JP4420476B2 - 表面改質膜用組成物,表面改質膜,表示装置用フィルター,表示装置及び表示装置用フィルターの製造方法 - Google Patents

表面改質膜用組成物,表面改質膜,表示装置用フィルター,表示装置及び表示装置用フィルターの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた耐汚染性、耐擦傷性、耐加工性などが要求される反射防止性を有する表示装置等の表面に適用される表面改質膜用組成物、これにより成膜される表面改質膜、さらには表示装置やCRTの前面板などとして使用されることが可能なかかる表面改質膜を有する表示装置用フィルター及び表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明材料を通して物を見る場合、反射光が強く、反射像が明瞭であることは煩わしく、例えば眼鏡用レンズではゴースト、フレアなどと呼ばれる反射像が生じて目に不快感を与えたりする。またルッキングガラスなどではガラス面上の反射した光のために内容物が判然としない問題が生ずる。
【0003】
従来より反射防止のために屈折率が基材と異なる物質を、真空蒸着法などにより基材上に被覆形成させる方法が行なわれていた。この場合反射防止効果を最も高いものとするためには、基材を被覆する物質の厚みの選択が重要であることが知られている。
【0004】
例えば単層被膜においては基材より低屈折率の物質を光学的膜厚を対象とする光波長の1/4ないしはその奇数倍に選択することが極小の反射率すなわち極大の透過率を与えることが知られている。
ここで、光学的膜厚とは、被膜形成材料の屈折率と該被膜の膜厚の積で与えられるものである。さらに複層の反射防止膜の形成が可能であり、この場合の膜厚の選択に関していくつかの提案がされている(光学技術コンタクト Vol.9, No.8,第17頁 (1971) )。
【0005】
一方、特開昭58−46301号公報、特開昭59−49501号公報、特開昭59−50401号公報には前記の光学的膜厚の条件を満足させる複層からなる反射防止膜を液状組成物を用いて形成する方法について記載されている。近年になって、軽量安全性、取り扱い易さなどの長所を生かして、プラスチックを基材とした反射防止性を有する光学物品が考案され、実用化されている。そしてその多くは表層膜に二酸化珪素を有する膜の構成が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
蒸着法により形成された反射防止膜は被膜形成材料が主として無機酸化物あるいは無機ハロゲン化物であり、プラスチック基材において、反射防止膜は本質的には高い表面硬度を有する半面、手垢、指紋、汗、ヘアーリキッド、ヘアースプレーなどの汚れが目立ち易く、またこの汚れが除去しにくいという欠点があった。さらには表面のすべり性が悪いために傷が太くなるなどの問題点を有している。また水に対する濡れ性が大きいために雨滴、水の飛沫が付着すると大きく拡がり、眼鏡レンズなどにおいては大面積にわたって物体がゆがんで見えるなどの問題点があった。
【0007】
特開昭58−46301号公報、特開昭59−49501号公報、特開昭59−50401号公報に記載の反射防止膜においても硬い表面硬度を付与するためには最表層膜中にシリカ微粒子などに代表される無機物を30重量%以上含ませることが必要であるが、このような膜組成から得られる反射防止膜は、表面のすべりが悪く、布などの磨耗によって傷がつき易いなどの問題点を有している。
【0008】
これらの問題点を改良する目的で各種の表面処理剤が提案され、市販されているが、いずれも水や各種の溶剤によって溶解するために一時的に機能を付与するものであり、永続性がなく耐久性に乏しいものであった。また、特開平3−266801号公報には、撥水性を付与するために、フッ素系樹脂層を形成させる報告がある。しかしながらこれらのフッ素系樹脂では確かに撥水性は増すが、摩擦あるいは磨耗に対して満足する結果が得られていない。
【0009】
また、フッ素系化合物を溶剤に溶解した表面改質膜用組成物は、溶剤の乾燥過程で塗布面ではじかれて球状になりやすく、その結果塗布ムラが生じやすいという問題があり、均一な皮膜を形成することが困難であった。
本発明は、このような実状に鑑みて成され、優れた耐汚染性、耐擦傷性、耐加工性などが要求される反射防止性を有する表示装置等に適用され、均一塗布性に優れた表面改質膜用組成物を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、かかる表面改質膜用組成物から成膜される表面改質膜を提供することを目的とする。
更に、このような表面改質膜を有し、表示装置に接着されて、あるいは表示装置の前面板などとして使用される表示装置用フィルターを提供することを目的とする。
【0011】
また更に、本発明は、かかる表示装置用フィルターを有する表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、以下に述べる本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の表面改質膜用組成物は、下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなることを特徴とする。
【0013】
f{−R1−R2−Si(OR33j …(1)
f{Si(OR33j …(2)
(但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
本発明の表面改質膜は、無機基材表面に上記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒を用いて溶解した表面改質膜用組成物を用いて成膜されてなることを特徴とする。
【0014】
本発明の表示装置用フィルターは、プラスチック基板上に設けられた単層または多層の反射防止膜の表面に、上記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒を用いて溶解した表面改質膜用組成物を用いて形成された表面改質膜を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の表示装置は、プラスチック基板上に設けられた単層または多層の反射防止膜の表面に、上記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒を用いて溶解した表面改質膜用組成物を用いて表面改質膜が成膜された表示装置用フィルターを有することを特徴とする。
【0016】
【作用】
本発明者等は、上記したような従来技術における問題を解決するために、種々検討を行なう過程において、フルオロアルキル化合物あるいはパーフルオロポリエーテル化合物による表面処理によって、耐摩擦磨耗、あるいは耐汚染性が向上するという知見を得た。しかしながら、たしかにこの化合物による表面処理は非常に効果があるが、化学的な安定性、例えば溶剤処理等でその効果が著しく低減するとの結論に達した。これはとりもなおさず、表面のSiO2 との相互作用に係るものと考えられる。
【0017】
そこで、本発明者らはさらに鋭意検討を行なった結果、一般式(1)又は(2)で表されるような一分子中にフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基とアルコキシシラン基を有する化合物で被覆することによって反射防止性を有する表示装置等の表面の耐磨耗性あるいは耐汚染性の問題を解決しようとした。つまり、SiO2 表面との相互作用を持たせるためにアルコキシシラン構造部を分子構造中に含み、表面で強固な結合をなさせるものである。それゆえに、従来不満足であった、耐溶剤性等の問題を克服することができるものである。
【0018】
しかしながら、上記一般式(1)、(2)で示されるアルコキシシラン化合物を炭化水素系溶剤やアルコール系溶剤に溶解した組成物で成膜される表面改質膜には、塗布むらが生じやすく、それが原因となって耐汚染性、目視による外観不良等の諸特性に悪影響を及ぼすことがわかってきた。
【0019】
そこで、本発明者らは、上記一般式(1)、(2)で示されるアルコキシシラン化合物で成膜される表面改質膜の均一な塗膜形成を目的として鋭意検討を行った。
その結果、上記一般式(1)、(2)で示されるアルコキシシラン化合物はフッ素化合物であるため、かかる化合物を溶解した組成物は、溶剤の乾燥過程で炭化水素系溶剤やアルコール系溶剤などの表面エネルギー(特にその極性成分)が大きい溶剤では、組成物が塗布すべき表面ではじかれて球状になり、その結果塗布むらが生じやすくなる欠点を有していることを知見し、溶媒としてフッ素化炭化水素系溶媒を用いることにより、組成物を塗布面に均一に塗布できることを見出した。
【0020】
また、塗布性は溶剤の沸点に大きく影響されることを見出した。即ち、溶剤の乾燥速度は沸点が70℃のもので通常約1μm/sといわれており、高沸点溶剤では塗布後の乾燥の問題が残る場合があり、低沸点では、溶剤乾燥時の対流により塗布むらが生じやすいという報告がある(IEEE Trans MAG.,Vol.31,No6,1995,pp2982-2984)。その結果、フッ化炭化水素系溶媒の中でも、沸点が70℃〜240℃の範囲の溶媒を選択することにより、塗布ムラを可及的に抑制し、ムラのない膜厚が均一な潤滑膜を得ることができることを見出した。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づきより詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る表示装置用フィルターにおける断面構造を示す。
【0022】
図1に示す実施態様における表示装置用フィルター10は、プラスチック基材1の一表面上に反射防止膜2が設けられており、この上面に表面改質膜3が形成されている。
本実施形態に係るフィルター10は、たとえば図2に示す陰極線管(CRT)100のパネル101の表面に接着剤層を介して接着してある。フィルター10の機材1をパネル101に接着する接着剤としては、特に限定されず、各種の公知のものを用いることができるが、一般には紫外線硬化樹脂系接着剤が使用され、かつその硬化層の屈折率が上記パネルの屈折率と近似する、例えばその差が0.8%以内となるものであることが好ましい。具体的には、例えば、分子量550以上のビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート10重量%、ウレタン(メタ)アクリレート20重量%、水酸基含有モノ(メタ)アクリレート70重量%、光重合開始剤3%およびその他の添加剤数%程度を含有する組成物などが用いられ得る。
【0023】
本発明において、図1に示すフィルター10のプラスチック基材1としては、特に限定されるものではなく、有機高分子からなる基材であればいかなるものを用いても良いが、透明性、屈折率、分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸特性から見て、特に、ポリメチルメタアクリレート、メチルメタクリレートと他のアルキル(メタ)アクリレート、スチレンなどといったビニルモノマーとの共重合体などの(メタ)アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)などのポリカーボネート系樹脂;(臭素化)ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし共重合体、(臭素化)ビスフェノールAのモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノマーの重合体および共重合体などといった熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂;ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび不飽和ポリエステル;アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが好ましい。また耐熱性を考慮したアラミド系樹脂の使用も可能である。この場合には加熱温度の上限が200℃以上となり、その温度範囲が幅広くなることが予想される。
【0024】
また上記のようなプラスチック基材表面はハードコートなどの被膜材料で被覆されたものであってもよく、後述する無機物からなる反射防止膜の下層に存在するこの被膜材料によって、付着性、硬度、耐薬品性、耐久性、染色性などの諸物性を向上させることが可能である。
【0025】
硬度向上のためには従来プラスチックの表面高硬度化被膜として知られる各種の材料を適用したものを用いることができ、例えば特公昭50−28092号公報、特公昭50−28446号公報、特公昭51−24368号公報、特開昭52−112698号公報、特公昭57−2735号公報に開示されるような技術を適用可能である。さらには、(メタ)アクリル酸エステルとペンタエリスリトールなどの架橋剤とを用いてなるアクリル系架橋物や、オルガノポリシロキサン系などといったものであってもよい。これらは単独であるいは適宜組合せて用いることができる。
【0026】
このようなプラスチック基材1上部に形成される反射防止膜2は、単層または多層構造を有するものであって、各種の組合せが可能である。特に多層構造とする場合には、その表層膜より下層を形成する物質の膜構成は要求される性能、例えば耐熱性、反射防止性、反射光色、耐久性、表面硬度などに応じて適宜実験等に基づき決定することができる。
【0027】
これらの反射防止膜を形成する二酸化珪素を含めた各種無機物の被膜化方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングに代表される各種のPVD(Physical Vapor Deposition )法がある。
反射防止膜を得る上で、上記のPVD法に適した無機物(無機基材)としては、SiO2 以外に、例えば、Al2 3 、ZrO2 、TiO2 、Ta2 5 、TaHf2 、SiO、TiO、Ti2 3 、HfO2 、ZnO、In2 3 /SnO2 、Y2 3 、Yb2 3 、Sb2 3 、MgO、CeO2 などの無機酸化物が例示できる。 なおこのようなPVD法によって形成される反射防止膜の最外表層膜は、主として二酸化珪素から構成されるものであることが好ましい。二酸化珪素以外の場合には十分な表面硬度が得られないばかりでなく、本発明の目的とする耐汚染性、耐擦傷性の向上、さらにはこれらの性能の耐久性が顕著に現れない虞れがあるためである。しかしながら、本発明は、主として、このような反射防止膜の表面を被覆する表面改質膜の構成に係るものであるゆえ、特に反射防止膜の最外表層膜の材質を限定するものではなく、二酸化珪素以外のもので構成されていてもよい。
【0028】
また、この反射防止膜の最外表層膜の膜厚は、反射防止効果以外の要求性能によってそれぞれ決定されるべきものであるが、特に反射防止効果を最大限に発揮させる目的には表層膜の光学的膜厚を対象とする光波長の1/4ないしはその奇数倍に選択することが極小の反射率すなわち極大の透過率を与えるという点から好ましい。
【0029】
一方、前記表層膜の下層部の構成等については特に限定されない。すなわち、前記表層膜を直接基材上に被膜形成させることも可能であるが、反射防止効果をより顕著なものとするためには、基材上に表層膜より屈折率の高い皮膜を一層以上被覆することが有効である。これらの複層の反射防止膜の膜厚および屈折率の選択に関してもいくつかの提案がなされている(例えば、光学技術コンタクト Vol.9 No.8 p.17 (1971) )。
【0030】
また下層部に、カーボンスパッタ膜、カーボンCVD膜などの無機光透過膜を設けることも可能である。
しかして本発明においては、上記したような単層または多層の反射防止膜2の表面を被覆する表面改質膜3は、下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるフルオロアルキル基あるいはパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する表面改質膜用組成物から形成される。
【0031】
f{−R1−R2−Si(OR33j …(1)
f{Si(OR33j …(2)
(但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
f としてのパーフルオロポリエーテル基の分子構造としては、特に限定されるものではなく、各種鎖長のパーフルオロポリエーテル基が含まれるが、好ましくはC1 〜C3 程度のパーフルオロアルキルオキシ基を繰返し単位とする一価又は二価のパーフルオロポリエーテルである。一価のパーフルオロポリエーテルとしては、具体的には例えば、次に示すようなものがある。
【0032】
【化1】
Figure 0004420476
【0033】
また、二価のパーフルオロポリエーテル基としては、例えば次のようなものがある。
【0034】
【化2】
Figure 0004420476
【0035】
一方、Rf としてのフルオロアルキル基の分子構造としても、特に限定されるものではなく、アルキル基の水素原子をフッ素原子で置換したものが挙げられ、各種鎖長および各種フッ素置換度のフルオロアルキル基が含まれるが、下記に示す分子構造のものが好ましい。
【0036】
F(CF2s(CH2t
−(CH2t(CF2s(CH2t
この式中、sは6〜12の整数、tは20以下の整数を示す。
なお、一般式(1)又は(2)で表される化合物のうちフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物は、上記したような耐溶剤性、耐水汚染性などといった面からは十分なものであるが、耐磨耗性や摩擦特性の面では、トライボロジー特性に優れたパーフルオロポリエーテル基を分子構造中に有するアルコキシシラン化合物を用いた場合と比較すると劣るものとなるゆえ、望ましくは後者の化合物である。
【0037】
一般式(1)におけるR1としての二価の原子又は原子団としては、特に限定されるものではないが、通常は、例えばCOO、CONH、S等の原子あるいは原子団である。
また一般式(1)におけるR2は非置換又は置換の二価の炭化水素基であり、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアルキレン基が例示され、炭素数は特に制限されない。
【0038】
また、R3 は、アルコキシ基を構成する非置換又は置換の一価炭化水素基であり、炭素数は特に限定されるものではないが、例えば、C1 〜C5 程度、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基が例示される。なお、上記R1〜R3では、当該炭素原子鎖の柔軟性ないしゆらぎ性を損なわない限りにおいて、一部に不飽和結合、特性基、芳香環などの環状構造を有するものであってもよく、さらに、短鎖の分岐鎖ないし側鎖を有するものであってもよい。
【0039】
また、この一般式(1)又は(2)で表されるアルコキシ化合物の分子量は特に限定されないが、安定性、取扱い易さなどの点から数平均分子量で500〜10000、さらに好ましくは500〜4000程度のものが使用される。
さらにこのような化合物により形成される表面改質膜の膜厚についても、特に限定されるものではないが、反射防止性と水に対する静止接触角とのバランスおよび表面硬度との関係から、0.1nm〜100nm、さらに好ましくは10nm以下、具体的には0.5nm〜5nm程度であることが望ましい。
【0040】
またその塗布方法としては、通常のコーティング作業で用いられる各種の方法が適用可能であるが、反射防止効果の均一性、更には反射干渉色のコントロールという観点からスピン塗布、ディッピング塗布、カーテンフロー塗布などが好ましく用いられる。また作業性の点から紙、布などの材料に液を含浸させて塗布流延させる方法も好ましく使用される。
【0041】
このような塗布作業において、前記一般式(1)又は(2)で表される化合物は、通常揮発性溶媒に希釈され、表面改質膜用組成物として使用される。溶媒として用いられるものは、特に限定されないが、使用にあたっては組成物の安定性、被塗布面である反射防止膜の最表面層、代表的には二酸化珪素膜に対する濡れ性、揮発性などを考慮して決められるべきである。本発明においては、塗膜の均一塗布性から、フッ素化炭化水素系溶媒を用いる。
【0042】
フッ素化炭化水素系溶媒は、脂肪族炭化水素、環式炭化水素、エーテル等の炭化水素系溶媒の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した化合物である。例えばパーフルオロヘプタン(沸点80℃)、パーフルオロオクタン(沸点102℃)、アウトジモント社製の商品名SV−110(沸点110℃),SV−135(沸点135℃)等のパーフルオロポリエーテル、住友3M社製のFCシリーズ等のパーフルオロアルカン等を例示することができる。これらのフッ素化炭化水素系溶媒の中でも、上記一般式(1)、(2)のフッ素系化合物を溶解する溶媒として、ムラのない、膜厚が均一な有機膜を得るために、沸点が70〜240℃の範囲のものを選択し、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることが好ましい。沸点が低すぎると、例えばグラビア印刷時の転写時に乾燥が起き、塗布ムラになりやすい場合があり、一方沸点が高すぎると乾燥がうまく行かず塗布形態が良くならない場合がある。
【0043】
一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物を含有する表面改質膜用組成物を調製するに際しての希釈溶剤による希釈度合としては特に限定されるものではないが、例えば、1〜200g/L濃度程度に調製することが適当である。
この場合、必要により、溶媒として上記フッ素化炭化水素系溶媒に、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤等を混合しても良い。
【0044】
またこの塗布溶液中には、必要に応じて反応触媒としての酸あるいは塩基を添加することも可能である。酸触媒としては例えば,硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、酸性白土、酸化鉄、硼酸、トリフルオロ酢酸などを用いることができ、また塩基触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物などを用いることができる。これらの触媒の添加量は、0.001〜1mmol/L程度が好ましい。これらの酸、塩基に加えて燐酸エステル系の触媒、あるいはアセチルアセトンのようなカルボニル化合物を添加してその触媒効果を高めることが可能である。このように触媒が添加されることによって一般式(1)、(2)で表される化合物のシラノ基と、反射防止膜表面のSiO2 との結合反応を伴なう相互作用が、加熱を行なわずとも良好に進行する。このためSiO2 上の薄膜材料においては、その膜厚から耐久性への要求が厳しいものであるにもかかわらず、良好な耐久性の向上が望めるものとなる。このようなカルボニル化合物の添加量は、0.1〜100mmol/L程度とすることができる。
【0045】
本発明に係る表面改質膜用組成物の塗布にあたっては、塗布されるべき反射防止膜の表面は清浄化されていることが好ましく、清浄化に際しては、界面活性剤による汚れ除去、さらには有機溶剤による脱脂、フッ素系ガスによる蒸気洗浄などが適用される。また密着性、耐久性の向上を目的として各種の前処理を施すことも有効な手段であり、特に好ましく用いられる方法としては活性化ガス処理、酸、アルカリなどによる薬品処理などが挙げられる。
【0046】
本発明の表面改質膜用組成物は、特に酸化シリコン表面に対して耐汚染性、耐擦傷性、耐加工性に加えて耐磨耗性等を付与できる表面改質膜を形成することができる。そのため、本発明の表面改質膜が成膜された表示装置用フィルターは、通常の反射防止膜よりも汚れにくく、かつ汚れが目立たない。さらには汚れが容易に除去できる、あるいは表面の滑りが良好なため傷がつきにくいなどの長所を有し、かつこれらの性能に加えて磨耗に関しても耐久性がある。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば上述した実施形態では、フィルター10を、図2に示すCRT100のパネル101に接着して用いたが、本発明に係るフィルター10は、必ずしもパネル101の表面に接着して用いるものである必要はなく、パネル101の前面に取り外し自在に取り付けるタイプのフィルターであっても良い。
【0048】
また、フィルター10が取り付けられる対象となる表示装置のパネルとしては、CRTのような曲率を有するパネルに限らず、液晶ディスプレイ装置あるいはプラズマディスプレイのような平面表示装置のパネルの他、各種の表示装置のパネルが含まれる。これら表示装置のパネルには、本発明に係るフィルターは、接着剤などで接着しても良いが、取り外し自在に装着しても良い。取り外し自在に装着する場合には、本発明に係るフィルターの外周部には、枠体が装着され、この枠体に対して本発明に係るフィルターが張設されることになる。
【0049】
また、本発明に係るフィルターの多層構造は、図1に示す実施形態に限定されず、種々の多層構造が考えられる。
更に、本発明の表面改質膜用組成物は、上記以外に例えば直接ガラスパネルや、プラスチック製のレンズなどにも適用でき、応用範囲が広いものである。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお実施例中において「部」は重量部を表すものである。
【0051】
実施例1
(1)反射防止膜の作製
基材として厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。このPETフィルムの片面には、あらかじめ表面硬度を確保するためのハードコート処理が施されており、その上に反射防止膜として真空蒸着法により、厚さ120nmのITOをプレ蒸着し、その上にSiO2 を70nm厚に蒸着して形成した。なお、ここで言うハードコート処理とは、一般的にアクリル系架橋性樹脂原料を塗布し、紫外線や電子線等によって架橋硬化させたり、シリコン系、メラミン系、エポキシ系の樹脂原料を塗布し、熱硬化させたりして行われているものである。
(2)パーフルオロポリエーテル基を持つアルコキシシラン化合物(潤滑剤)含有コーティング組成物の調製
パーフルオロポリエーテル基を持つアルコキシシラン化合物(分子量約1000の表1中の化合物1)2gを、沸点が80℃のパーフルオロヘプタン(住友3M社製、商品名PF−5070、表2中の溶剤1)に溶解し、メンブランフィルターで瀘過を行ない、コーティング組成物を得た。
(3)塗布および乾燥
前記(1)で得た反射防止膜の表面に前記(2)で調製したコーティング組成物を5cm/minの引上げ速度でディップコーティングし、その後風乾して反射防止性を有する光学物品を得た。なお塗布および乾燥工程において特に温度操作は行なわなかった。
(4)性能評価
得られた光学物品の性能は下記の方法に従い試験を行なうことにより評価した。下記(a)から(e)までの評価項目の試験結果を表3に示す。また耐溶剤性を見るため、エタノール洗浄を行なった後に再度同様の試験を行なった。得られた結果を同様に表3に示す。
【0052】
(a)耐汚染性試験
水道水5mlをフィルター面にしたたらせ、室温雰囲気(25℃±2℃)下で48時間放置後、布で拭いた後の水垢の残存状態を目視にて観察した。水垢が除去できた時を良好とし、除去できなかった場合を不良とした。
【0053】
(b)表面滑り性
鉛筆(硬度 3H)で表面を引掻いた時の引っかかり具合を評価した。判定基準は以下の通りである。
○:まったく引っかからない。
【0054】
△:強くすると引っかかる。
×:弱くしても引っかかる。
(c)耐磨耗性試験
光学物品表面をスチールウール#0000、200g荷重下で30回擦った後傷が付いたかどうかで評価した。判定基準は以下の通りである。
【0055】
○:全く付かない。
△:細かい傷が付く。
×:傷が著しい。
(d)手垢の付きにくさ
手垢の付きにくさについて、目視にて評価した。判定基準は以下の通りである。
【0056】
○:付いても目立たない。
△:付くが簡単に除去できる。
×:付いた後が目立つ。
(e)接触角
水およびヨウ化メチレンの接触角を測定した。測定は、協和界面化学社製CA−Aを用いて行なった。なお測定された接触角の値は、表面改質膜の残存率ないし水あるいは油に対する汚染性に関しての目安となるものである。また、溶剤に対する安定性を調べる目的で、表面をエタノールで洗浄した前後での値を測定した。
実施例2
実施例1におけるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物含有コーティング組成物の調製において、表2中の溶剤1の代わりに溶剤2を用いた以外は、実施例1とすべて同様にして光学物品を得、その性能評価を行なった。得られた結果を表3に示す。
実施例3〜7
実施例1において、溶剤を表3に示したものを用いた以外は、実施例1とすべて同様にして光学物品を得、その性能評価を行なった。得られた結果を表3に示す。
実施例8、9
実施例1におけるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物含有コーティング組成物の調製において、アルコキシシラン化合物として表1の化合物2又は3を用い、表2中の溶剤3を用いた以外は、実施例1とすべて同様にして光学物品を得、その性能評価を行なった。得られた結果を表3に示す。
比較例1
実施例1におけるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物含有コーティング組成物の調製において、沸点が42℃のパーフルオロアルカン(住友3M社製、商品名FC−84、表2中の溶剤8)を用いた以外は、実施例1とすべて同様にして光学物品を得、その性能評価を行なった。得られた結果を表3に示す。
比較例2
実施例1におけるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物含有コーティング組成物の調製において、沸点が56℃のパーフルオロアルカン(住友3M社製、商品名FC−72、表2中の溶剤9)を用いた以外は、実施例1とすべて同様にして光学物品を得、その性能評価を行なった。得られた結果を表3に示す。
比較例3
実施例1におけるパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物含有コーティング組成物の調製において、沸点が253℃のパーフルオロアルカン(住友3M社製、商品名FC−71、表2中の溶剤10)を用いた以外は、実施例1とすべて同様にして光学物品を得、その性能評価を行なった。得られた結果を表3に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0004420476
【0058】
【表2】
Figure 0004420476
【0059】
【表3】
Figure 0004420476
【0060】
表3の結果より、フッ素化炭化水素系溶媒、特に沸点が70〜240℃のフッ化炭化水素系溶媒を用いて組成物を調製することにより、塗装性が改良され、塗布ムラが減少することが認められる。
【0061】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る表面改質膜用組成物は、上記式(1)及び/又は(2)のアルコキシシラン化合物をフッ化炭化水素系溶媒に溶解し、塗装性が改良されたものである。
【0062】
また、本発明にかかる表面改質膜は、無機膜上にかかる組成物を用いて形成されている。
更に、本発明にかかる表示装置用フィルターは、プラスチック基板上に設けられた単層または多層の反射防止膜の表面が、上記表面改質膜で被覆してある。
【0063】
このため、本発明に係る表面改質膜用組成物、表面改質膜、表示装置用フィルターおよびそれを有する表示装置は、次の効果を有する。
(1)指紋、手垢などによる汚れが付きにくく、また目立ちにくい。これらの効果が永続的に保持される。
(2)水垢などが付着し、乾燥されても容易に除去することが可能である。
(3)表面滑り性が良好である。
(4)ほこりなどの汚れが付きにくく、使用性が良い。
(5)磨耗に対する耐久性がある。
(6)塗布後の乾燥温度を50℃以下の低温にすることも可能である。
(7)塗布ムラが少なくすることができるので、歩留まりが改善され、かつ見た目にも美しく、不快感がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様に係る表示装置用フィルターにおける断面構造を示す図面である。
【図2】 図2は本発明の一実施態様に係るCRTの概略斜視図である。
【符号の説明】
1… プラスチック基材、2… 反射防止膜、3… 表面改質膜、
10… フィルター、100… CRT、101… パネル

Claims (11)

  1. 酸化シリコン膜表面に表面改質膜を形成する際に用いる表面改質膜用組成物であって、
    下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなり、前記フッ素化炭化水素系溶媒の沸点が70〜240℃であり、酸又は塩基の触媒を含む
    表面改質膜用組成物。
    f{−R1−R2−Si(OR33j …(1)
    f{Si(OR33j …(2)
    (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
  2. 燐酸エステル、カルボニル化合物から選ばれる1種又は2種以上を、前記触媒として含む
    請求項1に記載の表面改質膜用組成物。
  3. 上記アルコキシシラン化合物の濃度が1〜200g/Lである
    請求項1または2に記載の表面改質膜用組成物。
  4. 酸化シリコン膜表面に形成される表面改質膜であって、
    下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなり、前記フッ素化炭化水素系溶媒の沸点が70〜240℃であり、酸又は塩基の触媒を含む表面改質膜用組成物を用いて成膜されてなる
    表面改質膜。
    f{−R1−R2−Si(OR33j …(1)
    f{Si(OR33j …(2)
    (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
  5. 前記表面改質膜用組成物が、
    燐酸エステル、カルボニル化合物から選ばれる1種又は2種以上を、前記触媒として含む
    請求項に記載の表面改質膜。
  6. 酸化シリコン膜表面に表面改質膜が形成されている表示装置用フィルターであって、
    前記表面改質膜は、
    下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなり、前記フッ素化炭化水素系溶媒の沸点が70〜240℃であり、酸又は塩基の触媒を含む表面改質膜用組成物を用いて成膜されてなる
    表示装置用フィルター。
    f{−R1−R2−Si(OR33j …(1)
    f{Si(OR33j …(2)
    (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
  7. 前記表面改質膜用組成物が、
    燐酸エステル、カルボニル化合物から選ばれる1種又は2種以上の触媒
    をさらに含む
    請求項に記載の表示装置用フィルター。
  8. 酸化シリコン膜表面に表面改質膜が形成されている表示装置用フィルターを有する表示装置であって、
    前記表面改質膜は、
    下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなり、前記フッ素化炭化水素系溶媒の沸点が70〜240℃であり、酸又は塩基の触媒を含む表面改質膜用組成物を用いて成膜されてなる
    表面装置。
    f{−R1−R2−Si(OR33j …(1)
    f{Si(OR33j …(2)
    (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
  9. 前記表面改質膜用組成物が、
    燐酸エステル、カルボニル化合物から選ばれる1種又は2種以上を、前記触媒として含む
    請求項に記載の表示装置。
  10. 酸化シリコン膜表面に表面改質膜を形成することによって表示装置用フィルターを製造する、表示装置用フィルターの製造方法であって、
    前記表面改質膜を酸化シリコン表面に形成する工程においては、
    下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるアルコキシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなり、前記フッ素化炭化水素系溶媒の沸点が70〜240℃であり、酸又は塩基の触媒を含む表面改質膜用組成物を用いて前記表面改質膜を成膜する
    表示装置用フィルターの製造方法。
    f{−R1−R2−Si(OR33j …(1)
    f{Si(OR33j …(2)
    (但し、式中、Rfはフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、R1は二価の原子又は原子団、R2は非置換又は置換の二価炭化水素基、R3は非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、jは1又は2である。)
  11. 前記表面改質膜用組成物が、
    燐酸エステル、カルボニル化合物から選ばれる1種又は2種以上の触媒
    をさらに含む
    請求項10に記載の表示装置用フィルターの製造方法。
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