JP2003064345A - 表面改質材、表面改質膜用組成物、表面改質膜、光学部品及び表示装置 - Google Patents
表面改質材、表面改質膜用組成物、表面改質膜、光学部品及び表示装置Info
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Abstract
性、滑り性などを向上させる。 【解決手段】 両末端にカルボキシル基を有するパーフ
ルオロポリエーテルからパーフルオロポリエーテル基を
有するアルコキシシラン化合物を合成する際に、原料の
両末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエー
テルを分子量別に分画し、分子量4500以下が全体の
18重量%以下とした分画物を用いて合成する。このよ
うにして合成されたアルコキシシラン化合物をフッ素化
炭化水素系溶媒に溶解した表面改質膜組成物を反射防止
膜2上に塗布して表面改質膜3を成膜する。
Description
られる反射防止膜の耐汚染性、耐擦傷性等を向上させる
表面改質材及びその表面改質材を用いた表面改質技術に
関する。
の透明基材表面での反射光が強い場合、あるいは反射像
が明瞭に視認される場合等は、対象物が見難く、また煩
わしいものである。身近な例として、眼鏡レンズではゴ
ースト、フレアと呼ばれる反射像を生じ、着用者に不快
感を与える。またショウウィンドウや陳列ガラスケース
では、ガラス表面での反射光や反射像のため内容物が判
然としない。このような例は、陰極線管(CRT)や液
晶パネル、PDP(Plasma Display P
anel)、あるいはEL(Electoro Lum
inescence)パネルのような表示装置のパネル
ガラスでも発生する。
なる屈折率を有する光学材料を、透明基材上に薄層状に
形成する方法が採られてきた。この場合、反射防止膜の
膜厚の選択が重要である。例えば単層の反射防止膜で
は、透明基材より低屈折率の物質を、その光学的膜厚が
対象とする光波長の1/4ないしその奇数倍に選択する
ことにより、極小の反射率と極大の透過率を与えること
が知られている。ここで、光学的膜厚とは、反射防止膜
の屈折率とその膜厚との積である。反射防止膜の材料
は、主として無機化合物からなる誘電体材料、例えば無
機酸化物や無機ハロゲン化物が採用される。
る場合もあり、各層の層厚の選択については、例えば
「光学技術コンタクト」Vol.9,No.8,p.1
7(1971)にいくつかの提案がなされている。ま
た、これら誘導体多層膜を液状の塗布組成物を用いて形
成する方法は、例えば特開昭58−46301号、特開
昭59−49501号、特開昭59−50401号の各
公報に開示されている。近年においては、軽量、安全
性、取り扱いの簡易性の点から、透明プラスチックス基
材上に反射防止膜を形成した光学部品も実用に供されて
おり、それらの多くは反射防止膜として酸化珪素を含む
誘導体薄膜が採用され、これらは蒸着やスパッタリング
等の真空薄膜形成技術を用いて成膜される。
る反射防止膜は、無機化合物を主体としており、高い表
面硬度を有する反面、指紋、手垢、汗、整髪料等の汚れ
が付着して目立ちやすく、また除去し難い。また、表面
の親水性が大きいため、雨滴や水の飛沫に対する濡れ性
に富み、眼鏡レンズ等においては大面積にわたって物体
は歪んで見える難点がある。
め、最表層にシリカ微粒子等の無機微粒子を30重量%
以上含有させる構成が、先に例示した特開昭58−46
301号、特開昭59−49501号、特開昭59−5
0401号の各公報に開示されている。かかる微粒子分
散型の反射防止膜は表面の滑り性が悪く、布などとの摩
擦によっても容易に傷がつく可能性を有する。
面処理剤が提案され市販されている。これらの表面処理
剤は、いずれも水や各種溶剤に可溶性であるので被膜が
剥離し易く、その機能は一時的で耐久性に乏しい。ま
た、例えば特開平3−266801号公報には、反射防
止膜に撥水性を付与するため、フッ素系樹脂被膜を形成
する技術が開示されている。この場合は溶剤可溶性はな
いが、摩擦あるいは磨耗に対する満足な結果は得られな
い。
た反射防止膜は、被膜形成材料が主として無機酸化物あ
るいは無機ハロゲン化物であり、プラスチック基材にお
いて、反射防止膜は本質的には高い表面硬度を有する半
面、手垢、指紋、汗、ヘアーリキッド、ヘアースプレー
などの汚れが目立ち易く、またこの汚れが除去しにくい
という欠点があった。さらには、表面のすべり性が悪い
ために傷が太くなるなどの問題点を有している。また、
水に対する濡れ性が大きいために、雨滴、水の飛沫が付
着すると大きく拡がり、眼鏡レンズなどにおいては大面
積にわたって物体がゆがんで見えるなどの問題点があっ
た。
テル基を有するアルコキシシラン化合物の被膜を反射防
止膜表面に形成する方法を、特開平9−255919号
公報において提案した。すなわち、反射防止膜材料のS
iO2との強固な相互作用を持たせるため、アルコキシ
シラノ基を分子構造中に取り込み、耐溶剤性を向上させ
たものである。この被膜形成により、耐磨耗性、耐溶剤
性の大幅な向上がみられたが、撥水性や滑り性の面では
必ずしも充分でない場合があった。
ルコキシシラン化合物は、パーフルオロポリエーテル樹
脂の市販のフッ素含有樹脂を原料として製造されてい
る。これらの市販フッ素含有樹脂は、用途を制限せずに
製造されている汎用品であって、低分子量成分を含有す
るため、これらの存在が被膜を反射防止膜表面に形成し
た場合、撥水能、滑り性を低下させる原因になってい
る。
決するためになされたもので、反射防止膜等の表面の耐
汚染性、撥水性、耐摩擦性及び滑り性を向上させる表面
改質材及びその表面改質材を用いた表面改質膜用組成
物、表面改質膜、光学用品ならびに表示装置を提供する
ことを目的とする。
を解決するために、請求項1の発明は、下記一般式
(1)で示されるアルコキシシラン化合物からなる表面
改質材において、アルコキシシラン化合物のパーフルオ
ロポリエーテル基が、分子量4500以下の比率が18
重量%以下である分子量分布を有することを特徴とす
る。
(1)で示されるアルコキシシラン化合物のパーフルオ
ロポリエーテル基が、重量平均分子量/数平均分子量の
比が1.2以下である分子量分布を有することを特徴と
する。
ン化合物は、両末端にカルボキシル基を持つパーフルオ
ロポリエーテル基を原料とし、これを分子量別に分画
し、低分子量成分を除去した分画物をエステル化し、そ
のエステル化合物を溶媒で抽出し、シランカップリング
剤と反応させることによって合成される。また、両末端
がアルコール類によってエステル化されたパーフルオロ
ポリエーテル基である市販のフッ素含有樹脂を原料と
し、これを分画して用いてもよい。
4500以下が全体の18重量%以下となるように、か
つ好ましくは重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比Mw/Mnが1.2以下となるように制御
することにより、本発明の表面改質材である、一分子中
に、低い表面エネルギーを持つ高分子量のパーフルオロ
ポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物が得ら
れる。
合物は、通常揮発性溶媒に希釈され、表面改質膜用組成
物として使用される。溶媒は、組成物の安定性、被塗布
面との塗れ性、揮発性などを考慮して決定されるが、反
射防止膜上への塗膜の均一塗布性から、フッ素化炭化水
素系溶媒が好適に用いられる。また、この表面改質膜用
組成物には、必用に応じて酸、塩基、リン酸エステル、
及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒
を含有することができる。これによって、低温での成膜
処理でも良好な表面特性が得られる。このようにアルコ
キシシラン化合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解して
なる表面改質膜用組成物を支持部材上に塗布することに
より、耐汚染性、耐摩擦性、撥水性及び滑り性に優れた
表面改質膜を成膜することが可能となる。
スチックフィルム等の基材上に反射防止膜が形成されて
なる反射防止フィルターのような光学部品の上面に成膜
することにより、反射防止膜の耐汚染性、耐摩擦性、撥
水性及び滑り性を向上させた光学部品を得ることが可能
となる。
部品を表示装置の表示パネル前面に取り付けることによ
り、画面の視認性に優れ、かつ表示パネルの耐汚染性、
耐摩擦性、撥水性及び滑り性に優れた表示装置を得るこ
とが可能となる。
施の形態を説明する。図1は、本発明の光学部品の一実
施の形態の反射防止フィルターを示すもので、プラスチ
ック基材1上に反射防止膜2が設けられており、反射防
止膜2の上面に表面改質膜3が形成されている。
て、透明基材1としては、特に限定されるものではな
く、例えばガラス板やプラスチック板、プラスチックフ
ィルムなどが利用できる。ガラス基材とは、ソーダガラ
ス、鉛ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、液晶化ガラス
などと呼ばれるものがあり(「化学便覧」基礎編、P.
I−537、日本化学会編)、ブラウン管ではストロン
チウム(St)やバリウム(Ba)を含むケイ酸ガラス
が好ましく用いられ、液晶表示装置では、無アルカリガ
ラスが好ましく用いられる。ブラスチック基材として
は、有機高分子からなる基材であればいかなるものを用
いても良いが、透明性、屈折率、分散などの光学特性、
さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸特性から見
て、特に、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリ
レートと他のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン
などといったビニルモノマーとの共重合体などの(メ
タ)アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ジエチレング
リコールビスアリルカーボネート(CR−39)などの
ポリカーボネート系樹脂;(臭素化)ビスフェノールA
型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし共重合
体、(臭素化)ビスフェノールA型のモノ(メタ)アク
リレートのウレタン変性モノマーの重合体および共重合
体などといった熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂;ポリ
エステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレートおよび不飽和ポリエステル;アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウ
レタン、エポキシ樹脂などが好ましい。また、耐熱性を
考慮したアラミド系樹脂の使用も可能である。この場合
には加熱温度の上限が200℃以上となり、その温度範
囲が幅広くなることが予想される。プラスチック基材1
は、これらの樹脂を伸延、あるいは溶剤に希釈後フィル
ム状に成膜して乾燥するなどの方法で作製することがで
き、その厚さは通常25〜500μm程度である。
ハードコートなどの被膜材料で被覆されたものであって
もよく、後述する無機物からなる反射防止膜2の下層に
存在するこの被膜材料によって、付着性、硬度、耐薬品
性、耐久性、染色性などの諸物性を向上させることが可
能である。
表面高硬度化被膜として知られる各種の材料を適用した
ものを用いることができ、例えば特公昭50−2809
2号公報、特公昭50−28446号公報、特公昭50
−39449号公報、特公昭51−24368号公報、
特開昭52−112698号公報、特公昭57−273
5号公報に開示されるような技術を適用可能である。さ
らには、(メタ)アクリル酸エステルとペンタエリスリ
トールなどの架橋剤とを用いてなるアクリル系架橋物
や、オルガノポリシロキサン系などといったものであっ
てもよい。これらは単独であるいは適宜組合せて用いる
ことができる。
される反射防止膜2は、単層または多層構造を有するも
のであって、各種の組合せが可能である。特に多層構造
とする場合には、その表層膜より下層を形成する物質の
膜構成は、要求される性能、例えば耐熱性、反射防止
性、反射光色、耐久性、表面硬度などに応じて適宜実験
等に基づき決定することができる。
素を含めた各種無機物の被膜化方法としては、真空蒸
着、イオンプレーティング、スパッタリングに代表され
る各種のPVD(Physical Vapor De
position)法がある。反射防止膜を得る上で、
上記のPVD法に適した無機物(無機基材)としては、
SiO2以外に、例えば、Al2O3、ZrO2、Ti
O2、Ta2O5、TaHf2、SiO、TiO、Ti
2O3、HfO2、ZnO、In2O3/SnO2、Y2O3、
Yb2O3、Sb2O3、MgO、MgF2、Nb2O5、C
eO2などの無機酸化物やTiN、HfN、ZrN、S
i3N4などの無機窒化物などが挙げられる。なお、この
ようなPVD法によって形成される反射防止膜の最外表
層膜は、主として二酸化珪素から構成されるものである
ことが好ましい。二酸化珪素以外の場合には十分な表面
硬度が得られないばかりでなく、本発明の目的とする耐
汚染性、耐擦傷性の向上、さらにはこれらの性能の耐久
性が顕著に現れない恐れがあるためである。しかしなが
ら、本発明は、主として、このような反射防止膜の表面
を被覆する表面改質膜の構成に係るものであり、特に反
射防止膜の最外表層膜の材質を限定するものではない。
は、反射防止効果以外の要求性能によっても左右される
が、特に反射防止効果を最大限に発揮させるには、表層
膜の光学的膜厚を、対象とする光波長の1/4ないしは
その奇数倍に選択することが、極小の反射率すなわち極
大の透過率を与えるという点から好ましい。
ては特に限定されない。すなわち、前記表層膜を直接基
材上に被膜形成させることも可能であるが、反射防止効
果をより顕著なものとするためには、基材上に表層膜よ
り屈折率の高い皮膜を一層以上被覆することが有効であ
る。これらの複層の反射防止膜の膜厚および屈折率の選
択に関してもいくつかの提案がなされている(例えば、
光学技術コンタクトVol.9,No.8,p.17
(1971))。また、下層部にカーボンスパッタ膜、
カーボンCVD膜などの無機光透過膜を設けることも可
能である。
膜2の表面を被覆する表面改質膜3は、前述の一般式
(1)で表されるパーフルオロポリエーテル基を有する
アルコキシシラン化合物を含有する表面改質膜用組成物
から形成される。
テル基の分子構造としては、特に限定されるものではな
く、各種鎖長のパーフルオロポリエーテル基が含まれる
が、下記に示す分子構造のものが好ましい。
の化学構造式中のp、qは1以上の整数を表す。また、
その分子量分布は、分子量4500以下が全体に対し1
8重量%以下程度となるものが耐汚染性、耐擦傷性の点
から好ましい。この範囲より分子量4500以下が全体
に対して大きい重量%を持つと、パーフルオロポリエー
テル基としての特徴が十分に発揮されず、被膜を形成す
る上で好ましくない。
原子又は原子団としては、特に限定されるものではない
が、通常は、例えばO、NH、S等の原子あるいは原子
団である。また一般式(1)におけるR2は非置換又は
置換の二価の炭化水素基であり、例えばメチレン基、エ
チレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアルキレン
基が例示され、炭素数は特に制限されない。
置換又は置換の一価炭化水素基であり、炭素数は特に限
定されるものではないが、例えば、C1〜C5程度、例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基
等のアルキル基が例示される。なお、上記R1〜R3で
は、当該炭素原子鎖の柔軟性ないしゆらぎ性を損なわな
い限りにおいて、一部に不飽和結合、特性基、芳香環な
どの環状構造を有するものであってもよく、さらに、短
鎖の分岐鎖ないし側鎖を有するものであってもよい。
シラン化合物の分子量は特に限定されないが、安定性、
取扱い易さなどの点から数平均分子量で2000〜10
000程度のものが使用される。さらにこのような化合
物により形成される表面改質膜の膜厚についても、特に
限定されるものではないが、反射防止性と水に対する静
止接触角とのバランスおよび表面硬度との関係から、好
ましくは0.1nm〜100nm、さらに好ましくは1
0nm以下、具体的には0.5nm〜5nm程度である
ことが望ましい。
ティング作業で用いられる各種の方法が適用可能である
が、反射防止効果の均一性、さらには反射干渉色のコン
トロールという観点からスピン塗布、ディッピング塗
布、カーテンフロー塗布などが好ましく用いられる。ま
た、作業性の点から紙、布などの材料に液を含浸させて
塗布流延させる方法も好ましく使用される。
(1)で表されるアルコキシシラン化合物は、通常揮発
性溶媒に希釈され、表面改質膜用組成物として使用され
る。溶媒として用いられるものは、特に限定されない
が、使用にあたっては組成物の安定性、被塗布面である
反射防止膜の最表面層、代表的には二酸化珪素膜に対す
る濡れ性、揮発性などを考慮して決められる。本実施の
形態では、塗膜の均一塗布性から、フッ素化炭化水素系
溶媒を用いている。
素、環式炭化水素、エーテル等の炭化水素系溶媒の水素
原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した化合物であ
る。例えば三井・デュポン社製のバートレルXF(沸点
55℃)、パーフルオロヘプタン(沸点80℃)、パー
フルオロオクタン(沸点102℃)、アウトジモント社
製の商品名H−GALDEN−ZV75(沸点75
℃)、H−GALDEN−ZV85(沸点85℃)、H
−GALDEN−ZV100(沸点95℃)、H−GA
LDEN−C(沸点130℃)、H−GALDEN−D
(沸点178℃)等のハイドロフルオロポリエーテルあ
るいはSV−110(沸点110℃)やSV−135
(沸点135℃)等のパーフルオロポリエーテル、住友
3M社製のFCシリーズ等のパーフルオロアルカン等が
挙げられる。
化合物を含有する表面改質膜用組成物を調製する際の希
釈溶剤による希釈度合は特に限定されるものではない
が、例えば、0.01〜200g/L濃度程度に調製す
ることが適当である。この場合、必要により、溶媒とし
て上記フッ素化炭化水素系溶媒にアルコール系溶剤、炭
化水素系溶剤等を混合してもよい。
反応触媒としての酸あるいは塩基を添加することも可能
である。酸触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、
リン酸、酸性白土、硼酸、トリフルオロ酢酸などを用い
ることができ、また塩基触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属
水酸化物などを用いることができる。これらの触媒の添
加量は、0.001〜1ミリモル/L程度が好ましい。
これらの酸、塩基に加えてリン酸エステル系の触媒、あ
るいはアセチルアセトンのようなカルボニル化合物を添
加してその触媒効果を高めることが可能である。このよ
うに触媒が添加されることによって一般式(1)で表さ
れる化合物のシラノ基と、反射防止膜表面のSiO2と
の結合反応を伴なう相互作用が、加熱しなくても良好に
進行する。このため、SiO2上の薄膜材料において
は、その膜厚から耐久性への要求が厳しいものであるに
もかかわらず、良好な耐久性の向上が望めるものとな
る。このようなカルボニル化合物の添加量は、0.1〜
100ミリモル/L程度とすることができる。
は、塗布されるべき反射防止膜の表面は清浄化されてい
ることが好ましく、清浄化に際しては、界面活性剤によ
る汚れ除去、さらには有機溶剤による脱脂、フッ素系ガ
スによる蒸気洗浄などが適用される。また、密着性、耐
久性の向上を目的として各種の前処理を施すことも有効
な手段であり、特に好ましく用いられる前処理として
は、活性化ガス処理、酸、アルカリなどによる薬品処理
などが挙げられる。
は、特に酸化シリコン表面に対して耐汚染性、耐擦傷
性、耐摩擦性に加えて耐磨耗性等を付与できる表面改質
膜を形成することができる。そのため、この表面改質膜
が成膜された本実施の形態の反射防止フィルターは、通
常の反射防止膜よりも汚れにくく、かつ汚れが目立たな
い。さらには汚れが容易に除去できる、あるいは表面の
滑りが良好なため傷がつきにくいなどの長所を有し、か
つこれらの性能に加えて磨耗に関しても耐久性がある。
は、例えば図2に示すCRT100のパネル101の表
面に接着剤層を介して接着される。反射防止フィルター
10のプラスチック基材1をパネル101に接着する接
着剤としては、特に限定されず、各種の公知のものを用
いることができるが、紫外線硬化樹脂系接着剤や、特開
平10−279900号公報に開示されているような耐
ブリスター性に優れたアクリル系粘着剤が好ましく利用
できる。具体的に紫外線硬化樹脂系接着剤としては、例
えば、分子量550以上のビスフェノールA型エポキシ
(メタ)アクリレート10重量%、ウレタン(メタ)ア
クリレート20重量%、水酸基含有モノ(メタ)アクリ
レート70重量%、光重合開始剤3%およびその他の添
加剤数%程度を含有する組成物などを用いることができ
る。
10は、必ずしもパネル101の表面に接着して用いる
必要はなく、パネル101の前面に取り外し自在に取り
付けるタイプであってもよい。
けられる対象となる表示装置のパネルとしては、CRT
のような曲率を有するパネルに限らず、液晶ディスプレ
イ装置あるいはプラズマディスプレイのような表示装置
のフラットパネルの他、各種の表示装置のパネルが含ま
れる。これら表示装置のパネルには、反射防止フィルタ
ー10を、接着剤などで接着してもよいが、取り外し自
在に装着してもよい。取り外し自在に装着する場合に
は、反射防止フィルター10の外周部に枠体を設け、こ
の枠体に対して反射防止フィルター10が張設されるこ
とになる。
の多層構造は、図1に示す実施の形態に限定されず、種
々の多層構造が考えられる。さらに、本発明にかかる表
面改質膜は、上記反射防止フィルター以外に例えば直接
ガラスパネルや、プラスチック製のレンズなどにも適用
でき、応用範囲が広いものである。
に説明する。
有するパーフルオロポリエーテル(平均分子量約450
0、分子量4500以下が全体に対し60.4重量%、
Mw/Mn=1.17) を、分子蒸留装置((有)旭製
作所製)を用いて分子量別に分画し、平均分子量約75
20の分画物1(分子量4500以下が全体に対し1
7.9重量%、Mw/Mn=1.19)と、平均分子量
約3800の分画物2(分子量4500以下が全体に対
し82.4重量%、Mw/Mn=1.05) と、平均分
子量約2900の分画物3(分子量4500以下が全体
に対し98.4重量%、Mw/Mn=1.06)とを得
た。これら分画前の化合物と分画後の分画物1〜3の平
均分子量及び分子量分布をまとめて表1に示す。
られた分画物1の両末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテル20gとブチルアルコール4gと
を無水トルエン中に投入し、加熱還流によって生成する
水を除去しながら7時間反応を行ない、エステル化をし
た。このエステル化反応によって得られる化合物の分子
構造を式(2)に示す。
溶物を分液ロートで分離し、更に反応物に混入していた
アルコールの未反応不純物と溶剤であるトルエンを減圧
下に除去し、両末端がブチルアルコールでエステル化さ
れたパーフルオロポリエーテル化合物、17g( 収率;
78%) を得た。
図3に示す。図3において、CF伸縮振動及びCH伸縮
振動(3000cm-1付近)の存在、CO伸縮振動の高
波数シフト(1790cm-1付近)に由来してそれぞれ
吸収ピークが認められる。このことから、溶出液中の化
合物はエステル化されたパーフルオロポリエーテルであ
ることが確認される。
- アミノプロピルトリエトキシシラン1.8gを滴下し
て室温で2時間撹拌し、図4に示すFT−IRで、エス
テルのカルボニル基の吸収帯1799cm-1から第一級
アミドのカルボニル基に由来する1712cm-1への変
化と、2個のN−H伸縮吸収帯(3378cm-1、33
01cm-1;第一級アミド)の消滅とこれに伴う1個の
N−H伸縮吸収帯(3317cm-1;第一級アミド)の
生成から、反応の完結を確認した後、無色透明の液体1
1.6g(収率;95%以上)を得た。得られた化合物
の 1H−NMRのデータを次に示す。
式(3)で表されるアルコキシシラン化合物であること
がわかった。合成されたアルコキシシラン化合物の平均
分子量は約7110であった。
ック基材として厚さ100μmの透明なポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルムを用いた。このPET
フィルムの片面には、あらかじめ表面硬度を確保するた
めのハードコート処理が施されており、その上に反射防
止膜として真空蒸着法により、ITOを厚さ120nm
にプレ蒸着し、その上にSiO 2 を70nm厚に蒸着し
て形成した。なお、ここでいうハードコート処理とは、
一般的にアクリル系架橋性樹脂原料を塗布し、紫外線や
電子線等によって架橋硬化させたり、シリコン系、メラ
ミン系、エポキシ系の樹脂原料を塗布し、熱硬化させた
りして行われているものである。
質膜の形成>分画物1を原料に用いて合成したアルコキ
シシラン化合物(平均分子量約7110)2gを、バー
トレルXF(三井・デュポン社製)200gに溶解し、
メンブランフィルターで瀘過を行い、表面改質用組成物
(コーティング組成物)を得た。ついで、このコーティ
ング組成物を上記反射防止膜の表面に15cm/分の引
上げ速度でディップコーティングし、その後60℃で1
2時間風乾することにより、反射防止膜上に表面改質膜
が成膜された光学部品を得た。
接触角と動摩擦力を下記の方法に従って測定し、撥水
性、耐汚染性及び耐摩擦性(滑り性)の評価を行った。
また、耐溶剤性を評価するために、エタノール洗浄を行
った後に再度接触角の測定を行なった。 (a)接触角:水およびヨウ化メチレンの接触角を測定
した。測定は、協和界面化学社製CA−Aを用いて行っ
た。なお、測定された接触角の値は、表面改質膜の残存
率ないし水あるいは油に対する汚染性に関しての目安と
なるものである。 (b)動摩擦力:(株)新東科学製連続加重式表面測定
機TYPE22Hを用い、サファイヤ針R0.05に加
重(10g)をかけて試料表面に当て、速度380mm
/分で試料を移動させて、針にかかる摩擦抵抗力を測定
した。摩擦抵抗力は、移動開始後1秒〜4秒間の平均値
を用い、測定を3回行って、その平均値をその試料の動
摩擦力とした。
面改質材)の合成の際に、原料として表1に示す分画物
2を用いた以外は、実験例1と同様にして光学部品を作
製し、その性能評価を行った。
面改質材)の合成の際に、原料として表1に示す分画物
3を用いた以外は、実験例1と同様にして光学部品を作
製し、その性能評価を行った。
面改質材)の合成の際に、原料の両末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルに分画処理しない
もの(表1において分画前のもの)を用いた以外は、実
験例1と同様にして光学部品を作製し、その性能評価を
行った。
の結果を表2に示す。
成したアルコキシシラン化合物を表面改質材として用い
た実験例1が、撥水性、耐汚染性、耐摩擦性(滑り性)
及び耐溶剤性の各性能試験において最も良好な結果を示
した。このことから、パーフルオロポリエーテル基の分
子量分布を分子量4500以下が全体の18重量%以下
としたアルコキシシラン化合物を表面改質材に用い、表
面改質膜用組成物を調製することにより、反射防止膜上
に撥水性、耐汚染性、耐摩擦性(滑り性)及び耐溶剤性
に優れた表面改質膜を成膜できることが分かる。
基板として厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルムを用いた。このPETフィ
ルムの片面には、あらかじめ表面硬度を確保するための
ハードコート処理が施されており、その上に反射防止膜
として真空蒸着法により、ITOを厚さ120nmにプ
レ蒸着し、その上にSiO2 を70nm厚に蒸着して形
成した。なお、ここでいうハードコート処理とは、一般
的にアクリル系架橋性樹脂原料を塗布し、紫外線や電子
線等によって架橋硬化させたり、シリコン系、メラミン
系、エポキシ系の樹脂原料を塗布し、熱硬化させたりし
て行われているものである。
質膜の形成>分画物1を原料に用いて合成したアルコキ
シシラン化合物2部を、沸点が130℃のハイドロフル
オロポリエーテル(アウジモント社製、商品名H−GA
LDEN)フッ素系溶剤200部に溶解し、さらにリン
酸パーフルオロポリエーテルエステル0.08部を加え
て均一な溶液としたのち、さらにメンブランフィルター
で瀘過を行ってコーティング組成物を得た。このコーテ
ィング組成物を上記PETフィルム基材上の反射防止膜
の表面に7cm/分の引き上げ速度でディップコーティ
ングした後、70℃で1時間乾燥することにより、反射
防止膜上に表面改質膜が成膜された光学部品を得た。
サンプル表面の性能は、下記の方法に従って試験を行う
ことにより評価した。 (a)耐汚染性 水道水5mlをサンプル表面にしたたらせ、室温雰囲気
下で48時問放置後、布で拭いた時の水垢の残存状態を
観察した。水垢が除去できた時を○とし、一部水垢が残
った時を△、除去できなかった時を×とした。 (b)表面滑り性 鉛筆でサンプル表面を引っかいた時の引っかかり具合を
評価した。判定方法は、全く引っかからない時を○と
し、強くすると引っかかる時を△、弱くしても引っかか
る時を×とした。 (c)耐摩耗性 サンプル表面をスチールウール#0000、200g荷
重下で30回擦った後、傷が付いたかどうかで評価し
た。判定方法は、まったく付かない時を○、細かく傷が
付く時を△、著しく傷が付く時を×とした。 (d)耐手垢付着性 サンプル表面に手を触れた際の手垢の付きにくさについ
て目視で評価した。判定方法は、付いても目立たない時
を○とし、付くが簡単に除去できる時を△、付いた跡が
目立つ時を×とした。 (e)接触角(撥水撥油性) 水およびヨウ化メチレン(CH2I2)の接触角により評
価した。接触角の測定は、協和界面化学社製CA−XE
型を用いて行った。 (f)耐溶剤性 サンプル表面をエタノール洗浄した後に、再度上記性能
試験を行って耐溶剤性を評価した。
面改質材)の合成の際に、原料として表1に示す分画物
2(平均分子量3800でMw/Mnが1.2以下のも
の)を用いた以外は、実験例4と同様にして光学部品を
作製し、その性能評価を行った。
面改質材)の合成の際に、原料として表1に示す分画物
3(平均分子量2900でMw/Mnが1.2以下のも
の)を用いた以外は、実験例4と同様にして光学部品を
作製し、その性能評価を行った。 (比較例2)アルコキシシラン化合物(表面改質材)の
合成の際に、原料の両末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルに分画処理しないもの(表1の
分画前)を用いた以外は、実験例4と同様にして光学部
品を作製し、その性能評価を行った。
表面の性能評価結果を表3に示す。なお、表3におい
て、平均分子量は分画物1〜3のパーフルオロポリエー
テル基の平均分子量を示している。また、「前」、
「後」の項目は、それぞれサンプル表面をエタノール洗
浄する前とエタノール洗浄した後の試験結果を示してい
る。
成したアルコキシシラン化合物を表面改質材として用
い、コーティング組成物に触媒を添加した場合の、実験
例4が、耐汚染性、耐手垢付着性、撥水撥油性、表面滑
り性及び耐溶剤性の各性能試験において最も良好な結果
を示した。このことから、パーフルオロポリエーテル基
の分子量分布を分子量4500以下が全体の18重量%
以下としたアルコキシシラン化合物を表面改質材に用
い、表面改質膜用組成物を調製することにより、優れた
表面改質膜を成膜できることが分かる。
ング組成物の調製において、リン酸パーフルオロポリエ
ーテルエステル触媒を除いた他は、実験例4〜6と同様
にしてそれぞれ実験例7〜9のコーティング組成物を調
製して光学部品を作製し、その性能評価を行った。評価
結果を表4に示す。
ルコキシシラン化合物を表面改質材として用い、コーテ
ィング組成物に触媒を触媒を用いない場合の、実験例7
では、触媒を使用した実験例4に比べてエタノール洗浄
後の特性低下が認められるが、他の実験例(分子量45
00以下が全体の18重量%以上である分子量分布を有
するパーフルオロポリエーテル基含有アルコキシシラン
化合物を表面改質材に用いたもの)に比べて、良好な表
面改質膜を成膜できることが分かる。
において、処理膜の乾燥温度条件を70℃から、それぞ
れ30℃、50℃、100℃、150℃に変えた以外は
実験例4と同様にして光学部品を作製し、その性能評価
を行った。
において、処理膜の乾燥温度条件を70℃から、それぞ
れ30℃、50℃、100℃、150℃に変えた以外は
実験例7と同様にして光学部品を作製し、その性能評価
を行った。
7のサンプル表面の性能評価結果をそれぞれ表5及び表
6に示す。なお、参考として実験例4の評価結果を表5
に、実験例7の評価結果を表6に併せて示す。
成したアルコキシシラン化合物を表面改質材として用
い、触媒を添加したコーテイング組成物で成膜した光学
部品では室温近傍の温度で処理しても良好な表面特性
(耐手垢付着性、耐磨耗性、撥水撥油性)が得られるこ
とが認められる。加熱処理温度が70℃以上でも良い結
果が得られるが100℃以上であると、処理膜に熱スト
レスが加わり、膜変形や膜クラックの発生の原因となる
ため好ましくない。また、基材の熱容量が大きい場合に
は、高温加熱条件では時間を要したり熱源の選択等の点
からも好ましくない。
イング組成物で成膜した光学部品の場合には、室温近傍
から100℃の温度処理範囲では、耐手垢付着性は十分
得られず、100℃以上の処理で上記表面特性をクリア
ーしている。しかし、150℃では処理温度が高いた
め、表面膜に熱ストレスによる変形が観察され外観上好
ましくない。
ーフルオロポリエーテル基の分子量分布が、分子量45
00以下が全体に対して18重量%以下であるアルコキ
シシラン化合物を表面改質材とすることにより、これを
用いて反射防止膜等の上に成膜される表面改質膜の撥水
性及び滑り性等を向上させることができる。
形成された反射防止膜を有する反射防止フィルターない
し表示装置のパネルは、耐汚染性及び耐摩擦性に優れ、
次のような効果を有する。 (1)指紋、手垢などによる汚れが付きにくく、また目
立ちにくい。これらの効果が永続的に保持される。 (2)表面滑り性が良好である。 (3)ほこりなどの汚れが付きにくく、使用性がよい。 (4)磨耗に対する耐久性がある。
である。
略斜視図である。
オロポリエーテル基を有するエステル化合物の赤外吸収
スペクトルを示す図である。
ル基を有するアルコキシシラン化合物の赤外吸収スペク
トルを示す図である。
膜、10…反射防止フィルター、100…CRT、10
1…パネル
Claims (14)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるアルコキシ
シラン化合物からなる表面改質材において、アルコキシ
シラン化合物のパーフルオロポリエーテル基が、分子量
4500以下の比率が18重量%以下である分子量分布
を有することを特徴とする表面改質材。 【化1】 - 【請求項2】 前記パーフルオロポリエーテル基が、重
量平均分子量/数平均分子量の比が1.2以下である分
子量分布を有することを特徴とする請求項1記載の表面
改質材。 - 【請求項3】 前記アルコキシシラン化合物が、両末端
にカルボキシル基を持つパーフルオロポリエーテル基を
分子量別に分画し、所定の分子量分布を有する分画物を
エステル化し、シランカップリング剤と反応させること
によって合成されてなることを特徴とする請求項1記載
の表面改質材。 - 【請求項4】 下記一般式(1)で示されるアルコキシ
シラン化合物とフッ素化炭化水素系溶媒とを含む表面改
質膜用組成物であって、アルコキシシラン化合物のパー
フルオロポリエーテル基が、分子量4500以下の比率
が18重量%以下である分子量分布を有することを特徴
とする表面改質膜用組成物。 【化2】 - 【請求項5】 前記パーフルオロポリエーテル基が、重
量平均分子量/数平均分子量の比が1.2以下である分
子量分布を有することを特徴とする請求項4記載の表面
改質膜用組成物。 - 【請求項6】 前記アルコキシシラン化合物の濃度が
0.01〜200g/Lであることを特徴とする請求項
4記載の表面改質膜用組成物。 - 【請求項7】 前記表面改質膜用組成物が、酸、塩基、
リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又
は2種以上の触媒を含有することを特徴とする請求項4
記載の表面改質膜用組成物。 - 【請求項8】 下記一般式(1)で示されるアルコキシ
シラン化合物とフッ素化炭化水素系溶媒とを含む表面改
質膜用組成物を用いて支持部材上に成膜されてなる表面
改質膜において、アルコキシシラン化合物のパーフルオ
ロポリエーテル基が、分子量4500以下の比率が18
重量%以下である分子量分布を有することを特徴とする
表面改質膜。 【化3】 - 【請求項9】 前記パーフルオロポリエーテル基が、重
量平均分子量/数平均分子量の比が1.2以下である分
子量分布を有することを特徴とする請求項8記載の表面
改質膜。 - 【請求項10】 基材上に設けられた反射防止膜の表面
に、下記一般式(1)で示されるアルコキシシラン化合
物とフッ素化炭化水素系溶媒とを含む表面改質膜用組成
物により形成された表面改質膜を有する光学部品であっ
て、アルコキシシラン化合物のパーフルオロポリエーテ
ル基が、分子量4500以下の比率が18重量%以下で
ある分子量分布を有することを特徴とする光学部品。 【化4】 - 【請求項11】 前記パーフルオロポリエーテル基が、
重量平均分子量/数平均分子量の比が1.2以下である
分子量分布を有することを特徴とする請求項10記載の
光学部品。 - 【請求項12】 前記表面改質膜が形成される反射防止
膜の表面層が酸化珪素を主成分として含有することを特
徴とする請求項10記載の光学部品。 - 【請求項13】 基材上に設けられた反射防止膜の表面
に下記一般式(1)で示されるアルコキシシラン化合物
とフッ素化炭化水素系溶媒とを含む表面改質膜用組成物
により形成された表面改質膜を有する光学部品を備えた
表示装置であって、アルコキシシラン化合物のパーフル
オロポリエーテル基が、分子量4500以下の比率が1
8重量%以下である分子量分布を有することを特徴とす
る表示装置。 【化5】 - 【請求項14】 前記パーフルオロポリエーテル基が、
重量平均分子量/数平均分子量の比が1.2以下である
分子量分布を有することを特徴とする請求項13記載の
表示装置。
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