JPH11271650A - アレイ型露光素子及び平面型ディスプレイ - Google Patents

アレイ型露光素子及び平面型ディスプレイ

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JPH11271650A
JPH11271650A JP10075849A JP7584998A JPH11271650A JP H11271650 A JPH11271650 A JP H11271650A JP 10075849 A JP10075849 A JP 10075849A JP 7584998 A JP7584998 A JP 7584998A JP H11271650 A JPH11271650 A JP H11271650A
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JP
Japan
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light
opening
type exposure
flat
array
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Pending
Application number
JP10075849A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Kimura
宏一 木村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication of JPH11271650A publication Critical patent/JPH11271650A/ja
Priority to US09/429,923 priority patent/US6195196B1/en
Pending legal-status Critical Current

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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速露光が可能で明るい露光が得られるアレ
イ型露光素子、及び安価なコストで大面積化が可能な光
利用効率の高い平面型ディスプレイを提供する。 【解決手段】 平面光源1からの光を一次元又は二次元
の光変調アレイ素子によって光変調するアレイ型露光素
子13であって、一画素より小さな面積の開口部9、又
は一画素を複数に分割した場合にあっては、この分割し
た個々の領域より小さな面積の開口部を、光変調部5に
設ける。平面光源1からの光を、この光変調部5の開口
部9に集光させる集光手段11を設ける。また、光変調
部5から出射させた光は、蛍光体を発光表示させるもの
であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば紫外線感光
材料、可視光感光材料、赤外光感光材料などの露光に用
いて好適なアレイ型露光素子、及び光変調アレイ素子に
よって例えば蛍光体を発光表示させる平面型ディスプレ
イに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種作像プロセスに用いるデジタ
ル露光方法としては、レーザ光を用いるものや、UV光
源とLCDシャッターとを用いるもの、或いは、UV光
源と電気光学結晶シャッターを用いるものなどがある。
【0003】レーザ光を用いるものは、像形成体と、レ
ーザビームとを相対的に移動させる例えばラスタ走査に
より連続的な露光を行う。この方法は、微細な像の作像
を、それ自体の像発生機能を用いて行うことができる。
【0004】UV光源とLCDシャッターとを用いるも
のは、LCDシャッターの有する、電界による分子の配
列変化に伴う光学的性質の変化を利用して、紫外線を選
択的に遮断することで露光を制御する。
【0005】UV光源と電気光学結晶シャッターとを用
いるものは、屈折率変化が印加電界の1乗に比例する電
気光学結晶の一次電気光学効果を利用する。この電気光
学結晶シャッターとしては、例えばポッケルスセルがあ
る。ポッケルスセルは、電気光学結晶の平行平面板を光
学軸に垂直に切り出し、光学軸方向に電界を印加すると
共に、この方向に紫外線を透過した時に生じる複屈折を
利用して露光を制御する。
【0006】また、薄型の平面表示装置としては、従来
種々のものが提案されており、代表的なものに、例えば
液晶表示装置、プラズマ表示装置、フィールドエミッシ
ョンディスプレイ(FED)等がある。
【0007】液晶表示装置は、導電性透明膜を形成した
一対の基板間に、配向した液晶を入れて封止し、これを
直交した偏光板で挟んだ構造を有する。液晶表示装置に
よる表示は、導電性透明膜に電圧を印加することで、液
晶分子を基板に対して垂直に配向し、バックライトから
の光の透過率を変化させることで行う。フルカラー表示
や、動画像対応性を持たせるためには、TFT(薄膜ト
ランジスタ)を用いたアクティブマトリクス液晶パネル
が使用される。
【0008】プラズマ表示装置は、ネオン等の希ガスを
封入した二枚のガラス板の間に、陽極と陰極に相当する
規則的に配列した直交方向の電極を多数配置し、それぞ
れの対向電極の交点部を単位画素とした構造を有する。
プラズマ表示装置による表示は、画像情報に基づき、そ
れぞれの交点部を特定する対向電極に、選択的に電圧を
印加することにより、この交点部を放電発光させ、発生
した紫外線により蛍光体を励起させて行う。
【0009】FEDは、微小間隔を介して一対のパネル
を対向配置し、これらパネルの周囲を封止する平板状の
表示管としての構造を有する。表示面側のパネルの内面
には、蛍光膜を設け、背面パネル上には個々の単位発光
領域ごとに電界放出陰極を配列する。電界放出陰極は、
微小サイズのエミッタティプと称される錐形突起状の電
界放出型マイクロカソードを有している。FEDによる
表示は、エミッタティプを用いて電子を取出し、これを
蛍光体に加速照射することで、蛍光体を励起させて行
う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
デジタル露光に用いる各手段には、以下に述べる種々の
問題があった。即ち、レーザ光を用いるものでは、装置
が大型化すると共に、装置コストが増大する不利があ
る。また、レーザビームを走査することにより露光を行
うため、像形成体に対して全面露光を行うことができ
ず、マルチチャンネル化が難しく、高速露光が困難であ
った。UV光源とLCDシャッターとを用いるもので
は、LCDシャッターを構成する複数の透過要素を透過
させるため、光利用効率が低下すると共に、LCDシャ
ッターの紫外線に対する耐久性が低い問題もあった。U
V光源と電気光学結晶シャッターとを用いるものは、駆
動電圧が高いと共に、ADP(NH4 H2 PO4 )、K
DP(KH2 PO4 )などの結晶を切り出して電気光学
結晶シャッターを作成するため、二次元アレイ化が困難
である問題があった。
【0011】また、上述の各平面表示装置には、以下に
述べる種々の問題があった。即ち、液晶表示装置では、
バックライトからの光を、偏光板、透明電極、カラーフ
ィルターの多数層に透過させるため、光利用効率が低下
する問題があった。また、高品位型にはTFTが必要と
され、且つ二枚の基板間に液晶を注入し、配向させなけ
ればならないことも相まって、大面積化が困難である欠
点があった。さらに、配向した液晶分子に光を透過させ
るため、視野角度が狭くなる欠点があった。プラズマ表
示装置では、画素毎にプラズマを発生させるための隔壁
形成と、高度な真空封止とが要求され、製造コストが高
くなると共に、大重量となる欠点があった。また、単位
画素ごとに、陽極と陰極に相当する多数の電極を規則的
に配列しなければならないため、電極数が多くなると共
に、高精細、高輝度の画像が得にくい欠点があった。さ
らに、駆動電圧が高く、駆動ICが高価な欠点もあっ
た。FEDでは、放電を高効率且つ安定化させるため
に、パネル内を高真空にする必要があり、プラズマ表示
装置と同様に製造コストが高くなる欠点があった。ま
た、電界放出した電子を加速して蛍光体へ照射するた
め、高電圧が必要となる不利もあった。
【0012】さらに、露光素子には、静電気によるクー
ロン力によって遮光部材を変位(電気機械動作)させ
て、UV平面光源からの光を変調する光変調機構を備え
たものが知られている。従来、この種の露光素子の光変
調機構は、少なくとも一つの画素と略同等の大きさを有
するものであった。即ち、可動部材が比較的大きく、駆
動のためのエネルギーが大きくなっていた。このため、
機構動作において十分な高速化が図れず、且つ光変調機
構の設計自由度も小さかった。また、サイズを小さくす
るため、光変調機構の開口率を小さくすれば、それに比
例して出射光が減少し、露光、表示が暗くなった。
【0013】本発明は上記の状況に鑑みてなされたもの
で、その第一の目的とするところは、装置コストの増大
するレーザ光を用いず、高速な露光が可能で、しかも、
光変調機構の設計自由度が高く、明るい露光が得られ、
且つ駆動電圧の低いアレイ型露光素子の提供を目的とす
る。
【0014】また、第二の目的とするところは、高真空
化が不要で、安価なコストで大面積化が可能であり、し
かも、光利用効率が良く、且つ駆動電圧も低い平面型デ
ィスプレイの提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る請求項1のアレイ型露光素子の構成は、
平面光源からの光を一次元又は二次元の光変調アレイ素
子によって光変調するアレイ型露光素子であって、一画
素より小さな面積の開口部、又は該一画素を複数に分割
した場合にあっては該分割した個々の領域より小さな面
積の開口部を有する光変調部と、前記平面光源からの光
を該光変調部の前記開口部に集光させる集光手段とを具
備したことを特徴とする。
【0016】このアレイ型露光素子では、平面光源から
の光が集光手段によって集光される。集光された光は、
光変調部の開口部から出射される。従って、光変調部の
開口率を小さくすることができる。このため、電気機械
動作で光変調を行う光変調部では、機構が小さくなり、
可動部材が小型化されて、高速動作が可能となる。ま
た、集光手段により集光を行うので、小さな開口面積に
おいても、高効率で明るい露光が可能となる。
【0017】請求項2のアレイ型露光素子の構成は、平
面光源からの光を二次元の光変調アレイ素子によって光
変調し、該光変調した光を蛍光体によって波長変換させ
る可視光、赤外光のアレイ型露光素子であって、一画素
より小さな面積の開口部、又は該一画素を複数に分割し
た場合にあっては該分割した個々の領域より小さな面積
の開口部を有する光変調部と、前記平面光源からの光を
該光変調部の前記開口部に集光させる集光手段とを具備
したことを特徴とする。
【0018】このアレイ型露光素子では、平面光源から
の光を二次元の光変調アレイ素子によって光変調し、こ
の光変調した光を蛍光体によって波長変換させる。そし
て、このアレイ型露光素子においても、平面光源からの
光が集光手段によって集光され、集光された光は、光変
調部の開口部から出射される。従って、光変調部の開口
率を小さくすることができ、電気機械動作で光変調を行
う光変調部において、可動部材が小型化されて、高速動
作が可能となる。
【0019】請求項3の平面型ディスプレイの構成は、
平面光源からの光を二次元の光変調アレイ素子によって
光変調し、該光変調した光によって蛍光体を発光表示さ
せる平面型ディスプレイであって、一画素より小さな面
積の開口部、又は該一画素を複数に分割した場合にあっ
ては該分割した個々の領域より小さな面積の開口部を有
する光変調部と、前記平面光源からの光を該光変調部の
前記開口部に集光させる集光手段とを具備したことを特
徴とする。
【0020】この平面型ディスプレイでは、平面光源か
らの光を二次元の光変調アレイ素子によって光変調し、
光変調した光によって蛍光体を発光表示させる。そし
て、このアレイ型露光素子においても、平面光源からの
光が集光手段によって集光され、集光された光は、光変
調部の開口部から出射される。従って、光変調部の開口
率を小さくすることができ、電気機械動作で光変調を行
う光変調部において、可動部材が小型化されて、高速動
作が可能となる。また、光変調部の小型化が可能となる
ので、機構形状、機構形成位置の規制が少なくなり、設
計自由度が高まることになる。
【0021】請求項4のアレイ型露光素子又は平面型デ
ィスプレイの構成は、前記平面光源からの光が、紫外線
であることを特徴とする。
【0022】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、集光された紫外線が光変調部により光変調さ
れ、紫外線感光材料の露光、或いは蛍光体を励起するこ
とによる発光表示が可能となる。
【0023】請求項5のアレイ型露光素子又は平面型デ
ィスプレイの構成は、前記光変調部が、静電気応力によ
って変形して光の透過率を変化させる可撓薄膜を有する
ことを特徴とする。
【0024】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、静電気応力によって可撓薄膜を変形させて、
光変調を行うので、駆動電圧を低くできる。また、高速
な駆動が可能となる。さらに、エッチングによるアレイ
化が容易となる。
【0025】請求項6のアレイ型露光素子又は平面型デ
ィスプレイの構成は、前記光変調部が、静電気応力によ
る移動によって前記集光手段の焦点近傍の光を遮光又は
遮光解除する遮光部を有することを特徴とする。
【0026】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、焦点に対して遮光部を移動するので、光の遮
光が確実となる。
【0027】請求項7のアレイ型露光素子又は平面型デ
ィスプレイの構成は、前記遮光部が、前記静電気応力に
よって光軸に対して略直交方向に移動することを特徴と
する。
【0028】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、遮光又は遮光解除時における遮光部の動作
が、直線方向となり、信頼性の高い機構が得られる。
【0029】請求項8のアレイ型露光素子又は平面型デ
ィスプレイの構成は、前記遮光部が、前記静電気応力に
よって光軸と略同方向に移動することを特徴とする。
【0030】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、遮光部が光軸方向に移動するので、遮光部を
光軸直交方向に移動させる場合に比べて、隣接する光変
調部との間隔を小さくできる。
【0031】請求項9のアレイ型露光素子又は平面型デ
ィスプレイの構成は、前記光変調部が、静電気応力によ
る移動によって前記集光手段の焦点近傍の光を遮光又は
遮光解除する開口部を有することを特徴とする。
【0032】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、焦点に対して開口部を移動するので、焦点に
対して遮光部を移動する場合に比べて、遮光解除時に遮
光部が光軸上に位置することによる、光強度の低下が防
止できる。即ち、遮光部を移動する場合に比べて、明る
い露光、表示が得られる。
【0033】請求項10のアレイ型露光素子又は平面型
ディスプレイの構成は、前記開口部が、前記静電気応力
によって光軸に略直交方向に移動することを特徴とす
る。
【0034】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、遮光又は遮光解除時における開口部の動作
が、直線方向となり、信頼性の高い機構が得られる。
【0035】請求項11のアレイ型露光素子又は平面型
ディスプレイの構成は、前記開口部が、前記静電気応力
によって光軸と略同方向に移動することを特徴とする。
【0036】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、開口部が光軸方向に移動するので、開口部を
光軸直交方向に移動させる場合に比べて、隣接する光変
調部との間隔を小さくできる。
【0037】請求項12のアレイ型露光素子又は平面型
ディスプレイの構成は、前記開口部が、透孔であること
を特徴とする。
【0038】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、光が透孔である開口部を通過することで、光
強度の低下がない。
【0039】請求項13のアレイ型露光素子又は平面型
ディスプレイの構成は、前記光変調部の光軸方向の前方
又は後方に、前記開口部を通過する光軸方向の光のみを
遮光する遮光手段を配設したことを特徴とする。
【0040】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、遮光時に、開口部を通過する光軸方向の光が
遮光手段によって遮断され、露光或いは表示のコントラ
ストが高まる。
【0041】請求項14のアレイ型露光素子又は平面型
ディスプレイの構成は、前記開口部と略同一面積の平行
光を前記開口部に入射させる平行光化手段を、前記開口
部と前記集光手段との間に配設したことを特徴とする。
【0042】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、集光手段によって集光された光が、平行光と
なって開口部に入射する。これにより、干渉型、回析型
の光変調が有効となる。
【0043】請求項15のアレイ型露光素子又は平面型
ディスプレイの構成は、前記光変調部と前記集光手段と
の間に、ファイバープレートを設けたことを特徴とす
る。
【0044】このアレイ型露光素子又は平面型ディスプ
レイでは、集光手段と光軸を一致させる必要のある平行
光化手段を用いずに、集光された光を平行光化できる。
これにより、平面光源からの光を、変調部への入射面積
を小さくした状態で変調部に導光させることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るアレイ型露光
素子及び平面型ディスプレイの好適な実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0046】図1は本発明に係るアレイ型露光素子の第
一実施形態の断面図である。紫外線の平面光源1の出射
側には、平面光源1との間隔を有して紫外線に対して透
明な透明基板3を平行に配設してある。平面光源1は、
例えば、図示しない導光板の側面に光源となる図示しな
い紫外線ランプなどを配設して構成してある。この平面
光源1では、紫外線ランプからの光が図1の上方へ導か
れて出射される。
【0047】透明基板3の平面光源1とは反対側の面に
は、光変調部5を形成してある。光変調部5は一次元又
は二次元に配設される。光変調部5には、非開口部7を
形成してある。非開口部7は、一画素に対応した面積の
領域Sで区画してある。
【0048】それぞれの非開口部7には、一画素より小
さな面積の開口部9を形成してある。この例では、開口
部9を、非開口部7の中央部に形成している。非開口部
7は、透明基板3を透過した光を遮光する。開口部9
は、透明基板3を透過した光を通過させる。従って、平
面光源1からの光は、開口部9のみを通過して光変調部
5から出射されることになる。
【0049】透明基板3の平面光源1側の面には、集光
手段であるマイクロレンズ11を、それぞれの非開口部
7、つまり、一画素ごとに対応させて形成してある。こ
の例によるマイクロレンズ11は、平面光源1側に突出
させた凸曲面状のものとしている。マイクロレンズ11
は、平面光源1から入射させた光を、光変調部5の開口
部9に集光する。
【0050】マイクロレンズ11としては、透明体の屈
折端面での屈折を利用するレンズ、内部の連続的な屈折
率分布による屈折を利用するレンズ(分布屈折率レン
ズ)、周期的構造による光の回析を利用するレンズ(グ
レーティングレンズ)などを用いることができる。
【0051】また、マイクロレンズ11としては、多数
の半球状の分布屈折率レンズを、一次元に等間隔で配置
した一次元レンズアレイ、又は二次元的に等間隔で配置
した平板マイクロレンズとして形成することもできる。
【0052】平板マイクロレンズは、ガラス平板の表面
近傍に、屈折率分布を形成して微小レンズの機能を得る
素子である。多成分ガラスの表面に金属などの膜を堆積
し、リソグラフィーで円形開口を開けたものをマスクと
してイオン交換を行い、円形開口の下の半球形の領域の
屈折率を増加させて得る。基板に垂直に入射する光に対
してレンズ作用を行わせる。一次元及び二次元のレンズ
アレイを容易に量産できる利点を有する。
【0053】このように構成したアレイ型露光素子13
では、平面光源1からの光が、マイクロレンズ11によ
って一画素ごとに集光される。マイクロレンズ11によ
って集光された光は、光変調部5の開口部9から出射さ
れることとなる。
【0054】このアレイ型露光素子13によれば、一画
素に対応した非開口部7に、これより小さな面積の開口
部9を形成したので、開口率を小さくすることができ
る。この結果、例えば静電気応力による可撓薄膜の撓み
動作(電気機械動作)で光変調を行う光変調部5などの
場合では、光変調機構を小さくできるため、可動部材
(可撓薄膜)の質量を小さくして、動作の高速化を図る
ことができる。
【0055】また、機構を小さくできるので、形成位置
の規制が少なくなり、光変調部5の設計自由度を高める
ことができる。
【0056】更に、マイクロレンズ11により集光を行
うので、小さな開口面積においても、高効率で明るい露
光を可能にすることができる。
【0057】なお、上述の実施形態では、マイクロレン
ズ11を光変調部5と一体に設けた場合を例に説明した
が、本発明に係るアレイ型露光素子は、マイクロレンズ
11を光変調部5と分離して設けてもよく、又は平面光
源1側に設けてもよい。平面光源1の出射光は、平行光
が好ましいが、面法線方向に指向性を持たせた拡散光で
あってもよい。光変調部5の前面部には、結像レンズ、
分布屈折率レンズ(例えば、商品名:セルフォックレン
ズなど)を設けてもよい。
【0058】図2は第一実施形態の変形例1を示す断面
図である。この変形例1に係るアレイ型露光素子15
は、一画素に対応した面積の領域Sを、更に複数の領域
mに分割してある。従って、非開口部17及びマイクロ
レンズ19は、この領域mに対応して形成してある。そ
して、それぞれの非開口部17には、非開口部17より
小さな面積の開口部21を形成してある。他の構成は、
上述した第一実施形態のアレイ型露光素子13と同様で
ある。
【0059】このアレイ型露光素子15は、光変調部2
3の機構を更に小さくできるため、動作の高速化を図る
ことができる。そして、機構を小さくできるので、光変
調部23の設計自由度を高めることができる。また、マ
イクロレンズ11により集光を行うので、小さな開口面
積においても、高効率で明るい露光を可能にすることが
できる。
【0060】更に、この変形例1によれば、一画素に対
応した面積の領域Sを、更に複数の領域mに分割してあ
るので、一画素を分割した微小面積での面積階調露光を
可能にすることができる。
【0061】図3は第一実施形態の変形例2を示す断面
図である。この変形例2に係るアレイ型露光素子25
は、マイクロレンズ11を、光変調部5と分離して設け
てある。また、分離したマイクロレンズ11は、例えば
図示しない平面光源の出射面上に設けるものであっても
よい。個々のマイクロレンズ11は、上述のアレイ型露
光素子13と同様に、光軸が開口部9の中心と一致する
ようにそれぞれ配設してある。
【0062】このアレイ型露光素子25によれば、光変
調部5とマイクロレンズ11とを分離したので、透明基
板3とマイクロレンズ11とを別体で製作できる。この
ため、両者を一体形成する場合に比べて、透明基板3、
マイクロレンズ11の材料選択の自由度を高めることが
できる。即ち、それぞれに最適な材料を用いて透明基板
3、マイクロレンズ11を製作できる。
【0063】図4は本発明に係るアレイ型露光素子の第
二実施形態の断面図である。この第二実施形態に係るア
レイ型露光素子27は、図1で示したアレイ型露光素子
13の光変調部5の出射側に、蛍光体29を形成した前
面透明基板31を対向配置してある。
【0064】蛍光体29は、例えば三原色(R、G、
B)29a、29b、29cを、個々の光変調部5に対
応させて配設してある。前面透明基板31は、蛍光体2
9の蛍光波長に対して透明な材質のものを用いてある。
例えば、透明ガラス板の他、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネートなどの樹脂フィルムにより形成す
ることができる。
【0065】このように構成されたアレイ型露光素子2
7では、マイクロレンズ11によって集光された光が、
光変調部5の開口部9へ進入する。開口部9へ進入した
光は、光変調部5によって露光制御され、蛍光体29に
衝突する。これにより、アレイ型露光素子27は、一次
元又は二次元の可視光や赤外光の露光を行う。
【0066】従って、このアレイ型露光素子27は、平
面光源1からの光を光変調部5によって光変調し、この
光変調した光によって蛍光体29を発光表示させる平面
型ディスプレイを構成することができる。
【0067】このアレイ型露光素子27によれば、集光
した光によって蛍光体29を発光させるので、高い光利
用効率を得ることができる。また、このアレイ型露光素
子27を用いた平面型ディスプレイによれば、蛍光体2
9を面発光させるので、液晶表示装置のように、配向し
た液晶分子の間を光を透過させる場合に比べて、視野角
度を広くすることができる。更に、プラズマ表示装置の
場合のように、プラズマを発生させるための隔壁形成
や、高真空化が不要となるので、軽量化且つ大画面化が
容易となる。
【0068】図5は第二実施形態の変形例1を示す断面
図である。この変形例1に係るアレイ型露光素子33
は、図2に示した第一実施形態の変形例1のアレイ型露
光素子15に、蛍光体29を形成した前面透明基板31
を付加したものである。
【0069】即ち、アレイ型露光素子33は、一画素に
対応した面積の領域Sを、更に複数の領域mに分割して
ある。前面透明基板31に設けられる個々の蛍光体29
a、29b、29cは、一画素に対応した面積で形成し
てある。従って、例えばR、G、Bからなる個々の蛍光
体29a、29b、29cは、複数の領域mから構成さ
れる一画素分を受け持つこととなる。
【0070】このアレイ型露光素子33によれば、個々
の領域mに対応した光変調部23を制御することによ
り、一画素に対応する個々の蛍光体29a、29b、2
9cを異なる明るさに設定して階調制御することができ
る。
【0071】図6は本発明に係るアレイ型露光素子の第
三実施形態の斜視図、図7は図6に示したアレイ型露光
素子27の断面図、図8は図6に示したアレイ型露光素
子の動作状態を説明する断面図である。
【0072】この実施形態に係るアレイ型露光素子35
の光変調部34は、上述した第一、第二実施形態のアレ
イ型露光素子13、15、25、27、33の光変調部
5、23として用いることができる。
【0073】紫外線に対して透明な基板37上には、紫
外線に対して透明な透明電極39を設けてある。基板3
9は、光が透過する開口部41以外を絶縁性の遮光膜4
3で遮光してある。従って、開口部41以外の遮光膜4
3の表面は、非開口部45となる。透明電極39、遮光
膜41の表面には、絶縁膜47を形成してある。
【0074】開口部41の両側には、基板37上に起立
した一対の絶縁性の支柱49を設けてある。支柱49の
上端には、可撓薄膜である遮光部(遮光板)51を架設
してある。遮光板51は、梁部51aの両端を支柱49
に固設してある。遮光板51は、梁部51aの側部から
から開口部41を覆うように延出している。つまり、遮
光板51は、片持ち梁構造となっている。遮光板51
は、開口部41の形状と略相似しており、開口部41よ
り若干大きく形成してある。
【0075】遮光板51は、導電性で紫外線を吸収、又
は反射する材料からなる。また、遮光板51は、単一の
薄膜で構成されてもよく、複数の薄膜で構成されてもよ
い。具体的には、紫外線を反射するアルミ、クロムなど
の金属薄膜、紫外線を吸収するポリシリコンなどの半導
体による単体構成や、シリコン酸化物、シリコン窒化物
などの絶縁膜、ポリシリコンなどの半導体薄膜に金属を
蒸着した構成、又は誘電体多層膜などのフィルターを蒸
着した複合構成とすることができる。
【0076】基板37の図示しない平面光源側には、開
口部41に対応させて、マイクロレンズ11を形成して
ある。
【0077】このように構成された光変調部34を有す
るアレイ型露光素子35を、図示しない平面光源上に配
置する。導電性の遮光板51と透明電極39との間に電
圧を印加しないときは、遮光板51は開口部41と対向
する。従って、図8(a)に示すように、開口部41か
ら透過した紫外線は、遮光板51によって吸収又は反射
される。
【0078】一方、遮光板51と透明電極39との間に
電圧を印加すると、図8(b)に示すように、両者間に
働く静電気応力により、遮光板51が基板37に対して
略垂直方向に移動し、ねじれながら透明電極39側に傾
く。即ち、遮光板51による遮断がなくなる。これによ
り開口部41から透過した紫外線は、更に前方に透過す
ることができる。また、再度電圧をゼロにすると、梁の
弾性により遮光板51は元の位置に復帰する。
【0079】この光変調部34では、遮光板51を撓め
ることにより、紫外線の進路を変化させて、紫外線の光
変調が可能となる。更に、電圧の値により、遮光板51
の傾き度合い、即ち、透過光量を連続的に変化させるこ
とが可能である。これを利用して印加電圧による階調制
御が可能となる。
【0080】このアレイ型露光素子35によれば、マイ
クロレンズ11を設けることにより平面光源からの光を
集光させることができる。従って、非開口部45を有す
る光変調部34においても、光利用効率を高めることが
できる。
【0081】また、マイクロレンズ11の集光により、
開口部41を小さくできるので、遮光板51を小さくす
ることができる。このため、低電圧、高速応答の光変調
部を得ることができる。更に、遮光板51が小さいの
で、動作時の変位量が小さくて済む。このことから、遮
光板51の材質的な疲労が少なくなり、光変調部の耐久
性、信頼性も高めることができる。
【0082】図9は第三実施形態の変形例1を示す断面
図、図10は図9のA−A断面図、図11は図9に示し
たアレイ型露光素子の動作状態を説明する平面図、図1
2は図11の断面図である。
【0083】この実施形態に係るアレイ型露光素子55
の光変調部57は、上述した第一、第二実施形態のアレ
イ型露光素子13、15、25、27、33の光変調部
5、23として用いることができる。
【0084】紫外線に対して透明な基板59上には、一
対の平行な支柱61を突設してある。一対の支柱61の
間には、支柱61間の距離の略半分の長さの二対の対向
電極63、65を左右の支柱61方向に並べて配設して
ある。一方の対向電極65の間には、基板59を覆う遮
光膜67を形成してある。即ち、基板59は、遮光膜6
7を形成した部分が非開口部69となり、遮光膜67を
形成していない部分が開口部71となる。従って、基板
59を透過する光は、他方の対向電極63間の開口部7
1のみから出射することとなる。
【0085】二対の対向電極63、65の対向空間に
は、支柱61間の距離の略半分の長さの遮光部(電極遮
光板)73を設けてある。電極遮光板73は、両側を可
撓部材(例えば折れ線バネ)75を介して、左右の支柱
61に支持してある。電極遮光板73は、折れ線バネ7
5を弾性変形させることで、平行移動して左右いずれか
の対向電極63、65側に片寄せられるようになってい
る。
【0086】基板59の平面光源側には、開口部71に
対応させて、マイクロレンズ11を形成してある。
【0087】このように構成された光変調部57を有す
るアレイ型露光素子55を、図示しない平面光源上に配
置する。そして、電極遮光板73に電圧を印加せず、開
口部71側の対向電極63のみに電圧を印加すると、静
電気応力によって電極遮光板73は、図11(a)、図
12(a)に示すように、開口部71側へ移動する。こ
れにより、マイクロレンズ11により集光され、開口部
71を通過しようとする光は、電極遮光板73によって
遮光されることとなる。
【0088】一方、電極遮光板73に電圧を印加し、開
口部71側の対向電極63のみに電圧を印加すると、静
電気応力によって電極遮光板73は、図11(b)、図
12(b)に示すように、遮光膜67側へ移動する。こ
れにより、マイクロレンズ11により集光され、開口部
71を通過しようとする光は、開口部71から出射する
こととなる。
【0089】この光変調部57では、対向電極63、6
5、電極遮光板73への電圧印加に伴う静電気応力によ
って、電極遮光板73が基板59の面に沿って水平移動
する。そして、基板59には、電極遮光板73の移動範
囲の片側半分のみに開口部71を設けてあるので、電極
遮光板73の水平移動により、平面光源からの光の遮
断、透過を制御することができる。
【0090】このような水平に移動する電極遮光板73
を有する光変調部57の場合、非開口部69の面積が大
きくなる。この場合においても、マイクロレンズ11を
設けることにより平面光源からの光を集光させることが
できる。従って、比較的大きな非開口部69を有するこ
のような光変調部57においても、光利用効率を高める
ことができる。
【0091】図13は本発明に係るアレイ型露光素子の
第四実施形態の断面図、図14は図13のアレイ型露光
素子の遮光膜の例を示した画素平面図、図15は図13
に示したアレイ型露光素子の動作状態を説明する断面図
である。
【0092】この実施形態に係るアレイ型露光素子77
の光変調部79は、上述した第一、第二実施形態のアレ
イ型露光素子13、15、25、27、33の光変調部
5、23として用いることができる。
【0093】紫外線に対して透明な基板81上には、一
対の平行な支柱83を突設してある。一対の支柱83の
上端面には、基板81から離れた透明な可撓薄膜85を
形成してある。従って、基板81と可撓薄膜85との間
には、空隙87が形成されている。可撓薄膜85の上面
には、遮光部(遮光膜)89を形成してある。
【0094】基板81の図示しない平面光源側の面に
は、一つの光変調部79に対応させてマイクロレンズ1
1を設けてある。
【0095】遮光膜89は、マイクロレンズ11の形状
に対応させて変える。即ち、マイクロレンズ11が一次
元(シリンドリカル)レンズの場合、図14(a)に示
すように直線状に形成する。また、遮光膜89は、マイ
クロレンズ11が二次元レンズの場合、図14(b)に
示すように島状に形成する。
【0096】基板81上には、一対の支柱83の間に、
基板側透明電極91を形成してある。また、可撓薄膜8
5上には、基板側透明電極91に対向させて膜側透明電
極93を形成してある。この例による膜側透明電極93
は、可撓薄膜85の表面に、遮光膜89を覆うように形
成してある。
【0097】支柱83は、不透明材料で形成することが
できる。また、導電性、非導電性のいずれの材料を用い
てもよい。可撓薄膜85は、絶縁体(シリコン酸化物、
シリコン窒化物、ガラス、高分子など)の透明材料で形
成することができる。遮光膜89は、カーボン分散樹
脂、顔料混入樹脂、金属、窒化金属などの不透明材料で
形成することができる。また、光吸収材、光反射材のい
ずれでもよい。更に、導電性、非導電性のいずれの材料
を用いてもよい。基板側透明電極91は紫外線を透過す
る導電性材料(ITO等)で形成し、膜側透明電極93
は薄膜金属で形成することができる。
【0098】基板側透明電極91と膜側透明電極93と
は、例えば相互に直交する方向に並んだ格子状に配設し
てある。従って、基板側透明電極91と膜側透明電極9
3とは、所定のものを選択することで、二次元の特定の
対向電極部を指定できる。対向電極部には、画像情報に
基づき選択的に電圧が印加される。
【0099】この光変調部79では、基板側透明電極9
1と膜側透明電極93との間に、電圧を印加すると、静
電気応力によって可撓薄膜85が吸引されて空隙87側
に撓む。これにより、図15(a)に示すように、マイ
クロレンズ11の焦点位置に、遮光膜89が移動し、基
板81、基板側透明電極91を透過した光が遮光膜89
によって遮断されることになる。
【0100】一方、基板側透明電極91と膜側透明電極
93との間の電圧印加を解除すると、可撓薄膜85は、
弾性復帰力により元の位置に戻る。これにより、マイク
ロレンズ11の焦点位置と、遮光膜89の位置がずれ、
基板81、基板側透明電極91を透過した光は、更に可
撓薄膜85、膜側透明電極93を透過して出射されるこ
とになる。
【0101】従って、基板側透明電極91と膜側透明電
極93との間に、画像情報に基づき選択的に電圧を印加
することで、電気機械動作によって光変調部79を駆動
して、所望の露光制御が可能となる。
【0102】このアレイ型露光素子77は、マイクロレ
ンズ11により焦点を形成し、この焦点に対して遮光膜
89を移動させ、光を遮断又は透過させる。このため、
開口部を開閉して制御を行う光変調部に比べて、少ない
遮光部の移動量で遮断又は透過を制御することができ
る。この結果、動作を高速化することができる。
【0103】従って、装置コストの増大するレーザ光を
用いず、安価な平面光源により、高速なデジタルマルチ
露光を可能にすることができる。また、基板81、基板
側透明電極91、支柱83などのエッチングによるアレ
イ化が容易なので、製造コストを安価にすることができ
る。また、レーザ光を用いる露光に比べて駆動電圧を低
くすることができる。
【0104】なお、このアレイ型露光素子77の光変調
部79は、基板側透明電極91を絶縁体で被覆してもよ
い。この場合、可撓薄膜85に透明導電材料を使用する
ことができる。可撓薄膜85、遮光膜89、膜側透明電
極93の積層順番は、いずれの順番であってもよく、ま
た、これらのいずれかを兼用するものであってもよい。
【0105】さらに、可撓薄膜85の撓みと、光の遮断
又は透過の制御は、上述の例と逆であってもよい。即
ち、この場合には、可撓薄膜85を撓めた時に、焦点と
遮光膜89とがずれて、光が出射されることとなる。
【0106】さらに、光変調部79は、脱気した後、希
ガスを封入して、全体を封止し、外乱の影響を防止して
安定化を図るものであってもよい。
【0107】図16は本発明に係るアレイ型露光素子の
第五実施形態の断面図、図17は図16のアレイ型露光
素子の開口部の例を示した画素平面図、図18は図16
に示したアレイ型露光素子の動作状態を説明する断面図
である。なお、図13に示した部材と同一の部材には、
同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0108】この実施形態に係るアレイ型露光素子95
の光変調部97は、上述した第一、第二実施形態のアレ
イ型露光素子13、15、25、27、33の光変調部
5、23として用いることができる。
【0109】可撓薄膜85の上面には、遮光膜99を形
成してある。この遮光膜99の中央部には、開口部10
1を形成してある。開口部101は、マイクロレンズ1
1が一次元(シリンドリカル)レンズの場合、図17
(a)に示すように直線状に形成する。また、開口部1
01は、マイクロレンズ11が二次元レンズの場合、図
17(b)に示すように島状に形成する。
【0110】他の構成、即ち、基板81、支柱83、マ
イクロレンズ11、可撓薄膜85、基板側透明電極9
1、膜側透明電極93は、上述の図13に示したアレイ
型露光素子77と同様のものとなっている。
【0111】この光変調部97では、基板側透明電極9
1と膜側透明電極93との間に電圧を印加しないと、可
撓薄膜85は平面状となって、基板81と平行となる。
これにより、図18(a)に示すように、マイクロレン
ズ11の焦点位置と開口部101の位置がずれ、基板8
1、基板側透明電極91、可撓薄膜85を透過した光
は、遮光膜99によって遮断されることになる。
【0112】一方、基板側透明電極91と膜側透明電極
93との間に、電圧を印加すると、静電気応力によって
可撓薄膜85が吸引されて空隙87側に撓む。これによ
り、図18(b)に示すように、マイクロレンズ11の
焦点位置に、開口部101が移動し、基板81、基板側
透明電極91、可撓薄膜85を透過した光は、さらに開
口部101、膜側透明電極93を透過して出射されるこ
とになる。
【0113】従って、図13に示したアレイ型露光素子
77の場合と同様、基板側透明電極91と膜側透明電極
93との間に、画像情報に基づき選択的に電圧を印加す
ることで、電気機械動作によって光変調部97を駆動し
て、所望の露光制御が可能となる。
【0114】このアレイ型露光素子95は、マイクロレ
ンズ11により焦点を形成し、この焦点に対して開口部
101を移動させ、光を遮断又は透過させる。このた
め、アレイ型露光素子77の場合と同様、少ない遮光膜
99の移動量で遮断又は透過を制御することができる。
この結果、動作を高速化することができる。
【0115】また、アレイ型露光素子77の場合と同
様、アレイ化が容易で、製造コストを安価にでき、駆動
電圧を低くすることができる。そして、可撓薄膜85の
撓みと、光の遮断又は透過の制御は、上述の例と逆であ
ってもよい。さらに、光変調部97は、脱気した後、希
ガスを封入して、全体を封止し、外乱の影響を防止して
安定化を図るものであってもよい。
【0116】図19は第五実施形態の変形例1を示す断
面図である。この変形例に係るアレイ型露光素子103
の光変調部105は、開口部101に相当する部分の基
板側透明電極91、可撓薄膜85、膜側透明電極93を
除去してある。また、膜側透明電極93は、遮光膜と兼
用してある。つまり、開口部101は、透孔となってい
る。
【0117】この光変調部105によれば、基板81、
基板側透明電極91を透過した光が、他の物質を透過せ
ずに、開口部101を通過することとなる。これによ
り、光強度の低下を防止することができる。
【0118】また、この変形例では、開口部101を透
孔とするので、基板側透明電極91、可撓薄膜85、膜
側透明電極93を不透明材料で形成することができる。
このため、基板側透明電極91、膜側透明電極93に一
般的な金属薄膜を使用することができ、材料の選択自由
度を高めることができる。
【0119】図20は第五実施形態の変形例2を示す断
面図である。この変形例に係るアレイ型露光素子107
は、図16に示したアレイ型露光素子95のマイクロレ
ンズ11の表面に、遮光手段109を設けてある。遮光
手段109は、開口部101を通過する光軸方向の光を
遮断する位置及び形状で形成してある。また、遮光手段
109は、光遮断時には、開口部101の透過を極力少
なくする一方、光透過時には、極力多くの光を透過する
ように最適化した位置及び形状で配設してある。他の構
成は、第五実施形態のアレイ型露光素子95と同様であ
る。
【0120】上述の図16に示したアレイ型露光素子9
5では、光遮断時に、光軸方向の光が僅かに開口部10
1を透過する。一方、この変形例によるアレイ型露光素
子107によれば、この光軸方向の光を遮光手段109
によって遮断することができる。従って、露光或いは表
示の際のコントラストを向上させることができる。
【0121】図21は第五実施形態の変形例3を示す断
面図である。この変形例に係るアレイ型露光素子111
は、図16に示したアレイ型露光素子95の光変調部9
7の出射側に、遮光手段109を形成した透明基板11
3を配設してある。遮光手段109は、開口部101を
通過する光軸方向の光を遮断する位置及び形状で形成し
てある。また、アレイ型露光素子107と同様、遮光手
段109は、光遮断時には、開口部101の透過を極力
少なくする一方、光透過時には、極力多くの光が透過す
るように最適化した位置及び形状で配設してある。他の
構成は、第五実施形態のアレイ型露光素子95と同様で
ある。
【0122】この変形例によるアレイ型露光素子111
によれば、アレイ型露光素子107と同様、露光或いは
表示の際のコントラストを向上させることができる。さ
らに、アレイ型露光素子111は、遮光手段109を、
光変調部97と別体で設けた透明基板113に形成する
ので、光軸方向の光を遮断するための遮光手段109の
アライメント(位置決め)を、実際に直進する光を利用
して正確に行うことができる。
【0123】図22は本発明に係るアレイ型露光素子の
第六実施形態の断面図である。この変形例に係るアレイ
型露光素子117は、平面光源1と、光変調部5を形成
した透明基板3との間に、中間透明基板119を配設し
てある。中間透明基板119の平面光源1側の面には、
光変調部5に対応してマイクロレンズ11を形成してあ
る。一方、中間透明基板119の光変調部5側の面に
は、マイクロレンズ11と光軸を一致させた凸レンズ状
の平行光化手段121を形成してある。即ち、この例で
はマイクロレンズ11と平行光化手段121とを、中間
透明基板119の表裏面で一体化させてある。
【0124】光変調部5は、図1に示した第一実施形態
に係るアレイ型露光素子13と同様に、非開口部7と開
口部9とを有している。
【0125】平行光化手段121は、マイクロレンズ1
1により集光された光を、開口部9の面積と、略同等な
出射面積に平行化する。即ち、光変調部5には、開口部
9と略同一面積の平行光が入射することとなる。
【0126】この平行光化手段121を備えたアレイ型
露光素子117は、平面光源1からの光をマイクロレン
ズ11によって集光し、さらに、平行光化手段121に
よって略平行化した光を光変調部5に入射させるので、
例えば、ファブリペロー干渉による光変調機構など、干
渉型、回析型の光変調に有効に用いることができる。
【0127】図23は第六実施形態の変形例1を示す断
面図である。この変形例に係るアレイ型露光素子123
は、平行光化手段121を、光変調部5側の透明基板3
に形成してある。一方、マイクロレンズ11は、中間透
明基板119に形成してある。平行光化手段121と中
間透明基板119とは、貼り合わせてある。
【0128】このアレイ型露光素子123によれば、上
述のアレイ型露光素子117と同様に、干渉型、回析型
の光変調に有効に用いることができるとともに、マイク
ロレンズ11、平行光化手段121、光変調部5が一体
となるので、素子製作後の外力による光軸ずれなどを防
止して、信頼性を高めることができる。
【0129】図24は本発明に係るアレイ型露光素子の
第七実施形態の断面図である。この変形例に係るアレイ
型露光素子125は、マイクロレンズ11を形成した透
明基板3の出射側の面に、ファイバープレート127を
介装して、光変調部5を配設してある。ファイバープレ
ート127は、光変調部5の基板と兼用するものであっ
てもよく、また、単体のものを貼り合わせるものであっ
てもよい。
【0130】ファイバープレート127は、複数の平行
な導光路を集成し、入射側と出射側の導光路端面の配列
を一致させてある。即ち、透明基板3と平行にファイバ
ープレート127を配設することで、マイクロレンズ1
1により集光した光を平行光化して、開口部9へ導くこ
とができる。
【0131】このアレイ型露光素子125によれば、上
述の平行光化手段121を、それぞれのマイクロレンズ
11に光軸を一致させて用いなくとも、光を平行化させ
ることができる。このため、平面光源1からの光を、変
調部5への入射面積を小さくした状態で変調部5に導光
させることができる。
【0132】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るアレイ型露光素子は、一画素より小さな開口部、又は
一画素を複数に分割した場合にあってはこの分割した個
々の領域より小さな面積の開口部を光変調部に形成し、
この開口部に光を集光させる集光手段を設けた。このた
め、静電気応力による可撓薄膜の撓み動作で光変調を行
う光変調部などの場合では、光変調機構を小さくでき、
高速な露光を可能にすることができる。また、機構を小
さくできるので、形成位置の規制が少なくなり、光変調
部の設計自由度を高めることができる。さらに、集光手
段により集光を行うので、小さな開口面積においても、
高効率で明るい露光を可能にすることができる。
【0133】また、本発明に係るアレイ型露光素子は、
平面光源からの光を二次元の光変調アレイ素子によって
光変調し、この光を蛍光体によって波長変換させて、可
視光、赤外光の露光を得ることができる。このようなア
レイ型露光素子においても、高速な露光、設計自由度の
向上、高効率な露光を可能にすることができる。
【0134】本発明に係る平面型ディスプレイは、一画
素より小さな開口部、又は一画素を複数に分割した場合
にあってはこの分割した個々の領域より小さな面積の開
口部を光変調部に形成し、この開口部に光を集光させる
集光手段を設けた。そして、平面光源からの光を二次元
の光変調アレイ素子によって光変調し、この光によって
蛍光体を発光表示させるので、低い駆動電圧で、高速な
表示、設計自由度の向上、高い光利用効率を可能にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアレイ型露光素子の第一実施形態
の断面図である。
【図2】第一実施形態の変形例1を示す断面図である。
【図3】第一実施形態の変形例2を示す断面図である。
【図4】本発明に係るアレイ型露光素子の第二実施形態
の断面図である。
【図5】第二実施形態の変形例1を示す断面図である。
【図6】本発明に係るアレイ型露光素子の第三実施形態
の斜視図である。
【図7】図6に示したアレイ型露光素子27の断面図で
ある。
【図8】図6に示したアレイ型露光素子の動作状態を説
明する断面図である。
【図9】第三実施形態の変形例1を示す断面図である。
【図10】図9のA−A断面図である。
【図11】図9に示したアレイ型露光素子の動作状態を
説明する平面図である。
【図12】図11の断面図である。
【図13】本発明に係るアレイ型露光素子の第四実施形
態の断面図である。
【図14】図13のアレイ型露光素子の遮光膜の例を示
した画素平面図である。
【図15】図13に示したアレイ型露光素子の動作状態
を説明する断面図である。
【図16】本発明に係るアレイ型露光素子の第五実施形
態の断面図である。
【図17】図16のアレイ型露光素子の開口部の例を示
した画素平面図である。
【図18】図16に示したアレイ型露光素子の動作状態
を説明する断面図である。
【図19】第五実施形態の変形例1を示す断面図であ
る。
【図20】第五実施形態の変形例2を示す断面図であ
る。
【図21】第五実施形態の変形例3を示す断面図であ
る。
【図22】本発明に係るアレイ型露光素子の第六実施形
態の断面図である。
【図23】第六実施形態の変形例1を示す断面図であ
る。
【図24】本発明に係るアレイ型露光素子の第七実施形
態の断面図である。
【符号の説明】
1 平面光源 5、23、34、57、79、97、105 光変調部 9、21、41、71、101 開口部 11、19 マイクロレンズ(集光手段) 13、15、25、27、33、35、55、77、9
5、103、107、111、117、123、125
アレイ型露光素子 29 蛍光体 51 遮光板(遮光部) 73 電極遮光板(遮光部) 85 可撓薄膜 89 遮光膜(遮光部) 109 遮光手段 121 平行光化手段 127 ファイバープレート

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面光源からの光を一次元又は二次元の
    光変調アレイ素子によって光変調するアレイ型露光素子
    であって、 一画素より小さな面積の開口部、又は該一画素を複数に
    分割した場合にあっては該分割した個々の領域より小さ
    な面積の開口部を有する光変調部と、 前記平面光源からの光を該光変調部の前記開口部に集光
    させる集光手段とを具備したことを特徴とするアレイ型
    露光素子。
  2. 【請求項2】 平面光源からの光を二次元の光変調アレ
    イ素子によって光変調し、該光変調した光を蛍光体によ
    って波長変換させる可視光、赤外光のアレイ型露光素子
    であって、 一画素より小さな面積の開口部、又は該一画素を複数に
    分割した場合にあっては該分割した個々の領域より小さ
    な面積の開口部を有する光変調部と、 前記平面光源からの光を該光変調部の前記開口部に集光
    させる集光手段とを具備したことを特徴とするアレイ型
    露光素子。
  3. 【請求項3】 平面光源からの光を二次元の光変調アレ
    イ素子によって光変調し、該光変調した光によって蛍光
    体を発光表示させる平面型ディスプレイであって、 一画素より小さな面積の開口部、又は該一画素を複数に
    分割した場合にあっては該分割した個々の領域より小さ
    な面積の開口部を有する光変調部と、 前記平面光源からの光を該光変調部の前記開口部に集光
    させる集光手段とを具備したことを特徴とする平面型デ
    ィスプレイ。
  4. 【請求項4】 前記平面光源からの光が、紫外線である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項
    に記載のアレイ型露光素子又は平面型ディスプレイ。
  5. 【請求項5】 前記光変調部が、静電気応力によって変
    形して光の透過率を変化させる可撓薄膜を有することを
    特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載
    のアレイ型露光素子又は平面型ディスプレイ。
  6. 【請求項6】 前記光変調部が、静電気応力による移動
    によって前記集光手段の焦点近傍の光を遮光又は遮光解
    除する遮光部を有することを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれか1項に記載のアレイ型露光素子又は平
    面型ディスプレイ。
  7. 【請求項7】 前記遮光部が、前記静電気応力によって
    光軸に対して略直交方向に移動することを特徴とする請
    求項6記載のアレイ型露光素子又は平面型ディスプレ
    イ。
  8. 【請求項8】 前記遮光部が、前記静電気応力によって
    光軸と略同方向に移動することを特徴とする請求項6記
    載のアレイ型露光素子又は平面型ディスプレイ。
  9. 【請求項9】 前記光変調部が、静電気応力による移動
    によって前記集光手段の焦点近傍の光を遮光又は遮光解
    除する開口部を有することを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれか1項に記載のアレイ型露光素子又は平
    面型ディスプレイ。
  10. 【請求項10】 前記開口部が、前記静電気応力によっ
    て光軸に対して略直交方向に移動することを特徴とする
    請求項9記載のアレイ型露光素子又は平面型ディスプレ
    イ。
  11. 【請求項11】 前記開口部が、前記静電気応力によっ
    て光軸と略同方向に移動することを特徴とする請求項9
    記載のアレイ型露光素子又は平面型ディスプレイ。
  12. 【請求項12】 前記開口部が、透孔であることを特徴
    とする請求項9記載のアレイ型露光素子又は平面型ディ
    スプレイ。
  13. 【請求項13】 前記光変調部の光軸方向の前方又は後
    方に、前記開口部を通過する光軸方向の光のみを遮光す
    る遮光手段を配設したことを特徴とする請求項9記載の
    アレイ型露光素子又は平面型ディスプレイ。
  14. 【請求項14】 前記開口部と略同一面積の平行光を前
    記開口部に入射させる平行光化手段を、前記開口部と前
    記集光手段との間に配設したことを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれか1項に記載のアレイ型露光素子
    又は平面型ディスプレイ。
  15. 【請求項15】 前記光変調部と前記集光手段との間
    に、ファイバープレートを設けたことを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のアレイ型露光
    素子又は平面型ディスプレイ。
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