JPH10120443A - 表面改質膜用組成物、表面改質膜、表示装置用フィルター及び表示装置 - Google Patents

表面改質膜用組成物、表面改質膜、表示装置用フィルター及び表示装置

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JPH10120443A
JPH10120443A JP8276315A JP27631596A JPH10120443A JP H10120443 A JPH10120443 A JP H10120443A JP 8276315 A JP8276315 A JP 8276315A JP 27631596 A JP27631596 A JP 27631596A JP H10120443 A JPH10120443 A JP H10120443A
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solvent
group
hydrocarbon
composition
alcohol
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JP8276315A
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Hirofumi Kondo
洋文 近藤
Hideaki Hanaoka
英章 花岡
Tomio Kobayashi
富夫 小林
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐汚染性、耐擦傷性、耐加工性などが要
求される反射防止性を有する表示装置等に適用され、均
一塗布性に優れた表面改質膜用組成物、この組成物によ
り成膜された表面改質膜、それを有するフィルター、表
示装置を提供する。 【手段】下記一般式(1)及び/又は(2)で示される
アルコキシシラン化合物をアルコール系溶剤と炭化水素
系溶剤との混合溶媒に溶解して組成物を調製し、これを
用いて表面改質膜を成膜し、フィルター、表示装置を得
る。式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフルオロ
ポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2は非
置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は置換
の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。R
f{−R1−R2−Si(OR33j …(1) Rf{Si(OR33j…(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐汚染性、
耐擦傷性、耐加工性などが要求される反射防止性を有す
る表示装置等の表面に適用される表面改質膜用組成物、
これにより成膜される表面改質膜、さらには表示装置や
CRTの前面板などとして使用されることが可能なかか
る表面改質膜を有する表示装置用フィルター及び表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】透明材料を通して物を見る場合、反射光
が強く、反射像が明瞭であることは煩わしく、例えば眼
鏡用レンズではゴースト、フレアなどと呼ばれる反射像
が生じて目に不快感を与えたりする。またルッキングガ
ラスなどではガラス面上の反射した光のために内容物が
判然としない問題が生ずる。
【0003】従来より反射防止のために屈折率が基材と
異なる物質を、真空蒸着法などにより基材上に被覆形成
させる方法が行なわれていた。この場合反射防止効果を
最も高いものとするためには、基材を被覆する物質の厚
みの選択が重要であることが知られている。
【0004】例えば単層被膜においては基材より低屈折
率の物質を光学的膜厚を対象とする光波長の1/4ない
しはその奇数倍に選択することが極小の反射率すなわち
極大の透過率を与えることが知られている。ここで、光
学的膜厚とは、被膜形成材料の屈折率と該被膜の膜厚の
積で与えられるものである。さらに複層の反射防止膜の
形成が可能であり、この場合の膜厚の選択に関していく
つかの提案がされている(光学技術コンタクト Vol.9,
No.8,第17頁 (1971) )。
【0005】一方、特開昭58−46301号公報、特
開昭59−49501号公報、特開昭59−50401
号公報には前記の光学的膜厚の条件を満足させる複層か
らなる反射防止膜を液状組成物を用いて形成する方法に
ついて記載されている。近年になって、軽量安全性、取
り扱い易さなどの長所を生かして、プラスチックを基材
とした反射防止性を有する光学物品が考案され、実用化
されている。そしてその多くは表層膜に二酸化珪素を有
する膜の構成が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】蒸着法により形成され
た反射防止膜は被膜形成材料が主として無機酸化物ある
いは無機ハロゲン化物であり、プラスチック基材におい
て、反射防止膜は本質的には高い表面硬度を有する半
面、手垢、指紋、汗、ヘアーリキッド、ヘアースプレー
などの汚れが目立ち易く、またこの汚れが除去しにくい
という欠点があった。さらには表面のすべり性が悪いた
めに傷が太くなるなどの問題点を有している。また水に
対する濡れ性が大きいために雨滴、水の飛沫が付着する
と大きく拡がり、眼鏡レンズなどにおいては大面積にわ
たって物体がゆがんで見えるなどの問題点があった。
【0007】特開昭58−46301号公報、特開昭5
9−49501号公報、特開昭59−50401号公報
に記載の反射防止膜においても硬い表面硬度を付与する
ためには最表層膜中にシリカ微粒子などに代表される無
機物を30重量%以上含ませることが必要であるが、こ
のような膜組成から得られる反射防止膜は、表面のすべ
りが悪く、布などの磨耗によって傷がつき易いなどの問
題点を有している。
【0008】これらの問題点を改良する目的で各種の表
面処理剤が提案され、市販されているが、いずれも水や
各種の溶剤によって溶解するために一時的に機能を付与
するものであり、永続性がなく耐久性に乏しいものであ
った。また、特開平3−266801号公報には、撥水
性を付与するために、フッ素系樹脂層を形成させる報告
がある。しかしながらこれらのフッ素系樹脂では確かに
撥水性は増すが、摩擦あるいは磨耗に対して満足する結
果が得られていない。
【0009】また、フッ素系化合物を溶剤に溶解した表
面改質膜用組成物は、溶剤の乾燥過程で塗布面ではじか
れて球状になりやすく、その結果塗布ムラが生じやすい
という問題があり、均一な皮膜を形成することが困難で
あった。本発明は、このような実状に鑑みて成され、優
れた耐汚染性、耐擦傷性、耐加工性などが要求される反
射防止性を有する表示装置等に適用され、均一塗布性に
優れた表面改質膜用組成物を提供することを目的とす
る。
【0010】また、本発明は、かかる表面改質膜用組成
物から成膜される表面改質膜を提供することを目的とす
る。更に、このような表面改質膜を有し、表示装置、表
示装置の前面板などとして使用される表示装置用フィル
ターを提供することを目的とする。
【0011】また更に、本発明は、かかる表示装置用フ
ィルターを有する表示装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
点を解決するために鋭意検討した結果、以下に述べる本
発明に到達したものである。すなわち、本発明の表面改
質膜用組成物は、下記一般式(1)及び/又は(2)で
示されるアルコキシシラン化合物をアルコール系溶剤と
炭化水素系溶剤との混合溶媒に溶解してなることを特徴
とする。
【0013】 Rf{−R1−R2−Si(OR33j …(1) Rf{Si(OR33j …(2) (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフル
オロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2
は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は
置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
である。
【0014】本発明の表面改質膜は、無機基材表面に上
記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシ
シラン化合物をアルコール系溶剤と炭化水素系溶剤との
混合溶媒を用いて溶解した表面改質膜用組成物を用いて
成膜されてなることを特徴とする。
【0015】本発明の表示装置用フィルターは、プラス
チック基板上に設けられた単層または多層の反射防止膜
の表面に、上記一般式(I)及び/又は(2)で示され
るアルコキシシラン化合物をアルコール系溶剤と炭化水
素系溶剤との混合溶媒を用いて溶解した表面改質膜用組
成物を用いて形成された表面改質膜を有することを特徴
とする。
【0016】本発明の表示装置は、プラスチック基板上
に設けられた単層または多層の反射防止膜の表面に、上
記一般式(I)及び/又は(2)で示されるアルコキシ
シラン化合物をアルコール系溶剤と炭化水素系溶剤との
混合溶媒を用いて溶解した表面改質膜用組成物を用いて
表面改質膜が成膜された表示装置用フィルターを有する
ことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明者等は、上記したような従来技術におけ
る問題を解決するために、種々検討を行なう過程におい
て、フルオロアルキル化合物あるいはパーフルオロポリ
エーテル化合物による表面処理によって、耐摩擦磨耗、
あるいは耐汚染性が向上するという知見を得た。しかし
ながら、たしかにこの化合物による表面処理は非常に効
果があるが、化学的な安定性、例えば溶剤処理等でその
効果が著しく低減するとの結論に達した。これはとりも
なおさず、表面のSiO2 との相互作用に係るものと考
えられる。
【0018】そこで、本発明者らはさらに鋭意検討を行
なった結果、一般式(I)、(2)で表されるような一
分子中にフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエー
テル基とアルコキシシラン基を有する化合物で被覆する
ことによって反射防止性を有する表示装置等の表面の耐
磨耗性あるいは耐汚染性の問題を解決しようとした。つ
まり、SiO2 表面との相互作用を持たせるためにアル
コキシシラン構造部を分子構造中に含み、表面で強固な
結合をなさせるものである。それゆえに、従来不満足で
あった、耐溶剤性等の問題を克服することができるもの
である。
【0019】しかしながら、上記一般式(1)、(2)
で示されるアルコキシシラン化合物をアルコール系溶剤
に溶解した組成物で成膜される表面改質膜には、塗布む
らが生じやすく、それが原因となって耐汚染性、目視に
よる外観不良等の諸特性に悪影響を及ぼすことがわかっ
てきた。
【0020】そこで、本発明者らは、上記一般式
(1)、(2)で示されるアルコキシシラン化合物で成
膜される表面改質膜の均一な塗膜形成を目的として鋭意
検討を行った。その結果、上記一般式(1)、(2)で
示されるアルコキシシラン化合物はフッ素化合物である
ため、かかる化合物を溶解した組成物は、溶剤の乾燥過
程でアルコールなどの表面エネルギー(特にその極性成
分)が大きい溶剤では、組成物が塗布すべき表面ではじ
かれて球状になり、その結果塗布むらが生じやすくなる
欠点を有していることを知見し、アルコール系溶剤に表
面エネルギーの小さな炭化水素系溶剤を加えて混合溶媒
とすることにより、組成物を塗布面に均一に塗布できる
ことを見出した。
【0021】この場合、アルコール系溶剤の体積をA、
炭化水素系溶剤の体積をHとしたとき、混合溶媒のA/
Hが0.2〜5の範囲とすることが好ましい。この範囲
外では、混合溶媒とした効果が薄くなり、均一な塗布が
できなくなるおそれがある。また、塗布性は溶剤の沸点
に大きく影響されることを見出した。即ち、溶剤の乾燥
速度は沸点が70℃のもので通常約1μm/sといわれ
ており、高沸点溶剤では塗布後の乾燥の問題が残る場合
があり、低沸点では、溶剤乾燥時の対流により塗布むら
が生じやすいという報告がある(IEEE Trans MAG.,Vol.
31,No6,1995,pp2982-2984)。その結果、溶剤として沸
点が50℃〜120℃の範囲の溶剤を用いることによ
り、塗布ムラを可及的に抑制し、ムラのない膜厚が均一
な潤滑膜を得ることができることを見出した。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づき
より詳細に説明する。図1は、本発明の一実施態様に係
る表示装置用フィルターにおける断面構造を示す。
【0023】図1に示す実施態様における表示装置用フ
ィルター10は、プラスチック基材1の一表面上に反射
防止膜2が設けられており、この上面に表面改質膜3が
形成されている。本実施形態に係るフィルター10は、
たとえば図2に示す陰極線管(CRT)100のパネル
101の表面に接着剤層を介して接着してある。フィル
ター10の機材1をパネル101に接着する接着剤とし
ては、特に限定されず、各種の公知のものを用いること
ができるが、一般には紫外線硬化樹脂系接着剤が使用さ
れ、かつその硬化層の屈折率が上記パネルの屈折率と近
似する、例えばその差が0.8%以内となるものである
ことが好ましい。具体的には、例えば、分子量550以
上のビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート
10重量%、ウレタン(メタ)アクリレート20重量
%、水酸基含有モノ(メタ)アクリレート70重量%、
光重合開始剤3%およびその他の添加剤数%程度を含有
する組成物などが用いられ得る。
【0024】本発明において、図1に示すフィルター1
0のプラスチック基材1としては、特に限定されるもの
ではなく、有機高分子からなる基材であればいかなるも
のを用いても良いが、透明性、屈折率、分散などの光学
特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸特性
から見て、特に、ポリメチルメタアクリレート、メチル
メタクリレートと他のアルキル(メタ)アクリレート、
スチレンなどといったビニルモノマーとの共重合体など
の(メタ)アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ジエチ
レングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)
などのポリカーボネート系樹脂;(臭素化)ビスフェノ
ールA型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし
共重合体、(臭素化)ビスフェノールAのモノ(メタ)
アクリレートのウレタン変性モノマーの重合体および共
重合体などといった熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂;
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレートおよび不飽和ポリエステル;アク
リロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポ
リウレタン、エポキシ樹脂などが好ましい。また耐熱性
を考慮したアラミド系樹脂の使用も可能である。この場
合には加熱温度の上限が200℃以上となり、その温度
範囲が幅広くなることが予想される。
【0025】また上記のようなプラスチック基材表面は
ハードコートなどの被膜材料で被覆されたものであって
もよく、後述する無機物からなる反射防止膜の下層に存
在するこの被膜材料によって、付着性、硬度、耐薬品
性、耐久性、染色性などの諸物性を向上させることが可
能である。
【0026】硬度向上のためには従来プラスチックの表
面高硬度化被膜として知られる各種の材料を適用したも
のを用いることができ、例えば特公昭50−28092
号公報、特公昭50−28446号公報、特公昭51−
24368号公報、特開昭52−112698号公報、
特公昭57−2735号公報に開示されるような技術を
適用可能である。さらには、(メタ)アクリル酸エステ
ルとペンタエリスリトールなどの架橋剤とを用いてなる
アクリル系架橋物や、オルガノポリシロキサン系などと
いったものであってもよい。これらは単独であるいは適
宜組合せて用いることができる。
【0027】このようなプラスチック基材1上部に形成
される反射防止膜2は、単層または多層構造を有するも
のであって、各種の組合せが可能である。特に多層構造
とする場合には、その表層膜より下層を形成する物質の
膜構成は要求される性能、例えば耐熱性、反射防止性、
反射光色、耐久性、表面硬度などに応じて適宜実験等に
基づき決定することができる。
【0028】これらの反射防止膜を形成する二酸化珪素
を含めた各種無機物の被膜化方法としては、真空蒸着、
イオンプレーティング、スパッタリングに代表される各
種のPVD(Physical Vapor Deposition )法がある。
反射防止膜を得る上で、上記のPVD法に適した無機物
(無機基材)としては、SiO2 以外に、例えば、Al
2 3 、ZrO2 、TiO2 、Ta2 5 、TaH
2 、SiO、TiO、Ti2 3 、HfO2 、Zn
O、In2 3 /SnO2 、Y2 3 、Yb2 3 、S
2 3 、MgO、CeO2 などの無機酸化物が例示で
きる。 なおこのようなPVD法によって形成される反
射防止膜の最外表層膜は、主として二酸化珪素から構成
されるものであることが好ましい。二酸化珪素以外の場
合には十分な表面硬度が得られないばかりでなく、本発
明の目的とする耐汚染性、耐擦傷性の向上、さらにはこ
れらの性能の耐久性が顕著に現れない虞れがあるためで
ある。しかしながら、本発明は、主として、このような
反射防止膜の表面を被覆する表面改質膜の構成に係るも
のであるゆえ、特に反射防止膜の最外表層膜の材質を限
定するものではなく、二酸化珪素以外のもので構成され
ていてもよい。
【0029】また、この反射防止膜の最外表層膜の膜厚
は、反射防止効果以外の要求性能によってそれぞれ決定
されるべきものであるが、特に反射防止効果を最大限に
発揮させる目的には表層膜の光学的膜厚を対象とする光
波長の1/4ないしはその奇数倍に選択することが極小
の反射率すなわち極大の透過率を与えるという点から好
ましい。
【0030】一方、前記表層膜の下層部の構成等につい
ては特に限定されない。すなわち、前記表層膜を直接基
材上に被膜形成させることも可能であるが、反射防止効
果をより顕著なものとするためには、基材上に表層膜よ
り屈折率の高い被膜を一層以上被覆することが有効であ
る。これらの複層の反射防止膜の膜厚および屈折率の選
択に関してもいくつかの提案がなされている(例えば、
光学技術コンタクト Vol.9 No.8 p.17 (1971) )。
【0031】また下層部に、カーボンスパッタ膜、カー
ボンCVD膜などの無機光透過膜を設けることも可能で
ある。しかして本発明においては、上記したような単層
または多層の反射防止膜2の表面を被覆する表面改質膜
3は、下記一般式(I)及び/又は(2)で表されるフ
ルオロアルキル基あるいはパーフルオロポリエーテル基
を有するアルコキシシラン化合物を含有する表面改質膜
用組成物から形成される。
【0032】 Rf{−R1−R2−Si(OR33j …(1) Rf{Si(OR33j …(2) (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフル
オロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2
は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は
置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。) Rf としてのパーフルオロポリエーテル基の分子構造と
しては、特に限定されるものではなく、各種鎖長のパー
フルオロポリエーテル基が含まれるが、好ましくはC1
〜C3 程度のパーフルオロアルキルオキシ基を繰返し単
位とする一価又は二価のパーフルオロポリエーテルであ
る。一価のパーフルオロポリエーテルとしては、具体的
には例えば、次に示すようなものがある。
【0033】
【化1】
【0034】また、二価のパーフルオロポリエーテル基
としては、例えば次のようなものがある。
【0035】
【化2】
【0036】なお上記化学構造式中の、l、m、n、
k、p及びqはそれぞれ1以上の整数を示す。しかしな
がら、前記したようにパーフルオロポリエーテルの分子
構造はこれら例示したものに限定されるものではない。
一方、Rf としてのフルオロアルキル基の分子構造とし
ても、特に限定されるものではなく、アルキル基の水素
原子をフッ素原子で置換したものが挙げられ、各種鎖長
および各種フッ素置換度のフルオロアルキル基が含まれ
るが、下記に示す分子構造のものが好ましい。
【0037】F(CF2s(CH2t −(CH2t(CF2s(CH2t− この式中、sは6〜12の整数、tは20以下の整数を
示す。なお、一般式(I)又は(2)で表される化合物
のうちフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化
合物は、上記したような耐溶剤性、耐水汚染性などとい
った面からは十分なものであるが、耐磨耗性や摩擦特性
の面では、トライボロジー特性に優れたパーフルオロポ
リエーテル基を分子構造中に有するアルコキシシラン化
合物を用いた場合と比較すると劣るものとなるゆえ、望
ましくは後者の化合物である。
【0038】一般式(I)におけるR1としての二価の
原子又は原子団としては、特に限定されるものではない
が、通常は、例えばCOO、CONH、S等の原子ある
いは原子団である。また一般式(I)におけるR2は非
置換又は置換の二価の炭化水素基であり、例えばメチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのア
ルキレン基が例示され、炭素数は特に制限されない。
【0039】また、R3 は、アルコキシ基を構成する非
置換又は置換の一価炭化水素基であり、炭素数は特に限
定されるものではないが、例えば、C1 〜C5 程度、例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基
等のアルキル基が例示される。なお、上記R1〜R3
は、当該炭素原子鎖の柔軟性ないしゆらぎ性を損なわな
い限りにおいて、一部に不飽和結合、特性基、芳香環な
どの環状構造を有するものであってもよく、さらに、短
鎖の分岐鎖ないし側鎖を有するものであってもよい。
【0040】また、この一般式(I)又は(2)で表さ
れるアルコキシ化合物の分子量は特に限定されないが、
安定性、取扱い易さなどの点から数平均分子量で500
〜10000、さらに好ましくは500〜4000程度
のものが使用される。さらにこのような化合物により形
成される表面改質膜の膜厚についても、特に限定される
ものではないが、反射防止性と水に対する静止接触角と
のバランスおよび表面硬度との関係から、0.1nm〜
100nm、さらに好ましくは10nm以下、具体的に
は0.5nm〜5nm程度であることが望ましい。
【0041】またその塗布方法としては、通常のコーテ
ィング作業で用いられる各種の方法が適用可能である
が、反射防止効果の均一性、更には反射干渉色のコント
ロールという観点からスピン塗布、ディッピング塗布、
カーテンフロー塗布などが好ましく用いられる。また作
業性の点から紙、布などの材料に液を含浸させて塗布流
延させる方法も好ましく使用される。
【0042】このような塗布作業において、前記一般式
(I)又は(2)で表される化合物は、通常揮発性溶媒
に希釈され、表面改質膜用組成物として使用される。溶
媒として用いられるものは、特に限定されないが、使用
にあたっては組成物の安定性、被塗布面である反射防止
膜の最表面層、代表的には二酸化珪素膜に対する濡れ
性、揮発性などを考慮して決められるべきである。本発
明においては、アルコール系溶剤と炭化水素系溶剤との
混合溶媒を用いることが、塗膜の均一塗布性から好まし
い。
【0043】アルコール系溶剤としては、メタノール
(沸点64.5℃)、エタノール(沸点78.3℃)、
n−プロパノール(沸点97.2℃)、イソプロパノー
ル(沸点82.4℃)、n−ブチルアルコール(沸点1
17.5℃)、i−ブチルアルコール(沸点108
℃)、sec−ブチルアルコール(沸点98.5℃)、
t−ブチルアルコール(沸点82.5℃)、sec−ア
ミルアルコール(沸点119℃)等の沸点が50〜12
0℃の範囲のアルコール系溶剤が好ましく、これらの1
種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ
る。
【0044】一方、炭化水素系溶剤としては、n−ヘキ
サン(沸点68.8℃)、n−ヘプタン(沸点98.4
℃)等のパラフィン類、ベンゼン(沸点80℃)、トル
エン(沸点111℃)等の芳香族炭化水素、シクロヘキ
サン(沸点81℃)等のシクロパラフィン等の沸点が5
0〜120℃の範囲の1種を単独で又は2種以上を混合
して用いることができる。
【0045】これらのアルコール系溶剤と炭化水素系溶
剤の混合比は、特に制限されないが、アルコール系溶剤
の体積をA、炭化水素系溶剤の体積をHとしたとき、混
合溶媒のA/Hを0.2〜5の範囲とすることが好まし
い。この範囲内とすることにより、塗布性が良好にな
り、塗膜の膜厚が好ましく均一になる。
【0046】一般式(I)及び/又は(2)で表される
化合物を含有する表面改質膜用組成物を調製するに際し
ての希釈溶剤による希釈度合としては特に限定されるも
のではないが、例えば、0.1〜5.0重量%濃度程度
に調製することが適当である。この場合、必要により、
上記混合溶媒に、他の溶媒を適宜添加することも可能で
ある。
【0047】またこの塗布溶液中には、必要に応じて反
応触媒としての酸あるいは塩基を添加することも可能で
ある。酸触媒としては例えば,硫酸、塩酸、硝酸、燐
酸、酸性白土、酸化鉄、硼酸、トリフルオロ酢酸などを
用いることができ、また塩基触媒としては水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金
属水酸化物などを用いることができる。これらの触媒の
添加量は、0.001〜1mmol/L程度が好まし
い。これらの酸、塩基に加えて燐酸エステル系の触媒、
あるいはアセチルアセトンのようなカルボニル化合物を
添加してその触媒効果を高めることが可能である。この
ように触媒が添加されることによって一般式(I)又は
(2)で表される化合物のシラノ基と、反射防止膜表面
のSiO2 との結合反応を伴なう相互作用が、加熱を行
なわずとも良好に進行する。このためSiO2 上の薄膜
材料においては、その膜厚から耐久性への要求が厳しい
ものであるにもかかわらず、良好な耐久性の向上が望め
るものとなる。このようなカルボニル化合物の添加量
は、0.1〜100mmol/L程度とすることができ
る。
【0048】本発明に係る表面改質膜用組成物の塗布に
あたっては、塗布されるべき反射防止膜の表面は清浄化
されていることが好ましく、清浄化に際しては、界面活
性剤による汚れ除去、さらには有機溶剤による脱脂、フ
ッ素系ガスによる蒸気洗浄などが適用される。また密着
性、耐久性の向上を目的として各種の前処理を施すこと
も有効な手段であり、特に好ましく用いられる方法とし
ては活性化ガス処理、酸、アルカリなどによる薬品処理
などが挙げられる。
【0049】本発明の表面改質膜用組成物は、特に酸化
シリコン表面に対して耐汚染性、耐擦傷性、耐加工性に
加えて耐磨耗性等を付与できる表面改質膜を形成するこ
とができる。そのため、本発明の表面改質膜が成膜され
た表示装置用フィルターは、通常の反射防止膜よりも汚
れにくく、かつ汚れが目立たない。さらには汚れが容易
に除去できる、あるいは表面の滑りが良好なため傷がつ
きにくいなどの長所を有し、かつこれらの性能に加えて
磨耗に関しても耐久性がある。
【0050】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば上述した実施形態では、フィル
ター10を、図2に示すCRT100のパネル101に
接着して用いたが、本発明に係るフィルター10は、必
ずしもパネル101の表面に接着して用いるものである
必要はなく、パネル101の前面に取り外し自在に取り
付けるタイプのフィルターであっても良い。
【0051】また、フィルター10が取り付けられる対
象となる表示装置のパネルとしては、CRTのような曲
率を有するパネルに限らず、液晶ディスプレイ装置ある
いはプラズマディスプレイのような平面表示装置のパネ
ルの他、各種の表示装置のパネルが含まれる。これら表
示装置のパネルには、本発明に係るフィルターは、接着
剤などで接着しても良いが、取り外し自在に装着しても
良い。取り外し自在に装着する場合には、本発明に係る
フィルターの外周部には、枠体が装着され、この枠体に
対して本発明に係るフィルターが張設されることにな
る。
【0052】また、本発明に係るフィルターの多層構造
は、図1に示す実施形態に限定されず、種々の多層構造
が考えられる。更に、本発明の表面改質膜用組成物は、
上記以外に例えば直接ガラスパネルや、プラスチック製
のレンズなどにも適用でき、応用範囲が広いものであ
る。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。なお実施例中において「部」は重量部を
表すものである。
【0054】実施例1 (1)反射防止膜の作製 基材として厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルムを用いた。このPETフィ
ルムの片面には、あらかじめ表面硬度を確保するための
ハードコート処理が施されており、その上に反射防止膜
として真空蒸着法により、厚さ120nmのITOをプ
レ蒸着し、その上にSiO2 を70nm厚に蒸着して形
成した。なお、ここで言うハードコート処理とは、一般
的にアクリル系架橋性樹脂原料を塗布し、紫外線や電子
線等によって架橋硬化させたり、シリコン系、メラミン
系、エポキシ系の樹脂原料を塗布し、熱硬化させたりし
て行われているものである。 (2)パーフルオロポリエーテル基を持つアルコキシシ
ラン化合物含有コーティング組成物の調製 パーフルオロポリエーテル基を持つアルコキシシラン化
合物(潤滑剤)(分子量約1000の表1中の化合物
1)2gを、イソプロピルアルコール100ccとトル
エン100ccとの混合溶媒(表2中の溶剤1)に溶解
し、これに濃塩酸を0.01cc加え均一な溶液とした
のち、さらにメンブランフィルターで瀘過を行ない、コ
ーティング組成物を得た。 (3)塗布および乾燥 前記(1)で得た反射防止膜の表面に前記(2)で調製
したコーティング組成物を5cm/minの引上げ速度
でディップコーティングし、その後風乾して反射防止性
を有する光学物品を得た。なお塗布および乾燥工程にお
いて特に温度操作は行なわなかった。 (4)性能評価 得られた光学物品の性能は下記の方法に従い試験を行な
うことにより評価した。下記(a)から(e)までの評
価項目の試験結果を表3に示す。また耐溶剤性を見るた
め、エタノール洗浄を行なった後に再度同様の試験を行
なった。得られた結果を同様に表3に示す。
【0055】(a)耐汚染性試験 水道水5mlをフィルター面にしたたらせ、室温雰囲気
(25℃±2℃)下で48時間放置後、布で拭いた後の
水垢の残存状態を目視にて観察した。水垢が除去できた
時を良好とし、除去できなかった場合を不良とした。
【0056】(b)表面滑り性 鉛筆(硬度 3H)で表面を引掻いた時の引っかかり具
合を評価した。判定基準は以下の通りである。 ○:まったく引っかからない。
【0057】 △:強くすると引っかかる。 ×:弱くしても引っかかる。 (c)耐磨耗性試験 光学物品表面をスチールウール#0000、200g荷
重下で30回擦った後傷が付いたかどうかで評価した。
判定基準は以下の通りである。
【0058】 ○:全く付かない。 △:細かい傷が付く。 ×:傷が著しい。 (d)手垢の付きにくさ 手垢の付きにくさについて、目視にて評価した。判定基
準は以下の通りである。
【0059】 ○:付いても目立たない。 △:付くが簡単に除去できる。 ×:付いた後が目立つ。 (e)接触角 水およびヨウ化メチレンの接触角を測定した。測定は、
協和界面化学社製CA−Aを用いて行なった。なお測定
された接触角の値は、表面改質膜の残存率ないし水ある
いは油に対する汚染性に関しての目安となるものであ
る。また、溶剤に対する安定性を調べる目的で、表面を
エタノールで洗浄した前後での値を測定した。実施例2 実施例1におけるパーフルオロポリエーテル基を有する
アルコキシシラン化合物含有コーティング組成物の調製
において、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコ
キシシラン化合物として表1中の化合物2を用いると共
に、表2中の溶剤1の代わりに溶剤2を用いた以外は、
実施例1とすべて同様にして光学物品を得、その性能評
価を行なった。得られた結果を表3に示す。実施例3〜8 実施例1において、アルコキシシラン化合物(潤滑剤)
及び溶剤を表3に示したものを用いた以外は、実施例1
とすべて同様にして光学物品を得、その性能評価を行な
った。得られた結果を表3に示す。比較例1 実施例1におけるパーフルオロポリエーテル基を有する
アルコキシシラン化合物含有コーティング組成物の調製
において、混合溶媒を用いずに、アルコール溶剤だけを
用いた以外は、実施例1とすべて同様にして光学物品を
得、その性能評価を行なった。得られた結果を表3に示
す。比較例2〜4 実施例1におけるパーフルオロポリエーテル基を有する
アルコキシシラン化合物含有コーティング組成物の調製
において、溶剤としてアルコールと炭化水素の比率を変
えた表2の溶剤を用いた以外は、実施例1とすべて同様
にして光学部品を得、その性能評価を行った。得られた
結果を表3に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】表3の結果より、アルコール系溶剤に炭化
水素系溶剤を加えて混合溶媒とすることにより、塗装性
が改良され、塗布ムラが減少することが認められる。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る表面改
質膜用組成物は、上記式(1)及び/又は(2)のアル
コキシシラン化合物を混合溶媒に溶解し、塗装性が改良
されたものである。
【0065】また、本発明にかかる表面改質膜は、無機
膜上にかかる組成物を用いて形成されている。更に、本
発明にかかる表示装置用フィルターは、プラスチック基
板上に設けられた単層または多層の反射防止膜の表面
が、上記表面改質膜で被覆してある。
【0066】このため、本発明に係る表面改質膜用組成
物、表面改質膜、表示装置用フィルターおよびそれを有
する表示装置は、次の効果を有する。 (1)指紋、手垢などによる汚れが付きにくく、また目
立ちにくい。これらの効果が永続的に保持される。 (2)水垢などが付着し、乾燥されても容易に除去する
ことが可能である。 (3)表面滑り性が良好である。 (4)ほこりなどの汚れが付きにくく、使用性が良い。 (5)磨耗に対する耐久性がある。 (6)塗布後の乾燥温度を50℃以下の低温にすること
も可能である。 (7)塗布ムラが少なくすることができるので、歩留ま
りが改善され、かつ見た目にも美しく、不快感がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様に係る表示装置用フ
ィルターにおける断面構造を示す図面である。
【図2】 図2は本発明の一実施態様に係るCRTの概
略斜視図である。
【符号の説明】
1… プラスチック基材、2… 反射防止膜、3… 表
面改質膜、10… フィルター、100… CRT、1
01… パネル
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // G02F 1/1335 G02B 1/10 A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)及び/又は(2)で示さ
    れるアルコキシシラン化合物をアルコール系溶剤と炭化
    水素系溶剤との混合溶媒に溶解してなることを特徴とす
    る表面改質膜用組成物。 Rf{−R1−R2−Si(OR33j …(1) Rf{Si(OR33j …(2) (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフル
    オロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2
    は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は
    置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
  2. 【請求項2】上記アルコール系溶剤と炭化水素系溶剤の
    沸点がそれぞれ50〜120℃である請求項1記載の表
    面改質膜用組成物。
  3. 【請求項3】上記アルコール系溶剤の体積をA、上記炭
    化水素系溶剤の体積をHとしたとき、混合溶媒のA/H
    が0.2〜5の範囲である請求項1記載の表面改質膜用
    組成物。
  4. 【請求項4】上記式(1)で示されるアルコキシシラン
    化合物の濃度が1〜200g/Lである請求項1記載の
    表面改質膜用組成物。
  5. 【請求項5】無機基材表面に下記一般式(1)及び/又
    は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をアルコー
    ル系溶剤と炭化水素系溶剤との混合溶媒を用いて溶解し
    た表面改質膜用組成物を用いて成膜されてなることを特
    徴とする表面改質膜。 Rf{−R1−R2−Si(OR33j …(1) Rf{Si(OR33j …(2) (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフル
    オロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2
    は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は
    置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
  6. 【請求項6】上記アルコール系溶剤と炭化水素系溶剤の
    沸点がそれぞれ50〜120℃である請求項5記載の表
    面改質膜。
  7. 【請求項7】上記アルコール系溶剤の体積をA、上記炭
    化水素系溶剤の体積をHとしたとき、混合溶媒のA/H
    が0.2〜5の範囲である請求項5記載の表面改質膜。
  8. 【請求項8】プラスチック基板上に設けられた単層また
    は多層の反射防止膜の表面に、下記一般式(I)及び/
    又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をアルコ
    ール系溶剤と炭化水素系溶剤との混合溶媒を用いて溶解
    した表面改質膜用組成物を用いて形成された表面改質膜
    を有することを特徴とする表示装置用フィルター。 Rf{−R1−R2−Si(OR33j …(1) Rf{Si(OR33j …(2) (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフル
    オロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2
    は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は
    置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
  9. 【請求項9】上記アルコール系溶剤と炭化水素系溶剤の
    沸点がそれぞれ50〜120℃である請求項8記載の表
    示装置用フィルター。
  10. 【請求項10】上記アルコール系溶剤の体積をA、上記
    炭化水素系溶剤の体積をHとしたとき、混合溶媒のA/
    Hが0.2〜5の範囲である請求項8記載の表示装置用
    フィルター。
  11. 【請求項11】プラスチック基板上に設けられた単層ま
    たは多層の反射防止膜の表面に、下記一般式(I)及び
    /又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をアル
    コール系溶剤と炭化水素系溶剤との混合溶媒を用いて溶
    解した表面改質膜用組成物を用いて表面改質膜が成膜さ
    れた表示装置用フィルターを有することを特徴とする表
    示装置。 Rf{−R1−R2−Si(OR33j …(1) Rf{Si(OR33j …(2) (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフル
    オロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2
    は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は
    置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1300433A2 (en) * 2001-10-05 2003-04-09 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Perfluoropolyether-modified silane, surface treating agent, and antireflection filter

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KR100724135B1 (ko) * 2001-10-05 2007-06-04 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 퍼플루오로폴리에테르-변성 실란, 표면처리제, 및반사방지 필터

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