JP5588135B2 - 光学物品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズなどのレンズ、その他の光学材料あるいは製品に用いられる光学物品の製造方法に関するものである。
眼鏡レンズなどの光学物品は、種々の機能を果たすための基材(光学基材)の表面に、その基材の機能をさらに強化したり、保護したりするために種々の機能を備えた層(膜)が形成されている。例えば、レンズ基材の耐久性を確保するためのハードコート層、ゴーストおよびちらつきを防止するための反射防止層などが公知である。反射防止層の典型的なものは、ハードコート層が積層されたレンズ基材の表面に異なる屈折率を持つ酸化膜を交互に積層してなるいわゆる多層反射防止層である。
特許文献1には、新規な、低耐熱性基材に好適な帯電防止性能を有する光学要素を提供することが記載されている。プラスチック製の光学基材上に複層構成の反射防止膜を備えた眼鏡レンズなどの光学要素において、反射防止膜が透明導電層を含み、該透明導電層をイオンアシスト真空蒸着により形成し、他の反射防止膜の構成層は、電子ビーム真空蒸着等により形成することが記載されている。導電層としては、インジウム、スズ、亜鉛等のいずれか、又は2種以上の複数を成分とする無機酸化物が挙げられており、特に、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムと酸化錫との混合物)が望ましいことが記載されている。
特開2004−341052号公報 国際公開第2006/016608号パンフレット 特開2004−300580号公報
眼鏡レンズなどの光学物品の分野においては、帯電防止や電磁遮蔽などのため、高価なインジウムを用いたITOに代わり、導電性を付与できる層を形成する方法が求められている。その1つは、TNOと称されるチタンニオブ酸化物(Ti1−xNb)である。特許文献2には、透明かつ導電性のある透明電極用基材並びに透明導電性薄膜につき、安定して供給可能であって、かつ耐薬品性等に優れた素材で構成した透明金属材料並びに透明電極を提供することが記載されている。また、基板上にアナターゼ型の結晶構造からなる金属酸化物層を形成させ、金属酸化物層をTiOで構成することにより、内部透過率を維持しつつ、低抵抗率を発現させる、すなわち、アナターゼ型TiOのTiサイトを他の原子(Nb、Ta、Mo、As、Sb、Wなど)で置換した結果得られるTiOを作製することにより、透明度を維持しつつ、電気伝導度を著しく向上させることが出来ることが記載されている。
しかしながら、この透明金属を蒸着する際の基板温度を550℃という高温に維持する必要がある。この高温プロセスは、アナターゼ型の結晶構造を得るためであり、TNO膜を生成するためには300℃以上に保持するプロセスが必要であるといわれている。一方、プラスチックレンズの耐熱温度は高くても100℃である。したがって、プラスチックレンズの導電層としてITOに代わり、高温プロセスを伴うTNOを採用することはできない。
たとえば、特許文献3には、低温条件下で蒸着しても、高屈折率層を形成でき、耐擦傷性、耐薬品性及び耐熱性が良好で、かつ経時的な耐熱性の低下が小さい反射防止膜を得ることができる蒸着組成物の製造方法、蒸着組成物及び反射防止膜を有する光学部品の製造方法を提供することが記載されている。また、二酸化チタン及び五酸化ニオブを含有する蒸着原料を混合して得られた蒸着原料混合物を焼結することを特徴とする蒸着組成物の製造方法、並びに二酸化チタン及び五酸化ニオブを含有することを特徴とする蒸着組成物、該蒸着組成物の蒸気を発生させ、発生した蒸発物を基板上に析出させて反射防止膜の高屈折率層を形成することを特徴とする反射防止膜を有する光学部品の製造方法が記載されている。低温条件下で蒸着された二酸化チタン及び五酸化ニオブを含有する蒸着組成物は、高屈折率ではあるが抵抗には着目されておらず、特許文献3には電気抵抗に関する開示は見当たらない。
本発明の一態様は、光学物品(光学素子)の製造方法であり、以下の工程を有する。
(a)光学基材の上に、直にまたは他の層を介して透光性の第1の層を形成すること(第1の層を形成する工程)。
(b)チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの組成をイオンアシスト蒸着することにより、第1の層の表層の少なくとも一部を低抵抗化すること(低抵抗化する工程)。
本願の発明者らは、チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの組成をイオンアシスト蒸着することにより、高温プロセスを用いなくても第1の層(膜)の表層の少なくとも一部を低抵抗化することができることを見出した。すなわち、高温プロセスを用いなくても、チタン−ニオブ系で第1の層に導電性を付与することができる。したがって、プラスチックレンズなどの耐熱性がそれほど高くない素材を基材とした光学物品において、反射防止膜の高屈折率層などの第1の層(機能層)に用いられる組成により帯電防止機能および/または電磁波遮蔽機能を提供でき、そのような機能を備えた光学物品を低コストで提供できる。
また、この製造方法においては、高温プロセスを用いなくてもよいだけではなく、チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの組成をイオンアシスト蒸着することにより、第1の層の表面(表層)を改質することにより導電性を付与できる。したがって、ITOのように、ある程度の厚みの導電層を形成する代わりに、既存の層(第1の層)の表面を低抵抗化することができる。例えば、多層からなる反射防止層の光学設計を大きく変化させることなく、反射防止層に含まれる1つの層(第1の層)の抵抗値(抵抗率)を低減させることも可能である。
低抵抗化すること(上記(b)の工程)は、第1の層の表層の少なくとも一部に、イオンアシスト蒸着によりチタン、ニオブ、および酸素を混在させていると考えられる。また、低抵抗化すること(上記(b)の工程)は、高温プロセスを用いずに、第1の層の表層の少なくとも一部をチタンニオブオキサイド化していると考えられる。
この明細書においてチタンニオブオキサイド化(チタンニオブオキシド化、TNO化)とは、チタンの酸化物中にニオブ原子またはニオブの酸化物をドープあるいは混在させ、あるいは、ニオブの酸化物中にチタン原子またはチタンの酸化物をドープあるいは混在させ、チタン−ニオブ酸化物系の電気抵抗の低下が観察されることを示す。TNO化は、少なくとも短周期的な範囲ではアナターゼ型のTi1−xNb(TNO)の結晶またはそれに近い構造が形成され、その結果が、チタン−ニオブ酸化物系の電気抵抗の低下として観察されると考えられる。本発明においては、表層の限られた領域のTNO化をイオンアシスト蒸着により実現し、基材を数百度に維持するプロセス(高温プロセス)を用いずに、レンズなどの耐熱性のそれほど高くない基材を用いる光学物品に帯電防止などの機能を付与するのに十分な程度に低抵抗化できることを開示している。
TNO化の他のメリットの1つは、エピタキシャル成長させたTNO膜は透光性または透明に近いことである。イオンアシスト蒸着により第1の層の表層の状態が変わり、光の吸収損出が増加する可能性がある。しかしながら、イオンアシスト蒸着により形成される可能性がある1つの成分(結晶成分)が透光性であるので、第1の層の表面をイオンアシスト蒸着することにより透光性の低下が抑制できる可能性がある。さらに、イオンアシスト蒸着により改質される部分は第1の層の表層にほぼ限定される。したがって、低抵抗化による第1の層の透光性の低下をさらに抑制できる。
第1の層がチタンの酸化物を含む層である場合、低抵抗化すること(上記(b)の工程)は、ニオブまたはその酸化物をイオンアシスト蒸着することを含む。また、第1の層がニオブの酸化物を含む層である場合、低抵抗化すること(上記(b)の工程)は、チタンまたはその酸化物をイオンアシスト蒸着することを含む。さらに、第1の層がジルコニウムの酸化物を含む層などのように、チタンまたはニオブを含まない酸化物(非チタン・ニオブ含有酸化物層)である場合、低抵抗化すること(上記(b)の工程)は、チタンまたはチタンの酸化物をイオンアシスト蒸着し、その後、ニオブまたはニオブの酸化物をイオンアシスト蒸着することを含む。また、チタンまたはニオブを含まない酸化物(非チタン・ニオブ含有酸化物層)である場合、低抵抗化すること(上記(b)の工程)は、ニオブまたはニオブの酸化物をイオンアシスト蒸着し、その後、チタンまたはチタンの酸化物をイオンアシスト蒸着することを含む。
第1の層の典型的なものは、光学基材の上にハードコート層、またはプライマー層およびハードコート層を介して積層された、無機系または有機系の反射防止層である。無機系の反射防止層の場合、第1の層は、典型的には、金属酸化物を含む層である。第1の層は、多層構造の反射防止層のいずれかの1つの層であってもよく、複数の層であってもよい。いずれの場合も、上記方法を適用することにより、反射防止層の抵抗値(抵抗率)を低減できる。
このように、第1の層は、多層構造の反射防止層に含まれる1つの層であってもよい。この場合、当該方法は、(c)第1の層の上に、直にまたは他の層を介して防汚層を形成すること(防汚層を形成する工程)をさらに有するようにしてもよい。防汚層は撥水性能を有するので、防汚層を有する光学物品の表面は、空気中の水分を保持することができない。その結果、帯電し易い。上記方法を適用することにより、防汚層を有する光学物品であっても、帯電を良好に防止することができる。
防汚層を有する光学物品の典型的なものは、例えば、眼鏡レンズである。眼鏡レンズでは、光学基材としてプラスチックレンズ基材を用いることが多い。上記方法は、光学基材としてプラスチックレンズ基材を用いる場合、あるいは、光学物品が眼鏡レンズである場合にも好適である。
光学物品の典型的なものは、眼鏡レンズのほか、投射用のレンズ、結像用のレンズ、ダイクロイックプリズム、カバーガラス、DVDなどの情報記録装置、美的表現を発揮する媒体を内蔵した装飾品などが挙げられる。上記方法は、これらの製造においても好適である。
タイプAおよびタイプCの層構造の反射防止層を含むレンズの構造を示す断面図。 反射防止層の製造に用いるイオンアシスト蒸着装置を模式的に示す図。 タイプAに関連する反射防止層の各層の層材料および層厚をまとめて示す図。 タイプBの層構造の反射防止層を含むレンズの構造を示す断面図。 タイプBに関連する反射防止層の各層の層材料および層厚をまとめて示す図。 タイプCに関連する反射防止層の各層の層材料および層厚をまとめて示す図。 実施例1ないし9および比較例1の表面電気抵抗および光の吸収損失の測定結果をまとめて示す図。 図8(A)は、表面の電気抵抗を測定する様子を示す断面図、図8(B)は表面の電気抵抗を測定する様子を示す平面図。
本発明の幾つかの実施形態を説明する。以下では、光学物品として眼鏡用のレンズを例示して説明するが、本発明を適用可能な光学物品はこれに限定されるものではない。
図1に、典型的な眼鏡用のレンズの一例の構成を断面図により示している。レンズ10は、レンズ基材1と、レンズ基材1の表面に形成されたハードコート層2と、ハードコート層2の上に形成された透光性の反射防止層3と、反射防止層3の上に形成された防汚層4とを含む。本例においては、レンズ基材1として、プラスチック製のレンズ基材(プラスチックレンズ基材)を用いている。レンズ基材1としては、ガラス製のレンズ基材(ガラスレンズ基材)を用いることもできる。
1. レンズの概要
1.1 レンズ基材
レンズ基材1は、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂をはじめとしてスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(たとえば、PPGインダストリーズオハイオ社のCR−39(登録商標))などのアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物などを硬化して得られる透明樹脂を例示することができる。レンズ基材1の屈折率は、例えば、1.60〜1.75程度である。この実施形態においては、屈折率は上記の範囲でも、上記の範囲から上下に離れていても許容の範囲内である。
1.2 ハードコート層(プライマー層)
レンズ基材1の上に形成されるハードコート層2は、主として耐擦傷性の向上を目的とするものである。ハードコート層2に使用される材料としては、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アミノ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、スチレン系樹脂、シリコン系樹脂およびこれらの混合物もしくは共重合体などを挙げることができる。ハードコート層2の一例は、シリコーン系樹脂であり、金属酸化物微粒子、シラン化合物を含むコーティング組成物(ハードコート層形成用のコーティング組成物)を塗布して硬化させたものである。このコーティング組成物には、コロイダルシリカ、および多官能性エポキシ化合物などの成分を含める(混合する)ことができる。
コーティング組成物(ハードコート層形成用のコーティング組成物)に含まれる金属酸化物微粒子の具体例は、SiO、Al、SnO、Sb、Ta、CeO、La、Fe、ZnO、WO、ZrO、In、TiOなどの金属酸化物からなる微粒子、または2種以上の金属の金属酸化物からなる複合微粒子である。これらの微粒子を、分散媒、例えば水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散させたものをコーティング組成物に含める(混合する)こともできる。
ハードコート層2は、プライマー層としての機能を兼ねさせることもできるが、レンズ基材1とハードコート層2との密着性を確保するために、レンズ基材1とハードコート層2との間に別途プライマー層を設けてもよい。プライマー層は、高屈折率レンズ基材の欠点である耐衝撃性を改善するためにも有効である。プライマー層を形成するための樹脂としては、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アミノ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、スチレン系樹脂、シリコン系樹脂およびこれらの混合物もしくは共重合体などが挙げられる。密着性を持たせるためのプライマー層としては、ウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂が好適である。
ハードコート層2およびプライマー層の製造方法の典型的なものは、ディッピング法、スピンナー法、スプレー法、フロー法によりコーティング組成物を塗布し、その後、40〜100℃の温度で数時間加熱乾燥する方法である。
1.3 反射防止層
ハードコート層2の上に形成される反射防止層3の典型的なものは、無機系の反射防止層や有機系の反射防止層である。無機系の反射防止層は、典型的には多層膜で構成され、例えば、屈折率が1.3〜1.6である低屈折率層と、屈折率が1.8〜2.6である高屈折率層とを交互に積層して形成することができる。このような反射防止層の層数は、例えば、5層あるいは7層程度とすることができる。このような反射防止層を構成する各層に使用される無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、TaO、Ta、NdO、NbO、Nb、NbO、Nb、CeO、MgO、SnO、MgF、WO、HfO、Yなどが挙げられる。これらの無機物は、単独で用いるか、もしくは2種以上を混合して用いる。反射防止層を形成する方法としては、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などが挙げられる。
有機系の反射防止層の製造方法の1つは湿式法である。有機系の反射防止層は、例えば、内部空洞を有するシリカ系微粒子(以下、「中空シリカ系微粒子」ともいう)と、有機ケイ素化合物とを含むコーティング組成物(反射防止層形成用のコーティング組成物)を、ハードコート層、プライマー層と同様の方法で塗布することにより成膜することができる。コーティング組成物(反射防止層形成用のコーティング組成物)に中空シリカ系微粒子を含ませるのは、内部空洞内にシリカよりも屈折率が低い気体または溶媒が包含されることによって、空洞のないシリカ系微粒子に比べてより屈折率が低減し、結果的に、優れた反射防止効果を付与できるからである。中空シリカ系微粒子は、特開2001−233611号公報に記載されている方法などで製造することができるが、典型的には、平均粒子径が1〜150nmの範囲にあり、かつ屈折率が1.16〜1.39の範囲にあるものを使用することができる。有機系の反射防止層の層厚は、50〜150nmの範囲が好適である。この範囲より厚すぎたり薄すぎたりすると、十分な反射防止効果が得られないおそれがある。
本実施形態のレンズ10においては、反射防止層3に含まれる少なくとも1つの層が、低抵抗化された表層を有している。少なくとも1つの層(第1の層)の表層は、チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの組成をイオンアシスト蒸着(イオンビームアシスト法を用いて蒸着)することにより低抵抗化される。
1.4 防汚層
反射防止層3の上に撥水膜、または親水性の防曇膜(総称して防汚層という)4を形成することが多い。防汚層4の一例は、レンズ10の表面の撥水撥油性能を向上させる目的で反射防止層3の上に形成された、フッ素を含有する有機ケイ素化合物からなる層である。フッ素を含有する有機ケイ素化合物としては、例えば、特開2005−301208号公報や特開2006−126782号公報に記載されている含フッ素シラン化合物を好適に使用することができる。
含フッ素シラン化合物は、有機溶剤に溶解し、所定濃度に調整した撥水処理液(防汚層形成用のコーティング組成物)として用いることが好ましい。防汚層4は、例えば、この撥水処理液を反射防止層3の上に塗布することにより成膜することができる。塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法などを用いることができる。なお、防汚層4は、撥水処理液を金属ペレットに充填した後、真空蒸着法などの乾式法を用いて形成することも可能である。
含フッ素シラン化合物を含む防汚層4の層厚は、特に限定されないが、0.001〜0.5μmが好ましい。より好ましくは0.001〜0.03μmである。防汚層4の層厚が薄すぎると撥水撥油効果が乏しくなり、厚すぎると表面がべたつくので好ましくない。また、防汚層4の厚さが0.03μmより厚くなると反射防止効果が低下する可能性がある。
2. サンプルの製造
2.1 実施例1(層構造:タイプA)
2.1.1 レンズ基材の選択およびハードコート層の形成
レンズ基材1としては、屈折率1.67の眼鏡用のプラスチックレンズ基材(商品名:セイコースーパーソブリン(SSV)(セイコーエプソン(株)製))を用いた。
ハードコート層2を形成するための塗布液(ハードコート層形成用のコーティング液)を次のように調製した。エポキシ樹脂−シリカハイブリッド(商品名:コンポセランE102(荒川化学工業(株)製))20重量部に、酸無水物系硬化剤(商品名:硬化剤液(C2)(荒川化学工業(株)製))4.46重量部を混合、攪拌して、塗布液を得た。この塗布液を所定の厚さになるように、スピンコーターを用いてレンズ基材1の上に塗布して、ハードコート層2を成膜した。塗布後のレンズ基材1(ハードコート層2を成膜後のレンズ基材1)を125℃で2時間焼成した。これにより、レンズ基材1の上に層厚約2μmのハードコート層2が形成された。以下、レンズ基材1の上に層厚約2μmのハードコート層2が形成されたものをレンズサンプル10aという。
2.1.2 反射防止層の形成
2.1.2.1 蒸着装置
次に、図2に示す蒸着装置100により、レンズサンプル10aの上に無機系の反射防止層3を形成した。図2に例示した蒸着装置100は、電子ビーム蒸着装置であり、真空容器110と、排気装置120と、ガス供給装置130とを備えている。真空容器110は、ハードコート層2までが形成されたレンズサンプル10aが載置されるサンプル支持台114と、サンプル支持台114にセットされたレンズサンプル10aを加熱するための基材加熱用ヒーター115と、熱電子を発生するフィラメント116とを備えている。この蒸着装置100は、電子銃(不図示)により蒸発源(るつぼ)112および113にセットされた蒸着材料に熱電子を照射し蒸発させ、レンズサンプル10aに蒸着材料を蒸着させる。
さらに、この蒸着装置100は、イオンアシスト蒸着を可能とするために、イオン源内部に導入したガスをイオン化して加速し、レンズサンプル10aに照射するためのイオン銃117を備えている。以下の例ではアルゴンガスを用い、アルゴンイオンを加速してイオンアシストに用いているが、導入するガスとしては、アルゴン(Ar)に限らず、酸素(O)、窒素(N)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)などを用いることができる。
真空容器110の内部は、排気装置120に含まれるターボ分子ポンプまたはクライオポンプ121および圧力調整バルブ122により、高真空、例えば1×10−4Paに保持される。一方、真空容器110の内部は、ガス供給装置130により所定のガス雰囲気することも可能である。例えば、ガス容器131には、アルゴン(Ar)、窒素(N)、酸素(O)などが用意される。ガスの流量は、流量制御装置132により制御でき、真空容器110の内圧は、圧力計135により制御できる。また、真空容器110には、残留した水分を除去するためのコールドトラップや、形成する層の層厚を管理するための装置などをさらに設けることができる。形成する層の層厚を管理する装置としては、例えば、反射型の光学膜厚計や水晶振動子膜厚計などがある。基材加熱用ヒーター115は、例えば赤外線ランプであり、レンズサンプル10aを加熱することによりガス出しあるいは水分とばしを行い、レンズサンプル10aの表面に形成される層の密着性を確保する。
この蒸着装置100における主な蒸着条件は、蒸着材料、電子銃の加速電圧、電流値、イオンアシストの有無である。イオンアシストを利用する場合の条件は、イオンの種類(真空容器110の雰囲気)と、イオン銃117の電圧値および電流値とにより与えられる。以下において、特に記載しないかぎり、電子銃の加速電圧は5〜10kVの範囲、電流値は50〜500mAの範囲の中で、層形成のレート(成膜レート)などをもとに選択される。また、イオンアシストを利用する場合は、イオン銃117の電圧値が200V〜1kVの範囲、電流値が100〜500mAの範囲で、層形成のレート(成膜レート)などをもとに選択される。
2.1.2.2 低屈折率層および高屈折率層の成膜
まず、ハードコート層2が形成されたレンズサンプル10aをアセトンにて洗浄し、真空容器110の内部にて約70℃の加熱処理を行い、レンズサンプル10aに付着した水分を蒸発させた。次に、レンズサンプル10aの表面にイオンクリーニングを実施した。具体的には、イオン銃117を用いて酸素イオンビームを数百eVのエネルギーでレンズサンプル10aの表面に照射し、レンズサンプル10aの表面に付着した有機物の除去を行った。この方法により、レンズサンプル10aの表面に形成する層の付着力を強固なものとすることができる。なお、酸素イオンの代わりに不活性ガス、例えば、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、窒素(N)などを用いて同様の処理を行うこともできるし、酸素ラジカルや酸素プラズマを照射することもできる。
真空容器110の内部を十分に真空排気した後、電子ビーム真空蒸着法により、低屈折率層31として二酸化ケイ素(SiO)層、高屈折率層32として酸化チタン(TiO)層を交互に積層して、反射防止層3を形成した。
本例(タイプA)の反射防止層3の層構造は7層構造(図1参照)であり、1層目、3層目、5層目および7層目が低屈折率層31であって、2層目、4層目および6層目が高屈折率層32である。低屈折率層31はSiO層であり、イオンアシストは行わず二酸化ケイ素(SiO)を真空蒸着することにより形成(成膜)した。成膜レートは2.0nm/secとし、電子銃の加速電圧は7kV、電流は100mAとした。
高屈折率層32はTiO層であり、酸素ガスを導入しながら酸化チタン(TiO)をイオンアシスト蒸着することにより形成(成膜)した。成膜レートは0.4nm/secとし、電子銃の加速電圧は7kV、電流は360mAとした。第1〜第7層の層厚は、それぞれ、28nm、6.6nm、204nm、23nm、36nm、28nm、100nmとなるように管理した。以下、このTiO/SiO系の7層構造をタイプAと称する。図3に、タイプAの各層の層材料と層厚(nm)をまとめて示している。なお、このレンズサンプル10aでは、ハードコート層2の屈折率が1.65、SiO層31の屈折率が1.462、TiO層32の屈折率が2.43であった。
2.1.2.3 低抵抗化
この実施例1では、1層目から6層目まで積層した後、6層目の表層33を以下のようにして改質(低抵抗化)した。なお、7層目は、6層目の表層を低抵抗化させた後に形成(成膜)した。
第6層目となるTiO層32を形成した後、酸化ニオブ(Nb)を、アルゴンガスを電離放電させるイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。イオンビームアシストの条件は、以下の通りである。
蒸着源:酸化ニオブ(Nb
アシストガス:アルゴン(Ar)
加速電圧:1000V、加速電流:200mA
2.1.3 防汚層の形成
反射防止層3を形成した後、続けて防汚層4を形成した。反射防止層3の7層目の表面に酸素プラズマ処理を施し、蒸着装置100内で、分子量の大きなフッ素含有有機ケイ素化合物を含む「KY−130」(商品名、信越化学工業(株)製)を含有させたペレット材料を蒸着源として、防汚層4を形成(成膜)した。この際、約500℃で加熱し、KY−130を蒸発させた。蒸着時間は、約3分間程度とした。酸素プラズマ処理を施すことにより最終層(7層目)のSiO層31の表面にシラノール基が生成されるため、反射防止層3と防汚層4との化学的密着性(化学結合)が向上する。
蒸着終了後、真空蒸着装置100から一方の面に反射防止層3および防汚層4が形成されたレンズサンプル10aを取り出し、反転して再び投入し、上記の工程(反射防止層3および防汚層4の形成)を同じ手順で繰り返した。これにより、他方の面にも反射防止層3および防汚層4が形成され、目的のレンズ10が製造された。製造されたレンズ10を真空蒸着装置100から取り出した。
実施例1のレンズ10は、プラスチックレンズ基材1の両面に、ハードコート層2、少なくとも表層の一部が低抵抗化された層(第1の層)を含む(具体的には、第6層の表層が低抵抗化された)反射防止層3、および防汚層4を備えている。
2.2 実施例2(層構造:タイプB)
図4に、実施例2の眼鏡用のレンズの構成を断面図により示している。本例(タイプB)のレンズ10は、5層構造の反射防止層3を有するものであり、1層目、3層目、および5層目が低屈折率層31であって、2層目および4層目が高屈折率層32である。
本例のレンズ10の製造方法は、実施例1に対し、上記の2.1.2.2(低屈折率層および高屈折率層の成膜)と、上記の2.1.2.3(低抵抗化)とが異なる。他の工程は、実施例1と同様である。
低屈折率層31はSiO層であり、実施例1の低屈折率層31と同様に、イオンアシストは行わず二酸化ケイ素(SiO)を真空蒸着することにより形成(成膜)した。高屈折率層32はNb層であり、実施例1の高屈折率層32と同様に、酸素ガスを導入しながら酸化ニオブ(Nb)をイオンアシスト蒸着することにより形成(成膜)した。第1〜第5層の層厚は、それぞれ、36nm、37nm、15.8nm、65.3nm、91nmとなるように管理した。以下、このNb/SiO系の5層構造をタイプBと称する。図5に、タイプBの各層の層材料と層厚(nm)をまとめて示している。
この実施例2では、1層目から4層目まで積層した後、4層目の表層33を以下のようにして改質(低抵抗化)した。なお、5層目は、4層目の表層を低抵抗化させた後に形成(成膜)した。
第4層目となるNb層32を形成した後、酸化チタン(TiO(X=1.7))をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。次に、酸化ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1nm堆積させる条件で蒸着した。イオンビームアシストの条件は、それぞれ以下の通りである。
蒸着源:酸化チタン(TiO(X=1.7))、酸化ニオブ(Nb
アシストガス:アルゴン(Ar)
加速電圧:1000V、加速電流:200mA
2.3 実施例3(層構造:タイプA)
本例のレンズ10は、図1および図3に示した7層構造の反射防止層3を有するものであり、1層目、3層目、5層目、および7層目が低屈折率層31であって、2層目、4層目、および6層目が高屈折率層32である。本例のレンズ10の製造方法は、実施例1に対し、上記の2.1.2.3(低抵抗化)が異なり、他の工程は、実施例1と同様である。
この実施例3では、1層目から6層目まで積層した後、6層目の表層33を以下のようにして改質(低抵抗化)した。なお、7層目は、6層目の表層を低抵抗化させた後に形成(成膜)した。
第6層目となるTiO層32を形成した後、酸化ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1nm堆積させる条件で蒸着した。イオンビームアシストの条件は以下の通りである。
蒸着源:酸化ニオブ(Nb
アシストガス:アルゴン(Ar)
加速電圧:1000V、加速電流:200mA
2.4 実施例4(層構造:タイプA)
本例のレンズ10は、実施例3と同様に、タイプAの層構造(TiO/SiO系の7層構造)の反射防止層3を有している。本例のレンズ10の製造方法は、実施例3に対し、上記の2.1.2.3(低抵抗化)が異なる。
本例では低抵抗化を、以下のように行った。第6層目となるTiO層32を形成した後、酸化ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。次に、酸化チタン(TiO(X=1.7))をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1mm堆積させる条件で蒸着した。イオンビームアシストの条件は、それぞれ以下の通りである。
蒸着源:、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO(X=1.7))
アシストガス:アルゴン(Ar)
加速電圧:1000V、加速電流:200mA
2.5 実施例5(層構造:タイプC)
本例のレンズ10は、図1に示した7層構造の反射防止層3を有するものであり、1層目、3層目、5層目、および7層目が低屈折率層31であって、2層目、4層目、および6層目が高屈折率層32である。ただし、低屈折率層31はSiO層であり、高屈折率層32はZrO層(屈折率2.1)である。
本例のレンズ10の製造方法は、実施例1に対し、上記の2.1.2.2(低屈折率層および高屈折率層の成膜)と、上記の2.1.2.3(低抵抗化)とが異なる。他の工程は、実施例1と同様である。
低屈折率層31はSiO層であり、実施例1の低屈折率層31と同様に、イオンアシストは行わず二酸化ケイ素(SiO)を真空蒸着することにより形成(成膜)した。高屈折率層32はZrO層であり、ZrO焼結体を用い酸素ガスを導入しながら酸化ジルコニウム(ZrO)をイオンアシスト蒸着することにより形成(成膜)した。成膜レートは0.8nm/secとし、電子銃の加速電圧は7kV、電流は280mAとした。第1〜第7層の層厚は、それぞれ、24nm、8.5nm、191nm、39nm、15nm、56nm、91nmとなるように管理した。以下、このZrO/SiO系の7層構造をタイプCと称する。図6に、タイプCの各層の層材料と層厚(nm)をまとめて示している。
また、この実施例5では、1層目から6層目まで積層した後、6層目の表層33を以下のようにして改質(低抵抗化)した。なお、7層目は、6層目の表層を低抵抗化させた後に形成(成膜)した。
(低抵抗化)
第6層目となるZrO層32を形成した後、酸化チタン(TiO)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。次に、酸化ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1nm堆積させる条件で蒸着した。さらに、酸化チタン(TiO)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。さらに、酸化ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1nm堆積させる条件で蒸着した。イオンビームアシストの条件は、それぞれ以下の通りである。
蒸着源:酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb
アシストガス:アルゴン(Ar)
加速電圧:800V、加速電流:200mA
2.6 実施例6(層構造:タイプC)
実施例5と同様のタイプCの層構造を有するレンズ10を、実施例5とは上記の2.1.2.3(低抵抗化)が異なり、他の工程は実施例5と同様の方法で製造した。
上記の2.1.2.3(低抵抗化)は、以下のように行った。第6層目となるZrO層32を形成した後、酸化ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1nm堆積させる条件で蒸着した。次に、酸化チタン(TiO(X=1.7))をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。さらに、酸化ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1nm堆積させる条件で蒸着した。イオンビームアシストの条件は、それぞれ以下の通りである。
蒸着源:酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO(X=1.7))、酸化ニオブ(Nb
アシストガス:アルゴン(Ar)
加速電圧:800V、加速電流:200mA
2.7 実施例7(層構造:タイプC)
実施例5と同様のタイプCの層構造を有するレンズ10を、実施例5とは上記の2.1.2.3(低抵抗化)が異なり、他の工程は実施例5と同様の方法で製造した。
上記の2.1.2.3(低抵抗化)は、以下のように行った。第6層目となるZrO層32を形成した後、酸化チタン(TiO)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。次に、酸化ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1nm堆積させる条件で蒸着した。さらに、酸化チタン(TiO)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。イオンビームアシストの条件は、それぞれ以下の通りである。
蒸着源:酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO
アシストガス:アルゴン(Ar)
加速電圧:800V、加速電流:200mA
2.8 実施例8(層構造:タイプC)
実施例5と同様のタイプCの層構造を有するレンズ10を、実施例5とは上記の2.1.2.3(低抵抗化)が異なり、他の工程は実施例5と同様の方法で製造した。
上記の2.1.2.3(低抵抗化)は、以下のように行った。第6層目となるZrO層32を形成した後、金属ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。次に、酸化チタン(TiO(X=1.7))をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約3nm堆積させる条件で蒸着した。さらに、金属ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1nm堆積させる条件で蒸着した。イオンビームアシストの条件は、それぞれ以下の通りである。
蒸着源:金属ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO(X=1.7))、金属ニオブ(Nb)
アシストガス:アルゴン(Ar)
加速電圧:1000V、加速電流:200mA
2.9 実施例9(層構造:タイプC)
実施例5と同様のタイプCの層構造を有するレンズ10を、実施例5とは上記の2.1.2.3(低抵抗化)が異なり、他の工程は実施例5と同様の方法で製造した。
上記の2.1.2.3(低抵抗化)は、以下のように行った。第6層目となるZrO層32を形成した後、酸化チタン(TiO(X=1.7))をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。次に、金属ニオブ(Nb)をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約1nm堆積させる条件で蒸着した。さらに、酸化チタン(TiO(X=1.7))をイオンアシスト(イオンビームアシスト)法を用い、約2nm堆積させる条件で蒸着した。イオンビームアシストの条件は、それぞれ以下の通りである。
蒸着源:酸化チタン(TiO(X=1.7))、金属ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO(X=1.7))
アシストガス:アルゴン(Ar)
加速電圧:1000V、加速電流:200mA
2.10 比較例1
比較例1として、実施例5と同様のタイプCの層構造を有するレンズ10を、低抵抗化の工程を省き、他の工程は実施例5と同様の方法で製造した。
3. 実施例1ないし9および比較例1により製造されたレンズサンプルの評価
上記の実施例1ないし9および比較例1により製造されたサンプルについて、電気抵抗および光の吸収損失を測定した。これらの測定結果(評価結果)を図7にまとめて示している。
3.1 電気抵抗
3.1.1 測定装置および測定方法
図8(A)および(B)に、各サンプルの表面の電気抵抗(表面電気抵抗)を測定する様子を示している。この例では、測定対象、すなわち、レンズサンプル10の表面10Fにリングプローブ61を接触させて、レンズサンプル10の表面10Fの抵抗値を測定した。測定装置60は、三菱化学(株)製の高抵抗抵抗率計ハイレスタUP MCP−HT450型を使用した。使用したリングプローブ61は、URSタイプであり、2つの電極を有している。外側のリング電極61aは、外径18mm、内径10mmであり、内側の円形電極61bは、直径7mmである。それらの電極間に1000V〜10Vの電圧を印加し、各サンプルの表面電気抵抗値を計測した。
3.1.2 評価結果
図7に示すように、比較例1の方法により形成したレンズサンプルでは、表面抵抗の測定値は1×1013Ωである。電気抵抗を低減するために実施例1〜9に記載の方法により形成したレンズサンプルでは、表面抵抗の測定値が2×10Ω〜8×10Ωに低下した。すなわち、実施例1〜9に記載の方法により低抵抗化したレンズサンプルの抵抗値は、従来のサンプルと比較し、4桁〜5桁(10〜10)程度小さくなることが分かった。電気抵抗値が1/10〜1/10になったということもできる。したがって、反射防止層を形成する1つの層の表層に、チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの組成をイオンアシスト蒸着することにより、表面抵抗を下げることができることがわかった。
これらの実施例1〜9においては、チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの組成をイオンアシスト蒸着することで、表層33において、チタン(Ti)原子、ニオブ(Nb)原子、酸素(O)原子を混ざり合わせ、混在させるようにしている。たとえば、実施例1および2においては、第1の層である第6層または第4層のチタン酸化物層の表層33に、ニオブ酸化物または金属ニオブ、さらにはチタン酸化物をイオンアシスト蒸着することによりチタン酸化物層の表層(表層部)33にニオブがドープされていると考えられ、表層33の少なくとも一部にTi−Nb−Oの層または領域が形成されていると考えられる。そして、上記の評価結果において表面の電気抵抗が低下しているので、イオンアシスト蒸着により形成されたTi−Nb−Oの層または領域においてチタンの少なくとも一部はアナターゼ型の結晶またはそれに近い状態となっており、TNO化されていると考えられる。したがって、基材を300度以上の高温で保持することなく、第6層または第4層のチタン酸化物層の表層33、または表層33の一部に、イオンアシスト蒸着によりTi−Nb−Oの層または領域を形成でき、それにより、短周期の範囲では少なくともTNOまたはそれに近い結晶状態が形成できたと考えられる。このため、高温プロセスには不向きの基材、たとえば、この例においてはプラスチックレンズ基材においても層表面の境界領域にTNOを導入でき、TNOによる低抵抗化を図ることができる。
また、このTi−Nb−Oの層または領域は、表層33に金属チタン、チタン酸化物、金属ニオブまたはニオブ酸化物をイオンアシスト蒸着するという方法により形成されており、チタン−ニオブの混合物が蒸着により積層されたチタン−ニオブ系の高屈折率層とは異なる。すなわち、チタン−ニオブの混合物を蒸着する場合は高温の基板に蒸着させてエピタキシャル成長させない限り低抵抗にならない。したがって、チタン−ニオブ系の従来の高屈折率層では低抵抗化は報告されていない。上記の実施例1および2においては、チタン−ニオブの混合物を蒸着するのではなく、チタンまたはニオブの一方を他方の酸化物に対してイオンアシスト蒸着することにより表層33またはその一部のチタンがアナターゼ型になり、導電性のTNOが形成されていると考えられる。
同様に、実施例3および4においては、第1の層である第6層のニオブ酸化物層の表層33に、チタン酸化物または金属チタン、さらにはニオブ酸化物をイオンアシスト蒸着することによりニオブ酸化物層の表層(表層部)33にチタンがドープされていると考えられ、表層33の少なくとも一部にTi−Nb−Oの層または領域が形成されていると考えられる。実施例5ないし9に示すように、第1の層である第6層のジルコニウム酸化物層の表層33に、チタン酸化物または金属チタン、ニオブ酸化物または金属ニオブをイオンアシスト蒸着することにより、ジルコニウム酸化物層の表層(表層部)33の少なくとも一部にTi−Nb−Oの層または領域が形成できると考えられる。そして、これらの実施例においても電気抵抗が低下しており、高温プロセスを用いずに表層33の少なくとも一部をTNO化できていると考えられる。
レンズ、カバーガラスなどの光学物品の表面抵抗を低減することにより幾つかの効果が得られる。典型的な効果は、帯電防止、および電磁遮蔽である。眼鏡用のレンズにおいて帯電防止性の有無の目安は、電気抵抗値が1×1011Ω以下であると考えられている。使用上の安全性などを考慮すると、電気抵抗値が1×1010Ω以下であることがいっそう好ましい。実施例1ないし実施例9に記載の方法により製造されたレンズサンプルは、いずれも、電気抵抗値が1×1010Ω以下であり、優れた帯電防止性を備えていることが分かる。これらの実施例においては、多層構造の反射防止膜の1つの層の表層を処理するだけで十分な電気抵抗の低下が測定されており、工数の増加もほとんどなく低抵抗化できる。もちろん、多層構造の反射防止膜の複数の層の表層を処理することも可能である。
また、チタン、チタン酸化物、ニオブ、ニオブ酸化物を表層にイオンアシスト蒸着するプロセスは、チタン酸化物およびニオブ酸化物を反射防止膜の高屈折率層を形成するために蒸着するプロセスと共通するところが多いので、反射防止膜を形成するプロセスをほぼそのまま適用できる。この点でも、チタン、チタン酸化物、ニオブ、ニオブ酸化物を表層にイオンアシスト蒸着するプロセスは、メガネレンズなどの光学物品の表面の電気抵抗を低下するプロセスとして容易に採用できるプロセスである。
3.2 吸収損失
3.2.1 測定装置および測定方法
次に、各レンズサンプルの光の吸収損失を測定した。ただし、光の吸収損失は、表面が湾曲していたりすると測定が難しい。このため、ガラス製の基材(ガラス基材)1を用い、レンズサンプルと同様の工程で各実施例の光吸収損失測定用のサンプル(ガラスサンプル)を製造し、ガラスサンプルを用いて吸収損失を測定した。
光の吸収損失は、分光光度計を用いて反射率と透過率を測定し、(A)式にて吸収率を算出した。測定には、日立製分光光度計U−4100を使用した。
吸収率(吸収損失)=100%−透過率−反射率 ・・・(A)
図7に、各ガラスサンプルの波長400−700nmの平均光吸収率の測定結果を示している。
3.2.2 評価結果
実施例1〜9により製造されたガラスサンプルの吸収損失は、比較例1のガラスサンプルに対して若干増加する傾向がみられる。しかしながら、最大でも2%以下であり、十分に透光性は高く、反射防止層3の透光性に大きな影響を与えるほどの光吸収損失の増加ではない。したがって、実施例1ないし実施例9に記載の方法により形成されたレンズサンプルは、眼鏡用のレンズとして十分な透光性を備えていると判断できる。
反射防止層を形成する1つの層の表層33に、チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの組成をイオンアシスト蒸着することにより表層33の光学的な状態が乱され光吸収損失が増大すると考えられる。一方、本例では、表層33の一部にTNOが形成されると考えられ、TNO自体は透明な導電性の層である。したがって、光の吸収損失がそれほど増加せず、光学物品の光学的性質にほとんど影響を与えずに表面の電気抵抗を低減できることがわかる。
3.3 総合評価
以上の各評価より、実施例1ないし実施例9に記載の方法により形成されたレンズサンプルは、表面電気抵抗が帯電防止および電磁波遮断などの目的には十分な程度に低下した光学物品であり、光学的な性能もほとんど低下しないことがわかった。これらのレンズサンプルは、チタンとニオブという比較的低コストで資源枯渇などの問題が少なく、さらに毒性も低い材料を用いて低抵抗を実現できており、高価で資源的に豊富とはいえないインジウムを含むITOを用いたレンズサンプルに対して産業的なメリットが多いと考えられる。
さらに、本発明において提供する製造方法は、低抵抗化において、基材の温度をほとんど上昇させる必要がなく、チタン−ニオブ系の透明電極を製造するような300度以上という高温プロセスは不要である。したがって、プラスチックレンズなどの比較的高温耐久性の低い基材を含む光学物品に対して本発明は好適である。
なお、第1の層の表層を上述のように低抵抗化することにより、その層に限らず、その層の上に数レイヤーを重ねても表面の電気抵抗値または抵抗率を低減できる。したがって、低抵抗化する層は、5層構造の4層目や7層構造の6層目に限定されることはなく、いずれかの層でよく、さらに、複数の層の表層を低抵抗化させてもよい。
また、上記の実施例で示した反射防止層の層構造は幾つかの例にすぎず、本発明がそれらの層構造に限定されることはない。例えば、3層以下、あるいは9層以上の反射防止層に適用することも可能であり、この場合も、低抵抗化する層は1つの層に限定されない。また、高屈折率層と低屈折率層の組み合わせは、TiO/SiO、Nb/SiO、ZrO/SiOに限定されることはなく、Ta/SiO、NdO/SiO、HfO/SiO、Al/SiOなどであってもよい。これらの系であっても、いずれかの層の表層を上述のように低抵抗化することにより、反射防止層3の抵抗値を低減でき、導電性が向上すると考えられる。
本発明の光学物品の製造方法は、眼鏡用のレンズに限らず、投射用のレンズ、結像用のレンズ、ダイクロイックプリズム、カバーガラス、DVDなどの情報記録装置、美的表現を発揮する媒体を内蔵した装飾品などにも適用可能であり、帯電防止機能を備えた光学物品を提供できる。また、上記に示した実施形態は例示にすぎず、当業者が本発明を利用しうる光学物品の製造方法は、本発明に含まれるものである。
1 レンズ基材(光学基材)、 2 ハードコート層、 3 反射防止層、 4 防汚層
10 レンズ(光学物品)

Claims (3)

  1. 光学基材に直にまたは他の層を介して透光性の第1の層を形成することと、
    チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物の少なくともいずれかを前記第1の層にイオンアシスト蒸着することと、
    を含み、
    前記第1の層はチタンの酸化物を含み、
    前記イオンアシスト蒸着することは、ニオブまたはニオブの酸化物をイオンアシスト蒸着することを含む、
    光学物品の製造方法。
  2. 光学基材に直にまたは他の層を介して透光性の第1の層を形成することと、
    チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物の少なくともいずれかを前記第1の層にイオンアシスト蒸着することと、
    を含み、
    前記第1の層はニオブの酸化物を含み、
    前記イオンアシスト蒸着することは、チタンまたはチタンの酸化物をイオンアシスト蒸着することである、
    光学物品の製造方法。
  3. 光学基材に直にまたは他の層を介して透光性の第1の層を形成することと、
    チタン、ニオブ、チタンの酸化物およびニオブの酸化物の少なくともいずれかを前記第1の層にイオンアシスト蒸着することと、
    を含み、
    前記第1の層は非チタン・ニオブ含有酸化物層であり、
    前記イオンアシスト蒸着することは、チタンまたはチタンの酸化物をイオンアシスト蒸着し、その後、ニオブまたはニオブの酸化物をイオンアシスト蒸着すること、または、ニオブまたはニオブの酸化物をイオンアシスト蒸着し、その後、チタンまたはチタンの酸化物をイオンアシスト蒸着することである、
    光学物品の製造方法。
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