JP2009015077A - 一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系及び一眼レフレックスカメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮影光学系の光路中に回動可能に配置されたレフレックスミラー2と、これにより反射する撮影光束の結像位置に配置された焦点板3と、入射面が焦点板3の出射面に対向するように配置されたペンタプリズム4と、ペンタプリズム4の出射面に対向するように配置された接眼レンズとを有する一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、少なくとも焦点板3の表面に、撥水性又は撥水撥油性を有する膜及び帯電防止膜を少なくとも有する積層型防塵膜6が形成された一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
【選択図】図1(a)
Description
図1(a),(b)および(c)は、本発明のファインダー光学系を具備する一眼レフレックスカメラの一例を示す。この例のカメラは、(1) カメラ本体1に固定された、ファインダー光学系の基台であるミラーボックス10と、(2) その開口部に固定されたレンズマウント11と、(3) これを介して装着された交換レンズ12と、(4) (i) 撮影光学系の光路中、ミラーボックス10内で回動可能に配置されたレフレックスミラー2、(ii) これにより反射した撮影光束の結像位置に配置された焦点板3、(iii) 入射面が焦点板3の出射面に対向するように配置されたペンタプリズム4、及び(iv) ペンタプリズム4の出射面に対向するように配置された接眼レンズ群5a,5b,5cにより構成されたファインダー光学系と、(5) 光路上に設けられたシャッター13とを有し、焦点板3の出射面に、出射側から順に撥水性又は撥水撥油性を有する膜(以下特段の断りがない限り、「撥水/撥油性膜」と表記する)60及び帯電防止膜61を有する積層型防塵膜6が形成されている。ミラー2はミラーボックス10に回動自在に取付けられている。焦点板3は保持枠14に装着されている。図1(d)は積層型防塵膜6が焦点板3の表面に形成されていることを示す拡大断面図である。
ファインダー光学系を構成するミラー2、焦点板3、ペンタプリズム4及び接眼レンズ群5a,5b,5cの形状及び構成材料は、いずれも公知のものでよい。例えばこれらを構成する材料としては、公知の光学用のガラスやプラスチックが挙げられる。焦点板3としては、例えば入射面がフレネル面となっており、出射面がマイクロプリズム等によるミクロンオーダーの凹凸を有するマット面となっているものが挙げられる。
積層型防塵膜6は、外側から順に撥水/撥油性膜60及び帯電防止膜61を少なくとも有する。積層型防塵膜6は、撥水/撥油性膜60と帯電防止膜61の間、又は帯電防止膜61の内面側に、微細な凹凸が表面に形成された耐塵埃付着性微細凹凸膜62を有してもよい。
撥水/撥油性膜60は最表面に形成する。ファインダー光学系の構成部材であるミラー2、焦点板3、ペンタプリズム4及び接眼レンズ群5a,5b,5c(以下特段の断りがない限り、これらをまとめて単に「光学部材」とよぶ)と、球形の塵埃粒子との間の液架橋力F1は、下記一般式(1):
F1=−2πγD ・・・(1)
(ただしγは液の表面張力であり、Dは塵埃粒子の粒径である。)により表され、光学部材と塵埃粒子の接触部に液体が凝集することによりできる液架橋により生じる力である。よって光学部材上に撥水/撥油性膜60を形成し、水や油の付着を低減すると、液架橋力F1による塵埃粒子の付着を低減できる。
cosθγ=γcosθ ・・・(2)
(ただしθγは凹凸面での接触角であり、γは表面積倍増因子であり、θは平滑面での接触角である。)により近似される関係が有る。通常γ>1であるので、θγは、θ<90°である時にはθより小さく、θ>90°である時にはθより大きい。よって、親水性表面の面積を凹凸化により大きくすると親水性が一層強まり、撥水性表面の面積を凹凸化により大きくすると撥水性が一層強くなる。そのため後述する耐塵埃付着性微細凹凸膜62上に、凹凸を保持するように撥水膜6を形成すると、高い撥水効果が得られる。
CF3(CF2)a(CH2)2SiRbXc ・・・(5)
(ただしRはアルキル基であり、Xはアルコキシ基又はハロゲン原子であり、aは0〜7の整数であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜3の整数であり、かつb + c = 3である。)により表される化合物が挙げられる。式(5)により表される化合物の具体例として、CF3(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CH2)2SiCl3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3、CF3(CF2)7(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3Cl2等が挙げられる。有機珪素ポリマーとして市販品を用いてもよく、例えばXC98-B2472(GE東芝シリコーン株式会社製)等が挙げられる。
撥水/撥油性膜60の内面側に帯電防止膜61を設ける。これにより塵埃付着の原因の一つであるクーロン力を低減でき、耐塵埃付着性が一層向上する。
(ただしq1及びq2は各々光学部材の撥水/撥油性膜60及び塵埃粒子の電荷(C)であり、rは粒子半径であり、ε0は真空の誘電率8.85×10-12(F/m)である。)により表される。式(6)から明らかなように、光学部材の撥水/撥油性膜60及び塵埃粒子の帯電量を低減することにより静電付着力F2を低減できるため、帯電防止膜61により除電するのは効果的である。
(ただしε0は真空の誘電率8.85×10-12(F/m)であり、εは光学部材の撥水/撥油性膜60の誘電率であり、qは塵埃粒子の電荷であり、rは粒子半径である。)により表され、帯電していない光学部材の撥水/撥油性膜60に電荷を持った塵埃粒子が近づくと撥水/撥油性膜60に異符号等価の電荷が誘起されることにより発生する力である。電気映像力F3は、ほぼ塵埃粒子の帯電率に依存するため、付着した塵埃粒子を帯電防止膜61により除電することにより小さくすることができる。
撥水/撥油性膜60と帯電防止膜61の間、又は帯電防止膜61の内面側に、微細な凹凸が表面に形成された耐塵埃付着性微細凹凸膜62を設けてもよい。積層型防塵膜6が耐塵埃付着性微細凹凸膜62を有すると、付着した塵埃粒子の分子間力及び接触帯電付着力F4が低減され、耐塵埃付着性が一層向上する。
[ただしε0は真空の誘電率8.85×10-12(F/m)であり、Vcは光学部材の微細凹凸積層型防塵膜6と塵埃粒子との接触電位差であり、AはHamaker定数(van der Waals 相互作用の大きさを表す量)であり、kは下記式:k=k1 + k2(ただしk1及びk2は各々k1=(1−ν1 2)/E1及びk2=(1−ν2 2)/E2であり、ν1及びν2は各々光学部材の微細凹凸積層型防塵膜6及び塵埃粒子のPoisson比であり、E1及びE2は各々光学部材の微細凹凸積層型防塵膜6及び塵埃粒子のYoung率である。)により表される係数であり、Dは塵埃粒子径であり、Z0は光学部材の微細凹凸積層型防塵膜6と塵埃粒子との間の距離であり、bは光学部材の微細凹凸積層型防塵膜6のSRaである。]により表され、化学的なポテンシャルの差により発生する。式(8)から明らかなように、b(光学部材の微細凹凸積層型防塵膜6のSRa)を大きくすることにより、接触帯電付着力F4を小さくできる。
(ただしXL〜XRは測定面のX座標の範囲であり、YB〜YTは測定面のY座標の範囲であり、S0は測定面がフラットであるとした場合の面積|XR−XL|×|YT−YB|であり、XはX座標であり、YはY座標であり、F(X,Y)は測定点(X,Y)における高さであり、Z0は測定面内の平均高さである。)により表される。
SR=S/S0 ・・・(10)
(ただしS0は測定面がフラットであるとした場合の面積であり、Sは表面積測定値である。)により求める。Sは次のようにして求める。まず測定する領域を最も近接した3つのデ−タ点(A,B,C)よりなる微小三角形に分割し、次いで各微小三角形の面積ΔSをベクトル積、すなわちΔS(ΔABC)=|AB×AC|/2(但しABおよびACは各辺の長さ)を用いて求める。ΔSの総和を求め、Sとする。ただしSRは、光の散乱が発生しない程度の大きさであるのが好ましい。
(1) 撥水/撥油性膜の形成
(a) フッ素含有無機化合物膜の形成方法
フッ素含有無機化合物からなる膜は、フッ素含有無機化合物を原料として、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、熱CVD、プラズマCVD、光CVD等の化学蒸着法等により形成することができる。経済性の観点から、真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法では、高真空下(例えば1×10-4〜1×10-2 Pa程度)でフッ素含有無機化合物からなる蒸着材の蒸気を光学部材上に凝縮させて蒸着膜を形成する。蒸着材を蒸気にする方法は特に制限されず、例えば通電加熱型ソースを用いる方法、E型電子銃により電子ビームを当てる方法、ホローカソード放電により大電流電子ビームを当てる方法、レーザパルスを当てるレーザアブレーション等が挙げられる。光学部材はその膜形成面が蒸着材に対向するように設置し、その状態で蒸着中に回転させるのが好ましい。蒸着時間、加熱温度等を適宜設定することにより、所望の厚さを有する層を形成することができる。
フルオロ脂肪族基含有不飽和エステル単量体及び不飽和シラン単量体の共重合体の膜を形成するには、(i) 少なくとも両単量体を共重合させ、得られた共重合体を含有する溶液(共重合体溶液)を光学部材に塗布した後で乾燥させる方法(共重合体塗布法)を用いても良いし、(ii) 両単量体及びこれらのオリゴマーのいずれかを含有する溶液(単量体/オリゴマー溶液)を光学部材に塗布し、乾燥した後、重合させる方法(重合法)を用いても良い。
フルオロ脂肪族基含有不飽和エステル単量体及び不飽和シラン単量体の共重合体の製造は、公知のラジカル重合法を用いて行うことができる。例えば、少なくとも両単量体を適当な溶媒に溶解させ、アゾビスイソブチロニトリル等の公知のラジカル重合開始剤の存在下60〜75℃で10〜20時間加熱することにより共重合体が得られる。溶媒としては、例えばC3F7OCH3、C3F7OC2H5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5等のハイドロフルオロエーテルや、CF3CFHCFHCF2CF3、C5F11H等のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。
重合法では、単量体/オリゴマー溶液を光学部材に塗布し、放射線重合させるのが好ましい。放射線としては紫外線、X線又は電子線が好ましい。以下紫外線を用いる重合法について説明する。両単量体又はこれらのオリゴマーと、ラジカル重合開始剤とを溶媒に溶解又は分散させて単量体/オリゴマー溶液を調製する。ラジカル重合開始剤及び溶媒は上記と同じで良い。単量体/オリゴマー溶液の濃度は、0.1〜150 g/Lが好ましく、1〜50 g/Lがより好ましい。
必要に応じて、共重合体膜を架橋してもよい。架橋方法としては、電離放射線を照射する方法、架橋剤を用いる方法、加硫する方法等が挙げられる。電離放射線としてはα線、β線(電子線)、γ線等を用いることができる。架橋剤としては、不飽和結合を2つ以上有する化合物、例えばブタジエン、イソプレン等が挙げられる。架橋剤は、共重合体塗布法を用いる場合、共重合前の両単量体を含む溶液に添加し、重合法を用いる場合、単量体/オリゴマー溶液に添加する。
フッ素含有シラン化合物を加水分解して得られるポリマーからなる膜は、フッ素含有シラン化合物及び水を含む塗布液を塗布し、ゾルゲル法により形成する。塗布液には溶媒を使用してもよい。溶媒として、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が挙げられる。塗布液には、アルコキシ基の加水分解を促進したり、脱水縮合を促進したりするための触媒を添加することができる。触媒としては、例えば硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、アンモニア等が挙げられる。塗布法は上記と同じでよい。塗布膜の乾燥条件は特に制限されないが、室温〜100℃の温度及び5分〜24時間の条件が好ましい。
フッ素樹脂膜は、真空蒸着法又は塗布法等のウェット法で形成可能である。塗布法によりフッ素樹脂層を作製する方法を説明する。塗布法によりフッ素樹脂膜を形成するには、(i) 少なくともフッ素含有オレフィン系化合物を重合させ、得られた(共)重合体を含有する溶液を光学部材に塗布した後で乾燥させる方法を用いても良いし、(ii) フッ素含有オレフィン系化合物及びそのオリゴマーのいずれかを含有する溶液を光学部材に塗布し、乾燥した後、重合させる方法を用いても良い。いずれの方法も、フッ素含有オレフィン系化合物もしくはそのオリゴマー又はその両方を用いる以外フルオロ脂肪族基含有不飽和エステル単量体及び不飽和シラン単量体の共重合体の膜を形成する場合と同じでよいので、説明を省略する。ただしフッ素含有オレフィン系化合物等が熱硬化型の場合、100〜140℃に30〜60分程度加熱するのが好ましい。
導電性無機材料のみからなる膜は、蒸着材やソースガスとして上記導電性無機材料用のものを用いる以外上記撥水/撥油性膜60用の蒸着膜を形成する場合と同様にして、真空蒸着法等の物理蒸着法、化学蒸着法等により形成することができる。導電性無機微粒子−バインダ複合層は上記慣用の塗布方法で形成することができる。以下、塗布法により導電性無機微粒子−バインダ複合層を作製する方法を説明する。
導電性無機微粒子の平均粒径は5〜80 nm程度であるのが好ましい。平均粒径が80 nm超であると、得られる帯電防止膜61の透明性が低く過ぎる。また平均粒径が5nm未満の導電性無機微粒子は作製が困難である。
導電性無機微粒子含有スラリーの塗布方法は、上記慣用の方法でよい。導電性無機微粒子含有スラリー層中のバインダ成分を重合させる。バインダ成分が金属アルコキシド又はそのオリゴマーである場合、硬化条件は、80〜400℃の温度で30分〜10時間とすればよい。バインダ成分が紫外線硬化性の場合、UV照射装置を用いて50〜3,000 mJ/cm2程度でUV照射すると、バインダ成分が重合し、導電性無機微粒子とバインダからなる層が形成する。層の厚さにも拠るが、照射時間は通常0.1〜60秒程度である。
(a) 微細凹凸アルミナ膜の形成方法
微細凹凸アルミナ膜は、アルミニウム化合物を含む塗布液を光学部材に塗布してアルミナを含むゲル膜を形成するか、アルミニウム、アルミナ又はこれらの混合物からなる蒸着膜を形成した後、得られたいずれかの膜を熱水で処理することにより得られる。
アルミニウム化合物としては、アルミニウムアルコキシド、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム等が挙げられる。好ましくはアルミニウムアルコキシドである。アルミニウムアルコキシドを用いて微細凹凸アルミナ膜を形成する方法として、例えば特開平9-202649号、特許第3688042号及び特開平9-202651号に記載の方法が挙げられる。これらの方法に従えば、アルミニウムアルコキシドと水と安定化剤とを含む塗布液を光学部材に塗布し、ゾルゲル法によりアルミナゲル膜を形成し、得られたアルミナゲル膜を熱水で処理することにより、微細凹凸アルミナ膜が得られる。アルミニウムアルコキシドを用いて微細凹凸アルミナ膜を形成する方法について詳細に説明する。
Si(OR6)x (R7)4-x ・・・(11)
により表される。一般式(11)中のR6としては、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アセチル基等が挙げられる。R7としては、炭素数1〜10の有機基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、tert-オクチル基、n-デシル基、フェニル基、ビニル基、アリル基等の無置換の炭化水素基、及びγ-クロロプロピル基、CF3CH2-基 、CF3CH2CH2-基、C2F5CH2CH2-基 、C3F7CH2CH2CH2-基、CF3OCH2CH2CH2-基、C2F5OCH2CH2CH2-基 、C3F7OCH2CH2CH2-基 、(CF3)2CHOCH2CH2CH2-基 、C4F9CH2OCH2CH2CH2-基、3-(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2-基、H(CF2)4CH2CH2CH2-基、γ-グリシドキシプロピル基、γ-メルカプトプロピル基、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル基、γ-メタクリロイルオキシプロピル基等の置換炭化水素基が挙げられる。xは2〜4の整数を表す。
アルミニウム、アルミナ又はこれらの混合物からなる蒸着膜は、真空蒸着法等の物理蒸着法、化学蒸着法等により形成することができるが、真空蒸着法が好ましい。均一な蒸着膜を形成し、かつ三次元平均表面粗さが好ましい範囲にある耐塵埃付着性微細凹凸膜62を得るために、蒸着膜の厚さは5〜500 nmとするのが好ましい。
得られたゲル膜又は蒸着膜を、40〜100℃の温度に加熱した水又は水と有機溶媒との混合液で熱水処理する。ゲル膜又は蒸着膜を形成した光学部材を、上記温度の水又は上記混合液に浸漬するのが好ましい。浸漬温度は50〜100℃が好ましい。浸漬時間は1〜240分間が好ましい。
上記ゲル膜又は蒸着膜に凹凸を形成した後、室温〜500℃の温度で乾燥するのが好ましく、100〜450℃の温度で焼成するのがより好ましい。乾燥(焼成)時間は10分〜36時間とするのが好ましい。乾燥により、上記凹凸を有し、アルミナ、アルミニウム水酸化物又はこれらの混合物を主成分とする耐塵埃付着性微細凹凸膜62が得られる。アルミニウム蒸着膜を熱水処理した場合でも、通常はアルミナ、アルミニウム水酸化物又はこれらの混合物を主成分とする耐塵埃付着性微細凹凸膜62が得られる。
微細凹凸亜鉛化合物膜は、亜鉛化合物を含む溶液又は分散液を光学部材に塗布し、乾燥してゲル膜を形成し、得られたゲル膜を20℃以上の温度の水で処理することにより得られる。
アルミナ、亜鉛酸化物、ジルコニア、シリカ、チタニア等の透明な金属酸化物からなる膜を、フォトリソグラフィー法でパターニングする。金属酸化物膜は、上記と同様にして、ゾル−ゲル法等の湿式成膜法や、蒸着法により形成すればよい。
撥水/撥油性膜60、帯電防止膜61及び耐塵埃付着性微細凹凸膜62を形成する前に、これら各膜の下地である光学部材又は膜に対して、コロナ放電処理又はプラズマ処理を施し、吸着水分や不純物を除去するとともに表面を活性化してもよく、これにより各膜の固着強度が向上する。
10・・・ミラーボックス
10a,10d・・・空間
10b,10c・・・開口部
11・・・レンズマウント
12・・・交換レンズ
13・・・シャッター
14・・・保持枠
15・・・緩衝材
16・・・粘着材
17・・・モータ
2・・・レフレックスミラー
3・・・焦点板
4・・・ペンタプリズム
5a,5b,5c・・・接眼レンズ群
6・・・積層型防塵膜
60・・・撥水/撥油性膜
61・・・帯電防止膜
62・・・耐塵埃付着性微細凹凸膜
7,7a,7b,7c・・・圧電素子
8・・・ローラー
Claims (15)
- 撮影光学系の光路中に回動可能に配置されたレフレックスミラーと、これにより反射する撮影光束の結像位置に配置された焦点板と、入射面が前記焦点板の出射面に対向するように配置されたペンタプリズムと、前記ペンタプリズムの出射面に対向するように配置された接眼レンズとを有する一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、少なくとも前記焦点板の表面に、撥水性又は撥水撥油性を有する膜及び帯電防止膜を少なくとも有する積層型防塵膜が形成されたことを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項1に記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記ペンタプリズム及び前記接眼レンズのいずれか、又はこれらの両方の表面にも前記積層型防塵膜が形成されたことを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項1又は2に記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記積層型防塵膜は、微細な凹凸が表面に形成された耐塵埃付着性微細凹凸膜をさらに有することを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項3に記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記積層型防塵膜は、最表面に前記撥水性又は撥水撥油性を有する膜を有し、前記撥水性又は撥水撥油性を有する膜と前記帯電防止膜の間、又は前記帯電防止膜の内面側に、前記耐塵埃付着性微細凹凸膜を有することを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項3又は4に記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記耐塵埃付着性微細凹凸膜はアルミナ、アルミニウム水酸化物、亜鉛酸化物及び亜鉛水酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項3〜5のいずれかに記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記耐塵埃付着性微細凹凸膜の凹凸は、不規則に分布する多数の微細な形状の凸部とそれらの間の溝状の凹部とからなることを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項3〜6のいずれかに記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記耐塵埃付着性微細凹凸膜を有する積層型防塵膜の最表面の三次元平均表面粗さは1〜100 nmであることを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項3〜7のいずれかに記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記耐塵埃付着性微細凹凸膜を有する積層型防塵膜の最表面の凹凸の最大高低差は5〜1,000 nmであることを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項3〜8のいずれかに記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記耐塵埃付着性微細凹凸膜を有する積層型防塵膜の最表面の比表面積は1.05以上であることを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記焦点板を機械的に除塵する手段を具備することを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項10に記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記機械的防塵手段は、前記焦点板を振動させる手段又は前記焦点板の表面を拭き取る手段であることを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項11に記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記焦点板を振動させる手段は圧電素子であり、前記焦点板の表面を拭き取る手段は、前記焦点板の表面に接触しながら回動するローラー又は前記焦点板の表面に接触しながら移動するワイパであることを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記レフレックスミラーは跳ね上がった時に、前記焦点板とほぼ対向し、かつ近接する位置で緩衝材に当たって止まるようになっており、前記焦点板と前記ペンタプリズムとの間に狭い空間が設けられており、前記空間は前記レフレックスミラーが配置された空間と連通しており、もって前記レフレックスミラーの跳ね上りにより生じた空気流が、前記焦点板と前記ペンタプリズムとの間の狭い空間を通り、前記焦点板の出射面及び前記ペンタプリズムの入射面が除塵されることを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系において、前記レフレックスミラー及び前記焦点板は、カメラ本体に固定されたミラーボックス内に配置されており、前記ミラーボックス内に、塵埃を捕捉する粘着材が設けられていることを特徴とする一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の一眼レフレックスカメラ用ファインダー光学系を具備することを特徴とする一眼レフレックスカメラ。
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