JP2013109257A - 防眩・高コントラスト性樹脂製レンズ - Google Patents

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【課題】テトラアザポルフィリン化合物を必須成分として用いた所定波長域で所定透過率の樹脂製レンズである場合に、所要の防眩性を得ると共にコントラストの低下を防止し、透過光線量の全量が少なく暗い環境で使用しても視認性が低下しない防眩・高コントラスト性樹脂製レンズとすることである。
【解決手段】テトラアザポルフィリン化合物を含む有機系色素混合物を含有する樹脂製レンズからなり、前記有機系色素混合物は、クロロホルムまたはトルエン溶液で測定された可視光吸収分光スペクトルにおいて、吸収幅が波長560〜610nmの範囲であり、かつこの範囲に吸収主吸収ピークを有し、前記主吸収ピークの頂点の吸光係数が5×10(ml/g・cm)未満であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/4の吸光度におけるピーク幅が50nmを超え150nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/2の吸光度におけるピーク幅が30nmを超え70nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の2/3の吸光度におけるピーク幅が20nmを超え50nm以下に調製された有機系色素混合物である防眩・高コントラスト性樹脂製レンズとする。
【選択図】なし

Description

この発明は、所定波長域に光吸収性を有すると共に高コントラスト性を有する眼鏡または偏光眼鏡などに用いられる防眩・高コントラスト性樹脂製レンズに関する。
一般に、眼鏡用プラスチックレンズに有機系色素を配合することにより、防眩性や視認性の良い機能を付与できることが知られている。
例えば、眩しさを感じやすい波長帯を選択的に遮光することにより、眩しさに関係する不快感、視覚疲労などを軽減することを目的にして波長585nm付近の可視光を遮光するプラスチック眼鏡レンズとして、可視光吸収分光スペクトルにおいて565nm〜605nmの間に主吸収ピークを有するように、テトラアザポルフィリン化合物などの所定吸収スペクトル特性の有機系色素を配合し、ネオジム化合物と同様な吸収ピークを持たせたものが知られている(特許文献1)。
また、有機系色素としてスクアリリウム化合物を用いて、標準比視感度曲線の中心波長近傍に極大吸収値を有する有機色素と共に紫外線吸収剤および青色光吸収剤を含有し、550〜585nmの波長範囲に透過率曲線の極小値を有し、この極小値での透過率が25%以下、590〜660nmの波長範囲における平均透過率が15%以上、かつ、470〜550nmの波長範囲における平均透過率が10%以上である合成樹脂基材からなる眼鏡用レンズが知られている(特許文献2)。
特開2008−134618号公報(請求項1、4) 特開2003−107412号公報
しかし、特許文献1に用いられた有機系色素は、クロロホルムまたはトルエン溶液で測定された可視光吸収分光スペクトルにおいて、波長565〜605nmの間に主吸収ピークを有し、前記主吸収ピークの頂点の吸光係数が5×10(ml/g・cm)以上であることは、本願の発明と同様であるが、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/4の吸光度におけるピーク幅が50nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/2の吸光度におけるピーク幅が30nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の2/3の吸光度におけるピーク幅が20nm以下であるように、主吸収ピークの幅がシャープ(鋭角状)である。
このような従来の有機系色素を用いた樹脂製レンズでは、最大吸収波長での透過率を低くすることにより波長585nm付近の可視光を吸収して所望の防眩性を得ているが、それに伴ってコントラストが低くなり、またこのような樹脂製レンズを用いた眼鏡を使用すると、波長580〜585nm近傍付近の可視光を吸収しすぎるため、例えばトンネル内などの照明に使用される波長589nmのナトリウムランプでの照明下で視認性が損なわれてしまう。
このように、コントラストを高く保ち、かつ最大吸収波長での透過率を眼鏡レンズの透過率の20%以上にすることは容易なことではない。
また、特許文献2に記載された眼鏡レンズの透過率の抑制の仕方では、スクアリリウム化合物の主吸収ピークより低波長側(例えば450〜550nm)の可視光透過率が低いという特性を補うものに過ぎず、テトラアザポルフィリン化合物などの所定吸収スペクトル特性の有機系色素を配合した場合において同様な効果を得る調整はできなかった。
そこで、この発明の課題は、上記した従来技術における問題点を解決し、テトラアザポルフィリン化合物を必須成分として用いた樹脂製レンズである場合に、所要の防眩性を得ると共にコントラストの低下を防止し、しかも透過光線量の全量が少なく暗い環境で使用しても視認性が低下しないような高いコントラストが得られる防眩・高コントラスト性樹脂製レンズとすることである。
上記の課題を解決するために、この発明では、テトラアザポルフィリン化合物を含む有機系色素混合物を含有する樹脂製レンズからなり、前記有機系色素混合物は、クロロホルムまたはトルエン溶液で測定された可視光吸収分光スペクトルにおいて、吸収幅が波長560〜610nmの範囲であり、かつこの範囲に吸収主吸収ピークを有し、前記主吸収ピークの頂点の吸光係数が5×10(ml/g・cm)未満であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/4の吸光度におけるピーク幅が50nmを超え150nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/2の吸光度におけるピーク幅が30nmを超え70nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の2/3の吸光度におけるピーク幅が20nmを超え50nm以下に調製された有機系色素混合物である防眩・高コントラスト性樹脂製レンズとしたのである。
上記したように構成されるこの発明の防眩・高コントラスト性樹脂製レンズでは、テトラアザポルフィリン化合物を必須成分として用いた樹脂製レンズにおいて、主吸収ピークのピーク頂点の吸光係数を所定値未満とし、かつ低波長側および高波長側の所定波長範囲まで太陽光線の吸収波長の幅を広げたので、主吸収ピークおよびその周辺の波長域までの透過率が高まる。
このように樹脂製レンズに含まれる有機系色素混合物の所定特性の可視光吸収分光スペクトルによって、太陽光線の眩しさの主な原因となる波長(標準比視感度曲線の中心波長)近傍の光の透過率を抑えられるが、この波長の低波長側および高波長側の所定波長範囲では透過率を低下させているので、透過光線量の全量が少なくなって暗い環境でも前記所定波長範囲の透過光量があまり低下せず、視認性が低下しないような高いコントラストが得られる。
このような作用効果は、樹脂製レンズが、ポリウレタン樹脂またはアリルジグリコールカーボネート樹脂で形成された樹脂製レンズである場合にも奏されることは勿論である。
また、このような作用効果は、上記樹脂製レンズが、偏光フィルム層を有する偏光レンズである上記の防眩・高コントラスト性樹脂製レンズである場合にもそれ以外の通常の樹脂製レンズ(いわゆるサングラス等も含む)の場合と同様に得られる。
この発明は、テトラアザポルフィリン化合物を必須成分として用いた樹脂製レンズにおいて、主吸収ピークのピーク頂点の吸光係数を所定値未満とし、かつ低波長側および高波長側の所定波長範囲まで太陽光線の吸収波長の幅を広げたので、所要の防眩性を得ると共にコントラストの低下を防止し、透過光線量の全量が少なく暗い環境で使用しても視認性が低下しないような高いコントラストが得られる防眩・高コントラスト性樹脂製レンズとなる利点がある。
また、上記樹脂製レンズが、ポリウレタン樹脂、アリルジグリコールカーボネート樹脂で形成された樹脂製レンズである場合や、上記樹脂製レンズが、偏光フィルム層を有する偏光レンズである場合にも上記同様の効果が奏される。
実施例1〜3の可視光吸収分光スペクトルを示し、波長と透過率の関係を示す図表
この発明の防眩・高コントラスト性樹脂製レンズは、テトラアザポルフィリン化合物を含む有機系色素混合物を含有する樹脂製レンズからなり、前記有機系色素混合物は、クロロホルムまたはトルエン溶液で測定された可視光吸収分光スペクトルにおいて、吸収幅が波長560〜610nmの範囲であり、かつこの範囲に吸収主吸収ピークを有し、前記主吸収ピークの頂点の吸光係数が5×10(ml/g・cm)未満であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/4の吸光度におけるピーク幅が50nmを超え150nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/2の吸光度におけるピーク幅が30nmを超え70nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の2/3の吸光度におけるピーク幅が20nmを超え50nm以下に調製された有機系色素混合物である防眩・高コントラスト性樹脂製レンズである。
この発明に用いる樹脂製レンズは、その樹脂の種類を特に限定したものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂の他にもアリルジグリコールカーボネート樹脂(CR−39樹脂、またはADC樹脂とも称される。)、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、原料モノマーに対し触媒、硬化剤および必要に応じて離型剤、樹脂改質剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤などを配合した原料組成物を調製し、脱気混合した後、ガラス型や金属型であるモールド内に注入した後、重合硬化することにより成形されたレンズ素材となり、この重合硬化には通常、加熱処理がなされる。
ポリウレタン樹脂材料は、例えばポリイソシアネートおよびポリヒドロキシ化合物をこれらの反応モル比(NCO/OH)が2.5〜4.0となるように配合して得られたNCO含量7.0〜14.0%のポリウレタンプレポリマーと芳香族ポリアミンとを反応モル比(NCO/NH2)が1.10〜0.90となるように配合したポリウレタン樹脂組成物を調製することが好ましい。
このような樹脂素材に配合される有機系色素混合物には、テトラアザポルフィリン化合物が必須成分として含まれる。
この発明に用いる有機系色素のうち、必須成分のテトラアザポルフィリン化合物は、例えば下記の化1、化2の式で示されるような周知な有機系色素であり、化2の式で示されるものの市販品として、三井化学社製:PD−311Sがある。また、山田化学工業社製:TAP−2、TAP−9などを採用することもできる。
Figure 2013109257
[化1中、A1〜A8は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数7〜20のジアルキルアミノ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ヘテロアリール基、炭素数6〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基を表し、連結基を介して芳香族環を除く環を形成しても良く、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、2価の1置換金属原子、4価の2置換金属原子、又はオキシ金属原子を表す。]
Figure 2013109257
[化2中、Cuは2価の銅を、t−Cはターシャリーブチル基を表し、その4個の置換基の置換位置は化1におけるそれぞれA1とA2、A3とA4、A5とA6及びA7とA8のいずれかひとつの位置に置換されていている位置異性体構造を表す。]
上記のテトラアザポルフィリン化合物の市販品の主吸収波長[nm]、主吸収ピークの頂点の吸光係数(Pmax)[ml/g・cm]、主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/4の吸光度におけるピーク幅(1/4Pmax)[nm]、主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/2の吸光度におけるピーク幅(1/2Pmax)[nm]、主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の2/3の吸光度におけるピーク幅(2/3Pmax)[nm]を以下の表1中に示した。
Figure 2013109257
なお、前述のようなテトラアザポルフィリン化合物を樹脂に配合するに当たり、レンズ材料であるモノマーを重合し硬化するときに、テトラアザポルフィリン化合物が分解または変性しないようにするため、所定の重合開始剤として、10時間半減期温度が90〜110℃のパーオキシエステル系過酸化物またはパーオキシケタール系過酸化物を配合することが好ましい。
このようなパーオキシエステル系過酸化物の具体例としては、t-ヘキシル パーオキシベンゾエート、t-ブチル パーオキシベンゾエート、t-へキシル パーオキシイソプロピルモノカーボネートまたはt-ブチル パーオキシアセテートが挙げられる。また、同様にパーオキシケタール系過酸化物は、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサンが挙げられる。
このような重合開始剤によって、色素としてテトラアザポルフィリン化合物を含むアリルジグリコールカーボネート樹脂製レンズなどであっても、テトラアザポルフィリン化合物が分解または変性せず、有機系色素としての特性がより確実に発揮されて波長560nm〜610nmに可視光分光透過率の主吸収ピークを有する樹脂製レンズになる。
また、この発明に用いる有機系色素は、上記したテトラアザポルフィリン化合物以外にも、必要に応じて他の周知な有機色素を併用することができる。
例えば、色調調整はサングラス用途では重要なポイントであるので、ハイコントラスト効果を維持しつつカラフルな色調を出すには使用するハイコントラスト色素の使い分けをする。580nm付近の波長を吸収する色調は赤紫、紫、青色の系統の色である。赤紫色の色素は585nm波長を吸収するが、色調調整の為にはブラウン、コパー、ローズなどの赤みがある色調に限定される。青色の色素は595nm波長を吸収するので、添加する前の色調は黄みを強くして青みを消して色調を調整する。
また、紫外線吸収性色素もしくは赤外線吸収性色素または両色素などを併用して添加可能である。
そして、眼鏡用レンズをブラウン系の色調にするには、黄色染料、橙色染料、赤色染料等やこれらの混合物を使用する。レンズに着色せず、着色層を別途設けてレンズに張り合わせてもよく、レンズ成形後に染色することもできる。
樹脂製レンズが、眼鏡用であり、かつ偏光フィルム層を有する偏光レンズである場合には、偏光フィルムは、周知製法に従って得られる。例えばポリビニルアルコール製フィルムにヨウ素もしくはヨウ素化合物または染料を含浸等によって含ませ、一軸延伸したものを採用することが好ましい。
偏光眼鏡用レンズは、例えばレンズ材料のジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどの重合反応を伴うインサート成形により偏光フィルムの両側に例えば1〜2mmの間隙を開けて配置した偏光フィルムに接する間隙を上記のレンズ材料で埋め、偏光フィルムを眼鏡用レンズ基材と一体化させてレンズ素材を製造し、レンズ度数の必要に応じて研削や研磨を経て製品化することができる。その他にも、偏光眼鏡用レンズは、予め成形しておいた2枚のレンズ基材の間に偏光フィルムをラミネートする周知の手法などを適宜に採用することができるのは勿論である。
この発明の防眩・高コントラスト性樹脂製レンズは、580nm付近の波長を吸収する性能を有しているので、赤色色弱の人に医療用眼鏡としても利用でき、釣り用の浮きが赤系統の色が鮮明に見えるし、運転の際に赤信号識別効果も高く、トンネル内でのナトリウムランプの照明にも順応でき、一方有害な紫外線青色光、必要に応じて赤外線を阻止する事が出来る広範な用途に使える実用的な眼鏡用レンズになる。
[実施例1〜3]
先ず、テトラアザポルフィリン化合物を含む有機系色素混合物を以下のように調製した。
[有機系色素混合物の調製]
表2に示す配合割合(質量比)にて、表1に示したテトラアザポルフィリン化合物を含む有機系色素混合物を調製した。
得られた色素混合物は、トルエン溶液に溶解して分光透過率を日立製作所社製:U−2000スペクトロフォトメーターで測定したところ、主吸収波長の吸収幅が波長560〜610nmの範囲であり、かつこの範囲に吸収主吸収ピークを有し、前記主吸収ピークの頂点の吸光係数(Pmax)が5×10(ml/g・cm)未満であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/4の吸光度におけるピーク幅(1/4Pmax)が50nmを超え150nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/2の吸光度におけるピーク幅(1/2Pmax)が30nmを超え70nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の2/3の吸光度におけるピーク幅(2/3Pmax)が20nmを超え50nm以下に調製されており、この結果を表2中に示した。
Figure 2013109257
[ポリウレタンプレポリマーの製造]
セパラブルフラスコに、平均分子量1014のポリオキシテトラメチレングリコール(保土谷化学工業製:PTG−1000N)200部をとり、窒素気流中で攪拌しながら加熱し、100〜110℃/3〜5mmHgの減圧下で1時間脱水した後、4,4´−メチレン−ビス(シクロへキシルイソシアネート)(住友バイエルウレタン製:デスモジュールW)170部を添加し、120〜130℃で2時間反応してプレポリマーを製造した。
得られたプレポリマーの100重量部を70℃に加熱してから、120℃で溶融した4,4´−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)31.4重量部と混合脱泡した。この混合物を100℃で予備加熱し、前記した色素混合物例を混合したものをレンズ材料組成物とした。
ここで、プレポリマー100質量部に対して、色素混合物例2を0.007質量部配合したレンズ材料組成物または後述のように製造した偏光レンズを実施例1(図中の7G1)と記し、プレポリマー100質量部に対して、色素混合物例1を0.008質量部配合したレンズ材料組成物または後述のように製造した偏光レンズを実施例2(図中の10G1)と記し、プレポリマー100質量部に対して、色素混合物例2を0.003質量部、色素混合物例1を0.003質量部配合したレンズ材料組成物または後述のように製造した偏光レンズを実施例3(図中の12G1)と記した。
また、別途、偏光フィルムを以下のように製造した。
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム(通称ビニロンフィルム)を4倍に一軸延伸した後、ヨウ素0.1重量%を含む水溶液(染料液)に浸漬し、その後にホウ酸3重量%を含有する水溶液に浸漬し、液切りした後、70℃で5分間加熱処理して複数枚の偏光フィルム(厚さ30μm)を製造した。
得られた偏光フィルムを球面ガラスに当てて球面に成形し、その両面にウレタン系接着剤(東洋ポリマー社製:ポリオネート1000)を塗布し乾燥した。
これをガスケットの中央にセットして両サイドにガラスモールドを配置し、偏光フィルムとガラスモールドの間に前記したレンズ材料組成物の混合攪拌したものを注入し、これらを常温から緩やかに昇温し、硬化(キュア)温度を100℃として保持すると共に、緩やかに降温し、全工程48時間をかけて加熱および降温した後、脱型し実施例1〜3の眼鏡用偏光レンズを得た。
得られた眼鏡用偏光レンズについて、分光透過率を日立製作所社製:U−2000スペクトロフォトメーターで測定し、波長と透過率の関係を図1に示した。
[パネラーによる高コントラスト性の確認試験]
実施例1(図中の7G1)、実施例2(図中の10G1)、実施例3(図中の12G1)の防眩・高コントラスト性樹脂製偏光レンズを装着した眼鏡を、成人男女20人のパネラーに使用させ、夏季日中を想定した照度で防眩性を予め確認した後、夕刻の薄暮を想定した所定照度で同一のサンプル画像を見た場合のコントラスト(明るい部分と暗い部分の明度の差)を官能評価した。
この評価は、テトラアザポルフィリン化合物を含む有機系色素混合物を使用せず、主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/4の吸光度におけるピーク幅が50nm以下、主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/2の吸光度におけるピーク幅が30nm以下、主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の2/3の吸光度におけるピーク幅が20nm以下であり、主吸収ピークの幅がシャープ(鋭角状)な通常の樹脂製偏光レンズを装着した眼鏡による評価を1(低)とし、これを基準にしてそれ以上の評価を順に2(やや低)、3(中)、4(やや高)、5(高)との5段階評価とし、この結果を表3中に示した。
Figure 2013109257
表3の結果からも明らかなように、実施例3、実施例1、実施例2の順に前者ほど高い評価が得られ、いずれもテトラアザポルフィリン化合物を必須成分として用いた所定波長域で所定透過率の樹脂製レンズであって、所要の防眩性があり、しかも透過光線量が少なく薄暗い環境でも視認性が低下しない防眩・高コントラスト性樹脂製レンズであることが確認できた。

Claims (3)

  1. テトラアザポルフィリン化合物を含む有機系色素混合物を含有する樹脂製レンズからなり、前記有機系色素混合物は、クロロホルムまたはトルエン溶液で測定された可視光吸収分光スペクトルにおいて、吸収幅が波長560〜610nmの範囲であり、かつこの範囲に吸収主吸収ピークを有し、前記主吸収ピークの頂点の吸光係数が5×10(ml/g・cm)未満であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/4の吸光度におけるピーク幅が50nmを超え150nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の1/2の吸光度におけるピーク幅が30nmを超え70nm以下であり、前記主吸収ピークのピーク頂点の吸光度の2/3の吸光度におけるピーク幅が20nmを超え50nm以下に調製された有機系色素混合物である防眩・高コントラスト性樹脂製レンズ。
  2. 上記樹脂製レンズが、ポリウレタン樹脂またはアリルジグリコールカーボネート樹脂で形成された樹脂製レンズである請求項1に記載の防眩・高コントラスト性樹脂製レンズ。
  3. 上記樹脂製レンズが、偏光フィルム層を有する偏光レンズである請求項1または2に記載の防眩・高コントラスト性樹脂製レンズ。
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