JP2008184556A - ハードコーティング組成物 - Google Patents

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JP2008184556A JP2007019978A JP2007019978A JP2008184556A JP 2008184556 A JP2008184556 A JP 2008184556A JP 2007019978 A JP2007019978 A JP 2007019978A JP 2007019978 A JP2007019978 A JP 2007019978A JP 2008184556 A JP2008184556 A JP 2008184556A
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Abstract

【課題】高い導電性を有するハードコート膜が得られるシリコーン系のハードコーティング組成物を提供すること。
【解決手段】エポキシ基導入トリアルコキシシランの加水分解物を主体とし、テトラアルコキシシランの加水分解物を含有させて硬度調節されてなるシリコーン系のハードコーティング。非重合性の窒素オニウムカチオンと、ふっ素原子及びスルホニル基(−SO2−)を構造に持つ配位アニオンとからなるオニウム塩(イオン性液体)を導電性付与剤として含有させる。適宜、塗膜硬度乃至屈折率を向上させるために、金属酸化物微粒子を添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン系のハードコーティング組成物(hard coating compositions)及び該コーティング組成物で形成されるハードコート(hard coat)を備えた透明樹脂製品に関する。特に、耐擦傷性とともに帯電防止性が要求される、有機ガラスを基材とする光学要素(光学部品)に好適なものである。
ここで光学要素とは、眼鏡レンズ、カメラ用レンズ、反射鏡、プリズム、フィルター、等を含む概念である。本発明のシリコーン系コーティング組成物は、前記光学要素ばかりでなく、照明器具用カバー等、上記特性が要求される有機ガラスを基材とする透明樹脂製品にも勿論適用できる。
以下、眼鏡用レンズを、主として例に採り説明する。
眼鏡レンズ等の光学要素の光学基材(有機ガラス)に対する帯電防止処理技術としては、反射防止膜成膜時に、中間膜にインジウム錫酸化物(通称:ITO:Indium Tin Oxide)を形成することによって高い導電性(表面抵抗率1010Ω以下)を有機ガラス基材に付与する方法が、特許文献1・2等において提案されている。
しかし、帯電防止用に用いてきた稀少金属のインジウムはITの柱とされる液晶パネルで大量に消費されるようになりコスト面から眼鏡用途として入手が制限されるようになってきている。
さらに、市場のグローバル化から反射防止膜をほとんど必要としないマーケットにおいても、ハードコーティング組成物レンズ製品で高い帯電防止特性を有する眼鏡用有機ガラスレンズの要請がでてきている。
このようなマーケットでは、眼鏡レンズ製品には、眼鏡使用者(消費者)の要求に応じて各種のカラーに対応する必要があるため、後加工で着色可能なことが必要である。
しかし、上記帯電防止処理技術では、過剰品質となるとともに、後加工として着色する眼鏡レンズには適用できない。反射防止膜形成後は、着色ができないためである。
なお、有機ガラスのハードコート(hard coat)処理に使用するハードコーティング組成物(表面処理塗料)として、代表的なものに、特許文献3に記載されているようなシリコーン(オルガノポリシロキサン)系のハードコーティング組成物がある。
また、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、重合性窒素オニウム塩を含有させた導電性ポリマー組成物に関する先行技術文献として、特許文献4〜9が存在する。
特開2004−361662号公報(特許請求の範囲等) 特開2004−341052号公報(特許請求の範囲等) 特公昭57-42665号公報(特許請求の範囲等) 特開2005−347068号公報(特許請求の範囲等) 特開2006−040643号公報(特許請求の範囲等) 特開2006−040659号公報(特許請求の範囲等) 特開2004−269805号公報(特許請求の範囲等) 特開2005−171105号公報(特許請求の範囲等) 特開2004−258277号公報(特許請求の範囲等)
本発明は、上記にかんがみて、高い導電性を有するハードコート(表面処理膜)が得られるシリコーン系のハードコーティング組成物(塗料)及び該ハードコーティング組成物で形成されたハードコートを備えた光学要素を提供することを目的(課題)とする。
本発明は、上記課題を下記構成のハードコーティング組成物により解決する。
エポキシ基導入トリアルコキシシランの加水分解物を主体とし、テトラアルコキシシランの加水分解物を含有させて硬度調節されてなるシリコーン系のハードコーティング組成物において、
非重合性の窒素オニウムカチオンと、ふっ素原子及ビスルホニル基(−SO2−)を構造に持つ配位アニオンとからなるオニウム塩を含有することを特徴とする。
上記において、前記窒素オニウムカチオンとして、下記一般式(化1)、(化2)、(化3)及び(化4)に、それぞれ示される四級アンモニウム、イミダゾリウム系、ピリジニウム系及びピロリジニウム系の群から1種又は2種以上を選択し、
Figure 2008184556
(但し、R1、R2、R3、R4:炭素数1〜8のアルキル基)
Figure 2008184556
(但し、R5、R6:炭素数1〜8のアルキル基、R7:H又はメチル基)
Figure 2008184556
(但し、R8:炭素数1〜8のアルキル基、R8、R9:H又はメチル基)
Figure 2008184556
(但し、R11、R12:炭素数1〜8のアルキル基)
前記配位アニオンとして、下記一般式(化5)、(化6)及び(化7)でそれぞれ示されるビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド及びフルオロアルキルスルホネートの群から1種又は2種以上を選択することができる。
Figure 2008184556
(R13、R14:F又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基)
Figure 2008184556
Figure 2008184556
(R15:F又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基)
本発明の光学要素は、有機ガラスからなる光学要素基材の片面又は両面に上記本発明のハードコーティング組成物で形成されたハードコート(塗膜)を備えた構成となる。
以下、本発明を実施するための望ましい態様についてI.ハードコーティング組成物及びII.光学要素について説明する。以下の説明で配合単位を示す「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
I.ハードコーティング組成物
(A)本発明のハードコーティング組成物は、エポキシ基導入トリアルコキシシランの加水分解物を主体とし、テトラアルコキシシランの加水分解物を含有させて硬度調節されてなることを前提とする。
ここで、エポキシ基導入トリアルコキシシランとしては、通常、下記一般式(化8)で示されるアルキルトリアルコキシシランのグリシジルエーテル置換型を使用するが、下記一般式(化9)で示されるアルキルトリアルコキシシランの3,4−エポキシシクロヘキシル置換型を使用することも可能である。
Figure 2008184556
(但し、R16はH又はメチル基 、R17は炭素数1〜4のアルキル基)
Figure 2008184556
(但し、R18は炭素数1〜4のアルキレン基、R19は炭素数1〜4のアルキル基)
上記グリシジルエーテル置換型の具体例としては、下記のものを挙げることができる。これらの化合物のなかで、特に、R17 の炭素数3〜4のものが望ましい。
グリシドキシメチルトリメトキシシラン、
グリシドキシメチルトリエトキシシラン、
グリシドキシメチルトリプロポキシシラン、
グリシドキシメチルトリブトキシシラン、
α-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
α-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、
α-グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、
α-グリシドキシエチルトリブトキシシラン、
β-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
β-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、
β-グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、
β-グリシドキシエチルトリブトキシシラン、
α-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
α-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
α-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
α-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
β-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
β-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
β-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
γ-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
γ-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
α-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
α-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
α-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
α-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、
β-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
β-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
β-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
β-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、
γ-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
γ-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
γ-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン
γ-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、
δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
δ−グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
δ−グリシドキシブチルトリブトキシシラン、
β-メチルグリシドキシメチルトリメトキシシラン、
β-メチルグリシドキシメチルトリエトキシシラン、
β-メチルグリシドキシメチルトリプロポキシシラン、
β-メチルグリシドキシメチルトリブトキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシエチルトリブトキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシエチルトリブトキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
β-メチル-γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β-メチル-γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
β-メチル-γ-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
β-メチル-γ-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
β-メチル-α-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
β-メチル−β-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、
β-メチル-γ-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
β-メチル-γ-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
β-メチル-γ-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
β-メチル-γ-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、
β-メチル-δ-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
β-メチル-δ-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
β-メチル-δ-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
β-メチル-δ-グリシドキシブチルトリブトキシシラン。
上記3,4−エポキシシクロヘキシル置換型の具体例としては、下記のものを挙げることができる。これらの化合物のなかで、特に、R19 の炭素数2〜4のものが望ましい。
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリプロポキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリプロポキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリプロポキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリブトキシシラン。
上記トリアルコキシシランと併用するテトラアルコキシシランとしては、
一般式
Si(OR214
(但し、R21 は炭素数1〜4のアルキル基)で示されるものの中から1種又は2種以上選択して使用することが望ましい。
より具体的には、テトラエトキシシラン(ケイ酸エチル)、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を挙げることができる。
上記各シラン化合物は、単独でも又2種以上併用することも可能である。
上記各シラン化合物(トリ・テトラルコキシシラン)の加水分解物は、シラン化合物を低級アルコールの存在下で、0.01〜0.1規定の希酸を滴下し加水分解を行い得られる。希酸としては具体的には塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸,スルホン酸等を用いることが可能である。
そして上記トリアルコキシシラン100部に対してテトラルコキシシランを5.3〜25部とする。この配合割合を外れると十分な塗膜硬度と良好な外観を得難い。即ちテトラルコキシシランが過多では有機レンズ塗膜後熱重合時にクラックによる外観不良が発生し、過少では十分な塗膜硬度が得難い。
(B)本発明では、上記シリコーン系のハードコーティング組成物において、非重合性の窒素オニウムカチオンと、ふっ素原子及びスルホニル基(−SO2−)を構造に持つ配位アニオンとからなるオニウム塩を含有することを特徴とする。
前記窒素オニウムカチオンとしては、下記一般式(化10)、(化11)、(化12)及び(化13)に、それぞれ示される四級アンモニウム、イミダゾリウム系、ピリジニウム系及びピロリジニウム系の群から1種又は2種以上選択することが望ましい。
Figure 2008184556
(但し、R1、R2、R3、R4:炭素数1〜8のアルキル基)
Figure 2008184556
(但し、R5、R6:炭素数1〜8のアルキル基、R7:H又はメチル基)
Figure 2008184556
(但し、R8:炭素数1〜8のアルキル基、R9、R10:H又はメチル基)
Figure 2008184556
(但し、R11、R12:炭素数1〜8のアルキル基)、
他方、配位アニオンとしては、下記一般式(化14)、(化15)及び(化16)でそれぞれ示されるビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド及びフルオロアルキルスルホネートの群から1種又は2種以上選択することができる。
Figure 2008184556
(R13、R14:F又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基)
Figure 2008184556
Figure 2008184556
(R15:F又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基)
具体的なオニウム塩としては、それぞれ、下記のものを例示できる。
1)四級アンモニウム系オニウム塩:
オクチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ヘキシルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
オクチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
ヘキシルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
メチルトリオクチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
オクチルトリメチルアンモニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
ヘキシルトリメチルアンモニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
メチルトリオクチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、等。
2)イミダゾリン系オニウム塩:
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-2,-3-ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ヘキシル-2,-3-ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-オクチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-ヘキシル-2,3-ジメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-オクチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-ヘキシル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-オクチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1-ヘキシル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1-オクチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、等。
3)ピリジニウム系オニウム塩:
N-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-エチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-オクチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-メチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-エチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ヘキシル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-オクチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-メチル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-エチル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ブチル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ヘキシル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-オクチル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-メチル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-エチル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ブチル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ヘキシル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-オクチル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-メチル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-エチル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ブチル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ヘキシル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-オクチル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-エチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ブチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ヘキシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-オクチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-メチル-3-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-エチル-3-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ヘキシル3-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-オクチル-3-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-メチル-4-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-エチル-4-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ブチル-4-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ヘキシル-4-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-オクチル-4-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-メチル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-エチル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ブチル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ヘキシル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-オクチル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-メチル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-エチル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ブチル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ヘキシル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-オクチル-3,5-ジメチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-エチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-ブチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-ヘキシルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-オクチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-メチル-3-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-エチル-3-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-ブチル-3-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-ヘキシル-3-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-オクチル-3-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-メチル-4-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-エチル-4-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、 N-ブチル-4-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-ヘキシル-4-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-オクチル-4-メチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-メチル-3,4-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-エチル-3,4-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-ブチル-3,4-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-ヘキシル-3,4-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-オクチル-3,4-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-メチル-3,5-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-エチル-3,5-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-ブチル-3,5-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-ヘキシル-3,5-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-オクチル-3,5-ジメチルピリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
N-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-エチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ブチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ヘキシルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-オクチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-メチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-エチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ブチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ヘキシル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-オクチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-メチル-4-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-エチル-4-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ブチル-4-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ヘキシル-4-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-オクチル-4-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-メチル-3,4-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-エチル-3,4-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ブチル-3,4-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ヘキシル-3,4-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-オクチル-3,4-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-メチル-3,5-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-エチル-3,5-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ブチル-3,5-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-ヘキシル-3,5-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
N-オクチル-3,5-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、等。
4)ピロリジニウム系オニウム:
1,1-ジプロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,1-ジブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,1-ジヘキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-メチル-1-ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-メチル-1-ヘキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-メチル-1-オクチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,1-ジプロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1,1-ジブチルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1,1-ジヘキシルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-メチル-1-ブチルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-メチル-1-ヘキシルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-メチル-1-オクチルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
1,1-ジプロピルピロリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1,1-ジブチルピロリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1,1-ジヘキシルピロリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-メチル-1-ブチルピロリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-メチル-1-ヘキシルピロリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
1-メチル-1-オクチルピロリジニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、等。
上記オニウム塩の添加量は、所要の帯電防止性(例えば、1010Ω以下)が得られる量以上で、オニウム塩の多量配合に起因するハードコートの膜性能の低下(硬度低下、密着不良、外観クモリ等)の発生しない量以下の範囲で適宜選定する。
実用上可能なオニウム塩の添加量は、オニウム塩の種類により若干変動する。例えば、ピリジニウム系オニウム塩の場合、固形分合計量(アルコキシシラン加水分解物と後述の金属酸化物微粒子)100部に対して、約0.50〜10部(より普通には1.0〜6.0部)の範囲で適宜選定できる。
本実施形態(本発明)で使用するオニウム塩は、通常、コーティング組成物を塗料(液状)に調製するに際して、液体(イオン性液体)の形態で添加する。粉末の形態のものを直接添加してもよいが、液体の形態で添加することが相溶(混和:均一混合)させ易い。
導電性付与剤としてのオニウム塩として、非重合性の窒素オニウムカチオンと前記フッ素原子とスルホニル基(−SO2−)を構造に持つアニオンとからなるオニウム塩(イオン性液体)を選択するのは、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの各加水分解物との相溶性の見地からである。
これらのオニウム塩が導電性を発現する理由は、陰イオン側が移動して導電性を発現していると考えられる。
すなわち、陰イオンが動き、陽イオンがシリコーン塗膜(ハードコート)において碇として振る舞っていることが推測され、また、陰イオンと陽イオンの組み合わせによる塩としての疎水・親水性も塗膜における陰イオンの可動性に大きく影響を及ぼしていると考えられる。オニウム塩のアルコキシ加水分解物との相溶性に比例して、導電性が低下する(表面抵抗値が増大する)が、基材に対する密着性は増大する。
すなわち、ハードコート(シリコーン塗膜)において、これらの相反する塗膜導電性と基材密着性特性をバランスさせ易いオニウム塩が、非重合性(非ポリマー)の窒素オニウムカチオンとフッ素原子とスルホニル基(−SO2−)を構造に持つアニオンからなるオニウム塩であることを見出して、本発明に想到した。
(C)上記コーティング組成物には、硬度増大剤乃至屈折率調節剤としての金属酸化物微粒子を適宜配合することができる。特に、レンズ基材として高屈折率の有機ガラスを使用するような場合、該有機ガラスの屈折率と近似させることが必要となる。
ここで、眼鏡レンズに適した、有機ガラスとしては、屈折率1.50〜1.74を示すものを適宜選定する。ジエチレングリコールビスアリルカーボネイト、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリチオウレタン樹脂、ポリチオエポキシ樹脂、を例示できる。
上記金属酸化物微粒子としては、普通、粒子径1.0〜50nm(より普通には5〜12nm)のSi,Ti,Sb,Sn,Nb,ZR,Fe,Kからなるアルコール分散の金属酸化物微粒子(コロイド)を1種又は2種以上を選択して使用できる。特に、塗膜に有機ガラス基材に対応させた高屈折率が要求される場合には、通常、チタニア系複合微粒子(例えば、SiO2/TiO2、ZrO2/TiO2、K2O/TiO2等)を使用できる。
金属酸化物微粒子の添加量は、金属酸化物微粒子の種類、要求される塗膜硬度乃至屈折率が得られる量以上とする。該添加量の上限は、金属酸化物微粒子の多量添加に起因する塗膜白化現象や塗膜加熱硬化(熱重合時)クラック等の外観不良が発生しない量以下とする。
通常、アルコキシシラン加水分解物(加水分解前のアルコキシシラン換算値:以下同じ)合計量100部に30〜150部(より普通には40〜100部)の範囲で適宜選定する。
(D)上記コーティング組成物には、特許文献3に記載の如く、適宜、成膜性(硬化反応速度)及び成膜後の塗膜物性(耐熱性、硬度、基材密着性)改善の見地から、下記1)多価カルボン酸(酸無水物を含む。)及び2)硬化用触媒を添加することができる。
1)多価カルボン酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、無水ナジン酸、クロルマレイン酸、へット酸(クロレンド酸)、トリメリット酸、無水トリメリット酸、を例示できる。これらのうちで、通常、トリメリット酸、無水トリメリット酸、イタコン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸を使用する。
多価カルボン酸の添加量は、上記特性が得られる量以上で、塗膜特性に悪影響を与えない量以下とする。
例えば、アルコキシシラン加水分解物(合計量(固形分)100部に対して5〜40部(望ましくは15〜25部)とする。
2)硬化触媒としては、通常、金属キレート剤を用いることができる。
金属キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA),ヘキサフルオロアセチルアセトン、,トリフルオロアセチルアセトン,アセチルアセトン,アセト酢酸メチル,アセト酢酸メチルから選ばれるキレート化剤が配位したCr(III),CO(III),Fe(III),Zn(II),In(III),Zr(IV),Y(III),Al(III),Sn(II,IV),V(II,IV),Ti(II)のいずれかから1種または2種以上選択して使用できる。これらのうちで、アセチルアセトン鉄(III)、ヘキサフルオロアセチルアセトン鉄(III)、アセチルアセトン錫(II,IV)、アセチルアセトンバナジウム(II,IV)、アセチルアセトンインジウム(III),アセチルアセトンジルコニウム(IV),アセチルアセトン第二コバルト(III),アセチルアセト
ンチタン(II),アセチルアセトンアルミニウム(III)を、通常、使用する。
この硬化触媒の添加量は、常温で所望の硬化速度が得られかつ塗膜特性に悪影響を与えない量の範囲内で適宜選定する。
例えば、アルコキシシラン加水分解物合計量100部に対して0.1〜10部(より普通には0.3〜5部)とする。
(E)さらに本発明のハードコーティング組成物には、塗膜性及び外観性能を改良するために、適宜、微量の紫外線吸収剤,酸化防止剤,分散染料,界面活性剤を添加してもよい。
紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系とベンゾフェノン系等が用いることが可能で、ヒンダードアミン系は酸化防止剤との併用が有効である。
分散染料として水分散染料を用いる。
界面活性剤としては、疎水基がジメチルシリコーンオイル、親水基がポリエーテルから構成されるノニオン型の界面活性剤は平滑性を向上させる目的で使用することが望ましい。これらの特性はフッ素系界面活性剤等によっても得られるがフッ素系界面活性剤の特に高分子のものでは金属酸化物微粒子と組合わせて使用した場合、金属酸化物微粒子が凝集されやすくなる特性もあるため使用時は注意が必要である。
界面活性剤の添加量は、要求される塗膜レベリング性が得られる量以上で、多量配合に起因する塗膜クモリが発生しない量以下とする。
コーティング組成物処方及び界面活性剤の種類により異なるが、例えば、コーティング組成物(全成分合計)10.0部に対して界面活性剤0.01〜0.5部(より普通には0.03〜0.3部)とする。
(II)光学要素(眼鏡レンズ)
本発明の光学要素は、有機ガラスからなる光学要素基材(レンズ基材)12の片面又は両面にハードコーティング組成物で形成されたハードコート(塗膜)14を備え、適宜、レンズ基材12とハードコート14との間にプライマーコート16を介在させた構成である(図1参照)。
(A)有機ガラス基材は、屈折率(ne値)1.50〜1.74の範囲のものから、適宜、選定する。具体的には、ジエチレングリコールビスアリルカーボネイト、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリチオウレタン樹脂、ポリチオエポキシ樹脂等を挙げることができる。なお、製品によっては、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、ABS樹脂、AS樹脂等も使用可能となる。なお、「ne値」とは通称e線(546.1nm)で測定した屈折率を意味する。
(B)有機ガラス基材上への塗膜(ハードコート及びプライマーコート)を形成する際の、有機ガラス基材への塗布方法としては刷毛塗り塗装、浸漬塗装、ローラ塗装、スプレー塗装、スピン塗装等を挙げることができる。また乾燥硬化条件は、処方により変動するが、例えば、80℃〜150℃(より普通には100〜120℃)×1〜5hの範囲から適宜選定する。
塗布量は、所望の塗膜厚が得られる量とする。所望の塗膜厚は、ハードコートの要求特性により異なり、普通、0.5〜20μmの範囲から適宜選定する。
レンズ基材は、普通、塗布工程前に、密着性を確保するために、前処理(清浄化処理)を行う。前処理の方法としては酸アルカリ洗浄溶剤による脱脂洗浄、プラズマ処理、超音波洗浄などが挙げられる。
(C)そして、プライマーコート(下塗り塗膜)16は、ハードコート14のレンズ基材12に対する密着性や、ハードコート14に耐衝撃性を付与するためのものである。
プライマー(下塗り剤)としては、例えば、ウレタン系(TPU)やポリエステル系(TPEE)の熱可塑性エラストマー(TPE)を塗膜形成主要素材とし、金属酸化物微粒子を塗膜形成副要素とする水性エマルションの形態のTPE系プライマー組成物を使用できる。
TPUは、長鎖ポリオールとポリイソシアネートからなるソフトセグメントと短鎖ポリオールとポリイソシアネートからなるハードセグメントとで構成されるものであり、TPEEは、ハードセグメントにポリエステル、ソフトセグメントにポリエーテルまたはポリエステルを使用したマルチブロック共重合体で構成されるものである。
以下、本発明の効果を確認するために行った、実施例・比較例のハードコーティング組成物(表面処理塗料)、適宜プライマー組成物(下塗り塗料)を用いて、ハードコートを有機ガラス基材(レンズ基材)上に形成し、各種特性について判定評価した試験例について説明をする。
当然、本発明の技術的範囲は、本実施例の範囲に限定されるものではない。
また、表中の各略号の意味は下記の通りであり、さらに、抵抗値を示す「E」の後の数字は「冪指数」を意味する。
HD:ハードコート、TPEE:TPEE系プライマーコート、TPU:TPU系プライマーコート
表1に、各試験例における、1)ハードコーティング組成物のトリアルコキシシラン(γGPT)/テトラエトシキシラン(TEOS)の比率、2)添加金属酸化物(金属ゾル)の種類・添加部数、3)イオン導電性付与剤の種類・添加部数、及び4)レンズ(有機ガラス)基材の組み合わせを示す。
Figure 2008184556
(1)使用したイオン導電性付与剤(イオン性液体、有機ホウ素錯体塩)は、下記の通りである。何れも、日本カーリット社から下記各商品名で上市されているものである。
i)ピリジニウム/フルオロアルキルスルホンイミド系イオン性液体: 「CIL−312」
ii)ピリジニウム/フルオロアルキルスルホン酸系イオン性液体:「CIL−313」
iii)過塩素酸四級アンモニウム塩:「AH−2001」
iV)リチウム系イオン性液体:「Li−1」
V)有機ホウ素錯体K塩:「LR−147」
(2)各表におけるレンズ基材(有機ガラス)を示す(a)〜(f)は、それぞれ下記商品名乃至登録商標名のものを使用した。
(a)ジエチレングリコールビスアリルカーボネイト・・・「CR-39R」PPG社製:屈折率1.50(ne値)
(b)メチルメタクリレート樹脂・・・「NK55C」日本油脂社製:屈折率1.55(ne値)
(c)ポリカーボネート・・・「ユーピロンS-3000」三菱ガス化学社製:屈折率1.60(ne値) 、
(d)ポリチオウレタン樹脂・・・三井化学社製「MR8」:屈折率1.61(ne値)
(e)ポリチオウレタン樹脂・・・同「MR7」:屈折率1.67(ne値)
(f)ポリチオエポキシ樹脂・・・三井化学社製「MR174」:屈折率1.74(ne値)
(3)表示の各項目について下記の如く試験・判定を行った。
1)表面抵抗値(導電性試験)
三菱化学(株)社製「ハイレスターUP(MCP−HT45.0)」)、URSプローブを用い、表面抵抗率測定モードにて印加電圧100VでJIS−K6911に準拠して測定を行った。試料にプローブを押し当て計測開始から10秒後の表示値を読み取った。また、表示値が10E11Ω/□台を示した時には30秒経過後の表示値を読み取った。
判定基準は、下記の通りとした。
○:低抵抗値 10E10Ω/□以下
×:低抵抗値 10E10Ω/□超
2)静電電位測定
メガネ拭き(帝人株式会社製ミクロスター)に600gの荷重を添加し、各試験レンズの表面を10回/5秒にて擦り、擦った直後に発生した静電電位を静電電位測定器(シシド静電気株式会社製スタチロンDZ-3)を用いて静電電位発生量を評価した。
判定基準は、下記の通りとした。
○:静電電位 0.1kV以下
×:静電電位 0.1kV以上
3)光学物性評価
オリンパス社製反射率測定機「USPM−RU−2」を用いて測定を行いハード膜厚と屈折率を求めた。
4)外観
干渉縞、透明度、着色、表面状態を肉眼によりパネル判定をした。
判定基準は、下記の通りとした。
・干渉縞
◎:まったく無し良好
○:良好
△:若干目立つ
×:非常に目立つ
・透明度
○:クリアー良好
×:若干クモリ有り(○に対して透過率が1%以上落ちる。)
5)密着性
塗膜面に1mmの基材に達するゴバン目を塗膜の上から鋼ナイフで100個入れてセロハン粘着テープ(ニチバン製)を強くはりつけ90°方向に急速に剥がし、下記の基準にて評価を行った。
A:10回以上剥離無し
AB:キザミ線に添い点状もしくは線状剥離
B:キザミ線に添い面状剥離(20%以下):但し1升目の剥離面積1/2以下
C:キザミ線に添い面状剥離(20%超):但し1升目の剥離面積1/2以下
D:キザミ線に添い面状剥離:但し1升目の剥離面積全面
二次密着性に関しては、80℃×10minの条件で温水に浸漬後、上記と同様の方法で判定を行った。
6)擦傷性
ハード膜加工までのものにはJIS#502の砂消しゴムに200g荷重にて判定する。
その結果を肉眼により下記基準で判定評価を行った。なお、塗膜無しの状態で擦った判定はCであった。
3A:キズの面積が0%
2A:キズの面積が1%を超え2%未満
A:キズの面積が3%を超え10%未満
AB:キズの面積が10%を超え30%未満
B:キズの面積が30%を超え60%未満
C:キズの面積が60%以上
D:キズの面積が全面
7)染色性
分散染料(「セイコープラックスブラウン」セイコーオプティカルプロダクツ株式会社製商品名)2部、分散剤(「ダイヤポンT」日本油脂株式会社製登録商標)0.5部を純水1Lに溶かして液温92℃の条件下でハードコーティング組成物組成物を塗布したレンズを5分間浸漬して引き上げた各試験片の透過率を測定して、着色の度合いを判定した。

<試験例1:実施例1-1〜1-3、参照例、比較例1-1,1-2>
本試験例によって、イオン性液体(i)の添加量別で得られるハードコートを備えた各レンズの耐電防止性能と各種眼鏡性能の確認を行った。なお、イオン性液体無添加の場合についても試験を行い参照例とした。
ハードコーティング組成物(表面処理塗料)及びプライマー組成物(下塗り塗料)並びに各レンズの調製は、下記の如く行った。
(1)ハードコーティング組成物(表面処理塗料)の調製
1)オルガノアルコキシシラン加水分解物の調製
-γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 100部に対し、テトラエトキシシラン(ケイ酸エチル) 20部及びメチルアルコール 25部を添加して撹拌しながら.0.01規定の塩酸35部を滴下して一昼夜加水分解を行う。
該加水分解物に、イオン性液体(i)(ピリジニウム/フルオロアルキルスルホンイミド系)を、トリ・テトラアルコキシシラン合計量100部に対して、表1・2に示す各量を添加後、6時間撹拌して下記工程に連続的に移る。
2)塗料の調製
上記1)で調製した加水分解物に2−エトキシエタノール50部と金属酸化物微粒子としてメタノール分散シリカゾル不揮発分30%粒子径10nm(日産化学工業株式会社製)200部と、硬化触媒として無水トリメリット24部、ジシアンジアミド7.5部を添加して一昼夜撹拌し1μmフィルターで濾過し設計屈折率1.50のハードコーティング組成物を調製した。
(2)TPEE系プライマー組成物(下地塗料)の調製
市販のエステル系TPE(「ベスレジンA−160P」高松油脂株式会社製商品名:水分散エマルション(不揮発分27%))100部、メチルアルコール300部、純水100部にメタノール分散酸化シリカゾル(触媒化成工業株式会社製:不揮発分20%、粒子径10nm)200部を添加して、2h撹拌し1μmフィルターで濾過し調製した(設定屈折率1.51)。
(3)TPU系プライマー組成物(下地塗料)の調製
不揮発分33%水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製商品名「スーパーフレックス170」)84部、メチルアルコール300部、純水100部、混合後撹拌しつつメタノール分散シリカゾル(不揮発分 20%粒子径10nm)150部を添加して、2h撹拌し、1μmフィルターで濾過して調製した(設定屈折率1.50)。
(4)ハードコートレンズ(被試験品)の調製、
1)レンズ基材の前処理・・・レンズ基材をカセイソーダ水溶液に浸漬洗浄乾燥後、プラズマ処理を施す。
2)プライマーコートの形成・・・上記前処理後のレンズ基材を上記プライマー組成物(TPEE系又はTPU系)に浸漬後160mm/minで引き上げてプライマー組成物を塗布後、90℃×20minの条件で予備乾燥を行う。
3)ハードコートの形成・・・上記プライマー組成物を塗布後のレンズ基材を前記ハードコーティング組成物に浸漬後160mm/minで引き上げてハードコーティング組成物を塗布後、100℃×20minの条件で、予備乾燥する。
4)プライマー・ハードコートの加熱硬化・・・120℃×2hの条件で加熱処理して、ハードコートレンズを得る。
<試験例2:実施例2-1,2-2,2-3>
下記点を除いて、試験例1と同様にして各実施例のハードコートレンズを得た。
・アルコキシシラン加水分解物の調製:テトラアルコキシシラン(ケイ酸エチル)20部を25部に変更するとともにイオン性液体をピリジニウム/フルオロアルキルスルホン酸系(ii)として添加部数を2.0部、3.0部、5.0部とした以外は、同様にして加水分解物を調製した。
・ハードコーティング組成物の調製:金属酸化物微粒子メタノール分散酸化シリカゾル200部をメタノール分散酸化Ti/Si/Fe混合ゾル不揮発分30%粒子径10nm(触媒化成工業株式会社製)177部に変更。
・TPEE/TPUプライマー組成物の調製:金属酸化物微粒子メタノール分散酸化シリカゾルをメタノール分散酸化Ti/Si/Zr混合ゾル不揮発分20%粒子径8nm(触媒化成工業株式会社製)に同量で変更。
<試験例3:実施例3-1〜3-3>
本試験例は、試験例1・2の試験結果に基づき、実施例と異なる有機ガラスからなるレンズ基材と高屈折ハードコーティング組成物で得られる耐電防止性能と眼鏡性能の確認を行った。
下記点を除いて、試験例1と同様にして各実施例のハードコートレンズを得た。
・オルガノアルコキシシラン加水分解物の調製:ケイ酸エチル20部を7部に変更。
・ハードコーティング組成物の調製:金属酸化物微粒子メタノール分散酸化シリカゾル200部を、メタノール分散酸化Ti/Si/Zr混合ゾル不揮発分30%粒子径8nm(触媒化成工業株式会社製)267部に変更。
<試験例4:対照例1-2〜1-5>
本試験例は、試験例1〜3で用いたイオン性液体と別種の系のイオン導電性付与剤を添加して、耐電防止性能と眼鏡性能の比較を行った。
下記点を除いて、試験例1と同様にして各対象例のハードコートレンズを得た。
・ハードコーティング組成物の調製:イオン性液体「CL−312」をイオン導電性付与剤「AH−2001」(過塩素酸四級アンモニウム塩)に変更。
<試験例5:対照例2-1〜2-5>
本試験例は、試験例1〜3で用いたイオン性液体と別種の系のイオン性液体を添加して、耐電防止性能と眼鏡性能の比較を行った。
下記点を除いて、試験例1と同様にして各実施例のレンズを得た。
ハードコーティング組成物の調製:イオン性液体(i)をリチウム系イオン性液体(iii)に変更。
<試験例6:比較例3-1〜3-5>
本試験例は、試験例1〜3で用いたイオン性液体と別種の系のイオン性液体を添加して、耐電防止性能と眼鏡性能の比較を行った。
試験例1における処方において、ピリジニウム/フルオロアルキルスルホンイミド系イオン性液体を有機ホウ素錯体K塩のイオン導電性付与剤(iV)に変更したものである。
<試験結果及び考察>
上記各実施例・比較例の試験結果を表1〜6に示す。それらの結果から、下記のことが分かる。
1)表2・3に示す試験例1の結果から、本発明で規定するイオン性液体を適正量(アルコキシシラン合計量100部に対して1〜7部)添加すれば、優れた帯電防止性能と優れた眼鏡性能を得られることが確認できた。イオン性液体の添加量が多くなると、眼鏡性能でクモリによる透過率低下と塗膜硬度低下を起こし易いことが確認できた。
Figure 2008184556
Figure 2008184556
2)表4〜6に示す試験例2の結果から、レンズ基材を高屈折率のものを使用するとともに、本発明で規定されるイオン性液体を適正量添加し、さらに、ハードコーティング組成物を高屈折率処方とした実施例も、優れた帯電防止性能と優れた眼鏡性能を得られることが確認できた。
Figure 2008184556
Figure 2008184556
Figure 2008184556
3)表7〜9に示す試験例3の結果から、レンズ基材を高屈折率のものを使用するとともに、試験例1の場合と同じイオン性液体を適正量添加して、さらに、ハードコーティング組成物を高屈折率処方とした実施例も、優れた帯電防止性能と優れた眼鏡性能を得られることが確認できた。
Figure 2008184556
Figure 2008184556
Figure 2008184556
4)表10〜12に示す試験例4・5・6の結果から、本発明の規定の範囲内に含まれないイオン性導電性付与剤乃至イオン性液体を用いた場合、所望の帯電防止性を得がたいとともに、眼鏡性能として、所望の密着性・塗膜硬度を得がたいとともに、外観でクモリが発生することがあることが確認できた。
Figure 2008184556
Figure 2008184556
Figure 2008184556
本発明を適用するハードコートレンズの概略断面図である。
符号の説明
12 レンズ基材(有機ガラス基材)
14 ハードコート
16 プライマーコート

Claims (8)

  1. エポキシ基導入トリアルコキシシランの加水分解物を主体とし、テトラアルコキシシランの加水分解物を含有させて硬度調節されてなるシリコーン系のハードコーティング組成物において、
    非重合性の窒素オニウムカチオンと、ふっ素原子及びスルホニル基(−SO2−)を構造に持つ配位アニオンとからなるオニウム塩を含有することを特徴とするハードコーティング組成物。
  2. 前記窒素オニウムカチオンが、下記一般式(化1)、(化2)、(化3)及び(化4)でそれぞれ示される四級アンモニウム、イミダゾリウム系、ピリジニウム系及びピロリジニウム系の群から1種又は2種以上選択されるとともに、
    Figure 2008184556
    (但し、R1、R2、R3、R4:炭素数1〜8のアルキル基)
    Figure 2008184556
    (但し、R5、R6:炭素数1〜8のアルキル基、R7:H又はメチル基)
    Figure 2008184556
    (但し、R8:炭素数1〜8のアルキル基、R9、R10:H又はメチル基)
    Figure 2008184556
    (但し、R11、R12:炭素数1〜8のアルキル基)
    前記配位アニオンが、下記一般式(化5)、(化6)及び(化7)でそれぞれ示されるビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド及びフルオロアルキルスルホネートの群から1種又は2種以上選択されることを特徴とする請求項1記載のハードコーティング組成物。
    Figure 2008184556
    (R13、R14:F又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基)
    Figure 2008184556
    Figure 2008184556
    (R15:F又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基)
  3. 前記オニウム塩が、ピリジニウムと、フルオロアルキルスルホン酸又はフルオロアルキルスルホンイミドとの組合せであることを特徴とする請求項2記載のハードコーティング組成物。
  4. 前記オニウム塩の含有率が、ハードコートとしたときの表面抵抗率1010Ω以下を示す量以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のハードコーティング組成物。
  5. 前記エポキシ基導入トリアルコキシシランが下記一般式(化8)で示されるものであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のハードコーティング組成物。
    Figure 2008184556
    (但し、R16はH又はメチル基 、R17は炭素数1〜4のアルキル基)
  6. 更に、ハードコートの硬度増大乃至屈折率調節剤として金属酸化物微粒子が配合されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載のハードコーティング組成物。
  7. 有機ガラスからなる光学要素基材の片面又は両面に前記請求項1〜6のいずれか一記載のハードコーティング組成物で形成されたハードコート(塗膜)を備えてなることを特徴とする光学要素。
  8. 請求項7記載の光学要素で形成されてなることを特徴とする眼鏡用レンズ。

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