JP5156588B2 - 機能膜付光学部材の製造方法及び眼鏡レンズ - Google Patents

機能膜付光学部材の製造方法及び眼鏡レンズ Download PDF

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Description

本発明は、表面に機能膜が形成された光学部材を染色液に浸漬することにより機能膜が染色されてなる機能膜付光学部材の製造方法、並びにそのような製造方法を用いて作製された機能膜付光学部材からなる眼鏡レンズに関する。
プラスチックレンズは、ガラスレンズと比較して、軽量性、易加工性、耐衝撃性、染色性などの点で優れており、これらの優位性により眼鏡レンズの市場において大きなシェアを占めている。
一方、ガラスレンズに対してプラスチックレンズの弱点であった傷付きやすさも、ハードコート膜や反射防止膜などの機能膜を積層した多層膜構造を備えることによりかなり抑制できるまでになっている。
また、眼鏡レンズの薄肉化においては、プラスチックレンズが発売された当初は屈折率が1.50程度のものが主流であったが、今日においては屈折率が1.6〜1.65程度のものが標準として取り扱われている。更には屈折率が1.7を超えるものも広く出回っている。
しかしながら、プラスチックレンズは、上述したレンズ素材の改良に伴い、屈折率が向上する一方で、プラスチックレンズの利点であった軽量性や易加工性などが失われる傾向にある。
ところで、プラスチックレンズの染色については、プラスチックレンズを染色液に浸漬する浸漬法を用いて染色することが今なお一般的である(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、上述した高屈折率のプラスチックレンズは、染色性に乏しく、このような簡便な浸漬法によって染色することが困難となってきている。このため、簡便さにおいては浸漬法に劣るものの、上述した高屈折率のプラスチックレンズに対応した特殊な染色方法も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
一方、プラスチックレンズを染色する代わりに、プラスチックレンズの表面に染色可能なハードコート膜を設けて、このハードコート膜付プラスチックレンズを染色液に浸漬することによりハードコート膜を染色する方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。
しかしながら、このようなハードコート膜を染色する方法では、ハードコート膜の組成を変更することなく、このハードコート膜に対する染色性を改善することが求められている。さらに、染色時間の短縮も求められている。
特許第3448616号公報 特開2003−215302号公報 特開2008−76965号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、光学部材の表面に形成された機能膜の組成を変更することなく、この機能膜に対する染色性を改善すると共に、染色時間の短縮も可能とした機能膜付光学部材の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのような製造方法を用いて作製された機能膜付光学部材からなる眼鏡レンズを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を行った結果、表面にハードコート膜が形成されたプラスチックレンズに特定の前処理を行うことにより、良好な染色性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明を例示する機能膜付光学部材の製造方法の一態様は、表面に機能膜が形成された光学部材を染色液に浸漬することにより機能膜が染色されてなる機能膜付光学部材の製造方法であって、光学部材を染色液に浸漬する前に、着色剤を含まない前処理液に浸漬する工程を含み、前処理液として、pH1.0〜6.0の酸性水溶液を用い、且つ、前処理液の温度を40〜100℃とすることを特徴とする。
また、本発明を例示する眼鏡レンズの一態様は、上記製造方法を用いて作製された機能膜付光学部材からなることを特徴とする。
以上のように、本発明を例示する機能膜付光学部材の製造方法では、光学部材を染色液に浸漬する前に、着色剤を含まない前処理液に浸漬する工程を含み、前処理液として、pH1.0〜6.0の酸性水溶液を用い、且つ、前処理液の温度を40〜100℃とすることで、光学部材の表面に形成された機能膜の組成を変更することなく、この機能膜に対する良好な染色性を確保することが可能である。また、表面に機能膜が形成された光学部材を前処理液に浸漬した後、染色液に浸漬するといった簡便な方法を用いているため、染色時間の短縮も可能である。
したがって、本発明によれば、機能膜の性能を維持したまま、この機能膜が染色された機能膜付光学部材を得ることが可能である。また、このような機能膜付光学部材からは、例えばハードコート膜を染色したプラスチックレンズからなる眼鏡レンズを得ることが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本実施形態では、プラスチックレンズ(光学部材)の表面にハードコート膜(機能膜)が形成され、このプラスチックレンズを染色液に浸漬することによりハードコート膜が染色されてなるハードコート膜付プラスチックレンズ(機能膜付光学部材)を製造する場合を例に挙げて説明する。
本実施形態は、表面にハードコート膜が形成されたプラスチックレンズを染色液に浸漬し、ハードコート膜を染色する染色工程の前に、このハードコート膜付プラスチックレンズを着色剤(染料)を含まない前処理液に浸漬する前処理工程を含むことを特徴とする。
ここで、本実施形態の対象とするハードコート膜は、本実施形態の前処理液に浸漬することにより染色性が改善されるものであれば特に制限されるものではなく、例えばシリコン系ハードコート組成物からなるものに適用することができ、その中でも、(A)金属酸化物粒子、(B)有機ケイ素化合物又はその加水分解物、(C)アセチルアセトネート金属錯体化合物を含むシリコン系ハードコート組成物からなるものを好適に用いることができる。
具体的に、(A)金属酸化物粒子としては、例えば、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化セリウムなどの金属酸化物の微粒子を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上混合して用いることができる。また、これら金属酸化物の中から選ばれる2種以上の金属酸化物から構成された複合金属酸化物微粒子を用いてもよい。
また、これら金属酸化物微粒子又は複合金属酸化物微粒子については、その粒径が1〜100nmのものを用いることが好ましく、水、メタノール又はその他の有機溶媒に分散したときにゾル化するものを用いることが好ましい。
(B)有機ケイ素化合物又はその加水分解物としては、下記式(1)で表されるものを用いることができる。
Si(OR)4−(a+b) … (1)
(但し、式(1)中、Rは、官能基を有する有機基又は不飽和二重結合を有する炭素数4〜14の有機基であり、Rは、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアシル基であり、a及びbは、それぞれ0又は1であり、且つa+bは、1又は2である。)
上記式(1)で表される具体的な有機ケイ素化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
また、上記式(1)で表される有機ケイ素化合物のうち、Rが官能基としてエポキシ基を有するもの以外(a=0のものを含む)としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、フエニルトリメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどの各種トリアルコキシシラン、トリアシロキシシラン、トリアルコキシアルコキシシランなどを挙げることができる。
(C)アセチルアセトネート錯体金属化合物は、上記有機ケイ素化合物における三次元構造の形成反応を促進する、又はポットライフの延長効果を得るために添加するものであり、例えば、中心金属にLi、Cu、Zn、Co、Ni、Mn、Cr、Zr、V、Mg、Fe、Ca、Bi、Alのうち何れか1種を含むアセチルアセトネート錯体金属化合物を用いることができる。
ハードコート膜を形成する際は、上記(A)〜(C)成分を含むハードコート組成物のコート液を、例えばディップ法や、スプレー法、スピンコート法などの方法を用いてプラスチックレンズの表面に塗布する。また、塗布されたハードコート組成物は、熱硬化によって塗膜を形成する。この塗膜の硬化温度は、70〜140℃の範囲が好ましく、より好ましくは90〜120℃の範囲である。また、塗膜の厚さは、1.0〜4.0μmの範囲が好ましく、より好ましくは1.5〜2.5μmの範囲である。
なお、ハードコート膜を形成する際は、上記(A)〜(C)成分の他にも、コート液の固形分を調整するため溶媒を添加することができる。溶媒の例としては、水、低級アルコール、アセトン、エーテル、ケトン、エステルなどを挙げることができる。
また、その他にも各種の添加剤を併用してもよい。添加剤の例としては、pH調節剤、粘度調節剤、レベリング剤、つや消し剤、染料、顔料、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを挙げることができる。
プラスチックレンズについては、従来より光学部材として知られている透明部材、特に透過性の高い光学用レンズ基材を用いることが好ましい。具体的に、このプラスチックレンズの基材としては、例えば、ポリメチルメタクリレート及びその共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートポリマー、ポリチオウレタン樹脂、エピスルフィド樹脂などを挙げることができる。また、紫外線硬化型樹脂又は紫外線硬化性と熱硬化性の両者を兼ね備えた樹脂を用いることも可能である。
本実施形態における前処理工程では、温水又は酸性水溶液からなる前処理液に、表面にハードコート膜が形成されたプラスチックレンズを浸漬させる。これにより、プラスチックレンズの表面に形成されたハードコート膜の組成を変更することなく、このハードコート膜に対する良好な染色性を確保することができる。なお、この理由について必ずしも明らかではないものの、ハードコート膜が軟化して染色性が向上する、又はハードコート膜を構成する有機ケイ素化合物中におけるアルキル基の脱離を促進することで、染色液に浸漬したときの染色性が向上するためと考えられる。
具体的に、この前処理工程においては、温水として、純水を用いることが好ましい。一方、酸性水溶液として、例えば塩酸や、硫酸、硝酸などの無機酸の中から選ばれる任意の酸を水に溶解したものを用いることができる。また、この酸性水溶液の水素イオン濃度は、pH1.0〜6.0であることが好ましく、より好ましくはpH2.0〜4.0である。これは、前処理液がアルカリ性水溶液(pH7未満)であると、ハードコート膜に悪影響を与える可能性があるためである。
また、前処理液の温度は、40〜100℃が好ましく、より好ましくは60〜90℃である。この前処理液の温度については、温度が高くなるほどハードコート膜の染色性が向上するため、染色時間を大幅に短縮することが可能である。一方、前処理液の温度が低すぎると、上記効果を十分に得ることができなくなるため、その下限を40゜以上とすることが好ましく、その上限については、前処理液が沸騰しないように100℃以下とすることが好ましい。
染色工程においては、従来より一般的に使用されている、例えば分散染料を界面活性剤と共に水中に分散させた染色液を調製し、加熱下において、この染色液に上記前処理が施されたハードコート膜付プラスチックレンズを浸漬する方法(浸染法)が用いられる。
具体的に、染料(着色剤)としては、例えば、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、ニトロジフェニルアミン系染料、アゾ系染料などの分散染料を用いることができる。分散染料の例としては、例えば、p−アニシジン、アニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノフェノール、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、o−クロロニトロベンゼン、ジフェニルアミン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、フェノール等のベンゼン系中間物、p−クレシジン(6−メトキシ−m−トルイジン)、m−クレゾール、p−クレゾール、m−トルイジン、2−ニトロ−p−トルイジン、p−ニトロトルエン等のトルエン系中間物、1−ナフチルアミン、2−ナフトール等のナフタレン系中間物、1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸(ブロマミン酸)、1−アントラキノンスルホン酸、1,4−ジアミノアントラキノン、1,5−ジクロロアントラキノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン(キニザリン)、1,5−ジヒドロキシアントラキノン(アントラルフィン)、1,2,4−トリヒドロキシアントラキノン(プルプリン)、2−メチルアントラキノン等の無水フタル酸、アントラキノン系中間物などを挙げることができ、これらを単独で又は2種以上混合して用いることができる。また、染色液の染料濃度は、0.01〜5質量%であることが好ましい。
分散染料は、通常、水に分散して水系の染色液とされるが、この分散染料の浸透性を促進するため、例えば、メタノール、エタノール、ベンジルアルコールなどの有機溶媒を併用してもよい。また、染色液には、染料に対する分散剤として、界面活性剤が添加される。この界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ラウリル硫酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチルアルキルエーテル、アルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤などを挙げることができる。また、これらの界面活性剤は、着色濃度に応じて、使用する染料の量に対して5〜200質量%の範囲で添加することが好ましい。
浸染法では、分散染料及び界面活性剤を水又は水と有機溶媒との混合物中に分散させて染色液を調製し、この染色液中にハードコート膜付プラスチックレンズを浸漬し、ハードコート膜の染色を行う。なお、染色温度及び染色時間は、所望の着色濃度により変動するものの、通常は95℃以下で数分〜30分程度が好ましい。
また、染色工程では、染色液を収容する槽と、染色液に浸漬する際にプラスチックレンズを保持するフォルダとを備えた染色装置を用いるが、この染色装置は、色ムラを防ぐことを目的として、染色液の均一性を確保する液混合機構や、染色液の恒温機構を備えていることが好ましい。
ハードコート膜を染色した後は、染料の定着安定化を図るため、このハードコート膜付プラスチックレンズに対して加熱処理を行うことが好ましい。この加熱処理では、オーブン等の加熱装置を用いることができる。また、加熱温度は、70〜140℃の範囲が好ましく、より好ましくは90〜120℃の範囲である。
なお、上記染色工程では、ハードコート膜が所望の着色濃度に染色されるまで、上述した作業を繰り返し行うことが好ましい。この場合、作業毎に染色温度や染色時間、加熱温度などを任意に調整することが可能である。
以上のようにして、本実施形態では、ハードコート膜の性能を維持したまま、このハードコート膜が染色されてなるハードコート膜付プラスチックレンズを得ることが可能である。
本実施形態では、上述したプラスチックレンズを染色液に浸漬する前に、着色剤を含まない前処理液に浸漬することで、プラスチックレンズの表面に形成されたハードコート膜の組成を変更することなく、このハードコート膜に対する良好な染色性を確保することが可能である。なお且つ、耐擦傷性に優れたハードコート膜付プラスチックレンズを得ることが可能である。
また、本実施形態では、表面にハードコート膜が形成されたプラスチックレンズを前処理液に浸漬した後、染色液に浸漬するといった簡便な方法を用いているため、染色時間の大幅な短縮も可能である。
さらに、本実施形態では、染色性を改善するため、従来のようにハードコート膜中に染料親和性の高い、例えばエポキシ基や、アクリル基、ビニル基などの官能基を含む有機化合物を導入するといった必要がなく、結果として高い耐擦傷性と染色性を両立したハードコート膜付プラスチックレンズを得ることが可能である。
そして、このようにして得られたハードコート膜付プラスチックレンズを眼鏡枠の形状に合わせて加工することで、本実施形態の眼鏡レンズを得ることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記ハードコート膜付プラスチックレンズは、プラスチックレンズの表面にハードコート膜を直接設けた構成に限らず、レンズ基材(プラスチックレンズ)とハードコート層(ハードコート膜)との間にプライマー層を設けた構成としてもよい。これにより、レンズ基材とハードコート層との密着性を向上させると共に、耐衝撃性も向上させることが可能である。
このようなプライマー層を設ける場合には、特に限定されないものの、(D)複合金属酸化物微粒子、(E)高分子微粒子水分散体を含むプライマーコート組成物からなるものを好適に用いることができる。
(D)複合金属酸化物微粒子としては、上記ハードコート組成物と同様の複合金属酸化物微粒子を用いることができる。一方、(E)高分子微粒子水分散体としては、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂などの水分散体を用いることができる。
プライマー層を形成する際は、上記(D),(E)成分を含むプライマー組成物のコート液を、例えばディップ法や、スプレー法、スピンコート法などの方法を用いてプラスチックレンズの表面に塗布する。また、塗布されたプライマー組成物は、熱硬化によって塗膜を形成する。この塗膜の硬化温度は、50〜120℃の範囲が好ましく、より好ましくは70〜100℃の範囲である。また、塗膜の厚さは、0.2〜2.0μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。
なお、プライマー層を形成する際は、上記(D),(E)成分の他にも、ハードコート膜を形成する場合と同様の溶媒や添加剤などを併用してもよい。
また、上記ハードコート膜付プラスチックレンズでは、上記ハードコート層の上に、マルチコート層(反射防止膜)を設けた構成とすることも可能である。これにより、レンズ表面における光の反射を防止することが可能である。
このようなマルチコート層を設ける場合には、特に限定されないものの、例えば、酸化ケイ素や酸化チタンなどの無機化合物からなる反射防止膜を形成することが可能である。また、反射防止膜の形成方法は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、CVD法などの乾式法を用いることができる。さらに、このマルチコート層は、単層又は多層の何れの構成であってもよい。多層膜とする場合には、低屈折率の反射防止膜と高屈折率の反射防止膜とを交互に積層した多層膜構造とすることが好ましい。この多層膜構造で用いる高屈折率の反射防止膜としては、例えば、ZnO、TiO、CeO、Sb、SnO、ZrO、Al、Taなどを挙げることができ、低屈折率膜としては、例えば、SiOなどを挙げることができる。
なお、本発明は、上記プラスチックレンズの基材の染色性に因らずに、このプラスチックレンズの表面に形成されたハードコート膜を染色するため、染色性に乏しい高屈折率のプラスチックレンズに対して好適に用いることができる。また、上記プラスチックレンズの代わりに、表面にハードコート膜が形成されたガラスレンズにも適用可能である。
なお、本発明は、上記ハードコート膜付プラスチックレンズの製造に適用した場合に限らず、表面に機能膜が形成された光学部材を染色液に浸漬することにより、この機能膜が染色されてなる機能膜付光学部材の製造に幅広く適用することが可能である。また、このような機能膜付光学部材としては、上述した眼鏡レンズの他にも、例えば、カメラやビデオカメラなどの撮像レンズ、プロジェクタなどの投影レンズなどを挙げることができ、これらのレンズ以外にも、例えばプリズムやその他の光学部品(光学素子)などを挙げることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
〔第1の実施例〕
第1の実施例では、本発明の前処理を行った場合のハードコート膜に対する前処理液の温度と染色性との関係について調べた。
具体的には、先ず、試料となるプラスチックレンズの表面にハードコート膜を形成するため、容器にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン200質量部をとり、0.1規定塩酸水溶液50質量部を徐々に滴下して有機ケイ素化合物の加水分解物を得た。
次に、得られた有機ケイ素化合物の加水分解物250質量部に対し、酸化チタン/酸化ジルコニウム/二酸化ケイ素複合酸化物ゾル、(メタノール分散、触媒化成工業社製、固形分30%)570質量部を添加した後、エチレンジアミン四酢酸アルミニウム5質量部を100質量部の純水に溶かして添加した。その後、メタノール100質量部にアルミニウムアセチルアセトネート5量部を溶かしたアルミニウムアセチルアセトネート溶液を反応容器にさらに添加し、更にテトラエトキシシラン25質量部及び界面活性剤L−7001(東レダウコーニング社製)1質量部を添加した後に、攪拌してコーティング液を得た。
次に、屈折率1.74のプラスチックレンズ(ニコン・エシロール社製、製品名「ニコンライト5AS」、サイズ80φ)を用意し、このレンズの洗浄及びアルカリ処理を行った後、プラスチックレンズを上記コーティング液に浸漬し、4mm/secの引上げ速度で引き上げながら、プラスチックレンズの表面に膜厚2.0μmの塗膜をディップコーティングした。
そして、この塗膜を温度100℃にて4時間加熱することによって硬化させ、試料1のハードコート膜付プラスチックレンズを得た。
また、容器に純水1000質量部をとり、染料として、Yellow MPL(商品名、日本化薬社製)1.3質量部、Red MPL(商品名、日本化薬社製)0.8質量部、Blue MPL(商品名、日本化薬社製)0.50質量部、ニッカサンソルト#7000(商品名、日華化学社製)1質量部を加えたものを攪拌して、染色液を得た。
そして、第1の実施例では、水準1として、上記試料1のハードコート膜付プラスチックレンズを用意し、このプラスチックレンズを液温90℃の上記染色液に60分間浸漬し、ハードコート膜の染色を行った。次いで、温度120℃で20分間加熱し、染料の定着を行い、染色ハードコート膜付プラスチックレンズを得た。
そして、この水準1のレンズについては、染色前に1回目の視感透過率の測定を行い、染色開始から10分後に一度取り出して2回目の視感透過率の測定を行い、再び50分間染色を行った後、3回目の視感透過率の測定を行った。なお、視感透過率の測定には、富士光電工業社製の視感透過率計STS−3を用いた。
また、第1の実施例では、水準2〜8として、上記試料1のハードコート膜付プラスチックレンズを複数用意し、各プラスチックレンズを温度の異なる純水(前処理液)に1時間浸漬する前処理を行った後、各プラスチックレンズを液温90℃の上記染色液に60分間浸漬し、ハードコート膜の染色を行った。次いで、温度120℃で20分間加熱し、染料の定着を行い、各染色ハードコート膜付プラスチックレンズを得た。
そして、これら水準2〜8のレンズについても、水準1の場合と同様に、染色前に1回目の視感透過率の測定を行い、染色開始から10分後に一度取り出して2回目の視感透過率の測定を行い、再び50分間染色を行った後、3回目の視感透過率の測定を行った。
以下、これら水準1〜8の処理条件をまとめたものを表1に示す。また、これら水準1〜8の各レンズについて、染色時間が0,10,60分のときの視感透過率を測定した結果を表2に示す。また、水準1〜8の各レンズについて、前処理液の温度と視感透過率との関係をまとめたグラフを図1に示し、染色時間と視感透過率との関係をまとめたグラフを図2に示す。
Figure 0005156588
Figure 0005156588
上記測定結果から、本発明の前処理を行わなかった水準1のレンズでは、染色時間に対する視感透過率の低下の幅が小さく、染色性が不十分であることがわかる。一方、水準2〜8のレンズでは、本発明の前処理を行うことによって、染色時間に対する視感透過率の低下の幅が大きくなり、染色性が向上することがわかる。また、前処理液の温度が高くなるのに比例して、視感透過率が低下することがわかった。
〔第2の実施例〕
第2の実施例では、本発明の前処理を行った場合のハードコート膜に対する染色性及び耐擦傷性の評価を行った。
なお、第2の実施例では、上記試料1のハードコート膜付プラスチックレンズと共に、塗膜を温度100℃にて1時間加熱した以外は、試料1と同様に作製した試料2のハードコート膜付プラスチックレンズを用意した。
(実施例1)
実施例1では、上記試料1のハードコート膜付プラスチックレンズに対し、前処理として液温60℃の純水に1時間浸漬した後、液温90℃の上記染色液に60分間浸漬し、染色を行った。次いで、温度120℃で20分間加熱し、染料の定着を行い、染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
(実施例2)
実施例2では、前処理として、液温60℃の0.01M塩酸水溶液に1時間浸漬した以外は、実施例1と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
(実施例3)
実施例3では、上記試料2のハードコート膜付プラスチックレンズを用いた以外は、実施例1と同様にして、染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
(実施例4)
実施例4では、液温100℃の上記染色液に3時間浸漬し、染色後の加熱処理を120℃で20分とした以外は、実施例3と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
(実施例5)
実施例5では、前処理として、液温60℃の0.01M塩酸水溶液に1時間浸漬した以外は、実施例3と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
(実施例6)
実施例6では、前処理として、液温60℃の0.01M塩酸水溶液に1時間浸漬した以外は、実施例4と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
(比較例1)
比較例1では、屈折率1.74のプラスチックレンズに対して、実施例1と同様の条件で染色処理を行い、プラスチックレンズを染色した後、このプラスチックレンズの表面に、試料1と同様の条件でハードコート膜を形成したハードコート膜付染色プラスチックレンズを作製した。
(比較例2)
比較例2では、前処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
(比較例3)
比較例3では、前処理を行わなかった以外は、実施例3と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
(比較例4)
比較例4では、前処理を行わなかった以外は、実施例4と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
そして、これら実際例1〜6及び比較例1〜4の各レンズについて、染色性及び耐擦傷性の評価を行った。その評価結果を表3に示す。
Figure 0005156588
<染色性の評価>
染色性の評価については、染色前に1回目の視感透過率の測定を行い、染色開始から10分後に一度取り出して2回目の視感透過率の測定を行い、再び50分間染色を行った後、3回目の視感透過率の測定を行った。
<耐擦傷性の評価>
(耐擦傷性試験1)
各レンズの表面を砂消しゴムで摩擦した際のキズの度合いを以下の基準で評価した。
◎:かなり強く摩擦してもキズ付かない。
○:かなり強く摩擦すると少しキズが付く。
×:弱い摩擦でもキズが付く。
(耐擦傷性試験2)
各レンズについて、COLT Laboratories社製のBayer Test法に準拠した方法を用いて耐擦傷性の評価を行った。すなわち、各レンズと未コートのCR39スタンダードレンズとを共に砂中で振動させる試験を行い、この振動試験後のレンズ表面の曇度をそれぞれ測定した。そして、各試料の曇度とCR39スタンダードレンズの曇度との比(CR39スタンダードレンズの曇度/試料の曇度)を算出し、この比の数値に基づいて、以下の基準に従って評価を行った。なお、この比の数値が1であれば、CR39スタンダードレンズと同程度の耐擦傷性であることを示し、数値が増加するほど評価レンズの耐擦傷性が高まっていることを示している。
◎:比の数値が2.5以上である。
○:比の数値が2.0以上であり、且つ2.5未満である。
△:比の数値が1.5以上であり、且つ2.0未満である。
×:比に数値が1.5未満である。
<評価結果>
表3に示す評価結果から、本発明の前処理を行わなかった比較例1〜4のレンズでは、染色時間に対する視感透過率の低下の幅が小さく、染色性が不十分であることがわかる。これに対して、実施例1〜6のレンズでは、本発明の前処理を行うことによって、染色時間に対する視感透過率の低下の幅が大きくなり、染色性が向上したことがわかる。また、染色後の加熱を工夫することにより、耐擦傷性に優れたハードコート膜付プラスチックレンズが得られることがわかった。
図1は、前処理液の温度を異ならせた場合の前処理液の温度と視感透過率との関係を示す特性図である。 図2は、前処理液の温度を異ならせた場合の染色時間と視感透過率との関係を示す特性図である。

Claims (6)

  1. 表面に機能膜が形成された光学部材を染色液に浸漬することにより前記機能膜が染色されてなる機能膜付光学部材の製造方法であって、
    前記光学部材を染色液に浸漬する前に、着色剤を含まない前処理液に浸漬する工程を含み、
    前記前処理液として、pH1.0〜6.0の酸性水溶液を用い、且つ、前記前処理液の温度を40〜100℃とすることを特徴とする機能膜付光学部材の製造方法。
  2. 前記機能膜を水系の染色液を用いて染色した後に、この機能膜に対して加熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の機能膜付光学部材の製造方法。
  3. 前記機能膜が、ハードコート膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能膜付光学部材の製造方法。
  4. 前記ハードコート膜が、
    (A)金属酸化物粒子、
    (B)有機ケイ素化合物又はその加水分解物、
    (C)アセチルアセトネート金属錯体化合物
    を含むシリコン系ハードコート組成物からなることを特徴とする請求項に記載の機能膜付光学部材の製造方法。
  5. 前記光学部材が、プラスチックレンズであることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の機能膜付光学部材の製造方法。
  6. 請求項1〜の何れか一項に記載の製造方法を用いて作製された機能膜付光学部材からなることを特徴とする眼鏡レンズ。
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