JP5156588B2 - 機能膜付光学部材の製造方法及び眼鏡レンズ - Google Patents
機能膜付光学部材の製造方法及び眼鏡レンズ Download PDFInfo
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Description
また、本発明は、そのような製造方法を用いて作製された機能膜付光学部材からなる眼鏡レンズを提供することを目的とする。
なお、本実施形態では、プラスチックレンズ(光学部材)の表面にハードコート膜(機能膜)が形成され、このプラスチックレンズを染色液に浸漬することによりハードコート膜が染色されてなるハードコート膜付プラスチックレンズ(機能膜付光学部材)を製造する場合を例に挙げて説明する。
R1 aR2 bSi(OR3)4−(a+b) … (1)
(但し、式(1)中、R1は、官能基を有する有機基又は不飽和二重結合を有する炭素数4〜14の有機基であり、R2は、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基であり、R3は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアシル基であり、a及びbは、それぞれ0又は1であり、且つa+bは、1又は2である。)
例えば、上記ハードコート膜付プラスチックレンズは、プラスチックレンズの表面にハードコート膜を直接設けた構成に限らず、レンズ基材(プラスチックレンズ)とハードコート層(ハードコート膜)との間にプライマー層を設けた構成としてもよい。これにより、レンズ基材とハードコート層との密着性を向上させると共に、耐衝撃性も向上させることが可能である。
第1の実施例では、本発明の前処理を行った場合のハードコート膜に対する前処理液の温度と染色性との関係について調べた。
第2の実施例では、本発明の前処理を行った場合のハードコート膜に対する染色性及び耐擦傷性の評価を行った。
実施例1では、上記試料1のハードコート膜付プラスチックレンズに対し、前処理として液温60℃の純水に1時間浸漬した後、液温90℃の上記染色液に60分間浸漬し、染色を行った。次いで、温度120℃で20分間加熱し、染料の定着を行い、染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
実施例2では、前処理として、液温60℃の0.01M塩酸水溶液に1時間浸漬した以外は、実施例1と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
実施例3では、上記試料2のハードコート膜付プラスチックレンズを用いた以外は、実施例1と同様にして、染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
実施例4では、液温100℃の上記染色液に3時間浸漬し、染色後の加熱処理を120℃で20分とした以外は、実施例3と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
実施例5では、前処理として、液温60℃の0.01M塩酸水溶液に1時間浸漬した以外は、実施例3と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
実施例6では、前処理として、液温60℃の0.01M塩酸水溶液に1時間浸漬した以外は、実施例4と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
比較例1では、屈折率1.74のプラスチックレンズに対して、実施例1と同様の条件で染色処理を行い、プラスチックレンズを染色した後、このプラスチックレンズの表面に、試料1と同様の条件でハードコート膜を形成したハードコート膜付染色プラスチックレンズを作製した。
比較例2では、前処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
比較例3では、前処理を行わなかった以外は、実施例3と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
比較例4では、前処理を行わなかった以外は、実施例4と同様にして染色ハードコート膜付プラスチックレンズを作製した。
染色性の評価については、染色前に1回目の視感透過率の測定を行い、染色開始から10分後に一度取り出して2回目の視感透過率の測定を行い、再び50分間染色を行った後、3回目の視感透過率の測定を行った。
(耐擦傷性試験1)
各レンズの表面を砂消しゴムで摩擦した際のキズの度合いを以下の基準で評価した。
◎:かなり強く摩擦してもキズ付かない。
○:かなり強く摩擦すると少しキズが付く。
×:弱い摩擦でもキズが付く。
各レンズについて、COLT Laboratories社製のBayer Test法に準拠した方法を用いて耐擦傷性の評価を行った。すなわち、各レンズと未コートのCR39スタンダードレンズとを共に砂中で振動させる試験を行い、この振動試験後のレンズ表面の曇度をそれぞれ測定した。そして、各試料の曇度とCR39スタンダードレンズの曇度との比(CR39スタンダードレンズの曇度/試料の曇度)を算出し、この比の数値に基づいて、以下の基準に従って評価を行った。なお、この比の数値が1であれば、CR39スタンダードレンズと同程度の耐擦傷性であることを示し、数値が増加するほど評価レンズの耐擦傷性が高まっていることを示している。
◎:比の数値が2.5以上である。
○:比の数値が2.0以上であり、且つ2.5未満である。
△:比の数値が1.5以上であり、且つ2.0未満である。
×:比に数値が1.5未満である。
表3に示す評価結果から、本発明の前処理を行わなかった比較例1〜4のレンズでは、染色時間に対する視感透過率の低下の幅が小さく、染色性が不十分であることがわかる。これに対して、実施例1〜6のレンズでは、本発明の前処理を行うことによって、染色時間に対する視感透過率の低下の幅が大きくなり、染色性が向上したことがわかる。また、染色後の加熱を工夫することにより、耐擦傷性に優れたハードコート膜付プラスチックレンズが得られることがわかった。
Claims (6)
- 表面に機能膜が形成された光学部材を染色液に浸漬することにより前記機能膜が染色されてなる機能膜付光学部材の製造方法であって、
前記光学部材を染色液に浸漬する前に、着色剤を含まない前処理液に浸漬する工程を含み、
前記前処理液として、pH1.0〜6.0の酸性水溶液を用い、且つ、前記前処理液の温度を40〜100℃とすることを特徴とする機能膜付光学部材の製造方法。 - 前記機能膜を水系の染色液を用いて染色した後に、この機能膜に対して加熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の機能膜付光学部材の製造方法。
- 前記機能膜が、ハードコート膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能膜付光学部材の製造方法。
- 前記ハードコート膜が、
(A)金属酸化物粒子、
(B)有機ケイ素化合物又はその加水分解物、
(C)アセチルアセトネート金属錯体化合物
を含むシリコン系ハードコート組成物からなることを特徴とする請求項3に記載の機能膜付光学部材の製造方法。 - 前記光学部材が、プラスチックレンズであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の機能膜付光学部材の製造方法。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の製造方法を用いて作製された機能膜付光学部材からなることを特徴とする眼鏡レンズ。
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