JP2018533771A - ブルーライトカット光学製品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、400〜500nmの範囲の波長を有する光の透過を選択的に、少なくとも部分的に遮蔽する少なくとも1種の光吸収染料Aを含む光学製品に関し、染料Aの吸収ピークは400nm〜460nmの範囲内にあり、光学製品の吸収スペクトルは、400〜435nmの範囲における吸光への寄与が435〜460nmの範囲におけるそれより高い、というものである。この光学製品は、使用者の眼を光毒性のブルーライトから保護するために使用できる。

Description

本発明は、光学分野に関し、より詳しくは、光毒性ブルーライトの少なくとも一部を効率的に遮蔽するために光スペクトルの青色領域において最適化された吸収スペクトルを有する光吸収染料を含む、黄色度レベルが低く、特にほとんど無色の外観の光学製品、好ましくは眼科用レンズに関する。
人により認識される可視光はほぼ、380nmの波長〜780nmの波長の範囲のスペクトルにわたる。このスペクトルのうち、約380nm〜約500nmの範囲の部分は確かに、光エネルギー、基本的にブルーライトに対応する。
多くの研究(例えば、Kitchel E.,“The effects of blue light on ocular health”,Journal of Visual Impairment and Blindness Vol.94,No.6,2000又はGlazer−Hockstein and al.,Retina,Vol.26,No.1,pp.1−4,2006参照)により、ブルーライトの一部は人の眼の健康に対する、特に網膜に対する光毒性の影響を有することが示唆されている。
実際に、眼に対する光毒性の研究(Algvere P.V.and al.,“Age−Related Maculopathy and the Impact of the Blue Light Hazard”,Acta Ophthalmo.Scand.,Vol.84,pp.4−15,2006)及び臨床実験(Tomany S.C. and al.,“Sunlight and the 10−Year Incidence of Age−Related Maculopathy.The Beaver Dam Eye Study”,Arch Ophthalmol.,Vol.122.pp.750−757,2004)により、ブルーライトに対する過剰に長時間の、又は集中的な曝露は、加齢黄斑変性症(ARMD)又は白内障等の重篤な眼科疾患を誘発しうることが実証されている。
それゆえ、特により危険性の高い波長バンド(420〜450nm)に関する、有害の可能性のあるブルーライトへの曝露を限定することが推奨される。
そのためには、眼鏡装用者が両眼の各々の前に、光毒性のブルーライトの網膜への透過を防止又は限定する眼科用レンズを装用することが望ましいかもしれない。
例えば国際特許出願第2008/024414号パンフレットにおいて、400nm〜460nmのブルーライトスペクトルの問題の部分を、吸収を通じて、又は反射を通じて適当な波長範囲の光を部分的に遮蔽する薄膜を含むレンズによって少なくとも部分的にカットすることがすでに提案されている。これは、黄色い光吸収染料を光学要素の中に包含させることによって実行できる。
国際特許出願第2014/133111号パンフレットは、その最大吸収ピークが350nm〜370nmの範囲内にある1種又は複数の紫外線吸収剤を含み、比較的短い波長の、特に400〜420nmの波長範囲のブルーライトへの使用者の眼の曝露を制限するように構成された光学材料を開示している。
国際特許出願第2014/055513号パンフレットは、いくつかのコーティングを含むレンズを開示しており、染料を含む、プライマと呼ばれるコーティングがレンズ表面と直接接触するように塗布され、その後、UV遮蔽層及び硬質コート等、他のコーティングがその上に塗布される。
上記を考慮し、光スペクトルの青色領域の光の透過を少なくとも部分的に遮蔽することができ、それと同時に、好ましくは使用者又は装用者の知覚に基づき、良好な透明さと審美性を保持する光学製品が求められている。
それに加えて、この光学製品は青色スペクトルの比較的狭い範囲を選択的に遮蔽し、低い黄色度レベルを示すことが望ましい。この光学製品は、外から見ている人によってほとんど無色と認識され、それと同時に可視性の点で装用者にとって高い快適さを提供すべきである(すなわち、装用者の色覚を大きく損なわない)。
コントラストを改善し、眩しさを限定することも望ましい。このような製品を製造するプロセスが単純で、実行しやすく、再現可能であることも望ましい。
本発明のニーズに応え、先行技術の上述の欠点を修復するために、出願人は、400〜500nmの範囲の波長を有する光の透過を選択的に、少なくとも部分的に遮蔽する少なくとも1種の光吸収染料Aを含む光学製品を提供するものであり、染料Aの吸収ピークは400nm〜460nmの範囲内にあり、光学製品の吸収スペクトルは、400〜435nmの範囲における吸収への寄与が435〜460nmの範囲におけるそれより高い、というものである。
吸収スペクトルは、分光測光器により測定される380〜780nmの波長範囲内の各波長に関する光学製品の透過率の値Tから得られ、その後、光学製品の透過率の値は、吸光度データAにおいて式:A=2−log10%Tを使って変換される。
次に、吸光度スペクトルを表現することができる。光学製品の吸光度の値には、異なる界面での(特に基板/空気界面での)反射と、光学製品の材料(基板材料、コーティング等)による吸収によるすべての青色遮蔽が考慮される。分光測光器は、吸光度の直接的な値を示すようにプログラムすることもできる。
上記の特徴に加えて、本発明の他の実施形態は:
− 光学製品の吸収スペクトルは、435nm〜460nmの曲線下面積と400nm〜435nmの曲線下面積の比R1が0.7より小さい、というものである。
− 光学製品は、その吸収ピークが500nm以上の波長にある少なくとも1種のカラーバランシング染料Bを含む。
− 光吸収染料Aの吸収ピークは400nm〜435nmの範囲にあり、これは、40nm以下の半値全幅を示す。
本明細書で使用されるかぎり、染料とは顔料と着色剤の両方を指してもよく、すなわちその展色剤に不溶性でも可溶性でもありうる。
特に、光学製品は、2つの主表面(すなわち、前面と後面)を有する基板を含み、表面の少なくとも一方は、基板から始まり、第一のコーティング、任意選択により第二のコーティング、耐衝撃コーティング、耐きず及び/又は耐擦傷コーティングで被覆され、光吸収染料A(電磁スペクトルのうちの少なくとも1つの選択された波長範囲内の光の透過を部分的に遮蔽する)が少なくとも第一のコーティング及び/又は第二のコーティングに含められる。
それゆえ、本発明は光学製品の表面に伝統的に存在するかもしれないその他の機能コーティングにより提供される付加価値を変化させないような、フィルタリング機能専用の特定のコーティングを使用する。
本発明の上記及びその他の目的、特徴、及び利点は、当業者にとって、以下の詳細な説明を読み、下記のような添付の図面と併せて考えると、容易に明らかとなるであろう。
約400〜500nmの光危険度関数B(λ)の変化を示す。 約400〜500nmの本発明による3つの光学製品(実施例1〜3)の吸光度曲線と約400〜500nmのブルーライト障害関数を示す。 約400〜500nmの本発明による別の2つの光学製品(実施例4及び5)及び2つの光学製品(実施例6及び7)の吸光度曲線と約400〜500nmのブルーライト障害関数を示す。 約300〜800nmの本発明による上記の実施例4及び5の透過率スペクトル(%)を示す。 約300〜800nmの本発明による上記の実施例6及び7の透過率スペクトル(%)を示す。
本明細書中で使用されるかぎり、製品がその基板上に1つ又は複数の層又はコーティングを含む場合、「製品の上に層又はコーティングを堆積させる」とは、層又はコーティングが製品の外側コーティング、すなわち基板から最も遠いコーティングの被覆されていない(露出した)表面の上に堆積させることを意味する。
本明細書中で使用されるかぎり、基板/コーティングの「上に」ある、又は基板/コーティングの「上に」堆積されているコーティングとは、(i)基板/コーティングの上方に位置付けられ、(ii)必ずしも基板/コーティングと接触しているとはかぎらない、すなわち、1つ又は複数の中間コーティング(複数の場合もある)が基板/コーティングと当該のコーティングとの間に挟まれていてもよい(しかしながら、前記基板/コーティングと接触していることが好ましい)、及び(iii)必ずしも基板/コーティングを完全に覆っているとはかぎらないコーティングと定義される。「コーティング1がコーティング2の下方に配置されていると言われる」場合、コーティング2はコーティング1より基板から離れていると理解すべきである。
本発明に関して、「直接」とは、材料間に直接的な接触があることを意味し、基板に融合される層もまた、基板上にコーティングされていると考えられる。
本発明による光学製品は、好ましくは透明の光学製品、特に光学レンズ又はレンズブランク、より好ましくは眼科用レンズ又はレンズブランクである。
「眼科用レンズ」という用語は、眼鏡フレームに嵌められて、眼を保護する、及び/又は視力を矯正するレンズを意味するために使用される。前記レンズは、無限焦点、単焦点、二焦点、三焦点、及び累進多焦点レンズから選択できる。眼科光学系が本発明の好ましい分野ではあるものの、本発明は、指定された波長をフィルタリングすることが有利であるその他の種類の光学要素、例えば光学機器用のレンズ、特に写真又は天文学用のフィルタ、光学照準レンズ、眼用バイザ、照明システムの光学系、スクリーン、グレイジングその他にも応用できると理解される。
光学製品が光学レンズである場合、これはその主前面、主後面、又は両面が本発明のコーティングで被覆されてもよい。本明細書で使用されるかぎり、基板の後面とは、その製品を使用する際に、装用者の眼から最も近い面を意味するものとする。これは一般に、凹面である。それに対して、基板の前面は、その製品を使用する際に、装用者の眼から最も遠い面である。これは一般に、凸面である。光学製品はまた、平面製品とすることもできる。
基板は、本発明の意味において、被覆されていない基板を意味すると理解すべきであり、一般に2つの主表面を有する。基板は特に光学的に透明な材料であってもよく、光学製品、例えば最終的に眼鏡に取り付けられることになる眼科用レンズの形状を有する。これに関して、「基板」という用語は、光学レンズ、より具体的には眼科用レンズの基本的な構成材料を意味すると理解される。この材料は、1つ又は複数のコーティング又は層を積み重ねるための支持材の役割を果たす。
本発明の製品の基板は、ミネラルガラスでも、有機ガラス、例えば一般に眼科業界で使用される眼科用の透明材料から選択される熱可塑性又は熱硬化性プラスチックから製作される有機ガラスでもよい。
基板材料の特に好ましい等級と言われているのは、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエチレンテトラフタレートとポリカーボネートのコポリマ、ポリノルボルネン等のポリオレフィン、アルキレングリコールビスアリルカーボネートの重合又は(共)重合から得られる樹脂、例えばジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)のポリマ及びコポリマ(例えばPPG Industries社からCR−39(登録商標)の商品名で市販され、それに対応する市販のレンズはESSILORのORMA(登録商標)レンズと呼ばれる)、ビフェニル−Aから得られるもののようなポリカーボネート、(メタ)アクリル又はチオ(メタ)アクリルポリマ及びコポリマ、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、ウレタン及びチオウレタンポリマ及びコポリマ、エポキシポリマ及びコポリマ、エピスルフィドポリマ及びコポリマである。
光学製品の基板は好ましくは、少なくとも1つの主表面が第一のコーティング及び任意選択により第二のコーティングにより被覆され、そのうちの少なくとも1つは本発明による少なくとも1種の光吸収染料Aを含む。
好ましくは、前記第一のコーティング及び/又は前記第二のコーティングは、本発明による少なくとも1種の染料Bを含む。好ましくは、前記染料Bは第一のコーティングに含まれる。
第一のコーティング又は第二のコーティングを(任意選択により)被覆された基板の上に堆積させる前に、前記基板の表面には通常、物理的又は化学的表面活性化及びクリーニング処理が行われて、堆積させられる予定の層の接着性が改善される。このような前処理は一般に、真空下で行われる。これは、エネルギーを有する、及び/又は反応性の種による、例えばイオンビーム(「イオンプレクリーニング」すなわちIPC)での衝撃、コロナ放電処理、イオン破砕処理、紫外線処理、又は一般に酸素又はアルゴンプラズマを使用する真空下でのプラズマ処理であってもよい。それはまた、酸又は塩基の水溶液、過酸化水素、又は水もしくは有機溶剤等の溶媒での化学的処理であってもよい。
第一のコーティングは好ましくは、ポリウレタン系コーティング、すなわち少なくとも1種のポリウレタンを含むコーティングであり、これは少なくとも1種のポリイソシアネートを少なくとも1種のポリオールと反応させることによって得られる。より好ましくは、第一のコーティングはポリウレタンアクリレート系コーティング、すなわちアクリレートを含有する重合性化合物から得られるポリウレタンコーティングである。第一のコーティングはまた、これらに限定されないが、アクリル、メラミン、エポキシ、アルキド、ポリエステル、ポリエーテル、又はポリアミドコーティングとすることができる。
第一のコーティングは好ましくは、第一のコーティングの総重量に関して、少なくとも50重量%のポリウレタン化合物を含む。
本発明において使用されてもよいポリオール(多価アルコールの略語)は、少なくとも2種の水酸基を含む化合物、換言すればジオール、トリオール、テトロール等と定義される。ポリオールのプレポリマが使用されてもよい。
本発明において使用されてもよいポリオールの非限定的な例には、(1)低分子量のポリオール、換言すれば、数平均分子量が400未満のポリオール、例えばC2−C10脂肪酸ジオール、トリオール、及びそれ以上のポリオール等の脂肪酸ジオール、(2)ポリエステルポリオール、(3)ポリエーテルポリオール、(4)アミド基を含むポリオール、(5)ポリアクリルポリオール、(6)エポキシポリオール、(7)ポリビニルポリオール、(8)ウレタンポリオール、(9)ポリカーボネートポリオール、及び(10)かかるポリオールの混合物が含まれる。
ポリオールは好ましくは、重合ポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール、又はポリカーボネートポリオールである。
第一のコーティングがポリウレタンアクリレート系コーティングである場合、この特性は好ましくは、少なくとも 1種のポリアクリルポリオールを使って得られる。それゆえ、1つの実施形態において、第一のコーティングの組成は少なくとも1種のポリアクリルポリオールを含む。
ポリエステルポリオールは、有機ポリカルボキシル酸又はその無水物の有機ポリオール及び/又はエポキシドによるポリエステル化により調製できる。一般に、ポリカルボキシル酸とポリオールは、脂肪酸又は芳香族酸及びジオールである。より高い官能性を有するポリオール、例えばトリメチロールプロパン及びペンタエリトリトールも使用されてよい。
特に好ましいポリエステルポリオール族は、ポリラクトンポリオール族(例えばポリカプロラクトンポリオール)であり、これはラクトンをポリオールと単純に反応させることによって得られる。このような製品は、例えば米国特許第3169945号明細書等に記載されている。
ポリエーテルポリオールの非限定的な例はポリアルキレンエーテルポリオールであり、これは米国特許出願第2007/052922号明細書の段落106にあるものが含まれる。本発明において有用なその他のポリオールは、本願の出願人の名義による米国特許第7662433号明細書に記載されている。
ポリイソシアネートとは、少なくとも2種のイソシアネート基を含むあらゆる化合物、換言すればジイソシアネート、トリイソシアネート等を意味する。ポリイソシアネートのプレポリマが使用されてもよい。ポリウレタンの合成に使用されてもよいポリイソシアネート成分には、イソシアネート基を持つポリイソシアネート化合物が含まれ、これらは「フリー」、「ブロック」、又は「一部ブロック」、及び「ブロック」と「非ブロック」が混在する化合物である。「ブロック」という用語は、ポリイソシアネートが、尿素(ビウレア誘導体)、カルボジイミド、ウレタン(アロファネート誘導体)、イソシアヌレート基(環状3量体)を誘導するために既知の方法で、又はオキシムとの反応により変化させられていることを意味する。
ポリイソシアネートは、脂肪酸、芳香族、脂環式、又はヘテロ環式ポリイソシアネート及びそれらの混合物から選択されてもよい。一般には脂肪酸ポリイソシアネートが使用されるが、それは、その優れた紫外光安定性と黄変傾向がないことによる。
本発明のポリイソシアネートは、好ましくはジイソシアネートである。入手可能なジイソシアネートの中から、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ビフェニル−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、リシンメチルエステルジイソシアネート、フマル酸ビス(イソシアネートエチル)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、エチレンジイソシアネート、ドデカン−1,12−ジイソシアネート、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,3−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,4−ジイソシアネート、ペルヒドロジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ペルヒドロフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(又はビス−(4−イソシアネートシクロヘキシル)−メタン、又は4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)、及びこれらの混合物が挙げられてもよい。
ポリイソシアネート化合物は好ましくは、脂肪酸ジイソシアネートである。これは好ましくは、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ドデカン−1,12−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、ビス−(4−イソシアネート−シクロヘキシル)−メタン及びそれらの混合物からなる群より選択され、さらにより好ましくは、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ビス−(4−イソシアネートシクロヘキシル)−メタン及びそれらの混合物から選択される。
ポリイソシアネートのその他の非限定的な例は、イソホロンジイソシアネート及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからのイソシアヌレートであり、これらはどちらも市販されている。本発明に好適な別のポリイソシアネートは、国際特許出願第98/37115号パンフレットに詳しく記載されている。
第一のコーティングの組成は一般に、ポリオール、ポリイソシアネート、及びその他の成分、例えば、ただしこれらに限定されないが、その他のモノマ又はポリマ樹脂、シクロペンタノン、N−メチルピロリドン(NMP)、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エタノール、水又はジメチルスルホキシド等の溶媒、各種の添加剤、例えばフリーラジカルスカベンジャ、表面活性剤、シラン結合剤等の硬化剤/架橋剤、レオロジ改質剤、フロー及びレベリング添加剤、湿潤剤、消泡剤、安定剤、光重合開始剤、金属触媒等の触媒、IR及び/又はUV吸収剤、特定の最終的色合い又は光発色特性を提供する、もしくはしない染料、及びカラーバランシング剤を含む。最後の3つの成分については後述する。組成物は溶液又は分散液とすることができる。
熱硬化性ポリウレタン組成物の低温硬化のために、錫化合物、例えばジブチル錫ジラウラレート等の触媒が一般に、ポリオールとイソシアネートとの反応を加速させるためにポリウレタン組成物の中に存在する。カルボン酸ビスマス塩触媒等の非錫触媒も使用できる。
使用される触媒の量は異なる可能性がある。一般に、使用される触媒の量は、樹脂固形物の重量に基づき、0.25〜0.30重量パーセントの量である。熱硬化性をポリウレタンコーティングの硬化に合わせて調整される条件は異なる可能性がある。一般に、ポリウレタン組成物は、20℃〜140℃の温度で30秒〜4時間かけて硬化させられる。より低い硬化温度の場合は、より長い硬化時間が必要となる。赤外線加熱を使って、コーティングを扱うことができるまでの硬化時間を短縮できる。
第一のコーティングは光学製品の基板の上に堆積させられ、好ましくは前記基板と直接接触する。その厚さは好ましくは、500nm〜100μm、より好ましくは1μm〜40μm、さらによりよくは5μm〜25μmの範囲である。
本発明の1つの実施形態において、第二のコーティングは上述の第一のコーティングの上に堆積させられ、好ましくは前記第一のコーティングと直接接触する。第二のコーティングは、完成品に良好な機械的特性を付与する接着薄膜である。
1つの実施形態において、この第二のコーティングはその後のコーティング、一般に耐きず及び/又は耐擦傷コーティングが光学製品に、特に液体媒介堆積を通じて塗布されたときに、第一のコーティングからの化合物の放出を回避するための保護コーティングとして使用される。前記第二のコーティングは特に、その後堆積させられるコーティング組成中に存在するかもしれない溶剤に対する耐化学性を付与する。本発明による第一のコーティングと耐きず及び/又は耐擦傷コーティングとの間に保護のための第二のコーティングを挟むことはまた、第一のコーティング中に含まれているかもしれない光吸収染料又は吸収剤の光分解及び酸化を防止するのに役立ちうる。
第二のコーティングの厚さは好ましくは、50nm〜50μm、より好ましくは500nm〜25μm、さらによりよくは1μm〜20μmの範囲である。
第二のコーティングは、同じ又は異なる組成の1つ又は複数の層/薄膜を含むことができる。このコーティングは好ましくは、アクリレート系コーティングであり、アクリル又はメタクリルモノマ又はアクリル及び/又はメタクリルモノマの混合物を使って調製できる。本明細書中で使用されるかぎり、「アクリル」及び「アクリレート」という用語は互換的に使用され、特に別段の指示がないかぎり、アクリル酸の誘導体のほか、メタクリル酸、エタクリル酸、チオ(メタ)アクリレート化合物等を含む。第二のコーティングはまた、これらに限定されることなく、ポリウレタン、メラミン、エポキシ、アルキド、ポリエステル、ポリエーテル、又はポリアミドコーティングとすることもできる。
(メタ)アクリルモノマの混合物は、モノアクリレートモノマ、又はジ、トリ、テトラ、ペンタ、及びヘキサアクリルモノマ等のポリアクリレートモノマを含むことができる。典型的に、官能性が高いほど、架橋密度が高い。その他の共重合性モノマ、例えばエポキシ又はイソシアネート含有モノマもまた、第二のコーティングの調製に使用される調合物の中に存在させることができる。アルコキシルアクリレート等、異なる性質の重合性基を複合させた重合性化合物もまた使用できる。
第二のコーティングの組成は好ましくは、前記組成中に存在する重合性化合物の総重量に関して、少なくとも50重量%のアクリル官能化合物を含む。
アクリレート系コーティングの主成分として使用されてもよいアクリル化合物の例は:
− 単官能(メタ)アクリレート:アリルメタクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレメート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート
− 二官能(メタ)アクリレート:1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、例えばポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート
− 三官能(メタ)アクリレート:トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート
− テトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレート:ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタアクリレートエステルである。
当業界でよく知られているように、第二のコーティングの組成中に含まれる官能性アクリレートの量、数、及び種類は、コーティングの最も望ましい物性に応じて異なり、それは、例えば薄膜の架橋密度を、例えば多官能アクリレート又はその他の架橋モノマの量を変化させることによって変えると、硬度、引張強度、耐化学性、及び接着性等の特性が変化するからである。
第二のコーティングの組成は好ましくは、ジアクリレート化合物を10〜80重量%、より好ましくは30〜75%、さらにより好ましくは50〜70重量%含む。第二のコーティングの組成は好ましくは、モノアクリレート化合物を0〜20重量%、より好ましくは1〜10%、さらにより好ましくは2〜8重量%含む。第二のコーティングの組成は好ましくは、トリアクリレート化合物を2〜30重量%、より好ましくは5〜25%、さらにより好ましくは5〜20重量%含む。より多官能のアクリレート材料、例えばテトラアクリレート、ペンタアクリレート、ヘキサアクリレート、及びそれらの混合物も調合物の中に、例えば3〜15重量%、特に5〜10重量%の量で使用できる。これらの重量パーセンテージは、組成中に存在する重合性化合物の総重量に関する。
望ましくは、第二のコーティングの組成は少なくとも1種のジアクリレート化合物及び/又は少なくとも1種のモノアクリレート化合物、好ましくは少なくとも1種のヒドロキシ官能モノアクリレートを含む。この組成はまた、1種又は複数のトリアクリレート化合物を含むこともできる。トリアクリレート又はより多官能のアクリレート化合物が使用されない場合、十分な架橋は組成中の他の重合性材料により提供できる。
市販されているアクリレート材料は様々な製造業者から入手可能であり、これにはSARTOMER(登録商標)、EBECRYL(登録商標)、及びPHOTOMER(登録商標)の商品名で販売されているものが含まれる。
本発明による重合性の第二のコーティングの組成はまた、一般に、重合を開始するための系も含む。重合開始系は、1種又は複数の熱又は光化学重合開始剤又は、その代わりに熱及び光化学重合開始剤の混合物を含むことができる。
一般に、開始剤は、組成中に存在する光重合性化合物の総重量に関して0.01〜5重量%の比率で使用される。
第二のコーティングの組成の硬化は、電子ビーム硬化又は紫外線硬化等、放射により行うことができる。UV硬化には、少なくとも1種の光重合開始剤、例えばアクリレート化合物のためのフリーラジカル光重合開始剤と、エポキシモノマ等の化合物が存在する場合にはカチオン光重合開始剤の存在が必要となりうる。重合性化合物の混和物が硬化される場合、ポリマ成分の相互侵入編目構造を含む重合体が生成される。
上述の成分に加えて、第二のコーティングの組成は当業者の間で知られているその他の添加物、例えば第一のコーティングの組成に関して上述した別の成分を含むことができる。それは溶液又は分散液とすることができる。本発明にとって好適な他のアクリレート、コポリマ、光重合開始剤を含むアクリレート組成物に関するさらなる詳細は、本願の出願人の名義による国際特許出願第2015/092467号パンフレット又は米国特許第7410691号明細書に見ることができる。
光学製品は、400〜500nmの範囲の波長、すなわち青色波長範囲を有する光の入射光を、光学製品の基板の少なくとも1つの幾何学的に画定される表面、好ましくは主表面全体を通じて少なくとも部分的に抑制する。本明細書において、特に別段のことわりがないかぎり、光の遮蔽は、0°〜15°の範囲、好ましくは0°の入射角に関して定義される。
本発明によれば、入射角とは、眼科用レンズの表面に入射する光線と入射点における表面の法線とがなす角度である。光線は例えば、標準光源、例えば国際表色CIE Lにおいて定義されている標準光源D65である。一般に、0°(垂直入射)から90°(斜入射)に変化する。入射角の通常の範囲は0°〜75°である。
本発明による光学製品は好ましくは、選択された波長範囲の光の少なくとも5%、好ましくは少なくとも8%、より好ましくは少なくとも12%を遮蔽又はカットする。本願において、指定された波長範囲の入射光の「X%を遮蔽する」とは必ずしも、その範囲内のいくつかの波長が完全に遮蔽されることを意味しているわけではないが、それも可能である。むしろ、指定された波長範囲の入射光の「X%を遮蔽する」とは、その範囲内の前記光の平均X%が透過されないことを意味する。本明細書中で使用されるかぎり、このように遮蔽される光は、光学製品の、その上に少なくとも1種の光学フィルタリング手段が堆積されている表面、一般には主前面に到達する光である。
上述の範囲の波長の電磁スペクトルのこの減衰は、少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90、又は少なくとも95%、又は少なくとも99%、又は100%であってもよい。1つの実施形態において、光学製品により遮蔽される選択された波長範囲を有する光の量は、5〜50%、より好ましくは8〜40%、さらにより好ましくは10〜30%である。
本発明による系において、選択された範囲の波長をフィルタにかける光吸収染料Aは好ましくは、第一のコーティングと第二のコーティングのうちの少なくとも一方(好ましくは第一のコーティング)に含められる。1つの実施形態において、少なくとも1種の光吸収染料Aが第一のコーティングに包含されて、第二のコーティングには染料Aは一切包含されない。他の実施形態において、少なくとも1種の光吸収染料Aは第二のコーティングの中に包含されて、第一のコーティングには光吸収染料Aは一切包含されない。また別の実施形態において、少なくとも1種の光吸収染料Aは第一のコーティングに包含され、染料Aとは異なる少なくとも1つの光学フィルタリング手段は例えば第二のコーティングに包含されて、例えばフィルトレーションプロファイル及び/又はその選択性を完全にし、高める。
前記1つ又は複数の追加の光学フィルタリング手段は、吸収によって光の透過を遮蔽する吸収型フィルタ、例えば反射によって光の透過を遮蔽する干渉型フィルタ、又はその両方の組合せ(すなわち、吸収型及び干渉型の両方のフィルタ)とすることができる。
好ましくは、前記1つ又は複数の追加の光学フィルタリング手段は、光の透過を複数の選択された波長範囲における吸収により遮蔽する。特に、光吸収染料Aとは異なる少なくとも1つの光学フィルタリング手段は、400〜500nmの範囲の波長を有する光の透過を少なくとも部分的に遮蔽する。例えば、前記光学フィルタリング手段は干渉型フィルタ、好ましくは反射防止コーティングである(このような反射防止レンズは国際特許出願第2013171435号パンフレット及び国際特許出願第2013171436号パンフレットに記載されており、その内容を参照によって本願に援用する)。
光吸収染料Aは必ずしも反射防止コーティングの中に含められるとはかぎらないため、本発明は、何れの所望の反射防止コーティングでも自由に選択できるようにしながら、ブルーライト、好ましくは光毒性ブルーライトに対する保護を提供するか、又は反射防止コーティングが光学製品の表面になくても、保護を提供する。
好ましい実施形態において、光吸収染料Aは、400〜500nm、特に420〜450nm、又は415〜430nmの範囲の波長を有する光の透過を少なくとも部分的に遮蔽する。
本願の光学製品は、網膜細胞アポトーシス又は加齢黄斑変性症に対する高いレベルの網膜細胞保護を提供できる。
場合により、青色スペクトルの比較的小さい部分、すなわち420nm〜450nmの領域を選択的にフィルタにかけることが特に望ましいかもしれない。実際に、遮蔽する青色スペクトルが大きすぎると、暗所視及び「概日周期」と呼ばれるバイオリズム調整メカニズムに障害をきたしかねない。それゆえ、好ましい実施形態において、光吸収染料Aは465〜495nm、好ましくは450〜550nmの範囲の波長を有する光の5%未満を遮蔽する。この実施形態において、光吸収染料Aは光毒性ブルーライトを選択的に抑制し、概日リズムに関与するブルーライトは透過させる。好ましくは、光学製品は465nm〜495nmの範囲の波長を有する光の少なくとも95%を透過させる。この透過率は、465〜495nmの範囲の中で透過される光の平均であり、その範囲の各波長における眼の感度に応じて重み付けされない。他の実施形態において、染料Aは465〜495nmの範囲、好ましくは450〜550nmの範囲内の光を吸収しない。
他の実施形態において、染料Aは、その吸収ピークが400〜435nmの波長範囲にある吸収型フィルタである。好ましくは、染料Aの吸収ビークは400nm〜460nm、好ましくは400〜435nmの範囲にあり、それが示す半値全幅(FWHM)は40nm以下、好ましくは30nm以下である。特に、染料Aの吸収ピークは好ましくは、400nm〜428nm、好ましくは415nm〜428nmの範囲にある。本明細書において使用されるかぎり、吸収ピークがある波長範囲にあるとは、吸収ビークの最大値がこの範囲内にあることを意味し、前記吸収はその中に光学フィルタリング手段が包含されている光学製品の吸収スペクトル(波長に関する吸光度)を得ることによって測定される。
より好ましくは、前記吸収ピークは420〜435nmの範囲内にある。前述のように、染料Aの吸収ピークは好ましくは400nm〜428nm、好ましくは415nm〜428nmの範囲にあり、すなわち、図1に示されるB(λ)関数の最大値の左側に向かっている。
特に、染料Aはまた、好ましくは、本来的に、その吸収ピークが500nm以上の波長にある。
有利な実施形態において、染料Aは、415〜425nmの波長範囲内において強力であるが狭い吸光度ピークを有し、好ましくは435nmより長い波長ではほとんど又は全く吸収しない。
好ましい光吸収染料Aの吸収ピークは435nm未満の波長にあるが、他のフィルタリング手段が使用されていれば、そのピークが435nmより高く、435〜460nmの範囲において吸光度を有する光吸収染料Aを使用することが可能であり、それによって結果として得られる光学製品は、400〜435nmの範囲における吸収への寄与が435〜460nmの範囲におけるそれより高いものとなる。これらのフィルタリング手段は、400〜435nm、好ましくは400〜430nmの範囲で吸収を有するUV吸収剤であってもよい。
好ましくは、最大反射率が約400nm以下にあり、その反射率が400nmから450nmへと減少する反射防止コーティングを光吸収染料Aと共に使用できる。このような種類の反射防止コーティングは、上ですでに述べた国際特許出願第2013171435号パンフレット及び国際特許出願第2013171436号パンフレットに記載されている。
FWHMの定義は、FWHM=λhigh−λlowであり、
式中、λhigh及びλlowは、吸光度ピーク波長のそれぞれの側にあり、吸光度は(ピーク吸光度−ベースライン吸光度)/2に最も近い。
好ましくは、染料Aの(400〜460nmの範囲内のピークに関する)FWHMの値は25nm未満、特に20nm未満で、好ましくは5nmより高く、典型的に10nmより高い。
一般に、染料Aの比吸収率は、塩化メチレンにおいて200L.g−1.cm−1より高い。特に、染料Aの比吸収率は、塩化メチレンにおいて300nm、好ましくは400より高く、典型的に500L.g−1.cm−1より高い。
この説明の中で、特に別段のことわりがないかぎり、透過率/透過は0.5〜2.5mm、好ましくは0.7〜2mm、好ましくは0.8〜1.5mmの厚さの場合の光学製品の中央において、0°〜15°、好ましくは0°の入射角で測定される。
光吸収染料Aは、400〜500nmの波長範囲内の光の透過を選択的に抑制する。本明細書中で使用されるかぎり、ある手段がある波長範囲を「選択的に抑制する」とされるのは、それが指定された範囲内の少なくとも一部の透過を抑制し、その一方で選択された波長範囲外の波長の透過には、そのように特に構成されていないかぎり、ほとんど又はまったく影響を与えない場合である。この実施形態において、光吸収染料Aは、複数の色の出現を最小化するように構成される。
実際に、染料Aはある程度まで、400〜500nmの範囲の外の波長の入射光の透過を吸収により抑制するように構成されていてもよい。
選択された波長範囲を有する光を少なくとも部分的に抑制するための手段として機能してもよい光吸収染料の化学的性質は、それが本発明による吸収ピークを有するかぎり、特に限定されない。ブルーライト遮蔽染料A、典型的には黄色染料は好ましくは、他の色の出現を最小限にするために、可視スペクトルの他の部分においてはほとんど又は全く吸光度を持たないように選択される。
ブルーライト遮蔽染料Aは、オーラミンO、クマリン343、クマリン314、ニトロベンゾキサジアゾール、ルシファイエローCH、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、プロフラビン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン、2−[4−(ジメチルアミノ)スチリル]−1−メチルピリジニウムイオダイド、ルテイン、ゼアキサンチン、及びExciton Inc.から入手可能な狭い吸収ピークを有する黄色染料、例えばABS−419(登録商標)、ABS−420(登録商標)、ABS−425(登録商標)、又はABS−430(登録商標)からなる群より選択される1種又は複数の染料を含んでいてもよい。
実施形態において、ブルーライト遮蔽染料Aは、ポルフィリン、ポルフィリン錯体、コリン、クロリン及びコルフィンを含むポルフィリンに関するその他のヘテロ環、その誘導体、又はポリレン、クマリン、アクリジン、インドレニン(3H−インドールとも呼ばれる)及びインドール−2−イリデン族を含む。誘導体は、一般に添加又は置換により生じる物質である。
ポルフィリンはよく知られた巨大環化合物であり、4つの改質ピロールサブユニットがそれらの炭素原子においてメチン架橋を介して相互接続されているものからなる。親ポルフィリンはポルフィンであり、置換ポリフィンはポルフィリンと呼ばれる。ポルフィリンは、金属を結合して(配位)錯体を形成するリガンドの共役酸である。
特定のポルフィリン又はポルフィリン錯体又は誘導体は、それらが、ある場合において、例えば選択された青色波長範囲内の20nmのバンド幅を有する選択的光吸収フィルタを提供するという点で興味深い。選択性の特性は、一部に、分子対称性により提供される。このような選択性は、色の視覚的認識の歪みを限定し、光フィルタリングが暗所視に与える不利な影響を限定し、概日リズムへの影響を限定するのに役立つ。
例えば、1種又は複数のポルフィリン又はポルフィリン錯体又は誘導体は、クロロフィルa、クロロフィルb、5,10,15,20−テトラキス(4−スルホナトフェニル)ポルフィリンナトリウム塩錯体、5,10,15,20−テトラキス(N−アルキル−4−ピリジル)ポルフィリン錯体、5,10,15,20−テトラキス(N−アルキル−3−ピリジル)ポルフィリン錯体、及び5,10,15,20−テトラキス(N−アルキル−2−ピリジル)ポルフィリン錯体からなる群より選択され、アルキルは好ましくは、鎖当たり1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝アルキル鎖である。例えば、アルキルはメチル、エチル、ブチル、及びプロピルからなる群より選択されてもよい。
錯体は通常、金属錯体であり、金属はCr(III)、Ag(II)、In(III)、Mn(III)、Sn(IV)、Fe(III)、Co(II)、Mg(II)、及びZn(II)からなる群より選択される。Cr(III)、Ag(II)、In(III)、Mn(III)、Sn(IV)、Fe(III)、Co(II)、及びZn(II)は、水中で425nm〜448nmの範囲における吸収を示し、急峻な吸収ピークを有する。さらに、これらが提供する錯体は安定しており、酸に対する感受性がない。Cr(III)、Ag(II)、In(III)、Sn(IV)、Fe(III)は特に、室温で蛍光を示さず、これは眼科用レンズ等の光学レンズにおいて有益な特性である。
いくつかの実施形態において、1種又は複数のポルフィリン又はポルフィリン錯体又は誘導体は、マグネシウムメソテトラ(4−スルホナトフェニル)ポルフィン四ナトリウム、マグネシウムオクタエチルポルフィン、マグネシウムテトラメシチルポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、テトラキス(2,6−ジクロロフェニル)ポルフィリン、テトラキス(o−アミノフェニル)ポルフィリン、テトラメシチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、亜鉛オクタエチルポルフィリン、亜鉛テトラメシチルポルフィリン、亜鉛テトラフェニルポルフィリン、及びジプロトン化テトラフェニルポルフィリンからなる群より選択される。
一般に、光学製品の吸収スペクトルは、435〜460nmの曲線下面積と400〜435nmの曲線下面積との比R1が0.7未満、特に0.6未満、典型的に0.5未満である、というものである。
この比R1は、曲線下面積の測定により容易に判断できる。
比R1の他の計算方法は、値AV1、すなわち435〜460nmの範囲にわたる吸光度の平均値と、値AV2、すなわち400〜435nmの範囲にわたる吸光度の値の平均値を計算することであり、R1=AV1/AV2である。
面積による計算はR1の計算の好ましい方法である。
吸収への寄与が400〜435nmの範囲において435〜460nmの範囲におけるそれより高いことは、面積方式又は平均方式の何れかにより計算される比R1が1未満であるときに満たされると考えられる。
前述のように、本明細書において、光学製品は、基板の何れかの主表面に、染料Aとは異なる1つ又は複数の追加の光学フィルタリング手段を含むことができ、これは400〜500nmの範囲の波長を有する光の透過を少なくとも部分的に遮蔽する。これは、吸収によって光の透過を遮蔽する吸収型フィルタ、例えば反射により光の透過を遮蔽する干渉型フィルタ(すなわち、反射防止コーティング)、又は両方の組合せ(すなわち、吸収型と干渉型の両方のフィルタ)とすることができる。光学製品はまた、少なくとも1つの吸収型フィルタと少なくとも1つの干渉型フィルタを含んでいてもよく、これらはどちらも、選択された波長範囲を有する入射光を少なくとも部分的に遮蔽する。吸収型フィルタのほかに干渉型フィルタを使用することにより、光学製品の審美性を改善できる。
他の実施形態において、光学製品は光学製品の基板の少なくとも1つの幾何学的に画定された表面上、好ましくは主表面全体に、選択された波長範囲を有する入射光を少なくとも部分的に遮蔽する少なくとも1つの干渉型フィルタを含む。干渉型フィルタ、好ましくは反射により光の透過を抑制するフィルタは一般に、典型的には高及び低屈折率材料の個別の層を交互に堆積させることによって製造される多層誘電積層体である。各層の厚さ、各層の屈折率、及び層の繰り返し回数等の設計パラメータにより、多層誘電積層体の性能パラメータが決まる。選択された波長範囲内の光を抑制するこのような干渉型フィルタは、例えば本願の出願人の名義による国際特許出願第2013/171434号パンフレットにおいて開示されている。
1つの実施形態において、光学製品は400〜500nmの波長範囲内の光を少なくとも部分的に遮蔽する追加の光学フィルタリング手段として、UV吸収剤を含む。
このような化合物は、UV光が網膜に到達するのを削減又は防止するために光学製品に(特に、眼科用レンズ材料に)包含されることが多いが、基板材料自体を保護するためでもあり、それゆえ、これを風化作用及び脆弱化及び/又は黄変から防止する。
UVスペクトルは多くのバンド、特にUVA、UVB、及びUVCバンドを有する。地表面に到達するこれらのUVバンドのうち、315nm〜380nmの範囲のUVAバンド及び280nm〜315nmの範囲のUVBバンドは、特に網膜に有害である。
本発明において使用されてもよいUV吸収剤は好ましくは、400nm未満の波長、好ましくは385又は390nm未満のUV波長を有する光を少なくとも部分的に遮蔽する能力を有するだけでなく、可視ブルーライト範囲(400〜500nm)等の電磁スペクトルの400〜1400nmの領域内の選択された波長範囲にわたる吸収スペクトルも有する。
ある実施形態において、UV吸収は、光学製品の光透過率が下記の特性(1)〜(3)のうちの少なくとも1つ、好ましくはこれら3つの特性を満たすように構成される。
(1)435nmの波長での光透過率は10%以下である。
(2)450nmの波長での光透過率は70%以下である。
(3)480nmの波長での光透過率は80%以上である。
好適なUV吸収剤には、これらに限定されないが、2−ヒドロオキシベンゾフェノン、米国特許第4,304,895号明細書において開示されている置換2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン(Seesorb 102(登録商標))2,7−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)−9,9−ジプロピル−3−ヒドロキシフルオレン、1,4−ビス(9,9−ジプロピル−9H−フルオレノ[3,2−d]オキサゾール−2−イル)−2−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン、及びベンゾトリアゾール化合物等の置換ベンゾフェノンが含まれる。
UV吸収剤は好ましくは、ベンゾトリアゾール化合物である。この族からの好適なUV吸収剤には、これらに限定されないが、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−メタアリル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、又はその他のアリルヒドロキシメチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Seesorb(登録商標)701)、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、及び米国特許第4,528,311号明細書において開示されている2−ヒドロキシ−5−アクリルオキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾールが含まれる。好ましい吸収剤は、ベンゾトリアゾール族である。市販の製品には、BASFのTinuvin(登録商標)及びChimassorb(登録商標)、例えばTinuvin(登録商標)326、シプロ化成株式会社のSeesorb(登録商標)701及び703、共同薬品株式会社のViosorb 550(登録商標)、及びケミプロ化成株式会社のKemisorb 73(登録商標)が含まれる。
UV吸収剤は好ましくは、基板の重量の0.3〜2%の量で使用される。
好ましい実施形態によれば、染料Aは、400〜500nmの波長範囲の光の少なくとも5%が遮蔽/抑制されるように放射を吸収し、前記光の好ましくは少なくとも8〜12%、及び一般には8〜50%、より好ましくは10〜40%、さらにより好ましくは12〜30%である。吸収によるこれらの光抑制レベルは、染料及び/又はUV吸収剤の濃度を調整することによって制御でき、光学フィルタリング手段がない場合に同じ波長範囲で透過されるであろう光の量に関して表現される。
一般に、望ましくないブルーライト等の可視波長を遮蔽することは、カラーバランス、光学装置を通して見た時の色覚、及び光学装置が認識される色に影響を与える。実際に、少なくとも部分的に可視光を抑制する上述の吸収型光学フィルタリング手段のうちの少なくとも1つを包含する光遮蔽光学装置は、「副作用」として光学製品に色合いを生じさせる傾向があり、これはブルーライト遮蔽の場合、黄、茶、又は琥珀色に見える。これは、多くの光学的用途にとって審美的に受け入れられず、装置が眼科用レンズである場合、使用者の正常な色認識を妨害するかもしれない。
ブルーライト遮蔽染料Aの黄変効果等の影響を補償するために、光学製品は500nm以上の波長で吸収ピークを有する少なくとも1種のカラーバランシング染料Bを含む。
1つの実施形態において、黄変効果を少なくとも部分的に相殺するために利用されるカラーバランシング成分は染料又は、適当な比率で使用される染料の混合物、例えば赤及び緑色着色染料の組合せである。
バランシング染料Bとして使用可能な好適な一定の色合いの着色剤には、当業界で知られている無機及び有機顔料及び/又は染料の何れが含まれていてもよい。有機染料は、アゾ染料、ポリメチン染料、アリルメチン染料、ポリエン染料、アントラシネジオン染料、ピラゾロン染料、アントラキノン染料、アウイノフタロン(auinophtalone)染料、及びカルボニル染料から選択できる。このような有機染料の具体的な例には、Keystone Anilineから入手可能なBlue 6G、Violet PF、及びMagenta RB、Morton International,Inc.のMorplas Blue、Sensient Corp.から入手可能なD&C Violet #2、LanxessのMacrolex Violet 3R、及びClariant CorporationのRubine Redが含まれる。また、レーザ染料も好適であり、これは例えばピロメテン、フルオロセイン、ローダミン、マラカイトグリーン、オキサジン、ピラジン、カルバジン、カルボシアニンイオダイド、及びその他から選択されるものである。具体的な例には、Exiton,Inc.のABS 574、ABS 668、もしくはABS 674、又はH.W.Sands Corp.から入手可能なSDA2443、SDA3572、もしくはADA4863が含まれる。上述の染料の何れの混合物も使用できる。
他の実施形態において、蛍光増白剤、別名fluorescent whitening agent(FWA)、optical brightening agent(OBA)、又はfluorescent brightning agent(FBA)も使用されてよい。よく知られているように、蛍光増白剤は、UV及び紫領域(通常、340〜370nm)の光を吸収し、可視スペクトルの青色領域(400〜500nm、好ましくは420〜450nmの範囲)の蛍光により光を発する物質である。好ましい蛍光増白剤は高い発光効率を有し、すなわち、それが吸収透したエネルギーの大部分を可視光として再び放出する。
蛍光増白剤の化学的性質は、それが光学フィルタリング手段により付与される黄色をマスクするために400〜500nm、好ましくは420〜450nmの範囲の波長の蛍光、理想的には最大蛍光によって発光できるかぎり、特に限定されない。
好ましくは、蛍光増白剤は、420〜450nm、又は400〜500nmの範囲の波長を有する光の30%未満、より好ましくは20%未満、さらにより好ましくは10%未満、理想的には5%未満を吸収する。前記蛍光増白剤は好ましくは、420〜450nmn又は400〜500nmの範囲内に最大吸収ピークを持たず、さらによりよくは、吸収ピークを持たない。
蛍光増白剤は、これらの族に限定されないが、スチルベン、カルボスチリル、クマリン、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン、ナフタルイミド、芳香族複素環(ピレニル−トリアジン又は、相互に直接、又は共役環系を通じて結合されるチアゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、融合多環芳香族又はトリアジン等のヘテロ環化合物のその他の組合せ)ベンゾキサゾール、特に2位において共役環系で置換された、好ましくはエチレン、フェニルエチレン、スチルベン、ベンゾキサゾール、及び/又はチオフェン族を含むベンゾキサゾールから選択されてもよい。蛍光増白剤の好ましい族は、ビス−ベンゾキサゾール、フェニルクマリン、メチルクマリン、及びビス−(スチリル)ビフェニルであり、これらはA.G.Oertli,Plastics Additives Handbook,6th Edition,H.Zweifel,D.Maier,M.Schiller Editors,2009により詳しく記載されている。
本発明において使用されてもよい他の有益な蛍光増白剤は、Fluorescent Whitening agents,Anders G.EQS,Environmental quality and safety(Suppl.Vol IV)Georg Thieme Stuttgart 1975に記載されている。市販の蛍光増白剤の具体的な例は、本願の出願人の名義による国際特許出願第2015/097186号パンフレットにおいて開示されている。
好ましくは、カラーバランシング染料Bの吸収ピークは520nmより長い波長にある。例えば、本発明によるカラーバランシング染料Bとしては、アントラキネンが好適である。
一般に、光学製品は、460〜700nmの曲線下面積と400〜460nmの曲線下面積の比R2が3以下となるような吸収スペクトルを有する。
後述の例に示されているように、高いブルーライト保護、低い黄色度、及び高い透過率の最善のバランスは、R2の比が3以下、好ましくは2.5以下、さらによりよくは2.25以下であるときに得られる。
比R3(460〜700nmの曲線下面積/400〜460nmの曲線下面積)は好ましくは3以下、好ましくは2.5未満、さらによりよくは2.25未満である。
本発明による系において、染料Aは好ましくは、第一のコーティングと第二のコーティングとの少なくとも一方(好ましくは第一のコーティング)に含められ、カラーバランシング手段は、光学製品の基板内、基板の表面にある少なくとも1つのコーティング内、又は2つの基板薄膜間に挟まれる層内に包含させることができる。
カラーバランシング手段は、光学製品の表面に塗布されるカラーバランシングコーティング又は薄膜、例えばプライマコーティング、ハードコート、又は反射防止コーティング内に包含させることができる。これは好ましくは、本発明による第一のコーティングと第二のコーティングのうちの少なくとも一方、より好ましくは第一のコーティングの中に含められる。
カラーバランシング染料Bと染料Aは、同じコーティングの中に、又は異なる位置に別々に、例えば(少なくとも)2つの異なるコーティング内に、又は基板内の第一の位置と本発明による第一のコーティングもしくは第二のコーティング内の別の位置に含めることができ、又はこれらの実施形態の組合せを実施でき、それでも依然として健康と美的外観の面で本発明の利点と利益が得られる。例えば、染料Aは第一のコーティング内に位置付けられてもよく、染料Bはプライマコーティングの中に含められる。染料A及びBが(少なくとも)2つの異なるコーティングに含まれる場合、これらのコーティングは必ずしも光学製品の同じ面に堆積されているとは限らない。これらは、光学製品の何れかの面又は光学製品の両面に堆積させることができる。
好ましい実施形態において、染料A及びBはどちらも、本発明による第一のコーティングに含められる。
1つの実施形態において、ブルーライト波長を遮蔽する機能とカラーバランシングを行う機能が、ブルーライト波長を遮蔽し、一部の緑及び赤色波長を反射する1つの成分にまとめられる。
いくつかの光学フィルタリング手段及び/又はカラーバランシング手段を基板及び/又は基板の表面に堆積された同じ又は異なる層の中に包含させることができる。いくつかの実施形態において、光学フィルタリング手段は光学基板の同じ又は異なる表面上に堆積された2つのフィルタ間で分割される。
光学フィルタリング手段は好ましくは、光学製品の基板内に包含されない。
カラーバランシング手段を光学製品の基板の塊の中に含める方法はよく知られており、例えば以下を含む(例えば、国際特許出願第2014/133111号パンフレット参照)。
I.基板を有機溶媒及び/又は水性高温浴、好ましくは水性溶液中に数分間浸漬させるステップを含む含浸又は浸潤方式。有機レンズ基板等の有機材料から作られた基板は、最も多くの場合、90℃程度の温度に加熱され、その中にカラーバランシング手段がすでに分散させられている水溶液浴中に浸漬させることによって材料バルク内で「着色」される。この化合物はそれゆえ、基板の表面下に拡散し、色濃度は基板の本体中に拡散する化合物の量を調整することによって得られる、
II.日本特願2000−314088号及び日本特願2000−241601号に記載されている、暫定的な硬化コーティングを含む拡散方式、
III.米国特許第6534443号明細書及び米国特許第6554873号明細書に記載されているような、昇華性材料を使用する非接触着色、又は
IV.例えば鋳造又は射出成型による基板自体の製造中の、ただし鋳造又は射出成型中の高温に十分に耐えられる場合における化合物の包含。これは好ましくは、基板の組成物(光学材料樹脂又は重合性組成物)に化合物を混合させ、その後、適当な型の中で組成物を硬化させて基板を形成することによって実行される。
層内に光学フィルタリング手段(及び/又はカラーバランシング手段)を包含させるために、光学製品製造分野の当業者にとって馴染みのあるいくつかの方法が知られている。これらの化合物は、層と同時に、すなわち層が液体コーティング組成物から調製されるときに堆積させられてもよく、これらは前記コーティング組成物中に(直接、又は例えば化合物により含浸される粒子として)包含させ、又は溶融させてから、基板表面に塗布し(その場混合)、硬化させることができる。
カラーバランシング手段及び光学フィルタリング手段(染料A及び任意選択による1つ又は複数の光学フィルタリング手段)はまた、後に基板に転写、積層、融合、又は接着される薄膜内に包含させることもできる。
光学フィルタリング手段(及び/又はカラーバランシング手段)はまた、別のプロセス又はサブプロセスでコーティングに包含されてもよい。例えば、化合物は、基板の表面に堆積させられた後のコーティングの中に、基板を「着色」することに関して述べたものと同様の浸漬着色法を使って、すなわち高温色付け浴によって、又は本願の出願人の名義による米国特許出願第2003/0020869号明細書において開示されている拡散方式を通じて、又はインクジェットプリンタを用いて印刷を行う印刷プライマを使用する、本願の出願人の名義による米国特許出願第2008/127432号明細書において開示されている方法を通じて、又は熱転写プリンタによる昇華染料の印刷を含む、本願の出願人の名義による米国特許第2013/244045号明細書において開示されている方式を通じて、又は基板内に着色剤を転写するために多孔質層を使用する、本願の出願人の名義による米国特許出願第2009/047424号明細書において開示されている方法を通じて含められてもよい。また、化合物を表面に噴霧してから、コーティングを硬化(例えば熱又はUV硬化)させ、乾燥させ、又は塗布してもよい。
自明な点として、上述の方法のいくつかの組合せを使って、少なくとも1つの光学フィルタリング手段及び/又はカラーバランシング手段がその中に包含された光学製品を得ることができる。
本発明において使用される光学フィルタリング手段(染料Aを含む)の量は、ブルーライトからの十分な保護を提供できる量であり、その一方で、本発明において使用されるカラーバランシング手段(染料Bを含む)の量は、光学フィルタリング手段により引き起こされる黄変効果を相殺できる量である。
当然のことながら、カラーバランシング手段と光学フィルタリング手段のそれぞれの量は、例えば黄色い外観を持たない無色透明の要素を生成するために相互に調整されてもよい。特に、当業者であれば、カラーバランシング手段の所望の量が、使用される光学フィルタリング手段の性質と量を含むいくつかの要素に応じて異なることがわかるはずである。このために、各化合物の最適な量は、簡単な研究室での実験により決定できる。
例えば、光学フィルタリング染料は、染料の強度と所望の保護の量に応じて、コーティング溶液の重量に基づき0.005〜0.150%のレベルで使用できる。このような場合、カラーバランシング染料(複数の場合もある)は、染料の強度と、所望の最終的な色及び透過率%に応じて、コーティング溶液の重量に基づき0.01〜0.10%のレベルで使用できる。理解すべき点として、本発明はこれらの範囲に限定されず、これらは例として挙げられているにすぎない。
自明な点として、本発明による光学製品は、その基板及びコーティングの何れも色付けされていない場合のみ、無色に見える。
いくつかの実施形態において、光学製品は少なくとも1種のフリーラジカルスカベンジャを含み、これは好ましくは、第一のコーティングと第二のコーティングのうちの少なくとも一方に包含される。これは好ましくは、染料Aと同じ層の中に、より好ましくは第一のコーティングの中に含められる。最も好ましくは、染料Aとフリーラジカルスカベンジャの両方が本発明による第一のコーティングに包含される。第二のコーティングがUV硬化コーティングである場合には、その中にラジカルスカベンジャを使用しないことが好ましい。
安定性の改善は、光学製品の表面におけるいくつかのコーティングが熱及び/又はUV硬化されている場合であっても、染料Aを含むコーティングの中にフリーラジカルスカベンジャを添加することにより得られた。実際に、染料のほとんど、特に黄色染料はUV光の影響を受けやすく、UV光が照射されると、ある程度の光分解が起こる。
フリーラジカルスカベンジャは、フリーラジカルの形成を抑制し、又はその存在を除去し、光分解から保護するヒンダードアミン光安定剤(HALS)と、熱酸化から保護する酸化防止剤を含む。
好ましくは、光学製品は少なくとも1種のヒンダードアミン光安定剤及び/又は少なくとも1種の酸化防止剤、より好ましまは少なくとも1種のヒンダードアミン光安定剤と少なくとも1種の酸化防止剤を含み、これは同じ又は異なる層の中、好ましくは両方とも第一のコーティングに包含させることができる。フリーラジカルスカベンジャのこの組合せにより、熱及び光分解からの最善の保護が光学フィルタリング手段に提供される。光分解からの光学フィルタリング手段の保護はまた、光学製品上に、少なくとも1つの鉱物/誘電層を含む反射防止コーティングがあることによって強化できる。
1つの実施形態において、フリーラジカルスカベンジャは立体障害フェノール又はアミンである。
好ましいヒンダードアミン光安定剤はピペリジンの誘導体、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの誘導体である。これらはBASFからTinuvin(登録商標)及びChimassorb(登録商標)の商品名で市販されている。
好ましい酸化防止剤は、立体障害フェノール、チオエーテル、又はホスファイトである。これらはBASFからIrganox(登録商標)及びIrgafos(登録商標)の商品名で市販されている。
使用されるフリーラジカルスカベンジャの量は、コーティング組成物を安定させるのに有効な量であり、これは選択された特定の化合物に依存し、当業者により容易に調整できる。
ある実施形態において、光学製品は、主前面と主後面を有する基板を含み、ISO 13666:1998標準において定義されている関数W(λ)により重み付けされた280nm〜380nmの間の前記主後面上の平均反射率RUVは、後面への入射角が35°の場合、又は他の実施形態においては入射角30°と入射角45°の両方の場合に、5%未満である。
本発明による光学製品はまた、以下の特性を含んでいてもよい。
− 以下の関係により定義される、図1に示される関数B(λ)により重み付けされた400nm〜450nmの平均ブルーライト保護係数BVC:
は15〜50%、好ましくは15〜25%の範囲であり、
− 可視スペクトルにおけるその相対光透過率Tvは80%以上、好ましくは89%以上であり、その比BVC/Yiは2より高く、好ましくは3より高く、ただしYiは光学製品の黄色度指数であり、BVCは400nm〜450nmの平均ブルーライト保護係数であり、以下の関係により定義され、図1に示される関数B(λ)により重み付けされる。
本発明による光学製品は、網膜細胞の損傷に対するよりよい保護を提供する。
基板の主表面は、その光学及び/又は機械的特性を改善するためのいくつかの機能コーティングでさらに被覆できる。「コーティング」という用語は、あらゆる層、積層物、又は薄膜を意味すると理解され、これは基板及び/又は他のコーティング、例えばゾル−ゲルコーティング又は有機樹脂からなるコーティングと接触していてもよい。コーティングは、湿式法、気体加工、及び薄膜転写をはじめとする様々な方法を通じて堆積させられ、又は形成されてもよい。本明細書で使用される機能コーティングは好ましくは、耐衝撃コーティング及び耐きず及び/又は耐擦傷コーティングである。存在させてもよい、光学系で古典的に使用されている別の機能コーティングは、これらに限定されないが、反射防止コーティング、偏光コーティング、調光コーティング、静電防止コーティング、汚損防止コーティング、又は2つ又はそれ以上のこのようなコーティングからなる積層物である。
耐衝撃コーティング、好ましくは、耐衝撃プライマコーティングは、完成した光学製品の耐衝撃性を改善するために典型的に使用される何れのコーティングとすることもできる。また、このコーティングは一般に、最終製品における基板へのさらに別の層の接着、特に耐きず及び/又は耐擦傷コーティングの接着を促進する。
定義上、耐衝撃コーティングとは、完成した光学製品の耐衝撃性を、同じであるが耐衝撃コーティングを持たない光学製品と比較して改善させるコーティングである。
典型的な耐衝撃コーティングは、(メタ)アクリル系コーティング及びポリウレタン系コーティングである。
好ましいプライマ組成物には、例えば日本特願昭63−141001号及び日本特眼昭63−87223号に記載されているもののような熱可塑性ポリウレタンに基づく組成物、例えば米国特許第5,015,523号明細書に記載されているもののようなポリ(メタ)アクリルプライマ組成物、欧州特許第0404111号明細書に記載されているもののような熱硬化性ポリウレタンに基づく組成物、及び米国特許第5,316,791号明細書及び欧州特許第0680492号明細書に記載されているもののようなポリ(メタ)アクリルラテックス又はポリウレタンラテックスに基づく組成物が含まれる。
好ましいプライマ組成物は、ポリウレタンに基づく組成物及びラテックスに基づく組成物、特にポリウレタンラテックス、ポリ(メタ)アクリルラテックス及びポリエステルラテックスのほか、それらの組合せである。
ポリ(メタ)アクリルラテックスは、基本的に(メタ)アクリレート、例えばエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトコシエチル(メタ)アクリレート、又はエトキシエチル(メタ)アクリレートから作られるコポリマに基づき、典型的にそれよりも少量の少なくとも1つの他のコポリマ、例えばスチレンを含むラテックスである。
本発明における使用に好適な市販のプライマ組成物には、Witcobond(登録商標)232、Witcobond(登録商標)234、Witcobond(登録商標)240、Witcobond(登録商標)242組成物(BAXENDEN CHEMICALSが販売)、Neorez(登録商標)R−962、Neorez(登録商標)R−972、Neorez(登録商標)R−986、及びNeorez(登録商標)R−9603(ZENECA RESINSが販売)が含まれる。
耐衝撃コーティング組成物は、光学製品の表面の上に、すなわち本発明による第一のコーティング又は存在する場合は第二のコーティングの上に、スピンコーティング、ディップコーティング、又はフローコーティング等の何れかの古典的な方法を使って堆積させられ、その後、約70〜100℃の温度で乾燥又は硬化されてもよい。これは好ましくは、本発明による第一のコーティング又は存在する場合は第二のコーティングと直接接触する。
最終的な光学製品の中の耐衝撃コーティングの厚さは典型的に、0.2〜2.5μm、好ましくは0.5〜1.5μmの範囲である。
耐きず及び/又は耐擦傷コーティング(ハードコーティング)は、光学分野において耐きず及び/又は耐擦傷コーティングとして古典的に使用されている何れの層とすることもできる。
耐きず及び/又は耐擦傷コーティングは好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート又はシランに基づき、典型的に、いったん硬化されたコーティングの硬度及び/又は屈折率を増大させるために1つ又は複数の鉱物フィラを含む。本明細書において使用されるかぎり、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味するものとする。
耐きず及び/又は耐擦傷ハードコーティングは好ましくは、少なくとも1種のアルコキシシラン及び/又は、例えば塩化水素水溶液による加水分解を通じて得られるその加水分解物と、任意選択により縮合及び/又は硬化触媒及び/又は表面活性剤から調製される。
本発明において推奨される硬質耐きず及び/又は耐擦傷コーティングには、シラン加水分解物に基づく組成物(ゾル−ゲルプロセス)、特に欧州特許第0614957号明細書、米国特許第4,211,823号明細書、及び米国特許第5,015,523号明細書に記載されているもののようなエポキシシラン加水分解物に基づく組成物から得られるコーティングが含まれる。
適切に使用されるべき縮合及び/又は硬化触媒の多くの例は、“Chemistry and Technology of the Epoxy Resins”,B.Ellis(Ed.)Chapman Hall,New York,1993及び“Epoxy Resins Chemistry and Technology”2d edition,C.A.May(Ed.),Marcel Dekker,New York,1988に示されている。
好ましい耐きず及び/又は耐擦傷コーティング組成物は、本願の出願人の名義による欧州特許第0614957号明細書において開示されているものであり、これは本願の例で使用される。
耐きず及び/又は耐擦傷コーティング組成物は、光学製品の表面の上、すなわち耐衝撃コーティングの上に、スピンコーティング、ディップコーティング、又はフローコーティング等の何れかの古典的な方法を使って堆積させられてもよい。その後、これは適当な方法で硬化される(好ましくは、熱又はUV処理を使用する)。これは好ましくは、耐衝撃コーティングと直接接触する。
耐きず及び/又は耐擦傷コーティングの厚さは、典型的には2〜10μmn、好ましくは3〜5μmの範囲である。
本発明の中で使用されてもよい耐衝撃(プライマ)コーティング及び耐きず及び/又は耐擦傷コーティングに関してさらに詳しくは、国際特許出願第2009/004222号パンフレットにおいて見ることができる。
耐きず及び/又は耐擦傷コーティングは一般に、反射防止コーティングで被覆され、両方のコーティングは好ましくは、直接接触している。
本発明の中で使用されてもよい反射防止コーティングは、光学分野、特に眼科用光学系で伝統的に使用されている何れの反射防止コーティングとすることもできる。反射防止コーティングとは、光学製品の表面の上に堆積させられ、最終的な光学製品の反射防止特性を改善するコーティングと定義される。それによって、可視スペクトルの比較的大きい部分にわたる製品/空気界面における光の反射を減少させることができる。
これもまたよく知られているように、反射防止コーティングは伝統的に、誘電及び/又はゾル−ゲル材料からなる単層又は多層積層体を含む。これらは好ましくは多層コーティングであり、高い屈折率(HI)を有する少なくとも1つ又は2つの層と、低い屈折率(LI)を有する少なくとも1つ又は2つの層を含み、層の総数は典型的に4〜8である。反射防止コーティングの外層は好ましくはLI層であり、より好ましくはシリカ系の層である。
本願において、反射防止コーティングの層が高い屈折率を有する層であると言われるのは、その屈折率が1.55より高い、好ましくは1.6以上、より好ましくは1.8以上の場合である。反射防止コーティングの層が低い屈折率を有する層であると言われるのは、その屈折率が1.55以下、好ましくは1.50以下の場合である。特に別段のことわりがない限り、本発明の中で言及される屈折率は、25℃、波長550nmで表現される。
HI及びLI層は、当業界でよく知られている伝統的な層であり、一般に1つ又は複数の金属酸化物を含み、これは、これらに限定されないが、国際特許出願第2011/080472号パンフレットにおいて開示されている材料、例えばZrO、TiO、SiO、及びAl等から選択されてもよい。
好ましくは、反射防止コーティングの全体の厚さは1マイクロメートル未満、より好ましくは800nm以下、及びさらにより好ましくは500nmn以下である。反射防止コーティングの全体の厚さは一般に100nmより厚く、より好ましくは150nmより厚い。
反射防止コーティングの各種の層は好ましくは、国際特許出願第2008107325号パンフレットにおいて開示されている方法、例えばスピンコーティング、ディップコーティング、スプレイコーティング、蒸着、スパッタリング、化学気相成長法、及びラミネーションのうちの何れか1つによって堆積させられる。特に推奨される方法は、真空蒸着である。
反射防止コーティングの構造と調製は、国際特許出願第2010/109154号パンフレットにより詳しく説明されている。
Rvとされる「平均光反射率」は、ISO 13666:1998標準により定義され、ISO 8980−4標準に従って測定された(17[度]未満の、典型的には15[度]の入射角に関する)ものであり、すなわち、これは380〜780nmの間の可視スペクトル全体にわたるスペクトル反射の加重平均である。
本発明により使用可能な反射防止コーティングのRvは好ましくは、光学製品の各表面につき2.5%未満であり、好ましくは1.5%未満、よりよくは1%未満、及び最適には0.6%以下である。
いくつかの態様において、本発明は、反射防止コーティングの前に堆積させられた下層をさらに含む光学製品を提供し、前記下層の屈折率は好ましくは1.55以下である。下層の厚さは一般に、0.5マイクロメートル未満かつ100nmより厚く、好ましくは150nmより厚く、より好ましくは下層の厚さは150nm〜450nmの範囲である。他の実施形態において、下層は、酸化シリコン、よりよくはシリカを含み、より好ましくはそれからなる。使用可能な下層(単層又は多層)の例は、国際特許出願第2012/076174号パンフレットに記載されている。
いくつかの実施形態において、本発明の反射防止コーティングは、少なくとも1つの導電層を含む。特定の実施形態において、この少なくとも1つの導電層の屈折率は1.55より大きい。少なくとも1つの導電層は、帯電防止剤としての役割を果たす。理論に拘束されることなく、少なくとも1つの導電層は、多層反射防止コーティングの積層物が静電荷を発生させ、保持するのを防止する。導電層は好ましくは、導電性の、透明度の高い材料から製作される。この場合、その厚さは好ましくは1〜15nm、より好ましくは1〜10nmの間で異なる。好ましくは、導電層は、任意選択によりトープされた金属酸化物を含み、酸化インジウム、錫、亜鉛及びこれらの混合物から選択される。錫−酸化インジウム(In:Sn、錫ドープ酸化インジウム)、アルミニウムドーブ酸化亜鉛(ZnO:Al)、酸化インジウム(In)、及び酸化錫(SnO)が好ましい。最も好ましい実施形態において、導電性で、任意選択により透明な層は、錫−酸化インジウム層又は酸化錫層である。
帯電防止層の構成と位置に関してさらに詳しくは、国際特許出願第2012/076714号パンフレット及び国際特許出願第2010/109154号パンフレットにおいて見ることができる。
好ましい実施形態において、本発明の光学製品は、青色領域の反射を低減させることに加えて、UVA及びUVB放射範囲の反射を軽減させて、UV及び有害なブルーライトに対する最善の健康保護を可能にするように構成される。
装用者の背後にある光源から発せられるUV光は、レンズに紫外線領域において効率の良い反射防止コーティングが設けられていない場合、レンズの後面で反射されて装用者の眼に到達するかもしれず、それゆえ、装用者の健康に影響を与える可能性がある。この点において、光学製品は好ましくは、その主後面の上に、及び任意選択によりその主前面の上に、可視領域において非常に良好な反射防止性能を発揮し、それと同時に、UV光の反射、特に紫外線A波及び紫外線B波を露出した基板又は従来の反射防止コーティングを含む基板と比較して大幅に低減させることのできるUV防止・反射防止コーティングを含む。好適なUV防止・反射防止コーティングは、国際特許出願第2012/076714号パンフレットにおいて開示されており、その内容を参照によって本願に援用する。
本発明による光学製品の可視スペクトルにおける相対光透過率Tvは好ましくは、85又は87%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上、よりよくは95%以上である。前記Tv率は好ましくは、87%〜98.5%、より好ましくは88%〜97%、さらによりよくは90%〜96%の範囲である。Tv率は、系の「視感透過率」とも呼ばれ、標準NF EN 1836において定義されるとおりであり、380〜780nmの波長範囲における、範囲内の各波長における眼の感度に応じて重み付けされ、D65照明条件(昼光)下で測定される平均に関する。
本発明による光学製品の色特性は、そのカラーバランスがとれていることから改善されており、これは黄色度指数Yiで定量化できる。本発明の光学製品の白色度は、C光源、2°視野で、標準ASTM E313に記載されているようなCIE 3刺激値X、Y、Zに基づいて、比色測定法により定量化されてもよい。本発明による光学製品の黄色度指数Yiは好ましくは低く、すなわち、上述の標準に従って測定した場合に10未満、より好ましくは5未満である。黄色度指数Yiは、ASTMの方法E313により、Yi=(127.69X−105.92Z))/Yの関係を通じて計算され、式中、X、Y、及びZはCIE 3刺激値である。
本発明による光学製品はまた、反射防止コーティングの上に形成され、その表面特性を改質できるコーティング、例えば疎水性及び/又は撥油性コーティング(汚損防止トップコート)又は曇り防止コーティングもしくは曇り防止コーティングの前駆体等も含んでいてよい。これらのコーティングは好ましくは、反射防止コーティングの外層の上に堆積させられる。原則として、その厚さは10nm以下であり、好ましくは1〜10nm、より好ましくは1〜5nmの範囲である。疎水性コーティングは一般に、フルオロシラン又はフルオロシラザン型のコーティングである。これらは、好ましくは分子あたり少なくとも2種の加水分解性族を含むフルオロシラン又はフルオロシラザン前駆体を堆積させることによって得られてもよい。フルオロシラン前駆体は好ましくは、フルオロポリエーテル部分及び、より好ましくはパーフルオロポリエーテル部分を含む。
Optool DSX(商標)、KY130(商標)、OF210(商標)、Aulon(商標)は、疎水性及び/又は撥油性コーティングの例である。これらのコーティングに関するより詳しい情報は、国際特許出願第2012076714号パンフレットにおいて開示されている。
本願で使用可能な各種のコーティング、例えば第一のコーティング、第二のコーティング、耐衝撃コーティング、及び耐きず及び/又は耐擦傷コーティングは好ましくは、相互に直接積み重ねられる。これらのコーティングは、1つ1つ堆積させることができ、又は1つ又は複数のコーティングの堆積物を基板の上に、例えばラミネーションによって形成することができる。
以下の実施例は、より詳しく、ただし非限定的な方法で本発明を例示する。特に別段のことわりがないかぎり、本願において開示されるすべての厚さは物理的厚さに関する。
実施例の中で使用される光学製品は、ESSILORのORMA(登録商標)レンズ基板を含み、その直径は65mm、屈折率は1.50、度数は−2.00ディオプトリ、及び厚さは1.2mmである。
レンズ基板を、前面においてコロナ放電により処理し、石鹸水、純水で洗浄し、空気乾燥させ、主前面を本発明による第一のコーティングでスピンコーティングにより被覆した。被覆されたレンズを125℃で1時間かけて熱硬化させ、上述のものと同じコロナ処理/洗浄手順を施し、その後、本発明による第二のコーティングでスピンコーティングにより被覆した。結果として得られたレンズを、UVAバンドの5.5 J/cmのエネルギーに曝露させて硬化させ、対流炉内において105℃で3時間のポストキュアを行った。第一のコーティングの厚さは12μm、第二のコーティングの厚さは8μmであった。
例の各々で使用された第一のコーティングのためのコーティング組成を表1に示す。前記組成は、溶剤(N−メチルピロリドン、NMP)、光学フィルタリング手段(Exciton Inc.から入手可能な黄色染料であるABS−420(登録商標)、ABS−425(登録商標)、又はABS−430(登録商標)及びH.W.Sands Corp.から市販されている黄色染料であるSDA−4820(登録商標)、Irganox 245(登録商標)(BASFから入手可能な酸化防止剤)、Tinuvin 144(登録商標)(BASFから入手可能なヒンダードアミン光安定剤)、Trixene BI7960(登録商標)(Baxenden Chemicals Ltd.から入手可能なジメチルピラゾールブロックヘキサンジイソシアネートビウレット)、Duranol T5652(登録商標)(旭化成化学から入手可能なポリカーボネートポリオール)、PPG Industriesから入手可能なポリ(メタ)アクリルポリオール)、Silquest A−187(登録商標)(Momentiveから入手可能な硬化/架橋剤である3−グリシドキシ−プロピルトリメトキシシラン、)、BYK−333(登録商標)(Byk−Gardner GmbHから入手可能な表面活性剤)、及び、King Industriesから入手可能なブロックイソシアネートのために設計された金属触媒)を含む。実施例5及び比較例7の第一のコーティングの組成は、2種のカラーバランシング手段、Tricon Colors Inc.から入手可能なD&C Violet #2(登録商標)とKeystone Aniline Corporationから入手可能なMorplas(登録商標)Blueをさらに含む。
実施例で使用される第二のコーティングのためのコーティング組成は、ヒドロキシエチルメタクリレート(Aldrichから入手可能)を4.9710重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレートを10.3309重量部、ネオペンチルグリコールジアクリレートを54.8726重量部、Irgacure 819(登録商標)(BASFから入手可能な光重合開始剤)を0.2506重量部、Lucirin TPO(登録商標)(BASFから入手可能な光重合開始剤、ジフェニル[2,4,6−トリメチルベンゾイル]ホスファイトオキサイド)を0.2506重量部、レオロジ改質剤(PPG Industriesから入手可能なポリマ樹脂)を0.4976重量部、Desmodur PL−340(登録商標)(Bayerから入手可能なイソフォロンジイソシアネートに基づくブロック脂肪酸ポリイソシアネート)を20.0768重量部、エタノール(Acros Organisから入手可能)を2.9232重量部、及びSim 6500(登録商標)(Gelest,Inc.から入手可能な硬化/架橋剤、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン)を5.8268重量部含む。
光学及び機械的性能
レンズの後(凹)面を検出器と対向させ、光がレンズの前面に入るようにして、可視スペクトル内の光透過率Tvを、HunterのCary 4000分光光度計を使って装用者の視角から透過モードで測定した。前述のように吸光度の値において透過率の値を変換することにより、吸光度を計算した。
レンズの前(凸)面を検出器と対向させ、光が前記前面に入るようにして、上述の分光光度計を使用し、白い背景で、標準ASTM E 313−05に記載されているようなCIE 3刺激値X、Y、Zにより、反射測定を通じて前述のように黄色度指数Yiを計算した。このような観察者の視角からのYiの測定方法は、実際の装用状況に最も近い。
TvはD65照明条件(昼光)下で測定された。
光障害関数B(λ)により重み付けした400nm〜450nmの平均ブルーライト保護係数BVCを、透過スぺクトルに基づいて計算した。これは、以下の関係を通じて定義される:
ただし、T(λ)は、0〜17°、好ましくは0°の入射角で測定された、ある波長でのレンズ透過率を表し、B(λ)は図1に示される光障害関数(相対スペクトル関数効率)を表す。前記光障害関数は、Paris Vision InstituteとEssilor Internationalとの間の研究から得られた。
計算は、以下の係数を使って行われる。
計算の増分は5nmである。レンズ特性は上の表1にまとめられている。

Claims (17)

  1. 400〜500nmの範囲の波長を有する光の透過を選択的に、少なくとも部分的に遮蔽する少なくとも1種の光吸収染料Aを含む光学製品において、染料Aの吸収ピークは400nm〜460nmの範囲内にあり、前記光学製品の吸収スペクトルは、400〜435nmの範囲における吸収への寄与が435〜460nmの範囲におけるより高いものである光学製品。
  2. 前記光学製品の前記吸収スペクトルは、435〜460nmの曲線下面積と400〜435nmの曲線下面積の比R1が0.7未満である、というものである、請求項1に記載の光学製品。
  3. 前記光学製品の前記吸収スペクトルは、435〜460nmの曲線下面積と400〜435nmの曲線下面積の比R1が0.6未満である、というものである、請求項1に記載の光学製品。
  4. 染料Aの吸収ピークは400nm〜428nmの範囲内、好ましくは415nm〜428nmの範囲内にある、請求項1〜3の何れか1項に記載の光学製品。
  5. 染料Aの吸収ピークは400nm〜460nmの範囲内にあり、40nm以下の半値全幅を示す、請求項1〜4の何れか1項に記載の光学製品。
  6. その吸収ピークが500nm以上の波長にある少なくとも1種のカラーバランシング染料Bを含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の光学製品。
  7. 前記カラーバランシング染料Bはアントラキノンである、請求項1〜6の何れか1項に記載の光学製品。
  8. 染料Aの比吸収率は塩化メチルにおいて2000L.g−1.cm−1より高い、請求項1〜7の何れか1項に記載の光学製品。
  9. 染料Aの吸収ピークは500nm以上の波長にある、請求項1〜8の何れか1項に記載の光学製品。
  10. 400〜500nmの範囲の波長を有する光の透過を少なくとも部分的に遮蔽する、染料Aとは異なる少なくとも1種の光学フィルタリング手段をさらに含む、請求項1〜9の何れか1項に記載の光学製品。
  11. 前記光学フィルタリング手段は干渉型フィルタ、好ましくは反射防止コーティングである、請求項10に記載の光学製品。
  12. 主前面と主後面を有する基板を含み、前記後面での280nm〜380nmの、ISO 13666:1998標準において定義される関数W(λ)により重み付けされた平均反射率RUVは、入射角30°及び入射角45°の両方について5%未満である、請求項1〜11の何れか1項に記載の光学製品。
  13. その吸収スペクトルは、460〜700nmの曲線下面積と400〜460nmの曲線下面積との比R2が3以下、好ましくは2.5以下である、というものである、請求項1〜12の何れか1項に記載の光学製品。
  14. 400nm〜450nmの、図1に示された、以下の関係を通じて定義される関数B(λ)により重み付けされた平均ブルーライト保護係数BVC:
    は15〜50%、好ましくは15〜25%の範囲である、請求項1〜13に記載の光学製品。
  15. 少なくとも1種の調光染料C及び/又はフリーラジカルスカベンジャをさらに含む、請求項1〜14の何れか1項に記載の光学製品。
  16. その可視スペクトルにおける相対光透過率Tvは80%以上、好ましくは89%以上であり、そのBVC/Yiの比は2より高い、好ましくは3より高く、Yiは前記光学製品の黄色度指数であり、BVCは400nm〜450nmの、図1に示された、以下の関係を通じて定義される関数B(λ)により重み付けされた平均ブルーライト保護係数である:
    請求項1〜15の何れか1項に記載の光学製品。
  17. 眼科用レンズであるとさらに定義される、請求項1〜16の何れか1項に記載の光学製品。
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