JP2004341052A - 光学要素 - Google Patents

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Hirobumi Oda
博文 小田
Keisaku Kimura
圭作 木村
Masao Kamiya
雅男 神谷
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Abstract

【目的】新規な、低耐熱性基材に好適な帯電防止性能を有する光学要素を提供すること。
【構成】プラスチック製の光学基材上に複層構成の反射防止膜を備えた眼鏡レンズなどの光学要素。前記反射防止膜が透明導電層を含み、該透明導電層をイオンアシスト真空蒸着により形成する。他の反射防止膜の構成層は、電子ビーム真空蒸着等により形成する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、基材上に複層構成反射防止膜を備えた光学要素に関する。特に、基材がプラスチック眼鏡レンズ等の低耐熱性基材の場合に好適な発明である。
【0002】
【背景技術】
眼鏡や写真用レンズのような光学要素の場合、水滴が付着すると、結像がゆがめられるため、水滴が付着し難いことが望ましい。
【0003】
水滴付着の原因は、親水性の無機ガラス基材や有機ガラス基材の表面に、手あか・塵埃等の汚れが付着したり、また、微細な傷が生じたりすることにより、不均一な親水性面となるためである。
【0004】
一方、光学要素の表面には、通常、反射率低減または増大のために親水性の金属酸化物・ハロゲン化物層(以下「金属酸化物層」)等が形成されている。
【0005】
そして、上記金属酸化物層は、通常、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等で代表される物理的蒸着法(PVD:Physical Vapor Deposition)で形成されている。
【0006】
PVDで形成された金属酸化物層の表面は微細凹凸が存在するため、金属酸化物層は、汚れ等が付着し易いとともに、付着した場合は除去し難く、さらには、微細な傷も発生し易い。また、金属酸化物層は、親水性を有するため、水滴付着の傾向が増大するという問題点がある。
【0007】
このような場合、最表面に撥水・防汚処理をすることが考えられ、同処理を行うことで滑り性が増し、拭き傷等も付きにくくなる。
【0008】
しかし、従来の撥水(防汚)処理はフッ素系有機膜を最表層に形成しているため、表面を布等で拭き上げ或いは擦りつけたとき、容易に帯電し、逆に埃等を吸着し易くなってしまう。
【0009】
そこで、帯電防止のために、光学基材上に透明導電層を形成することが考えられる。そして、眼鏡レンズ等の光学基材上に、透明導電層を含む反射防止膜を備えた光学要素に関する技術が記載された先行技術文献として、特許文献1〜3等が存在する。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−280790号公報
【特許文献2】
特開平11−149063号公報
【特許文献3】
特開2002ー31701公報
【0011】
【発明の開示】
本発明は、上記先行技術文献に開示されていない新規な、低耐熱性基材に好適な帯電防止性能を有する光学要素を提供することを目的とする。
【0012】
本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の光学要素に想到した。
【0013】
光学基材上に複層構成の反射防止膜又は反射増加膜を備えた光学要素において、前記反射防止膜又は反射増加膜が透明導電層を含み、該透明導電層をイオンアシスト真空蒸着により形成することを特徴とする。
【0014】
ITO(酸化インジウムと酸化錫との混合物)をターゲットとして、一般的な電子ビームにより、真空蒸着法で成膜を行うと、酸素が分離してしまい、酸化度が不十分な酸化膜が形成される。酸化度が不十分な酸化膜は、光学要素に必然的な透明性が劣る。そこで、従来は、前記先行技術文献の如く、スパッタリング・イオンプレーティング等の如く、プラズマを利用して酸素イオンを発生させ、酸化度が十分な酸化膜を成膜させていた。しかし、プラズマを利用するため、プラスチック等のプラズマに対して弱い基材を使用すると、基材の劣化・変形等が発生しやすい。
【0015】
そこで、本発明者らは、真空蒸着に際して、イオンアシストによれば、酸素イオンを基材に向けて照射させることができ、スパッタリング・イオンプレーティングと同様に、酸化膜の酸化度の調節が可能となり、しかも、基材をプラズマに直接さらさずに低温雰囲気下で成膜ができることを見出して、本発明に想到したものである。
【0016】
通常、本発明の光学要素は、光学基材と反射防止膜又は反射増加膜との間に、更に、プライマーコート及びハードコートを備えている。
【0017】
さらに、光学基材をプラスチック製とした場合は、基材が熱又はアークによる損傷のない安定した品質の光学要素の提供が可能となる。
【0018】
そして、上記において、透明導電層は、インジウム錫酸化物(ITO)で形成し、ジルコニア、チタニア等からなる高屈折率層上に隣接させることが望ましい。透明導電層の膜厚制御が容易となる。
【0019】
本発明は、反射防止膜又は反射増加膜を備えた光学要素ばかりでなく、透明導電層を備えた光学基材上に透明導電層がイオンアシスト真空蒸着により形成された光学要素全てを含む。
【0020】
本発明の、光学基材の上に透明導電層をイオンアシスト真空蒸着により成膜する方法は、成膜条件を
加熱温度:25〜100℃、真空度:1〜0.005Pa、イオン銃ガス導入量:1〜100sccm、イオン銃加速電圧:300〜1000Vとすることが望ましい。
【0021】
本発明の光学要素は、少なくとも1層以上の透明導電層が含まれており、イオンアシスト法を用いてプラスチック眼鏡レンズ等の低耐熱性基材へも、アーク損傷又は熱損傷を与えない低温で成膜可能となるものである。
【0022】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明は、光学基材上に複層構成の反射防止膜または反射増加膜(ミラーコート)を備えた光学要素を前提とする。
【0023】
ここで光学基材としては、無機ガラス基材、有機ガラス基材を問わない。そして、光学要素としては、眼鏡レンズ、カメラ用レンズなどの光学用レンズ、さらには、各種ディスプレイの前面ガラスないし前面フィルター、さらには、光学プリズム等も含まれるものである。
【0024】
上記無機ガラス基材としては、特に限定されないがソーダガラス、ほうけい酸ガラス、石英ガラス、サファイガラスなどを挙げることができる。
【0025】
上記有機ガラス基材としては、ポリカーボネート(PC)、脂肪族アリルカーボネート、芳香族アリルカーボネート、ポリチオウレタンなどの通常眼鏡レンズに使用される基材の他に、アクリル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを挙げることができる。
【0026】
そして、耐擦傷性(特に、有機ガラス基材の場合)の見地から、通常、ハードコート膜を形成し、さらに、該ハードコート膜(1)を形成する場合には、耐衝撃性を高めるため、プライマー層(2)を基材との間に介在させる。
【0027】
(1)上記ハードコートは、ガラス表面に耐擦傷性等を付与できるものなら特に限定されないが下記シリコーン系(i)又はアクリル系(ii)のものが、好適に使用できる。
【0028】
(i) シリコーン系ハードコート;
例えば、オルガノアルコキシシランの加水分解物に、触媒、金属酸化物微粒子(複合微粒子を含む)を加え、希釈溶剤にて塗布可能な粘度になるように調節する。さらに、このハードコート液には、適宜界面活性剤、紫外線吸収剤等の添加も可能である。
【0029】
▲1▼上記オルガノアルコキシシランとしては、下記一般式にて示されるものが使用可能である。
【0030】
R1R2Si(OR3 )4−(a+b)
(但し、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリルオキシ基、フェニル基であり、R2 は炭素数1〜3の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アリール基、R3 は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基である。また、a=0又は1、b=0、1又は2である)。
【0031】
具体的には、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。これらは、単独使用の他に、2種以上を併用することも可能である。
【0032】
▲2▼上記触媒としては、トリメリト酸、無水トリメリト酸、イタコン酸、ピロメリト酸、無水ピロメリト酸等の有機カルボン酸、メチルイミダゾール、ジシアンジアミド等の窒素含有有機化合物、チタンアルコキシド、ジルコアルコキシド等の金属アルコキシド、アセチルアセトンアルミニウム、アセチルアセトン鉄等の金属錯体、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属有機カルボン酸塩を使用できる。
【0033】
▲3▼金属酸化物微粒子としては、平均粒径が5〜50μmのコロイダルシリカ、コロイダルチタニア、コロイダルジルコニア、コロイダル酸化セリウム(IV)、コロイダル酸化タンタル(V)、コロイダル酸化スズ(IV)、コロイダル酸化アンチモン(III )、コロイダルアルミナ、コロイダル酸化鉄(III )等を使用でき、これらは、単一使用の他に、2種以上を併用、または複合微粒子として使用することも可能である。
【0034】
▲4▼希釈溶剤としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類及びセロソルブ類等の極性溶剤を好適に使用できる。
【0035】
▲5▼コーティング方法としては、ディッピング法、スピンコート法等の公知の方法から選ばれる。硬化条件は、80〜130℃×1〜4hである。
【0036】
(ii)アクリル系ハードコート;
例えば、1分子中に3個以上のアクリロイルオキシ基を有する多官能アクリル系オリゴマー、モノマーに、目的機能を有するモノマー、オリゴマー、及び光重合開始剤を加えたものを必須成分とする。必要に応じて、重合禁止剤、レベリング剤及び紫外線吸収剤等の添加剤、熱可塑性樹脂や酸化金属微粒子等の改質剤の添加も可能である。
【0037】
▲1▼上記多官能アクリル系オリゴマー、モノマーとは、1分子中に3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物で、下記のものを例示できる。
【0038】
ポリオールアクリレート(多価アルコールまたはポリエーテル型多価アルコールの(メタ)アクリレート):トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート等
ポリエステルアクリレート(多塩基酸と多価アルコールとアクリル酸の三成分を反応させて得られるポリエステルの(メタ)アクリレート):例えば多塩基酸としてはフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等、多価アルコールとしてはトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール等をそれぞれ代表的に使用できる。
【0039】
ウレタンアクリレート(3価以上のポリオール成分、3価以上のポリイソシアナートまたはポリオールポリイソシアナートと水酸基含有多官能(メタ)アクレートの三成分を反応させて得られる。):例えば、ポリオール成分としてはトリメチロールプロパン等、ポリイソシアナートとしてはHMDIのビューレット又は三量体、水酸基含有多官能(メタ)アクレートとしてはペンタエリトリトールトリアクリレート等の前記ポリオールアクリレートを、それぞれ代表的に使用できる。
【0040】
エポキシアクリレート(エポキシ化合物に(メタ)アクリル酸、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる):グリセリントリグリシジルエーテルトリアクリレート、トリス(グリシジルエーテルエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテルテトラアクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルポリアクリレート、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルポリアクリレート等。
【0041】
その他:トリスアクリロイルオキシイソシアヌレート、アミノポリアクリレート、ヘキサキスメタクリロイルオキシエチルホスファゼン、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート等
▲2▼上記光重合開始剤としては、下記例示のものを使用できる。
【0042】
アセトフェノン系:4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、混合光開始剤(アリルケトン類起源)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、アリルケトン含有光開始剤、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等
ベンゾイン系:ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等
ベンゾフェノン系:ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3、3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等
チオキサンソン系:チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等
特殊グループ:α−アシロキシムエステル、アシルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル−9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、4’,4”−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等
このときトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、等の光重合開始助剤を併用することもできる。
【0043】
重合開始剤の濃度としては、硬化性樹脂に対して0.5〜10wt%、好ましくは1〜7wt%である。
【0044】
▲3▼上記重合禁止剤としては、下記例示ものを使用できる。
【0045】
ヒドロキノン、メトキノン、p−ベンゾキノン、フェノチアジン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、アンスラキノン、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン等
▲4▼上記レベリング剤としては、炭化水素系、シリコーン系、フッ素系が使用できる。
【0046】
▲5▼上記紫外線吸収剤としては、ヒドロキシベンゾフェノン系、サルチレート系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等を挙げることができる。
【0047】
▲6▼上記熱可塑性樹脂は、ポリウレタンエラストマー、ポリブタジエンエラストマー、アクリルニトリル/ブタジエンエラストマー等を挙げることができる。
【0048】
▲7▼上記酸化金属微粒子及び希釈溶剤としては、上記シリコーン系で例示したものと同様のものが使用できる。
【0049】
コーティング方法も、シリコーン系の場合と同様である。
【0050】
硬化条件は、管壁負荷80〜160W/cmの高圧水銀ランプ系またはメタルハライドランプ系紫外線光源下にて2〜180秒とする。
【0051】
(ii)プライマー層としては、特に、耐衝撃性に優れたプライマーを使用して形成することが望ましい。
【0052】
具体的には、▲1▼ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)に金属酸化物無機微粒子を添加したTPUプライマー組成物、▲2▼塗膜形成ポリマーの全部または主体がエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)に上記と同様の金属酸化物無機微粒子を添加したTPEEプライマー組成物が好適に使用できる。
【0053】
▲1▼TPUは、長鎖ポリオールとポリイソシアナートからなるソフトセグメントと短鎖ポリオールとポリイソシアナートからなるハードセグメントとで構成されるもので、水性エマルション(乳濁液)の形態で添加されることが望ましい。
【0054】
金属酸化物微粒子は、前述のハードコートにおけるものを使用できる。
【0055】
▲2▼TPEEは、ハードセグメントにポリエステル、ソフトセグメントにポリエーテル又はポリエステルを使用したマルチブロック共重合体で、このハードセグメントとソフトセグメントとの重量比率は、通常、前者/後者=約30/70〜10/90とする。
【0056】
また、ウレタン系プライマーと同様の金属酸化物無機微粒子を屈折率調節用として用いる。
【0057】
(3)上記ハードコート上には、適宜、無機薄膜を形成して反射防止膜やミラーコート(反射増加膜)とする。
【0058】
すなわち、金属酸化物・金属ハロゲン化物などのセラミックス及び金属膜からなる単層又は2種類以上の物質からなる多層の薄膜を形成して、光学的に反射率を低減させたり、増大させたりして形成する。
【0059】
ここで、無機薄膜材料としては:
チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、アンチモン、イットリウム、インジウム、スズ、ランタン、セリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素等のいずれか、又は2種以上の複数を成分とする無機酸化物、
マグネシウム、ランタン、アルミニウム、リチウム等の無機ハロゲン化物、
珪素、ゲルマニウム、クロム、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、白金等の金属単体又はこれらの内から2種以上の複数を成分とする金属混合体(焼結体、合金を含む。)、
などを挙げることができる。
【0060】
反射防止膜及び反射増加膜(ミラーコート)は、通常、真空蒸着法(電子ビーム蒸着)、イオンアシスト法(イオンアシスト真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法、アーク放電法などの乾式メッキ法(PVD法)を使用して形成する。イオンアシスト法は、真空蒸着の1種とも言えるが、特殊であるため別に分類した。
【0061】
(4)そして、上記反射防止膜又は反射増加膜のうちの一層又は複層として透明導電層をイオンアシスト法により成膜する。
【0062】
そして、透明導電層の膜厚は、0.001〜0.1μm、望ましくは、0.003〜0.03μmとする。上記光学基材の最表層には、防汚・撥水処理を行ってもよい。
【0063】
導電層の材料としては特に限定されないが、例えばインジウム、スズ、亜鉛等のいずれか、又は2種以上の複数を成分とする無機酸化物が好ましい。特に、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムと酸化錫との混合物)が望ましい。
【0064】
上記導電層の膜厚は、0.001〜0.1μm、好ましくは0.003〜0.05μm、更に好ましくは0.003〜0.03μmとする。導電層の膜厚が0.001μm未満では帯電防止効果を付与し難く、0.1μmを超えると光透過性が減少しまた成膜に長時間を要する。
【0065】
導電層の形成は、導電層形成材料を、100℃未満に加熱された真空容器内に入れ、少なくともOを含む気体を適時送入しながら1〜0.005Paの圧力に調節した状態で加熱を行い、更にイオン銃を用いてイオンアシストを行いながら成膜する。
【0066】
真空容器内の加熱温度としては、常温〜100℃、好ましくは50〜90℃とすることが望ましい。常温より下では成膜された膜の密度が低く十分な膜耐久性が得られず、100℃を超えると成膜する基板の劣化・変形がおきる可能性がある。
【0067】
イオンアシスト条件としては、ガス導入量1〜100sccm好ましくは5〜50sccm、加速電圧100〜1200V、好ましくは300〜1000Vとすることが望ましい。ガス導入量・加速電圧共に少ないと得られる導電層の透明性或いは導電性が得られず、多いとイオン銃の制御性が悪くなり、またイオン銃の劣化が早くなりコスト高となる。ここで、「sccm」とは、「standard cc/m」の略で、0℃、101.3kPa(1気圧)におけるものを指す。
【0068】
イオン銃への導入ガスとしては、O、Arのいずれか又はその混合ガスとすることが望ましい。
【0069】
なお、上記イオンアシストに先立ち、ハードコート膜の表面処理を行うことが望ましい。具体的には、▲1▼酸素又はアルゴン雰囲気下におけるプラズマ処理、▲2▼酸・アルカリによる薬品処理、▲3▼イオン銃による酸素イオン又はイオン照射処理(イオンクリーニング)等を挙げることができる。これらのうちで、イオンクリーニングが望ましい。
【0070】
なお、イオンクリーニング及びイオンアシストについては、特開平10−123301・11−174205号等に詳細に記載されている。
【0071】
成膜時の真空圧は1.0〜0.005Pa、好ましくは0.5〜0.008Pa、更に好ましくは0.1〜0.01Paとする。1Pa未満では蒸発分子の平均自由行程が短く適当な成膜速度が得られず、また0.005Paを超えると成膜速度は得られるが導電層の透明性が得られない。
【0072】
また、成膜速度は、0.05〜10.0Å/s、好ましくは0.1〜5.0Å/sとする。0.05Å/s未満では生産性が劣り成膜コスト高となり、5.0Å/s以上では適当な膜厚分布を得ることが難しくなる。成膜速度は、真空圧・加熱温度を調節することにより調節が可能である。
【0073】
なお、導電層以外の反射防止膜又は反射増加膜の他の構成層は、導電層と同じイオンアシストでも、電子ビームなどの他の真空蒸着でもよい。通常、電子ビームで行うことが、同じ、真空室を使用でき望ましい。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明をする。
【0075】
(1)実施例・比較例で使用した、薬剤・光学基材は下記のとおりである。
【0076】
<薬剤>
TPEE「ペスレジンA−160P」(高松油脂株式会社製、ポリエステル・ポリエーテル型水分散エマルジョン(水性)、固形分濃度27%)
チタニア系酸化金属微粒子A「オプトレイク1130F−2(A−8)」(触媒化成工業株式会社製、固形分濃度30%、分散溶媒メチルアルコール)
チタニア系酸化金属微粒子B「オプトレイク1120Z(S−7,G)」(触媒化成工業株式会社製、固形分濃度20%、分散溶媒メチルアルコール)
コロイダルシリカ「メタノールシリカゾル」(日産化学株式会社製、固形分濃度30%、分散溶媒メチルアルコール)
<光学基材>
屈折率1.50:「CR−39」(PPG Co製)
屈折率1.60:「MR−8」(三井化学株式会社製)
屈折率1.67:「MR−7」(三井化学株式会社製)
屈折率1.74:「HIE−1」(三井化学株式会社製)
各光学基材は、前処理として40℃の10%水酸化ナトリウム水溶液に3min浸漬させ、次いで水洗、乾燥させたものを使用した。
【0077】
(2)各プライマー組成物は下記の如く調製したものである。
【0078】
<プライマー組成物1>
市販のTPEE「ペスレジンA−160P」100部に、チタニア系酸化金属微粒子「オプトレイク1120Z(S−7.G)」57部、希釈剤としてメチルアルコール350部、及びシリコーン系界面活性剤「L−7001」1部を混合し、均一な状態になるまで撹拌して、プライマー組成物を調製した。
【0079】
<プライマー組成物2>
チタニア系酸化金属微粒子「オプトレイク1120Z(S−7,G)」を210部に変更する以外はプライマーコート1と同様にして調製した。
【0080】
(3)各ハードコート組成物は、下記の如く調製したものである。
【0081】
<ハードコート組成物1>
γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン109部、テトラエトキシシラン40部、γーグリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン27部に、メチルアルコール160部を加え、撹拌しながら0.01Nの塩酸38部を滴下して一昼夜加水分解を行って加水分解物を調製した。
【0082】
該加水分解物に、コロイダルシリカ390部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製「SILWET Lー7001」)1部と、触媒としてアセチルアセトン鉄1.5部を混合し、一昼夜撹拌してハードコート組成物を調製した。
【0083】
<ハードコート組成物2>
γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン150部、テトラエトキシシラン25部に、メチルアルコール150部を加え、撹拌しながら0.01Nの塩酸40部を滴下して一昼夜加水分解を行って加水分解物を調製した。
【0084】
該加水分解物に、チタニア系酸化金属微粒子「オプトレイク1130F−2(A−8)」170部、シリコーン系界面活性剤(L−7001)1部と、触媒としてアセチルアセトンアルミニウム1.0部を混合し、一昼夜撹拌してハードコート組成物を調製した。
【0085】
<ハードコート組成物3>
チタニア系酸化金属微粒子「オプトレイク1130F−2(A−8)」を 350部に変更する以外はハードコート2と同様にして調製した。
【0086】
(4)反射防止膜・反射増加膜(ミラーコート)の基材側からの層構成は、下記のものとした。そして、何れも、60℃に加熱しながら、圧力1.33×10−3Paまで排気し、酸素イオンクリーニングを行った後、基板側から順に下記構成で各層を成膜して行った。なお、ITO層及びTiO層は、下記イオンアシスト法、その他の層は電子ビーム法により、それぞれ真空蒸着で成膜し、更に、最表層には、ふっ素系撥水処理を行う。
【0087】
<導電層含有反射防止膜1>
第1層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 26nm
第2層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 81nm
第3層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 22nm
第4層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 112nm
第5層 ITO 屈折率 2.00 光学膜厚 20nm
第6層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 131nm
<導電層含有反射防止膜2>
第1層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 26nm
第2層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 81nm
第3層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 22nm
第4層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 102nm
第5層 ITO 屈折率 2.00 光学膜厚 30nm
第6層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 131nm
<導電層含有反射防止膜2>
第1層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 26nm
第2層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 93nm
第3層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 18nm
第4層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 125nm
第5層 ITO 屈折率 2.00 光学膜厚 20nm
第6層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 131nm
<導電層含有反射防止膜4>
第1層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 26nm
第2層 TiO2 屈折率 2.36 光学膜厚 34nm
第3層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 45nm
第4層 TiO2 屈折率 2.36 光学膜厚 100nm
第5層 ITO 屈折率 2.00 光学膜厚 20nm
第6層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 18nm
第7層 TiO2 屈折率 2.36 光学膜厚 94nm
第8層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 129nm
<導電層含有反射増加膜1>
第1層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 130nm
第2層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 130nm
第3層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 130nm
第4層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 130nm
第5層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 110nm
第6層 ITO 屈折率 2.00 光学膜厚 20nm
第7層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 130nm
<導電層非含有反射防止膜1>
第1層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 26nm
第2層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 81nm
第3層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 22nm
第4層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 132nm
第5層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 131nm
<導電層非含有反射防止膜2>
第1層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 26nm
第2層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 93nm
第3層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 18nm
第4層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 145nm
第6層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 131nm
<導電層非含有反射防止膜3>
第1層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 26nm
第2層 TiO2 屈折率 2.36 光学膜厚 34nm
第3層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 45nm
第4層 TiO2 屈折率 2.36 光学膜厚 120nm
第5層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 18nm
第6層 TiO2 屈折率 2.36 光学膜厚 94nm
第7層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 129nm
<導電層非含有反射増加膜1>
第1層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 130nm
第2層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 130nm
第3層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 130nm
第4層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 130nm
第5層 ZrO2 屈折率 2.05 光学膜厚 120nm
第6層 SiO2 屈折率 1.46 光学膜厚 130nm
(5)導電層(ITO層)の成膜条件は、下記の如くとした。
【0088】
<導電層成膜方法1>
真空室にOガスを真空度:4.5×10−2Paとなるように流量を調節し、かつ、イオン銃にOガスを導入しながら加速電圧1kVに設定して酸素イオンを基材に放射しながら、電子銃を用いて蒸発源であるITO(オプトロン株式会社製ITO)をEB(電子ビーム)加熱して、成膜速度:1Å/sのとなるように成膜を行う。
【0089】
<導電層成膜方法2>
上記1の方法において、真空度:4.0×10−2Pa、成膜速度:0.5Å/sとした以外は同様にして成膜を行う。
【0090】
(6)実施例・比較例は、下記の如く調製した。
【0091】
<実施例−1>
CR−39レンズにハードコート1を塗布し、110℃×2hの条件で硬化させ、ハードコートを形成した。ハードコートを施したレンズを回転するレンズドームにセットし、導電層含有反射増加膜1を導電層成膜条件1として成膜した。
【0092】
<実施例−2>
MR−8レンズにプライマーコート1を塗布し、100℃×20分の条件で硬化後、ハードコート2を塗布し、110℃×2hの条件で硬化させ、プライマー・ハードコートを形成した。該プライマー・ハードコートを施したレンズを回転するレンズドームにセットし、導電層含有反射防止膜1を導電層成膜方法1として成膜した。
【0093】
<実施例−3>
MR−8レンズにプライマーコート1を塗布し、100℃×20分の条件で硬化後、ハードコート2を塗布し、110℃×2hの条件で硬化させ、プライマー・ハードコートを形成した。該プライマー・ハードコートを施したレンズを実施例2と同様にして導電層含有反射防止膜2を導電層成膜方法1として成膜した。
【0094】
<実施例−4>
MR−7レンズにハードコート3を塗布し、110℃×2hの条件で硬化させ、ハードコートを形成した。該ハードコートを施したレンズを実施例3と同様にして導電層含有反射防止膜形成3を成膜した。
【0095】
<実施例−5>
HIE−1レンズにプライマーコート2を塗布し、100℃×20minの条件で硬化後、ハードコート3を塗布し、110℃×2hの条件で硬化させ、プライマー・ハードコートを形成した。該プライマー・ハードコートを施したレンズを実施例3と同様にして、導電層含有反射防止膜4を実施例3と同様にして成膜した。
【0096】
<実施例−6>
ハードコートまでは実施例5と同様にして行い、プライマー・ハードコート膜を施したレンズを回転するレンズドームにセットし、導電層含有反射防止膜4を導電層成膜方法2として成膜した。
【0097】
<比較例−1>
ハードコートまでは実施例1と同様にして行い、導電層非含有反射増加膜1を成膜した。
【0098】
<比較例−2>
ハードコートまでは実施例2と同様にして行い、導電層非含有反射防止膜1を成膜した。
【0099】
<比較例−3>
ハードコートまでは実施例4と同様にして行い、導電層非含有反射防止膜2を成膜した。
【0100】
<比較例−4>
ハードコートまでは実施例5と同様にして行い、導電層非含有反射防止膜形成3を成膜した。
【0101】
(7)物性試験及び評価
上記に従って調製した各試験片について、以下各項目の試験を行った。
【0102】
<試験項目>
(1)帯電防止性評価試験
メガネ拭き(帝人株式会社製ミクロスター)に600gの荷重を加え、各試験片の表面を10回/5sにて擦り、擦った直後に発生した静電電位を静電電位測定器(シシド静電気株式会社製スタチロンDZ)を用いて静電電位発生量を評価した。
○:静電電位 0.1kV以下
×:静電電位 0.1kV以上
(2)耐温水性試験
80℃に加熱した純水中に試験片を10分間浸漬させた後、帯電防止性評価試験を行った。
【0103】
(3)耐候性試験
促進耐候性試験:カーボンアーク型サンシャインスーパーロングライフウエザーメーター(スガ試験機社製)で200時間暴露して、帯電防止性評価試験を行った。
【0104】
(4)透明性
各試験片の視感度透過率を視感度透過率計(冨士光電工業株式会社製STS−2)にて測定行い評価する。
【0105】
○:視感度透過率95%以上
×:視感度透過率95%未満
(5)密着性試験
試験片に1cm四方に1mm間隔で100個の升目を形成し、セロハン製粘着テープを強く押しつけた後、90°方向に急激に剥がし、剥離しない升目の数を数えた。
【0106】
<試験評価>
上記試験結果を示す表1・2から、各実施例の光学要素は、帯電防止効果を有するもとともに、各種耐久性(耐温水性、耐候性、密着性)に優れでいることが分かる。特に、プラスチック基材に対して、熱・アーク損傷を伴わずに、透明性に優れた導電層の成膜が可能であることが分かる。
【0107】
【表1】
Figure 2004341052
【0108】
【表2】
Figure 2004341052

Claims (10)

  1. 光学基材上に複層構成の反射防止膜を備えた光学要素において、前記反射防止膜が透明導電層を含み、該透明導電層がイオンアシスト真空蒸着により形成されてなることを特徴とする光学要素。
  2. 前記光学基材と前記反射防止膜との間に、更に、プライマーコート及びハードコートを備えていることを特徴とする請求項1記載の光学要素。
  3. 前記反射防止膜の上に更に撥水処理層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学要素。
  4. 光学基材上に複層構成の反射増加膜を備えた光学要素において、前記反射増加膜が透明導電層を含み、該透明導電層がイオンアシスト真空蒸着により形成されていることを特徴とする光学要素。
  5. 前記光学基材と前記反射増加膜との間に、更に、プライマーコート及びハードコートを備えていることを特徴とする請求項4記載の光学要素。
  6. 前記反射増加膜の上に更に撥水処理層が形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の光学要素。
  7. 前記光学基材が有機ガラス基材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学要素。
  8. 前記透明導電層が、インジウム錫酸化物(ITO)で形成され、ジルコニア、チタニア等からなる高屈折率層上に隣接していることを特徴とする請求項7記載の光学要素。
  9. 光学基材上に透明導電層がイオンアシスト真空蒸着により形成されてなることを特徴とする光学要素。
  10. 光学基材の上に透明導電層をイオンアシスト真空蒸着により形成する方法であって、
    該イオンアシスト真空蒸着の条件が、加熱温度:25〜100℃、真空度:1〜0.005Pa、イオン銃ガス導入量:1〜100sccm、イオン銃加速電圧:300〜1000Vとすることを特徴とする光学基材上の導電層形成方法。
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