそれぞれに、それらのそれぞれの走査ラインの反対側で接続される。これにより、アクチュエータの電極のうちの1つの電位を、既知の0または共通電位に固定することがより容易になる。
ピクセル602内のシャッタ組立体608の2つの電極は、接地またはケース電位に対して、大幅に異なる静電容量を有する。これらの2つの電極のうち、より高い静電容量の電極が、(任意選択で、図示されているように、シャッタ608と走査ライン相互接続606との間に接続されたダイオードを使用して)走査ライン相互接続606に接続されることが好ましく、その理由は、走査ラインに通常必要とされる(接地に対する)電圧変化は、データライン相互接続607に通常必要とされる電圧変化よりも小さいからである。データ相互接続607は、シャッタ組立体608の、より低い静電容量の電極に電気的に接続される。
図7は、シャッタ組立体300および402などの、開および閉の両方のアクチュエータを有するシャッタ組立体703を組み込んだピクセル702を制御するための、第3の制御マトリクス700の図である。制御マトリクス700は、制御マトリクス700内のピクセル702の行ごとの走査ライン相互接続704と、制御マトリクス700内のピクセル702の各列をアドレス指定する2つのデータ相互接続706aおよび706bとを含む。データ相互接続のうちの一方は、シャッタ開相互接続706aであり、もう一方のデータ相互接続は、シャッタ閉相互接続706bである。
制御マトリクス700内の所与のピクセル702に対して、ピクセル702は、2つのトランジスタ−キャパシタペア(ピクセルをアドレス指定する各データ相互接続706aおよび706bにつき1つのペア)を含む。ピクセル702内の両方のトランジスタのゲートは、制御マトリクス700の、ピクセル702が配置されている行に対応する走査ライン相互接続704に、電気的に接続される。一方のトランジスタである、シャッタ開トランジスタ708aのソースは、ピクセル702が配置されている列のシャッタ開データ相互接続706aに、電気的に接続される。シャッタ開トランジスタ708aのドレインは、キャパシタのうちの1つである、シャッタ開キャパシタ710aの一方の電極と、ピクセルのシャッタ組立体703のシャッタ開アクチュエータの一方の電極とに、並列に、電気的に接続される。シャッタ開キャパシタ710aのもう一方の電極は、接地に、またはピクセル702間の共通電圧に設定されたバイアス相互接続に、電気的に接続される。
同様に、ピクセル702内のもう一方のトランジスタである、シャッタ閉トランジスタ708bのソースは、ピクセル702が配置されている列のシャッタ閉データ相互接続706bに、電気的に接続される。シャッタ閉トランジスタ708bのドレインは、ピクセル内のもう一方のキャパシタである、シャッタ閉キャパシタ710bと、シャッタ組立体703のシャッタ閉アクチュエータの電極のうちの1つとに、並列に、電気的に接続される。
シャッタ組立体703の、シャッタ開アクチュエータおよびシャッタ閉アクチュエータの両方は、2つの電極を含む。各アクチュエータ内の一方の電極は、もう一方よりも大幅に高い静電容量を有する。シャッタ開およびシャッタ閉トランジスタのドレインは、それらの対応するアクチュエータの、より低い静電容量の電極に、電気的に接続される。接地、またはバイアス相互接続(存在する場合)は、より高い静電容量の電極に、電気的に接続される。
図7の制御マトリクスは、nチャネルトランジスタを使用する。pチャネルMOSトランジスタを使用する、他の実施形態が可能である。他の実装では、トランジスタ708aおよび708bは、MIMダイオード、あるいはその他の非線形回路素子またはスイッチによって置き換えられてもよい。他の実装においては、キャパシタ710aおよび710bは全体的に除去され、それらの機能は、シャッタ開およびシャッタ閉アクチュエータの実効的静電容量によって置き換えられてもよい。
各ピクセル内で複数のシャッタが作動させられる場合、ピクセル内の各シャッタに対して、シャッタ開データ相互接続とシャッタ閉データ相互接続との独立したペアが、関連するトランジスタおよびキャパシタとともに提供されてもよい。
図8は、画像フレームを形成するために、図7の制御マトリクス700によって制御されるピクセル702をアドレス指定する方法800のフローチャートである。1つの画像フレームをアドレス指定するために実行されるステップは、総称して「フレームアドレス指定サイクル」と呼ばれる。方法は、ディスプレイ内の第1の走査ラインを書き込み許可することによって開始される(ステップ802)。それを行うためには、制御マトリクス700は、制御マトリクス内の第1行に対応する、制御マトリクス700内の走査ライン相互接続704に、Vwe(例えば、nMOSトランジスタの場合は+45V、またはpMOSトランジスタの場合は−45V)を印加し、その他の走査ライン相互接続704は接地する。
制御マトリクス700は、次に、書き込み許可された走査ライン内の各ピクセル702にデータを書き込む(決定ブロック804〜ステップ812)。データは、それらのピクセル702内のシャッタ組立体703の所望の状態に対応する。理解を容易にするために、データ書き込みプロセス(決定ブロック804〜ステップ812)は、以下では、書き込み許可された走査ライン内の、選択された列内の、1つのピクセル702に関して説明する。この1つのピクセル702にデータが書き込まれるのと同時に、制御マトリクス700は、書き込み許可された走査ライン内の残りのピクセル702にも同じやり方でデータを書き込む。
制御マトリクス700の選択された列と、書き込み許可された走査ラインとの交点におけるピクセル702にデータを書き込むには、最初に、決定ブロック804において、当該のシャッタ組立体703が、次の画像フレーム内で開かれるべきか、または閉じられるべきかが決定される。シャッタ組立体703が開かれるべきである場合、制御マトリクス700は、選択された列のシャッタ開相互接続706aに、データ電圧Vdを印加する(ステップ806)。Vdは、シャッタ組立体703内のシャッタ開アクチュエータの電極間の電圧を、作動に必要な電圧Vat以上に上昇させるように選択される。制御マトリクス700が、選択された列のシャッタ開相互接続706aにVdを印加(ステップ806)するのとほぼ同時に、制御マトリクス700は、列のシャッタ閉相互接続706bを接地する(ステップ808)。
決定ブロック804において、シャッタ組立体703が閉じられるべきであることが決定された場合、制御マトリクス700は、シャッタ閉相互接続706bにデータ電圧Vdを印加し(ステップ810)、列のシャッタ開相互接続706aを接地する(ステップ812)。所望のアクチュエータの電極間の電圧がVatまで増加したら、アクチュエータは、以前に所望の位置になかった場合、作動して(ステップ814)、シャッタ組立体703内のシャッタを所望の位置に移動させる。
ステップ806〜812において、走査ライン内のピクセル702にデータが書き込まれた後で、制御マトリクス700は、走査ライン相互接続704を接地し(ステップ814)、次の走査ラインを書き込み許可する(ステップ816)。制御マトリクス700内のすべてのピクセル702がアドレス指定されるまで、プロセスは繰り返される。一実装では、制御マトリクス700内の第1の走査ラインをアドレス指定する前に、制御マトリクスが固定されたバックライトがオフにされる。次に、制御マトリクス700内のすべての走査ラインがアドレス指定された後で、バックライトがオンに戻される。バックライトのオフおよびオンの切り換えを、フレームがアドレス指定される間の期間の開始および終了と同期させると、結果として得られる画像の色純度が向上し、その理由は、その場合、すべてのピクセルがそれらの正しい画像状態にすでに設定されているときにのみバックライトがオンになるからである。
作動イベントは、シャッタ開アクチュエータおよびシャッタ閉アクチュエータの両端に現れる電圧差に注意することによって決定される。一貫性のある作動のためには、一般に、これらの電圧差のうちの一方は、0付近に、または少なくとも、特定の維持電圧Vm未満に維持され、もう一方の電圧差の絶対値は、作動電圧を超過する。図2、図3、および図4に関して説明した作動条件と一貫して、Vdなどの、印加される電圧の極性は、負または正のいずれかであってもよく、共通電位(図7またはステップ812では「接地」として示されている)に印加される電圧は、正または負の任意の電圧であってもよい。
一部の実装においては、シャッタ組立体703のアクチュエータの両端に現れる電圧の符号を、定期的に、または時折、反転し、それ以外の点では、ピクセルのアドレス指定の方法800を変更しないことが有利である。1つの場合においては、極性の反転は、すべてのシャッタ703の共通電極を0付近の電位に維持し、データ電圧Vdの極性を反転することによって達成されてもよい。別の場合においては、極性の反転は、共通電圧をVcommonに設定し(ここで、VcommonはVat以上)、次に、データ電圧が、Vcommonと2*Vatとの間、または0とVcommonとの間の、いずれかで交代するように、電圧源を提供することによって達成されてもよい。
極性の反転、および非ゼロの共通電圧の、同様の有利な使用は、制御マトリクス500および600に適用されてもよい。
方法800のフローチャートは、画像フレーム内にデジタル情報のみが書き込まれる場合、すなわち、シャッタは開または閉のいずれかであることが意図されている場合のために描かれている。データ相互接続706aおよび706bを通したアナログデータの取り込みに基づいた、グレースケール画像の提供のための、画像フレームのアドレス指定の、同様の方法が使用されてもよい。この場合、中間の電圧は、シャッタ703が部分的にのみ開くことを生成することが意図される。シャッタ開アクチュエータの両端に印加される電圧は、シャッタ閉アクチュエータの両端の電圧によって引き起こされる動きの反対方向にシャッタを移動させる傾向がある。しかし、これらの2つのアクチュエータの両端に同時に印加された場合に、制御された、所定の、部分的にシャッタが開いた状態を結果としてもたらす、相補的な電圧のペアが存在する。
シャッタ開相互接続706aまたはシャッタ閉相互接続706bのいずれかに供給される電圧の相補的性質は、電圧源電子回路が、電荷再循環(charge recycling)のための機能も有するように設計されている場合に、有利に利用されてもよい。画像フレームへのデジタル情報の取り込みのために設計された、方法800を例として取り上げると、ステップ806および810において相互接続内に取り込まれる電圧は、相補的である。すなわち、Vdが一方の相互接続内に取り込まれる場合、もう一方の相互接続は、通常、接地される。シャッタ組立体703の(例えば、閉から開への)状態変更は、概念的には、したがって、一方のアクチュエータ上に蓄積された電荷を、反対側のアクチュエータに移動させるということである。これらの移行のそれぞれで失われるエネルギーがQ*Vdである場合(ここで、Qは、アクチュエータ上に蓄積された電荷)、それぞれの移行において、蓄積された電荷が廃エネルギーとして単に消散されず、その代わりに、他方のアクチュエータ上での使用のために再循環されるならば、かなりの電力の節約がもたらされることが可能である。完全な電荷再循環は困難であるが、部分的再循環のための方法が利用可能である。例えば、フレームアドレス指定方法800は、ステップ802と804との間で、データライン相互接続706aおよび706bが、電圧源電子回路内で、短時間、一緒にして短絡されるステップを提供してもよい。これらの相互接続は、短絡される短時間にわたって、蓄積された電荷を共有し、したがって、以前の電荷の少なくとも一部分は、フル充電された状態に戻されるべきいずれかのデータライン相互接続上で利用可能になる。
図9は、ディスプレイ装置100内のピクセルのアレイをアドレス指定するのに適した、別の例示的制御マトリクス900である。制御マトリクス900は、制御マトリクス700に類似している。すなわち、制御マトリクス900は、制御マトリクス900内のピクセルの各行に対しての、走査ライン相互接続904と、制御マトリクス内のピクセル902の各列に対しての、シャッタ開相互接続906aおよびシャッタ閉相互接続906bという、2つのデータ相互接続とを含む。さらに、制御マトリクス900内の各ピクセルは、シャッタ開トランジスタ(あるいは、任意選択で、ダイオードまたはバリスタ)908aと、シャッタ閉トランジスタ(あるいは、任意選択で、ダイオードまたはバリスタ)908bと、シャッタ開キャパシタ910aと、シャッタ閉アクチュエータ910bと、シャッタ組立体912とを含む。シャッタ組立体は、機械的および/または電気的に双安定である。制御マトリクス900は、ただし、追加の制御可能な相互接続である、大域的作動相互接続914を含む。大域的作動相互接続914は、制御マトリクス900の、少なくとも2つの行および2つの列内のピクセル902に、ほぼ同じ電圧(「共通電圧」)を、実質的に同時に提供する。一実装では、大域的作動相互接続914は、制御マトリクス900内のすべてのピクセル902に、共通電圧を提供する。制御マトリクス900内の各ピクセル902内のシャッタ組立体912のアクチュエータの、より高い静電容量の電極は、接地にではなく、大域的作動相互接続914に、電気的に接続される。
大域的作動相互接続914を含めることにより、制御マトリクス900の複数行内のピクセル902の、ほぼ同時の作動が可能となる。その結果として、所与の画像フレームを設定するために作動するすべてのアクチュエータ(例えば、移動するすべてのシャッタ)は、方法800で説明した行ごとの作動方法とは対照的に、同時に作動させられることが可能となる。大域的作動プロセスの使用は、ピクセル902へのデータの書き込みを、ピクセル902内のシャッタ組立体912の作動から時間的に切り離す。
制御マトリクス900内に組み込まれた大域的作動機能は、制御マトリクス900内のシャッタ組立体912の双安定性を利用する。電気的に双安定のシャッタ組立体を作動させるには、一方の電極間の電圧の絶対値がVatを超過し、もう一方の電極間の電圧の絶対値が維持電圧Vm未満であるという、2つの条件が同時に満たされる必要がある。したがって、制御マトリクス900に対しては、シャッタ組立体912の一方のアクチュエータにVmを超える電圧が印加されている場合、対向するシャッタ組立体にVatを印加することは、アクチュエータの作動を引き起こすには不十分である。
例えば、電気的に双安定のシャッタ組立体のシャッタ開アクチュエータが、40VのVatを有すると仮定する。同時に、シャッタ閉アクチュエータの電極間に10Vの維持電圧が印加されていれば、シャッタ開アクチュエータの電極間に60Vが印加された場合でも、シャッタ組立体のシャッタは閉位置に維持されてもよい。−10Vのバイアス電位が、すべてのシャッタ組立体の、より高い静電容量の電極と接地との間に、大域的共通相互接続を介して印加され、作動電極のうちの1つには接地電位が印加される場合、シャッタ組立体内の選択されたアクチュエータの、より低い静電容量の電極に+40Vのデータ電圧が印加され、それによりそれらのアクチュエータの両端に+50Vの電位差をもたらすことが、アクチュエータの作動を引き起こすことなしに可能である。次に、大域的共通相互接続を接地することによって、選択されたアクチュエータの電極間の電圧は+40Vに減少し、対向するアクチュエータの両端の電圧は除去される。+40Vは、それでもなお、アクチュエータの作動電圧に等しく、対向するアクチュエータを所定の位置に保持する維持電圧はないため、選択されたアクチュエータは、すべてが一斉に移動する。別の例を、図10に関連して、以下でさらに詳細に説明する。
図10は、図9の制御マトリクス900を使用した、画像フレームのアドレス指定の方法1000のフローチャートである。方法は、大域的共通相互接続914を、接地に対して、例えば1/2Vatの、維持電圧Vmに設定することによって開始される(ステップ1001)。次に、制御マトリクス900は、ディスプレイ内の第1の走査ラインを書き込み許可する(ステップ1002)。それを行うためには、制御マトリクス900は、制御マトリクス900内の第1の走査ライン相互接続904に、例えば+45Vの、Vweを印加し、その他の走査ライン相互接続904を接地する。
制御マトリクス900は、次に、書き込み許可された走査ライン内の各ピクセル902に、次の画像フレーム内でのそれらのピクセルの所望される状態に対応するデータを書き込む(決定ブロック1004〜ステップ1012)。データ書き込みプロセスは、以下では、書き込み許可された走査ライン内の、選択された列内の、1つのピクセル902に関して説明する。この1つのピクセル902にデータが書き込まれるのと同時に、制御マトリクス900は、書き込み許可された走査ライン内の残りのピクセル902にも同じやり方でデータを書き込む。
ピクセル902にデータを書き込むには、決定ブロック1004において、ピクセル902内のシャッタ組立体912のシャッタが、次の画像フレーム内で開位置にあるべきか、または閉位置にあるべきかが決定される。シャッタが開位置にあるべきである場合、制御マトリクス900は、選択された列のシャッタ開相互接続に、データ電圧Vdを印加する(ステップ1006)。Vdは、大域的共通相互接続914への大域的作動電圧Vagの印加の前には、ピクセル902内のシャッタ開アクチュエータの両端の電圧が、シャッタ閉アクチュエータに印加されたバイアスを乗り越えるには不十分なままであるように、しかし、大域的共通相互接続914へのVagの印加の後には、シャッタ開アクチュエータの電極間の電圧が、シャッタ開アクチュエータが作動するために十分であるように選択される。例えば、Vatが40Vに等しく、Vmが20Vに等しく、Vagが接地に等しい場合、Vdは、40V以上であるように、しかし、Vmを乗り越えるであろう電位未満であるように選択される。制御マトリクス900が、選択された列のシャッタ開相互接続906aにVdを印加するのと同時に(ステップ1006)、制御マトリクス900は、列のシャッタ閉相互接続906bを接地する(ステップ1008)。
決定ブロック1004において、シャッタがオフ位置にあるべきであることが決定された場合、制御マトリクス900は、シャッタ閉相互接続906bにデータ電圧Vdを印加し(ステップ1010)、列のシャッタ開相互接続906aを接地する(ステップ1012)。
ステップ1006〜1012において、制御マトリクス900が、書き込み許可された走査ライン内のピクセル902にデータを書き込んだ後で、制御マトリクス900は、現在書き込み許可されている走査ライン相互接続904を接地し(ステップ1014)、次の走査ラインを書き込み許可する(ステップ1016)。制御マトリクス900内のすべてのピクセル902がアドレス指定されるまで、プロセスは繰り返される(決定ブロック1015を参照)。制御マトリクス900内のすべてのピクセルがアドレス指定された後で(決定ブロック1015を参照)、制御マトリクス900は、大域的共通相互接続に大域的共通電圧Vagを印加し(ステップ1018)、それにより、制御マトリクス900内のシャッタ組立体912の、ほぼ同時の大域的作動をもたらす。したがって、そのような実装の場合、大域的共通相互接続は、大域的作動相互接続として働く。
方法800と同様に、方法1000も、シャッタ作動とのバックライトの同期を含んでもよい。ただし、上述の大域的作動プロセスを使用することにより、ディスプレイが動作中の時間のうちのより大きなパーセンテージにわたって、バックライトはオンに保たれることが可能であり、したがって、バックライト内の同じレベルの駆動電力に対して、より明るい表示がもたらされる。一実施形態においては、バックライトは、制御マトリクスの1つの行内のシャッタが1つの画像フレームのために設定され、制御マトリクスのその他の行内のシャッタは異なる画像フレームのために設定されている場合に、オフであるように同期される。大域的作動を使用しない制御マトリクス内では、ビデオの各フレームに対して、バックライトは、ピクセルの各行がアドレス指定されるにつれて作動する際の、データ書き込みプロセス全体の間(約500マイクロ秒〜5ミリ秒)、オフにされる。対照的に、大域的作動を使用する制御マトリクス内では、バックライトは、データ書き込みプロセスが行われている間、オンのままにされることが可能であり、その理由は、すべてのデータが書き込まれてしまった後まで、どのピクセルの状態も変わらないからである。バックライトがオフにされるのは(仮にオフにされることがあるにしても)、最後の走査ラインが書き込まれた後に始まり、大域的作動電圧が印加されてから、ピクセルが状態を変えてしまうための十分な時間が経過した後に終わる、はるかに短い時間(約10マイクロ秒〜500マイクロ秒)の間である。
方法1000内の作動イベントは、シャッタ開アクチュエータおよびシャッタ閉アクチュエータの両端に現れる電圧差に注意することによって決定される。図2、図3、および図4に関して説明した作動条件と一貫して、Vdなどの、印加される電圧の極性は、負または正のいずれかであってもよく、大域的共通相互接続に印加される電圧は、正または負の任意の電圧であってもよい。
他の実装においては、図10の方法1000を、ピクセルのアレイ全体のうちの選択された部分に適用することが可能であり、その理由は、行および列の、異なる領域またはグループを、順番に更新することが有利な場合があるからである。この場合、アレイの、異なる部分を選択的に更新して作動させるために、複数の異なる大域的作動相互接続914が、アレイの、選択された部分に配線されてもよい。
一部の実装においては、シャッタ組立体912のアクチュエータの両端に現れる電圧の符号を、定期的に、または時折、反転し、それ以外の点では、ピクセルのアドレス指定の方法1000は変更しないことが有利である。そのような1つの場合においては、極性の反転は、書き込み許可電圧を除く、方法1000内で使用されるほとんどの電位の符号を反転することによって達成されてもよい。別の場合においては、方法1000内で使用される電圧と類似した電圧が印加されてもよいが、ただし、相補的な論理が使用される。表1は、方法1000について上述した公称の電圧割り当てと、シャッタ組立体の電極上の極性反転を達成するために印加されてもよい電圧との違いを示す。極性反転方法1と呼ばれる、第1の場合においては、アクチュエータ電極間に現れる電圧は、単に符号が反転されるだけである。シャッタ開電極にVdを印加する代わりに、例えば、−Vdが印加される。ただし、トランジスタ908aおよび908bのためにnMOSトランジスタが使用される場合は、電圧シフトが使用されなければならない(両方のゲート電圧が、量Vdだけ下にシフトされる)。これらのゲート電圧シフトは、データ相互接続上の新しい電圧を使用してnMOSトランジスタが正しく動作することを確実にする。
表1は、さらに、第2の方法である、極性反転方法2も示す。この方法では、(いずれの相互接続ドライバの符号も反転する必要なしに)類似した電圧を使用し、それでもすべてのアクチュエータの両端の極性反転を達成することが可能である。これは、選択されたシャッタを移動させるために、大域的作動相互接続を、方法1000におけるように接地に向けて駆動するのではなく、より高い電圧Vdに駆動することによって達成される。極性反転方法2における電圧変更のシーケンスは、方法1000のシーケンスに類似しているが、各ピクセルのアクチュエータへの電圧の割り当て時に、ステップ1004において、相補的な論理が使用される点が異なる。この方法2においては、シャッタが閉じられるべきである場合、シャッタ開相互接続は電位Vdまで引き上げられ、シャッタ閉相互接続は接地される。この例では、大域的作動相互接続がその維持電位Vmから作動電位Vdまで引き上げられた後、シャッタ開アクチュエータの両端の電位は0付近(確実にVm未満)となり、シャッタ閉アクチュエータの両端の電位は、シャッタを閉位置に作動させるのに十分な−Vdとなり、また、方法1000において印加された極性の逆の極性が使用される。同様に、ステップ1004において、シャッタが開かれるべきである場合、シャッタ閉相互接続は電位Vdまで引き上げられ、シャッタ開相互接続は接地される。
制御マトリクス900は、方法1000で使用される電圧と、上記の極性反転方法で使用される電圧とを、フレームごとに、またはその他の何らかの周期で、交互に入れ替えてもよい。時が経つにつれて、充電相互接続1406と大域的作動相互接続1416とによってシャッタ組立体1408上のアクチュエータの両端に印加される正味の電位は、平均約0Vになる。
方法1000に類似した作動方法は、さらに、制御マトリクス500内のシャッタ組立体502などの、片側の、または弾性のシャッタ組立体に適用されてもよい。そのような、片側の適用例は、図14と組み合わせて以下で説明する。
図11は、ディスプレイ装置100内に含めるのに適した、別の制御マトリクス1100の図である。制御マトリクス700および900と同様に、制御マトリクス1100は、1つの走査ライン相互接続1104が制御マトリクス1100内のピクセル1102の各行に対応する、一連の走査ライン相互接続1104を含む。制御マトリクス1100は、制御マトリクス内のピクセル1102の各列に対して、1つのデータ相互接続1106を含む。したがって、制御マトリクス1100は、シャッタ組立体200などの、弾性シャッタ組立体1108を制御するのに適している。シャッタ組立体200内のアクチュエータと同様に制御マトリクス1100のシャッタ組立体1108内のアクチュエータは、1つのより高い静電容量の電極と、1つのより低い静電容量の電極とを有する。
走査ラインおよびデータ相互接続1104および1106に加えて、制御マトリクス1100は、充電相互接続1110(V(at)ともラベル付けされている)および充電トリガ相互接続1112(C−Tともラベル付けされている)を含む。充電相互接続11100および充電トリガ相互接続1112は、制御マトリクス1100内のすべてのピクセル1102、またはその一部のサブセット間で共有されてもよい。例えば、ピクセル1100の各列は、共通充電相互接続1110および共通充電トリガ相互接続1112を共有してもよい。以下の説明では、全体的に共有された充電相互接続1110と、全体的に共通の充電トリガ相互接続1112との組み込みを仮定している。
制御マトリクス1100内の各ピクセル1102は、充電トリガスイッチトランジスタ1114および放電スイッチトランジスタ1116という、2つのトランジスタを含む。充電トリガスイッチトランジスタ1114のゲートは、制御マトリクス1100の充電トリガ相互接続1112に電気的に接続される。充電トリガスイッチトランジスタ1114のドレインは、充電相互接続1110に電気的に接続される。充電相互接続1110は、走査ライン相互接続1104へのいかなるバイアス電圧の印加もない場合に、各ピクセル1102内のシャッタ組立体1108のアクチュエータを作動させるために十分な、DC電圧を受け取る。充電トリガスイッチトランジスタ1114のソースは、ピクセル1102内のシャッタ組立体1108内のアクチュエータの、より低い静電容量の電極と、放電スイッチトランジスタ1116のドレインとに、電気的に接続される。放電スイッチトランジスタ1116のゲートは、ピクセル1102が配置されている制御マトリクス1100の列の、データ相互接続1106に電気的に接続される。放電スイッチトランジスタ1116のソースは、ピクセル1102が配置されている制御マトリクス1100の行の、走査ライン相互接続1104に電気的に接続される。シャッタ組立体1108内のアクチュエータの、より高い静電容量の電極も、ピクセルに対応する行の走査ライン相互接続1104に電気的に接続される。あるいは、より高い静電容量の電極は、別個の接地または共通電極に接続されてもよい。
図12は、本発明の例示的実施形態による、制御マトリクス1100などの制御マトリクス内に組み込まれたピクセルをアドレス指定するための方法1200のフローチャートである。フレームアドレス指定サイクルの最初に、制御マトリクス1100は、すべてのシャッタ組立体1108が同じ位置(開または閉)に設定されるように、制御マトリクス1100内に組み込まれたシャッタ組立体1108の、すべての作動させられていないアクチュエータを作動させる(ステップ1202〜1204)。それを行うためには、制御マトリクス1100は、例えば45Vの、充電トリガ電圧を、充電トリガ相互接続1112に印加して、ピクセルの充電トリガスイッチトランジスタ1114をアクティブにする(ステップ1202)。ピクセル1108のシャッタ組立体1108内に組み込まれたアクチュエータの電極は、例えば40Vの、充電相互接続1110によって供給される電圧Vatを蓄積するためのキャパシタとして働く。制御マトリクス1100は、すべてのアクチュエータが作動するための十分な期間にわたって、継続して充電トリガ電圧を印加し(ステップ1202)、その後、制御マトリクス1100は、充電トリガスイッチトランジスタ1114を接地する(ステップ1204)。制御マトリクス1100は、制御マトリクス1100内のすべての走査ライン相互接続1104に、接地に対する、例えば10Vの、バイアス電圧Vbを印加する(ステップ1206)。
制御マトリクス1100は、次に、制御マトリクス内の各ピクセル1102のアドレス指定を、一度に一行ずつ進める(ステップ1208〜1212)。特定の行をアドレス指定するために、制御マトリクス1100は、第1の走査ラインを、対応する走査ライン相互接続1104を接地することによって、書き込み許可する(ステップ1208)。次に、決定ブロック1210において、制御マトリクス1100は、書き込み許可された行内の各ピクセル1102に対して、ピクセル1102が、初期フレーム位置から切り換えられる必要があるかどうかを決定する。例えば、ステップ1202において、すべてのシャッタが開かれた場合、決定ブロック1210において、書き込み許可された行内の各ピクセル1102が閉じられるべきかどうかが決定される。ピクセル1102が閉じられるべきである場合、制御マトリクス1100は、例えば5Vの、データ電圧を、ピクセル1102が配置されている列に対応するデータ相互接続1106に印加する(ステップ1212)。書き込み許可された行に対しての走査ライン相互接続1104は接地されているため(ステップ1208)、列のデータ相互接続1106へのデータ電圧Vdの印加は、結果として、放電スイッチトランジスタ1116のゲートとソースとの間に、トランジスタ1116のチャネルを開くための正しい符号と大きさの電位差をもたらす。トランジスタ1116のチャネルが開かれると、シャッタ組立体のアクチュエータ内に蓄積された電荷が、走査ライン相互接続1104を介して接地に放電されることが可能となる。シャッタ組立体1108のアクチュエータ内に蓄積された電圧が消散するにつれて、シャッタ組立体1108内の復元力またはスプリングが、シャッタを、その弛緩された位置に押しやり、シャッタは閉じられる。決定ブロック1210において、ピクセル1102の状態変化は必要ないことが決定された場合、対応するデータ相互接続1106は接地される。本例では、弛緩された位置は、シャッタ閉位置として画定されているが、弛緩された状態がシャッタ開位置である、代替のシャッタ組立体が提供されてもよい。これらの代替の場合においては、ステップ1212における、データ電圧Vdの印加は、結果として、シャッタが開かれることをもたらす。
他の実装においては、図12の方法1200を、ピクセルのアレイ全体のうちの選択された部分に適用することが可能であり、その理由は、行および列の、異なる領域またはグループを、順番に更新することが有利な場合があるからである。この場合、アレイの、異なる部分を選択的に更新して作動させるために、複数の異なる充電トリガ相互接続1112が、アレイの、選択された部分に配線されてもよい。
上述のように、制御マトリクス1100内のピクセル1102をアドレス指定するために、データ電圧Vdは、作動電圧Vatよりも大幅に少なくてもよい(例えば、5V対40V)。作動電圧Vatは、フレームにつき1回印加されるのに対して、データ電圧Vdは、フレームにつき、制御マトリクス1100内に存在する行の数と同じ回数だけ、各データ相互接続1106に印加されてもよいため、制御マトリクス1100などの制御マトリクスでは、データ電圧が作動電圧としても働くように十分に高いことを要求する制御マトリクスに比較して、かなりの量の電力が節約される可能性がある。
書き込み許可されていない行内のピクセル1102に対しては、それらの対応する列のデータ相互接続1106にデータ電圧Vdが印加されている場合でも、それらの対応する走査ライン相互接続1104に印加されたバイアス電圧Vbが、それらの放電トランジスタ1116のソースにおける電位を、それらの放電トランジスタ1116のゲート端子における電位よりも大きく保つ。図11の実施形態は、nチャネルMOSトランジスタの使用を仮定していることが理解されるであろう。pチャネルトランジスタを使用する、他の実施形態が可能であり、その場合、バイアス電位VbおよびVdの相対的な符号は反転される。
他の実施形態では、放電スイッチトランジスタ1116は、2つ以上のトランジスタの組によって置き換えられてもよく、例えば、制御マトリクス1100が標準的なCMOS技術を使用して構築されるべきである場合、放電スイッチトランジスタは、nMOSおよびpMOSトランジスタの相補ペアからなってもよい。
方法1200では、画像フレーム内に情報が書き込まれることが仮定されており、すなわち、その場合、シャッタは開または閉のいずれかであることが意図されている。ただし、制御マトリクス1100の回路を使用して、シャッタ組立体1108内にアナログ情報を書き込むことも可能である。この場合、走査ライン相互接続の接地は、短い一定の時間のみ提供され、部分的な電圧のみがデータライン相互接続1106を介して印加される。放電スイッチトランジスタ1116への、部分的電圧の印加は、線形増幅モードで行われた場合、シャッタ組立体1108の電極の部分的な放電のみを、したがって、シャッタが部分的に開くことを可能にする。
制御マトリクス1100は、同時に、制御マトリクス1100の残りの列にデータ電圧を選択的に印加する。すべてのピクセルがそれらの意図された状態を達成した後で(ステップ1214)、制御マトリクス1100は、選択された走査ライン相互接続にVbを再度印加して、後続の走査ライン相互接続を選択する(ステップ1216)。すべての走査ラインがアドレス指定された後で、プロセスは再び開始される。前に説明した制御マトリクスと同様に、取り付けられたバックライトの動作は、各フレームのアドレス指定と同期されてもよい。
図13は、本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置100内に含めるのに適した、別の制御マトリクス1300の図である。制御マトリクス1300は、制御マトリクス1100に類似しているが、制御マトリクス1300内のピクセル1302は、充電トリガスイッチトランジスタ1114と対照的に、充電ダイオード(charge diode)1304を含み、さらに、制御マトリクス1300には、充電トリガ相互接続1112が欠けている。より詳細には、制御マトリクス1300は、制御マトリクス1300内の各列に対して1つのデータ相互接続1306と、制御マトリクス1300内の各行に対して1つの走査ライン相互接続1308と、放電トランジスタ1309とを含む。制御マトリクス1300は、さらに、制御マトリクス1100内に組み込まれているものに類似した、充電相互接続1310(V(at)ともラベル付けされている)も含む。
制御マトリクス1300は、充電相互接続1310に電気的に接続された作動電圧源を含む。作動電圧源は、各フレームアドレス指定サイクルの最初に電圧のパルスを供給して、制御マトリクス1300内のピクセル1302のシャッタ組立体1314内に電流が流れ込むことを可能にし、それにより、シャッタ組立体1314内の作動させられていないアクチュエータをすべて作動させる。結果として、電圧パルスの後は、制御マトリクス1300内のすべてのピクセル1302は、開または閉の、同じ状態になる。電圧パルスの後で、充電相互接続1310の電位が0にリセットされると、充電ダイオード1304は、シャッタ組立体1314内に蓄積された電圧が充電相互接続1310を介して消散されるのを防止する。制御マトリクス1300は、ピクセルアドレス指定方法1200に類似した方法を使用して制御されてもよい。ステップ1202において充電トリガ相互接続1112に電圧を印加する代わりに、作動電圧源は、任意の閉じられたシャッタ組立体を開くのに十分な持続時間と大きさとを有する電圧パルスを供給する。
シャッタ組立体1108および1314の、より高い静電容量の電極は、走査ライン相互接続1104および1308に接続され、より低い静電容量の電極は、トランジスタ1114を介して、またはダイオード1304を介して、充電相互接続1112または1310に接続されることが好ましい。充電相互接続を介してシャッタ電極上で駆動される電圧変化の大きさは、一般に、走査ライン相互接続を介して発生する電圧変化の大きさよりも大きい。
図14は、ディスプレイ装置100内に含めるのに適した制御マトリクス1400の図である。制御マトリクス1400は、制御マトリクス1300の構成要素、すなわち、走査ライン相互接続1402と、データ相互接続1404と、充電相互接続1406とを含む。制御マトリクス1400内のピクセル1408は、充電ダイオード1410と、シャッタ組立体1412と、放電トランジスタ1414とを含む。制御マトリクス1400は、さらに、図9および図10と関連して説明した方法に類似した方法を使用して、制御マトリクス1400内のピクセル1408の大域的作動を提供するための、大域的作動相互接続1416も含む。制御マトリクスは、さらに、放電トランジスタ1414のソースおよびドレインと並列に接続された、任意選択のキャパシタ1418も含む。キャパシタは、シャッタ組立体1412の一方の電極における安定した電圧を、大域的作動相互接続1416を介してもう一方の電極上に印加される可能性がある電圧変化にもかかわらず維持するために役立つ。相互接続1416は、アレイ内の複数行および複数列内のピクセル1408間で共有される。
大域的作動相互接続は、表1の極性反転方法2に類似したモードで使用される場合、作動しきい値電圧を提供するために加えて、0V DC平均動作モードを確実にするために使用されてもよい。0V DC平均化を達成するために、制御マトリクスは制御論理を交互に入れ替える。ピクセルアドレス指定方法1000および1200において使用される制御論理に類似した、第1の制御論理では、フレームアドレス指定サイクルの最初に、制御マトリクス1400は、シャッタ組立体1412のアクチュエータの電極間にVatを蓄積することによって、制御マトリクス1400内のすべてのピクセルのシャッタ組立体1412を開く。制御マトリクス1400は、次に、シャッタ組立体1412を開状態に固定するために、バイアス電圧を印加する。制御マトリクス1400は、Vmよりも大きな、例えば1/2Vatのバイアス電圧を、大域的作動相互接続1416を介して印加する。次に、シャッタ組立体1412の状態を変更するために、シャッタ組立体1412が配置されているピクセル1408の行が書き込み許可されている場合に、制御マトリクス1400は、シャッタ組立体1412内に蓄積されているVatを放電する。大域的作動相互接続1416が接地されるまでは、維持電圧により、シャッタ組立体1412は開いたままになる。
表1の極性反転方法2に類似した、第2の制御論理では、大域的作動相互接続1416に印加される電圧を制御マトリクスが1/2Vatから接地まで変化させる代わりに、制御マトリクスは、大域的作動相互接続1416に印加される電圧を1/2VatからVatまで変化させる。したがって、シャッタ組立体1412内のシャッタをその弛緩された状態に解放するには、充電ダイオード1410を介して印加された電圧は、放電されるのとは対照的に、維持されなければならない。したがって、第2の制御論理では、制御マトリクス1400は、閉じられるシャッタ組立体とは対照的に、開かれたままにされるシャッタ組立体から、蓄積されたVatを放電する。制御マトリクス1400は、フレームごとに、またはその他の何らかの周期で、制御論理を交互に入れ替えてもよい。時が経つにつれて、充電相互接続1406と大域的作動相互接続1416とによってシャッタ組立体1408のアクチュエータの両端に印加される正味の電位は、平均0Vになる。
図15は、本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置100内に含めるための、さらに別の適切な制御マトリクス1500の図である。制御マトリクス1500は、図11の制御マトリクス1100に類似している。制御マトリクス1500は、制御マトリクス1500内のピクセル1504の各列に対してのデータ相互接続1502と、制御マトリクス1500内のピクセル1504の各行に対しての走査ライン相互接続1506とを含む。制御マトリクス1500は、共通充電トリガ相互接続1508と、共通充電相互接続1510とを含む。制御マトリクス1500内のピクセル1504は、それぞれが、弾性シャッタ組立体1511と、充電トリガスイッチトランジスタ1512と、放電スイッチトランジスタ1514とを、図11で説明したように含む。制御マトリクス1500は、さらに、制御マトリクス900に関連して図9で説明した、大域的作動相互接続1516と、それに対応する機能とを組み込んでいる。制御マトリクス1500は、さらに、放電スイッチトランジスタ1514のソースおよびドレインと並列に接続された、任意選択の電圧安定化キャパシタ1517も組み込んでいる。
制御マトリクス1500の各ピクセル1504は、さらに、第3のトランジスタである書き込み許可トランジスタ1518と、データ蓄積キャパシタ1520とを含む。ピクセル1504の行に対しての走査ライン相互接続1506は、行内の各ピクセル1504内に組み込まれた書き込み許可トランジスタ1518のゲートに接続される。制御マトリクス1500の列に対してのデータ相互接続1502は、列内のピクセル1504の書き込み許可トランジスタ1518のソース端子に電気的に接続される。各ピクセル1504内の書き込み許可トランジスタ1518のドレインは、それぞれのピクセル1504の、データ蓄積キャパシタ1520と、放電トリガトランジスタ1514のゲート端子とに、並列に、電気的に接続される。
制御マトリクス1500の動作は、方法1000および1200のそれぞれと共通した要素を含む。フレームアドレス指定サイクルの最初に、制御マトリクス1500の充電トリガ相互接続1508と充電相互接続1510とに電圧が印加されて、制御マトリクス1500内の各ピクセル1504の1つのシャッタ組立体1511アクチュエータ電極上に電位Vatが蓄積され、閉じられているシャッタ組立体1511があれば開かれる。これらのステップは、図12のステップ1202および1204で実行されたものに類似している。次に、各行が順に書き込み許可されるが、図11、図13、および図14に関して実行されたように、書き込み許可を、対応する走査ライン相互接続の接地として実行する代わりに、制御マトリクス1500は、各行に対応する走査ライン相互接続1506に、書き込み許可電圧Vweを印加する。ピクセル1504の特定の行が書き込み許可されている間に、制御マトリクス1500は、書き込み許可された行内の、閉じられるべきピクセル1502を組み込んだ列に対応する、制御マトリクス1500の各データ相互接続1508に、データ電圧を印加する。書き込み許可される行に対しての走査ライン相互接続1506へのVweの印加により、対応する走査ライン内のピクセル1504の書き込み許可トランジスタ1518がオンになる。データ相互接続1502に印加される電圧は、それにより、それぞれのピクセル1504のデータ蓄積キャパシタ1520上に蓄積されることが可能になる。
ピクセル1504のデータ蓄積キャパシタ1520上に蓄積された電圧が、接地よりも十分に大きい場合(例えば、5V)、放電スイッチトランジスタ1514がアクティブにされ、充電トリガスイッチトランジスタ1514を介して対応するシャッタ組立体1511に印加された電荷が放電することが可能になる。ただし、シャッタ組立体1511内に蓄積されたより大きな電圧Vatの放電には、データ蓄積キャパシタ1520上の比較的小さなデータ電圧の蓄積に必要な時間よりも多くの時間を要する可能性がある。データ蓄積キャパシタ1520上にデータ電圧を蓄積することによって、制御マトリクス1500が走査ライン相互接続1506を接地し、それにより、キャパシタ1520上に蓄積された電荷を、その対応するデータ相互接続1502から分離した後でさえ、放電および機械的作動プロセスが継続することが可能になる。したがって、図11、図13、および図14内の制御マトリクスによって提示された放電プロセスとは対照的に、制御マトリクス1500は、データ相互接続1502上の信号とのリアルタイム通信を必要とする代わりに、キャパシタ1520上に蓄積されたデータ電圧によって、放電スイッチ1514を(シャッタ組立体1511への作動電圧Vatの印加を制御するために)調節する。
代替の実装では、蓄積キャパシタ1520および書き込み許可トランジスタ1518は、当業界で周知のDRAMまたはSRAM回路などの、代替のデータメモリ回路によって置き換えられてもよい。
図11、図13、および図14に示す回路とは対照的に、シャッタ組立体1511の電極上の電荷は、放電される場合、ピクセル1504に対応する走査ライン相互接続によって接地に流れるのではない。その代わりに、放電スイッチトランジスタ1514のソースは、その下の行内のピクセルの走査ライン相互接続1522に接続される。書き込み許可されていない場合、制御マトリクス1500内の走査ライン相互接続1522は、接地電位またはその付近に保持され、それにより、それらは、隣接行内の放電電流のための効果的なシンクとして機能することが可能となる。
制御マトリクス1500は、さらに、大域的作動のための機能も含み、その大域的作動のプロセスまたは方法は、図10で説明したものに類似している。放電されたピクセル1504内のシャッタは、大域的作動相互接続1516への維持電圧Vm(例えば、1/2Vat)の印加によって、所定の位置に保持されている。すべての行がアドレス指定された後で、制御マトリクス1500は、大域的作動相互接続1516を接地し、それにより、すべての放電されたシャッタ組立体1511のシャッタを、実質的に同時に解放する。
図16は、本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置100内に含めるための、さらに別の適切な制御マトリクス1600の図である。制御マトリクス1600は、図15の制御マトリクス1500に類似している。制御マトリクス1600は、制御マトリクス1600内のピクセル1604の各列に対してのデータ相互接続1602と、制御マトリクス1600内のピクセル1604の各行に対しての走査ライン相互接続1606とを含む。制御マトリクス1600は、共通充電トリガ相互接続1608と、共通充電相互接続1610と、大域的作動相互接続1612とを含む。制御マトリクス1600内のピクセル1604は、それぞれが、弾性シャッタ組立体1614と、充電トリガスイッチトランジスタ1616と、放電スイッチトランジスタ1617と、書き込み許可トランジスタ1618と、データ蓄積キャパシタ1620とを、図15で説明したように含む。制御マトリクス1600は、さらに、大域的作動相互接続1612とは異なる、シャッタ共通相互接続1622も含む。これらの相互接続1612および1622は、アレイ内の複数行および複数列内のピクセル1604間で共有される。
動作時、制御マトリクス1600は、制御マトリクス1500の機能と同じ機能を実行するが、ただし、異なる手段または方法によって実行する。特に、制御マトリクス1600における大域的作動を達成するための方法は、制御マトリクス900、1400、または1500において実行される方法とは異なる。前の方法では、大域的作動相互接続はシャッタ組立体の1つの電極に接続され、大域的作動相互接続に維持電圧Vmを印加することによって、シャッタの作動が防止された。しかし、制御マトリクス1600においては、大域的作動相互接続1612は、放電スイッチトランジスタ1617のソースに接続される。大域的作動相互接続1612を、シャッタ共通相互接続1622の電位よりも大幅に上の電位に維持することにより、キャパシタ1620上にどれだけの電荷が蓄積されているかにかかわらず、いずれの放電スイッチトランジスタ1617もオンになることが防止される。制御マトリクス1600における大域的作動は、大域的作動相互接続1612上の電位をシャッタ共通相互接続1622と同じ電位にして、それらの放電スイッチトランジスタ1617が、キャパシタ1620上にデータ電圧が蓄積されているかどうかに従ってオンになることを可能にすることによって達成される。制御マトリクス1600は、したがって、大域的作動を達成するために、シャッタ組立体1614内の電気的双安定性に依存しない。
データ蓄積キャパシタ1620に部分的電圧を印加することにより、大域的作動相互接続1612がその作動電位にされている時間中に、放電スイッチトランジスタ1617の部分的オンが可能となる。これにより、シャッタ組立体1614上で、アナロググレースケールを提供するためのアナログ電圧が作られる。
制御マトリクス1600においては、制御マトリクス1500とは対照的に、シャッタ組立体1614内のアクチュエータの、より高い静電容量の電極は、大域的作動相互接続1612ではなく、シャッタ共通相互接続1622に電気的に接続される。動作時、制御マトリクスは、図14の制御マトリクス1400に関連して説明したように、2つの制御論理を交互に入れ替える。ただし、制御マトリクス1600については、制御マトリクスが制御論理間を切り換える際に、制御マトリクス1600は、制御マトリクス1400によって行われるように、大域的作動相互接続に印加される大域的作動電圧を切り換えるのではなく、シャッタ共通相互接続1622に印加される電圧を、選択される制御論理によって、接地またはVatのいずれかに切り換える。
図13の制御マトリクス1300におけるのと同様に、アレイ内の各ピクセルに対してのスイッチングまたは電荷取り込み機能を実行するために、単純なダイオードおよび/またはMIMダイオードが、充電トリガトランジスタ1616の代わりに使用されてもよい。
図17は、本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置100内に含めるための、さらなる適切な制御マトリクス1700である。制御マトリクス1700は、弾性シャッタ組立体1704を含むピクセル1702のアレイを制御する。制御マトリクス1700は、好ましくは、双安定ではないシャッタ組立体を含み、それにより、シャッタ組立体1704はアナログ形式でより良く制御される。すなわち、シャッタ組立体1704のうちの1つのアクチュエータへの特定の電圧の印加は、結果として、既知の増分シャッタ変位をもたらす。
制御マトリクス1700は、制御マトリクス1700内のピクセル1702の各行に対して1つの走査ライン相互接続1706と、制御マトリクス1700内のピクセル1702の各列に対して1つのデータ相互接続1708とを含む。制御マトリクス1700は、さらに、充電相互接続1710と、充電トリガ相互接続1712と、放電トリガ相互接続1714とを含む。これらの相互接続1710、1712、および1714は、制御マトリクス1700内のピクセル1702のすべてまたはサブセットの間で共有される。制御マトリクス1700内の各ピクセル1702は、充電トリガトランジスタ1716、グレースケールトランジスタ1718、放電トランジスタ1720、および書き込み許可トランジスタ1722という、4つのトランジスタを含む。充電トリガトランジスタ1716のゲートは、充電トリガ相互接続1712に電気的に接続される。そのドレインは、充電相互接続1710に電気的に接続され、そのソースは、グレースケールトランジスタ1718に電気的に接続される。グレースケールトランジスタ1718のゲートは、データ蓄積キャパシタ1724と書き込み許可トランジスタ1722とに、並列に、電気的に接続される。グレースケールトランジスタ1718のソースは、放電トランジスタ1720に電気的に接続される。放電トランジスタ1720のゲートは、放電相互接続1714に電気的に接続され、そのソースは接地される。書き込み許可トランジスタ1722を再び参照すると、そのゲートは、その対応する走査ライン相互接続1706に電気的に接続され、そのドレインは、その対応するデータ相互接続1708に電気的に接続される。
制御マトリクス1700は、ディスプレイ装置100にアナロググレースケールを提供するために利用されてもよい。動作時、フレームアドレス指定サイクルの最初に、制御マトリクス1700は、放電トリガ相互接続1714に電圧を印加して、放電トランジスタ1720をオンにする。ピクセル1702内のシャッタ組立体1704のアクチュエータ内に蓄積された任意の電圧は放電され、シャッタ組立体1704内のシャッタは、それらの静止位置に解放される。制御マトリクス1700は、次に、放電トリガ相互接続1714を接地する。続いて、制御マトリクス1700は、各走査ライン相互接続1706に、書き込み許可電圧Vweを順に印加して、制御マトリクス1700のそれぞれの対応する行内のピクセル1702の書き込み許可トランジスタ1722をオンにする。所与の行に対しての書き込み許可トランジスタ1722がオンにされると、制御マトリクス1700は、ピクセル1702の書き込み許可された行内の各ピクセル1702の所望の輝度を示すために、データ相互接続1708のそれぞれに電圧パルスを印加する。アドレス指定シーケンスが完了した後で、制御マトリクスは、次に、充電トリガ相互接続1712に電圧を印加することによって充電トリガトランジスタ1716をオンにし、それにより、すべての電極が充電され、すべてのピクセルが同時に作動させられることが可能になる。
ピクセル1702の輝度は、その対応するデータ相互接続1708に印加される電圧パルスの持続時間または大きさによって決定される。ピクセルのデータ相互接続1708に電圧パルスが印加されている間、電流が書き込み許可トランジスタ1722を通して流れ、データ蓄積キャパシタ1724上に電位が蓄積される。キャパシタ1724上の電圧はグレースケールトランジスタ1718内の伝導チャネルの開きを制御するために使用される。このチャネルは、ゲート−ソース間電圧が特定のしきい値電圧を超えている限り、開いたままになる。最終的に、充電サイクルの間、シャッタ組立体1704の電極上の電位は、キャパシタ1724上に蓄積された電位に一致するまで上昇し、その時点で、グレースケールトランジスタはオフになる。これにより、シャッタ組立体上に蓄積される作動電圧は、キャパシタ1724上に蓄積されたアナログ電圧に比例して変化させられることが可能となる。結果としてもたらされる電極電圧は、結果としてもたらされる電圧に比例した、シャッタ組立体1704内のシャッタの増分変位を発生させる。フレームアドレス指定サイクルの最後に、放電トリガ相互接続1714に再度電力が供給されるまで、シャッタはその静止位置から変位したままになる。
図13の制御マトリクス1300におけるのと同様に、アレイ内の各ピクセルに対してのスイッチングまたは電荷取り込み機能を実行するために、単純なダイオードおよび/またはMIMダイオードが、充電トリガトランジスタ1716の代わりに使用されてもよい。
図18は、本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置100内に含めるための、さらに別の適切な制御マトリクス1800である。制御マトリクス1800は、デュアルアクチュエータシャッタ組立体1804(すなわち、シャッタ開およびシャッタ閉の両方のアクチュエータを有するシャッタ組立体)を含むピクセル1802のアレイを制御する。シャッタ組立体1804内のアクチュエータは、電気的に双安定または機械的に双安定のいずれかにされてもよい。
制御マトリクス1800は、制御マトリクス1800内のピクセル1802の各行に対して、走査ライン相互接続1806を含む。制御マトリクス1800は、さらに、制御マトリクス1800内のピクセル1802の各列に対して、シャッタ開相互接続1808aおよびシャッタ閉相互接続1808bという、2つのデータ相互接続を含む。制御マトリクス1800は、さらに、充電相互接続1810と、充電トリガ相互接続1812と、大域的作動相互接続1814とを含む。これらの相互接続1810、1812、および1814は、アレイ内の複数行および複数列内のピクセル1802間で共有される。一実装(以下でより詳細に説明する実装)では、相互接続1810、1812、および1814は、制御マトリクス1800内のすべてのピクセル1802間で共有される。
制御マトリクス内の各ピクセル1802は、シャッタ開充電トランジスタ1816と、シャッタ開放電トランジスタ1818と、シャッタ閉充電トランジスタ1820と、シャッタ閉放電トランジスタ1822とを含む。制御マトリクスは、さらに、2つの電圧安定化キャパシタ1824を組み込んでおり、それらは、各1つが、放電トランジスタ1818および1822のソースとドレインとに並列に接続される。各フレームアドレス指定サイクルの最初に、制御マトリクス1800は、例えばシャッタ組立体を作動させるために必要な電圧Vatの1/2の、維持電圧Vmを、大域的作動相互接続1814に印加する。維持電圧は、フレームアドレス指定サイクルの最後に大域的作動が起動されるまで、シャッタ組立体1804を、それらの現在の状態に固定する。制御マトリクス1800は、次に、充電トリガ相互接続1812に電圧を印加して、制御マトリクス1800内のピクセル1802のシャッタ開およびシャッタ閉トランジスタ1816および1820をオンにする。充電相互接続1810は、一実装においては、例えば40VのVatと等しいか、またはそれよりも大きいDC電圧を伝える。
制御マトリクス1800内のピクセル1802の各行がアドレス指定される場合、制御マトリクス1800は、その対応する走査ライン相互接続1806を接地することによって、ピクセル1802の行を書き込み許可する。制御マトリクス1800は、次に、例えば5Vの、データ電圧Vdを、制御マトリクス1800内のピクセル1802の各列に対応する、シャッタ開相互接続1808aまたはシャッタ閉相互接続1808bのいずれかに印加する。Vdが、列のシャッタ閉相互接続1808bに印加された場合、対応するシャッタ組立体1804のシャッタ閉アクチュエータ上に蓄積された電圧が、シャッタ閉放電トランジスタ1822を介して放電される。同様に、Vdが、列のシャッタ開相互接続1808aに印加された場合、対応するシャッタ組立体1804のシャッタ開アクチュエータ上に蓄積された電圧が、シャッタ開放電トランジスタ1818を介して放電される。一般に、正しい作動を確実にするために、アレイ内の任意の所与のシャッタ組立体について、シャッタ閉アクチュエータまたはシャッタ開アクチュエータのいずれかの、1つのアクチュエータのみが放電されることが可能になる。
ピクセル1802のすべての行がアドレス指定された後で、制御マトリクス1800は、大域的作動相互接続1814上の電位をVmから接地に変更することによって、ピクセル1802を大域的に作動させる。電圧の変更によって、アクチュエータは解放され、それらの固定された状態から、それらの次の状態に、必要に応じて切り換えられる。大域的作動相互接続が、一定電圧の接地または共通相互接続によって置き換えられる場合、すなわち、大域的作動方法が制御マトリクス1800とともに利用されない場合、電圧安定化キャパシタ1824は必要でなくてもよい。
図14の制御マトリクス1400におけるのと同様に、単純なダイオードおよび/またはMIMダイオードが、シャッタ開充電トランジスタ1816およびシャッタ閉充電トランジスタ1820の両方の代わりに使用されてもよい。
あるいは、シャッタ組立体1804の双安定の性質を利用し、シャッタ開充電トランジスタ1816およびシャッタ閉充電トランジスタ1820の両方の代わりに抵抗器を使用することが可能である。抵抗器を使用した動作の場合は、抵抗器と、シャッタ組立体1804内のアクチュエータの静電容量とに関連した、RC充電時定数が、シャッタ開放電トランジスタ1818またはシャッタ閉放電トランジスタ1822のいずれかを通してアクチュエータを放電するために必要な時間よりも、はるかに大きくてもよいという事実に依存する。シャッタ組立体1804のアクチュエータが放電トランジスタのうちの1つを通して放電される時と、抵抗器および充電相互接続1810を通してアクチュエータが再充電される時との間の時間間隔において、シャッタ組立体1804のアクチュエータの両端に正しい電圧差が確立されて、シャッタ組立体の作動が引き起こされてもよい。シャッタ組立体1804の開および閉アクチュエータのそれぞれが、抵抗器を通して再充電された後は、シャッタ組立体1804は再作動せず、その理由は、いずれかまたは両方のアクチュエータが、そのときには、適切な維持電圧、すなわち、Vmよりも大きな電圧を、効果的に保持しているからである。
図19は、本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置100内に含めるための、さらに別の適切な制御マトリクス1900である。制御マトリクス1900は、デュアルアクチュエータシャッタ組立体1904(すなわち、シャッタ開およびシャッタ閉の両方のアクチュエータを有するシャッタ組立体)を含むピクセル1902のアレイを制御する。シャッタ組立体1904内のアクチュエータは、電気的に双安定または機械的に双安定のいずれかにされてもよい。
制御マトリクス1900は、制御マトリクス1900内のピクセル1902の各行に対して、走査ライン相互接続1906を含む。制御マトリクス1900は、さらに、制御マトリクス1900内のピクセル1902の各列に対して、シャッタ開相互接続1908aおよびシャッタ閉相互接続1908bという、2つのデータ相互接続を含む。制御マトリクス1900は、さらに、充電相互接続1910と、充電トリガ相互接続1912と、大域的作動相互接続1914と、シャッタ共通相互接続1915とを含む。これらの相互接続1910、1912、1914、および1915は、アレイ内の複数行および複数列内のピクセル1902間で共有される。一実装(以下でより詳細に説明する実装)においては、相互接続1910、1912、1914、および1915は、制御マトリクス1900内のすべてのピクセル1902間で共有される。
制御マトリクス内の各ピクセル1902は、シャッタ開充電トランジスタ1916と、シャッタ開放電トランジスタ1918と、シャッタ開書き込み許可トランジスタ1917と、データ蓄積キャパシタ1919とを、図16および図18で説明したように含む。制御マトリクス内の各ピクセル1902は、シャッタ閉充電トランジスタ1920と、シャッタ閉放電トランジスタ1922と、シャッタ閉書き込み許可トランジスタ1927と、データ蓄積キャパシタ1929とを含む。
各フレームアドレス指定サイクルの最初に、制御マトリクス1900は、充電トリガ相互接続1912に電圧を印加して、制御マトリクス1900内のピクセル1902のシャッタ開およびシャッタ閉トランジスタ1916および1920をオンにする。充電相互接続1910は、一実装においては、例えば40Vの、Vatと等しいか、またはそれよりも大きいDC電圧を伝える。
図15の制御マトリクス1500に関して説明したように、各行は、次に、順に書き込み許可される。ピクセル1902の特定の行が書き込み許可されている間、制御マトリクス1900は、データ電圧を、制御マトリクス1900内のピクセル1902の各列に対応したシャッタ開相互接続1908aまたはシャッタ閉相互接続1908bのいずれかに印加する。書き込み許可される行に対しての走査ライン相互接続1906へのVweの印加により、対応する走査ライン内のピクセル1902の書き込み許可トランジスタ1917および1927の両方がオンになる。データ相互接続1908aおよび1908bに印加される電圧は、それにより、それぞれのピクセル1902のデータ蓄積キャパシタ1919および1929上に蓄積されることが可能となる。一般に、正しい作動を確実にするために、アレイ内の任意の所与のシャッタ組立体について、シャッタ閉アクチュエータまたはシャッタ開アクチュエータのいずれかの、1つのアクチュエータのみが放電されることが許可される。
制御マトリクス1900においては、大域的作動相互接続1914は、シャッタ開放電スイッチトランジスタ1918およびシャッタ閉放電トランジスタ1922の両方のソースに接続される。大域的作動相互接続1914を、シャッタ共通相互接続1915の電位よりも大幅に上の電位に維持することにより、キャパシタ1919および1929上にどれだけの電荷が蓄積されているかにかかわらず、放電スイッチトランジスタ1918または1922のうちのいずれもオンになることが防止される。制御マトリクス1900における大域的作動は、大域的作動相互接続1914上の電位をシャッタ共通相互接続1915と同じ電位にして、放電スイッチトランジスタ1918または1922が、いずれかのキャパシタ1919または1920上にデータ電圧が蓄積されているかどうかに従ってオンになることを可能にすることによって達成される。制御マトリクス1900は、したがって、大域的作動を達成するために、シャッタ組立体1904内の電気的双安定性に依存しない。
データ蓄積キャパシタ1919および1921に部分的電圧を印加することにより、大域的作動相互接続1914がその作動電位にされている時間中に、放電スイッチトランジスタ1918および1922の部分的オンが可能となる。これにより、シャッタ組立体1904上で、アナロググレースケールを提供するためのアナログ電圧が作られる。
動作時、制御マトリクスは、図16の制御マトリクス1600に関連して説明したように、2つの制御論理を交互に入れ替える。
図13の制御マトリクス1300におけるのと同様に、アレイ内の各ピクセルに対してのスイッチングまたは電荷取り込み機能を実行するために、単純なMIMダイオードまたはバリスタが、充電トリガトランジスタ1616の代わりに使用されてもよい。さらに、図18の制御マトリクス1800におけるのと同様に、シャッタ開充電トランジスタ1916およびシャッタ閉充電トランジスタ1920の両方の代わりに抵抗器を使用することが可能である。
一般的に言えば、シングル作動型または弾性のシャッタ組立体の使用を通して説明した、制御マトリクス1100、1300、1400、1500、または1700のいずれも、開および閉アクチュエータのそれぞれのためにミラー形式で制御回路を複製することによって、1904などのデュアル作動型シャッタ組立体とともに使用するために有利に適合されることが可能である。図8の方法800で示したように、データ開相互接続およびデータ閉相互接続に供給されるデータは、しばしば相補的である。すなわち、データ開相互接続に論理「1」が供給される場合、データ閉相互接続には、通常、論理「0」が供給される。追加の代替の実装においては、制御マトリクスは、トランジスタがバリスタによって置き換えられるように修正されてもよい。
代替の実装においては、制御マトリクスは、各ピクセルの以前の位置を常に把握し、次の画像フレームのためのピクセルの状態が、以前の位置と異なる場合のみ、ピクセルに対応するデータ相互接続に位置を適用する。別の代替実施形態においては、ピクセルは、単に電気的に双安定のシャッタ組立体ではなく、機械的に双安定のシャッタ組立体を含む。そのような実施形態においては、図18に関連して上述したように、充電トリガトランジスタは抵抗器によって置き換えられてもよく、充電トリガ相互接続は制御マトリクスから省略されてもよい。制御マトリクス1400によって使用されるデュアル制御論理は、制御マトリクス1800の他の実装においてさらに利用されてもよい。
グレースケール技術
フィールド順次式カラー(Field Sequential Color)
ディスプレイ装置100は、高品質ビデオ画像を、比較的低い電力を使用して提供する。シャッタベースのライトバルブの光学的スループット効率は、液晶ディスプレイによって提供されるよりも1桁高い可能性があり、その理由は、画像の生成において、偏光子も、カラーフィルタも必要とされないからである。
カラーフィルタを使用せずに、シャッタベースのディスプレイにおいてビデオ画像を生成するための一方法は、フィールド順次式カラーを使用することである。カラーフィルタは、フィルタ内の吸収によって、光学的効率を、60%を超えて減少させる。フィールド順次式カラーを利用するディスプレイは、その代わりに、純粋な赤、緑、および青の光を整然とした順序で生成する、バックライトを使用する。各色に対して、別個の画像が生成される。別個の色の画像が50Hzを超える周波数で順に交代させられると、人間の目は、画像を平均化して、広い連続的な範囲の色を有する1つの画像の知覚を生成する。発光ダイオード(LED)光源またはエレクトロルミネセンス光源のいずれかからの純粋な色の間を高速で切り換えることを可能にする、効率的なバックライトが、現在では生産可能である。
図5、図6、図7、図9、図11、図13〜図19で説明した制御マトリクスは、正確なグレートーンを有する色固有の画像(カラーサブフレーム画像)を生成するための手段と、カラー画像間を高速に切り換えるための手段とを提供する。
フィールド順次式カラーを使用した正確な画像の形成は、バックライトとピクセルアドレス指定プロセスとの間の同期によって改良されてもよく、その理由は、特に、各カラーサブフレームに必要な状態の間での、各ピクセルの切り換えまたは再設定のために、有限の期間が必要とされるからである。ピクセルのアドレス指定および作動のために使用される制御マトリクスによっては、大域的作動のオプションが使用されない場合、画像コントローラは、ディスプレイのそれぞれの行または走査ラインにおいて、各行での機械的な切り換えまたは作動が完了するための十分に長い時間、休止しなければならない可能性がある。ディスプレイコントローラが、2つのカラー画像間で、行ごとに状態を切り換えている間、バックライトが、1つの色でディスプレイ全体を広範に照らす場合、結果として得られるコントラストは混乱したものとなる。
同期されたディスプレイにおいて、色の間で画像を再設定する間の、バックライトとともに使用されてもよいブランキング時間を説明する、2つの例を考慮する。シャッタが開状態と閉状態との間で作動または移動するために20マイクロ秒必要とされ、シャッタは行ごとに作動させられ、そして、100行が存在する場合、アドレス指定を完了するためには、2ミリ秒必要とされる。同期されたバックライトは、その場合、それらの2ミリ秒の間、オフにされてもよい。ディスプレイが、フレームにつき3色を使用して、60Hzのフレームレートで動作する場合、カラーサブフレームごとに許可されるのはわずか5.6ミリ秒であり、この例においては、そのうちの36%の時間、バックライトはオフにされることに注意されたい。
あるいは、カラーサブフレーム間の切り換えのために大域的作動方式を使用する場合、同じ画像再設定において、画像間での、すべてのシャッタの同時移動のために、20マイクロ秒しか必要とされない。シャッタ速度に対する要求は、この場合、大幅に緩和される。カラー再設定中に、バックライトが100マイクロ秒だけオフにされるべきである場合、60Hzフレームレートにおける照射時間は、こんどは98%を超える。100マイクロ秒の画像リフレッシュ時間を仮定すると、照射時間の大幅な損失なしに、フレームレートを120Hzまで増加することが可能である。120Hzのフレームレートを使用すれば、動きの速いビデオ画像における色割れなどの、フィールド順次式カラーによって引き起こされる画像アーティファクトは大幅に減少する。
グレースケール
ディスプレイ内で利用可能な固有色の数は、3つのカラー画像のそれぞれの中で利用可能なグレースケールのレベルに、部分的に依存する。グレースケールを生成するための4つの主要な方法と、その組み合わせが、横方向シャッタディスプレイに適用可能である。
アナロググレースケール(Analog Gray Scale)
グレースケールを生成する第1の方法は、部分的作動電圧の印加に比例してシャッタがアパーチャを部分的にのみふさぐようにする、アナログ方法である。横方向シャッタは、例えば、図2に関連して上述したように、作動電極の形状を制御することによって、送出される光のパーセントが作動電圧に比例するように設計されてもよい。
アナロググレースケールのために、ディスプレイ装置は、ピクセルに提供される電圧が、意図されるグレースケールレベルに比例するように、デジタル/アナログ変換器を装備する。比例するシャッタ位置が、照射期間全体を通して維持されるように、各アクチュエータ上の比例する電圧は、画像フレームの期間全体を通して維持される。図2および図17における、アクチュエータと並列に配置されるキャパシタの任意選択の使用は、照射時間中にピクセルからいくらかの電荷が漏れたとしても、照射期間中にシャッタ位置を変えるほどに、電圧がかなり変化することはないことを確実にするために役立つ。
アナロググレースケールは、ピクセルにつき1つのみの活動中のシャッタと、各カラー照射の期間中に1つのみの画像フレームの設定とを必要とするという利点を有する。アナロググレースケールのデータレートおよびアドレス指定速度は、したがって、グレースケールのすべての代替の方法の中で、最も要求が厳しくない。
時分割グレースケール(Time Division Gray Scale)
横方向シャッタの適切な設計により、高速な、低電圧での切り換えが達成されてもよい。例えば図2に示すものなどの、横方向に駆動されるシャッタ組立体は、3マイクロ秒〜100マイクロ秒の範囲内の作動時間を有するように構築されてもよい。そのような高速作動により、作動させられるシャッタの相対的オン時間またはデューティサイクルを制御することによってコントラストが実現される、時分割グレースケールの実装が可能となる。時分割グレースケールは、デジタルグレースケールコーディングを使用して実装されてもよく、デジタルグレースケールコーディングにおいては、双安定シャッタ組立体を組み込んだ制御マトリクスが、オンまたはオフの、2つのシャッタ作動状態を認識する。グレースケールは、シャッタが開いている時間の長さを制御することによって実現される。
切り換え時間は、フィールド順次式カラーを使用した、60Hzフレームレートの場合を仮定することによって評価されてもよい。各カラーサブフレームには5.6ミリ秒が割り当てられる。利用可能な時間間隔が63のセグメント(色ごとに6ビットグレースケール)に分割されるならば、最小有効ビット時間(least significant bit time)(LSB)として知られる、各画像に対してのオン時間の最小の増分は、88マイクロ秒になる。LSB時間ビットに対する画像が、大域的作動方式を使用して構築および表示される場合、すべてのシャッタの作動は、88マイクロ秒のLSB時間よりも大幅に少ない時間内に完了する必要がある。ディスプレイが行ごとにアドレス指定される場合、各行において再設定のために利用可能な時間は、それよりもかなり少なくなる。100行を有するディスプレイの場合、利用可能な作動時間は、行あたり0.5マイクロ秒未満であってもよい。行ごとの方式でシャッタをアドレス指定するために必要な時間間隔を緩和するための、いくつかの制御アルゴリズムが可能であるが(例えば、N.A.Clarkら、Ferroelectrics、v.46、97頁(2000)を参照されたい)、いかなる場合でも、6ビットグレースケールの例においてシャッタ作動のために必要とされる時間は、20マイクロ秒よりもかなり少ない。
時分割多重化の使用により複数ビットのグレースケールを実現するには、アドレス指定回路内で大きな電力が必要とされ、その理由は、制御方式内の各リフレッシュまたはアドレス指定サイクルを通して、作動サイクル内で失われるエネルギーは、各ピクセルに対して(1/2)CV2だからである(Cはピクセルおよび制御電極の静電容量であり、Vは作動電圧である)。図11および図13〜図19の回路図では、アドレス指定電圧(走査ラインおよびデータライン上に必要とされる電圧)を、作動電圧(シャッタを移動させるために必要とされる電圧)から切り離して、減少させることによって、所要電力を減少させる。
領域分割グレースケール(Area Division Gray Scale)
時分割グレースケールのアドレス指定速度と所要電力とを減少させることが可能な別の方法は、ピクセルにつき複数のシャッタとアクチュエータとを許容することである。6ビットの2進時分割方式(63の必要なタイムスロット)は、空間的または場所的領域内での追加のグレースケールビットの利用可能性を追加することによって、5ビット時間方式(31の必要なタイムスロット)に減らされてもよい。追加の空間ビットは、ピクセルごとに2つのシャッタとアパーチャとを使用して実現されてもよい(特に、シャッタ/アパーチャが等しくない面積を有する場合)。同様に、(等しくない面積を有する)4つのシャッタがピクセルごとに利用可能な場合、必要とされる時間ビットの数は3に減らされてもよく、その結果は、依然として、色ごとに実効的に64レベルのグレースケールであってもよい。
照射グレースケール(Illumination Gray Scale)
上のグレースケール技術の速度および/または面積の要件を緩和することが可能な別の方法は、照射グレースケールの使用である。カラー画像の照射により実現されるコントラストは、バックライトからの、変更された強度によって、調節されること、またはより細かいグレーレベルを与えられることが可能である。(LEDバックライトの場合のように)バックライトが高速に応答することが可能な場合、バックライトの輝度、またはその照射期間を変更することの、いずれかによって、コントラストが実現されてもよい。
制御マトリクスが大域的作動方式を利用することと、異なる長さの時間照射される別個の時間ビット画像の構築および表示によって時分割グレースケールが実現されることとが仮定された、1つの例を考慮する。例えば、カラーフレームを15のタイムスロットに分割することによって達成される、4ビットの2進時間コーディング方式を取り上げる。最短の(LSB)時間のために構築される画像は、利用可能なフレーム時間のうちの1/15にわたって保持されなければならない。5ビットコーディング方式に拡張するためには、時間領域内で、カラーフレームを31のタイムスロットに分割してもよく、それにより、2倍のアドレス指定速度が必要とされるようになる。あるいは、16のみのタイムスロットを割り当てて、これらのタイムスロットの1つに、1/2のみの輝度で照射される画像、またはフレーム時間の1/31のみのオン期間にわたって発光するバックライトによって照射される画像を割り当ててもよい。部分的照射を伴う、これらの短い持続時間画像を追加することにより、4ビットの時分割コーディング方式の上に、追加の3ビットものグレースケールが追加されることが可能である。部分的照射ビットが、最小のタイムスライスに割り当てられる場合、結果として発生する平均投射輝度の損失は、無視できるほど小さくなる。
複合型グレースケール方式(Hybrid gray scale schemes)
グレースケールの4つの主要な手段は、アナロググレースケール、時分割グレースケール、領域分割グレースケール、および照射グレースケールである。上記の方法のいずれかの組み合わせによって、例えば、時分割および領域分割の使用と、部分的照射の使用との組み合わせによって、有用な制御方式が構築されてもよいということが理解されるべきである。グレースケールのさらなる分割は、ディザとしても知られる、補間法によっても得られる。時間領域ディザは、変動している一連の画像フレーム内にのみ、LSB時間ビットを挿入することを含む。ハーフトーニングとしても知られる、空間領域ディザは、部分的な輝度のみを有する局所化された領域を生成するために、隣接するピクセルの指定された割合を、制御するか、または開くことを含む。
本発明の全体的な理解を提供するために、携帯型ハンドヘルド装置およびその作成方法を含む、追加の例示的実施形態を次に説明する。ただし、本明細書で説明するシステムおよび方法は、扱われる適用例のために適切なように適合および修正されてもよいということ、および、本明細書で説明するシステムおよび方法は、他の適切な適用例の中で使用されてもよいということ、および、そのような他の追加および修正は、本明細書の範囲を逸脱するものではないということが、当業者によって理解されるであろう。
より詳細には、本明細書で説明するシステムおよび方法は、特に、複数の環境光がある条件下で見られることが可能な、視覚的に明確な画像を使用した視覚的ユーザインタフェースを提供するための、十分な解像度を有する、低電力で明るく照らされる表示パネルを含む、携帯型ハンドヘルド装置と、携帯型ハンドヘルド装置を作成するための方法とを含む。より詳細には、本明細書で説明するシステムおよび方法は、特定の実施形態においては、光変調層を有するMEMS表示パネルを備えるディスプレイを含む、携帯型ハンドヘルド装置を含む。光変調層は、0.25インチ×0.25インチ(0.63cm×0.63cm)の小さな画面、および、適用例によっては、より小さな画面を含む、任意のサイズの画面のための、実用可能な表示解像度を提供するように構成されたピクセル要素を含む。特に、一実施形態においては、光変調層は、ピクセル要素のマトリクス内に配置された複数の横方向に移動可能なシャッタを有する表示パネルによって形成される、ディスプレイを含む。マトリクスは、幅約1インチ(2.5cm)×長さ約1インチ(2.5cm)で、120の列と120の行とを有し、それにより、1インチ×1インチ(2.5cm×2.5cm)の表示パネル内に均一に分散された約14,400のピクセルを提供する。任意選択で、そして、本明細書でさらに詳細に説明するように、光変調層を通して光を導く光源を提供するバックライトが提供されてもよく、それにより、横方向に移動するシャッタが、生成された光を変調して、表示パネル上に画像を作成してもよい。MEMSディスプレイコントローラは、MEMS表示パネルに結合されて、画像を生成するようにディスプレイを駆動してもよい。任意選択で、MEMSディスプレイコントローラは、適用例と条件とに適したモードでMEMSディスプレイを駆動するための、複数の動作モードを提供する。MEMS表示パネルの高い光パワー効率は、一実施形態において、利用可能な電力と適用例の要求との関数として表示パネルの動作モードを動的に設定する、MEMSディスプレイコントローラによって強化されてもよい。本明細書で説明する装置の、効率的な電力使用と制御とによって、それがなければ、搭載されている電源が任意の実際的な時間にわたって提供できるよりも多くの電力を消費する可能性がある、WI−FIおよびフルカラービデオなどの、追加機能が可能になる。これらの、およびそのほかの実施形態は、本明細書に示す図を参照して、より詳細に説明する。
より具体的には、図20は、本発明によるシステムの第1の実施形態を示し、ディスプレイA12と、任意選択の第2のディスプレイA14と、ディスプレイ輝度コントロールA16と、ディスプレイコントラストコントロールA18と、ユーザインタフェース入力装置A20と、光レベル検出器A21と、音声出力A22と、入力コントロールA24と、第2の入力コントロールA28と、リムーバブルメモリ装置A30と、任意選択のディスプレイA14上に配置された、任意選択のタッチスクリーンA32と、任意選択のスタイラスA34と、主ハウジングA38と、任意選択の光レベル検出器と、ディスプレイカバーハウジングA40とを含む、携帯型ハンドヘルド装置A10を示す。さらに、システムは、電源プラグと、ドッキングインタフェースと、例えば、オーディオジャックまたはUSBバスまたは関連する装置を通した、外部周辺装置へのインタフェースとを含んでもよい。
携帯型ハンドヘルド装置は、ユーザが手で好都合に運ぶことが可能であり、かつ、1つの場所から別の場所へ装置が移動されることを可能にする内部電源を有する、任意の装置であってもよい。携帯型ハンドヘルド装置のサイズは、意図される目的と機能とによってさまざまであり、装置がより容易に運ばれることを可能にするために、より大きな装置は、取っ手または握りを有してもよく、より小さな装置は、手首ベルト、アームバンド、またはクリップを有してもよい。
ディスプレイA12は、以下でより詳細に説明する、MEMS表示パネルを備え、カバーハウジングA40内に収容される。ディスプレイA12は、カバーハウジングA40の本体の上面内に嵌め込まれ、約3インチ(7.5cm)の対角画面寸法を含む、長さ約2 1/2インチ(6.3cm)および幅約1 7/8インチ(4.7cm)の寸法を有する。図示されている実施形態において、ディスプレイA12は、カバーハウジングA40内に収まり、カバーハウジングA40は、ディスプレイA12への視覚的アクセスを提供するために必要な大きさにされた開口部を有する前面板を含み、さらに、ディスプレイA12の後部全体を覆う背面板を含む。表示パネルA12は、カバーハウジングA40の背面板内に配置され、開口部の周辺端部を囲むように形成された、枠の上に置かれてもよい。通常はゴムガスケットまたはプラスチックガスケットである、任意選択のシールが、周辺端部を囲むように配置されてもよく、それにより、表示パネルA12は、ガスケットに接触して置かれ、一定量の弾力性を許しながら、適所で封止されてもよい。このシールは、装置A10が落とされた場合、またはその他の乱暴な取り扱いを受けた場合の、衝撃を吸収するために役立つ。通常、カバーハウジングA40は、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック、またはその他の適切な材料で作られる。あるいは、ハウジングA40は、金属から、またはプラスチックと金属材料との任意の組み合わせから作られてもよい。いずれの場合も、選択される材料は、長期間の使用のために表示パネルA12を保護する、十分に堅牢なハウジングを提供する。ハウジングA40は、通常、長さ約8インチ(20cm)、幅約4インチ(10cm)であり、カバーハウジングA40が主ハウジングA38の上に折り畳まれる。図20に示す装置A10は、操作中にユーザの片手または両手で保持されるのに適したフォームファクタを有する。これにより、装置が容易に運ばれることが可能となり、さらに、一部の実施形態では、一方の手で装置を保持し、もう一方の手は、特に、任意選択のスタイラスA34を使用して、任意選択のタッチスクリーンA32を介してデータを入力するために、自由にされることが可能となる。
任意選択のディスプレイA14は、携帯型ハンドヘルド装置A10内に組み込まれた第2のディスプレイであってもよく、情報の表示と、図示されている実施形態においては、情報の入力との、両方のために使用されてもよい。この目的のために、装置A10は、表示パネルA14上に置かれた任意選択のタッチスクリーンA32を含んでもよい。タッチスクリーンA32は、ディスプレイA14上に表示されているアイコンまたはその他のデータを識別するために使用されてもよいタッチスクリーンA32上の位置を、ユーザが接触または力を使用して識別することを可能にするための、コンピュータシステム内で一般に使用されるタイプのタッチスクリーンであってもよい。
携帯型装置A10は、さらに、図20に示す入力装置A20、入力装置A24およびA28、ならびに音声出力装置A22などの、ユーザインタフェース要素を含む。図示されている実施形態においては、入力装置A20は、ゲームプレーのため、またはその他の形態のデータ入力のために使用されてもよい、十字型の方向制御ボタンである。入力装置A24およびA28は、装置A10にデータを入力するために使用されてもよい、ユーザが押すことが可能なボタンである。図20に示す音声出力装置A22は、ユーザにフィードバックを提供するために、音声および音楽などの音声信号をユーザに提供することが可能なタイプの、スピーカであってもよい。いずれの場合も、十字型の方向制御ボタンA36および音声出力装置A22を含む、入力装置および出力装置は、ユーザがデータを入力し、データを受け取ることを可能にするために、携帯型装置A10によって使用されてもよい。インタフェース装置は、ディスプレイA12またはA14のいずれかに提示されている情報と、ユーザが相互に作用することを可能にする。任意選択で、そして従来、十字型の入力装置A20は、ディスプレイA12およびA14のいずれかまたは両方に提示されるカーソルを走査するために使用されてもよい。
電源は、バッテリ、燃料電池、キャパシタ、または電力の源を提供する任意のその他の装置であってもよい。通常、電源は充電式バッテリであり、論理チップ、ランプ、表示パネル、および任意のその他の搭載されている装置(WI−FIトランシーバ、携帯電話チップセット、チューナ、スピーカ、およびその他のアクセサリなど)を実行するために必要な電圧レベルを提供するために、電源レギュレータ回路がバッテリに結合される。低損失の光パワーを提供する、横方向シャッタを有するMEMSディスプレイを使用することによって、そして、ディスプレイの動作モードを制御することによって、より多くの電力がこれらのアクセサリのために割り当てられてもよいということが、本発明により実現される。
光レベル検出器A21は、環境光のレベルを検出する光センサであってもよい。光レベル検出器A21は、ディスプレイの輝度を調節するために装置が使用してもよい、レベル信号を生成する。したがって、光レベル検出器A21が、薄暗く照明を落としてある部屋内の光のレベルなどの、低いレベルの環境光を検出した場合、装置A10は、表示パネルA12およびA14を低い輝度で動作させてもよい。あるいは、光検出器A21が、晴れた日の屋外に存在する光レベルなどの、高いレベルの環境光を検出した場合、装置A10は、ディスプレイA12およびA14の動作モードを、この環境光の環境内でユーザによって見られることが可能な、より高い輝度設定に、動的に変更してもよい。
図21を参照すると、ユーザに情報を提供するためにディスプレイA12上に提示されてもよいタイプの画像が、より詳細に示されている。特に、図21は、対角サイズが再び3インチ(7.5cm)であってもよい、ディスプレイA12またはA14を示す。図21は、画像、テキスト、およびグラフィックシンボルを含む、複数の異なるデータタイプを示し、また、かなりの量のテキスト情報を、3インチ(7.5cm)の対角画面に提示している。特に、図21は、ディスプレイA12が、テキストA48などのテキスト情報と、図示されているユーザウィジェットA52およびA54などのグラフィックシンボルと、図示されている画像A50などの画像とを映し出すことが可能であることを示す。
図示されている実施形態では、ディスプレイA12は、幅約2.5インチ(6.3cm)および長さ約1 7/8インチ(4.7cm)の、高解像度の、ピクセルで構成された画面であり、約256行のピクセルと約192列のピクセルとを有し、約49,152の総ピクセル数を有する。ディスプレイA12は、約262,144色を提示するカラーディスプレイであってもよいが、他の実施形態では、ディスプレイは、より多くの、またはより少ない色を有してもよく、画面によって提供される色の量は、以下で説明するように、適用例に応じて変更されてもよい。特定の任意選択の実施形態を参照して、以下でも説明するように、本発明のディスプレイは、通常は白黒の、単色であってもよく、または、単色画像を生成する動作モードを有してもよい。いずれの場合も、図21に示すように、ハンドヘルド装置は、連絡先情報、電話番号、日付、およびメモなどの、テキスト情報を含んでもよい情報をユーザに提示するために、ディスプレイを使用する。それに加えて、ディスプレイA12は、ビットマップファイル、JPEGファイル、または任意のその他の適切な画像ファイルタイプであってもよい、画像A50などの、画像データを提示してもよい。さらに、本明細書に記載するシステムおよび方法は、MPEGおよびWMVファイルなどの、ビデオデータを提示してもよい。
グラフィックコントロールA52およびA54は、通常、視覚的に提示されるユーザインタフェースコントロールをユーザに提供するための、ハンドヘルド装置A10によって生成されるグラフィック画像である。例えば、グラフィックコントロールA52は、ハンドヘルド装置が、ミュートされた音声出力機能を有するかどうかを表す、ステータスフラグとして提示される。ユーザは、グラフィックコントロールA52を見て、関連する音声出力装置のミュートステータスを知ることができ、そして、ミュートステータスが変更されると、ハンドヘルド装置A10は、グラフィック画像A52を、ミュート機能の変更されたステータスを表すグラフィックシンボルに変更してもよい。同様に、グラフィックコントロールA54は、ディスプレイ上に提示される情報、またはその情報の少なくとも一部が、コントロールA54が移動させられる方向によって、上および/または下にスクロールされるようにすることが可能な、スライドコントロールを表す。ディスプレイA12は、さらに、装置のメモリ内に記憶された、ユーザのデータなどの、内容情報を含む情報も提示する。
したがって、ディスプレイA12は、携帯型装置A10のユーザインタフェースの一部であり、視覚的に知覚可能なデータのための出力装置として働き、また、ユーザがデータを入力するように導くための装置としても働く。図21に示されている実施形態では、ハンドヘルド装置ディスプレイA12は、連絡先データベースに関連するデータを提示するために使用される。ただし、他の実施形態においては、ハンドヘルド装置は、携帯電話、スマートフォン、メディアプレーヤ、ゲームコンソール、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機、テレビ受信機、デジタルカメラ、ハンドヘルドビデオカメラ、ラップトップコンピュータ、またはその他の装置であってもよい。これらの実施形態のそれぞれにおいて、ハンドヘルド装置は、ディスプレイA12を使用して、ユーザに情報を提供する。
ディスプレイA12は、図21に示す画像のような、画像をディスプレイ上に形成するために、光を変調することが可能な、複数の横方向に移動可能なシャッタを有する表示パネルを含む。
図22を参照すると、第1のMEMSディスプレイA12および第2のMEMSディスプレイA14と、グラフィック処理ユニットおよびMEMSディスプレイコントローラA70と、画像RAM A68と、中央処理ユニット(CPU)A72と、作業RAM A74と、電源A76と、外部メモリインタフェースA78と、操作キーA80と、ラウドスピーカA82と、タッチパネルA84と、周辺回路インタフェースA88とを含む、携帯型ハンドヘルド装置A60を示す機能ブロック図が提示されている。さらに、図22は、装置A60が、プログラムROMとバックアップRAMとを含んでもよい、またはメモリスティックであってもよい、リムーバブルカートリッジA90とインタフェースしてもよいことを示す。
MEMS表示パネルA12およびA14は、ゲーム処理ユニットおよびMEMSディスプレイコントローラA70(MEMSディスプレイコントローラ)に結合される。図22に示すMEMSディスプレイコントローラA70は、CPU A72に結合され、少なくとも部分的に、CPU A72の制御下で動作する。MEMSディスプレイコントローラ A70は、MEMSディスプレイA12またはA14のいずれかに表示されてもよい画像および/またはビデオデータを記憶する、画像RAM A68に、双方向バスを経由して結合される。図22に示す実施形態では、CPU A72は、複数のユーザインタフェース装置に、周辺回路インタフェースA88を経由して結合される。周辺回路インタフェースA88は、図20に示すインタフェース装置A20、A24、およびA28であってもよい、操作キーA80に結合される。周辺インタフェースA88は、さらに、図20にも示す音声出力装置A22に類似していてもよい、ラウドスピーカに結合されてもよい。図20のタッチパネルA32であってもよい、任意選択のタッチパネルA84は、CPU A72に、周辺インタフェースA88を介して結合される。図示されている実施形態では、携帯型ハンドヘルド装置は、外部メモリ装置A90のためのインタフェースA78を含む。外部メモリ装置は、装置の動作を指示するためのプログラム命令を含んでもよく、また、図示されているプログラムROMおよびバックアップRAM A94などのメモリを含んでもよい。いずれの場合も、外部メモリA90は、CPUに、外部メモリインタフェースA78を経由して結合されてもよい。任意選択で、システムは、Wi−Fiトランシーバ、ブルートゥーストランシーバ、テレビ受信機、および/または、ラジオチューナ、およびその他のそのような要素などの、その他の要素を含んでもよい。これらの要素は、装置A10内に組み込まれて、ハウジングA38内に配置されてもよく、あるいは、インタフェースA78を介して、またはインタフェースの目的のために提供される別のインタフェースを介して装置に結合される、周辺装置であってもよい。
CPU A72は、動作中にユーザ入力を収集するため、およびユーザフィードバックを提供するために、インタフェース装置A78およびA88のポーリングを行うことが可能な、ARM 7などの、マイクロ処理ユニットであってもよい。CPU A72は、例えば、ハンドヘルド装置A10上で、MEMSディスプレイA12をビデオ情報のための出力装置として使用して、ビデオゲームを実行するための命令を含んでもよい、プログラム命令を実行するプログラマブルデバイスである。この目的のために、CPU A72は、ユーザ入力装置A80を監視して、ユーザのプレーにおける決定に関する情報を収集し、そのプレー情報を使用して、どのような画像を、MEMSディスプレイA12およびA14のうちのいずれかまたは両方を経由してユーザに提示するかを決定する。
視覚情報をユーザに提示するために、CPU A72は、MEMSディスプレイコントローラA70に結合されてもよく、MEMSディスプレイコントローラA70は、一実施形態では、プログラマブル論理を提供するためのタイプの、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。MEMSディスプレイコントローラA70は、CPU A72からの指示に応えて、RAM A68を使用して、第1のMEMSディスプレイA12および第2のMEMSディスプレイA14に出力するゲーム画像を生成し、生成されたゲーム画像を、MEMSディスプレイA12およびA14の一方または両方に表示されるようにする。
図示されている実施形態において、MEMSディスプレイコントローラA70は、グラフィックスプロセッサであり、MEMSディスプレイコントローラは、通常はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である、1つのプログラマブルデバイス内に組み込まれる。グラフィック処理ユニット(GPU)は、スプライトなどのグラフィック画像を操作すること、ならびに、RAM A68内の、またはRAM A68からの画像データを編成または選択して、その画像がMEMSディスプレイコントローラA70によってMEMSディスプレイA12およびA14の一方または両方に表示されるようにすることが可能なタイプの、従来のGPUであってもよい。
図22に示すMEMSディスプレイコントローラA70は、少なくとも部分的に、FPGA A70内にさらに実装されるが、GPUとMEMSディスプレイコントローラとは別個のプログラマブルデバイス内に実装されてもよいということ、そしてさらに、任意の適切なタイプの回路およびコントローラが使用されてもよいということ、そして、FPGAは、携帯型電子装置内に複雑な論理を実装するための、システムの1つの一般的な実施形態にすぎないということは、当業者に明らかであろう。
図示されているMEMSディスプレイコントローラA70は、MEMSディスプレイA12およびA14のそれぞれを制御するための、複数の動作モードを有する。より詳細に説明するように、本発明による携帯型ハンドヘルド装置は、複数の横方向に移動可能なシャッタを含むMEMS層を有するように形成された、表示パネルを含む。横方向に移動可能なシャッタは、MEMSディスプレイ上に画像を生成する目的のために、光を変調することが可能である。表示パネル内で使用される横方向に移動可能なシャッタは、少なくとも第1の位置から、第2の位置への効率的な移動を、いずれかのMEMSディスプレイ上でのビデオ画像を可能にするレートで行う。それに加えて、特定の実施形態では、MEMS表示パネルは、腕時計、電子書籍、グラフィック静止画像、テキストなどの適用例、およびその他の類似した適用例のために、通常は白黒の、単色データを表示することが可能である。図22に示すMEMSディスプレイコントローラA70は、MEMS表示パネルA12およびA14を効率的に駆動し、MEMSディスプレイコントローラA70によって選択された動作モードを使用して画像を提示して、ハンドヘルド装置A10内の電源A76からの電力消費を減らすための、動作モードを含む。
MEMSディスプレイコントローラA70は、MEMS表示パネルの動的制御を提供してもよく、また一実施形態では、適用例と条件とによって、色を設定するために使用されるビット数を、2ビット(単色)、4ビット、6ビット、またはそれ以上などに制御することによる、色の深みに対する適応制御を含む、制御を提供する。これらの実施形態において、MEMSディスプレイコントローラA70は、かなりの電力の節約をもたらすことが可能な色解像度を、消費される電力のために設定してもよい。例えば、MEMSディスプレイコントローラA70は、ダイヤルされている電話番号の数字を示すなどの、特定の適用例のために、単色表示が必要とされることを決定してもよい。このモードにおいて、MEMSディスプレイコントローラA70は、ダイヤルされている番号を表示するために単色画像化を使用する、2ビット動作モードを選択してもよい。しかし、Webブラウザの実行などの適用例でカラー画像が必要とされる場合、MEMSディスプレイコントローラA70は、画像を提示するために、6ビットカラーを使用してもよい。任意選択で、MEMSディスプレイコントローラA70は、画像メモリ内に記憶された画像データを処理して、必要な色の深みを決定し、その決定に基づいて、画像を生成するために使用されるビット数を調節してもよい。MEMSディスプレイコントローラA70は、時間多重グレースケール(time multiplexed grey scale)を使用してもよく、さらに、カラービット深度を設定するためのコマンドシーケンスを使用して、カラービット深度を動的かつ順応的に設定してもよい。
図23は、MEMSディスプレイコントローラの一実施形態のブロック図である。図示されているMEMSディスプレイコントローラは、パネルA12またはA14などの、MEMS表示パネルを駆動および制御してもよい。上述したように、本明細書に記載する携帯型ハンドヘルド装置は、ユーザに対する画像を生成するために光を変調する、複数の横方向に移動可能なシャッタを含む、MEMS表示パネルを使用する。そのようなMEMSディスプレイの一実施形態は、MEMS表示パネルA600の例の分解図を提示する、図25Cに、より詳細に示されている。
特に、図25Cは、カバープレートA602と、ブラックマトリクスA608と、行および列を有するマトリクス内に配置された複数のシャッタ組立体A616と、透明基板A630と、エンハンサ膜A622と、拡散体層A624と、光伝導媒体A628と、散乱および反射層A620と、複数の支柱A640とを含む、MEMS表示パネルA600を示す。
図示されているシャッタ組立体A616は、横方向に移動可能なシャッタと、静電駆動部材とを備える。シャッタ組立体A616は、透明基板A630上に形成された、図示されているMEMS層の上に形成される。シャッタA616をMEMSディスプレイコントローラA70とインタフェースさせることが可能な制御マトリクスを提供するために、複数の導電要素も、MEMS層内に形成される。制御マトリクスの例を図24Aに示すが、ただし、MEMSディスプレイコントローラは、任意の適切な制御マトリクスとともに動作してもよい。
図25Cに示す実施形態では、シャッタは、好ましくは平面内で、横方向に移動し、それによりシャッタは、それぞれのアパーチャA638の上を、またはアパーチャA638の少なくとも部分の上を移動して、ランプ(光源)A612によって生成される光(反射/散乱面A620によって、少なくとも部分的に、アパーチャA638を通して上方へ導かれる)を変調する。これは、カバープレートA602を通して上に伝播する、光線A614によって示されている。この実施形態では、図24Bを参照してより詳細に説明する、横方向に移動するシャッタは、アパーチャA638の上の、実質的に平面内を、シャッタを囲む任意の流体を効率的に切り進みながら、横方向に移動することによって光を変調する。この切り進む動きは、効率的であり、ビデオレートの切り換え速度を提供するものと理解される。本明細書に記載するMEMSディスプレイは、本発明の携帯型ハンドヘルド装置とともに使用されてもよいMEMS表示パネルのタイプを例示する。ただし、これらの例示される実施形態は、網羅的なものではなく、MEMS表示パネルは、意図される使用のために適宜修正されてもよく、また、例えば、フロントライトと、カラーフィルタと、反射された環境光を変調するシャッタとを、反射型または透過/反射型MEMS表示パネルを提供するために含んでもよい。そのような反射型ディスプレイの一例は、図37に示されている。特に、図37は、入射環境光を変調するために反射面A1804の上を横方向に移動するシャッタA1808を有する、シャッタ組立体A1810上に配置されたレンズアレイA1802を含む、反射型MEMS表示パネルA1800を示す。したがって、ディスプレイは、適用例によってさまざまであってもよく、QVGAまたはその他の何らかのサイズであってもよい、さまざまなサイズおよび形状であってもよく、そして、サイズ、ピクセル数、およびピクセル密度は、適用例に応じてさまざまであってもよい。
MEMS層とシャッタ組立体A616とに接続された、制御マトリクスは、シャッタの移動を制御する。制御マトリクスは、ピクセルの各行に対しての、「走査ライン相互接続」とも呼ばれる書き込み許可相互接続と、ピクセルの各列に対して1つのデータ相互接続と、すべてのピクセルに、または少なくとも、表示パネルA600内の複数列および複数行の両方からのピクセルに共通電圧を提供する、1つの共通相互接続とを含む、一連の電気的相互接続(図示せず)を含む。適切な電圧(「書き込み許可電圧、Vwe」)の印加に応えて、所与のピクセル行に対しての書き込み許可相互接続は、行内のピクセルを、MEMSディスプレイコントローラからの新しいシャッタ移動指示を受け入れるように準備する。データ相互接続は、新しい移動指示を、データ電圧パルスの形式で伝達する。データ相互接続に印加されるデータ電圧パルスは、一部の実装では、シャッタの静電的な移動に直接寄与する。他の実装においては、データ電圧パルスは、シャッタ組立体A616への、通常はデータ電圧よりも大きさが大きい別個の作動電圧の印加を制御する、例えばトランジスタまたはその他の非線形回路素子などのスイッチを制御する。これらの作動電圧の印加は、次に、シャッタの静電的な移動をもたらす。この目的のために、データ電圧が印加された後でシャッタの移動を駆動するための、共通ドライバA155が使用されてもよい。図示されている共通ドライバA155は、シャッタ組立体のすべてまたはグループに電気的に伝えられる信号である、1つまたは複数の共通信号を制御してもよい。これらの共通信号は、共通書き込み許可、シャッタ作動のための共通高電圧、共通接地を含んでもよい。任意選択で、共通ドライバは、例えば、MEMS表示パネルA14のさまざまな領域に電気的に結合される複数の共通接地などの、複数のラインを駆動してもよい。図23内のドライバは、機能ブロックとして示されているが、実際には、それらのドライバは、複数の回路要素および別個の構成要素として実装されてもよいということ、ならびに、実際の構造は、扱われる適用例に従ってさまざまであるということが理解されるであろう。
図23に示すMEMSディスプレイコントローラは、コントローラA156と、ディスプレイインタフェースA158と、フレームバッファA159と、シーケンサ/タイミング制御A160と、データドライバA154と、走査ドライバA152と、ランプドライバA168と、電源コントローラA153とを含む。また、MEMS表示パネルA12のための光源として、独立制御の下で動作する、4つのランプA157a〜dも示されている。ランプA157a〜dは、カラー画像/ビデオおよび単色画像/ビデオを提供するために、異なる色(赤、緑、青、および白)を有する。ランプA157a〜dは、独立した要素として示されているが、一般に、これらのランプは、表示パネルのハウジングと一体化される。MEMSディスプレイコントローラA150は、FPGAなどの、プログラマブル論理要素と、別個の回路構成要素とから構成されてもよい。一実施形態では、コントローラA156は、電源コントローラA153と、ディスプレイインタフェースA158と、フレームバッファA159と、シーケンサ/タイミング制御A160とを実装するようにプログラムされた、FPGAデバイスである。走査ドライバA152と、データドライバA154と、ランプドライバA168とは、カスタム集積回路、市販のドライバ、および/または別個のトランジスタなどの、別個の回路構成要素であってもよい。
複数の走査ドライバA152(「書き込み許可電圧源」とも呼ばれる)と複数のデータドライバA154(「データ電圧源」とも呼ばれる)とが、ディスプレイA12の制御マトリクスに電気的に接続される。走査ドライバA152は、図24Aに示す走査ライン相互接続A506などの、走査ライン相互接続に、書き込み許可電圧を印加する。データドライバA154は、データ相互接続A508に、データ電圧を印加する。MEMSディスプレイコントローラの一部の実装では、特に画像のグレースケールがアナログ形式で導き出されるべき場合に、データドライバA154は、アナログデータ電圧をシャッタ組立体に提供するように構成される。アナログ動作においては、シャッタ組立体A616は、さまざまな中間電圧がデータ相互接続A508を介して印加された場合に、結果として、シャッタのさまざまな中間的開状態がもたらされ、したがって、さまざまな中間的な照射状態、すなわち画像内のグレースケールがもたらされるように設計される。
他の場合には、データドライバA154は、2つ、3つ、または4つの、縮小された組のデジタル電圧レベルのみを、制御マトリクスに印加するように構成される。これらの電圧レベルは、シャッタのそれぞれに、開状態、閉状態、または中間状態のいずれかを、デジタル形式で設定するように設計される。
走査ドライバA152とデータドライバA154とは、デジタルコントローラ回路A156(「コントローラA156」とも呼ばれる)に接続される。コントローラは、入力画像信号を、ディスプレイA12の空間アドレス指定と、グレースケール機能と、動作モードとのために適切な、デジタル画像フォーマットに処理する、ディスプレイインタフェースA158を含む。各画像のピクセル位置およびグレースケールデータは、フレームバッファA159内に記憶され、それにより、データは、必要に応じてデータドライバA154に送り出されることが可能になる。データは、行によって、そして画像フレームによってグループ化された、所定の順序に編成されて、直列または並列伝送でデータドライバA154に送信される。データドライバA154は、直列−並列データ変換器、レベルシフティング、および一部の適用例については、デジタルアナログ電圧変換器を含んでもよい。
さまざまな表示機能のための、すべてのドライバ(例えば、走査ドライバA152、データドライバA154、作動ドライバA153、および大域的作動ドライバA155(図示せず))は、コントローラA156内のタイミング制御A160によって時刻同期される。タイミングコマンドは、ランプドライバA168を介した、赤、緑、青、および白のランプA157a〜dの、独立した、従属した、または同期された照射と、ピクセルのアレイの特定の行の、書き込み許可および順序付けと、データドライバA154からの電圧の出力と、シャッタの作動を提供する電圧の出力とを調整する。
コントローラA156は、アレイ内のシャッタのそれぞれが新しい画像に適切なように再設定されることを可能にする、順序付けまたはアドレス指定方式を決定する、カラー画像生成器を実装するための、プログラム論理を含んでもよい。新しい画像は、定期的な間隔で設定されてもよい。例えば、ビデオ表示の場合、ビデオのカラー画像またはフレームは、10〜1000Hzの範囲の周波数でリフレッシュされるが、周波数は適用例に基づいてさまざまであってもよい。一部の実施形態では、交代する画像フレームが、赤、緑、青、および白などの交代する一連の色を使用して照射されるように、画像フレームの設定はバックライトの照射と同期される。各それぞれの色に対する画像フレームは、カラーサブフレームと呼ばれる。FPGAは、LEDの順次アクティブ化を実行するための光コントローラを実装する、プログラム論理を有してもよい。フィールド順次式カラー方法と呼ばれる、この方法においては、カラーサブフレームが20Hz(好ましくは180Hz)を超える周波数で交代させられると、ユーザは、交代しているフレーム画像の平均を知覚し、広い連続的な範囲の色を有する画像を見る。カラーサブフレームの持続時間は、適用例によってさまざまであってもよく、フレーム時間の持続時間を変更することによって、輝度、色の彩度および深みなどの画像パラメータが制御されてもよく、使用される電力も制御されてもよい。例えば、コントローラA156は、ディスプレイによって使用されている電力を制御するために、表示されている画像の色の深みを調節してもよく、この場合、色の深みは、表示されている画像の関数として選択される。携帯電話の適用例においては、コントローラA156は、コントローラA156に入ってくる、テキストを表す画像信号を識別してもよい。例えば、ユーザがキーパッドインタフェースを使用する場合、プログラム論理は、電話番号が入力されているということ、および画像として表示されるべきであるということを判定してもよい。この状態において、コントローラA156は、単色動作モードに入る。コントローラA156は、電話番号の単色画像を表示するようにシャッタを設定するために、ドライバをアクティブにし、また、単色モードではさまざまなカラー構成要素は必要ないため、複数の交代する画像フォーマットを通して順序付けする際に、低周波または定常状態モードで光源をアクティブにする。これにより、交代する画像フォーマットのためのシャッタ駆動に電力を消費することが回避され、電力を消費する切り換えレートまたはフレームタイミングでLEDを駆動することが回避されるため、電力の使用が減少する。可能な場合は色の深みを減らし、したがって、交代する画像を設定するためにシャッタが駆動される必要のある回数を減らし、そして、LEDの駆動のために、より長い時間フレームを可能にすることによって、類似した動作モードが適合されてもよい。カラー画像の生成は、コントローラA156によって実行されてもよく、または独立した論理装置がカラー画像生成器のために使用されてもよく、そして、両方とも本発明の範囲内である。
代替実施形態では、MEMSディスプレイA12は、少なくとも1つのカラーフィルタ層を含み、通常、カラーフィルタ層は、それぞれのシャッタのグループによって変調される光の経路内に、色付きのフィルタを配置する。この目的のために、MEMSディスプレイは、カバープレートA602とシャッタA616との間に配置されたカラーフィルタ層を示す、図25Bに示すカラーフィルタ層などの、カラーフィルタ層を有してもよい。特に、カラーフィルタ層は、ブラックマトリクスA608内に組み込まれ、シャッタ組立体A616aの上の赤フィルタセグメントA617aと、シャッタ組立体A616bの上の青フィルタセグメントA617bと、シャッタ組立体A616cの上の緑フィルタセグメントA617cとを提供する。3つのシャッタ組立体A616a〜A616cはMEMSディスプレイコントローラA70によって独立に動作させられてもよく、これは、画像の各カラー構成要素のために1つのシャッタを使用して、3つのシャッタ組立体A616a〜cの上に画像を設定する、協調的な動きのプロセスである。3つのシャッタ組立体は、ディスプレイのピクセルを提供するために、共同で動作する。この目的のために、MEMSディスプレイコントローラA70は、赤の画像、青の画像、および緑の画像を生成してもよく、これらの画像のそれぞれは、フレームバッファA159内に記憶され、走査ドライバA152およびデータドライバA154に送り出されてもよい。この実施形態では、白いランプA157dのみが必要とされ、色はカラーフィルタ層から発生する。他の実施形態では、他のフィルタ色およびフィルタ配置が使用されてもよい。
ディスプレイ装置が、シャッタの開状態と閉状態との間のデジタル切り換えのために設計されている場合、コントローラA156は、適切なグレースケールを有する画像を生成するために、アドレス指定シーケンス、および/または、画像フレーム間の時間間隔を制御してもよい。特定のフレーム内でシャッタが開いている時間の長さを制御することによって、グレースケールのさまざまなレベルを生成するプロセスは、時分割グレースケールと呼ばれる。時分割グレースケールの一実施形態では、コントローラA156は、シャッタが開状態のままであることを許可される、各フレーム内での期間、または時間の割合を、そのピクセルに対しての望ましい照射レベルまたはグレースケールに従って決定する。時分割グレースケールの別の実施形態では、フレーム時間は、例えば、4ビットの2進グレースケールに適合する照射レベルに従って、15の等しい持続時間のサブフレームに分割される。コントローラA156は、次に、15のサブフレームのそれぞれの中に、別個の画像を設定する。画像のより明るいピクセルは、15のサブフレームのうちのほとんどまたはすべてについて開状態のままにされ、より暗いピクセルは、サブフレームのうちの一部分のみについて開状態に設定される。時分割グレースケールの別の実施形態では、コントローラ回路A156は、照射値を表すコード化されたグレースケールワードのビットレベルの重みに比例して、一連のサブフレームの持続時間を変更する。すなわち、サブフレームの持続時間は、2進級数1、2、4、8、・・・に従って変化させられてもよい。各ピクセルに対してのシャッタA108は、次に、意図されるグレーレベルのための、2進ワード内の対応する位置におけるビット値に従って、特定のサブフレーム内で、開または閉状態に設定される。
上述の時分割技術を、ピクセルにつき複数のシャッタを使用すること、またはバックライト強度の独立制御によることの、いずれかと組み合わせた、いくつかの複合型技術が、グレースケールを形成するために利用可能である。これらの技術については、以下でさらに説明する。
制御マトリクスのアドレス指定、すなわち、ピクセルのアレイへの制御情報の供給は、一実装では、走査ライン、またはマトリクスの行と呼ばれることもある、個別のラインの順次アドレス指定によって達成される。所与の走査ラインに対しての書き込み許可相互接続にVweを印加し、各列に対してのデータ相互接続A508にデータ電圧パルスVdを選択的に印加することによって、制御マトリクスは、書き込み許可された行内の各シャッタの移動を制御してもよい。MEMSディスプレイA12内のピクセルの各行に対して、これらのステップを繰り返すことによって、制御マトリクスは、MEMSディスプレイA12内の各ピクセルへの移動指示の設定を完了してもよい。
1つの代替の実装においては、例えば、異なるピクセル行内のピクセルに対しての移動指示間の類似性を利用し、それにより、MEMSディスプレイA12内のすべてのピクセルに移動指示を提供するために必要とされる時間の長さを減らすために、制御マトリクスは、Vweを、複数のピクセル行の書き込み許可相互接続に同時に印加する。別の代替の実装においては、特にコード化された時分割グレースケールの使用と組み合わせてときどき生成される、視覚的アーティファクトを最小にするために、行は、非順次の、例えば擬似ランダム化された順序でアドレス指定される。
代替実施形態では、ピクセルのアレイと、アレイ内に組み込まれたピクセルを制御する制御マトリクスとは、矩形の行と列以外の構成で配置されてもよい。例えば、ピクセルは、六角形のアレイ、または曲線をなす行および列内に配置されてもよく、また、図31Bに示すような、セグメント化されたディスプレイとして配置されてもよい。一般に、本明細書で使用する場合、走査ラインという用語は、書き込み許可相互接続を共有する任意の複数のピクセルを意味する。
制御マトリクスおよびその動作方法
図24Aは、ピクセルのアレイをアドレス指定するために、表示パネルA12内に含めるのに適した、制御マトリクスA500の概念図である。図24Bは、制御マトリクスA500を含む、ピクセルのアレイの部分の等角投影図である。各ピクセルA501は、アクチュエータA503によって制御される、弾性シャッタ組立体A502を含む。
制御マトリクスA500は、シャッタ組立体A502が上に形成される基板A504の表面上に、拡散された、または薄膜蒸着された電気回路として製造される。制御マトリクスA500は、制御マトリクスA500内のピクセルA501の各行に対しての、走査ライン相互接続A506と、制御マトリクスA500内のピクセルA501の各列に対しての、データ相互接続A508とを含む。各走査ライン相互接続A506は、書き込み許可電圧源A507を、ピクセルA501の対応する行内のピクセルA501に電気的に接続する。各データ相互接続A508は、データ電圧源(「Vdソース」)A509を、ピクセルの対応する列内のピクセルA501に電気的に接続する。制御マトリクスA500内で、データ電圧Vdは、作動のために必要なエネルギーの大部分を提供する。したがって、データ電圧源A509は、作動電圧源としても働く。代替実施形態では、作動電圧Vdは、ディスプレイのセルへの共通相互接続であってもよい。
アレイ内の各ピクセルA501に対して、または各シャッタ組立体に対して、制御マトリクスA500は、トランジスタA510と、任意選択のキャパシタA512とを含む。各トランジスタのゲートは、ピクセルA501が配置されているアレイ内の行の走査ライン相互接続A506に電気的に接続される。各トランジスタA510のソースは、その対応するデータ相互接続A508に電気的に接続される。シャッタ組立体A502は、2つの電極を有するアクチュエータを含む。2つの電極は、周囲にあるものに対する大幅に異なる静電容量を有する。トランジスタは、データ相互接続A508を、より低い静電容量を有するアクチュエータ電極に接続する。より詳細には、各トランジスタA510のドレインは、対応するキャパシタA512の一方の電極と、アクチュエータのより低い静電容量の電極とに、並列に、電気的に接続される。キャパシタA512のもう一方の電極と、シャッタ組立体A502内のアクチュエータのより高い静電容量の電極とは、共通または接地電位に接続される。動作時、画像を形成するために、MEMSコントローラA70は、各走査ライン相互接続A506にVweを次々に印加することによってアレイ内の各行を順に書き込み許可するように、制御マトリクスA500を駆動する。書き込み許可された行に対しては、行内のピクセルA501のトランジスタA510のゲートへのVweの印加により、データ相互接続A508を通りトランジスタを通る電流の流れが、シャッタ組立体A502のアクチュエータに電位を印加することが可能になる。行が書き込み許可されている間、データ電圧Vdが、データ相続接続A508に選択的に印加される。アナロググレースケールを提供する実装においては、各データ相互接続A508に印加されるデータ電圧は、書き込み許可走査ライン相互接続A506とデータ相互接続A508との交点に配置されたピクセルA501の所望される輝度に関連して、変化させられる。デジタル制御方式を提供する実装においては、データ電圧は、相対的に低い大きさの電圧(すなわち、接地付近の電圧)であるように、あるいは、Vat(作動しきい値電圧)を満たすかまたは超過するように選択される。データ相互接続A508へのVatの印加に応えて、対応するシャッタ組立体A502内のアクチュエータが作動して、シャッタ組立体A502内のシャッタを開く。データ相互接続A508に印加された電圧は、制御マトリクスA500が行にVweを印加するのを停止した後も、ピクセルのキャパシタA512内に蓄積されたままになる。したがって、シャッタ組立体A502が作動するための十分に長い時間、行上の電圧Vweを保持して待つ必要はなく、そのような作動は、書き込み許可電圧が行から除去された後で進行することが可能である。行内のキャパシタA510内の電圧は、ビデオフレーム全体が書き込まれるまで、そして一部の実装においては、新しいデータが行に書き込まれるまで、実質的に蓄積されたままになる。
制御マトリクスA500は、以下の処理ステップのシーケンスの使用を通して製造されてもよい。
第1に、アパーチャ層A550が、基板A504上に形成される。基板A504が、シリコンなどの、不透明なものである場合、基板A504はアパーチャ層A550として働き、基板A504を通して穴のアレイをエッチングすることによって、アパーチャ穴A554が基板A504内に形成される。基板A504が、ガラスなどの、透明なものである場合、アパーチャ層A550は、基板A504上に遮光層を蒸着することと、遮光層をエッチングして穴のアレイにすることとから形成されてもよい。アパーチャ穴A554は、一般に、円形、楕円形、多角形、蛇行形状、または不規則な形であってもよい。遮光層が、さらに、金属などの、反射性材料で作られている場合、アパーチャ層A550は、光学的効率を増加させるために、送出されなかった光を再循環させて、取り付けられたバックライトに戻す、鏡面として働いてもよい。光の再循環を提供するための適切な反射性金属膜は、スパッタリング、蒸発(evaporation)、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相蒸着法などの、多くの蒸着技術によって形成されてもよい。この反射性適用例のための効果的な金属としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、Au、Ag、Cu、Ni、Ta、Ti、Nd、Nb、Si、Mo、Rh、および/またはその合金が挙げられる。厚さは、30nm〜1000nmの範囲で十分である。
第2に、金属間誘電体層が、アパーチャ層金属A550の上を一面に覆うやり方で蒸着される。
第3に、第1の導電層が、基板上に蒸着され、パターニングされる。この導電層は、走査ライン相互接続A506の導電性トレースとなるようにパターニングされてもよい。上に記載した任意の金属、またはインジウムスズ酸化物などの導電性酸化物は、この適用例のための十分に低い抵抗率を有することが可能である。各ピクセル内の走査ライン相互接続A506の一部は、トランジスタA510のゲートを形成するように配置される。
第4に、別の金属間誘電体層が、導電性相互接続の第1の層の上を、トランジスタA510のゲートを形成する部分を含めて、一面に覆うやり方で蒸着される。この目的のために十分な金属間誘電体としては、厚さが30nm〜1000nmの範囲の、SiO2、Si3N4、およびAl2O3が挙げられる。
第5に、アモルファスシリコンの層が、金属間誘電体の上に蒸着され、次に、薄膜トランジスタ活性層のソース、ドレイン、およびチャネル領域を形成するようにパターニングされる。あるいは、この半導体材料は、多結晶シリコンであってもよい。
第6に、第2の導電層が、アモルファスシリコンの上に蒸着され、パターニングされる。この導電層は、データ相互接続A508の導電性トレースとなるようにパターニングされてもよい。上に記載したのと同じ金属および/または導電性酸化物が使用されてもよい。第2の導電層の一部は、さらに、トランジスタA510のソースおよびドレイン領域への接点を形成するために使用されてもよい。
キャパシタA512などのキャパシタ構造は、第1および第2の導電層内に形成された平板、および間にはさまれた誘電体材料として構築されてもよい。
第7に、パシベーション誘電体(passivating dielectric)が、第2の導電層の上に蒸着される。
第8に、犠牲メカニカル層(sacrificial mechanical layer)が、パシベーション層の上に蒸着される。後続のMEMSシャッタ層が、下の導電層に電気的に接触し、かつ機械的に取り付けられることが可能なように、犠牲層とパシベーション層との両方にビアが開けられる。
第9に、MEMSシャッタ層が、犠牲層の上に蒸着され、パターニングされる。MEMSシャッタ層は、シャッタA502およびアクチュエータA503を有するようにパターニングされ、犠牲層内にパターニングされたビアを通して基板A504に固定される。シャッタA502のパターンは、第1のアパーチャ層A550内に形成されたアパーチャ穴A554のパターンと揃えられる。MEMSシャッタ層は、Au、Cr、またはNiなどの、蒸着された金属、あるいは、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどの、蒸着された半導体から構成されてもよく、厚さは300ナノメートル〜10ミクロンの範囲であってもよい。任意選択で、シャッタは、金属の層を、2つの他の層(アモルファスシリコンの2つの層など)の間に備える、複合シャッタであってもよい。
第10に、MEMSシャッタ層の構成要素が、アクチュエータA503の両端に印加された電圧に応えて自由に移動するようになるように、犠牲層が除去される。
第11に、対向する電圧を有する電極間の短絡を防止するために、アクチュエータA503の電極の側壁が誘電体材料を使用してコーティングされる。
上記のプロセスに対する多くの変形が可能である。例えば、ステップ1の反射性アパーチャ層A550は、第1の導電層と組み合わされてもよい。この導電層内にギャップがパターニングされて、導電性トレースが層内で提供され、そして、ピクセル領域のほとんどは反射性金属で覆われたままになる。別の実施形態では、トランジスタA510のソースおよびドレイン端子は第1の導電層上に配置され、ゲート端子は第2の導電層内に形成されてもよい。別の実施形態では、半導体アモルファスまたは多結晶シリコンは、第1および第2の導電層のそれぞれの真下に配置される。この実施形態では、下にある半導体層への金属接点が作られることが可能なように、金属間誘電体内にビアがパターニングされてもよい。さらに、本明細書で説明する装置は、アクティブおよび/またはパッシブマトリクスを含む、多くのさまざまな制御マトリクスとともに動作してもよい。
図24Bと関連して説明したように、シャッタ組立体内に含まれるアクチュエータは、機械的に双安定であるように設計されてもよい。あるいは、アクチュエータは、1つの安定位置のみを有するように設計されてもよい。すなわち、何らかの形態の作動力の印加がない場合、そのようなアクチュエータは、開または閉のいずれかの、所定の位置に戻る。そのような実装においては、シャッタ組立体は1つの作動電極を含み、その作動電極に電圧が印加された場合、アクチュエータは、シャッタを押すかまたは引いて、その安定位置から出るようにさせる。MEMSディスプレイコントローラA70は、シャッタを、個別に、グループで、または例外なく駆動してもよい。この目的のために、一実施形態では、MEMSディスプレイコントローラA70は、ディスプレイ内のシャッタのすべてまたは少なくともグループを、選択された条件または状態に移動させるための同期パルスを生成する、同期コントローラを提供するためのプログラム論理を含む。FPGA内に実装されたタイマが、同期パルスを駆動するための、ならびに、以下に限定されるものではないが、ランプおよびシャッタを駆動するための信号を設定できる、フィールド順次式カラー動作のための時間フレームなどの、その他の時限動作を駆動するための、タイミング間隔を設定してもよい。さらに、FPGAタイマは、ユーザ入力装置を監視して、ユーザが入力装置をアクティブにしてから、30秒などの、所定の時間間隔が経過した場合に、通常はより低い電力状態に、ディスプレイの状態を変更してもよい。
表示パネル
図25Aは、本明細書で説明するハンドヘルド携帯型装置とともに使用するのに適した、シャッタベースの光変調パネルA600の一実施形態の断面図である。表示パネルA600は、光変調層A618の下に配置された光キャビティと、光源A612と、光変調層A618と、カバープレートA602とを含む。光キャビティは、光変調層A618内の後ろ向きの反射面と、光ガイドA628と、前向きの後部反射面A614と、拡散体A624と、輝度強化膜A622とを含む。
光変調アレイA618とカバープレートA602との間の空間は、潤滑剤A632で満たされる。カバープレートA602は、エポキシテクノロジーインク(Epoxy Technology, Inc.)によって販売されているEPO−TEK B9021−1などの、エポキシA625を使用して、シャッタ組立体に取り付けられる。エポキシは、さらに、潤滑剤A624を封じ込める働きもする。
シートメタルまたは成型プラスチックの組立体ブラケットA626が、カバープレートA602と、光変調層A618と、光キャビティとを、端の周囲で一緒に保持する。組立体ブラケットA626は、組み合わせられた装置に剛性を追加するために、ネジまたはインデントタブを使用して固定される。一部の実装では、光源A612は、エポキシ埋め込み用樹脂(epoxy potting compound)によって適所に形成される。
表示パネルA600は、通常は、ハウジング内の1つ以上のパネル支持体に対してプラスチックの組立体ブラケットを取り付けることによって、ハウジング内に取り付けられてもよい。一実施形態では、パネル支持体は、表示パネルA600の周辺端部を支えるための必要な大きさにされた、成型プラスチックの側壁であってもよい。弾性ガスケットが、衝撃保護を提供するために、成型された側壁の上に配置されてもよく、パネルは、ガスケットに接合されてもよい。
図26は、本発明の例示的実施形態による、シャッタベースの空間光変調器A700の断面図である。シャッタベースの空間光変調器A700は、光変調アレイA702と、光キャビティA704と、光源A706とを含む。さらに、空間光変調器は、カバープレートA708を含む。
カバープレートA708は、光変調アレイA702を機械的および環境的損傷から保護することを含む、いくつかの機能を果たす。カバープレートA708は、ポリカーボネートなどの、薄い透明プラスチック、またはガラスシートである。カバープレートは、ブラックマトリクスA710とも呼ばれる光吸収性材料を使用してコーティングされ、パターニングされてもよい。ブラックマトリクスは、光吸収色素を含む、厚膜アクリルまたはビニル樹脂として、カバープレート上に蒸着されてもよい。任意選択で、別個の層が提供されてもよい。
ブラックマトリクスA710は、光キャビティA704内に形成された光透過領域A716の十分近くに配置された、パターニングされた光透過領域A714以外でほとんどすべての入射環境光A712を吸収する(環境光は、空間光変調器A700の外の、見る人の近くからの光である)。ブラックマトリクスA710は、それにより、空間光変調器A700によって形成される画像のコントラストを増加させる。ブラックマトリクスA710は、さらに、漏洩的または時間連続的なやり方で放射される場合がある、光キャビティA704から逃げる光を、吸収するために機能してもよい。
一実装では、例えばアクリルまたはビニル樹脂の形態の、カラーフィルタが、カバープレートA708上に蒸着される。フィルタは、ブラックマトリクスA710を形成するために使用されるのと類似したやり方で蒸着されてもよいが、ただし、フィルタは、光キャビティA704の開いているアパーチャの光透過領域A716の上にパターニングされる。樹脂は、赤、緑、青、またはその他の色素を使用して交互にドープされてもよい。
光変調アレイA702とカバープレートA708との間の間隔は、100ミクロン未満であり、わずか10ミクロン未満であってもよい。光変調アレイA702とカバープレートA708は、場合によっては所定の点を除いて、接触しないことが好ましく、その理由は、接触することによって光変調アレイA702の動作が妨げられる可能性があるからである。間隔は、光変調アレイA702内の個々の光変調器の間に配置された、高さ2〜20ミクロンの、リソグラフィで画定されたスペーサまたはポストによって維持されてもよく、または、間隔は、組み合わせられた装置の端の周囲に挿入された、シートメタルスペーサによって維持されてもよい。
図27は、本発明の例示的実施形態による、シャッタベースの空間光変調器A800の断面図である。シャッタベースの空間光変調器A800は、光キャビティA802と、光源A804と、光変調層A806とを含む。さらに、シャッタベースの空間光変調器A804は、図26に関連して説明したカバープレートA708などの、カバープレートA807を含む。
シャッタベースの空間光変調器A800内の、光キャビティA802は、光ガイドA808と、光変調アレイA806の後ろ向き部分とを含む。光変調アレイA806は、独自の基板A810上に形成される。光ガイドA808および基板A810の両方は、それぞれが、前側と後ろ側とを有する。光変調アレイA806は、基板A810の前側に形成される。第2の金属層の形態の、前向きの、後部反射面A812は、光ガイドA808の後ろ側上に蒸着されて、光キャビティA802の第2の反射面を形成する。あるいは、光キャビティA802は、光ガイドA808の後ろ側の背後に、光ガイドA808の後ろ側と実質的に向かい合うように配置された、第3の面を含む。そのような実装においては、前向きの、後部反射面A812は、光ガイドA808の後ろ側上に直接蒸着されるのではなく、空間光変調器A800の前方を向いた、第3の面上に蒸着される。光ガイドA808は、光キャビティ全体を通したより均一な光の分布を作るために、光ガイドA808の後ろ向きの側上に所定のパターンで分散された、複数の光散乱要素A809を含む。
一実装では、光ガイドA808と基板A810とは、相互に密着して保持される。それらの界面における反射が回避されるように、それらは類似した屈折率を有する材料で形成されることが好ましい。別の実装では、小さなスタンドオフまたはスペーサ材料が、光ガイドA808と基板A810とを所定の距離だけ離して維持し、それにより、光ガイドA808と基板A810とを相互に光学的に分離する。光ガイドA808と基板A810との間に間隔をあけることにより、結果として、光ガイドA808と基板A810との間にエアギャップA813が形成される。エアギャップは、光ガイドA808内での、その前向きの面における全内部反射を促進し、それにより、光散乱要素A809のうちのいずれかによって光A814が光変調器アレイA806のシャッタ組立体の方へ向けられる前に、光ガイド内での光A814の分布が促進される。あるいは、光ガイドA808と基板A810との間のギャップは、真空、1つまたは複数の選択された気体、または液体によって満たされてもよい。
図28は、メディアプレーヤ内に配置されたディスプレイを有し、グラフィックおよびテキスト情報をユーザに提示することが可能な、メディアプレーヤを、携帯型ハンドヘルド装置が備える、本発明の実施形態を示す。より詳細には、図28の実施形態は、デジタル媒体上に記憶された音楽を聴くために一般的に使用されるタイプの、MP3プレーヤを示す。図示されている実施形態では、ハウジングは、ユーザの手の中に保持されるように、またはハンズフリーでの装置の移送を可能にするために、ユーザの衣服にクリップで留められるように適合される。ユーザインタフェースは、ハウジングの外面上に配置された複数のボタンと、表示パネルとを含む。図28に示すMP3プレーヤは、図23に示すディスプレイコントローラに類似したディスプレイコントローラを含んでもよい。ディスプレイコントローラは、ディスプレイ上に画像を提示するために使用される消費電力を減らし、それにより、搭載されている電源の使用可能時間を引き延ばすことが可能な、動作モードを有してもよい。
図29は、本明細書に記載するシステムおよび方法の別の適用例を示す。特に、図29は、ハウジングA1008と、表示パネルA1002と、キーパッドA1004として示されるユーザインタフェース装置とを有する、スマートフォンハンドヘルド携帯型装置A1000を示す。スマートフォンハンドヘルド携帯型装置A1000は、上述のMEMS表示パネルと同等であってもよい、MEMS表示パネルを含み、さらに、図20に示す装置A10に関連して上述したコントローラと同等な、MEMSディスプレイコントローラを有する。任意選択で、システムA1000のMEMSディスプレイコントローラは、電源が弱くなったこと、または所定のしきい値よりも下に低下したことを、MEMSディスプレイコントローラA150の電源コントローラA153が判定する、任意選択の電力留保モードを含んでもよい。任意選択でユーザ選択可能であってもよい、そのような動作モードにおいては、MEMSディスプレイコントローラA150は、低電力モードで動作して、スマートフォン装置A1000の主機能(通常は携帯電話の通信)のために、電力を節約する。この目的のために、MEMSディスプレイコントローラA150は、画像信号を、通常は白黒である、単色の、静的静止信号として、ディスプレイA1002上に表示してもよい。途中で、ディスプレイコントローラは、フィールド順次式カラー動作を非アクティブにして、白のLED A157dを、ディスプレイA1002を照射する目的のために使用する。電源コントローラA153は、ディスプレイを照射するための十分な一定のDC電圧で白のLED A157dを駆動する、低電力動作モードを選択して、白のLED A157dが駆動される振幅を調節してもよい。市販の白のLEDデバイスは、10〜30ミリワットの範囲で動作することにより、電源A76からの最小の電力消費を提供する。
図示されているスマートフォンは、さらに、上述のようなタッチセンシティブスクリーンを有してもよい。タッチスクリーンは、MEMS表示パネルに、または少なくともそのパネルの一区画に重ね合わせる、市販のタッチスクリーンであってもよい。この実施形態では、MEMS表示パネルのカバープレートは、ユーザが指またはスタイラスを使用して下向きに押した場合の、表示パネルの内向きの偏向を防止するために選択された厚さを有してもよい。厚さは、材料によってさまざまであり、2mm〜500mmの範囲であってもよい。さらに、カバープレートがシャッタから間隔をあけて離されたままにするために、ポストA640などの支持体が、移動可能なシャッタとカバープレートとの間に配置されてもよい。任意選択の流体潤滑剤が、移動可能なシャッタに向かうカバープレートの内向きの偏向を減らす、液圧式の支持をさらに提供する。MEMS表示パネルは、タッチセンシティブLCDスクリーンで発生するリップル効果を回避して、データ入力中のより良い解像度を提供することが可能である。
図30を参照すると、本発明のさらなる任意選択の実施形態が示されている。特に、電子書籍の適用例が示されており、図30Aでは閉じられた位置、図30Bでは開かれた位置になっている電子書籍装置が示されている。電子書籍装置は、小説、新聞、またはその他の情報であってもよいテキストを記憶したデジタル媒体装置を読み取ることによって、ディスプレイ上に、ユーザに対するテキストを提示することが可能な、電子表示装置として一般に理解される。図30Aおよび図30Bに示す実施形態では、電子書籍A1100は、ハウジングの半分が、ハウジングのもう一方の半分の上に閉じられることを可能にするための蝶番A1106を有する、ハウジングA1102を含む。図30Bにさらに示されているように、電子書籍A1100は、第1のパネルA1104と、第2のパネルA1108とを有してもよい。キーパッドA1110が、画面A1104またはA1108のいずれかにどのような画像が現れるかを操作するためにユーザが使用できる、一連のユーザ入力装置を提供してもよい。
図30Aおよび図30Bに示す実施形態において、電子書籍携帯型ハンドヘルド装置は、上で説明したMEMS表示パネルと同等の、MEMS表示パネルを有してもよく、さらに、同様に上で説明したMEMSディスプレイコントローラと同等の、MEMSディスプレイコントローラを有してもよい。電子書籍A1100は、通常は単色モードで動作させられ、MEMSディスプレイコントローラは、白のLEDを使用して、ユーザに対するテキスト情報の静止白黒画像を駆動する。特定の実施形態では、デジタル媒体上に記憶された内容の一部として、書籍の表紙、または書籍からの画像などの、カラー画像がユーザに対して表示されてもよく、それらの例においては、MEMSディスプレイコントローラは、上述したようなフィールド順次式カラー生成技術を使用して、表示パネルA1104およびA1108のいずれかの上にカラー画像を生成してもよい。MEMSディスプレイコントローラは、ユーザがユーザインタフェース装置A1110を使用することによってページ移動する、静的静止画像を生成するための、単色動作モードを有してもよい。MEMSディスプレイコントローラは、表示のためにフレームバッファ内に画像を設定する、コントローラA156で実行される単色動作モードを有してもよい。MEMSディスプレイコントローラは、ユーザに対して表示されるテキスト情報を示すのに適した構成に、MEMS装置のシャッタを設定してもよい。任意選択で、動作モードは、定常状態電圧によって駆動される、または、グラフィック静止画像を提示するために十分な、比較的遅いレートで切り換える光源によって駆動される、白のLEDなどの、より低い電力のLEDを使用する、白黒、またはその他の何らかの単色カラー設定であってもよい
図31Aおよび図31Bは、本明細書に記載する携帯型ハンドヘルド装置のさらなる実施形態を示す。特に、図31Aは、ユーザの腕に腕時計A1200の本体を取り付ける手首ベルトA1202を有する、腕時計A1200を示す。腕時計A1200は、表示パネルA1208を含むハウジングA1204を含む。表示パネルは、上述のMEMS表示パネルと同等であってもよい、MEMS表示パネルである。MEMS表示パネルは、ユーザの腕の上で運ばれるのに適したフォームファクタを有する時計ハウジング内に収まる。
図31Aに示す実施形態では、MEMS表示パネルA1208は、上述のセグメント化されたディスプレイ区画などの、セグメント化されたディスプレイ区画を含んでもよい。特に、表示パネルA1208は、図31Bに示すセグメント化された区画などの、セグメント化された区画を有する表示パネルを有する、表示パネルを、備えるかまたは含んでもよい。図31Bは、数字の8になるように配置された7つのセグメントを含む、セグメント化されたディスプレイの一例を示す。セグメントのそれぞれは、光を変調することが可能な、横方向に移動可能なシャッタを含む、上述したシャッタ組立体と同等の、複数のシャッタ組立体を含んでもよい。セグメントのそれぞれは、一緒に配線され、したがって、腕時計A1200内に含まれるMEMSディスプレイコントローラからのコマンドに一緒に応答する、シャッタ組立体のグループを有する。図示されているセグメントは、任意選択で光源の上に配置される、クラス基板上に形成されてもよい。ただし、図31Bに示す実施形態では、光源はフロント光源であってもよく、または任意選択で、ディスプレイは、反射型ディスプレイのために反射性であってもよく、横方向に移動可能なシャッタは、反射性であってもよく、または、反射面の上をスライドしてもよい。いずれにしても、横方向シャッタは、7つのセグメントディスプレイ内のそれぞれのセグメントが、オン状態またはオフ状態に適宜設定されてもよいように、光を変調する。上述のように、セグメントは単色またはカラーであってもよく、その目的のために、同様に上述したように、MEMSセグメントディスプレイコントローラはフィールド順次式カラー制御を使用してもよく、あるいは、色付きのフィルタがディスプレイに適用されてもよい。
図31Bに示す実施形態では、セグメント化されたディスプレイは、独立したディスプレイとして示されている。しかし、本発明の代替実施形態では、図31Bのセグメント化されたディスプレイは、日付、時刻、またはその他の情報が複数のセグメント化されたディスプレイ上に表示されてもよいように、線状配列内にレイアウトされた、複数のセグメント化されたディスプレイのうちの1つであってもよい。さらに、セグメント化されたディスプレイは、横方向に移動可能なシャッタのマトリクスをさらに含む基板上に形成されてもよく、それにより、セグメント化されたディスプレイ区画と、ピクセルで構成されたディスプレイ区画との両方が統合されたディスプレイが提供されてもよい。例えば、腕時計の適用例において、腕時計A1200は、腕時計の盤面、羅針図、またはその他の画像などの画像の提示を可能にする、ピクセルで構成されたディスプレイである上側の区画を有してもよい。ピクセルで構成されたマトリクスの下には、時刻、日付、ストップウォッチ機能の読み取り値を提示するために使用されてもよい、セグメント化されたディスプレイと、アラームが設定されているかどうか、時刻はAMかPMか、および、水曜日を表すWEなどの日付記号表示などの、アイコンを提示するために使用される、セグメント化されたディスプレイ区画が存在してもよい。
この目的のために、MEMSディスプレイコントローラは、コントローラのプログラム制御の下でセグメント化されたディスプレイを駆動することが可能な、セグメントディスプレイドライバを含んでもよい。
図32は、上述のMEMS表示パネルと同等な表示パネルを有するメディアプレーヤを示す。図33は、上述の表示パネルに同様に類似した表示パネルを有する、GNSS受信機を示す。図34は、上述の表示パネルと同様に同等な表示パネルを有する、ラップトップコンピュータを示す。ラップトップコンピュータは、光レベル検出器によって測定された環境光条件に応じて、および、ユーザ制御と電源レベルとに応じて電力を節約する、電力モードを有するために、MEMSディスプレイコントローラを使用してもよい。例えば、本明細書に記載するシステムおよび方法は、利用可能な電力を検出するか、または電力を節約するためのユーザ入力を検出して、動作モードを単色モードに移動させるか、または限定された色の組を提供して電力を節約する、4ビットカラーなどのビット深度を選択してもよい。
本発明は、その精神または本質的特性から逸脱することなく、他の特定の形態内で実施されてもよい。例えば、図35および図36は、MEMS表示パネルの代替実施形態を示す。
図35は、シャッタ組立体A1602を組み込んだディスプレイ組立体A1600の断面図である。シャッタ組立体A1602は、ガラス基板A1604上に蒸着される。基板A1604上に蒸着された反射膜A1606は、シャッタ組立体A1602のシャッタA1610の閉位置の下に位置する、複数の表面アパーチャA1608を画定する。反射膜A1606は、表面アパーチャA1608を通過しない光を反射させて、ディスプレイ組立体A1600の後部の方へ戻す。任意選択の拡散体A1612と、任意選択の輝度強化膜A1614とが、基板A1604をバックライトA1616から分離してもよい。バックライトA1616は、1つ以上の光源A1618によって照射される。光源A1618は、例えば、以下に限定されるものではないが、白熱灯、蛍光灯、レーザ、または発光ダイオードであってもよい。反射膜A1620が、バックライトA1616の背後に蒸着され、シャッタ組立体A1602の方へ光を反射する。シャッタ組立体A1602のうちの1つを通過しない、バックライトからの光線は、バックライトに戻されて、膜A1620から再び反射される。これにより、最初の通過でディスプレイを離れて画像を形成することのなかった光は、再循環されて、シャッタ組立体A1602のアレイ内の他の開いているアパーチャを通した伝播のために利用可能にされてもよい。そのような光の再循環は、ディスプレイの照射効率を向上させることが示されている。カバープレートA1622は、ディスプレイ組立体A1600の前部を形成する。カバープレートA1622の後ろ側は、コントラストを向上させるために、ブラックマトリクスA1624で覆われてもよい。カバープレートA1622は、シャッタ組立体A1602から所定の距離だけ離して支持され、それによりギャップA1626が形成される。ギャップA1626は、機械的支持によって、および/または、カバープレートA1622を基板A1604に取り付けている、エポキシシールA1628によって維持される。エポキシA1628は、好ましくは約200C未満の硬化温度を有さなければならず、好ましくは約50ppm/℃未満の熱膨張係数を有さなければならず、さらに、耐湿性でなければならない。例示的エポキシA1628は、エポキシテクノロジーインク(Epoxy Technology, Inc.)によって販売されている、EPO−TEK B9016−1である。
エポキシシールA1628は、作動流体A1630を封止する。作動流体A1630は、好ましくは約10センチポアズ未満の粘度と、好ましくは約2.0よりも大きな比誘電率と、約104V/cmよりも大きな誘電破壊強度とを有するように設計される。作動流体A1630は、さらに、潤滑剤として働いてもよい。その機械的および電気的特性は、シャッタを開位置と閉位置との間で移動させるために必要な電圧を減らすことにおいても効果的である。一実装では、作動流体A1630は、好ましくは約1.5未満の、低い屈折率を有することが好ましい。別の実装では、作動流体A1630は、基板A1604の屈折率に一致する屈折率を有する。適切な作動流体A1630としては、以下に限定されるものではないが、脱イオン水、メタノール、エタノール、シリコーン油、フッ素化シリコーン油、ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、およびジエチルベンゼンが挙げられる。
シートメタルまたは成型プラスチックの組立体ブラケットA1632が、カバープレートA1622と、シャッタ組立体A1602と、基板A1604と、バックライトA1616と、その他の構成部品とを、端の周囲で一緒に保持する。組立体ブラケットA1632は、組み合わせられたディスプレイ組立体A1600に剛性を追加するために、ネジまたはインデントタブを使用して固定される。一部の実装では、光源A1618は、エポキシ埋め込み用樹脂(epoxy potting compound)によって適所に成型される。
図36は、シャッタ組立体A1702を組み込んだディスプレイ組立体A1700の断面図である。シャッタ組立体A1702は、ガラス基板A1704上に蒸着される。
ディスプレイ組立体A1700は、1つ以上の光源A1718によって照射される、バックライトA1766を含む。光源A1718は、例えば、以下に限定されるものではないが、白熱灯、蛍光灯、レーザ、または発光ダイオードであってもよい。反射膜A1720が、バックライトA1716の背後に蒸着され、シャッタ組立体A1702の方へ光を反射する。
基板A1704は、シャッタ組立体A1702がバックライトの方を向くように方向付けられる。
バックライトA1716とシャッタ組立体A1702との間には、任意選択の拡散体A1712と、任意選択の輝度強化膜A1714とが置かれる。バックライトA1716とシャッタ組立体A1702との間には、さらに、アパーチャプレートA1722も置かれる。アパーチャプレートA1722上には、シャッタ組立体の方を向くように、反射膜A1724が蒸着される。反射膜A1724は、シャッタ組立体A1702のシャッタA1710の閉位置の下に位置する、複数の表面アパーチャA1708を画定する。アパーチャプレートA1722は、シャッタ組立体A1702から所定の距離だけ離して支持され、それにより、ギャップA1726が形成される。ギャップA1726は、機械的支持によって、および/または、アパーチャプレートA1722を基板A1704に取り付けている、エポキシシールA1728によって維持される。
反射膜A1724は、表面アパーチャA1708を通過しない光を反射させて、ディスプレイ組立体A1700の後部に向けて戻す。シャッタ組立体A1702のうちの1つを通過しない、バックライトからの光線は、バックライトに戻されて、膜A1720から再び反射される。これにより、最初の通過でディスプレイを離れて画像を形成することのなかった光は、再循環されて、シャッタ組立体A1702のアレイ内の他の開いているアパーチャを通した伝播のために利用可能にされてもよい。そのような光の再循環は、ディスプレイの照射効率を向上させることが示されている。
基板A1704は、ディスプレイ組立体A1700の前部を形成する。基板A1704上に蒸着される、吸収膜A1706は、シャッタ組立体A1702と基板A1704との間に配置される複数の表面アパーチャA1730を画定する。膜A1706は、環境光を吸収し、したがって、ディスプレイのコントラストを向上させるように設計される。
エポキシA1728は、好ましくは約200C未満の硬化温度を有さなければならず、好ましくは約50ppm/℃未満の熱膨張係数を有さなければならず、さらに、耐湿性でなければならない。例示的エポキシA1728は、エポキシテクノロジーインク(Epoxy Technology,Inc.)によって販売されている、EPO−TEK B9022−1である。
エポキシシールA1728は、作動流体A1732を封止する。作動流体A1732は、好ましくは約10センチポイズ未満の粘度と、好ましくは約2.0よりも大きな比誘電率と、約104V/cmよりも大きな誘電破壊強度とを有するように設計される。作動流体A1732は、さらに、潤滑剤として働いてもよい。その機械的および電気的特性は、シャッタを開位置と閉位置との間で移動させるために必要な電圧を減らすことにおいても効果的である。一実装では、作動流体A1732は、好ましくは約1.5未満の、低い屈折率を有することが好ましい。別の実装では、作動流体A1732は、基板A1704の屈折率に一致する屈折率を有する。適切な作動流体A1730としては、以下に限定されるものではないが、脱イオン水、メタノール、エタノール、シリコーン油、フッ素化シリコーン油、ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、およびジエチルベンゼンが挙げられる。
シートメタルまたは成型プラスチックの組立体ブラケットA1734が、アパーチャプレートA1722と、シャッタ組立体A1702と、基板A1704と、バックライトA1716と、その他の構成部品とを、端の周囲で一緒に保持する。組立体ブラケットA1732は、組み合わせられたディスプレイ組立体A1700に剛性を追加するために、ネジまたはインデントタブを使用して固定される。一部の実装では、光源A1718は、エポキシ埋め込み用樹脂(epoxy potting compound)によって適所に成型される。
このように、前述の実施形態は、したがって、本発明を限定するものではなく、すべての点で例示的であると見なされるべきである。本発明は、その精神または本質的特性から逸脱することなく、他の特定の形態内で実施されてもよい。前述の実施形態は、したがって、本発明を限定するものではなく、すべての点で例示的であると見なされるべきである。