JPWO2018143329A1 - 眼鏡レンズ、及び眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

眼鏡レンズ、及び眼鏡レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

眼鏡レンズは、レンズ基材と、レンズ基材の少なくとも一方の表面が染色加工されてなる染色層とを有し、染色層は、テトラアザポルフィリン化合物、又はネオジム化合物を含む有機系色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第1の染料、及び第1の染料の有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第2の染料を含有し、透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nmの波長領域の間において透過率が最小となる波長における透過率が79%〜95%である。眼鏡レンズは、眩しさを抑えた上で、明るさの低減を抑えている。

Description

本発明は、眼鏡レンズ、及び眼鏡レンズの製造方法に関する。
従来より、眼鏡用レンズの中には、ファッション性の向上や目を保護することなどを目的として、レンズ表面に染色が施されたものがある。例えばコスメティック効果、防眩効果、遮光効果などを得るために、レンズ表面を均一に染色すること、又は濃度勾配(グラデーション)を付けて染色することが行われている。
一方、近年は、軽量、且つ耐衝撃性に優れ、染色し易いなどの利点から、従来のガラスレンズに代わって、プラスチックレンズが多用されている。また、最近では、このような眼鏡用プラスチックレンズに染色によって様々な機能を付与することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−134618号公報
本発明の第1の態様は、レンズ基材と、該レンズ基材の少なくとも一方の表面が染色加工されてなる染色層とを有する眼鏡レンズであって、
染色層は、
テトラアザポルフィリン化合物、又はネオジム化合物を含む有機系色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第1の染料、及び
第1の染料の有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第2の染料を含有し、
透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nmの波長領域の間において最小となる透過率が79%〜95%である眼鏡レンズとして構成された。
本発明の第2の態様は、テトラアザポルフィリン化合物、又はネオジム化合物を含む有機系色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第1の染料を含む第1の染色液を調整する工程と、
調整された第1の染色液によってレンズ基材の少なくとも一方の表面を染色加工する工程と、
第1の染料の有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第2の染料を含む第2の染色液を調整する工程と、
第1の染色液によって染色加工されたレンズ基材の少なくとも一方の表面を、調整された第2の染色液によって染色加工して、第1の染料、及び第2の染料を含む染色層を形成する工程と、を有し、
透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nmの波長領域の間において最小となる透過率が79%〜95%である眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズの製造方法として構成された。
本発明の第3の態様は、テトラアザポルフィリン化合物、又はネオジム化合物を含む有機系色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第1の染料、及び第1の染料の有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第2の染料を含む第3の染色液を調整する工程と、
調整された第3の染色液によってレンズ基材の少なくとも一方の表面を染色加工して、第1の染料、及び第2の染料を含む染色層を形成する工程と、を有し、
透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nmの波長領域の間において最小となる透過率が79%〜95%である眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズの製造方法として構成された。
本実施形態に係る眼鏡レンズの一例の平面図である。 図1中に示す線分X−X’による眼鏡レンズの断面図である。 図1に示す眼鏡レンズの異なる製造過程における染色レンズの分光特性図である。 図1に示す眼鏡レンズの一実施例(実施例1相当)及び従来の眼鏡レンズ(比較例1及び2相当)の分光特性図である。 実施例1〜3の眼鏡レンズの分光特性図である。 実施例4〜7の眼鏡レンズの分光特性図である。 比較例1〜3の眼鏡レンズの分光特性図である。
以下、本実施形態に係る眼鏡レンズ、及び眼鏡レンズの製造方法を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、また、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らないものとする。
図1は、本実施形態に係る眼鏡レンズの一例の平面図である。図2は、図1に示す眼鏡レンズの線分X−X’による断面図である。なお、図1中に示す実線は、玉摺り加工前の眼鏡レンズ(以下、染色レンズという)10の形状10aを表す。また、図1中に示す二点鎖線は、染色レンズ10を眼鏡枠(フレーム)の形状に合うように玉摺り加工した後の形状10bを表す。
なお、染色レンズ10には、左眼用と右眼用がある。染色レンズ10の左眼用と右眼用とは、左右対称である以外はほぼ同様な構成を有することから、これらを染色レンズ10としてまとめて説明するものとする。なお、図1及び図2に示す染色レンズ10は、右眼用である。
この染色レンズ10は、図1及び図2に示すように、平面視で円形状を為すレンズ基材12と、このレンズ基材12の両方の表面であるレンズ面12a、及び12bから内側に向って形成された染色した染色層14とを備えている。
レンズ基材12は、この染色レンズ10の表面を構成し、そのレンズ特性を決定する2つのレンズ面12a、及び12bを有している。これら2つのレンズ面12a、及び12bのうち、物体側のレンズ面(外面という)12aが凸面、眼球側のレンズ面(内面という)12bが凹面を形成している。
また、レンズ基材12には、例えば単焦点レンズや多焦点レンズ、累進焦点レンズなどの度数が入ったものを使用することができる。度数の入ったレンズ基材12は、例えば、近視や遠視、乱視、老視などの視力の補正機能を有する。
一方、レンズ基材12には、例えばサングラスや伊達眼鏡などの度数が入っていないものを使用することもできる。なお、このレンズ基材12は、従来より公知の眼鏡用光学プラスチック材料を用いて、従来より公知の製造方法により作製することができる。
本実施形態のレンズ基材12として用いられる眼鏡用光学プラスチック材料は、例えば透明なプラスチックであるアクリル系樹脂、チオウレタン系樹脂、メタクリル系樹脂、アリル系樹脂、エピスルフィド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂ポリ4−メチルペンテン−1樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)、ポリ塩化ビニル樹脂、アリルジグリコールカーボネート樹脂、ハロゲン含有共重合体、イオウ含有共重合体等である。
また、本実施形態では、レンズ基材12の屈折率(ne)としては、例えば、1.50、1.55、1.60、1.67、1.70及び1.74のうちから選択されたものが用いられる。
染色層14は、レンズ基材12の少なくとも一方の表面全面に形成される。
図2に示す例では、染色層14は、2つのレンズ面12a及び12bの両面に設けられているが、いずれか片面のみに設けられていてもよい。
また、染色層14は、本実施形態の染色レンズ10に、560nm〜610nmの波長領域の間において透過率が最小となる波長(以下、最小透過率波長ともいう)の光を中心として選択的に減光、又は遮光する機能を付与するものである。即ち、本実施形態の染色レンズ10は、レンズ基材の12に染色層14が形成されている。これにより、染色レンズ10は、560nm〜610nmの波長領域の間において最小透過率波長の光を中心として選択的に減光、又は遮光する。また、染色レンズ10は、透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nm波長領域の間において最小透過率波長に極小透過率ピークを持つことが必要である。560nm〜610nmの波長領域の間において最小透過率波長の光を中心として選択的に減光又は遮光する機能としては、具体的には、極小透過率ピークを持つ最小透過率波長は、560nm〜610nm波長領域の間にある必要がある。更には、最小透過率波長は、570〜605nmの波長領域の間にあるとすることもできる。また更には、最小透過率波長は、575nm〜600nmの波長領域の間にあるとすることもできる。
本実施形態の染色レンズ10においては、この最小透過率波長における透過率は、79%〜95%である。
ここで、透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nmの波長領域の間において透過率が最小となる最小透過率波長における透過率が79%〜95%である理由は、透過率が79%未満では、防眩効果は得られるが、染色レンズ10を通してみた際に暗く見えてしまうからである。また、透過率が、95%超では、防眩効果が得られないからである。
なお、副次的な理由としては、透過率が79%未満では、染色濃度が濃いためにむしろコントラスト向上効果は低下するとともに、他人から見た顔の見た目は、しわやシミ、血管等がくっきり見えてしまうからでもある。また、顔色も暗くなってしまうからでもある。更に、透過率が低ければ低いほど、コントラスト向上効果がなくなる、もしくは、むしろコントラスト低下を感じることがあるためでもある。
一方、透過率が95%超では、コントラスト向上効果はあるものの、顔色がきれいに見える効果等、本実施形態において求める効果が得られないことがあるからでもある。
なお、本実施形態において、この透過率は、眩しさを抑えた上で、明るさの低減を抑えるには、80〜93%とすることもできる。また、透過率は、コントラストの向上と見た目が良くなることを併せ持つには、81%〜92%とすることもできる。
本実施形態の染色レンズ10においては、可視光の波長領域における視感透過率は、80%〜96%とすることができる。可視光の波長領域としては、例えば380〜780nmの波長領域とすることができる。
ここで、本実施形態の染色レンズ10において、可視光の波長領域における視感透過率を80%〜96%の範囲に限定することができる理由は、80%未満では、防眩効果は得られるが、染色レンズ10を通してみた際に暗く見えてしまうからである。また、上記限定理由は、96%超では、防眩効果が得られないためである。
なお、副次的な理由としては、視感透過率が低いと、他の人から見る印象も、顔(特に、目元)が暗く見えてしまうからでもある。
なお、本実施形態において、この視感透過率は、眩しさを抑えた上で、明るさの低減を抑えるには、83%〜96%とすることができる。また、視感透過率は、85%〜95%とすることができる。
ところで、本実施形態の染色レンズ10において、上述した最小透過率波長における透過率、及び可視光の波長領域における視感透過率は、例えば使用、又は流通に供される状態におけるものである。即ち、視感透過率は、少なくとも一方に染色層14が形成されたレンズ基材12のレンズ面12a、及び12bにプライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜等の表面処理膜が形成された状態におけるものである。
また、560nm〜610nmの波長領域の間において透過率が最小となる最小透過率波長におけるカット率の3/4になるカット率の波長幅は、115nm以下とすることができ、110nm以下とすることもできる。なお、カット率は、下記式(1)のように定義される。
カット率(%)=100%−レンズ透過率(%)・・・(1)
なお、最小透過率波長におけるカット率の3/4になるカット率の波長幅とは、最小透過率波長におけるカット率の値の3/4になるカット率の値の波長幅ということができる。そして、この3/4になるカット率の値は、100%から最小透過率波長におけるレンズ透過率を差し引いた値の3/4になる値である。また、その波長幅は、3/4になるカット率の値以上のカット率を示す波長の幅、又は3/4になるカット率の値となるレンズ透過率以下のレンズ透過率を示す波長の幅である。
ここで、最小透過率波長におけるカット率の3/4になるカット率の波長幅の下限値は、特に制限的ではない。下限値としては、5nm以上であれば、染色層14により、防眩効果、コントラスト向上効果、及び顔色がきれいに見える効果等を得ることができる。
一方、最小透過率波長におけるカット率の3/4になるカット率の波長幅が115nmを越えると、防眩効果は見られるものの、コントラスト向上効果及び顔色がきれいに見える効果が、115nm以下の場合よりもが小さい。
本実施形態において、染色層14を形成するために、レンズ基材12の染色に用いられる染色液は、560nm〜610nmの波長領域の間において透過率が最小となる最小透過率波長を中心波長とする光を選択的に減光、又は遮光するために用いられる。この染色液は、(A)第1の染料、バインダ樹脂、及び溶剤(溶媒)を含むもの、並びに(B)第2の染料、界面活性剤、及び水などの溶媒を含むものとすることができる。ここで、(A)第1の染料は、テトラアザポルフィリン化合物、又はネオジム化合物を含む有機系色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる。また、(B)第2の染料は、第1の染料の有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる。
染色層14を形成する染色液としては、レンズ基材12を上記第1の染料と上記第2の染料とで染色できれば、どのようなものであっても良い。例えば、染色液として、上記第1の染料を含む第1の染色液、及び上記第2の染料を含む第2の染色液の2種類の染色液を用い、レンズ基材12を2回染色しても良い。また、染色液として、上記第1の染料を含む第1の染色液に第2の染料を適宜入れた第3の染色液を用い、レンズ基材12を1回染色しても良い。
例えば、第1の染色液は、第1の染料、バインダ樹脂、界面活性剤、及び溶剤(溶媒)などを含むものとすることができ、第2の染色液は、第2の染料、界面活性剤、及び水などの溶媒を含むものとすることができる。
まず、第1の染色液について説明する。
染色層14を形成するために第1回目の染色に用いられる第1の染色液は、560nm〜610nm波長領域の間において最小透過率波長を持つ第1の染料、バインダ樹脂、及び溶剤(溶媒)を含むものとすることができる。
このような第1の染色液を調整するための(A)第1の染料としては、560nm〜610nm波長領域の間において最小透過率波長を持つ染料である。また、(A)第1の染料としては、テトラアザポルフィリン化合物、又はネオジム化合物を含む有機系色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料である。したがって、第1の染料としては、これらの特徴を持つ染料であれば、如何なる染料であっても良く、公知の染料を用いることができる。
このような第1の染料としては、特開2008―134618号公報に記載の約585nm付近の可視光を高度に波長選択的に吸収できるテトラアザポルフィリン化合物を挙げることができる。又は、第1の染料としては、約585nm付近の可視光を高度に波長選択的に吸収できるネオジム化合物等の希土類金属化合物を含む有機系色素等を挙げることもできる。
このような有機系色素としては、例えば下記化学式(1)の一般式で表されるテトラアザポルフィリン化合物があり、化学式(1)中、Mは2価の銅であるとすることができる。具体例としては化学式(2)で表されるテトラ−t−ブチル−テトラアザポルフィリン・銅錯体が挙げられる。これは、FDG−025[山田化学工業(株)製]の品番名に相当する。
また、同様に、585nm付近(概ね585±2nm付近)に吸収ピークを持ち、ピーク線幅がFDG−025より大きいTY−102[ADEKAARKLS、ADEKA(株)]も、挙げることができる。また、PD−311S[三井化学(株)製]等も挙げることができる。
その他の公知の染料を1種以上混合してもよい。
……(1)
[上記化学式(1)中、A〜A8は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ヘテロアリール基、炭素数6〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基を表し、連結基を介して芳香族環を除く環を形成しても良い。また、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、2価の1置換金属原子、4価の2置換金属原子、又はオキシ金属原子を表す。]
……(2)
[化学式(2)中、Cuは2価の銅を、t-Cはターシャリーブチル基を表し、その4個の置換基の置換位置は化学式(1)におけるそれぞれAとA、AとA、AとA及びAとAのいずれかひとつの位置に置換されていている位置異性体構造を表す。]
第1の染料として用いられる有機系色素としては、また、以下に示すネオジム化合物も挙げることができる。
ネオジム化合物としては、例えば、酢酸ネオジム、炭酸ネオジム、塩化ネオジム、硝酸ネオジム、酸化ネオジム、硫酸ネオジム、ネオジム−2,4−ペンタンジオネート、ネオジムトリフルオロペンタンジオネート、フッ化ネオジム、メタクリル酸ネオジム、アクリル酸ネオジム等の無水物や水和物及び前記ネオジム化合物をアクリレート、リン酸基含有アクリレート、リン酸基及びアミノ基含有アクリレートに溶解させて形成させたキレート化合物等を挙げることができる。
第1の染色液に用いられるバインダ樹脂としては、上述した第1の染料の結合剤として用いることができれば、特に制限的ではなくどのようなものでも良く、公知のバインダ樹脂を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種を単独でも用いてよいし、2種以上を混合して用いてもよい。さらにこれらの樹脂の共重合体を使用することもできる。
第1の染色液に用いられる溶剤(溶媒)としては、上述した第1の染料及びバインダ樹脂を溶解できれば、特に制限的ではなくどのようなものでも良く、公知の溶剤を用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミン類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類を挙げることができる。これらの溶剤は、1種若しくは2種以上の混合物を用いてもよい。
染色液には必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、レベリング剤、つや消し剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種添加剤を添加してもよい。
第1の染色液中に含有される第1の染料の含有量は、染料を溶剤に十分に溶解できれば特に制限的ではないが、例えば、0.00001重量%〜10重量%とすることができ、0.0001重量%〜5重量%とすることもできる。染色液の染料の含有量が上記範囲よりも少ない場合、充分な機能を持つ染色レンズが得にくくなる可能性がある。また、上記範囲よりも染料が多い場合、染料によっては凝集などを生じて使用困難となる可能性がある。
また、第1の染色液中に含有されるバインダ樹脂の含有量は、染料を溶剤中に均一に結合できれば特に制限的ではない。例えば、0.1重量%〜50重量%とすることができ、更には1重量%〜30重量%である。第1の染色液中のバインダ樹脂の含有量が上記範囲よりも少ない場合、染色されたレンズに色ムラが発生する可能性がある。また、上記範囲よりもバインダ樹脂が多い場合、染色液が固くなり作業性が低下したり、レンズ基材の染色性が低下したりする可能性がある。
次に、第2の染色液について説明する。
染色層14を形成するために第2回目の染色に用いられる第2の染色液は、(A)第1の染料の有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料である(B)第2の染料、界面活性剤、及び水などの溶媒を含むものとすることができる。
ここで、1つの第2の染色液は、1種類の(B)第2の染料、即ち、(A)第1の染料の有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の一般的な、又は従来公知の1色の染料を含有するものであっても良い。また、第2の染色液は、2種類以上の第2の染料、即ち上記の一般的な、又は従来公知の2色以上の染料を含有する混合染色液であっても良い。
即ち、本実施形態のレンズ基材12の染色においては、複数の第2の染色液、即ち、それぞれ異なる色を持つ複数の染色液を用い、それぞれ個別に染色に用いても良い。また、染色の前に、2色以上の染料を調合した混合染色液をレンズ基材12の染色に用いても良い。
なお、所望の分光特性に応じて全ての色の染料が調合された混合染色液を用いることができる。例えば、レッド(赤:R)、ブルー(青:B)、イエロー(黄:Y)、もしくは更に、ブラック(黒)、オレンジ(橙)、ブラウン(茶)等の染料を予め調合した混合染色液を調製しておくことができる。
なお、混合染色液を、異なる色の複数の染色液を混合して調整しても良いが、予め複数の染料を調合し、調合された染料から調整しても良い。
第2の染色液に用いられる第2の染料は、第1の染料の有機系色素以外の色素からなり、かつ所定の色を持つ染料であれば良く、特に限定されるものでは無い。例えば、本実施形態の染色レンズ10を複数の色の染料からそれぞれ複数の染色液又は複数の色の染料が調合された混合染色液を調整し、調整された複数の染色液又は混合染色液を用いて染色する。この時、染色された本実施形態の染色レンズ10の視感透過率が、可視波長範囲の視感透過率の限定範囲内に収まるものであれば、いかなる染料であっても良い。
即ち、本実施形態において、第2の染色液に含有させる第2の染料としては、分散染料、反応染料、直接染料、複合染料、酸性染料、金属錯塩染料、建染染料、硫化染料、アゾ染料、蛍光染料、樹脂着色用染料、その他機能性染料等の第1の染料の有機系色素以外の色素を有する染料を挙げることができる。なお、第2の染料としては、これら以外にも、第1の染料の有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の一般的な、又は従来公知の染料であれば特に制限されず使用可能である。これらの染料は1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用しても良い。
また、色も特に制限的では無く、例えば、イエロー(Y)染料、レッド(R)染料、ブルー(B)染料、ブラウン染料、バイオレット染料、オレンジ染料、ブラック染料等を挙げることができ、どれを選ぶかは特に限定されるものではない。例えば、ポリエステル用分散染料としては、イエロー(Y)染料、レッド(R)染料、ブルー(B)染料の3色の染料を用いるのが一般的である。
第2の染色液に用いられる第2の染料は、一般に分散染料と呼ばれる染料であり、水に難溶性で、水等の溶媒に分散した懸濁液として、広く光学用プラスチックレンズの染色に使用される。
具体的には、第2の染色液に用いられる第2の染料としては、例えば、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、ニトロジフェニルアミン系染料、アゾ系染料などの分散染料を用いることができる。分散染料の例としては、例えば、p−アニシジン、アニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノフェノール、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、o−クロロニトロベンゼン、ジフェニルアミン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、フェノール等のベンゼン系中間物、p−クレシジン(6−メトキシ−m−トルイジン)、m−クレゾール、p−クレゾール、m−トルイジン、2−ニトロ−p−トルイジン、p−ニトロトルエン等のトルエン系中間物、1−ナフチルアミン、2−ナフトール等のナフタレン系中間物、1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸(ブロマミン酸)、1−アントラキノンスルホン酸、1,4−ジアミノアントラキノン、1,5−ジクロロアントラキノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン(キニザリン)、1,5−ジヒドロキシアントラキノン(アントラルフィン)、1,2,4−トリヒドロキシアントラキノン(プルプリン)、2−メチルアントラキノン等の無水フタル酸、及びアントラキノン系中間物などを挙げることができる。また、分散染料の例としては、これらを単独で又は2種以上混合して用いることもできる。
ここで、イエロー染料としては、特に制限的ではなく、公知の種々のイエロー染料を用いることができるが、例えば、カヤロンポリエステルイエロー(Kayalon Polyester Yellow) AL、Kayalon Microester Yellow 4G-E、Kayalon Microester Yellow AN-SE、Kayalon Polyester Yellow 5R-SE(N)200、Kayalon Polyester Yellow BRL-S 200(日本化薬(株)製)、Kiwalon polyester Yellow ESP eco、Kiwalon polyester Yellow KN-SE 200(紀和化学工業(株)製)、FSP-Yellow GN、FSP-Yellow FL(双葉産業(株)製)、及びDianix YellowAM-42(ダイスタージャパン(株)製)等を挙げることができる。
また、レッド染料としては、特に制限的ではなく、公知の種々のレッド染料を用いることができるが、例えば、カヤロンポリエステルレッド(Kayalon Polyester Red)AUL-S、Kayalon Microester Red BR-S、Kayalon Microester Red AL、Kayalon Microester Red TL-SF、Kayalon Polyester Red B-LE、Kayalon Polyester Rubine GL-SE 200(日本化薬(株)製)、Kiwalon polyester Red ESP、Kiwalon polyester Red KN-SE(N)(紀和化学工業(株)製)、FSP-Red BL(双葉産業(株)製)、Dianix Red K-3G(ダイスタージャパン(株)製)等を挙げることができる。
また、ブルー染料としては、特に制限的ではなく、公知の種々のブルー染料を用いることができるが、例えば、カヤロンポリエステルブルー(Kayalon Polyester Blue)AUL-S、 Kayalon Polyester Blue 2R-SF、Kayalon Polyester Navy Blue AUL-S(日本化薬(株)製)、Dianix Blue AC-E(ダイスタージャパン(株)製)、Kiwalon Polyester Blue ESP、Kiwalon Polyester Blue KN-SE(紀和化学(株)製)、Kayalon Microester Blue AQ-LE、Kayalon Microester Blue 5L-E、Kayalon Microester Blue C-LS conc、Kayalon Microester Blue DX-LS conc、Kayalon Polyester Blue AN-SE(日本化薬(株)製)、FSP-Blue AUL-S、FSP-Blue-CF(双葉産業(株)製)等を挙げることができる。
また、ブラック染料としては、Kayalon Polyester Grey GL-S、Kayalon Polyester Black TN 200、Kayalon Polyester Black BRN-SF 200、Kayalon Polyester Black ECX 300、Kayalon Polyester Black ECXN 300、Kayalon Polyester RV-SF 300(日本化薬(株)製)などを挙げることができる。
また、オレンジ染料としては、Kayalon Polyester Orange BR、Kayalon Polyester Orange R-SF 200、Kayalon Polyster Light Orange 4RL(日本化薬(株)製)、Kiwalon Polyester Orange KN-SE(紀和化学(株)製)、Sumikaron Orange S-R、Sumikaron Orange SE-RPD(C)(住化ケムテックス(株)製)等を挙げることができる。
また、ブラウン染料としては、Kayalon Polyester Yellow Brown 2RL-S、Kayalon Polyester Yellow Brown 3RL(EC)143、Kayalon Polyester Dark Brown A-S(EC)143(日本化薬(株)製)、Kiwalon Polyester Orange KN-SE(紀和化学(株)製)、FSP Redbrown S-N(双葉産業(株)製)等を挙げることができる。
本実施形態に用いられる界面活性剤としては、特に制限的では無く、特に、上記第2の染料を水等の溶媒に均一に分散できれば、どのようなものでも良い。例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ラウリル硫酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチルアルキルエーテル、アルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、又はこれらの界面活性剤の組合せ等を挙げることができる。これらの界面活性剤の中では、陰イオン系界面活性剤が好適である。工業的に容易に入手可能な市販品としては、例えば、ニッカサンソルト#7000(商品名、日華化学社製)等を挙げることができる。
本実施形態において、第2の染色液に含有される溶媒としては、第2の染料を十分に溶解、及び/又は分散できるものであれば特に制限的では無い。例えば、水や、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、アセトン、イソプロピルアルコール等の第1の染色液に含有される溶剤と同様な溶剤を挙げることができる。また、溶媒としては、これらの溶剤の1種若しくは2種以上の混合物を用いてもよい。
本実施形態においては、必要に応じて染色促進剤としてのキャリア剤を添加することが可能である。キャリア剤として、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール等の芳香環を有するアルコール類や、オルトフェニルフェノール、パラフェニルフェノール、トリクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、メチルナフタレン等が例示される。
この他、染色液には必要に応じて、pH調整剤、粘度調整剤、レベリング剤、つや消し剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を併用してもよい。
第2の染色液中に含有される第2の染料の含有量は、第2の染料を溶媒に十分に溶解できれば特に制限的ではないが、例えば、0.001重量%〜20重量%とすることができ、更には0.01重量%〜10重量%とすることもできる。染色液の染料の含有量が上記範囲よりも少ない場合、充分な染色レンズが得にくくなる可能性がある。また、上記範囲よりも染料が多い場合、染料によっては凝集などを生じて使用困難となる可能性がある。
また、第2の染色液中に含有される界面活性剤の含有量は、第2の染料を溶媒中に均一に分散できれば特に制限的ではない。例えば、界面活性剤の含有量は、0.01重量%〜10重量%とすることもでき、更には0.05重量%〜8重量%とすることもできる。第2の染色液中の界面活性剤の含有量が上記範囲よりも少ない場合、十分に染料を分散させることができず、染色されたレンズに色ムラが発生する可能性がある。また、上記範囲よりも界面活性剤が多い場合、染色液が泡立ち作業性が低下したり、レンズ基材の染色性が低下したりする可能性がある。
なお、第3の染色液は、上述した第1の染料と第2の染料とを含む染色液であれば、どのようなものでも良く、第1の染色液と第2の染色液とを適宜混合したものであっても良い。また、第3の染色液は、第1の染色液に第2の染料、必要に応じて界面活性剤、及び/又は水などの溶媒、及び/又は染色助剤などを適宜加えたものであっても良い。また、第3の染色液は、第2の染色液に第1の染料、必要に応じてバインダ樹脂、及び/又は溶剤(溶媒)、及び/又は界面活性剤などを適宜加えたものであっても良い。
なお、染色層14は、従来公知の染色方法を用いて形成することができる。具体的に、第1及び第2の染色液、又は第3の染色液によるプラスチックレンズ(レンズ基材12)の染色方法については、これまで様々な方法を実施することができる。その中でも特に、レンズ基材12を第1及び第2の染色液、又は第3の染色液によって染色する方法としては、下記の3つの染色方法(1)〜(3)を挙げることができる。なお、第1及び第2の染色液(第2の染色液が複数の染色液からなる時を含む)によって染色する場合には、2回以上の染色を行う必要がある。一方、第3の染色液によって染色する場合には、1回の染色を行えばよい。以下では、第1、第2及び第3の染色液を区別しない場合には、単に、染色液という。
(1)加温した染色液中にレンズ基材12を浸漬してレンズ基材12の表面を染色する方法(ディップ法)。
(2)レンズ基材12の表面に染色液をコーティングした後に加熱してレンズ基材12をその表面から染色する方法(コート法)。
(3)レンズ基材12の表面に昇華性染料をコーティングした後に昇華性染料を加熱浸透させてレンズ基材12の表面を染色する方法(昇華法)。
これら3種の方法のうち、均一に塗布するのが容易である点では、上記(1)のディップ法を用いることができる。染色液の使用量が少なく、生産コストを抑えられる点では、上記(2)のコート法を用いることもできる。したがって、用途に合わせて適宜選択すればよい。
本実施形態の染色レンズ10を得るために、複数の染色液を用いる場合には、複数の染色液による染色を、上記(1)のディップ法、又は上記(2)のコート法で行うことができるが、両者を併用して用いても良い。
上述したコート法におけるレンズ基材12への染色液の塗布(コーティング)方法としては、刷毛塗り、ディップ、スピンコート、ロール塗り、スプレー塗装、流し塗り、インクジェット型塗布などの通常の塗布方法を用いることができる。塗布面に関しては、レンズ基材12(プラスチック基材)の片面にコートしてもよいし、染色濃度をさらに上げるために両面コートしてもよい。レンズ基材12への染色液のコート厚は、特に制限されず、適宜調整可能であり、例えば、0.01μm〜10μmの範囲とすることができる。
コート法による染色において、レンズ基材12の全面に均一な染色濃度で染色(着色加工)を行う場合には、染色液をレンズ表面にコートした後に加熱処理を行うことにより、染色液中の染料をレンズ表面に浸透、拡散させることができる。染色液をコートしたレンズ基材の加熱条件としては、加熱温度は70℃〜180℃とすることができ、加熱時間は10〜180分間とすることができる。加熱方法としては、エアオーブン加熱以外に、遠赤外線照射加熱、UV照射加熱なども用いることができる。
コート法による染色において、レンズ基材12になだらかな濃度勾配(グラデーション)をもった染色(着色加工)を行う場合には、まず、染色液をレンズにコートする。この後、コーティング液面(染色液面)を加熱領域が徐々に変化するようにしながら加熱する。こうすることにより、レンズ基材内部に濃度勾配に対応した量の染料を浸透させることができる。
染色液をレンズ基材12にコートし、染色液をコートしたレンズ基材12を加熱処理した後、レンズ基材12を洗浄して、レンズ基材12の表面上のコート層(塗布されて残った染色液)を除去する。又は第1及び第2の染色液のような複数の染色液を個々に用いる場合には、これらの処理を繰り返す。こうすることにより、本実施形態の染色レンズ10を得ることができる。加熱処理後のレンズ基材12の洗浄方法としては、レンズ基材12の表面のコート層(残った染色液)を除去することができれば特に限定されない。例えば、有機溶剤による拭き取りもしくはアルカリ洗浄剤による洗浄を用いることができる。更には、中でも、有機溶剤としてアセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、またはメチルエチルケトンを使用して拭き取ることができる。
上述したディップ法によりレンズ基材12を染色する場合は、染色液中にレンズ基材12を浸漬して、レンズ基材12の表面から染色液中の染料を浸透、拡散させる。又は複数の染色液を個々に用いる場合には、これらの処理を繰り返す。こうすることにより、染色レンズを得ることができる。なお、第1及び第2の染色液のような複数の染色液を用いる場合、レンズ基材12を浸漬する順序は、特に制限的ではない。
ディップ法による染色においては、60℃〜95℃に加熱した染色液にレンズ基材を浸漬することができる。
浸漬終了後のレンズ基材12を、例えば水洗い、溶剤による拭き取りなどにより洗浄してレンズ外面に付着した染色液を除去することにより、本実施形態の染色レンズを得ることができる。なお、洗浄によるレンズ外面に付着した染色液の除去は、染色液が変更される毎に行うことができる。
本実施形態の染色レンズ10においては、第1及び第2の染色液を用いた染色層14の形成方法は特に限定的ではない。即ち、レンズ基材12を第1の染色液と第2の染色液とで染色する場合の両染色液の調製(液濃度の調整)の仕方、及び両染色液による染色の順序及びやり方などは、レンズ基材12に染色層14を形成することができれば、特に制限的ではない。いかなるやり方で両染色液の濃度調整をしても良いし、いかなる順序ややり方で染色を行っても良い。
例えば、第1の染色液及び第2の染色液を、それぞれ、連続して染色し、染色層14を形成することができる液濃度となるように調製しておく。この後、例えば、先に、レンズ基材12を第1の染色液で上記の3つの染色方法のいずれかで、例えば(2)のコート法によって染色する。次いで、第2の染色液で上記の3つの染色方法のいずれかで、例えば(1)のディップ法によって染色して形成しても良い。もしくは、逆の順序で染色を行って、染色層14を形成しても良い。
なお、第3の染色液を、単独で染色し、染色層14を形成することができる液濃度となるように調製しておく。この後、レンズ基材12を第3の染色液で上記の3つの染色方法のいずれかで、例えば(2)のコート法によって染色して形成しても良いのは勿論である。
こうして、第1及び第2の染色液、又は第3の染色液によって染色され、染色層14が形成された染色レンズ10には、プライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜が形成されていても良い。
プライマー膜は、レンズ基材と、後述するハードコート膜との間に配置される層であり、レンズ基材に対するハードコート膜の密着性、及び眼鏡レンズに耐衝撃性を向上させる層である。
プライマー膜を構成する材料は、特に制限されず、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビスマレイド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
プライマー膜には、必要に応じて、樹脂以外の成分が含まれていてもよい。例えば、プライマー膜には、無機粒子が含まれていてもよい。無機粒子としては、後述する(C)金属酸化物粒子などが挙げられる。
ハードコート膜は、レンズ基材と後述する無機反射防止膜との間に配置される膜であり、眼鏡レンズに耐摩耗性、耐湿性、耐温水性、耐熱性、耐候性等を付与する膜である。
ハードコート膜としては、特に制限的ではないが、従来公知のハードコート膜を挙げることができ、例えば、ウレタン系耐衝撃性向上コート膜や、シリコン系耐擦傷性向上ハードコート膜等を挙げることができる。
このようなハードコート膜は、例えばシリコン系ハードコート組成物からなるものを適用することができる。その中でも、(C)金属酸化物粒子、(D)有機ケイ素化合物又はその加水分解物、(E)硬化触媒を含むシリコン系ハードコート組成物からなるものを好適に用いることができる。
具体的に、(C)金属酸化物粒子としては、例えば、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化セリウムなどの金属酸化物の微粒子を挙げることができる。また、これらを単独で又は2種以上混合して用いることができる。また、これら金属酸化物の中から選ばれる2種以上の金属酸化物から構成された複合金属酸化物微粒子を用いてもよい。
また、これらの金属酸化物微粒子又は複合金属酸化物微粒子については、その粒径が1〜100nmのものを用いることができる。これらの微粒子については、水、メタノール又はその他の有機溶媒に分散したときにゾル化するものを用いることができる。
(D)有機ケイ素化合物又はその加水分解物としては、下記式(2)で表されるものを用いることができる。
Si(OR4−(a+b) … (2)
(但し、上記式(2)中、Rは、官能基を有する有機基又は不飽和二重結合を有する炭素数4〜14の有機基である。Rは、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアシル基である。a及びbは、それぞれ0又は1であり、且つa+bは、1又は2である。)
上記式(2)で表される具体的な有機ケイ素化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
また、上記式(2)で表される有機ケイ素化合物のうち、Rが官能基としてエポキシ基を有するもの以外(a=0のものを含む)としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどの各種トリアルコキシシラン、トリアシロキシシランなどを挙げることができる。
(E)硬化触媒としては、例えば、金属アルコキシド、有機金属塩、錫化合物や、アミン類(特開2004−315556号公報参照)、フォスフィン類、第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類、第3級スルホニウム塩類、第2級ヨードニウム塩類、鉱酸類、ルイス酸類、有機酸類又はその無水物類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸類、過酸化物、アゾ系化合物、アルデヒドとアンモニア系化合物の縮合物、グアニジン類、チオ尿酸類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、酸性リン酸エステル類などが挙げられ、この中では第4級アンモニウム塩類を用いることができる。硬化触媒としては、更にはトリエチルベンジルアンモニウムクロライドを用いることができる。これらの硬化触媒は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(E)硬化触媒の具体的な例として例えば、アミン類では、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モルホリン、トリエタノールアミン、ジアミノプロパン、アミノエチルエタノールアミン、ジシアンジアミド、トリエチレンジアミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。また、各種金属錯体化合物としては、Li、Zn、Mn、Mg、Fe、Cu、Co、Ca、Bi、Al、Ni、Cr、Zr、Vを中心金属に含むアセチルアセトネート金属錯体化合物、エチレンジアミン四酢酸キレート金属錯体化合物などである。これら具体例として、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート、モノアセチルアセトネート、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−iso−プロポキシド−モノメチルアセトアセテート、クロムアセチルアセトネート、チタニルアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネート、鉄(III)アセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート、インジウムアセチルアセトネート、エチレンジアミン四酢酸鉄、エチレンジアミン四酢酸アルミニウム、エチレンジアミン四酢酸亜鉛、エチレンジアミン四酢酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸マグネシウム、エチレンジアミン四酢酸銅、エチレンジアミン四酢酸コバルト、エチレンジアミン四酢酸カルシウム、及びエチレンジアミン四酢酸ビスマス等が挙げられる。
これらの金属錯体化合物は、一種類で使用しても良いし、2種類以上混合して使用しても良い。さらに、金属アルコキシドの例として、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−n−プロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、テトラエトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン等が挙げられる。
また、有機金属塩では、例えば、酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ等が挙げられる。また、過塩素酸塩では、例えば、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸アンモニウム等が挙げられる。
さらに有機酸又はその無水物の例として、マロン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、O−フタル酸、テレフタル酸、フマル酸、イタコン酸、オキザロ酢酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、1,2−ジメチルマレイン酸無水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水ナフタル酸等が挙げられる。
また、ルイス酸では、例えば、塩化第二鉄、塩化アルミニウムが挙げられる。また、ハロゲン化金属では、例えば、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化スズ、塩化亜鉛、臭化亜鉛、臭化チタン、四塩化チタン、臭化タリウム、塩化ゲルマニウム、塩化ハフニウム、塩化鉛、臭化鉛等が挙げられる。
ところで、上述の硬化触媒は、単独で使用しても目的に応じて2種類以上混合して使用しても良いものである。また、これら硬化触媒の他に、(D)成分としてエポキシ基を有するシラン化合物を用いる場合、エポキシ基の開環重合を兼ねるものを使用することもできる。例えば、アルミニウムキレート化合物は、使用できる触媒の一つである。
プライマー膜、及びハードコート膜の屈折率がレンズ基材の屈折率と同程度であれば、プライマー膜(又はハードコート膜)とレンズ基材との界面での反射で生じる干渉縞の発生及び透過率の低下を抑制することができる。プライマー膜、及びハードコート膜の屈折率は、樹脂の種類や、無期粒子の種類及び使用量によって調整することができる。
プライマー膜、及びハードコート膜を形成する際は、コート液を、例えばディップ法や、スプレー法、スピンコート法などの方法を用いてプラスチックレンズの表面に塗布する。また、塗布されたプライマー、及びハードコート組成物は、熱硬化によってプライマー膜、及びハードコート膜等の塗膜を形成する。
プライマー膜の硬化温度は、30〜120℃の範囲とすることができ、更には60〜100℃とすることもできる。また、ハードコート膜の硬化温度は、70〜140℃の範囲とすることができ、更には90〜120℃の範囲とすることもできる。また、塗膜の厚さは、特に制限されないが、プライマー膜は0.1〜5.0μmの範囲とすることができ、更には0.3〜2.0μmの範囲とすることもできる。ハードコート膜では、0.5〜10.0μmの範囲とすることができ、更には1.0〜5.0μmの範囲とすることもできる。
なお、プライマー膜、ハードコート膜を形成する際は、上記(C)〜(E)成分の他にも、コート液の固形分を調整するため溶媒を添加することができる。溶媒の例としては、水、低級アルコール、アセトン、エーテル、ケトン、エステルなどを挙げることができる。
また、その他にも各種の添加剤を併用してもよい。添加剤の例としては、pH調節剤、粘度調節剤、レベリング剤、つや消し剤、染料、顔料、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを挙げることができる。
また、さらに必要に応じて、プライマー膜、ハードコート膜の上にSiO、TiO等の無機酸化物からなる単層又は多層の反射防止膜を形成させてもよい。反射防止膜が設けられることにより、耐擦傷性、耐熱性、耐薬品性などの物性が眼鏡レンズに付与されてもよい。この反射防止膜は、多層膜反射防止膜とすることができ、その場合、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層する。高屈折率膜としては、ZnO、TiO、CeO、Sb、SnO、ZrO、ZrO、Ta等の膜がある。低屈折率膜としては、SiO膜等が挙げられる。反射防止膜層の形成方法としては、特に制限されず、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、CVD法などの乾式法が挙げられる。
反射防止膜の厚さは、所望の分光反射特性を得るための設計より与えられ、0.2〜0.8μmとすることができる。
反射防止膜の上には、必要に応じて防曇コート膜又は汚れ防止膜を形成させることが可能である。
本実施形態に係る眼鏡レンズの製造方法について説明する。
本実施形態においては、第1及び第2の染色液を用いる場合には、以下のようにして、本実施形態の染色レンズ10を製造することができる。
まず、第1の染料、バインダ樹脂、及び溶剤(溶媒)を混合して、560nm〜610nmの波長領域の間において最小透過率波長を中心波長とする光を選択的に減光、又は遮光することができる所定の液濃度となるように、第1の染色液を調製する。調整された第1の染色液でレンズ基材12を上記の3つの染色方法のいずれか1つの染色方法で染色する。
その結果、レンズ基材12の表面からレンズ基材12の内部に第1の染色液の上記第1の染料が浸透、拡散して、図3において点線Aで示す分光特性のように、560nm〜610nmの波長領域の間において最小透過率波長、例えば585nm〜590nmの波長領域の間において所定の極小透過率ピークを持つ染色層が形成される。
次に、第2の染料、界面活性剤、及び水等の溶媒を混合して、所定の液濃度となるように第2の染色液を調製し、上記第1の染料が浸透、拡散した前処理染色層が形成されたレンズ基材12を、調整された第2の染色液で上記の3つの染色方法のいずれか1つの染色方法で染色する。
その結果、レンズ基材12の表面に形成された上記第1の染料による前処理染色層の上に第2の染料が浸透、拡散して、図3において一点鎖線Bで示す分光特性を持つ、第1の染料及び第2の染料を含む染色層14が形成される。この図3において一点鎖線Bで示す分光特性は、図3において点線Aで示す分光特性と略同じ極小透過率ピークを持ち、可視波長域のほぼ全体で透過率が低下している。
次に、第1の染料及び第2の染料を含む染色層14が形成された染色レンズの染色層14上に、プライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜を形成して、図3において実線Cで示す分光特性を持つ本実施形態の染色レンズ10を製造することができる。この図3において実線Cで示す分光特性は、図3において点線Aで示す分光特性、及び図3において一点鎖線Bで示す分光特性と略同じ極小透過率ピークを持ち、可視波長域のほぼ全体で両者より透過率が上昇している。
ところで、本実施形態において、第1及び第2の染料を含む第3の染色液を用いる場合には、予め、第1の染料、バインダ樹脂、及び溶剤(溶媒)、並びに第2の染料、界面活性剤、及び水等の溶媒を混合して、所定の液濃度となるように、第3の染色液を調製する。次いで、調整された第3の染色液でレンズ基材12を上記の3つの染色方法のいずれか1つの染色方法で染色して、図3に一点鎖線Bで示す分光特性を持つ、第1の染料及び第2の染料を含む染色層14を形成する。その後、染色層14上に、プライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜を形成して、本実施形態の染色レンズ10を製造することができる。
なお、以下の説明では、染色層14、及び染色レンズ10には、特に説明が無くても、図1及び図2に図示されていない、プライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜が形成されているものとして扱う。
上述したように、図4に点線で示すような特徴のある分光特性を持つ本実施形態の染色レンズ10は、上記第1及び第2の染色液を用いて染色されたものであっても、上記第3の染色液を用いて染色されたものであっても良い。すなわち、染色レンズ10において、レンズ基材12の表面に形成される染色層14は、第1の染料及び第2の染料を含む染色層である。
本実施形態の染色レンズ10は、第1の染料及び第2の染料を含む染色層14を有しているため、染色レンズ10を通して見た物体や風景等の色が、レンズの色に左右されてしまわず、暗く感じにくい。更に、染色レンズ10は、防眩効果が得られるにもかかわらず、この染色レンズ10の眼鏡を装用している人の顔、特に女性の目元が赤みかかってきれいに見える特徴を有する。
これに対し、テトラアザポルフィリン化合物等の第1の染料を含む第1の染色液のみで染色された染色レンズでは、図4に一点鎖線で示すように、最小透過率波長(例えば585nm〜590nmの波長領域の間における最小透過率波長)の吸収が大きく、その透過率が低くても、一般的に可視光の波長領域における視感透過率が高い。このために、この染色レンズでは、レンズを通して見ても暗くならず、コントラスト向上効果があっても、防眩効果が期待できない。また、防眩効果を得ようとして、可視光の波長領域における視感透過率を低くすると、眼鏡を装用している人の目元が青みかかって見えてしまったり、顔色が悪い、くすんで見えると言った悪い印象を与えてしまうことがある。
一方、第2の染料を含む第2の染色液のみで染色された染色レンズでは、テトラアザポルフィリン化合物等の第1の染料によって染色されていない。このため、この染色レンズでは、図4に実線で示すように、本実施形態と同等の視感透過率、例えば92%であっても、若干暗く見えるだけで、防眩効果はない。
以上から、本実施形態の染色レンズ10は、テトラアザポルフィリン化合物等の第1の染料のみならず、第1の染料の有機色素以外の色素を含む第2の染料によって、染色されている必要があることが明らかである。
以上から明らかなように、本実施形態の眼鏡レンズによれば、眩しさを抑えた上で、明るさの低減を抑えることができる。そして、視認性や防眩性を向上させることが可能でありながら、目元や肌を暗く見せることなく、むしろ、肌色がきれいに、顔色をよく健康的に見せる効果を得ることができる。また、本実施形態の眼鏡レンズ製造方法によれは、このような効果を持つ眼鏡レンズを製造できる。
即ち、本実施形態によれば、レンズを通して見える肌色が暗くなることなく、きれいに見え、かつ血色がよく見え、男女問わず抵抗なく装用することができる。また、本実施形態によれば、視認性や防眩効果、コントラスト向上効果を併せ持ちながらも明るさの低減を最小限に抑えた眼鏡レンズを提供することができ、また、製造することができる。
なお、本実施形態の眼鏡レンズは、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
以下に、実施例に基づいてより具体的に説明する。
(実施例1〜5)
まず、第1の染色液を調整した。染料としてFDG−025(山田化学工業(株)製)、バインダ樹脂としてポリビニルアルコール樹脂、及び溶剤としてメチルエチルケトンを混合撹拌し、第1の染色液を得た。
こうして得られた実施例1〜5の第1の染色液の組成をそれぞれ表1に示す。
次に、プラスチックレンズのレンズ基材12として屈折率1.67の単焦点レンズであるニコンライト4AS(ニコン・エシロール製)を用意した。用意したレンズ基材12にスピンコーターにて第1の染色液をコートした後、140℃にて1時間加熱し、第1の染料をプラスチックレンズ内に浸透させた。その後、プラスチックレンズを冷却した後、表面のコート層を取り除いた。
次に、通常の第2の染料、界面活性剤、純水から第2の染色液を調整した。純水1000重量部を容器に取り、イエロー(Y)染料としてカヤロンポリエステルイエローAL染料、レッド(R)染料としてカヤロンポリエステルレッドAUL−S染料、ブルー(B)染料としてカヤロンポリエステルブルーAUL−S染料(いずれの染料も日本化薬株式会社製)、及び界面活性剤としてニッカサンソルト#7000(商品名、日華化学社製)2重量部を加えたものを撹拌して、第2の染色液を得た。
準備した第2の染色液を86℃に加温し、加温した第2の染色液に、第1の染色液によって染色加工されたレンズ基材12を浸漬して、染色レンズを得た。
こうして得られた実施例1〜5の第2の染色液の組成、及び浸漬時間をそれぞれ表1に併記している。
得られた染色レンズに屈折率1.67のプライマー膜1.0μm、及び、屈折率1.67のシリコーン系樹脂を含むハードコート膜2.0μmを施した。次に、真空蒸着装置(シンクロン社製、「ACE−1150」)の真空槽内に設けられた回転するドームにセットした。次いで、圧力が1.0×10−3Paになるまで排気し、加速電圧500V、加速電流100mAの条件でArイオンビームクリーニングをハードコート膜上に60秒間施した。さらに上記レンズ基材12のハードコート膜上に、真空蒸着法(電子ビーム法)により多層の無機反射防止膜を形成した。無機反射防止膜の層構成及び厚さはハードコート膜側から順に以下の通りとした。
第1層 : SiO 屈折率=1.47 厚さ 40nm
第2層 : ZrO 屈折率=2.00 厚さ 40nm
第3層 : SrO 屈折率=1.47 厚さ 25nm
第4層 : ZrO 屈折率=2.00 厚さ 60nm
第5層 : SrO 屈折率=1.47 厚さ 100nm
以上により、目的の本実施形態の染色レンズ10を得た。
こうして得られた実施例1〜5の染色レンズ10の光学特性の測定結果を表2に示す。
表2に示すように、560nm〜610nmの波長領域の間において透過率が最小となる最小透過率波長589nmにおける実施例1〜5の染色レンズ10の透過率は、それぞれ85%、87%、84%、88%、及び83%であった。
また、実施例1〜5の染色レンズ10の視感透過率は、それぞれ、89%、90%、87%、90%、及び88%であった。
また、これらの実施例1〜5の染色レンズ10の分光特性を図5、及び図6に示す。
図5において、点線、一点鎖線、及び実線は、それぞれ実施例1、実施例2、及び実施例3の染色レンズの分光特性を示す。また、図6において、点線、及び一点鎖線は、それぞれ実施例4、及び実施例5の染色レンズの分光特性を示す。
(実施例6)
実施例1〜5と同様に、第1の染色液を調整し、実施例1と同様の方法でプラスチックレンズ(ニコンライト4AS:レンズ基材12)を第1の染色液で染色した。
次に、第2の染色液として、界面活性剤、純水、レッド(R)染料、ブルー(B)染料は実施例1と同様に準備し、イエロー(Y)染料として、ダイアニクスイエローAC−E New染料(ダイスタージャパン(株)製)を加えたものを撹拌して第2の染色液を調整し、実施例1と同様の方法で染色した。
第1の染色液の組成、第2の染色液の組成、及び浸漬時間を表1に示す。
この染色レンズに実施例1と同様のプライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜を施した。
こうして得られた実施例6の染色レンズ10の光学特性の測定結果を表2に示す。
表2に示すように、最小透過率波長589nmにおける実施例6の染色レンズ10の透過率は、84%であった。
また、実施例6の染色レンズ10の視感透過率は88%であった。
また、この実施例6の染色レンズ10の分光特性を図6に実線で示す。
(実施例7)
実施例1〜5と同様に、第1の染色液を調整し、実施例1と同様の方法でプラスチックレンズ(ニコンライト4AS:レンズ基材12)を第1の染色液で染色した。
次に、第2の染色液として、界面活性剤、純水、イエロー(Y)染料として、カヤロンポリエステルイエローAL染料(日本化薬株式会社製)を加えたものを撹拌して第2の染色液を調整し、実施例1と同様の方法で染色した。
第1の染色液の組成、第2の染色席の組成、及び浸漬時間を表1に示す。
この染色レンズに実施例1と同様のプライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜を施した。
こうして得られた実施例7の染色レンズ10の光学特性の測定結果を表2に示す。
表2に示すように、最小透過率波長589nmにおける実施例7の染色レンズ10の透過率は、91%であった。
また、実施例7の染色レンズ10の視感透過率は95%であった。
また、この実施例7の染色レンズ10の分光特性を図6に二点鎖線で示す。
こうして得られた実施例1〜7の染色レンズ10について、この分野の専門家である3人の技術者が、官能評価を行った。
まず、防眩効果については、3人の技術者の内、3人とも眩しさが低減されると評価した場合には◎とした。3人の中の1人又は2人で眩しさが低減されると評価した場合には○とした。3人とも変化が感じられない場合には×とした。
次に、コントラスト向上効果については、3人の技術者の内、2人以上でクリアレンズと比較してパソコン画面上の文字などがはっきり見えると言った効果が得られた場合に◎とした。3人の中の1人でパソコン画面上の文字などがはっきり見えると言った効果が得られた場合には○とした。3人とも暗く見えてしまうことにより、コントラスト向上効果が得られないと感じた場合には×とした。ここで、クリアレンズは、染色していないプラスチックレンズであり、本実施例では、上述した屈折率1.67の単焦点レンズであるニコンライト4AS(ニコン・エシロール製)からなるプラスチックレンズそのものを言う。
また、物体色の見え方については、3人の技術者の内、3人とも染色レンズを通して見た物体や風景の色がレンズの色に左右されずに暗く感じない場合に◎とした。3人の中の1人又は2人で染色レンズを通して見た物体や風景の色がレンズの色に左右されずに暗く感じない場合には○とした。3人とも赤みや青み、紫っぽい等の色が付いて見えることにより、物体や風景等に違和感があると感じてしまう場合に×とした。
また、顔色の印象については、本実施形態の染色レンズ10を装用し、鏡に映した自分の顔色を、染色レンズを通して見た際、3人の技術者の内、3人とも装用者の目元や顔の印象が赤みを帯びて良く見える場合には◎と評価した。3人の中の1人又は2人で装用者の目元や顔の印象が赤みを帯びて良く見える場合には○とした。3人とも装用者の目元は青みがかって見える場合に、顔色が悪い、くすんでいるといった印象を感じる場合には×と評価した。
こうして得られた実施例1〜7の評価結果を表2に示す。
その結果、表2に示すように、実施例1〜6では、いずれも、3人の技術者において、眩しさの低減が感じられたため、防眩効果があり、◎と評価された。実施例7では、防眩効果は、○と評価された。
また、実施例1〜5、及び7では、いずれも、3人の技術者において、パソコン画面上の文字などが見やすくなることから、コントラスト向上効果も得られ、◎と評価された。実施例6では、コントラスト向上効果は、○と評価された。
また、表2に示すように、実施例1〜7では、3人の技術者において、本実施形態のレンズを装用して、物体や風景等を見た際に、赤や青い等といった色の違和感があると感じることはなかったため、◎と評価された。さらに、実施例1〜3、6、及び7では、3人の技術者において、装用した際の目元は若干赤みを帯び、顔色が良くなる印象を受けたため、◎と評価された。実施例4〜5では、顔色の印象は、○と評価された。
(比較例1)
第2の染料、界面活性剤、及び純水から第2の染色液を調整した。純水1000重量部を容器に取り、イエロー染料としてカヤロンポリエステルイエローAL染料、レッド染料としてカヤロンポリエステルレッドAUL−S染料、ブルー染料としてカヤロンポリエステルブルーAUL−S染料(いずれの染料も日本化薬株式会社製)、及び界面活性剤としてニッカサンソルト#7000(商品名、日華化学社製)2重量部を加えたものを撹拌して、第2の染色液を得た。
準備した第2の染色液を86℃に加温し、屈折率1.67のプラスチックレンズ(ニコンライト4AS:レンズ基材12)を浸漬して、染色レンズを得た。
こうして得られた比較例1の第2の染色液の組成、及び浸漬時間を表1に示す。
こうして得られた染色レンズにプライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜を施し、目的の比較例1の染色レンズを得た。
こうして得られた比較例1の染色レンズの光学特性の測定結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例1の染色レンズでは、透過率が最小となる波長、及び最小透過率波長における透過率は規定できなかった。
また、比較例1の染色レンズ視感透過率は92%であった。
また、この比較例1の染色レンズの分光特性を図7に点線で示す。
この比較例1の染色レンズについて、実施例1〜7と同様に官能評価を実施した。
その評価結果を表2に示す。
その結果、表2に示すように、3人の技術者において、わずかに暗く見えるだけであり、眩しさが低減されたとは感じられず、コントラスト向上効果も得られなかったため、防眩効果並びにコントラスト向上効果は×と評価された。3人の技術者において、レンズを装用して見た物体や風景等の色は、違和感なく見ることはできたため、物体色の見え方の色は◎と評価された。3人の技術者において、装用者の顔色の印象は、やや暗く見えるものであり×と評価された。
(比較例2)
第1の染色液を調整した。染料としてFDG−025(山田化学工業(株)製)、バインダ樹脂としてポリビニルアルコール樹脂、及び溶剤としてメチルエチルケトンを混合撹拌し、第1の染色液を得た。
比較例2の第1の染色液の組成を表1に示す。
次に、レンズ基材12として屈折率1.67の単焦点レンズであるニコンライト4AS(ニコン・エシロール製)を用意した。このレンズ基材12に、コート法によりスピンコーターにて染色液をコートした後、140℃にて1時間加熱し、第1の染料をプラスチックレンズ内に浸透させた。その後、プラスチックレンズを冷却した後、表面のコート層を取り除いた。
この染色レンズにプライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜を施し、目的の比較例2の染色レンズを得た。
こうして得られた比較例2の染色レンズの光学特性の測定結果を表2に示す。
表2に示すように、最小透過率波長589nmにおける比較例2の染色レンズの透過率は、75%であった。また、比較例2の染色レンズの視感透過率は91%であった。
また、この比較例2の染色レンズの分光特性を図7に一点鎖線で示す。
この比較例2の染色レンズについて、実施例1〜7と同様に測定、及び官能評価を実施した。
その評価結果を表2に示す。
その結果、表2に示すように、比較例2の染色レンズにおいては、防眩効果、コントラスト向上効果、物体色の見え方、及び顔色の印象の評価は、全て×であった。
(比較例3)
実施例1〜5と同様に、第1の染色液、及び第2の染色液をそれぞれ調整し、実施例1と同様の方法でプラスチックレンズ(ニコンライト4AS:レンズ基材12)を第1の染色液、及び第2の染色液で染色した。
それぞれの第1の染色液の組成、第2の染色液の組成、及び浸漬時間を表2に示す。
こうして得られた染色レンズに実施例1と同様のプライマー膜、ハードコート膜、及び反射防止膜を施した。
こうして得られた比較例3の染色レンズの光学特性の測定結果を表2に示す。
表2に示すように、最小透過率波長588nmにおける比較例3の染色レンズの透過率は、65%であった。また、比較例3の染色レンズの視感透過率は78%であった。
また、この比較例3の染色レンズの分光特性を図7に実線で示す。
こうして得られた比較例3の染色レンズについて、実施例1〜7と同様にして測定、及び官能評価を行った。
その評価結果を表2に示す。
その結果、表2に示すように、3人の技術者において、眩しさが低減することは感じられ、防眩効果は◎と評価された。3人の技術者の中の1人の技術者においてコントラスト向上効果が感じられたので、○と評価された。また、3人の技術者において、レンズの色が青く、物体色も顔色も青く見えてしまい、物体色の見え方、及び顔色の印象ともに×と評価された。
以上から、本実施形態の効果が明らかである。
10…眼鏡レンズ(染色レンズ)
12…レンズ基材
12a、12b レンズ面
14…染色層

Claims (6)

  1. レンズ基材と、該レンズ基材の少なくとも一方の表面が染色加工されてなる染色層とを有する眼鏡レンズであって、
    前記染色層は、
    テトラアザポルフィリン化合物、又はネオジム化合物を含む有機系色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第1の染料、及び
    前記第1の染料の前記有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第2の染料を含有し、
    透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nmの波長領域の間において最小となる透過率が79%〜95%である眼鏡レンズ。
  2. 可視光の波長領域における視感透過率が、80%〜96%である請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 前記透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nmの波長領域の間において前記透過率が最小となる波長におけるカット率の3/4になるカット率の波長幅が115nm以下である請求項1又は2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 前記第2の染料は、レッド(赤)、ブルー(青)、イエロー(黄)、ブラック(黒)、オレンジ(橙)及びブラウン(茶)の少なくとも1色の染料である請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  5. テトラアザポルフィリン化合物、又はネオジム化合物を含む有機系色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第1の染料を含む第1の染色液を調整する工程と、
    調整された前記第1の染色液によってレンズ基材の少なくとも一方の表面を染色加工する工程と、
    前記第1の染料の前記有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第2の染料を含む第2の染色液を調整する工程と、
    前記第1の染色液によって染色加工された前記レンズ基材の前記少なくとも一方の表面を、調整された前記第2の染色液によって染色加工して、前記第1の染料、及び前記第2の染料を含む染色層を形成する工程と、を有し、
    透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nmの波長領域の間において最小となる透過率が79%〜95%である眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズの製造方法。
  6. テトラアザポルフィリン化合物、又はネオジム化合物を含む有機系色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第1の染料、及び前記第1の染料の前記有機系色素以外の色素からなる染料の中から選択される少なくとも1種類の染料よりなる第2の染料を含む第3の染色液を調整する工程と、
    調整された前記第3の染色液によってレンズ基材の少なくとも一方の表面を染色加工して、前記第1の染料、及び前記第2の染料を含む染色層を形成する工程と、を有し、
    透過率スペクトルにおいて、560nm〜610nmの波長領域の間において最小となる透過率が79%〜95%である眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズの製造方法。
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