JPH077123B2 - 透明成形体 - Google Patents

透明成形体

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JPH077123B2
JPH077123B2 JP61024870A JP2487086A JPH077123B2 JP H077123 B2 JPH077123 B2 JP H077123B2 JP 61024870 A JP61024870 A JP 61024870A JP 2487086 A JP2487086 A JP 2487086A JP H077123 B2 JPH077123 B2 JP H077123B2
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森  薫
直樹 下山
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【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は耐すり傷性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性、
可撓性、耐熱性、耐光性、耐候性などに優れ、染色品に
ついては、その耐光堅牢性が良好な眼鏡用レンズ、カメ
ラ用レンズなどの光学用に適した透明成形体に関するも
のである。
[従来技術] プラスチックレンズに代表されるプラスチック成形体
は、極めて優れた耐衝撃性及び透明性を有しかつ軽量で
あり、染色も容易であることから、近年大巾に需要が増
えている。しかしプラスチックレンズは無機ガラスに較
べて表面硬度が低く、傷が付き易いという欠点がある。
また一方では、プラスチックレンズは一般に無機ガラス
に較べて機械的強度が低いためにレンズ中心厚みを厚く
しなければならず、また一般に無機ガラスと較べると屈
折率が低いために特に近視用の高度数レンズにおいては
端部が著しく厚く、見栄えが悪くファッション性を問題
にして着用を敬遠される傾向があるという重大な欠点が
ある。
前者の傷つき易さの欠点を改良しようとする試みはすで
に数多く提案されている。例えばプラスチック基材表面
にSiO2などの無機物を真空蒸着により被覆する方法(特
開昭58−204031号公報)やプラスチック基材の表面にポ
リオルガノシラン系ハードコート膜やアクリル系ハード
コート膜を設ける方法(USP3,986,997、USP4,211,823、
特開昭57−168922号公報、特開昭59−38262号公報、特
開昭59−51908号公報、特開昭59−51954号公報、特開昭
59−78240号公報、特開昭59−89368号公報、特開昭59−
102964号公報、特開昭59−109528号公報、特開昭59−12
0663号公報、特開昭59−155437号公報、特開昭59−1746
29号公報、特開昭59−193969号公報、特開昭59−204669
号公報)が開示されている。一方後者の欠点すなわちマ
イナスの高度数レンズにおいて端部が著しく厚くなり見
栄えが悪い点の改良を目的に近年はプラスチック基材の
屈折率を上げることが検討され多くの提案がなされてい
る(特公昭58−17527号公報、特公昭58−14449号公報、
特開昭57−28117号公報、特開昭57−54901号公報、特開
昭57−102601号公報、特開昭57−104901号公報、特開昭
58−18602号公報、特開昭58−72101号公報、特開昭59−
87124号公報、特開昭59−93708号公報、特開昭59−9610
9号公報)。
前記従来技術であるSiO2などの無機物の真空蒸着による
表面硬度の改良は高硬度である反面、基材との密着性、
耐熱性、耐衝撃性、耐熱水性、耐光性などを低下させる
大きな問題がある。またプラスチックレンズの有する特
徴のひとつである染色性を無くするといった重大な欠点
もある。
特開昭59−38262号公報、特開昭59−51908号公報などに
開示されているシラン系およびアクリル系のハードコー
ト膜を設ける技術は耐熱性、耐衝撃性、染色性に優れる
反面、膜厚を均一にコントロールすることは困難であ
り、屈折率が1.55以上の基材に適用すると、従来から用
いられてきた屈折率が1.55未満のプラスチックレンズ基
材では問題にならなかった基材とハードコート膜の屈折
率の差による干渉縞が生じ、外観が悪くなる。この問題
点はハードコート膜の屈折率を基材の屈折率に近づける
ことにより解消され特開昭57−168922号公報には高屈折
率を有する五酸化アンチモンゾルと有機ケイ素化合物か
らなるコーティング用組成物について開示されている。
しかしこの技術は染色性に大きな欠点を有する。
またプラスチックの表面硬度と反射防止性の両者を向
上、改良する目的でプラスチック基材上に1ミクロン前
後のSiO2を真空蒸着により被覆し、さらにその上に多層
膜の反射防止膜をコートする方法が開示されている。
(特開昭56−113101号公報)。
さらには特開昭59−48702号公報、特開昭59−78301号公
報、特開昭59−78304号公報にはプラスチック基材の表
面にポリオルガノシラン系ハードコート膜あるいは、エ
ポキシ樹脂硬化膜を施した上に、無機物からなる反射防
止膜をコートする方法が開示されている。
特開昭56−113101号公報に開示されている技術は、高硬
度で反射防止性を有している反面、密着性、耐熱性、耐
衝撃性、耐熱水性、耐候性などを低下させ大きな問題で
ある。
特開昭59−48702号公報、特開昭59−78301号公報、特開
昭59−78304号公報に開示されている技術は、反射防止
性を有する反面、基材に対する密着性が不充分で傷が深
く、かつ太く発生し使用上において大きな欠点を有す
る。さらには水、アルコールなどに浸されやすい、熱水
浸漬後の密着性、耐候密着性などに大きな問題がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、上記の問題点を解決するために鋭意検討
した結果、以下に述べる本発明に到達した。
すなわち本発明は耐すり傷性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐
薬品性、可撓性、耐熱性、耐光性、耐候性、染色性など
に優れ、染色品についてはその耐光堅牢度が良好な透明
成形体を提供するものである。さらに他の目的としては
芳香環やハロゲン原子を含む(フッ素を除く)屈折率の
高いプラスチックに干渉縞による外観不良を生じること
なく、前記の特性を付与することができる透明成形体を
提供するものである。また、本発明の他の目的は耐久
性、耐熱性を有する反射防止性に優れた透明成形体を提
供するにある。
[問題点を解決するための手段] すなわち本発明の第1の発明は、次の構成からなる。
透明基体の表面に下記一般式(I)で表わされる有機ケ
イ素化合物および/またはその加水分解物100重量部に
対し、芳香環および/または脂肪族環を有する脂肪族環
を有する多官能エポキシ樹脂を10〜300重量部および平
均粒子径が1〜200mμの酸化アンチモン微粒子を25〜80
0重量部含有する組成物からなる硬化透明膜が被覆され
てなる透明成形体に関するものである。
R1R2bSi(OR33-b (I) (式中R1はエポキシ基またはグリシドキシ基を有する炭
化水素基から選ばれた1種であり、R2はアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、および、ハロゲン基、エポキ
シ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタ
クリルオキシ基およびシアノ基から選ばれた少なくとも
1種を有する炭化水素基から選ばれた1種以上である。
R3は加水分解性基であり、aは1、bは0または1であ
る) さらに好ましくは、前記組成物中に遷移金属化合物およ
び/またはその反応生成物が含有されてなる透明膜が被
覆されてなる透明成形体に関するものである。
また第2の発明は透明基体の表面に前記第1の発明ある
いは第1の発明からなる硬化透明被膜を設けた上に無機
酸化物からなる透明膜が被覆されてなることを特徴とす
る透明成形体に関するものである。
本発明は光学用に適した透明成形体に関するものであっ
て透明基体の表面に(A)下記一般式(I)で表わされ
る有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物100
重量部に対し、(B)芳香環および/または脂肪族環を
有する脂肪族環を有する多官能エポキシ樹脂を10〜300
重量部および平均粒子径が1〜200mμの酸化アンチモン
微粒子を25〜800重量部含有組成物からなる硬化透明膜
が被覆されてなる透明成形体およびその製造法に関する
ものである。
R1R2bSi(OR33-b (I) (式中R1はエポキシ基またはグリシドキシ基を有する炭
化水素基から選ばれた1種であり、R2はアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、および、ハロゲン基、エポキ
シ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタ
クリルオキシ基およびシアノ基から選ばれた少なくとも
1種を有する炭化水素基から選ばれた1種以上である。
R3は加水分解性基であり、aは1、bは0または1であ
る) 本発明における透明基体としては無機ガラス、各種プラ
スチック、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート、ジ
エチレングリコールビスアリルカーボネートポリマー、
(ハロゲン化)ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレ
ートポリマーおよびその共重合体、(ハロゲン化)ビス
フェノールAのウレタン変性ジ(メタ)アクリレートポ
リマーおよびその共重合体などが好ましく使用される。
特に光の干渉効果による虹発生の防止という点から基材
の屈折率が1.55以上のものに好ましく適用される。なか
でも主鎖および/または側鎖に芳香環を有し、かつ屈折
率が1.55以上のプラスチックへの適用が好ましい。
ここで主鎖および/または側鎖に芳香環を有し、かつ屈
折率が1.55以上の樹脂とは、例えば下記一般式(II)で
示されるスチレン誘導体の重合体 (ここで、R′はフッ素を除くハロゲン基、メチル基、
エチル基、メトキシ基、アミノ基、ニトロ基、フェニル
基、フェノキシ基を表わし、cは0〜5の整数であり、
c≧2の時、R′は同種であっても、異種であってもよ
い)、フェノールまたは各種置換フェノール、あるいは
それらのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付
加物の(メタ)アクリル酸エステル類の重合体、ビスフ
ェノールまたは置換ビスフェノールあるいはそれらのエ
チレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物の(メ
タ)アクリル酸エステル類やジ(メタ)アクリル酸エス
テル類の重合体、さらには水酸基を有するモノ(メタ)
アクリル酸エステル類と各種イソシアネート化合物との
付加反応物の重合体、ビフェニル骨格を有する(メタ)
アクリル酸エステル類またはジ(メタ)アクリル酸エス
テル類の重合体、ベンジルアルコールまたは各種置換ベ
ンジルアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類の
重合体、ジビニルベンゼンまたは各種置換ジビニルベン
ゼン類の重合体、さらにはビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などがその具体
例として挙げられるが、芳香環を有する屈折率が1.55以
上の樹脂であれば特に限定されることなく好ましく用い
られる。またこれらの芳香環を有するモノマーと共重合
可能な芳香環を有しないモノマーとの共重合体樹脂であ
っても、その重合体の屈折率が1.55以上有するものであ
れば同様に好ましいものである。
本発明は前記の透明基体の表面に前記一般式(I)で表
わされる有機ケイ素化合物および/またはその加水分解
物100重量部に対して、芳香環を有するエポキシ樹脂10
〜300重量部と平均粒子径が1〜200mμの酸化アンチモ
ン微粒子25〜800重量部を有する被膜を塗布することに
よって形成されるものであるがここで一般式R1R2bSi(O
R33-bで表わされる有機ケイ素化合物および/または
その加水分解物の具体的な代表例としては、、グリシド
キシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルト
リエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキ
シシラン、α−グリシドキシルエチルトリエトキシシラ
ン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−
グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリ
シドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシ
ブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルト
リメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−
グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシド
キシブチルトリエトキシシラン、(3,4-エポキシシクロ
ヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4-エポキシ
シクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,
4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエ
トキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリプロポキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4-エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラ
ン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリフ
ェノキシシラン、γ−(3,4-エポキシシクロヘキシル)
プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4-エポキシシク
ロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4-
エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、
δ−(3,4-エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキ
シシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラ
ン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−
グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリ
シドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシド
キシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシ
エチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチ
ルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチル
ジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシプロプルビニルジ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエ
トキシシランなどが挙げられる。これらエポキシ基、グ
リシドキシ基を含む有機ケイ素化合物は、とくに染色性
付与の上で効果的である。また、これらの有機ケイ素化
合物は、1種または2種以上添加することも可能であ
る。さらに、これら一般式で表される化合物とともに、
その他の有機ケイ素化合物および/またはその加水分解
物を用いてもよく、その具体的な例としては、メチルシ
リケート、エチルシリケート、n-プロピルシリケート、
i-プロピルシリケート、n-ブチルシリケート、sec-ブチ
ルシリケートおよびt-ブチルシリケートなどのテトラア
ルコキシシラン類、およびその加水分解物さらにはメチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メ
チルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキ
シシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
アセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
エトキシシラン、γ−クロロプロプルトリアセトキシシ
ラン、3,3,3-トリフロロプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシ
シラン、メチルトリフェノキシシラン、クロロメチルト
リメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシランな
どのトリアルコキシシラン、トリアシルオキシシランま
たはトリフェノキシシラン類またはその加水分解物およ
びジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチル
ジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエト
キシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビ
ニルジエトキシシランなどジアルコキシシランまたはジ
アシルオキシシラン類またはその加水分解物などが挙げ
られる。
これらの有機ケイ素化合物はキュア温度を下げ、硬化を
より進行させるためには加水分解して使用することが好
ましい。
加水分解は純粋または塩酸、酢酸あるいは硫酸などの酸
性水溶液を添加、撹拌することによって製造される。さ
らに純粋、あるいは酸性水溶液の添加量を調節すること
によって加水分解の度合をコントロールすることも容易
に可能である。加水分解に際しては、一般式(I)の加
水分解性基と等モル以上、3倍モル以下の純粋または酸
性水溶液の添加が硬化促進の点で特に好ましい。
加水分解に際しては、アルコール等が生成してくるの
で、無溶媒で加水分解することが可能であるが、加水分
解をさらに均一に行なう目的で有機ケイ素化合物と溶媒
を混合した後、加水分解を行なうことも可能である。ま
た目的に応じて加水分解後のアルコール等を加熱および
/または減圧下に適当量除去して使用することも可能で
あるし、その後に適当な溶媒を添加することも可能であ
る。これらの溶媒としてはアルコール、エステル、エー
テル、ケトン、ハロゲン化炭化水素あるいはトルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素などの溶媒が挙げられ
る。またこれらの溶媒は必要に応じて2種以上の混合溶
媒として使用することも可能である。また、目的に応じ
て加水分解反応を促進し、さらに予備縮合等の反応を進
めるために室温以上に加熱することも可能であるし、予
備縮合を抑えるために加水分解温度を室温以下に下げて
行なうことも可能であることは言うまでもない。
本発明における平均粒子径1〜200mμの酸化アンチモン
微粒子としては三酸化アンチモンおよび/または五酸化
アンチモンの水および/またはアルコールなどの有機溶
媒にコロイド状に分散させた酸化アンチモンゾルが具体
的な例として挙げられる。本発明の目的のためには平均
粒子径1〜200mμのものが使用されるが、好ましくは5
〜100mμの粒子径のものが使用される。平均粒子径が20
0mμを越えるものは、生成塗膜の透明性が悪く、濁りの
大きなものしか得られない。また毒性などの点から五酸
化アンチモンが好ましく使用される。
また酸化アンチモン微粒子の分散性を改良するために各
種の界面活性剤やアミンを添加してあっても何ら問題は
ない。さらには酸化アンチモン微粒子を酸化ジルコンな
どの他の無機酸化物で被覆されていてもよい。
本発明における芳香環および/または脂肪族環を有する
多官能エポキシ樹脂の代表的な例を挙げると下記一般式
(III)、(IV)および(V)で示されるエポキシ樹脂
を挙げることができる。
(ここでRはグリシジル基、l、m、n1、およびn2は0
〜15の整数)。
一般式(III)、(IV)および(V)で表わされるエポ
キシ樹脂におけるエポキシ当量としてはとくに限定され
ないが、他成分との相溶性、取り扱い易さなどの観点か
ら400以下のものが好ましく使用される。
本発明の被膜形成時に使用されるコーティング組成物に
は、硬化促進、低温硬化などを可能とする目的で各種の
硬化剤が併用可能である。硬化剤としては各種エポキシ
樹脂硬化剤、あるいは各種有機ケイ素樹脂硬化剤などが
使用される。
これら硬化剤の具体的な例としては、各種の有機酸およ
びそれらの酸無水物、窒素含有有機化合物、各種金属錯
化合物あるいは金属アルコキシドさらにはアルカリ金属
の有機カルボン酸塩、炭酸塩などの各種塩が挙げられ
る。これらの硬化剤は2種以上混合して使用することも
可能である。これら硬化剤の中でも本発明の目的には、
塗料の安定性、コーティング後の塗膜の着色の有無など
の点から、とくに下記に示すアルミニウムキレート化合
物が有用である。
ここでいうアルミニウムキレート化合物とは、例えば一
般式AlXnY3-nで示されるアルミニウムキレート化合物で
ある。
ただし式中 XはOL(Lは低級アルキル基)、Yは一般式M1COCH2COM
2(M1、M2はいずれも低級アルキル基)で示される化合
物に由来する配位子および一般式M3COCH2COOM4(M3、M4
はいずれも低級アルキル基)で示される化合物に由来す
る配位子から選ばれる少なくとも1つであり、nは0、
1または2である。
本発明の硬化剤として特に有用な一般式AlXnY3-nで示さ
れるアルミニウムキレート化合物としては、各種の化合
物をあげ得るが、組成物への溶解性、安定性、硬化触媒
としての効果などの観点からとくに好ましいのは、アル
ミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチ
ルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミ
ニウム−ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトアセテ
ート、アルミニウム−ジ−iso−プロポキシド−モノメ
チルアセトアセテートなどである。これらは2種以上を
混合して使用することも可能である。
次に本発明組成物から得られる被膜は各種染料、とくに
分散染料にて容易に染色が可能であるが、染色品の耐光
堅牢度を向上させる目的から各種の遷移金属化合物また
はその反応生成物の添加されていることが好ましい。
これらの金属化合物の具体的な例としては、例えばアセ
チルアセトナート金属塩、ビスジチオール−α−ジケト
ン金属塩、ビスフェニルチオール金属塩、ビスフェニル
ジチオール金属塩、チオカテコール金属塩、ジチオカル
バミン酸金属塩、サリチルアルデヒドオキシム金属塩、
チオビスフェノレート金属塩、亜ホスホン酸金属塩が挙
げられる。中でもアセチルアセトナートキレート化合物
が塗料中での安定性が良好であり好ましく用いられる。
これらの遷移金属化合物の添加量としては、透明成形体
の用途、希釈溶剤の種類や他成分の種類により実験的に
定められるべきであるが、溶解性、塗膜の白化などの点
から生成塗膜中に0.001〜10重量%の範囲で好ましく用
いられる。0.001重量%より少ないと添加の効果が得ら
れず10重量%以上の添加は塗膜のくもりが激しく好まし
くない。またこれら遷移金属化合物は塗膜生成途中に何
らかの化学変化によって金属の結合形態が変化しても何
ら問題はないが、より大きな効果を得るためにはキレー
ト化合物として塗膜中に含まれていることが好ましい。
本発明における透明基体の表面に被覆される硬化透明膜
に含まれる(A)、(B)および(C)成分の各成分に
含まれる量は(A)100重量部に対して(B)10〜300重
量部、(C)は25〜800重量部であることが必要であ
る。すなわち、(B)成分が10重量部より少ない場合に
は染色性不良、反射干渉縞発生などの問題がある。また
300重量部を越えると十分な表面硬度が得られない。一
方、(C)成分が25重量部より少ないと反射干渉縞不
良、耐候性不良などの問題があり、800重量部を越える
とヘーズが高くなり、透明性が低下し、表面にクラック
が発生する、さらには密着性不良などの問題がある。
なお、本発明における有機ケイ素化合物の固形分は一般
式R1R2bSi(OR33-bにおいて、R1R2bSiO(3−b)/2
として計算される。
本発明の被膜形成時に使用されるコーティング組成物に
は、塗布時におけるフローを向上させ、塗膜の平滑性を
向上させて塗膜表面の摩擦係数を低下させる目的で各種
の界面活性剤を使用することも可能であり、特にジメチ
ルシロキサンとアルキレンオキシドとのブロックまたは
グラフト共重合体、さらにはフッ素系界面活性剤などが
有効である。また染顔料や充填材を分散させたり、有機
ポリマーを溶解させて、塗膜を着色させたり、塗布性、
基材との密着性、物性向上などコーティング剤としての
実用性を改善させることも容易に可能である。
さらに耐候性を向上させる目的で紫外線吸収剤または耐
熱劣化向上法として酸化防止剤を添加することも容易に
可能である。
本発明の被膜は、前記コーティング組成物を硬化させる
ことによって得られるが硬化は加熱処理することによっ
て行なわれる。なお、加熱温度は従来のコーティング組
成物の場合よりもかなり広範囲で使用でき、50〜250℃
で充分に良好な結果が得られる。
本発明の透明基体上に塗布される被膜の塗布手段として
は、刷毛塗り、浸漬塗り、ロール塗り、スプレー塗装、
スピン塗装、流し塗りなどの通常行なわれる塗布方法が
容易に使用可能である。
本発明におけるコーティング組成物の塗布にあたって
は、清浄化、密着性、耐水性等の向上を目的として各種
の前処理を施すことも有効な手段であり、とくに好まし
く用いられる方法としては活性化ガス処理、薬品処理な
どが挙げられる。
また本発明被膜中には染色性、耐候性、硬度向上などを
目的に各種化合物の添加が可能である。かかる添加可能
なものの具体例としては各種脂肪族系エポキシ樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系ポ
リマーなどの有機高分子あるいは反応性有機化合物があ
る。さらには酸化ケイ素、酸化ジルコン、酸化チタンな
どの無機酸化物微粒子、中でも相溶性、透明性の点から
各種分散媒に分散されたゾルが好ましく使用され得る。
前記の活性化ガス処理とは、常圧もしくは減圧下におい
て生成するイオン、電子あるいは励起された気体であ
る。これらの活性化ガスを生成させる方法としては、例
えばコロナ放電、減圧下での直流、低周波、高周波ある
いはマイクロ波による高電圧放電などによるものであ
る。
特に減圧下での高周波放電によって得られる低温プラズ
マによる処理が再現性、生産性などの点から好ましく使
用される。
ここで使用されるガスは特に限定されるものではない
が、具体例としては酸素、窒素、水素、炭素ガス、二酸
化硫黄、ヘリウム、ネオン、アルゴン、フレオン、水蒸
気、アンモニア、一酸化炭素、塩素、一酸化窒素、二酸
化窒素などが挙げられる。
これらは一種のみならず、二種以上混合しても使用可能
である。前記の中で好ましいガスとしては、酸素を含ん
だものが挙げられ、空気などの自然界に存在するもので
あってもよい。さらに好ましくは、純粋な酸素ガスが密
着性向上に有効である。さらには同様の目的で前記処理
に際しては被処理基材の温度を上げることも可能であ
る。
一方、薬品処理の具体例としては苛性ソーダなどのアル
カリ処理、塩酸、硫酸、過マンガン酸カリウム、重クロ
ム酸カリウムなどの酸処理、芳香環を有する有機溶剤処
理などが挙げられる。
以上の前処理は連続的、または段階的に併用して実施す
ることも充分可能である。薬品処理の中で、とくに密着
性向上には、重クロム酸カリウム/硫酸の混液が有効で
ある。
本発明における被膜の膜厚はとくに限定されるものでは
ない。しかし、接着強度の保持、硬度などの点から0.1
ミクロン〜20ミクロンの間で好ましく用いられる。特に
好ましくは0.4ミクロン〜10ミクロンである。また、被
膜の塗布にあたって、作業性、被膜厚さ調節などから各
種溶剤により、希釈して用いられるが希釈溶剤としては
例えば水、アルコール、エステル、エーテル、ハロゲン
化炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シドなどが目的に応じて種々使用が可能であり、必要に
応じて混合溶媒を使用することもできる。しかし、酸化
アンチモンの分散性などの点から、水、アルコール、ジ
メチルホルムアミド、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ベンジルアルコ
ール、フェネチルアルコール、フェニルセロソルブなど
が好ましく用いられる。
さらに第2の発明は前記の第1の発明である透明基体の
表面に酸化アンチモン微粒子を含む硬化透明被膜上に無
機酸化物からなる透明膜を設けてなることを特徴とする
透明成形体に関するものである。
これらの透明膜は適当な組合せを行なうことによって反
射防止性を付与することも、反射増加性を与えることも
できる。透明膜の形成に際しては前もって、前述の活性
化ガス処理、薬品処理などを施してもよい。中でも、活
性化ガスによる表面処理は後述する真空蒸着、イオンプ
レーティングなどと分けて行なうことも可能であるが同
一チャンバー内で行なわれることが生産性向上ばかりで
なく接着性をより一段と向上させるのに有効である。か
かる活性化ガス処理を適用する場合には、処理条件とし
ては酸化アンチモンを含む被膜の組成物、硬化条件、膜
厚、染色の有無などによってそれぞれ最適化されるべき
であり実験的に定められるべきものである。本発明の無
機酸化物からなる透明膜は、単層であっても多層であっ
てもよいが酸素ガスバリヤー性のある無機酸化物からな
る透明膜であることが好ましく、さらには前述被膜の上
に第1層として被覆することが特に好ましい。
また本発明の最も好ましい実施態様としては、酸化アン
チモンを含む被膜をあらかじめ分散染料などを用いて染
色したのち、前記の無機酸化物からなる透明膜を設けて
なるものが挙げられる。
かかる無機酸化物からなる透明膜を形成する物質として
は、本質的に硬度の高い物質が好ましく使用され各種の
無機酸化物が用いられる。かかる無機酸化物としては金
属あるいは半金属の酸化物が含まれる。とくに好ましく
使用される無機酸化物としては以下に定義される酸素透
過係数が20×10-11cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下の透明
膜を形成し得るものである。ここで酸素透過係数とは酸
素ガスの透過性を表わす尺度であり、次のように定義さ
れる値である。すなわち、厚さ1cmの平板の表面におい
て単位面積(cm2)あたり、酸素分圧差を1cmHgかけた時
の単位時間(sec)あたりに透過する酸素量(cm3)であ
る。
かかる無機酸化物の中でも、染色耐光堅牢度向上の観点
から、SiO2、Al2O3、Yb2O3、ZrO2がとくに好ましく使用
される。これらの無機酸化物は他の無機酸化物との混
合、さらには重ね合わせによる複層膜化などの種々の実
施態様が可能である。
これらの実施態様の中でとくに眼鏡レンズ用、カメラレ
ンズ用に好ましく適用される例としては前記の無機酸化
物を適当に組み合わせ、目的によっては他の無機物をも
併用して、反射防止性を付与することが挙げられる。さ
らに好ましい実施態様としては透明基体の表面に形成さ
れた酸化アンチモン微粒子を5〜80重量%含有する被膜
を分散染料等で染色したのち、前記の反射防止性を付与
せしめたものが挙げられる。
反射防止膜は、単層であつても多層であってもよいが、
反射防止効果の点から2層以上の多層膜が好ましく適用
される。
かかる反射防止膜を形成する物質としては、本質的に硬
度の高い無機物が好ましく使用され金属、金属あるいは
半金属の酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化
物、窒化物、硫化物などが挙げられる。
金属酸化物としては、SiO,SiO2,ZrO2,Al2O3,TiO,TiO2,T
i2O3,Y2O3,Yb2O3,MgO,Ta2O5,CeO2,HfO2などが挙げられ
る。フッ化物としては、MgF2,AlF3,BaF2,CaF2,Na3AlF6,
Na5Al3F14などが挙げられる。金属窒化物としては、Si3
N4などが挙げられる。
金属としてはCr,W,Taなどが挙げられる。
これらの物質は、一種のみならず二種以上を混合して使
用することも可能である。
前記物質を単層または多層の反射防止膜として形成させ
る方法には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法、イオンビームアシスト法などが挙げら
れる。
[実施例] 実施例1 (1) 被コーティング樹脂の調製 テスラブロムビスフェノールAのエチレンオキサイド2
モル付加体に1モルのアクリル酸をエステル化により結
合させた水酸基含有化合物1モルに対し、エキサメチレ
ンジイソシアネートを0.9モル付加させた多官能アクリ
レートモノマーを含むモノマー70部とスチレン30部をイ
ソプロピルパーオキサイドを重合開始剤としてキャスト
重合した基材を低温プラズマ処理を行ない、表面処理さ
れた基材を得た。得られた樹脂の屈折率は1.6であっ
た。
(2) コーティング組成物の調製 (a)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン加
水分解物の調製 回転子を備えた反応器中にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン95.3gを仕込み、液温を10℃に保ち、
マグネチックススターラーで撹拌しながら0.01規定塩酸
水溶液21.8gを徐々に滴下する。滴下終了後冷却をやめ
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加
水分解を得た。
(b)塗料の調製 前記シラン加水分解物に、メタノール216g、ジメチルホ
ルムアミド216g、フッ素系界面活性剤0.5g、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(シェル化学社製 商品名 エピ
コート827)67.5gを添加混合し、さらにコロイド状五酸
化アンチモンゾル(日産化学社製商品名 アンチモンゾ
ルA−2550 平均粒子径 60mμ)270g、アルミニウム
アセチルアセトネート13.5gを添加し、充分撹拌した
後、コーティング組成物とした。
(3) プラスチック成形体の作製 前記(1)によって得られた被コーティング樹脂に前記
(2)で調製したコーティング組成物を引き上げ速度10
cm/分の条件で被コーティング樹脂に浸漬塗布し、次い
で82℃/12分の予備硬化を行ないさらに93℃/4時間加熱
してプラスチック成形体を得た。
(4) 性能評価 得られたプラスチック成形体の性能は下記の方法に従っ
て試験を行なった。結果は第1表に示す。
(イ)スチールウール硬度 #0000のスチールウールで塗面をこすり、傷つき具合を
判定する。判定基準は、 A…強く摩擦しても傷がつかない。
B…かなり強く摩擦すると少し傷がつく。
C…弱い摩擦でも傷がつく。
ただし、こすり回数は5往復で行なった。
(ロ)密着性 塗膜面に1mmの基材に達するゴバン目を塗膜の上から鋼
ナイフで100個入れて、セロハン粘着テープ(商品名
“セロテープ”ニチバン株式会社製品)を強くはりつ
け、90度方向に急速にはがし、塗膜剥離の有無を調べ
た。
(ホ)透明性 得られたプラスチック成形体を肉眼にてその透明性を観
察した。判定基準は、 ○…強い光を当ててもくもりは認められない。
△…強い光を当てるとくもりが認められる。
×…強い光を当てなくてもくもりが認められる。
(ニ)反射干渉縞 得られたプラスチック成形体の下部に黒い布を置き、上
方10cmの位置より螢光灯を当てて反射光を肉眼で観察
し、干渉縞の有無を判定した。
(ホ)染色性 赤、青、黄3色からなる分散染料浴を調製し液温を93℃
に保ち5分間染色を行なった。得られた染色成形体をカ
ラーコンピューター(スガ試験機製)にて全光線透過率
を測定した。判定基準は、全光線透過率50%以下を良と
した。
(ヘ)耐候性 得られたプラスチック成形体を屋外に3ケ月暴露し、塗
膜の密着性を評価した。
実施例2 実施例1においてコーティング組成物を第1表に示す組
成物に変える以外はすべて同様に行なった。
得られたプラスチック成形体の性能を第1表に示す。
実施例3 実施例1において被コーティング樹脂をポリカーボネー
ト(屈折率=1.58)に変える以外はすべて同様に行なっ
た。
得られたプラスチック成形体の性能を第1表に示す。
比較例1〜3 実施例1においてコーティング組成物を第1表に示す組
成物に変える以外はすべて同様に行なった。
得られたプラスチック成形体の性能を第1表に示す。
実施例4〜5、比較例4〜5 実施例1においてエポキシ樹脂を表1に示す化合物に変
える以外はすべて同様に行なった。
得られたプラスチック成形体の性能を第1表に示す。た
だし、比較例5においては相分離をおこし、コーティン
グ不能であった。
実施例6 (1) 塗料の調製 実施例1で用いたコーティング組成物中にさらに遷移金
属化合物としてアセチルアセトンCu(II)1.1gを加え、
充分撹拌した後、コーティング組成物とした。
(2) 透明成形体の作成 実施例1で用いたと同じ活性化ガス処理されたプラスチ
ック基体に、前記(1)で調製したコーティング組成物
を引き上げ速度10cm/分の条件で浸漬塗布し、次いで82
℃/12分の予備硬化を行ないさらに130℃/2時間加熱して
透明成形体を得た。
(3) 透明成形体の染色 赤、青、黄3色からなる分散染料染浴を調製し、液温を
93℃に保ち、これに前記(2)で得た透明成形体を10分
間浸漬し染色を行なった。得られた透明成形体は全光線
透過率が40%のブラウンに染色されたものであった。
(4) 染色耐光堅牢度試験 前記(3)で得られた透明成形体をフェードメーター
(スガ試験機(株)製品)に20時間暴露し、暴露前後の
全光線透過率を用い、下式によって耐光堅牢度を評価し
た。なお、数値の小さい方が染色品の耐光堅牢性が優れ
ていることを意味し、遷移金属化合物を含む被膜が良好
なことがわかる。試験結果は第2表に示す。
耐光堅牢度(%)= {(T2−T1)÷(T0−T1)}×100 T0:染色前の全光線透過率 T1:染色後、暴露前の全光線透過率 T2:染色後、暴露後の全光線透過率 なお被膜の屈折率は1.58を有し、基体と被膜の屈折率の
差による虹模様もなく外観は良好であった。
実施例7 実施例6において遷移金属化合物をアセチルアセトンNi
(II)に変える以外はすべて同様に行なった。試験結果
を第2表に示す。
比較例6 実施例6において遷移金属の金属塩を添加せずその他は
すべて同様に行なった。試験結果を第2表に示す。
実施例8〜11、比較例7 (1) コーティング物の染色 前記実施例1とまったく同様にして得られたコーティン
グ物を赤、青、黄3色からなる分散染料浴を調製し染浴
を93℃に保ち5分間染色を行なった。得られたコーティ
ング物は全光線透過率が50%のブラウン染色されたもの
であった。
(2) 透明成形体の作製 前記(1)によって得られた染色コーティング物を前処
理としてイオンビームクリーニングを行ないSiO2、Al2O
3、Yb2O3、ZrO2をそれぞれ真空蒸着法で光学的膜圧をλ
/2(λは521nm)に設定して、両面に被覆させた。な
お、比較例として無機酸化物を被覆させないものについ
ても試験した。
(3) 染色耐光堅牢度試験 実施例6の方法に従って、まったく同様に行なった。試
験結果を第3表に示す。ただし、テストは実施例6と同
一日ではない。
実施例12〜13、比較例8 実施例8において(2)の無機酸化物を第4表に示すと
おりの多層膜に変える以外はすべて同様に行なった。
得られた透明成形体はいずれも赤紫色の反射干渉色を有
する良好な反射防止透明成形体であった。他の試験結果
は第4表に示す。なお、比較例として無機酸化物を被覆
していないものについても試験した。
(イ)スチールウール硬度 #0000のスチールウールで塗面をこすり、傷つき具合を
判定する。判定基準は、 A…強く摩擦しても傷がつかない。
B…かなり強く摩擦すると少し傷がつく。
C…弱い摩擦でも傷がつく。
ただし、こすり回数は20往復で行なった。
(ロ)密着性 塗膜面に1mmの基材に達するゴバン目を被膜の上から鋼
ナイフで100個入れて、セロハン粘着テープ(商品名
“セロテープ”ニチバン株式会社製品)を強く貼り付
け、90度方向に急速にはがし、被膜剥離の有無を調べ
た。
(ハ)外観 得られた透明成形体を肉眼にてその透明性、着色度を観
察した。
(ニ)耐光堅牢度 実施例6と同様に行なった。ただし、テスト日は実施例
6とは同一日ではない。
実施例14 (1) 反射防止膜の作製 前記実施例8で用いたと同じコーティング被膜の上に無
機物質のZrO2/TiO2,Ta2O5,SiO2を真空蒸着法でこの順序
にそれぞれ光学的膜厚をλ/4(λは521nm)に設定し
て、レンズの両面に多層被覆させた。
得られた反射防止プラスチック透明成形体の反射干渉色
はグリーンを呈し、全光線透過率は98%であった。
(2) 性能評価 得られたプラスチック透明成形体の性能は下記の方法に
従って試験を行なった。結果は第5表に示す。
(イ)スチールウール硬度 #0000のスチールウールで塗面をこすり、傷つき具合を
判定する。判定基準は、 A…強く摩擦しても傷がつかない。
B…かなり強く摩擦すると少し傷がつく。
C…弱い摩擦でも傷がつく。
なお、こすり回数は20往復で行なった。
(ロ)密着性 塗膜面に1mm間隔の基材に達するゴバン目を塗膜の上か
ら鋼ナイフで100個入れて、セロハン粘着テープ(商品
名“セロテープ”ニチバン株式会社製品)を強くはりつ
け、90度方向に急速にはがし、塗膜剥離の有無を調べ
た。
(ハ)透明性 得られたプラスチック透明成形体を肉眼にてその透明性
を観察した。判定基準は、 ○…強い光を当ててもくもりは認められない。
△…強い光を当てるとくもりが認められる。
×…強い光を当てなくてもくもりが認められる。
(ニ)反射干渉縞 得られたプラスチック成形体の下部に黒い布を置き、上
方10cmの位置より螢光灯を当てて反射光を肉眼で観察
し、干渉縞の有無を判定した。
(ホ)耐候性 得られたプラスチック成形体を屋外に3ケ月暴露し、塗
膜の密着性を評価した。
実施例15 実施例14においてコーティング組成物を第5表に示す組
成物に変える以外はすべて同様に行なった。
得られたプラスチック成形体の性能を第5表に示す。
比較例9〜11 実施例14においてコーティング組成物を第5表に示す組
成物に変える以外はすべて同様に行なった。
得られたプラスチック成形体の性能を第5表に示す。
比較例12 実施例14においてコーティング組成物の塗布をせず、そ
のほかはすべて同様にして反射防止性を有するプラスチ
ック成形体を得た。
得られたプラスチック成形体の性能を第5表に示す。
「発明の効果] 本発明によって得られる透明成形体は、耐すり傷性、耐
摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性、可撓性、耐熱性、耐光
性、耐候性、染色性などに優れ、染色品についてはその
耐光堅牢度が良好な透明成形体とすることができる。さ
らに芳香環やハロゲン原子を含む(フッ素を除く)屈折
率の高いプラスチックに干渉縞による外観不良を生じる
ことなく、前記の特性を付与することができる。また一
般のプラスチックの難燃性向上に効果があり、高い屈折
率を有する透明基体に適用しても、干渉縞の発生がな
く、さらに耐久性のある高硬度表面を有し、かつ染色品
の耐光堅牢度が良好であることから、厚みの薄い視力矯
正用レンズはもとより、カメラ、双眼鏡などのレンズに
も好ましく使用される。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基体の表面に下記一般式(I)で表わ
    される有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物
    100重量部に対し、芳香環および/または脂肪族環を有
    する多官能エポキシ樹脂を10〜300重量部および平均粒
    子径が1〜200mμの酸化アンチモン微粒子を25〜800重
    量部含有する組成物からなる硬化透明膜が被覆されてな
    る透明成形体。 R1R2bSi(OR33-b (I) (式中R1はエポキシ基またはグリシドキシ基を有する炭
    化水素基から選ばれた1種であり、R2はアルキル基、ア
    ルケニル基、アリール基、および、ハロゲン基、エポキ
    シ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタ
    クリルオキシ基およびシアノ基から選ばれた少なくとも
    1種を有する炭化水素基から選ばれた1種以上である。
    R3は加水分解性基であり、bは0または1である)
  2. 【請求項2】透明基体がプラスチックである特許請求の
    範囲第(1)項記載の透明成形体。
  3. 【請求項3】プラスチックの屈折率が1.54〜1.70である
    特許請求の範囲第(2)項記載の透明成形体。
  4. 【請求項4】透明基体が無機セラミックスである特許請
    求の範囲第(1)項記載の透明成形体。
  5. 【請求項5】表面の少なくとも1部に透明導電膜を有す
    る無機セラミックスである特許請求の範囲第(4)項記
    載の透明成形体。
  6. 【請求項6】酸化アンチモン微粒子が五酸化アンチモン
    である特許請求の範囲第(1)項記載の透明成形体。
  7. 【請求項7】透明基体がハロゲン原子(フッ素を除く)
    を含むプラスチックである特許請求の範囲第(1)項記
    載の透明成形体。
  8. 【請求項8】硬化透明膜が遷移金属化合物および/また
    はその反応生成物を有する特許請求の範囲第(1)項記
    載の透明成形体。
  9. 【請求項9】遷移金属化合物および/またはその反応生
    成物がCu、Ni、Mn、Co、Feから選ばれる少なくとも一種
    以上の金属キレート化合物である特許請求の範囲第
    (8)項記載の透明成形体。
  10. 【請求項10】遷移金属化合物および/またはその反応
    生成物が一重項酸素クエンチャーとしての機能を有して
    いるものである特許請求の範囲第(9)項記載の透明成
    形体。
  11. 【請求項11】透明基体の表面に下記一般式(I)で表
    わされる有機ケイ素化合物および/またはその加水分解
    物100重量部に対し、芳香環および/または脂肪族環を
    有する多官能エポキシ樹脂を10〜300重量部および平均
    粒子径が1〜200mμの酸化アンチモン微粒子を25〜800
    重量部含有する組成物からなる硬化透明膜を設けた上に
    無機酸化物からなる透明膜が被覆されてなることを特徴
    とする透明成形体。 R1R2bSi(OR33-b (I) (式中R1はエポキシ基またはグリシドキシ基を有する炭
    化水素基から選ばれた1種であり、R2はアルキル基、ア
    ルケニル基、アリール基、および、ハロゲン基、エポキ
    シ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタ
    クリルオキシ基およびシアノ基から選ばれた少なくとも
    1種を有する炭化水素基から選ばれた1種以上である。
    R3は加水分解性基であり、bは0または1である)
  12. 【請求項12】無機酸化物がSiO2、Al2O3、Yb2O3、ZrO2
    から選ばれた少なくとも一種以上を含む特許請求の範囲
    第(11)項記載の透明成形体。
  13. 【請求項13】無機物からなる透明膜が2層以上の多層
    膜である特許請求の範囲第(11)項記載の透明成形体。
  14. 【請求項14】無機物からなる透明膜が反射防止膜であ
    る特許請求の範囲第(11)項記載の透明成形体。
  15. 【請求項15】透明成形体が光学用物品である特許請求
    の範囲第(11)項記載の成形体。
  16. 【請求項16】光学用物品が眼鏡用レンズである特許請
    求の範囲第(15)項記載の透明成形体。
  17. 【請求項17】無機酸化物からなる透明膜が真空蒸着に
    て成形されたものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第(11)項記載の透明成形体。
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