JP2002040337A - 光変調素子及びそれを用いた露光装置並びに平面表示装置 - Google Patents

光変調素子及びそれを用いた露光装置並びに平面表示装置

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JP2002040337A
JP2002040337A JP2000222463A JP2000222463A JP2002040337A JP 2002040337 A JP2002040337 A JP 2002040337A JP 2000222463 A JP2000222463 A JP 2000222463A JP 2000222463 A JP2000222463 A JP 2000222463A JP 2002040337 A JP2002040337 A JP 2002040337A
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light
transparent substrate
electrode
movable
light modulation
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Application number
JP2000222463A
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English (en)
Inventor
Koichi Kimura
宏一 木村
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動電圧が低く安価に大面積化が可能である
と共に製作が容易で、しかも、高画質な光変調素子及び
それを用いた露光装置並びに平面表示装置を提供する。 【解決手段】 光変調素子1において、変調する光に対
して透明な基板3と、この透明基板3に形成され光の透
過を阻止する遮光膜23と、透明基板3に設けられ遮光
膜23の形成されていない開口部25と、軸17を介し
て基端が透明基板3に回動自在に固定され先端が自由端
となった可撓薄膜からなる一対の連結板11と、一端が
一方の連結板11の先端に回動自在に固定されると共に
他端が他方の連結板11の先端に回動自在に固定され連
結板11を弾性変形させて電気機械動作により遮光膜2
3又は開口部25のいずれか一方の位置に選択的に移動
される可動子5とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気力により可
動子を位置変化させて光変調を行う光変調素子、及びそ
の光変調素子を用いて感光材料等への露光を行う露光装
置、並びにその光変調素子を用いて画像表示を行う平面
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】入射光の振幅(強度)、位相又は進行方
向などを制御して、画像やパターン化されたデータ等を
処理・表示するものに、光変調素子がある。光変調素子
は、光を透過させる物質の屈折率を物質に印加する外場
によって変化させ、屈折、回折、吸収、散乱等などの光
学現象を介して、最終的にこの物質を透過又は反射する
光の強度を制御する。この光変調素子の一つには、液晶
の電気光学効果を利用した液晶光変調素子がある。この
液晶光変調素子は、薄型の平面表示装置である液晶表示
装置に好適に用いられている。
【0003】液晶表示装置は、一対の導電性透明膜を形
成した基板間に、基板と平行に且つ両基板間で90°捻
れた状態にするように配向したネマティック液晶を入れ
て封止し、これを直交した偏光板で挟んだ構造を有す
る。この液晶表示装置による表示は、導電性透明膜に電
圧を印加することで液晶分子の長軸方向が基板に対して
垂直に配向され、バックライトからの光の透過率が変化
することを利用して行われる。良好な動画像対応性を持
たせるためには、TFT(薄膜トランジスタ)を用いた
アクティブマトリクス液晶パネルが使用される。
【0004】プラズマ表示装置は、ネオン、ヘリウム、
キセノン等の希ガスを封入した二枚のガラス板の間に、
放電電極に相当する規則的に配列した直交方向の電極を
多数配置し、それぞれの対向電極の交点部を単位画素と
した構造を有する。このプラズマ表示装置による表示
は、画像情報に基づき、それぞれの交点部を特定する対
向電極に、選択的に電圧を印加することにより、交点部
を放電発光させ、発生した紫外線により蛍光体を励起発
光させて行われる。
【0005】FEDは、微小間隔を介して一対のパネル
を対向配置し、これらパネルの周囲を封止する平板状の
表示管としての構造を有する。表示面側のパネルの内面
には、蛍光膜が設けられ、背面パネル上には個々の単位
発光領域毎に電界放出陰極が配列される。代表的な電界
放出陰極は、微小サイズのエミッタティプと称される錐
状突起状の電界放出型マイクロカソードを有している。
このFEDによる表示は、エミッタティプを用いて電子
を取り出し、これを蛍光体に加速照射することで、蛍光
体を励起させて行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の平面表示装置には、以下に述べる種々の問題が
あった。即ち、液晶表示装置では、バックライトからの
光を、偏光板、透明電極、カラーフィルターの多数層に
透過させるため、光利用効率が低下する問題があった。
また、高品位型にはTFTが必要とされ、且つ二枚の基
板間に液晶を封入し、配向させなければならないことも
相まって、大面積化が困難とある欠点があった。更に、
配向した液晶分子に光を透過させるため、視野角度が狭
くなる欠点があった。
【0007】プラズマ表示装置では、画素毎にプラズマ
を発生させるための隔壁形成により製造コストが高くな
ると共に、大重量となる欠点があった。また、放電電極
に相当する多数の電極を、単位画素毎に規則的に配列し
なければならない。このため、高精細になると放電効率
が低下し、また真空紫外線励起による蛍光体の発光効率
が低いために、高電力効率で高精細、高輝度の画像が得
難い欠点があった。更に、駆動電圧が高く、駆動ICが
高価な欠点もあった。
【0008】FEDでは、放電を高効率且つ安定化させ
るために、パネル内を超高真空にする必要があり、プラ
ズマ表示装置と同様に製造コストが高くなる欠点があっ
た。また、電界放出した電子を加速して蛍光体へ照射す
るため、高電圧が必要となる不利もあった。
【0009】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、駆動電圧が低く安価に大面積化が可能であると共に
製作が容易な簡単な構成であって、高画質な光変調素子
及びそれを用いた露光装置並びに平面表示装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る請求項1記載の光変調素子は、変調する
光に対して透明な基板と、該透明基板に形成され前記光
の透過を阻止する遮光膜と、前記透明基板に設けられ該
遮光膜の形成されていない開口部と、軸を介して基端が
前記透明基板に回動自在に固定され先端が自由端となっ
た可撓薄膜からなる一対の連結板と、一端が一方の連結
板の先端に回動自在に固定されると共に他端が他方の連
結板の先端に回動自在に固定され該連結板を弾性変形さ
せて電気機械動作により前記遮光膜又は前記開口部のい
ずれか一方の位置に選択的に移動される可動子とを具備
したことを特徴とする。
【0011】この光変調素子では、可動子が、可撓性を
有し且つ軸を介して回動自在となった連結板を介して、
リンク機構によって透明基板に支持される。可動子は、
連結板を弾性変形させて、遮光膜又は開口部のいずれか
一方の位置に選択的に配置可能となる。即ち、可動子
を、遮光膜又は開口部のいずれか一方の位置に移動させ
るには、連結板を弾性変形させるための外力が必要とな
り、この外力が作用しない状態では、可動子は、遮光膜
又は開口部のいずれか一方の位置に配置されたままの状
態を維持する。この構成により、低電圧駆動が可能にな
る。また、可動子の状態を維持させるメモリー性を持た
せることができ、スイッチング素子を用いずにアクティ
ブマトリクスと同様の駆動が可能になる。
【0012】請求項2記載の光変調素子は、前記可動子
が、移動方向に格子板とスリットとを交互に配列して形
成される可動格子であり、前記格子板が遮光性を有し、
前記遮光膜及び開口部が、前記スリット及び前記格子板
に対応して前記透明基板に配設されたことを特徴とす
る。
【0013】この光変調素子では、可動格子が移動され
ることにより、可動格子の全ての格子板が、同時に開口
部から外れて遮光膜上に配置され、光源からの光が複数
の開口部を通過して光が同時に光変調可能になる。
【0014】請求項3記載の光変調素子は、前記透明基
板の可動格子移動方向両側に、第1の電極が設けられ、
前記可動格子に、第2の電極が設けられ、前記第1の電
極と前記第2の電極とに電圧印加することで静電気力を
発生させて前記電気機械動作を行うことを特徴とする。
【0015】この光変調素子では、透明基板の第1の電
極と可動格子の第2の電極とに電圧印加されることで、
透明基板上の第1の電極と可動格子との間で静電気力が
発生し、可動格子が移動することで光変調が行われる。
これにより、単一の基板上に電気機械動作を行うに必要
な構造が形成でき、高精度且つ低コストの素子の製造が
可能になる。
【0016】請求項4記載の光変調素子は、前記可動子
が遮光性を有し、前記透明基板に、所定間隔を空けて略
平行な複数の固定壁が立設され、該固定壁の間に、前記
可動子、前記遮光膜及び前記開口部が配設されたことを
特徴とする。
【0017】この光変調素子では、固定壁の間の可動子
が、一方の固定壁、又は他方の固定壁側へ移動すること
で、遮光膜上又は開口部上に配置され、可動子が遮光膜
上に配置された時には、開口部から光が通過し、可動子
が開口部上に配置された時には、開口部を通過した光の
出射が可動子によって遮断され、透明基板を透過する光
が光変調される。
【0018】請求項5記載の光変調素子は、前記可動子
を挟む両側の前記固定壁に、第1の電極が設けられ、前
記可動子に、第2の電極が設けられ、前記第1の電極と
前記第2の電極とに電圧印加することで静電気力を発生
させて前記電気機械動作を行うことを特徴とする。
【0019】この光変調素子では、固定壁の第1の電極
と可動格子の第2の電極とに電圧が印加されることで、
固定壁と可動子との間で静電気力が発生し、可動子が移
動することで光変調が行われる。これにより、単一の基
板上に電気機械動作を行うに必要な構造が形成でき、高
精度且つ低コストの素子の製造が可能になる。
【0020】請求項6記載の光変調素子は、前記可動子
が遮光性を有し、該可動子が所定間隔を空けて前記透明
基板上に複数配設され、前記開口部が、それぞれの該可
動子に重なる位置に形成されたことを特徴とする。
【0021】この光変調素子では、所定間隔を空けて透
明基板上に複数配設された可動子が開口部に一致して配
設され、可動子が移動されることにより、可動子が開口
部から外れて、光源からの光が開口部を通過して出射可
能になり、開口部を通過する光が光変調可能になる。
【0022】請求項7記載の光変調素子は、隣り合う前
記可動子に、第1の電極と、第2の電極を設け、前記第
1の電極と前記第2の電極とに電圧印加することで静電
気力を発生させて前記電気機械動作を行うことを特徴と
する。
【0023】この光変調素子では、隣り合う一方の可動
子に設けられた第1の電極と、他方の可動子に設けられ
た第2の電極とに電圧が印加されることで、隣り合う可
動子との間で静電気力が発生し、可動子が相互に接近或
いは離反する方向に移動することで光変調が行われる。
これにより、単一の基板上に電気機械動作を行うに必要
な構造が形成でき、高精度且つ低コストの素子の製造が
可能になる。
【0024】請求項8記載の光変調素子は、請求項1〜
請求項7のいずれか1項記載の光変調素子を、一次元又
は二次元のマトリクス状に配置して構成したことを特徴
とする。
【0025】この光変調素子では、光変調素子が一次元
又は二次元に配列されてアレイ型となり、このアレイ型
の光変調素子から変調光を出射させることにより、直線
状又は平面状の露光、表示が可能になる。
【0026】請求項9記載の光変調素子は、前記透明基
板に向けて変調する光を照射する光源とは反対側に、前
記透明基板を挟んで蛍光体を配設し、前記透明基板の前
記開口部を通過した前記光源からの光によって前記蛍光
体が励起発光されることを特徴とする。
【0027】この光変調素子では、光源から出射されて
開口部を通過する光が可動子の変位によって光変調さ
れ、この光変調された光が直接蛍光体を励起発光させ
る。これにより、低駆動電圧で、且つ光利用効率の高い
平面表示装置が簡単な構造で得られる。
【0028】請求項10記載の光変調素子は、前記光
が、紫外線であることを特徴とする。
【0029】この光変調素子では、変調光として紫外線
が用いられることにより、可視光化、赤外光化が容易と
なり、種々の波長による露光、表示が可能になる。ま
た、紫外光励起による可視光発光の蛍光体は、一般に多
くの種類が存在するため、蛍光体を設けた光変調素子の
実用化が容易になる。
【0030】請求項11記載の露光装置は、請求項1〜
請求項10のいずれか1項記載の光変調素子を利用した
ことを特徴とする。
【0031】この露光装置では、画像情報に基づいて光
変調素子を駆動することにより、光変調素子からの変調
光を記録媒体に露光することができる。
【0032】請求項12記載の平面表示装置は、請求項
1〜請求項10のいずれか1項記載の光変調素子を利用
したことを特徴とする。
【0033】この平面表示装置では、画像情報に基づい
て光変調素子を駆動することにより、光変調素子からの
変調光による画像表示を行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光変調素子及
びそれを用いた露光装置並びに平面表示装置の好適な実
施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発
明による光変調素子の第1実施形態の構成を示す一部分
を切り欠いた斜視図、図2は図1の光変調素子の遮光状
態及び光透過状態を示す平面図、図3はリンク機構部の
断面図、図4はリンク機構の製造手順を示す説明図、図
5は図2の光変調素子の遮光状態を示すA−A断面図、
図6は図2の光変調素子の光透過状態を示すB−B断面
図である。
【0035】光変調素子1は、図1に示すように、ガラ
ス板等の透明基材からなる透明基板3と、この透明基板
3に対向配置され可動子である格子板5を所定の間隔で
並設することでスリット7を形成すると共に電極として
も機能する可動格子9と、可動格子9を可撓薄膜からな
る連結板11を介して透明基板3上に支持する一対のリ
ンク機構部13と、図2に示すように可動格子9を駆動
させる固定電極15とを主要な部材として備えている。
この実施形態では、可動格子9が第2の電極10とな
る。
【0036】リンク機構部13において、連結板11
は、基端が軸17を介して透明基板3に回動自在に固定
され、先端が自由端となっている。自由端となった連結
板11の先端は、可動格子9に軸19を介して回動自在
に固定されている。可動格子9は、両側が連結板11に
よって支持されることで、格子板5の配列方向であるX
方向に移動可能に支持されている。リンク機構部13
は、連結板11を弾性変形させて可動格子9をX方向の
一端側又は他端側のいずれか一方の位置に選択的に移動
させる。
【0037】図2に示すように、透明基板3上には、可
動格子9をX方向に挟んで第一の電極である一対の固定
電極15a、15bを配置している。固定電極15a、
15bは、X方向の静電気力を効率良く増大させるよう
に、少なくとも可動格子9のY方向の幅、及び可動格子
9の導電部と同じ高さを有する帯状の立体構造体に形成
されている。固定電極15aにはVs1、固定電極15
bにはVs2の駆動電圧が印加され、可動格子9にはV
mの駆動電圧が印加される。
【0038】次に、可動格子9、リンク機構部13、固
定電極15、遮光膜23の構成を更に詳しく説明する。
可動格子9は、枠体の中に格子板5が所定の間隔で並設
された格子状の部材であり、隣り合う格子板5との間に
はスリット7が形成されている。この可動格子9は、図
3に示すように、リンク機構部13によって透明基板3
から所定距離だけ上方に離間され、矢印X方向に移動可
能に支持されている。可動格子9の表面には全体に亘っ
て遮光膜21が形成されており、透明基板3側から導入
される光をスリット7以外の領域で遮光可能にしてい
る。
【0039】上述したように、可動格子9は、リンク機
構部13によって、X方向の一端側又は他端側のいずれ
か一方の位置に選択的に配置される。透明基板3上に
は、これらいずれか一方の位置に配置された可動格子9
のスリット7位置に重なる位置に、複数の遮光膜23が
形成されている。この遮光膜23同士の間には開口部2
5が形成され、開口部25は格子板5に重なる。つま
り、格子板5は、遮光膜23又は開口部25のいずれか
一方の位置に選択的に配置される。
【0040】可動格子9を支持するリンク機構部13
は、表面マイクロマシニング法により製造することがで
きる。軸(ピンジョイント)17、19は、直径10μ
mで、連結板11が、この軸17、19によって透明基
板3に、ハトメで止められた状態に固定され、平面上で
回転自在となる。これらの部材には多結晶シリコンが用
いられ、その厚みは2μm程度での製造が可能となる。
【0041】この製造方法では、多結晶シリコンに比
べ、リン・ケイ素ガラス(PSG)が容易にエッチング
されることを利用し、多結晶シリコンを構造材に、PS
Gを分離層材に用いる。図4(a)に示すように、先ず、
第1のPSG層31の上に固定用の多結晶シリコンの膜
を第2層33として成膜し、それをフォトリソグラフィ
とエッチングでドーナツ状に加工する。壁面が垂直にな
るよう異方性のRIEを用いる。更に、ふっ酸を用いて
第1のPSG層31を等方性エッチングする。多結晶シ
リコンのパターンよりやや内側にアンダーカットが進む
まで、このエッチングを行う。
【0042】次に、図4(b)に示すように、全体を薄い
PSGの第3層35で覆い、図4(c)に示すように、更
に多結晶シリコンの第4層37を成膜した後、連結板1
1の形にリソグラフィで加工する。この時に、多結晶シ
リコン製の第2層33の下側まで第4層37が回り込む
ようにLPCVD(低圧化学的蒸気堆積法)を用いて、
膜を形成する。回転する部分が外れてしまわないよう止
めておくハトメの部分(軸17、19)は、回転する連
結板11と同時に形成される。
【0043】最後に、第1層31と第4層37の多結晶
シリコンとの間のPSG(第3層35)を溶かして、連
結板11が自由に動くようにする。これにより、組み立
てなしに、リンク機構部13のマイクロ構造が製造可能
になる。リンク機構部13は、このようなジョイント部
を、二対設けることにより製造されている。
【0044】固定電極15a、15b、及び可動格子9
は、導電性を有し、それ自身が導電体であることが好ま
しい。具体的には、金属、高ドープ半導体、導電性高分
子等が好適な例として挙げられる。また、第1、第2固
定電極15a、15b、及び可動格子9は、絶縁体の周
囲に導電体を積層した構成であっても良い。具体的に
は、シリコン酸化物、シリコン窒化物等の無機絶縁体、
又はポリイミド等の絶縁性高分子の周囲に金属薄膜を堆
積した構造等が好適な例として挙げられる。なお、可動
格子9の格子部は必ずしも導電性を有する必要はなく、
固定電極15a、15b側を含む枠体の一部だけが導電
性を有する構成であっても良い。
【0045】一般的には、各固定電極15a、15bは
導電性を有する金属及び高ドープ半導体で構成すること
ができる。この金属としては、例えば、金、銅、アル
ミ、チタン、タングステン、モリブデン、タンタル、ク
ロム、ニッケル等を用いることができる。また、高ドー
プ半導体としては結晶シリコン、多結晶シリコン、アモ
ルファスシリコン等を用いることができる。
【0046】遮光膜23は、可動格子9のスリット7幅
と同一かそれ以上の幅を有している。各遮光膜23が形
成された領域は光変調素子1の遮光領域となり、各遮光
膜23が形成されていない開口部25が可動格子9のス
リット7位置に応じて光透過又は遮光される光変調領域
となる。
【0047】この透明基板3及び可動格子9上に形成さ
れた遮光膜21、23は、可動格子9及び透明基板3の
上側面に、例えば真空蒸着法等により薄膜を積層するこ
とで形成できる。即ち、可動格子9を図5に示すように
遮光状態の位置となるように静止させた状態で、可動格
子9及び透明基板3に対し、Z方向から薄膜を蒸着する
ことで、透明基板3及び可動格子9に対して遮光膜を同
時に形成する。これにより、可動格子9上の遮光膜21
と透明基板3上の遮光膜23との間で正確な位置合わせ
が不要となり、所謂セルフアライメントが可能となり、
単純な工程で高精度に各遮光膜21、23を形成するこ
とができる。このため、製造コストを削減しつつ、良好
な遮光特性を有する光変調素子を得ることができる。
【0048】これらの遮光膜21、23は、例えば、ア
ルミ、クロム等の金属膜、導電性高分子材料等が好まし
く、また、カーボン分散樹脂等の絶縁性材料であっても
良い。更に、格子板5自体を遮光性材料により形成した
構成としても良い。
【0049】上述の光変調素子1は、固定電極15a、
15b、及び可動格子9への電圧印加により発生する静
電気力によって、図1及び図2に示す矢印X方向に可動
格子9を移動させることができる。この可動格子9の移
動により光変調が行なわれる。即ち、図5に示すよう
に、可動格子9のスリット7が透明基板3上の遮光膜2
3に重なる位置にあるときは、光変調素子1の下側から
入射された例えば平面光源(図示せず)からの光は、遮
光膜21及び遮光膜23により遮断され、光変調素子1
上方に出射されない(遮光状態)。一方、図6に示すよ
うに、可動格子9のスリット7が透明基板3上の遮光膜
23に重合しない位置、即ち、格子板5が遮光膜23に
重なる位置にあるときは、光変調素子1の下側から出射
された光は遮光膜23の位置では遮断されるが、スリッ
ト7の位置では光変調素子1の上方に出射される(透過
状態)。
【0050】次に、本実施形態における光変調素子1の
具体的な光変調動作を説明する。図2(a)に示すよう
に、光変調素子1の可動格子9及び固定電極15a、1
5bに0Vの電圧を印加した状態(Vs1=Vs2=Vm
0)では、可動格子9には静電気力が働かず、可動格子
9は例えば一方の配置位置である遮光位置に保持される
(図5に示す遮光状態)。この場合、平面光源から出射
され透明基板3上の開口部25を通過した光は、遮光膜
21、23によって遮光される。
【0051】また、図2(b)に示すように、電極15a
に0V、電極15bにVonの電圧を印加し、可動格子
9に0Vの電圧を印加すると(Vs1=Vm=0、Vs2
on)、可動格子9は、静電気の作用によってX方向の
電極15b側に移動して遮光膜21、23が重なる位置
で静止する(図6に示す透過状態)。この時、移動する
可動格子9によって、連結板11が弾性変形してリンク
機構部13が駆動され、可動格子9は他方の配置位置で
ある透過位置に保持される。これにより、平面光源から
出射され、透明基板3上の開口部25を通過した光は、
可動格子9のスリット7を通過して、光変調素子1の上
方に出射される。
【0052】同様に、電極15aにVon、電極15b及
び可動格子9に0Vの電圧を印加することで、可動格子
9は、再び一方の配置位置である遮光位置に戻され、そ
の状態に保持される。
【0053】なお、光変調素子1の他の駆動方式とし
て、駆動方式における各電極及び可動格子への印加電圧
に対し、それぞれVonと0Vとを入れ替えて印加する極
性を反転させた方式としても良い。極性を反転させても
上述同様の動作を得ることができる。
【0054】このように、上述の光変調素子1によれ
ば、軸17、19を介して基端が透明基板3に回動自在
に支持された連結板11の先端に、可動格子9を回動自
在に固定したので、電気機械動作によって可動格子9を
移動させることで、連結板11を弾性変形させて、格子
板5を、遮光膜23又は開口部25のいずれか一方の位
置に選択的に配置することができる。この結果、低電圧
の駆動が可能になる。また、光変調動作は、可動格子9
をスリット幅分だけの移動で行えるため、可動格子9の
変位量を大幅に短縮でき、これによっても、駆動電圧を
低く抑えることができる。
【0055】そして、可動格子9の状態を維持させるメ
モリー性を持たせることができるので、スイッチング素
子を用いずにアクティブマトリクスと同様の駆動が行え
るようになる。従って、この光変調素子1を、例えば一
次元又は二次元に配列することによって、アクティブマ
トリクス駆動可能な一次元又は二次元状のアレイ型光変
調素子を得ることができる。
【0056】なお、上述の光変調素子1は、平面表示装
置の他、露光装置としても使用でき、感光材料等への露
光を行うことができる。露光装置として使用した場合、
デジタルマルチ露光が可能となるため、特に露光により
作像を行う画像記録装置(例えばプリンタ、印刷機等)
に用いて、高速な記録(印字、或いは印刷)を可能にで
きる。
【0057】具体的には、従来の露光素子を用いたプリ
ンタでは、移転の面積を所定時間で露光するため、その
間、露光素子と像作成体との相対移動は停止することに
なる。これに対し、上述の露光装置を用いたプリンタで
は、個々のマトリクス電極に対応して設けた可動格子を
選択的に駆動することで、デジタルマルチ露光が可能と
なる。そのため、露光素子と像作成体とを相対移動させ
ながらのライン制御が行え、高速露光が可能となって、
記録速度を大幅に向上させることができる。更に、この
露光装置は、デジタルマルチ露光を活用することで、例
えば電子写真技術とオフセット印刷技術を融合したDD
CP(デジタルダイレクトカラープルーフ)や、刷版に
直接作像して転写を行うCTP(コンピュータtoプレ
ート)にも好適に用いることができる。
【0058】次に、上述の光変調素子1を用いて平面表
示装置を構成した本発明の第2実施形態を説明する。図
7は第1実施形態の光変調素子を用いて構成した平面表
示装置の要部断面図である。平面表示装置41は、図示
しない平面光源からの光(例えば紫外線)を光変調素子
1によって光変調すると共に、光変調素子1を通過して
前面板43側に出射された光によって、前面板43の可
動格子9側の面に配置された蛍光体45を励起させ、所
望の画像を形成するものである。
【0059】この場合、光変調素子1は、一次元又は二
次元のマトリクス状に配列されると共に、各光変調素子
1の位置に対応して蛍光体45を配列することで、所望
のパターンを表示することができる。前面板43は、ガ
ラス等の透明基板により形成されているが、例えば、フ
ァイバー状の基板であっても、拡散フィルム等であって
も良い。これにより、光変調素子1が表示装置として応
用される以外に、感光材料への密着露光ヘッドとしても
応用可能となる。
【0060】蛍光体45は、1画素が1つの光変調素子
で構成される場合には、その1つの光変調素子の可動格
子全体領域に配置され、1画素が複数の光変調要素で構
成される場合には、複数の光変調素子の可動格子全体に
亘って配置される。そして、隣接する蛍光体45間にブ
ラックマトリクス47を形成することにより、表示画像
のコントラストを向上させている。
【0061】また、各光変調素子毎に蛍光体45の発光
色を異なるものにすることで、例えばRGB(又はYM
C)三原色によるカラー表示が可能になる。光源は透明
基板3を挟み蛍光体45と反対側に平面光源を設ける構
成の他に、透明基板3の側端部から光を導入する構成で
あっても良い。この場合は平面表示装置の構成を簡略化
でき、コスト低減を図ることができる。
【0062】このようにして光変調素子1と蛍光体45
とを構成することにより、光変調素子1の低電圧駆動特
性を活かしつつ、光源からの光が直接的に蛍光体45に
照射されるため、高輝度・高画質の画像表示が行え、低
コストで大面積化が可能な平面表示装置41を得ること
ができる。
【0063】次に、本発明に係る光変調素子の第3実施
形態を説明する。図8は本発明による光変調素子の第3
実施形態の構成を示す一部分を切り欠いた斜視図、図9
は図8に示す光変調素子をマトリクス構成として配列し
たアレイ型光変調素子の平面図、図10は図8の光変調
素子の遮光状態及び光透過状態を示す平面図、図11は
図10のC−C断面を(a)、D−D断面を(b)に示した断
面図である。なお、以下の各実施形態において、図1〜
図7に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、
重複する説明は省略するものとする。
【0064】図8に示すように、絶縁性を有し変調しよ
うとする光に対して透明な透明基板3上には、一定の間
隔を隔てて複数の遮光膜23を形成してある。透明基板
3上には隣接する遮光膜23の間に固定壁51を一方の
遮光膜23に接して設けてある。固定壁51の内部に
は、第一の電極15が形成されており、この電極15の
表面は絶縁体53によって被覆されている。固定壁51
の上端面には遮光膜55が形成されている。従って、透
明基板3の下方から導入された光は、固定壁51の上端
面から出射されないようになっている。この固定壁51
の遮光膜55は、光変調素子を表示装置として用いた場
合のブラックマトリクスとして利用することができる。
【0065】固定壁51と、固定壁51に接しない他方
の遮光膜23との間には、開口部25が形成される。透
明基板3の下方から導入された光は、この開口部25を
通過して透明基板3の上側へ出射される。開口部25の
上方には可動子57が配設される。可動子57は、長手
方向の両端が、リンク機構部13によって透明基板3の
枠部59に支持されている。可動子57は、リンク機構
部13の連結板11を弾性変形させることで、遮光膜2
3又は開口部25のいずれか一方の位置に選択的に配置
される。
【0066】可動子57には、第2の電極10と、遮光
膜21とがそれぞれ順次積層して形成されている。この
電極10と遮光膜21は、遮光性導電膜により一体に形
成するものであっても良い。例えば、可動子57には、
金属、金属化合物、高不純物ドープ半導体、導電性高分
子等を用いることができ、それ自身に遮光性を付与して
も良い。また、絶縁体の周囲(特に可動子の側面)に導
電性膜を形成しても良い。
【0067】このように構成された光変調素子61は、
図9に一例として示す二次元のアレイ型光変調素子63
を形成することができる。アレイ型光変調素子63は、
複数の走査信号電極65を平行に配列すると共に、複数
の画像信号電極67を走査信号電極65に直交させて平
行に配列している。勿論、この例に限らず、光変調素子
を一次元に配列したアレイ型光変調素子としても良い。
このアレイ型光変調素子63は、主としてフォトリソに
よるパターニング、エッチング、メッキ、印刷、転写等
の種々の薄膜プロセス、厚膜プロセスにより形成可能と
なる。
【0068】上述の光変調素子61は、図10に示すよ
うに、電極15a、15b、及び可動子57への電圧印
加により発生する静電気力によって、矢印X方向に可動
子57を移動させることができる。この可動子57の移
動により光変調が行なわれる。即ち、図11(a)に示す
ように、可動子57が透明基板3上の開口部25に重な
る位置にあるときは、光変調素子61の下側から入射さ
れた例えば平面光源(図示せず)からの光は、遮光膜2
1及び遮光膜23により遮断され、光変調素子61上方
に出射されない(遮光状態)。一方、図11(b)に示す
ように、可動子57が透明基板3上の遮光膜23に重な
る位置にあるときは、光変調素子61の下側から出射さ
れた光は遮光膜23の位置では遮断されるが、開口部2
5の位置では光変調素子61の上方に出射される(透過
状態)。
【0069】次に、本実施形態における光変調素子61
の具体的な光変調動作を説明する。図10(a)に示すよ
うに、光変調素子61の可動子57及び電極15a、1
5bに0Vの電圧を印加した状態(Vs1=Vs2=Vm
0)では、可動子57には静電気力が働かず、可動子5
7は例えば一方の配置位置である遮光位置に保持される
(図11(a)に示す遮光状態)。この場合、平面光源か
ら出射され透明基板3上の開口部25を通過した光は、
遮光膜21、23、55によって遮光される。
【0070】また、図10(b)に示すように、電極15
aにVon、電極15bに0Vの電圧を印加し、可動子
57に0Vの電圧を印加すると(Vs2=Vm=0、Vs1
=Vo n)、可動子57は、静電気の作用によってX方向
の電極15a側に移動して遮光膜21、23が重なる位
置で静止する(図11(b)に示す透過状態)。この時、
移動する可動子57によって、連結板11が弾性変形し
てリンク機構部13が駆動され、可動子57は他方の配
置位置である透過位置に保持される。これにより、平面
光源から出射され、透明基板3上の開口部25を通過し
た光は、光変調素子61の上方に出射される。
【0071】同様に、電極15a、可動子57に0V、
電極15bにVonの電圧を印加することで、可動子5
7は、再び一方の配置位置である遮光位置に戻され、そ
の状態に保持される。
【0072】なお、この実施形態において、可動子57
の位置を図10(a)に示す遮光位置に設定しておくこと
により、透明基板3、固定壁51、及び可動子57の遮
光領域を、セルフアライメントにより同時に形成するこ
とが可能となる。
【0073】即ち、可動子57を透明基板3に対して遮
光位置となるように位置させた状態(図11(a)に示す
状態)で、可動子57及び透明基板3に、上方から金属
薄膜等を蒸着することにより、透明基板3、固定壁5
1、及び可動子57の遮光領域を同時に形成することが
できる。これにより、可動子57上の遮光膜21と透明
基板3上の遮光膜23及び固定壁51上の遮光膜55と
の位置合わせが不要となり(セルフアライメント)、製
造プロセスを高い形成精度を保ちつつ簡単にすることで
き、以て、製造コストを低減することができる。また、
漏れ光の極めて少ない遮光膜を得ることができる。
【0074】この実施形態による光変調素子61によれ
ば、リンク機構部13を介して可動子57を移動自在に
支持したので、電気機械動作によって可動子57を移動
させることで、連結板11を弾性変形させて、可動子5
7を、遮光膜23又は開口部25のいずれか一方の位置
に選択的に配置することができる。この結果、低電圧の
駆動が可能になる。また、可動子57を、透明基板3上
で高密度に配列することが可能であり、高い解像度を容
易に得ることができる。そして、1画素を格子状とする
ことで変調に必要な可動子の変位量を小さくできると共
に、可動子57も小型軽量化でき、これによっても、低
電圧で光変調を安定して行うことが可能となる。
【0075】次に、本発明に係る光変調素子の第4実施
形態を説明する。図12は本発明による光変調素子の第
4実施形態の構成を示す一部分を切り欠いた斜視図、図
13は図12の光変調素子の遮光状態及び光透過状態を
示す平面図、図14は図12のE−E断面を(a)、F−
F断面を(b)に示した断面図である。
【0076】図12に示すように、絶縁性を有し変調し
ようとする光に対して透明な透明基板3上には、一定の
間隔を隔てて複数の遮光膜23が形成されている。透明
基板3上には一対の平行な帯状のスペーサ71が形成さ
れ、このスペーサ71の上面には可撓性を有する薄膜状
の枠体73が形成されている。開口部25の上方には可
動子75が配設され、可動子75は長手方向の両端がリ
ンク機構部13によって枠体73に支持されている。可
動子75は、リンク機構部13の連結板11を弾性変形
させることで、遮光膜23又は開口部25のいずれか一
方の位置に選択的に配置される。可動子75同士の間
は、スリット7となっている。
【0077】可動子75はX方向の断面形状が方形状と
なっており、少なくとも隣接する可動子75側の面には
絶縁膜77が形成され、接触によるショートが防止され
ている。この可動子75の断面は、その殆どが遮光性を
有する遮光性導電膜79によって形成されているが、そ
の構成は遮光性導電膜79に限らず、遮光膜と導電膜と
を個別に形成するものであっても良い。
【0078】なお、遮光膜23は、スリット7と同一幅
かそれ以上の幅に形成されている。従って、図12にお
ける透明基板3の下側から導入された光は、スリット7
に相当する位置では遮光膜23によって透過が阻止さ
れ、可動子75に相当する位置では可動子75の遮光性
導電膜79によって透過が阻止され、結局、図12にお
ける上側へは透過されないことになる。
【0079】上述の光変調素子81は、隣り合う可動子
75の電圧印加により発生する静電気力によって、図1
2に示す矢印X方向に可動子75を移動させることがで
きる。この可動子75の移動により光変調が行なわれ
る。即ち、図14(a)に示すように、可動子75が透明
基板3上の開口部25に重なる位置にあるときは、光変
調素子81の下側から入射された例えば平面光源(図示
せず)からの光は、遮光膜23及び遮光性導電膜79に
より遮断され、光変調素子81上方に出射されない(遮
光状態)。
【0080】一方、図14(b)に示すように、可動子7
5が透明基板3上の遮光膜23に重なる位置にあるとき
は、光変調素子81の下側から出射された光は遮光膜2
3の位置では遮断されるが、開口部25の位置では光変
調素子81の上方に出射される(透過状態)。
【0081】次に、本実施形態における光変調素子81
の具体的な光変調動作を説明する。図13(a)に示すよ
うに、中央の可動子75の遮光性導電膜79c及び隣接
の可動子75の遮光性導電膜79a、79bに0Vの電
圧を印加した状態(Vs1=Vs2=Vm=0)では、可動
子75には静電気力が働かず、可動子75は例えば一方
の配置位置である遮光位置に保持される(図14(a)に
示す遮光状態)。この場合、平面光源から出射され透明
基板3上の開口部25を通過した光は、遮光膜79によ
って遮光される。
【0082】また、図13(b)に示すように、遮光性導
電膜79aにVon、遮光性導電膜79bに0Vの電圧を
印加し、遮光性導電膜79cに0Vの電圧を印加すると
(V s2=Vm=0、Vs1=Von)、可動子75は、静電
気の作用によって異なる電極に接続された遮光性導電膜
79aと遮光性導電膜79cを有するもの同士が吸引さ
れて、遮光膜23上に重なる位置で静止する(図13
(b)に示す透過状態)。この時、移動する可動子75に
よって、連結板11が弾性変形してリンク機構部13が
駆動され、可動子75は他方の配置位置である透過位置
に保持される。これにより、平面光源から出射され、透
明基板3上の開口部25を通過した光は、光変調素子8
1の上方に出射される。
【0083】同様に、遮光性導電膜79bにVon、遮光
性導電膜79a及び遮光性導電膜79cに0Vの電圧を
印加することで、可動子75は、再び一方の配置位置で
ある遮光位置に戻され、その状態に保持される。
【0084】この実施形態による光変調素子81によれ
ば、リンク機構部13を介して可動子75を移動自在に
支持したので、電気機械動作によって可動子75を移動
させることで、連結板11を弾性変形させて、可動子7
5を、遮光膜23又は開口部25のいずれか一方の位置
に選択的に配置することができる。この結果、低電圧の
駆動が可能になる。また、隣接する可動子75同士が接
するまでの距離だけを確保して、可動子75を、透明基
板3上で高密度に配列することが可能であり、高い解像
度を容易に得ることができる。1画素を格子状とするこ
とで変調に必要な可動子の変位量を小さくできると共
に、可動子も小型軽量化でき、これによっても、低電圧
で光変調を安定して行うことが可能となる。更に、帯状
の可動子75同士を略平行に配置するので、静電誘導に
寄与する面積を大きく稼ぐことができ、その結果、十分
な静電吸引力によって可動子75を電気機械動作させる
ことができ、安定した動作を得ることができる。
【0085】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る光変調素子は、軸を介して基端が透明基板に回動自在
に支持された連結板の先端に、可動子を回動自在に固定
したので、電気機械動作によって可動子を移動させるこ
とで、連結板を弾性変形させて、可動子を、遮光膜又は
開口部のいずれか一方の位置に選択的に配置することが
できる。この結果、低電圧の駆動が可能になる。また、
可動子の状態を維持させるメモリー性を持たせることが
できるので、スイッチング素子を用いずにアクティブマ
トリクスと同様の駆動が行えるようになる。光変調素子
を一次元又は二次元のマトリクス状に配置して構成する
ことで、一次元又は二次元の光変調を簡便に行うことが
でき、露光装置や平面表示装置の軽量化、大面積化を図
ることができる。更に、透明基板から出射された光を蛍
光体に直接的に照射できるため、光利用効率を高めて、
高輝度な表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光変調素子の第1実施形態の構成
を示す一部分を切り欠いた斜視図である。
【図2】図1の光変調素子の遮光状態及び光透過状態を
示す平面図である。
【図3】リンク機構部の断面図である。
【図4】リンク機構の製造手順を示す説明図である。
【図5】図2の光変調素子の遮光状態を示すA−A断面
図である。
【図6】図2の光変調素子の光透過状態を示すB−B断
面図である。
【図7】第1実施形態の光変調素子を用いて構成した平
面表示装置の要部断面図である。
【図8】本発明による光変調素子の第3実施形態の構成
を示す一部分を切り欠いた斜視図である。
【図9】図8に示す光変調素子をマトリクス構成として
配列したアレイ型光変調素子の平面図である。
【図10】図8の光変調素子の遮光状態及び光透過状態
を示す平面図である。
【図11】図10のC−C断面を(a)、D−D断面を(b)
に示した断面図である。
【図12】本発明による光変調素子の第4実施形態の構
成を示す一部分を切り欠いた斜視図である。
【図13】図12の光変調素子の遮光状態及び光透過状
態を示す平面図である。
【図14】図12のE−E断面を(a)、F−F断面を(b)
に示した断面図である。
【符号の説明】
1、41、61、81 光変調素子 3 透明基板 5 格子板(可動子) 7 スリット 9 可動格子 10 第2の電極 11 連結板 15 第1の電極 17、19 軸 21、23、55 遮光膜 25 開口部 57、75 可動子 41 平面表示装置 45 蛍光体 51 固定壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA04 AA06 AB04 AC06 AZ01 AZ08 5C094 AA10 AA24 AA43 AA48 BA09 BA32 BA65 BA72 BA84 BA92 BA97 CA19 EB02 ED15 FA01 FB12 FB15 GA10 5C096 AA22 AA27 BA01 BC02 BC03 BC18 BC20 CA03 CA13 CA18 CA28 CB01 CC02 CJ12 DB06 DB11 DB19 DB30 DB37 DC03 DC04 EA03 EB02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変調する光に対して透明な基板と、 該透明基板に形成され前記光の透過を阻止する遮光膜
    と、 前記透明基板に設けられ該遮光膜の形成されていない開
    口部と、 軸を介して基端が前記透明基板に回動自在に固定され先
    端が自由端となった可撓薄膜からなる一対の連結板と、 一端が一方の連結板の先端に回動自在に固定されると共
    に他端が他方の連結板の先端に回動自在に固定され該連
    結板を弾性変形させて電気機械動作により前記遮光膜又
    は前記開口部のいずれか一方の位置に選択的に移動され
    る可動子とを具備したことを特徴とする光変調素子。
  2. 【請求項2】 前記可動子が、移動方向に格子板とスリ
    ットとを交互に配列して形成される可動格子であり、 前記格子板が遮光性を有し、 前記遮光膜及び開口部が、前記スリット及び前記格子板
    に対応して前記透明基板に配設されたことを特徴とする
    請求項1記載の光変調素子。
  3. 【請求項3】 前記透明基板の可動格子移動方向両側
    に、第1の電極が設けられ、前記可動格子に、第2の電
    極が設けられ、前記第1の電極と前記第2の電極とに電
    圧印加することで静電気力を発生させて前記電気機械動
    作を行うことを特徴とする請求項2記載の光変調素子。
  4. 【請求項4】 前記可動子が遮光性を有し、前記透明基
    板に、所定間隔を空けて略平行な複数の固定壁が立設さ
    れ、該固定壁の間に、前記可動子、前記遮光膜及び前記
    開口部が配設されたことを特徴とする請求項1記載の光
    変調素子。
  5. 【請求項5】 前記可動子を挟む両側の前記固定壁に、
    第1の電極が設けられ、前記可動子に、第2の電極が設
    けられ、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧印加
    することで静電気力を発生させて前記電気機械動作を行
    うことを特徴とする請求項4記載の光変調素子。
  6. 【請求項6】 前記可動子が遮光性を有し、該可動子が
    所定間隔を空けて前記透明基板上に複数配設され、前記
    開口部が、それぞれの該可動子に重なる位置に形成され
    たことを特徴とする請求項1記載の光変調素子。
  7. 【請求項7】 隣り合う前記可動子に、第1の電極と、
    第2の電極を設け、前記第1の電極と前記第2の電極と
    に電圧印加することで静電気力を発生させて前記電気機
    械動作を行うことを特徴とする請求項6記載の光変調素
    子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれか1項記載
    の光変調素子を、一次元又は二次元のマトリクス状に配
    置して構成したことを特徴とするアレイ型の光変調素
    子。
  9. 【請求項9】 前記透明基板に向けて変調する光を照射
    する光源とは反対側に、前記透明基板を挟んで蛍光体を
    配設し、 前記透明基板の前記開口部を通過した前記光源からの光
    によって前記蛍光体が励起発光されることを特徴とする
    請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の光変調素子。
  10. 【請求項10】 前記光が、紫外線であることを特徴と
    する請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の光変調素
    子。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項10のいずれか1項
    記載の光変調素子を利用したことを特徴とする露光装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項10のいずれか1項
    記載の光変調素子を利用したことを特徴とする平面表示
    装置。
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