JP5985167B2 - 防眩光学要素 - Google Patents

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Description

本発明は、防眩光学要素に関する。特に、眼鏡用プラスチックレンズとして好適な発明に係る。
ここでは、プラスチックレンズを例に採り説明するが、これに限られるものではない。
即ち、本発明に係る防眩光学要素は、プラスチックレンズに限らず無機ガラスレンズ、更に、サンバイザー、スキーゴーグル、自動車や住宅用の窓ガラス、飛行機やオートバイ風防ガラス、ディスプレー用フィルターカバー、照明機器用カバー等にも適用できる。
眼鏡として使用する場合は、防眩や有害光線の遮断を目的として、ゴルフ、サイクリング、釣り、ヒッチハイク、ウォーキング、ドライブ、買い物、洗濯物干し等の屋外使用や、パソコンや携帯画面の視認時や就寝前における屋内使用に好適である。
なお、本願明細書・特許請求の範囲における各用語の意味は下記の如くである。
「透過率曲線」:分光光度計で測定した波長に対応する透過率の波形曲線、
「バレー」:透過率曲線の全体波形の要素となる相対的に大きな谷部;短波長側から第一・第二・第三バレーという、
「隣接極大波長」:バレーの左側における最初の極大に対応する波長、
「隣接極大透過率」:隣接極大波長における透過率。
人間の眼は、明順応状態の視覚(明所視)では、555nm付近(標準比視感度曲線の中心波長)(510〜600nm)の光を最も明るく感じ、暗順応状態の視覚(暗所視)では、507nm付近(472〜542nm)の光を最も明るく感じる。従って、上述した波長域の光が人間の眼には眩しく感じる。
そこで、まぶしさを防ぐためには、上述した波長の光をカットすればよい。
しかし、夏の海岸や冬のスキー場などでまぶしさを防ぐためには、一般にサングラス等の着色レンズを使用した眼鏡を着用する。かかる着色レンズでは、全波長域の光が一様にカットされてしまうので光量不足(視野が暗い)となるという問題がある。
ところで、特定波長吸収色素を用いると、人間の眼にまぶしく感じる波長域で特に強い波長域(570〜600nm)のみを選択的に吸収できる。
したがって、この特性を利用して、眼鏡レンズにいわゆる防眩性能を付与する処方が施されている。主たる処方として眩しさを与え易い波長域をできるだけ選択的に遮光することであり、実際に585nm付近の可視光を高度に波長選択的に吸収できるネオジム化合物等の希土類元素化合物を含有させると効果的な防眩性能が得られる(特許文献1段落0002から引用)。
しかし、これらの希土類金属化合物は、非常に高価な上に、透明樹脂に透明性を損なわずに混合や塗布膜にすることが上手くできない。
即ち、上記樹脂材料に特定の有機希土類金属錯体を配合させる方法には、各種の不都合な問題をかかえている。
第一には、レンズ材料によっては有機希土類金属錯体の有機部分の選択が大幅に制限されるために高価な化合物に限定されることが多い。また、例えばチオウレタンレンズ系では、通常の有機希土類金属錯体は、樹脂への溶解性や分散性あるいはレンズ樹脂との好ましくない反応性、更には環境下保存安定性などの問題点がある。
第二には、前記する585nm付近の波長域で要求される低光透過度(高光遮光性)を達成させる為には、有機希土類金属錯体の配合量が、通常5重量%程度も必要であり、高価な有機希土類金属錯体を多量に使用する不都合さだけでなく、しばしばレンズの機械的物性の低下とのバランスを余儀なくされる。(以上、特許文献1段落0005から引用)。
上記問題点を解決するために、有機系の特定波長吸収色素を含有させて、ネオジム化合物含有プラスチックと同等の防眩特性を有するプラスチック眼鏡レンズが特許文献1・2等で提案されている。
即ち、特許文献1では、可視光吸収スペクトル(分光透過率曲線)において、565〜605nm(望ましくは580〜590nm)の波長域で主吸収のバレー(極小ピーク)を有し、(請求項1・2)、また、望ましい特定波長吸収色素が下記式(1)で示されるテトラアザポルフィン化合物である(請求項4等)。
Figure 0005985167
[式(1)中、A1〜A8は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数7〜20のジアルキルアミノ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ヘテロアリール基、炭素数6〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基を表し、連結基を介して芳香族環を除く環を形成しても良く、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、2価の1置換金属原子、4価の2置換金属原子、又はオキシ金属原子を表す。]
また、特許文献2では、合成樹脂基材として、透過率曲線の550〜585nmの波長範囲に透過率曲線の極小(バレー)を有し、470〜550nmの波長範囲における平均透過率が10%以上を示すものとし、特定波長吸収色素が下記式(2)で表されるスクアリリウム化合物である(請求項1等)。
Figure 0005985167
特開2008−134618号公報 特開2003−107412号公報
しかし、昨今、目の健康上の見地から、防眩性能の向上に加え、紫・青色の青色系波長域(400〜500nm)のカットが要求されるようになってきた。
事実、晴れにおける400〜500nmの青色系波長域における強度は、他の波長域に比して格段に高い(図1参照)。図1は、出願人の従業者が、下記条件で測定し、波長に対して、晴れの日の最大値を1とした基準において相対強度(%)を表示したものである。
測定日:2010年9月22日(晴れ)、同年9月24日(曇り)
測定場所:愛知県豊橋市
測定機器:分光放射計FieldSpec3(米国ASD社製)
測定方法:北側窓から天空に向けて計測
そして、400〜500nmの青色光が目に与える影響(いわゆる青色ハザード)について、メディアで下記のような問題点が報じられている。
1.まぶしさを感じる
2.青色光網膜傷害 ⇒目にダメージ
3.覚醒効果 ⇒朝あびると目が覚める
4.睡眠物質の抑制 ⇒夜あびると眠れない
5.体内時計が遅れる ⇒眠れないため時計がずれる
6.像がぼけて見える ⇒色収差のため青色光は太陽光のほか、パソコン(PC), 携帯電話,TV, LED照明などから放射されており、とくに青色を強く放射しているディスプレーを見続けることの悪影響がある。
出典一覧:照明学会誌2010年4月号「LED照明の課題(生体安全性)」
週刊文春2010年7月1日号「青色光が心と体を蝕む」日米専門家が緊急警告」河崎貴一
前記防眩性向上は、薄板状の偏光素子と透明基材を組み合わせれば達成できる。(特許文献2段落0021、実施例4・6:共に偏光眼鏡レンズ)。
しかし、当該特許文献2の実施例4では同文献図6に示される如く、青色光吸収剤が配合されているにもかかわらず、550nmより短波長側の可視光域(400〜550nm)(以下「短波長側可視光域」)において、平均透過率が50%以上であり高い。他方の実施例6では同文献図8に示される如く、平均透過率は20%以下であるが、青色波長(450〜495nm)の略中央値(480nm)に透過率のシャープ(明りょう)な極大を有する。
但し、この実施例6に係る図8は、実施例4に係る図6と対比すると、データ自体に疑問が発生する。両者の相違は、赤外線吸収剤含有の有無だけである。赤外線吸収剤の含有により、可視光域上限(760nm)側で透過率が低下するのは理解できるが、短波長側可視光域(400〜550nm)で、そのような極端な差が発生するとは考え難い。
ちなみに、同文献における偏光素子を有しない他の実施例においては、500nm近傍の透過率が平均値30%以上を超えている(偏光素子を有する実施例4も同様)。そして、殆どが短波長側可視光域(400〜550nm)において、シャープな極大(500nm近傍)を有する(偏光素子を有する実施例6も同様)。
また、特許文献1における透過率曲線においても、短波長側可視光域(400〜550nm)においては、透過率が50%以上又は20%以上の極大透過率を有する。
したがって、特許文献1・2における眼鏡(用)レンズは、何れも、積極的に青色光を含む短波長側可視光域(400〜550nm)を紫外線とともにカット(遮断)することを予定するものではない。
更に、特許文献1・2では、550nm超の長波長側の可視光域(以下「長波長側可視光域」)に本発明におけるバレー長波長側(極小)に相当するものを有するが、該極小値は透過率略25%以下であるとともに、バレーがシャープである。
こうして、眩しさを与え易い波長域の透過率を低くすることにより、防眩性能は向上する。しかし、バレー透過率が低すぎたり、該バレーがシャープであったりすると、バレー極小波長の発光色と近傍波長の発光色との照度差が大きくなって、バレー極小波長の発光色の認識が困難となったり、該発光色が照明色の場合、視野が暗くなったりするおそれがある。
例えば、黄色光の中心波長が580nmであるのに対し黄赤(橙)色光の中心波長は600nmである(斉藤勝裕著「ブルーバックス 光と色彩の科学」2010年、講談社、p96図4-3)。このため、防眩効果を高めるため黄色光の透過率を低くすると、これに伴って橙色の透過率も低下して、ナトリウムランプの照明の中心波長(589nm)がレンズを透過せず、視野が暗くなるおそれがある(特許文献2段落0003参照)。
本発明は、上記にかんがみて、眼鏡レンズ等に適用した場合、優れた防眩性能とともに、目の保護の観点から優れ、且つ、視認性も確保し易い防眩光学要素を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、更に、短波長側可視光域(400〜550nm)をカットでき、目の健康の見地からも望ましい防眩光学要素を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記各構成の光学要素に想到した。
(1)透明基材からなる、単層の又は偏光素子を有する複層の光学要素であって、
前記透明基材に、特定波長吸収色素を紫外線吸収剤とともに含有させて、
前記特定波長吸収色素は、テトラアザポルフィン化合物を含み、
透過率曲線において、
透過率曲線の450〜500nmおよび550〜630nmの各波長域に第一バレー極小および第二バレー極小をそれぞれ備え、
400〜700nmの波長域における全体平均透過率が35%以上であり、また、
前記第一・第二バレー極小の各透過率が、60%以下であるとともに、各隣接極大透過率と20%以上の差を有し、更に、
前記第一・第二バレー極小の各透過率と、各極小波長±20nmにおける透過率差平均が10〜50%の範囲にある、ことを特徴とする。
(2)透明基材からなる、単層の又は偏光素子を有する複層の光学要素であって、
前記透明基材に、特定波長吸収色素を紫外線吸収剤とともに含有させて、
前記特定波長吸収色素は、テトラアザポルフィン化合物を含み、
分光光度計にて測定された透過率曲線において、
450〜500nmに第一バレー極小を、550〜630nmおよび650〜700nmの各波長域にそれぞれ前記第一バレー極小より25%以上浅い透過率を有する第二・第三バレー極小をそれぞれ備え、
400〜700nmの全体平均透過率が30%以上であり、
前記第一バレー極小の透過率が30%以下であるともに、隣接極大透過率との差が25%以上であり、
前記第二・第三バレー極小の各透過率が55%以下であるとともに、隣接極大透過率との差が10%以上であり、更に、
前記第二・第三バレー極小の各透過率と、各極小波長±20nmにおける透過率差平均が10〜40%の範囲にある、ことを特徴とする。
(3)透明基材からなる、単層の又は偏光素子を有する複層の光学要素であって、
前記透明基材に、特定波長吸収色素とともに紫外線吸収剤を含有させて、
前記特定波長吸収色素は、テトラアザポルフィン化合物を含み、
分光光度計にて測定された透過率曲線において、
450〜500nmに第一バレー極小を、550〜630nmおよび650〜700nmの各波長域にそれぞれ前記第一バレー極小より25%以上浅い透過率を有する第二・第三バレー極小をそれぞれ備え、
400〜700nmの波長域における全体平均透過率が30%以上であり、
前記第一バレー極小の透過率が30%以下であるともに、隣接極大透過率との差が25%以上であり、
前記第二・第三バレー極小の各透過率が55%以下であるとともに、隣接極大透過率との差が5%以上であり、更に、
前記第一・第三バレー極小の各透過率と、各極小波長±20nmにおける透過率差平均が10〜40%の範囲にあるとともに、前記第二バレー極小の透過率と各極小波長±20nmにおける透過率差平均が3〜10%の範囲にある、ことを特徴とする。
秋口における晴れと曇の日の光強度スペクトル図である。 本発明を適用可能な偏光レンズの一例を示す概略断面図である。 本発明を適用するレンズの注型成形法の説明用断面図である。 実施例1で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例2で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例3で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例4で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例5で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例6で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例7で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 比較例1で調製した紫外線カットレンズの透過率のグラフ図である。 比較例2で調製した偏光レンズの透過率のグラフ図である。 比較例3で調製した偏光レンズの透過率のグラフ図である。 本発明の先願に係る実施例6(参照例)の偏光レンズの透過率のグラフ図である。 実施例8で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例9で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例10で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例11で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例12で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例13で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。 実施例14で調製した防眩レンズの透過率のグラフ図である。
以下、本発明の実施形態について、図例に基づいて説明する。ここでは、偏光素子レスの光学要素としての防眩レンズを、レンズ基材である透明合成樹脂材料(有機ガラス:透明プラスチック)で形成する場合を、例に採る。
当然、図2に示すような薄板状の偏光素子13の片面又は両面に透明基材層15を有している複層構造の偏光レンズ11にも本発明は、適用可能である。なお、防眩レンズは、無機ガラスをレンズ基材としてもよい。
本実施形態の防眩レンズは、射出成形法又は図3に示すような注型成形法で成形する。
そして、防眩レンズ形成材である透明基材としての透明合成樹脂材料としては、例えば、エピスルフィド系樹脂、チオウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、チオウレア系樹脂、ウレア系重合組成物、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、サルファイド系樹脂、等から、適宜選択する。
防眩レンズに高屈折率が要求される場合は、重合性液状材料としては、下記チオウレタン系樹脂(ポリチオウレタン)(a)、エピスルフィド系樹脂(b)等の硫黄含有樹脂を使用する。特に、ポリチオウレタンがレンズに高屈折率を得やすく、薄いレンズが製造できる。
(a)ポリチオウレタンとは、ポリウレタン結合(−NHCOO−)の酸素原子の少なくとも1個が硫黄原子に入れ替わった結合(−NHCOS−、−NHCSO−、−NHCSS−)を有するポリマー(樹脂)を意味し、ポリイソシアナト、ポリイソチオシアナト、ポリイソシアナトチオイソシアナトより選ばれる1種または2種以上のポリイソシアナト成分と、ポリチオール成分とからなる公知ものを好適に使用できる(特開平8−208792号公報等参照)。
ここでイソシアナト成分としては、脂肪族系、脂環式系、芳香族系及びそれらの誘導体さらにはそれらの炭素鎖の一部に硫黄を導入したスルフィド・ポリスルフィド・チオカルボニル(チオケトン)誘導体を母体化合物とするものを挙げることができる。これらのうちで、耐黄変性の見地から、脂肪族系又は脂環式系のものが望ましい。
また、ポリオール成分としては、同様に脂肪族系、脂環式系、芳香族系及びそれらの誘導体さらにはそれらの炭素鎖の一部に硫黄を導入したスルフィド・ポリスルフィド・ポリチオエーテルを母体化合物とするものを挙げることができる。これらのうちで、耐黄変性の見地から、同様に脂肪族系又は脂環式系のものが望ましい。
具体的には、下記化学式(3)で示されるポリチオエーテルを母体化合物とするものからなる又は主体とするものであることが望ましい。
Figure 0005985167
他のポリオール成分としては、分岐炭化水素多価アルコールのω−メルカプト脂肪族カルボン酸の全置換エステルを好適に使用できる。
具体的には、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトグリコレート)、ペンタエリトリトールテトラキス(2−メルカプトグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等を挙げることができる。
(b)エピスルフィド系樹脂とは、ジチオエポキシ化合物と硬化剤と、さらには、その他の重合性化合物とを反応させて得られるポリマー(樹脂)を意味し、例えば、下記化学式(4)で示される直鎖アルキルスルフィド型ジチオエポキシ化合物を硬化させる公知のものを使用できる(特開平9−110979号、特開平10−114764号公報等)。
Figure 0005985167
上記硬化剤としては、通常のエポキシ樹脂用硬化剤であるアミン類、有機酸類、無機酸類を使用可能である。
なお、アクリル系樹脂としては、レンズ用の汎用の市販のポリマー材料を使用可能である。
本発明の防眩レンズ(プラスチックレンズ)の注型成形による製造に際して、レンズ基材の材料である重合性液状材料に、種々の添加剤、例えば、染料、青味付け(ブルーイング)剤、内部離型剤、消臭剤、酸化防止剤、安定剤、重合開始剤等を必要に応じて添加してもよい。なお、樹脂硬化(重合)は、熱硬化重合、紫外線硬化重合等で行う。
また、本発明のプラスチックレンズの表面を、一般的に行われている強化塗膜(ハードコート)を形成して、硬度等の改質処理することが望ましい。
ハードコートは、汎用のシリコーン系塗料で形成する。該ハードコートは、通常、プライマー層を介することが望ましい。
プライマー層は、ウレタン系やエステル系の熱可塑性エラストマーをベースとする塗料で形成することが望ましく、通常、金属酸化微粒子等を添加して屈折率を上げて使用する。
上記ハードコート、プライマー層には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系及びフェノール系等の紫外線吸収剤や、塗膜の平滑性を向上させるためにシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を含むレベリング剤、その他改質剤の配合も可能である。
塗布(コーティング)方法としては、ディッピング法、スピンコート法の公知の方法から選ばれる。
さらに、防曇処理加工、反射防止加工、撥水処理加工、帯電防止処理加工、染色加工、等の表面処理をほどこしてもよい。
反射防止膜を形成する無機物としては、シリカ、チタニア(IV)、酸化タンタル(V)、酸化アンチモン(III)、ジルコニア、アルミナ等の金属酸化物や、フッ化マグネシウム等の金属フッ化物を好適に使用できる。
上記構成の防眩光学要素(防眩レンズ)において、前記透明基材に、特定波長吸収色素を紫外線吸収剤とともに含有させことを前提的要件とする。
本発明の一つは、上記前提的要件において、下記各特性を備えていることを特徴とする。
1)450〜500nm(望ましくは460〜490nm)および550〜630nm(望ましくは560〜620)の各波長域に第一バレー極小および第二バレー極小をそれぞれ備えている。
2)400〜700nmの波長域における全体平均透過率が35%以上(望ましくは40%以上)である。
3)第一・第二バレー極小の各透過率が、60%以下(望ましくは40%以下)であるとともに、各隣接極大透過率と20%以上(望ましくは25%以上)の差を有する。なお、第一・第二バレー極小の透過率差は、通常、20%以下(望ましくは15%以下)とする。透過率差が大きいと、透過光色の白色バランスがずれ、透過光色およびレンズ自体が着色するおそれがある。
4)第一・第二バレー極小の各透過率と、各極小波長±20nmにおける透過率差平均が10〜50%(望ましくは20〜45%)の範囲にある。
これらの特性が相乗することにより、本発明の防眩性向上とともに、各種視認性(グリーン等視認性,曇天時視認性,遠方視認性)を確保し易くなる。
すなわち、上記1)・3)により、ハザード色である青色系波長域(550nm)および眩しさを感じる標準比視感度中心波長(555nm)近傍のカットが可能となるとともに、上記4)でバレーの形状が適度な曲率及び面積(吸収帯幅が適度)を備えることにより、防眩性とともに視認性も確保しやすくなったものと推定される。さらに、2)の全体平均透過率を所定値以上とすることにより、曇天時・遠方視認性も確保し易くなったものと推定される。このことは、平均透過率が50%以下の低い実施例5・6・7は、何れも、曇天時視認性が余り良好でないことからも支持される。
更に、第一・第二バレー間の中間波形は、上面が緩やかな斜面(20°以下、望ましくは10°以下)の台地形状ないし透過率差15%以下(望ましくは10%以下)の連峰(複数の微小極大を有する)であることが望ましい(表2-3-1,2-3-2参照)。
当該構成とすることにより、比視感度曲線極大波長の555nmの波長域に向かって、透過率が低下する傾向にあり、防眩性の更なる向上に寄与するものと推定される。
これらの特定波長吸収色素としては、公知のものから、例えば、テトラアザポルフィリン化合物、スクアリリウム化合物、アゾメチル系、インドール系のものを1種又は2種以上選択して使用することができる。
より具体的には、テトラアザポルフィリン化合物としては、特許文献1に記載の前述の構造式(1)や、特開2003−211847号等で記載されている下記構造式(5)で示されるものを、好適に使用可能である。
Figure 0005985167
〔式中、環A、B、C、D、A'、B'、C'、D'はそれぞれ独立してピロール環の2つのβ位に形成された縮合芳香族環を表し、置換基を有していてもよい。Mは3価の金属原子と1個の水素原子、あるいは4価の金属原子を表す。環A、B、C、Dの各環の各置換基は連結基を介して環A、B、C、Dの各環の各置換基および/または環A'、B'、C'、D'の各環の各置換基とそれぞれ結合していてもよい。〕
また、スクアリリウム化合物としては、特許文献2に記載の前述の構造式(2)で示されるものを、好適に使用可能である。
また、紫外線吸収剤としては、慣用のものを使用できる。例えば、ベンゾフェノン系、ジフェニルアクリレート系、立体障害アミン系、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシベンゾエート系、シアノアクリレート系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、等を挙げることができる。
これらの内で、下記構造式(6)で示されるベンゾトリアゾール系のもの及びそれらの誘導体が望ましい。
Figure 0005985167
構造式(6)で示される紫外線吸収剤は、多量配合することにより、後述の実施例で示す如く、紫外線吸収効果ばかりでなく青色カット機能(透過率の相対的低下)も奏することを確認している(実施例1と実施例3)。
そして、上記特定波長吸収色素および紫外線吸収剤の配合処方は、下記の如くである。
1)特定波長吸収色素:樹脂原料100部に対して、0.5×10−4〜5.0×10−3部(望ましくは0.8×10−4〜3.5×10−3部)とする。特定波長吸収色素の配合量が過少では、防眩性を確保し難くなるとともにグリーン等視認性・遠方視認性も確保し難くなる。他方、過多では、全体透過率が低くなり、視認性を確保し難くなる。
2)紫外線吸収剤:樹脂原料100部に対して、0.1〜6部(望ましくは1〜4部)とする。紫外線吸収剤の配合量が過少では、紫外線カットが困難となる。他方、過多では、全体透過率が低くなり、視認性を確保し難くなる。
上記では、偏光素子レスを例に採り、説明したが、偏光素子を利用する場合は、偏光度が80%以下(望ましくは70%以下)のものを使用することが望ましい。偏光度が高い偏光素子を使用すると、バレーが消失することが、本願出願人による先願(特願2011−38468号)で確認されている。
本発明の実施例2と同様の配合処方(参照例:先願実施例5)において、偏光度99.6%の偏光素子を使用した透過率曲線を図14(先願添付図11)に示す。
本発明の他の一つは、前記発明と略同様であるが、透過率曲線の波形特性が、下記の如く若干異なる。
1)450〜500nmに第一バレー極小を、550〜630nmおよび650〜700nmの各波長域にそれぞれ前記第一バレー極小より25%以上浅い極小透過率を有する第二・第三バレー極小をそれぞれ備えている。
2)400〜700nmの全体平均透過率が30%以上(望ましくは35%以上)である。
3)第一バレー極小の透過率が30%以下(望ましくは10%以下)であるともに、隣接極大透過率との差が25%以上である。
4)第二・第三バレー極小の各透過率が55%以下(望ましくは50%以下)であるとともに、隣接極大透過率との差が10%以上である。
5)第一・第二・第三バレー極小の各透過率と、各極小波長±20nmにおける透過率差平均が10〜40%(望ましくは15〜30%)の範囲にある。
上記発明と前記発明との差は、透過率曲線において、第一バレーより浅い第二・第三バレーが表われるようにしたものである。
作用・効果は、前記発明と同様であるが、相対的に透過率が低いため、晴天時の防眩性にすぐれるが、曇天時や雨天時等において視認性に劣る。
本発明のさらに他の一つは、前記発明と略同様であるが、透過率曲線の波形特性が、下記の如く若干異なる。
1)450〜500nmに第一バレー極小を、550〜630nmおよび650〜700nmの各波長域にそれぞれ前記第一バレー極小より25%以上浅い極小透過率を有する第二・第三バレー極小をそれぞれ備えている。
2)400〜700nmの全体平均透過率が30%以上(望ましくは35%以上)である。
3)第一バレー極小の透過率が30%以下(望ましくは10%以下)であるともに、隣接極大透過率との差が25%以上である。
4)第二・第三バレー極小の各透過率が55%以下(望ましくは50%以下)であるとともに、隣接極大透過率との差が5%以上である。
5)第一・第三バレー極小の各透過率と、各極小波長±20nmにおける透過率差平均が10〜40%(望ましくは15〜30%)の範囲にあるとともに、前記第二バレー極小の透過率と各極小波長±20nmにおける透過率差平均が3〜10%(望ましくは5〜8%)の範囲にある。
作用効果は、上記発明と同様であるが、視感度の高い波長領域550〜630nmのおける第二バレー極小のバレーが上記に比して浅いため、眼が明るさを感じ易く、上記に比して視認性が向上する。
以下、本発明の効果を確認するために比較例とともに行なった実施例について説明する。以下の説明で配合部数を示す「部」は「質量部」を意味する。
<紫外線吸収剤>
下記化合物名の市販品を使用した。
UV−01 2-(4-エトキシ-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール
UV−02 2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール
UV−03 2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール
<特定波長吸収色素>
下記各特定吸収ピーク波長を有する下記各化合物の市販品を使用した。
C−01 テトラアザポフィリン系金属錯体化合物、吸収ピーク波長480nm
C−02 テトラアザポフィリン系金属錯体化合物、吸収ピーク波長595nm
C−03 フェロシアニン系金属錯体化合物、吸収ピーク波長760nm
C−04 テトラアザポフィリン系金属錯体化合物、吸収ピーク波長590nm
そして、実施例・比較例で使用した各材料(素材)および添加量を纏めたものを、表1−1・2に示す。
Figure 0005985167
Figure 0005985167
<実施例1〜3・5〜6・8〜10・12〜13>
(1)重合性液状材料の調製
m−キシリレンジイソシアネート 100部に、硬化剤としてジブチルチンジクロライド 0.1部、内部剥離剤としてアルキル燐酸エステル(アルコールC8〜C12)塩0.5部、香気性付与剤としてカプロン酸エチル 0.2部、と表1に示した紫外線吸収剤と特定波長吸収色素をそれぞれ添加し、液温15℃、窒素ガス雰囲気下で1時間十分に撹拌した。
その後、4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1、8−オクタンジチオール 100部を添加し、液温15℃、窒素ガス雰囲気下で1時間十分に撹拌した。
そして、真空ポンプを用いて液温度15℃、133Paで撹拌しながら1時間脱気後、1μmフィルターで濾過し、屈折率(nd)1.67のポリチオウレタン系レンズ原料液(重合性液状材料)を調製した。
(2)レンズの成形
ガラス製の第一・第二モールド17、19の周囲開口をガスケット23を配して成形型27を調製し、該成形型27のキャビティ25に液状材料注入口23aを介して重合性液状材料を注入して、熱硬化重合や紫外線硬化(光)重合などの手段により重合硬化乃至架橋硬化させて形成する。
第1モールド(ガラス製、外形80mm、使用面曲率66.16mm、中心厚4.0mm)17、第2モールド(ガラス製、外形80mm、使用面曲率65.59mm、中心厚4.0mm)19を中心間隔2.0mmとなるように、プラスチック製のガスケット23に保持して成形型27を調製した(図3参照)。
上記成形型に重合性液状材料を注入後、下記温度条件で加熱し重合させてレンズ成形を行った。重合後、型から取り出す離型工程は、クサビ状工具で物理的(機械的)に行った。
「35℃×5時間→35℃から60℃まで5時間かけて昇温→60℃から100℃まで2時間かけて昇温→100℃から120℃まで1時間かけて昇温→120℃×3時間→120℃から40℃まで4時間かけて冷却する。」
(3)レンズ色調節
実施例5については、上記重合製液状材料を使用して作製したレンズを、Dystar Dianix Red E−FB(ダイスタージャパン(株)製)を90℃に加熱した温水中に溶かした容器の中に30秒間浸漬し、外観上の色調節、及び、透過率の調節を行った。
<実施例4・7・11・14>
(1)射出成形用色素練り込み樹脂ペレットの調製
表1に示した特定波長吸収色素と添加量をユーピロンCLS−3400(三菱エンジニアリングプラスチック(株);紫外線吸収剤含有のポリカーボネイトマスターバッチ)に混合して射出成形用樹脂ペレットを製造した。
(2)レンズの射出成形
外形75mm、中心厚2.1mmのレンズを成形する金型を(株)ソディック製電動ハイブリッド縦型射出成形機TR100VRに取り付ける。
これに、上記特定波長吸収色素混合樹脂ペレットにて射出成形する。
<比較例1>
基材に屈折率(ne)1.60のポリチオウレタン系レンズ樹脂を使用して成形を行ったレンズ基材の基材上に、基材側から順にシリコーン系の耐衝撃性コート、シリコーン系ハードコート、無機反射防止膜を成膜して、最表面層としてフッ素系の撥水膜を成膜した。
<比較例2>
染料系PVAL偏光フィルム「Brown−30」(偏光度99.2%)を、屈折率(ne)1.60のポリチオウレタン系レンズ樹脂で挟み込んで成形を行ったレンズ基材の基材上に、基材側から順にシリコーン系の耐衝撃性コート、シリコーン系ハードコート、無機反射防止膜を成膜して、最表面層としてフッ素系の撥水膜を成膜した。
<比較例3>
染料系PVAL偏光フィルム「Gray−30」(偏光度99.5%)を、屈折率(ne)1.60のポリチオウレタン系レンズ樹脂で挟み込んで成形を行ったレンズ基材の基材上に、基材側から順にシリコーン系の耐衝撃性コート、シリコーン系ハードコート、無機反射防止膜を成膜し、最表面層としてフッ素系の撥水膜を成膜した。
<試験方法及び結果>
上記で調製した各実施例・比較例の光学要素について、JIS−T7333に示されている透過率測定方法に準じて透過率を計測した。
測定は分光光度計U−4100((株)日立製作所製)を用いて、測定波長380〜780nm、スキャンスピード600nm/min、サンプリング間隔1nm、スリット5nmの条件にて行った。
それらの試験結果の透過率曲線を図4〜13・図15〜21に示す。
何れの実施例も、明りょうな短波長側バレーが一つ、長波長側バレーが一つ(実施例1〜4・8〜11)又は複数(2個)(実施例5〜7・12〜14)表われている。なお、実施例8〜11の中間波形(1)は最大・最小透過率を有せず、また、実施例12〜14は、中間波形(1)乃至(2)に実質的な最大・最小透過率を有しない。
これに対して、各比較例は、何れも、そのようなバレーを有しない。
また、各実施例・比較例の透過率曲線における特性を示す下記各表から、各実施例は、本発明の構成要件(発明特定事項)を満たすものであることが分かる。
なお、視感透過率は、長波長側バレーが一つの実施例1〜4と対応実施例8〜11では、前者の方が視感透過率が相対的に高い。
また、長波長側バレーが二つの実施例5〜7と対応実施例12〜14では、前者と後者では、前者が若干低いだけで視感透過率が略同じである。
・<表2−1A>および<表2−1B>に、(1)平均透過率(400〜700nm)、(2)第一・第二バレーの極小透過率およびそれらの透過率の差、(3)第一・第二バレーの隣接極大波長・透過率および極小透過率との差、及び(4)視感透過率を示す。
Figure 0005985167
Figure 0005985167
・<表2−2−1A>、<表2−2−2A>および<表2−2−3A>、並びに<表2−2−1B>、<表2−2−2B>および<表2−2−3B>に、第一・第二・第三バレーの各極小波長±20nmにおける透過率と各極小透過率との透過率差平均値(中間値)をそれぞれ示す。
Figure 0005985167
Figure 0005985167
Figure 0005985167
Figure 0005985167
Figure 0005985167
Figure 0005985167
<表2−3−1>および<表2−3−2>に、中間波形(1)および(2)(実施例5〜7のみ)の最大・最小透過率および透過率差をそれぞれ示す。
Figure 0005985167
Figure 0005985167
更に、各実施例・比較例(実施例8〜14を除く。)のレンズを使用して、以下の(a)〜(d)の評価を行った。
具体的には、日常的にゴルフをプレーする10人をパネラー(モニター)として、下記評価基準にて性能評価を行った。
肯定的評価8名以上:◎、同5〜7名:○、同2〜4名:△、同1名以下:×
評価結果を表3に示す。
そして、◎:3点、○:2点、△:1点、×:0点として集計を行い、総合評価として、10点以上:◎、8点以上:○、6点以上:△:、5点以下:×とした。
(a)レンズ装着無しの場合と比較し、ゴルフ場での芝目(グリーン)の見易さ、アンジュレーション(フェアウェーやグリーンなどコース上の起伏)の見易さが向上するか否かを評価
(b)晴天時にゴルフをプレーする場合でのレンズの明るさについて、眩しさ低減効果が得られるか否かを評価
(c)曇天時にゴルフをプレーする場合でのレンズの明るさについて、暗くなりすぎることなく視認性が良好であるか否かを評価
(d)レンズ装着無しの場合と比較し、遠くの山を見た場合での木々等が見易くなるか否かを評価
表3の結果より、各実施例共にゴルフ用として芝目等の視認性が向上する効果が得られていることが確認できた。
Figure 0005985167

Claims (7)

  1. 透明基材からなる、単層の又は偏光素子を有する複層の光学要素であって、
    前記透明基材に、特定波長吸収色素を紫外線吸収剤とともに含有させて、
    前記特定波長吸収色素は、テトラアザポルフィン化合物を含み、
    分光光度計にて測定された透過率曲線(以下「透過率曲線」)において、
    透過率曲線の450〜500nmおよび550〜630nmの各波長域に第一バレー極小および第二バレー極小をそれぞれ備え、
    400〜700nmの波長域における全体平均透過率が35%以上であり、また、
    前記第一・第二バレー極小の各透過率が、60%以下であるとともに、各隣接極大透過率と20%以上の差を有し、更に、
    前記第一・第二バレー極小の各透過率と、各極小波長±20nmにおける透過率差平均が10〜50%の範囲にある、
    ことを特徴とする防眩光学要素。
  2. 前記第一バレー極小と前記第二バレー極小の透過率差が20%以下であることを特徴とする請求項1記載の防眩光学要素。
  3. 透明基材からなる、単層の又は偏光素子を有する複層の光学要素であって、
    前記透明基材に、特定波長吸収色素とともに紫外線吸収剤を含有させて、
    前記特定波長吸収色素は、テトラアザポルフィン化合物を含み、
    分光光度計にて測定された透過率曲線(以下「透過率曲線」)において、
    450〜500nmに第一バレー極小を、550〜630nmおよび650〜700nmの各波長域にそれぞれ前記第一バレー極小より25%以上浅い透過率を有する第二・第三バレー極小をそれぞれ備え、
    400〜700nmの波長域における全体平均透過率が30%以上であり、
    前記第一バレー極小の透過率が30%以下であるともに、隣接極大透過率との差が25%以上であり、
    前記第二・第三バレー極小の各透過率が55%以下であるとともに、隣接極大透過率との差が10%以上であり、更に、
    前記第一・第二・第三バレー極小の各透過率と、各極小波長±20nmにおける透過率差平均が10〜40%の範囲にある、
    ことを特徴とする防眩光学要素。
  4. 透明基材からなる、単層の又は偏光素子を有する複層の光学要素であって、
    前記透明基材に、特定波長吸収色素とともに紫外線吸収剤を含有させて、
    前記特定波長吸収色素は、テトラアザポルフィン化合物を含み、
    分光光度計にて測定された透過率曲線(以下「透過率曲線」)において、
    450〜500nmに第一バレー極小を、550〜630nmおよび650〜700nmの各波長域にそれぞれ前記第一バレー極小より25%以上浅い透過率を有する第二・第三バレー極小をそれぞれ備え、
    400〜700nmの波長域における全体平均透過率が30%以上であり、
    前記第一バレー極小の透過率が30%以下であるともに、隣接極大透過率との差が25%以上であり、
    前記第二・第三バレー極小の各透過率が55%以下であるとともに、隣接極大透過率との差が5%以上であり、更に、
    前記第一・第三バレー極小の各透過率と、各極小波長±20nmにおける透過率差平均が10〜40%の範囲にあるとともに、前記第二バレー極小の透過率と各極小波長±20nmにおける透過率差平均が3〜10%の範囲にある、
    ことを特徴とする防眩光学要素。
  5. 前記透明基材が、特定波長吸収色素を紫外線吸収剤とともに含む透明合成樹脂層で形成され、前記特定波長吸収色素の樹脂原料100部に対する配合量が、0.5×10-4〜5.0×10-3部であるとともに、紫外線吸収剤の樹脂原料100部に対する配合量が、0.1〜6部であることを特徴とする請求項1〜4いずれか一記載の防眩光学要素。
  6. 前記特定波長吸収色素の樹脂原料100部に対する配合量が、0.8×10-4〜3.5×10-3部であることを特徴とする請求項5記載の防眩光学要素。
  7. 前記偏光素子の偏光度が80%以下であることを特徴とする請求項1〜6いずれか一記載の防眩光学要素。
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