JP6468696B2 - 光学用部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
あるいは、(a)基材の少なくとも一方の面上に、無機物あるいは有機物の膜を形成する工程、(b)前記膜上に、アルミニウムアルコキシドまたはアルミニウム塩化合物を加水分解して得られた重縮合物、α位に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、パーフルオロアルキル基、アリル基、またはアリール基を持つβジケトン化合物、溶媒、及び有機シラン化合物を含有する酸化アルミニウム前駆体ゾルを供給する工程、(c)前記基材を200℃より低い温度で乾燥および/または焼成を行うことにより酸化アルミニウム膜を形成する工程、(d)前記酸化アルミニウム膜を60℃以上100℃以下の温水と接触させて、酸化アルミニウムを主成分とする突起および前記突起を支持する、下記一般式(1)で表わされる繰り返し構造を有する酸化アルミニウム膜を形成する工程を有することを特徴とする。
S0:測定面が理想的にフラットであるとした時の面積、|XR−XL|×|YT−YB|、F(X,Y):測定点(X,Y)における高さ、XはX座標、YはY座標、
XLからXR:測定面のX座標の範囲、
YBからYT:測定面のY座標の範囲、
Z0:測定面内の平均の高さ。
アルミニウム−sec−ブトキシド(ASBD、川研ファインケミカル製)24gと、アルミニウム−sec−ブトキシドに対して0.5当量の安定化剤と、2−エチルブタノールとを均一になるまで混合攪拌した。アルミニウム−sec−ブトキシドに対して1.5当量の0.01M希塩酸を2−エチルブタノール/1−エトキシ−2−プロパノールの混合溶媒に溶解してから、前記アルミニウム−sec−ブトキシドの溶液にゆっくり加え、60分間攪拌した。溶媒は最終的に2−エチルブタノールと1−エトキシ−2−プロパノールの混合比が重量比で7/3の混合溶媒になるように調整した。
14.6gのケイ酸エチルに、3.15gの0.01M希塩酸と、29.5gの1−ブタノール/2−プロパノールの1/1(wt.)混合溶媒をゆっくり加えてから、室温で撹拌した、6時間撹拌した後、94.6gの1−ブタノール/2−プロパノールの1/1(wt.)混合溶媒で希釈して中間層溶液1を調製した。
片面だけ研磨され、もう一方の面がスリガラス状の直径約φ30mm、厚さ約1mmの円盤状ガラス基板をアルカリ洗剤中で超音波洗浄した後、オーブン中で乾燥した。
絶対反射率測定装置(USPM−RU、オリンパス製)を用い、波長400nmから700nmの範囲の入射角0°時の反射率測定を行った。測定範囲の反射率の平均値と、比視感度が高い領域である波長530nmから570nmにおける反射率の平均値と、測定範囲の最低反射率を求めた。
X線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ製、Quantera SXM)を用い、酸化アルミニウムの突起を有する層を大きさ約φ30mm、厚さ約1mmのL−BAL42円盤状ガラス基板上に形成し、表面から深さ方向分析を行った。測定光源はAl(モノクロメータ)、ビーム径は100μm、スペクトル測定はNarrowモードを選択し、測定元素にはAl、Si、C、O、F、Baを指定した。検出領域は500μm×500μmとした。スパッタはAr+イオンビームを用いて加速電圧2kVでおこなった。
前記の方法で洗浄したL−BAL42(OHARA社製)(nd=1.583)円盤状ガラス基板に酸化アルミニウム前駆体ゾル1を適量滴下し、スピンコートによって反射率を下げるのに適した膜厚になるように塗布を行った後、140℃の熱風循環オーブンで30分加熱処理し、非晶性酸化アルミニウム膜を被膜した。その後、非晶性酸化アルミニウム膜を75℃の温水に浸漬することにより、平板ガラス上に酸化アルミニウムからなる突起を有する層を形成した。
酸化アルミニウム前駆体ゾル1の代わりに酸化アルミニウムゾル2から6を用い、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例1と同様の操作を行った。
基材にS−LAL8(OHARA社製)(nd=1.713)円盤状ガラス基板を用い、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例1と同様の操作を行った。
基材にS−TIM25(OHARA社製)(nd=1.673)円盤状ガラス基板を用い、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例1と同様の操作を行った。
基材にS−TIM3(OHARA社製)(nd=1.613)円盤状ガラス基板を用い、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例1と同様の操作を行った。
基材にS−FSL5(OHARA社製)(nd=1.488)円盤状ガラス基板を用い、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例1と同様の操作を行った。
酸化アルミニウム前駆体ゾル1の代わりに酸化アルミニウム前駆体ゾル7、9、10を用い、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例1と同様の操作を行った。
酸化アルミニウム前駆体ゾル1の代わりに酸化アルミニウム前駆体ゾル8を用い、成膜条件を温度200℃2時間焼成にし、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例1と同様の操作を行った。
(注2)*平均反射率2(%)は、光の波長530nmから570nmの範囲の入射角0°時における絶対反射率の平均値を示す。
(注3)*最低反射率(%)は、光の波長400nmから700nmの範囲の入射角0°時における反射率の最低反射率を示す。
(注5)*平均反射率2(%)は、光の波長530nmから570nmの範囲の入射角0°時における絶対反射率の平均値を示す。
(注6)*最低反射率(%)は、光の波長400nmから700nmの範囲の入射角0°時における反射率の最低反射率を示す。
実施例1から6と比較例1から4の平均反射率1、平均反射率2、最低反射率の結果を比較すると、本発明に係る光学用部材はすべての項目において良好な反射率特性を示すことが確認された。特に、比視感度が高い領域である波長530nmから570nmにおける反射率の平均値と、測定範囲の最低反射率の特性に優れていた。
前記の方法で洗浄したL−BAL42(OHARA社製)(nd=1.583)円盤状ガラス基板に中間層溶液1を適量滴下し、スピンコートによって反射率を下げるのに適した膜厚になるように塗布を行った後、200℃の熱風循環オーブンで60分加熱処理し、中間層膜を被膜した。
酸化アルミニウム前駆体ゾル1の代わりに酸化アルミニウム前駆体ゾル3を用い、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例11と同様の操作を行った。
酸化アルミニウム前駆体ゾル1の代わりに酸化アルミニウム前駆体ゾル7を用い、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例11と同様の操作を行った。
酸化アルミニウム前駆体ゾル1の代わりに酸化アルミニウム前駆体ゾル10を用い、非晶性酸化アルミニウム膜を形成した以外は実施例11と同様の操作を行った。
(注8)*平均反射率2(%)は、光の波長530nmから570nmの範囲の入射角0°時における絶対反射率の平均値を示す。
(注9)*最低反射率(%)は、光の波長400nmから700nmの範囲の入射角0°時における反射率の最低反射率を示す。
実施例11から12と比較例5から6の平均反射率1、平均反射率2、最低反射率の結果を比較すると、本発明に係る光学用部材は低屈折率硝材に対応した中間層と組み合わせることでも良好な反射率特性を示すことが確認された。特に、比視感度が高い領域である530nmから570nmにおける反射率の平均値と、測定範囲の最低反射率の特性に優れていた。
2 酸化アルミニウム前駆体ゾル
3 酸化アルミニウム膜
4 積層体
5 突起
6 支持層
7 積層体
8 突起
9 支持層
10 傾斜方向
11 基材表面の接線
12 酸化アルミニウム以外を主成分とする層
Claims (7)
- 前記突起を支持する支持層のX線分光光度分析(XPS)による深さ方向の分析によりAlとSiが検出され、前記突起を支持する支持層において検出されたAl含有量(A)に対するSiピーク中のSi−C基の含有量(S)の比[(S/A)×100]が0.01%以上10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学用部材。
- 前記酸化アルミニウムを主成分とする突起の微細構造がナノ構造であって、酸化アルミニウム固有の屈折率より低い見かけの屈折率が積層体の厚さ方向に変化していることを特徴とする請求項1または2に記載の光学用部材。
- 前記積層体は、前記基材と前記支持層との間に膜を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の光学用部材。
- 光学用部材の製造方法であって、(a)基材の少なくとも一方の面上にアルミニウムアルコキシドまたはアルミニウム塩化合物を加水分解して得られた重縮合物、α位に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、パーフルオロアルキル基、アリル基、またはアリール基を持つβジケトン化合物、溶媒、及び有機シラン化合物を含有する酸化アルミニウム前駆体ゾルを供給する工程、(b)前記基材を200℃より低い温度で乾燥および/または焼成を行うことにより酸化アルミニウム膜を形成する工程、(c)前記酸化アルミニウム膜を60℃以上100℃以下の温水と接触させて、酸化アルミニウムを主成分とする突起および前記突起を支持する、下記一般式(1)で表わされる繰り返し構造を有する酸化アルミニウム膜を形成する工程を有することを特徴とする光学用部材の製造方法。
(式中、R1、R2は炭素数1から10のアルキル基、フッ化アルキル基、フェニル基またはアミノアルキル基を示し、それらの基は置換基を有していても有していなくてもよい。mおよびnは1以上の整数である。) - 光学用部材の製造方法であって、(a)基材の少なくとも一方の面上に、無機物あるいは有機物の膜を形成する工程、(b)前記膜上に、アルミニウムアルコキシドまたはアルミニウム塩化合物を加水分解して得られた重縮合物、α位に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、パーフルオロアルキル基、アリル基、またはアリール基を持つβジケトン化合物、溶媒、及び有機シラン化合物を含有する酸化アルミニウム前駆体ゾルを供給する工程、(c)前記基材を200℃より低い温度で乾燥および/または焼成を行うことにより酸化アルミニウム膜を形成する工程、(d)前記酸化アルミニウム膜を60℃以上100℃以下の温水と接触させて、酸化アルミニウムを主成分とする突起および前記突起を支持する、下記一般式(1)で表わされる繰り返し構造を有する酸化アルミニウム膜を形成する工程を有することを特徴とする光学用部材の製造方法。
(式中、R1、R2は炭素数1から10のアルキル基、フッ化アルキル基、フェニル基またはアミノアルキル基を示し、それらの基は置換基を有していても有していなくてもよい。mおよびnは1以上の整数である。) - 前記酸化アルミニウム前駆体ゾルに含まれる有機シラン化合物が、R1−Si(OR3)3(R1は炭素数1から10のアルキル基、フッ化アルキル基、フェニル基またはアミノアルキル基を示し、それらの基は置換基を有していても有していなくてもよい。R3は水素原子、メチル基またはエチル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項5または6に記載の光学用部材の製造方法。
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