JP2011113050A - プラスチック光学部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成材としての帯電防止材料に幅広い選択性を有し、光学部材に要求される基本的な機能を維持したプラスチック光学部材であって、着色や曇りが無く、耐磨耗性を保持し、持続性よく良好な帯電防止効果を有するプラスチック光学部材を提供する。
【解決手段】本発明のプラスチック光学部材は、プラスチック製光学基材上にプライマーコート層及びハードコート層が、この順に塗工されているプラスチック光学部材であって、前記プライマーコート層に帯電防止材料を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止効果を有するプラスチック光学部材に関する。
プラスチック光学部材は、ガラスレンズ等の無機ガラス部材と比較して軽量性、成形性、加工性、安全性などの点で優れていることから、眼鏡レンズ、カメラ用レンズ、フィルター、プリズム、反射鏡等に広く用いられている。
プラスチック光学部材には、上記の様な利点がある一方、傷が付きやすいという問題点があった。近年では、ハードコート層や反射防止膜などの機能膜を積層した多層膜構造を備えることにより上記問題点を解消している。
しかしながらプラスチックは電気絶縁性が大きく、静電気が漏洩することなく蓄積するため、レンズの材質として用いた場合には表面に埃を付着させやすいなどの点で難がある。
その問題を解決する手段として、例えば、ハードコート層に帯電防止材料を配合する方法(例えば、特許文献1参照)、反射防止膜成膜時に中間膜として透明導電層を形成することにより、高い導電性を付与し、帯電防止効果を得る方法(例えば、特許文献2参照)、帯電防止材料を含んだ撥水溶液を用いて、真空蒸着により薄膜を形成させる方法等が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2008−184556号公報 特開2004−341052号公報 特開2007−155802号公報
しかしながら、特許文献1などに開示されているハードコート層については、十分な帯電防止効果を得る為に多量の帯電防止剤を配合する結果、レンズが曇る可能性を有している。特許文献2などに開示されている反射防止膜についても同様に、中間膜として酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、以下、ITO)を多量に用いることにより、レンズが着色されてしまうという課題を有している。また、特許文献3などに開示されている撥水性を有する薄膜については、着色はしないものの拭き取りなどによる膜の磨耗により、帯電防止効果が減衰する課題を有している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、構成材としての帯電防止材料に幅広い選択性を有し、光学部材に要求される基本的な機能を維持したプラスチック光学部材であって、着色や曇りが無く、耐磨耗性を保持し、持続性よく良好な帯電防止効果を有するプラスチック光学部材を提供することを目的とする。
(1)本発明のプラスチック光学部材は、プラスチック製光学基材上に、プライマーコート層及びハードコート層が、この順に塗工されているプラスチック光学部材であって、前記プライマーコート層に帯電防止材料を含有することを特徴とする。
(2)本発明のプラスチック光学部材は、前記帯電防止材料が、非重合性の窒素オニウムカチオンと、フッ素原子及びスルホニル基を構造に持つ配位アニオンとからなる窒素オニウム塩、酸化スズ、五酸化アンチモン、並びに、帯電防止性能を有するポリウレタンから選ばれる少なくとも1種を含有していることが好ましい。
(3)本発明のプラスチック光学部材は、前記プライマーコート層の表面抵抗率が、1013Ω/□未満であることが好ましい。
(4)本発明のプラスチック光学部材は、反射防止膜が、前記ハードコート層の上に積層されていることが好ましい。
(5)本発明のプラスチック光学部材は、最表層に、撥水膜又は撥油膜が積層されていることが好ましい。
(6)本発明のプラスチック光学部材は、表面抵抗率が、1013Ω/□未満であることが好ましい。
本発明のプラスチック光学部材によれば、着色することなく、耐磨耗性を保持し、持続性よく良好な帯電防止効果を有するプラスチック光学部材を提供することができる。
本発明のプラスチック光学部材は、プラスチック製光学基材上に、プライマーコート層及びハードコート層が、この順に塗工されているプラスチック光学部材であって、前記プライマーコート層に帯電防止材料を含有する。
本発明のプラスチック光学部材に用いられるプラスチック製光学基材としては、特に限定されず、分子内に2つのエピスルフィド基を有する化合物を主成分とするモノマーを重合して得られるポリエピスルフィド樹脂(nd=1.74、νd=33);m−キシレンジイソシアネートと4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオールとを重合して得られるポリチオウレタン樹脂(nd=1.67、νd=32);m−キシレンジイソシアネートとペンタエリスリトールテトラキス(γ−メルカプトプロピオネート)とを重合して得られるポリチオウレタン樹脂(nd=1.60、νd=36);ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを重合して得られる樹脂(nd=1.50、νd=58)等が挙げられる。尚、nd値とは、屈折率を意味し、vdとは、アッベ数を意味する。
本発明のプラスチック光学部材においては、プラスチック製光学基材上にプライマーコート層が塗工される。これにより、プラスチック光学部材の耐衝撃性を向上させることが出来る。また、プライマー層は、プラスチック製光学基材とハードコート層との密着性を得るための密着層として機能する場合もある。さらに、本発明のプラスチック光学部材は、プライマーコート層に帯電防止材料を含有する事が必須である。これにより、十分な帯電防止効果を得る事ができる。
プライマーコート層の構成材料は特に限定されないが、耐衝撃性の観点からポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、ポリウレタン系樹脂がより好ましい。
ポリウレタンとしては、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス150」、「スーパーフレックス460」などが挙げられる。
また、抵抗率が低い帯電防止性能を有する水分散型ポリウレタンも好ましい。
帯電防止性能を有する水分散型ポリウレタンとしては、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス300」が挙げられる。
プライマーコート層に配合する帯電防止材料としては、非重合性の窒素オニウムカチオンと、フッ素原子及びスルホニル基を構造に持つ配位アニオンとからなる窒素オニウム塩、酸化スズ、五酸化アンチモン、並びに、帯電防止性能を有するポリウレタンから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらは単一使用の他に、2種以上を併用してもよい。
尚、本明細書において、「プライマーコート層に帯電防止材料を含有する」とは、プライマーコート層に上記帯電防止材料を配合することを意味するだけでなく、プライマーコート層の主材であるポリウレタン樹脂自体が、帯電防止性能を有することも意味する。
反射防止膜に帯電防止効果を付与する場合、入射した光の反射を防止する機能や層の密着性の維持を考慮する必要があり、これらの機能維持との兼ね合いから、プライマーコート層に帯電防止材料を配合する場合と比べ、自由に帯電防止材料を選ぶことができない。
一方、プライマー層においては、上述したような種々の帯電防止材料を選ぶことができる。
前記窒素オニウム塩は、非重合性の窒素オニウムカチオンと、フッ素原子及びビスルホニル基を含む配位アニオンからなるものが好ましい。
窒素オニウムカチオンとしては、4級アンモニウム、イミダゾリウム系、ピリジニウム系、ピロリジニウム系のもの等が挙げられ、ピリジニウム系が好ましい。
配位アニオンとしては、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド及びフルオロアルキルスルホネート等が挙げられ、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、フルオロアルキルスルホネートが好ましく、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドがより好ましい。
ピリジニウム系の窒素オニウムカチオンとビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドからなる窒素オニウム塩としては、N−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−エチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−オクチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−エチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−オクチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−エチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−3,4−ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N-エチル-3,4-ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N-ヘキシル−3,4−ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−オクチル−3,4−ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−3,5−ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−エチル−3,5−ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−3,5−ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシル−3,5−ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−オクチル−3,5−ジメチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
ピリジニウム系の窒素オニウムカチオンとフルオロアルキルスルホネートからなる窒素オニウム塩としては、N−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−エチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ブチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ヘキシルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−オクチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−メチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−エチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ヘキシル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−オクチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−メチル−4−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−エチル−4−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ブチル−4−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ヘキシル−4−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−オクチル−4−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−メチル−3,4−ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−エチル−3,4−ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ブチル-3,4−ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ヘキシル−3,4−ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−オクチル−3,4−ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−メチル−3,5-ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−エチル−3,5−ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ブチル−3,5−ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ヘキシル−3,5−ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−オクチル−3,5−ジメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
帯電防止材料の含有量は、帯電防止材料の種類により変動するが、ポリウレタン系樹脂100質量部に対して、100質量部から600質量部が好ましい。帯電防止材料の含有量が100質量部以上の場合、帯電防止効果が得られ、600質量部以下の場合、プライマーコート層に着色や曇りが生じることがない。
又、前記帯電防止材料の他、プライマーコート層の構成材料には、塗膜硬度や屈折率を向上させるために金属酸化物を添加してもよい。金属酸化物としては、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化カリウム等が挙げられる。これらは単一使用の他に、2種以上を併用、又は複合微粒子として使用してもよい。
前記金属酸化物の含有量は、ポリウレタン系樹脂100質量部に対して、1質量部から600質量部が好ましい。金属酸化物の含有量が1質量部以上の場合、塗膜硬度や屈折率が向上し、600質量部以下の場合、プライマーコート層に着色や曇り、さらにはクラックが生じることがない。
プライマーコート層を形成する際は、コート液の固形分を調整するため溶媒を添加することができる。溶媒の例としては、水、低級アルコール、アセトン、エーテル、ケトン、エステルなどを挙げることができる。
さらにプライマーコーティング組成物には、塗膜性及び外観性能を改良するために、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調節剤、レベリング剤、つや消し剤、染料、顔料、安定剤等を添加してもよい
プライマーコート層の塗工方法は特に限定されないが、ディッピングコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、フローコーティング法などが挙げられる。
例えばディッピングコーティング法を用いる場合、プライマー層は、プライマーコーティング液にプラスチック製光学基材を浸漬し、その後引き上げて乾燥することにより基材上に形成することができる。
プライマーコート層の厚さは、0.2μm〜4μmが好ましく、0.4μm〜2.5μmがより好ましく、0.6μm〜1.5μmが特に好ましい。
プライマーコート層の表面抵抗率としては、1013Ω/□未満が好ましく、1012Ω/□未満がより好ましく、1011Ω/□未満が特に好ましい。表面抵抗率が1013Ω/□未満であることにより、帯電防止効果を発揮することができる。
本発明のプラスチック光学部材においては、プラスチック製光学基材上にプライマーコート層が塗工され、さらにその上にハードコート層が塗工される。これにより、プラスチック光学部材の耐擦傷性を向上させることが出来る。
ハードコート層の構成材料としては、耐擦傷性を向上させるものであれば特に限定されず、アクリル系、ウレタン系、メラミン系、シリコーン系などが挙げられ、シリコーン系が好ましい。
シリコーン系ハードコーティング組成物としては、エポキシ基導入トリアルコキシシランの加水分解物を主体とする。
エポキシ基導入トリアルコキシシランとしては、アルキルトリアルコキシシランのグリシジルエーテル置換型や3,4−エポキシシクロヘキシル置換型が挙げられ、グリシジルエーテル置換型が好ましい。
グリシジルエーテル置換型としては、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリプロポキシシラン、グリシドキシメチルトリブトキシシラン、α-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α-グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、α-グリシドキシエチルトリブトキシシラン、β-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β-グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、β-グリシドキシエチルトリブトキシシラン、α-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、α-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、α-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、β-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、β-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、α-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、α-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、α-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、β-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、β-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、γ-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、γ-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリブトキシシラン、β-メチルグリシドキシメチルトリメトキシシラン、β-メチルグリシドキシメチルトリエトキシシラン、β-メチルグリシドキシメチルトリプロポキシシラン、β-メチルグリシドキシメチルトリブトキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシエチルトリブトキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシエチルトリブトキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、β-メチル-γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-メチル-γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-メチル-γ-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、β-メチル-γ-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、β-メチル-α-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、β-メチル−β-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、β-メチル-γ-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β-メチル-γ-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β-メチル-γ-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、β-メチル-γ-グリシドキシブチルトリブトキシシラン、β-メチル-δ-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β-メチル-δ-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β-メチル-δ-グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、β-メチル-δ-グリシドキシブチルトリブトキシシラン等が挙げられ、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
上記エポキシ基導入トリアルコキシシランの加水分解物は、塩酸等の希酸を徐々に滴下し、一昼夜加水分解を行うことにより得られる。
本発明においてはプライマーコート層だけでなく、ハードコート層にも帯電防止材料を配合する事により、さらに帯電防止効果を得る事ができる。
ハードコート層に配合する帯電防止材料としては、非重合性の窒素オニウムカチオンと、フッ素原子及びスルホニル基を構造に持つ配位アニオンとからなる窒素オニウム塩、酸化スズ、五酸化アンチモンから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらは単一使用の他に、2種以上を併用してもよい。
又、ハードコート層に上記以外の金属酸化物を添加してもよい。金属酸化物としては、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化カリウム、酸化インジウム、酸化亜鉛等が挙げられる。これらは単一使用の他に、2種以上を併用、又は複合微粒子として使用してもよい。
ハードコート層を形成する際は、コート液の固形分を調整するため溶媒を添加することができる。溶媒の例としては、水、低級アルコール、アセトン、エーテル、ケトン、エステルなどを挙げることができる。
さらにハードコーティング組成物には、塗膜性及び外観性能を改良するために、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調節剤、レベリング剤、つや消し剤、染料、顔料、安定剤等を添加してもよい。
ハードコート層の塗工方法は特に限定されないが、プライマーコート層の塗工方法と同様に、ディッピングコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、フローコーティング法などが挙げられる。
例えば、ディッピング法を用いる場合、ハードコート層は、ハードコーティング液に基材を浸漬し、その後引き上げて乾燥することにより、基材上に所定の厚さで形成することができる。
ハードコート層の厚さは、0.5μm〜6μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましく、2μm〜4μmが特に好ましい。
これらプライマー層及びハードコート層を含む機能性薄膜については、その屈折率と、基材の屈折率とがほぼ同じであれば、機能性薄膜と基材との界面での反射で生じる干渉縞の発生及び透過率の低下を抑制することができる。したがって、基材の屈折率に応じて、機能性薄膜の屈折率を調整するのが望ましい。機能性薄膜(プライマー層、ハードコート層)の屈折率の調整については、機能性薄膜の主成分となる樹脂の種類(物性)を選択すること、あるいは、その主成分となる樹脂に添加する微粒子の種類(物性)を選択すること等によって行うことができる。
本発明のプラスチック光学部材は、ハードコート層の上に反射防止膜が積層されていることが好ましい。
反射防止膜は、入射した光の反射を防止する機能を有する。具体的には、400nm〜700nmの可視領域全域にわたって、低い反射特性(広帯域低反射特性)を有することなどの光学性能が要求されている。更に、密着性、耐擦傷性、耐熱性、耐薬品性などの物性が付与されてもよい。
前記反射防止膜は真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、CVD法などの乾式法を用いて形成する。
前記反射防止膜の形成においては、単層形成、多層形成のどちらでもよい。
多層形成の場合、反射防止膜は、ハードコート層の上に、低屈折率層と高屈折率層の反射防止膜とを交互に積層した多層膜構造とすることが好ましい。
前記反射防止膜に用いられるものとして、高屈折率膜としては、チタン、ジルコン、アルミニウム、タンタル、ランタンの酸化物が挙げられ、低屈折率膜としては、シリカの酸化物等が挙げられる。又、中空酸化ケイ素を使用した湿式反射防止膜を用いてもよい。
前記反射防止膜の厚さは、その特性により0.2μm〜0.6μmが一般的である。
更に、本発明のプラスチック光学部材は、撥水撥油性能を向上させる目的で、最表層に、撥水膜又は撥油膜が積層されていることが好ましい。撥水撥油膜はレンズの表面エネルギーを低下させ、汚染防止の機能を持たせることができるとともに、レンズの表面のすべり性能を向上させ、その結果として、耐擦傷性を向上させることができる。具体的には、前記反射防止膜上に含フッ素シラン化合物からなる防汚層を形成させることが好ましい。
含フッ素シラン化合物としては、撥水撥油性能を有していれば特に限定されず、例えばダイキン工業株式会社製オプツール−DSX、オプツール−AES4、信越化学工業株式会社製KY−130、KY−164などが挙げられる。これらは単一使用の他に組み合わせて使用してもよい。
含フッ素シラン化合物の塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法等を用いることができる。又は、真空蒸着法などの乾式法を用いて防汚層を形成させてもよい。
例えば、ディッピング法を用いる場合、含フッ素シラン化合物を有機溶剤に溶解した液中に、反射防止膜つきレンズを浸漬し、一定条件で引き上げて塗布する。有機溶剤としては、パーフルオロヘキサン、パーフルオロ−4−メトキシブタン、パーフルオロ−4−エトキシブタン、メタキシレンヘキサフルオライドなどが使用できる。
含フッ素シラン化合物を有機溶剤で希釈するときの濃度は、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.03〜0.1質量%がより好ましい。0.01質量%以上の場合、撥水撥油機能が付与される。0.5質量%以下の場合、塗布むらが生じず、材料コストも抑えられる。
以上、上記構成からなる本発明のプラスチック光学部材は、表面抵抗率が1013Ω/□未満であることが好ましい。
以下、実施例により、眼鏡用レンズを主な例として本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(各種構成部材の作成)
プライマーコーティング組成物の調製:P−1
不揮発分30%の水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス150」)120質量部に対し、帯電防止材料として固形分30%の酸化錫、五酸化アンチモンコロイド(日産化学株式会社製、商品名「HX−307WM1」)360質量部、メチルアルコール520質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコーティング組成物の調製:P−2
不揮発分40%の水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス460」)90質量部に対し、帯電防止材料として固形分30%の酸化錫、五酸化アンチモンコロイド(日産化学株式会社製、商品名「HX−307WM1」)370質量部、メチルアルコール540質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコーティング組成物の調製:P−3
不揮発分30%の水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス150」)120質量部に対し、帯電防止材料として固形分50%のリン酸ドープ酸化スズコロイド(日産化学株式会社製、商品名「CX−S」)220質量部、メチルアルコール660質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコーティング組成物の調製:P−4
不揮発分40%の水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス460」)120質量部に対し、金属酸化物微粒子として固形分30%の酸化チタンコロイド(日揮触媒化成株式会社製、商品名「NIESS−10」)320質量部、帯電防止材料としてピリジニウムフルオロアルキルスルホンイミド系イオン性液体(窒素オニウム塩)(日本カーリット社製、商品名「CIL312」)5.0質量部、メチルアルコール560質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコーティング組成物の調製:P−5
不揮発分30%の帯電防止水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス300」)170質量部に対し、金属酸化物微粒子として固形分30%の酸化チタンコロイド(日揮触媒化成株式会社製、商品名「NIESS−10」)330質量部、メチルアルコール500質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコーティング組成物の調製:P−6
不揮発分40%の水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス460」)130質量部に対し、金属酸化物微粒子として固形分30%の酸化チタンコロイド(日揮触媒化成株式会社製、商品名「NIESS−10」) 330質量部、メチルアルコール540質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコーティング組成物の調製:P−7
不揮発分30%の帯電防止水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス300」)250質量部に対し、金属酸化物微粒子として固形分30%の酸化シリカ(日産化学株式会社製、商品名「メタノールシリカゾル」) 250質量部、メチルアルコール500質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコーティング組成物の調製:P−8
不揮発分30%の水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス150」)200質量部に対し、金属酸化物微粒子として固形分30%の酸化シリカ(日産化学株式会社製、商品名「メタノールシリカゾル」) 240質量部、帯電防止材料としてピリジニウムフルオロアルキルスルホンイミド系イオン性液体(窒素オニウム塩)(日本カーリット社製、商品名「CIL312」)8.0質量部、メチルアルコール560質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコーティング組成物の調製:P−9
不揮発分40%の水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス460」)200質量部に対し、金属酸化物微粒子として固形分30%の酸化シリカ(日産化学株式会社製、商品名「メタノールシリカゾル」) 240質量部、帯電防止材料としてピリジニウムフルオロアルキルスルホンイミド系イオン性液体(窒素オニウム塩)(日本カーリット社製、商品名「CIL312」)8.0質量部、メチルアルコール560質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコーティング組成物の調製:P−10
不揮発分30%の水分散型ポリウレタン(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス150」)200質量部に対し、金属酸化物微粒子として固形分30%の酸化シリカ(日産化学株式会社商品名「メタノールシリカゾル」) 240質量部、メチルアルコール560質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社商品名「L7001」)1.0質量部を添加後、攪拌し、プライマーコーティング液を得た。
プライマーコート層の形成
市販のポリエピスルフィド樹脂(nd=1.74、νd=33)を用いたプラスチック製光学基材を、カセイソーダ水溶液に浸漬洗浄乾燥後、上記プライマーコーティング組成物に浸漬し、引き上げ、70℃x30分の条件で予備乾燥を行い、プライマーコート層を形成した。
ハードコーティング組成物の調製:H−1
1)加水分解物の調製
反応容器にシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)160質量部を投入し、攪拌しながら0.1N塩酸水溶液40質量部を徐々に滴下し一昼夜加水分解を行い、有機ケイ素化合物の加水分解物を得た。
2)ハードコーティング組成物の調製
加水分解物に帯電防止材料として、固形分30%の酸化錫、五酸化アンチモンコロイド(日産化学株式会社製、商品名「HX−307WM1」)550質量部、金属触媒としてアセチルアセトンアルミニウムC1521AlO5質量部、メチルアルコール250質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1質量部を添加後に攪拌し、ハードコーティング液を得た。
ハードコーティング組成物の調製:H−2
1)加水分解物の調製
反応容器にシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)200質量部を投入し、攪拌しながら0.1N塩酸水溶液50質量部を徐々に滴下し、一昼夜加水分解を行い、有機ケイ素化合物の加水分解物を得た。
2)ハードコーティング組成物の調製
加水分解物に金属酸化物微粒子として固形分30%の酸化チタンコロイド(日揮触媒化成株式会社製、商品名「NIESS−10」) 450質量部、金属触媒としてアセチルアセトンアルミニウムC1521AlO5質量部、メチルアルコール300質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1質量部を、添加後に攪拌し、ハードコーティング液を得た。
ハードコーティング組成物の調製:H−3
1)加水分解物の調製
反応容器にシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)240質量部を投入し、攪拌しながら0.1N塩酸水溶液50質量部を徐々に滴下し、一昼夜加水分解を行い、有機ケイ素化合物の加水分解物を得た。
2)ハードコーティング組成物の調製
加水分解物に金属酸化物微粒子として固形分30%の酸化シリカコロイド(日産化学株式会社製、商品名「メタノールシリカゾル」) 350質量部、金属触媒としてアセチルアセトンアルミニウムC1521AlO2.5質量部、エチレンジアミン四酢酸アルミニウムナトリウム水和物C1012AlNa・nHO2.5質量部、メチルアルコール350質量部、界面活性剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名「L7001」)1質量部を、添加後に攪拌し、ハードコーティング液を得た。
ハードコート層の形成
プライマーコーティング組成物塗布後のレンズ基材を、上記ハードコーティング組成物に浸漬し、引き上げ、70℃x30分の条件で加熱処理を行い、ハードコート層を形成した。
反射防止膜の形成:A−1
プライマーコート層、ハードコート層を形成したプラスチックレンズ基材を、蒸着装置に入れ、電子ビーム加熱法にて蒸着原料を蒸着させた。反射防止膜の層構成を、ハードコート層側から順に、以下に示す。
第1層:SiO nd=0.1λ、nλ=30nm
第2層:ZrO nd=0.16λ、nλ=37nm
第3層:SiO nd=0.06λ、nλ=20nm
第4層:ZrO nd=0.25λ、nλ=58nm
第5層:SiO nd=0.28λ、nλ=93nm
上記5層を形成して反射防止膜を施した。尚、ndは屈折率、nλは膜厚を表す。
反射防止膜の形成:A−2
プライマーコート層、ハードコート層を形成したプラスチックレンズ基材を蒸着装置に入れ、電子ビーム加熱法にて蒸着原料を蒸着させた。反射防止膜の層構成を、ハードコート層側から順に、以下に示す。
第1層:SiO nd=0.1λ、nλ=30nm
第2層:ZrO nd=0.16λ、nλ=37nm
第3層:SiO nd=0.06λ、nλ=20nm
第4層:ZrO nd=0.25λ、nλ=55nm
第5層:ITO nd=0.015λ、nλ=3.5nm
第6層:SiO nd=0.28λ、nλ=93nm
上記6層を形成して反射防止膜を施した。尚、ndは屈折率、nλは膜厚を表す。
撥水・撥油膜の形成
オプツール−AES4(撥水撥油剤濃度20%溶液)2質量部、KY−164(撥水撥油剤濃度20%))2質量部を住友スリーエム製フッ素系溶剤ノベックHFE−7200796質量部に溶解し、0.1質量%撥水撥油剤を得た。この溶液に、反射防止膜付きプラスチックレンズを5秒間浸漬し、その後10mm/秒の速度で引き上げを行った後、50℃で1時間、安定化を行い、撥水撥油膜を形成した。
上記プライマーコーティング組成物P−1〜P−10、ハードコーティング組成物H−1〜H−3、反射防止膜A−1、A−2を表1、表2に示す組み合わせでプラスチック製光学基材に塗布し、参考例1〜13、実施例1〜13及び比較例1〜6を得た。
参考例、実施例及び比較例の眼鏡レンズの性状を、以下の試験方法で測定し、結果を表1、表2に示した。
(1) 表面抵抗率(単位:Ω/□)
実施例及び比較例で得られた眼鏡レンズの表面抵抗率を三菱化学アナリテック社製「ハイレスタMCP HT450」URSプローブを用い、表面抵抗率モードにて測定した。判定基準を以下に示した。
○:表面抵抗率 1013Ω/□未満
×:表面抵抗率 1013Ω/□以上
(2) 静電電位測定(単位:kV)
日本製紙クレシア製「キムワイプS−200」にて、実施例及び比較例で得られたプラスチックレンズの表面を20往復擦り、擦った面をシリカ粉に近づけシリカ粉の付着の有無を確認した。判定基準を以下に示した。
○:静電電位 0.2kV未満
×:静電電位 0.2kV以上
(3) シリカ粉付着試験
日本製紙クレシア製「キムワイプS−200」にて、実施例及び比較例で得られたプラスチックレンズの表面を20往復擦り、擦った直後に発生した静電電位を測定器(ホーザン株式会社製「Z−201」)を用いて測定した。判定基準を以下に示した。
○:発泡スチロールビーズ付着なし
×:発泡スチロールビーズ付着あり
(4) 擦傷性評価
砂消しゴムに400gの荷重を加え、プラスチック表面を30往復擦り、レンズの傷つきを評価した。判定基準を以下に示した。
◎:細かいキズが僅かにある。
○:細かいキズが多数あり。
△:細かいキズと太いキズが混在。
×:太いキズが多数あり。
(5) 着色
眼鏡レンズに色や曇りが生じていた場合には、「有り」、生じていない場合には、「無し」と判定した。
Figure 2011113050
表1に示すとおり、帯電防止材料を含有したプライマーコーティング組成物P−1、P−2、P−3、P−4、P−5、P−7、P−8、P−9を塗布した参考例1〜8における眼鏡レンズの表面抵抗率は1013Ω/□未満であった。
一方、帯電防止材料を含有しないプライマーコーティング組成物P−6、P−10を塗布した参考例9、10、ハードコーティング組成物H−1、H−2、H−3を塗布した参考例11〜13における眼鏡レンズの表面抵抗率は1013Ω/□以上であった。
以上、表1の試験結果より、プライマーコートに帯電防止材料を配合することにより、持続性よく良好な帯電防止効果が得られることが分かった。
Figure 2011113050
表2に示すとおり、帯電防止材料を含有したプライマーコーティング組成物P−1、P−2、P−3、P−4、P−5、P−7、P−8、P−9を塗布した実施例1〜13における眼鏡レンズの表面抵抗率は1013Ω/□未満であり、良好な結果が得られた。
一方、帯電防止材料を含有しないプライマーコーティング組成物P−6、P−10を塗布した比較例1、2、5における眼鏡レンズの表面抵抗率は1013Ω/□以上であった。比較例3、4、6における眼鏡レンズの表面抵抗率は1013Ω/□未満であったが、ITO含有反射膜A−2を用いているためレンズに着色が観察された。
以上、表2の試験結果より、プライマーコートに帯電防止材料を配合する事により、持続性よく良好な帯電防止効果を持つ眼鏡レンズが得られることが分かった。
以上の結果は、眼鏡レンズの他、カメラ用レンズ、フィルター、プリズム、反射鏡等のプラスチック光学部材においても同様の効果を奏することが明らかである。

Claims (6)

  1. プラスチック製光学基材上に、プライマーコート層及びハードコート層が、この順に塗工されているプラスチック光学部材であって、前記プライマーコート層に帯電防止材料を含有することを特徴とするプラスチック光学部材。
  2. 前記帯電防止材料が、非重合性の窒素オニウムカチオンと、フッ素原子及びスルホニル基を構造に持つ配位アニオンとからなる窒素オニウム塩、酸化スズ、五酸化アンチモン、並びに、帯電防止性能を有するポリウレタンから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載のプラスチック光学部材。
  3. 前記プライマーコート層の表面抵抗率が、1013Ω/□未満である請求項1又は2に記載のプラスチック光学部材。
  4. 反射防止膜が、前記ハードコート層の上に積層された請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック光学部材。
  5. 最表層に、撥水膜又は撥油膜が積層された請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック光学部材。
  6. 表面抵抗率が、1013Ω/□未満である請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック光学部材。

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