JP2018049075A - 光学膜、該光学膜を備えた基材、及び該基材を有する光学デバイス - Google Patents

光学膜、該光学膜を備えた基材、及び該基材を有する光学デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】透明性に優れ、反射防止性と防汚性を兼ね備えた光学膜の提供。【解決手段】(A)屈折率1.22〜1.32を示す低屈折率材料、及び(B)アルコキシシランとアルコキシチタンとからなる群から選択される一以上の金属アルコキシドの縮重合構造を含む複合ポリメタロキサン、を含む光学膜であって、前記縮重合構造は少なくともTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含むことを特徴とする光学膜。【選択図】なし

Description

本発明は、透明性、反射防止性及び防汚性に優れた光学膜、該光学膜を備えた基材、及び該基材を有する光学デバイスに関する。
ソーラーパネルに関連する分野では、反射防止機能及び防汚性・自浄性機能をパネル表面に備えた層に対する需要がある。前者の機能は例えば、パネル表面での可視光反射による光透過率の低下を防止し、発電効率を向上させる機能である。後者の機能は例えば、鳥糞・埃・水垢等のパネル汚れに対する防汚性・自浄性機能である。
また、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置関連する分野では、外光の反射によるコントラスト低下、像の映り込み、ディスプレイ表面の汚染等の問題がある。このため、透明性を低下させずに、反射防止及び防汚性に優れた装置に対する需要がある。
更に、監視カメラや望遠鏡などの光学レンズに関連する分野においては、像の写り込みによって画像が鮮明に見えない場合や、レンズなどの光学物品を使用するに際し、手垢、指紋等の付着による汚れに対応できる防汚性を有する製品に対する需要がある。
このような需要に対し、反射防止性向上の材料としては、シリカ等の無機粒子や、スチレンやアクリル等の有機微粒子等を用いる場合が多い。具体的には、特許文献1では、ゾル−ゲルタイプの酸化ケイ素母材と酸化ケイ素粒子、酸化アルミニウムとを組み合わせることにより、良好な機械的強度及び化学的抵抗性を持ち、特に改善された反射防止特性を示す反射防止層が提案されている。また、特許文献2では、テトラアルコキシシラン、オルガノシラン、およびオルガノフルオロシランを含有するゾルをコーティングし、その後、ゲル化させて製造した反射防止層が提案されている。
他方、防汚性または自浄性に関し、特許文献3では含フッ素ポリマーを用いることが提案され、特許文献4ではアナターゼ型酸化チタン粒子を用いることが提案されている。
特表2013−537873号公報 特表2014−527098号公報 特開2002−311205号公報 特開2013−026243号公報 特開2001−233611号公報 特開2008−139581号公報
しかしながら、反射防止性と防汚性を両立させた技術はこれまで報告されていなかった。
また、通常、防汚層は最表面に設ける必要があるが、防汚性を発現させるために特許文献4で使用されているようなサブミクロンオーダー(〜500nm程度)の酸化チタン粒子を用いると、透明性が低下する問題があった。
したがって、本発明の課題は、透明性に優れ、反射防止性と防汚性を兼ね備えた光学膜を提供することにある。
本発明の第一の態様は、(A)屈折率1.22〜1.32を示す低屈折率材料、及び(B)アルコキシチタンとアルコキシシランとからなる群から選択される一以上の金属アルコキシドの縮重合構造を含む複合ポリメタロキサンを含む光学膜であって、前記縮重合構造はTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含む光学膜である。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様の光学膜を備えた基材を有する光学デバイスである。
本発明によれば、ソーラーパネルやディスプレイ装置などの光学パネル、監視カメラなどの光学レンズといった光学デバイスに適用可能な、透明性、反射防止性及び防汚性に優れた光学膜、該光学膜を備えた基材、及び該基材を有する光学デバイスを提供することができる。
[本発明の第一の態様]
本発明の第一の態様である光学膜は、(A)屈折率1.22〜1.32を示す低屈折率材料、及び(B)複合ポリメタロキサンを含む。ここで、複合ポリメタロキサンはバインダーとして働き、もって前記材料を含有する安定な膜を形成している。更に、複合ポリメタロキサンは、アルコキシチタンとアルコキシシランとからなる群から選択される一以上の金属アルコキシドの縮重合構造を含み、該縮重合構造は少なくともTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含んでいる。このため特にTi−O−Ti結合に由来して防汚材として機能する。
光学膜の厚みとしては、短波長側の反射率の観点からは、150nm以下が好ましく、長波長側の反射率の観点からは、90nm以上が好ましい。なお該厚みは分光エリプソメトリー法を用いて測定することができる。
[(1)低屈折率材料]
当該光学膜は、波長589nmの光に対する温度23℃における屈折率が1.22〜1.32の低屈折率材料を含んでいる。低屈折材料の屈折率が、1.32よりも大きい場合、温度23℃における光学膜の屈折率として、1.40を超えてしまい、光学ガラスの屈折率1.45よりも屈折率が大きくなるため、反射防止性能が劣り好ましくない。低屈折材料の屈折率が1.22よりも小さい場合、低屈折材料の強度が弱くなり光学膜とした場合の耐擦傷性が悪くなるため、好ましくない。
低屈折率材料として具体的には、中空粒子や無機多孔質材料粒子、非晶質パーフルオロ樹脂粒子等を用いることが好ましいが、中でも、より低い屈折率を有する中空粒子が最も好ましい。
また光学膜における低屈折率材料の含有量としては、温度23℃における光学膜の屈折率として、他の成分であるポリシロキサンや酸化チタンによる影響も考慮しつつ、波長589nmの光を入射させた場合に、少なくとも1.38未満となるような量とすることが好ましい[後記(2−6)及び(2−7)の含有成分重量比率も参照]。
[(1−1)中空粒子]
好ましい低屈折率材料である中空粒子は、内部に空孔を有し、前記空孔の外側の周囲にシェルを有する粒子からなる。空孔に含まれる空気(屈折率1.0)によって反射防止膜の屈折率を下げることができる。
中空粒子を構成する材質としては、低屈折率のものが好ましく、SiO2、MgF2、フッ素、シリコーンなどの有機樹脂が挙げられるが、粒子の製造が容易であるSiO2がより好ましい。
SiO2の中空粒子の製造方法としては、例えば、特許文献5や、特許文献6等に記載されている方法で作製することが可能である。
中空粒子により、基材表面に対して平行方向に整列された粒子が複数段積み重なって形成された層の屈折率を下げることが可能となる。
中空粒子の平均粒子径としては、コアとなる粒子を安定的に作る観点からは、中空粒子の平均粒子径が15nmであることが好ましい。他方、粒子間の空隙に起因するボイドや粒子の大きさに伴う散乱の発生を抑制する観点からは、中空粒子の平均粒子径が100nm以下が好ましく、より好ましくは60nm以下である。
ここで中空粒子の平均粒子径とは、平均フェレ径である。この平均フェレ径は透過電子顕微鏡像によって観察したものを画像処理によって測定することができる。画像処理方法としては、image Pro PLUS(メディアサイバネティクス社製)など市販の画像処理を用いることができる。所定の画像領域において、必要であれば適宜コントラスト調整を行い、粒子測定によって各粒子の平均フェレ径を測定し、平均値を算出し求めることができる。
前記中空粒子のシェルの厚みは、粒子強度の観点からは、平均粒子径の10%以上が好ましく、より好ましくは15%以上であり;中空の効果を屈折率に有効に影響させる観点からは50%以下が好ましく、35%以下がより好ましい。
[(1−2)低屈折率材料の屈折率(膜屈折率からの算定法]
低屈折率材料、例えば中空粒子の屈折率は、低屈折率材料粒子と複合ポリメタロキサンのみで形成した光学膜の屈折率(n)と、複合ポリメタロキサンのみで形成した膜の屈折率(na)から下記式(i)を用いて算出したものを用いた。
式(i):n = naφa+nbφb
φa:複合ポリメタロキサンの体積分率
φb:低屈折率材料の体積分率であり、1-φaから求めた値
ここで、光学膜の屈折率(n)と複合ポリメタロキサンのみで形成した膜の屈折率(na)は、分光エリプソメトリー法を用いて測定した値を用いるものとする。以下、屈折率は別段の表示の無い限り、波長589nmの光に対する温度23℃における屈折率を意味するものとする。
また、φaは、一般的な充填様式である体心立方格子と仮定し、0.32として算出したものである。
[(2)複合ポリメタロキサン]
一般に「ポリメタロキサン」とは金属―酸素−金属結合の繰返しを線状ないし網状に含む高分子であり、金属アルコキシドの縮重合反応により得ることのできる縮重合構造を含んでいる。また、「複合」とは、本願では、金属成分としてチタン原子と珪素原子という複数の金属原子を含むメタロキサンであることを意図する。より具体的には、本願発明にいう複合ポリメタロキサンは、アルコキシシランとアルコキシチタンとからなる群から選択される1以上の金属アルコキシドの縮重合構造を含み、且つ該縮重合構造は少なくともTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含む。ここで、金属アルコキシドの縮重合構造とは、金属アルコキシドの縮重合反応により得ることのできる構造をいい、該縮重合反応として、アルコキシシラン同士の間での縮合反応、及びアルコキシシランとアルコキシチタンとの間での縮合反応を含めば、縮重合構造として、少なくともTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含むとの条件を満たしえる。
かかる複合ポリメタロキサンは、バインダーとして適宜、光学膜の耐摩耗性、密着力、環境信頼性を付与することができると共に、縮合構造中のTi−O−Ti結合に由来して防汚材として機能する。
好ましくは、複合ポリメタロキサンは、(A−1)アルコキシチタンの縮重合構造からなるポリチタノキサンと、(B−1)アルコキシシランとアルコキシチタンとの縮重合構造からなるポリチタノシロキサンとを含み、且つ、ポリチタノキサンとポリチタノシロキサンとが少なくとも一部で縮合結合(Ti−O−TiないしTi−O−Si結合)したものである。ここで、アルコキシチタンの縮重合構造とは、アルコキシシランの縮重合反応により得ることのできる(Ti−O−Ti結合を含む)構造をいい、アルコキシシランとアルコキシチタンとの縮重合構造とは、アルコキシシランとアルコキシチタンとの混合物の縮重合反応により得ることのできる(少なくともSi−O−Ti結合を含む)構造をいう。そして、前記ポリチタノシロキサン中のTi/Siモル比は、屈折率の観点から、0.004〜0.063の範囲にあることが好ましい。
また、このような複合ポリメタロキサンのうちでも、(2−1)において後記するように、事前にアルコキシチタンを縮重合させた後、アルコキシチタンとアルコキシシランの混合物を添加してさらに縮重合反応を行わせることにより得ることのできる複合ポリメタロキサンが防汚性の観点で好ましい。このようにして得られた複合ポリメタロキサンは、連続したポリチタノシロキサン部分の中に不連続にポリチタノキサン部分が混在した海島構造を形成しているのではないかと推定される。
さらに複合ポリメタロキサンは、Si−O−Si結合、Ti−O−Ti結合及びTi−O−Si結合等により網状構造を形成していることが好ましく、焼成によりかかる網状構造を強化することができる。
[(2−1)複合ポリメタロキサンの調製]
好ましい一実施態様として、アルコキシチタンを加水分解/縮重合させてポリチタノキサンをまず形成させ、次いで、更にアルコキシシランとアルコキシチタンとを加えて、加水分解/縮重合を続けることにより、防汚性に優れた複合ポリメタロキサンを得ることができる。前記したしように、このようにして得られた複合ポリメタロキサンは、ポリチタノキサン部分とポリチタノシロキサン部分とからなるものと推定され、ポリチタノキサン部分が防汚性に効果的であると考えられる。
より具体的には、次の工程(I)〜工程(II)を経て焼成前重合体を製造することが好ましい。
すなわち、
(I)アルコキシチタン、水、アルコールを混合した後、加水分解/縮重合を行う工程、及び
(II)前記加水分解/縮重合を行った溶液にアルコキシシラン、アルコキシチタン、水、アルコールを添加した後、加水分解/縮重合を行う工程。
尚、工程(I)、(II)において、以下の触媒を混合してもよい。
・酢酸、ギ酸、塩酸等の酸触媒、
・トリエチルアミン、n -プロピルアミン等の塩基触媒
・ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビスマレイン酸モノブチルエステル、ジオクチルビスマレイン酸モノブチルエステル等の有機錫系触媒
・ビス(アセトキシジブチルスズ)オキサイド、ビス(ラウロキシジブチルスズ)オキサイド等の有機錫オキサイド系触媒
・ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、チタンテトラ(アセチルアセトナート)、ジオクタノキシチタンジオクタネート、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン系触媒
また、工程(I)において、アルコキシチタンを1種類以上併用してもよい。
さらに、工程(II)において、アルコキシシラン、アルコキシチタンをそれぞれ1種類以上併用してもよい。
工程(I)において、アルコキシチタン中のアルコキシ基が加水分解によりOHに変換され、さらに複数のOH基間での縮重合により、Ti−O−Ti結合による線状ないし網状構造、好ましくは網状構造を形成しつつ重合化が進行し、ポリチタノキサンが形成されるものと考えられる(ポリチタノキサン部分の形成)。
同様に工程(II)においても、アルコキシシラン及びアルコキシチタン中のアルコキシ基が加水分解によりOHに変換され、さらに複数のOH基間での縮重合が生じる。これにより、Ti−O−Ti結合やTi−O−Si結合による線状ないし網状構造、好ましくは網状構造を形成しつつ重合化が進行し、工程(I)で形成されたポリチタノキサンの周囲にポリチタノシロキサンが形成されるものと推定される(ポリチタノシロキサン部分の形成)。このTi−O−Si結合には、工程(II)で添加したアルコキシシランとアルコキシチタンとの間での縮合で形成される結合のみならず、工程(I)で形成ポリチタノキサン中の未縮合OH基との縮合で形成される結合も含むものと考えられる(ポリチタノキサン部分とポリチタノシロキサン部分との間の縮合結合)。
さらに、工程(I)〜工程(II)を経て製造した複合ポリメタロキサンである焼成前重合体は、後記するように、光学膜の成膜(後記[4]参照)の際に基材上にコーティングされ焼成される。これにより、Si−O−Si結合、Ti−O−Ti結合及びTi−O−Si結合等による縮重合をより進めると共に、線状ないし網状構造が強化される。また、当該焼成により、ポリチタノキサン部分の結晶構造は、完全なアモルファスではないが、防汚性に良好なアナターゼ型結晶構造に近づくと推測されるため防汚性の観点でも有利である。
このような焼成は好ましくは200℃程度の温度のオーブンで2時間程度焼成するという条件で行われる。この程度の温度では、重縮合は更に進行するがアルコキシシラン由来の有機基は維持される。
なお、用いるアルコキシシラン及びアルコキシチタンの量を適宜調節することにより、より好ましい構造を有する複合ポリメタロキサンを得ることができる。かかる構造は、ポリチタノキサン部分を島部とし、ポリチタノシロキサン部分を海部とする海島構造を有するのではないかと推定している。
当該複合ポリメタロキサン焼成膜は、膜を形成した後も透明性を有する為、透明性と防汚性を併用することができる点でも、好ましい。
複合ポリメタロキサン焼成膜中のポリチタノキサン部分としては、たとえば、TiO4/2単位を含み、Ti−O−Ti結合が含まれる部分を例示することができる。
また、複合ポリメタロキサン焼成膜中のポリチタノシロキサン部分としては、たとえば、R11SiO3/2、R3SiO3/2及びR34SiO2/2からなる群から選択される一種以上の第一の単位と、TiO4/2単位である第二の単位とを含み、Si−O−Si及びSi−O−Ti結合が含まれる部分を例示することができる。
ここで、R11は、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数4〜8のグリシジルオキシアルキル基や、炭素数5〜10、より好ましくは炭素数8〜10のエポキシシクロアルキル基または(エポキシシクロアルキル)アルキル基である。エポキシ開環反応により他の前記単位との間にTi−O−CまたはSi−O−Cの結合(但し、Cはエポキシ環由来の炭素原子)を形成していてもよい。
3及びR4は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基、好ましくは置換又は未置換のアルキル基、或いは、置換又は未置換のアリール基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜10の直鎖状のアルキル基がより好ましい。前記アリール基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリール基、たとえばフェニル基等が挙げられる。前記アルキル基又はアリール基の置換基としては、フェニル基等が挙げられる。
この場合、ポリチタノキサン部分とポリチタノシロキサン部分とは、好ましくはTi−O−Si結合及び/又はTi−O−Ti結合で連結されている。
なお、O4/2、O3/2、O2/2等の表記は、たとえばSi−O−Si、Si−O−Tiの結合を例にとると、2つのSi−O1/2単位の結合、あるいはSi−O1/2単位とTi−O1/2単位の結合と捉えることに起因する表記である。したがって、たとえばR34SiO2/2との表記は、他の2つのSi−O1/2またはTi−O1/2単位との結合を意味している。
[(2−2)アルコキシチタン]
複合ポリメタロキサンの原料となる好適なアルコキシチタンとしては、たとえば、式(ii):
Ti(OR214 (ii)
(式中、R21は同一または異なって、飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。)
の一種以上を挙げることができる。
より具体的には、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラn−ブトキシド、チタニウムテトラt−ブトキシドなどが挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
[(2−3)アルコキシシラン]
次いで、複合ポリメタロキサンの原料となる好適なアルコキシシランとしては、たとえば下記式(iii)〜(vi)のいずれか一種以上を挙げることができる。これらの中でも成膜性の観点からは、用いるアルコキシシランの少なくとも一部が式(iii)及び/又は(iv)であることが網状構造の形成を促進するため好ましい。
式(iii):
1−Si−(OR23 (iii)
[上記式(iii)中、R1は、カチオン重合可能な有機基、たとえば炭素数1〜10、より好ましくは炭素数4〜8のグリシジルオキシアルキル基や、炭素数5〜10、より好ましくは炭素数8〜10のエポキシシクロアルキル基または(エポキシシクロアルキル)アルキル基を示す。R2は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。]
式(iv):
(R31−Si−(OR23 (iv)
[上記式(iv)中、R3は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基、好ましくは置換又は未置換のアルキル基、或いは、置換又は未置換のアリール基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜10の直鎖状のアルキル基がより好ましい。前記アリール基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリール基、たとえばフェニル基等が挙げられる。前記アルキル基又はアリール基の置換基としては、フェニル基等が挙げられる。R2は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す]
式(v):
(R32−Si−(OR22 (v)
[上記式(v)中、R3は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、好ましくは置換又は未置換のアルキル基、或いは、置換又は未置換のアリール基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜10の直鎖状のアルキル基がより好ましい。前記アリール基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリール基、たとえばフェニル基等が挙げられる。前記アルキル基又はアリール基の置換基としては、フェニル基等が挙げられる。R2は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す]
式(vi):
(R3)(R4)−Si−(OR22 (vi)
[上記式(vi)中、R3、R4は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、好ましくは置換又は未置換のアルキル基、或いは、置換又は未置換のアリール基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜10の直鎖状のアルキル基がより好ましい。前記アリール基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリール基、たとえばフェニル基等が挙げられる。前記アルキル基又はアリール基の置換基としては、フェニル基等が挙げられる。R2は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す]
式(iii)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン
・3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン
・2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
・2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン
式(iv)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・メチルトリメトキシシラン
・メチルトリエトキシシラン
・メチルトリプロポキシシラン
・エチルトリメトキシシラン
・エチルトリエトキシシラン
・エチルトリプロポキシシラン
・プロピルトリメトキシシラン
・プロピルトリエトキシシラン
・プロピルトリプロポキシシラン
・ヘキシルトリメトキシシラン
・ヘキシルトリエトキシシラン
・ヘキシルトリプロポキシシラン
・オクチルトリメトキシシラン
・オクチルトリエトキシシラン
・オクチルトリプロポキシシラン
・デシルトリメトキシシラン
・デシルトリエトキシシラン
・デシルトリプロポキシシラン
・フェニルトリメトキシシラン
・フェニルトリエトキシシラン
・フェニルトリプロポキシシラン
式(v)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・ジメチルジメトキシシラン
・ジメチルジエトキシシラン
・ジメチルジプロポキシシラン
・ジイソプロピルジメトキシシラン
・メトキシシラン
・ジフェニルジエトキシシラン
・ジフェニルジプロポキシシラン
式(vi)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・メチルフェニルジメトキシシラン
・メチルフェニルジエトキシシラン
・メチルフェニルジプロポキシシラン
[(2−4)各部分におけるチタン原子の含有率]
複合ポリメタロキサン焼成膜中におけるチタン原子の含有率a1及びa2は、下記式(vi)及び(vii)により算出できる。
1(モル%)={α/(α+β+γ)}×100 (vii)
2(モル%)={β/(α+β+γ)}×100 (viii)
ここで、a1は、光学膜の全金属原子(Ti+Si)の量(モル)を基準として、ポリチタノキサン部分に含まれるチタン原子(Ti)の含有率(モル%)である。また、a2は、光学膜の全金属原子(Ti+Si)の量(モル)を基準として、ポリチタノシロキサン部分に含まれるチタン原子(Ti)の含有率(モル%)としている。
また、ポリチタノキサン部分を合成する時に用いたアルコキシチタンのモル数をα(モル)、ポリチタノシロキサン部分を合成する時に用いたアルコキシチタン及びアルコキシシランのモル数をそれぞれ、β(モル)及びγ(モル)とした。
次に、良好な防汚性の観点からは、比a1/a2は、2以上であることが好ましい。
すなわち、以下の式(ix):
2≦a1/a2 (ix)
を満たすことが好ましい。
また、良好な防汚性の観点からは、a1は6.25以上であることが好ましく、良好な反射防止性能や透過率を維持する観点からは53以下であることが好ましい。他方、膜化した際のポリチタノシロキサン部分領域中におけるチタン原子の均一分散、塊発生防止、一様な防汚性の観点からは、a2は0.50以上であることが好ましい。また、基材と低屈折率材料との良好な密着性、低屈折率材料の剥がれ防止及び膜の耐摩耗性の観点からは、a2は6.25以下であることが好ましい。
すなわち、以下の式(ix)、(x)をそれぞれ満たすことが好ましい。
6.25≦a1≦53 (x)
0.50≦a2≦6.25 (xi)
[(2−5)Ti−O−Ti/Si−O−Tiの赤外線吸収強度(A1及びA2)]
赤外分光法の定量分析により、複合ポリメタロキサン中に含まれるTi−O−Ti結合に由来する吸収帯840 cm-1の吸収強度A1を見積もることができる。同様に、赤外分光法の定量分析により、複合ポリメタロキサン中に含まれるSi−O−Ti結合に由来する吸収帯950 cm-1の吸収強度A2を見積もることができる。
そして、本願発明の複合ポリメタロキサン焼成膜中のポリチタノキサン部分の割合を十分に確保し、良好な防汚性を得る観点からは、A1/A2が2以上であることが好ましい。すなわち、下記式(xii)を満たすことが好ましい。
2≦A1/A2 (xii)
本願発明において、ポリチタノキサン部分の反応と、続くポリチタノシロキサン部分の反応がほぼ完全に進行すれば、この条件は前記(2−4)の式(viii)の条件とほぼ等価と考えられる。この場合、ポリチタノキサン部分のTi−O−Tiの含有量と、ポリチタノシロキサン部分のSi−O−Tiの含有量が、仕掛けた試薬量と一致するからである。実際にも実施例では、表1のa1/a2比と表2のA1/A2比はすべての実施例及び比較例において同じ値となっている。すなわち、この場合、吸収強度A1はポリチタノキサン部分のTi−O−Ti結合に由来し、吸収強度A2はポリチタノシロキサン部分のSi−O−Ti結合に由来するものと考えられる。
[(2−6)複合ポリメタロキサン焼成膜と低屈折率材料の重量比率]
低屈折率材料の含有量をb、複合ポリメタロキサン焼成膜の含有量をcとした場合、良好な反射防止性能や透過率の観点からはb/cは0.18以上であることが好ましい。他方、低屈折材料粒子の剥がれ防止、膜の耐摩耗性及び防汚性の観点からはb/cは61以下が好ましい。
すなわち、下記式(xiii)を満たすことが好ましい。
0.18≦b/c≦61 (xiii)
ここで、後記する(3)において説明する任意の中間層において低屈折率粒子を用いる場合には、上記bにはその重量は含めない。
[(2−7)追加の防汚材粒子]
複合ポリメタロキサン焼成膜中には更に任意に、酸化チタン粒子等の防汚材粒子を含有してもよい。防汚材として酸化チタン粒子等の防汚材粒子のみを用いる場合よりも、酸化チタン等の防汚材粒子の使用量を減らすことができ、防汚性を保たせながら低屈折率化を達成できる点で好ましい。
また、酸化チタン粒子は、結晶系をとり得る酸化チタン粒子であることが好ましく、酸化チタン粒子の結晶系は、より好ましくはアナターゼ型である。アナターゼ型である場合、ルチル型よりも触媒活性能力が高く、光触媒による光励起超親水性、つまり紫外線が照射されることによって超親水性が発現することにより、防汚効果が高くなる為、好ましい。
また、良好な反射率・透過率及び透明性の観点からは、酸化チタン粒子の平均粒子径は、100nm以下が好ましく、より好ましくは60nm以下、更に好ましくは50nm以下である。他方、防汚性のより良好な結晶系であるアナターゼ型をとりやすくする観点からは、酸化チタン粒子の平均粒子径は、1nm以上であることが好ましい。
なお、酸化チタン粒子の平均粒径は、レーザー回折法を用いて測定できる。より具体的には、ナノ粒子粒度分布測定器(商品名「UPA−EX250」、日機装社製)によるレーザー回折法を用いることができる。もっとも二義的には、X線回折法による方法で求めてもよい。
更に追加の防汚材粒子の含有量dは、透過率、発電効率、反射性能の維持の観点からは、低屈折率材料の含有量bと複合ポリメタロキサン焼成膜の含有量cが下記式(xiv)の関係を満たすことが好ましい。
d/(b+c+d)≦0.1 (xiv)
ここで、後記する(3)において説明する任意の中間層において低屈折率粒子を用いる場合には、上記bにはその重量は含めない。
[(3)中間層]
本態様の光学膜は更に、中間層を任意に備えていてもよい。特に低屈折率材料として中空粒子を採用する場合、非中空粒子を含む中間層を設けることで、光学膜の基材への密着性を向上することができる。
このような中間層を構成する非中空粒子としては、低屈折率及び反射防止性能の観点から、屈折率1.20〜1.40(25℃、ナトリウムD線)の低屈折率粒子が好ましい。より具体的にはZrO2、Al23などの無機酸化物やMgF2などの無機化合物が好ましく、中でもMgF2が好ましい。もっとも、中間層を備えられる光学膜の本来の反射防止性能を損なうことのないように、非中空粒子の屈折率や使用量を調整することが好ましい。
また、中間層に用いる無機酸化物や無機化合物は、透過率の観点から平均粒子径は150nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。
[(4)光学膜の成膜方法]
光学膜の成膜方法は、基材表面上もしくは、中間層を設けている場合には中間層上に、前記低屈折率材料分散液を塗工後、複合ポリメタロキサン(焼成前重合体)調合液を更に塗工し、乾燥/焼成する工程を有する方法が好ましい。このため、本発明の第一の態様の光学膜は通常、該光学膜を備えた基材の形で作製される。
これにより、低屈折率材料の間にバインダーとしての複合ポリメタロキサンが入り込み、低屈折率材料を含む光学膜を得ることができる。焼成工程を経ることで複合ポリメタロキサンの縮合が更に進み成膜性が向上する。
なお、追加の防汚材粒子も用いる場合は、たとえば複合ポリメタロキサン(焼成前重合体)調合液中にあらかじめ添加した調合液を用いることで、追加の防汚材粒子を含む複合ポリメタロキサン焼成膜を得ることができる。
ここで、基材は、好ましくは透明基材、典型的にはガラス基材である。
塗工方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フローコート法などの湿式プロセスを利用できる。もっとも、光学膜の成膜方法としては、これらの方法に限定されるものではない。
また、任意に中間層を設ける場合、中間層の成膜方法としては、乾式プロセスを用いる方法または湿式プロセスで塗工した後、乾燥する工程を有する方法を用いることができる。前者としては、無機酸化物または無機化合物を加熱して、溶融・蒸発または昇華させ、基材表面に蒸発、昇華した粒子を付着・堆積させて成膜させる真空蒸着法を例示できる。後者としては、無機酸化物または無機化合物、溶剤を含有した成膜液を、基材表面上に、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フローコート法などで塗工する方法を例示できる。
[(5)光学膜を備えた基材を有する光学デバイス]
本発明の第二の態様である光学デバイスは、その基材上に、あるいはその基材上に任意に形成された中間層上に、本発明の第一の態様の光学膜を備える。
光学デバイスとしては、ソーラーパネル、ディスプレイ装置、光学レンズ等を例示することができる。ここで、ディスプレイ装置としては、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、液晶表示装置(LCD)を挙げることができる。また、光学レンズとしては、監視カメラ用、望遠鏡用の光学レンズを挙げることができる。
これらの光学デバイスに本発明の第一の態様の光学膜を適用することで、ソーラーパネルでは、反射防止機能により発電効率を向上させると共に、鳥糞・埃・水垢等のパネル汚れの防汚性または自浄性を有する機能をパネル表面に与えることができる。また、ディスプレイ装置では、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みやディスプレイ表面の汚染等の問題に対処できる。更に光学レンズでは、像の写り込みによる画像の不鮮明や、手垢、指紋等の付着による汚れに対する問題に対処しうる。
なお、光学膜が、任意の層である中間層を含む場合、中間層は光学デバイスの基材と光学膜との間に配置する。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り重量基準である。
また、合成したゾルやポリメタロキサン等の構造部の同定は、1H−NMR、29Si−NMR(核磁気共鳴装置、商品名「ECA400」、日本電子社製)を使用して同定した。固形分は、乾燥減量法を用いて測定した。平均粒子径は、ナノ粒子粒度分布測定器(商品名「UPA−EX250」、日機装社製)によるレーザー回折法を使用して測定した。
[(I)低屈折率材料分散液の作製]
[(I−1)中空シリカ粒子分散液1の作製]
中空シリカスラリーIPA分散液(日揮触媒化成株式会社製 スルーリア1110、平均フェレ径55nm・固形分濃度20.5重量%、中空シリカ粒子材料自体の屈折率:1.30、なお、当該中空シリカ粒子を「中空シリカ粒子1」と呼ぶことがある。)4.5重量部に1−エトキシ−2−プロパノール9.00重量部100mlのナスフラスコに入れた。次いで、エバポレーターにて濃縮し、溶媒を1−エトキシ−2−プロパノールに置換した。次いで、1−エトキシ−2−プロパノール11.0重量部、1−ブトキシ−2−プロパノール15.0重量部、2―エチルブタノール13.5重量部添加して、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液1を作製した。
[(I−2)多孔質MgF2前駆体分散液の作製]
マグネシウムジエトキシド6.90重量部、2―エチルブタノール38.2重量部、を500mlのナスフラスコに入れ、室温にて撹拌し、トリフルオロ酢酸6.90重量部を滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。その後、減圧濾過した後、100℃で2時間、加熱真空乾燥し、多孔質MgF2前駆体であるトリフルオロ酢酸マグネシウムを得た。
このトリフルオロ酢酸マグネシウム5重量部に、1−エトキシ−2−プロパノール53重量部、1−ブトキシ−2−プロパノール39重量部、2―エチルブタノール39重量部を添加した。これにより、3.8重量%の多孔質MgF2前駆体分散液を作製した。
この多孔質MgF2前駆体は、光学膜成膜の際の焼成において、多孔質MgF2粒子(非中空、屈折率1.25)に変換される。
[(I−3)非中空SiO2分散液の作製]
100mlのナスフラスコに、以下の成分を入れた。
・30重量%オルガノシリカゾル(日産化学工業株式会社製 メタノールシリカゾル)2.8重量部
・1−エトキシ−2−プロパノール8.0重量部
・1−ブトキシ−2−プロパノール6.0重量部
・2―エチルブタノール6.0重量部
次いで、室温にて撹拌し、3.8重量%の非中空SiO2分散液を作製した。
なおSiO2粒子材料自体の屈折率は1.46であった。
[(I−4)中空シリカ粒子分散液2の作製]
<中空シリカ粒子2>
水200mlに塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.19gを加熱しながら溶かし、80℃まで昇温した。スチレンモノマー2mlを添加して撹拌後、2,2‘-アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.6gを添加した。そのまま3時間撹拌して反応を終了し、ポリスチレン粒子を得た。次に、上記の反応を終了した反応液100mlを分取し、2−エチルブタノール10gを添加し、室温にて撹拌を行った。さらにトリエトキシメチルシラン3.0gを添加した後、40時間撹拌し、ポリスチレン粒子の周囲にシリカを析出させ被覆した。さらに、遠心分離と洗浄を繰り返し、コアシェル粒子以外の不純物を除去し、コアシェル粒子の分散液を得た。このコアシェル粒子を空気雰囲気下で室温から600℃まで10℃/分の条件で昇温し、600℃で3時間ホールドした。その後10℃/分の割合で室温まで冷却し、中空シリカ粒子2(屈折率 1.22)を作製した。
<中空シリカ粒子分散液2>
ついで、0.75重量部の中空シリカ粒子2に、1−エトキシ−2−プロパノール11.0重量部、1−ブトキシ−2−プロパノール15.0重量部、2―エチルブタノール13.5重量部添加して、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液2を作製した。
[(I−5)中空シリカ粒子分散液3の作製]
<中空シリカ粒子3>
トリエトキシメチルシランの量を7.6gに変更した以外は、前述の中空シリカ粒子2と同様にして中空シリカ粒子3(屈折率 1.32)を作製した。
<中空シリカ粒子分散液3>
中空シリカ粒子2を中空シリカ粒子3に変更した以外は、前述の中空シリカ粒子分散液2と同様にして、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液3を作製した。
[(I−6)中空シリカ粒子分散液4の作製]
<中空シリカ粒子4>
トリエトキシメチルシランの量を2.7gに変更した以外は、前述の中空シリカ粒子2と同様にして中空シリカ粒子4(屈折率 1.21)を作製した。
<中空シリカ粒子分散液4>
中空シリカ粒子2を中空シリカ粒子4に変更した以外は、前述の中空シリカ粒子分散液2と同様にして、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液4を作製した。
[(I−7)中空シリカ粒子分散液5の作製]
<中空シリカ粒子5>
トリエトキシメチルシランの量を8.7gに変更した以外は、前述の中空シリカ粒子2と同様にして中空シリカ粒子5(屈折率 1.33)を作製した。
<中空シリカ粒子分散液5>
中空シリカ粒子2を中空シリカ粒子5に変更した以外は、前述の中空シリカ粒子分散液2と同様にして、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液5を作製した。
[(II)焼成前重合体調合液の作製]
以下に、複合ポリメタロキサン製造のための各種焼成前重合体調合液の作製につき開示する。
[(II−1)焼成前重合体1及び調合液Aの作製]
<焼成前重合体1>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れて攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.8重量部(2.9ミリモル)
・2−ブタノール36.0重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、18重量%の焼成前重合体1溶液を得た。
<調合液A>
次いで5重量部の前記焼成前重合体1溶液に2−エチルブタノール123重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体1の調合液Aを得た。
[(II−2)焼成前重合体2及び調合液Bの作製]
<焼成前重合体2>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・ジメチルジメトキシシラン1.71重量部(14ミリモル)
・ジメトキシジフェニルシラン21.1重量部(87ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.8重量部(2.9ミリモル)
・2−ブタノール33.7重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、15重量%の焼成前重合体2溶液を得た。
<調合液B>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体2溶液に2−エチルブタノール101重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体2の調合液Bを得た。
[(II−3)焼成前重合体3及び調合液Cの作製]
<焼成前重合体3>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・ビス(2−ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン26重量部(84ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシドを0.8重量部(2.9ミリモル)
・2−ブタノール33.7重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、19重量%の焼成前重合体3溶液を得た。
<調合液C>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体3溶液に2−エチルブタノール128重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体3の調合液Cを得た。
[(II−4)焼成前重合体4及び調合液Dの作製]
<焼成前重合体4>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを1.8重量部(6.25ミリモル)、2−ブタノールを4.5重量部、塩酸0.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を2.2重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.14重量部(0.5ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、24重量%の焼成前重合体4溶液を得た。
<調合液D>
次いで、5重量部の前記重縮合物4溶液に2−エチルブタノール164重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体4の調合液Dを得た。
[(II−5)焼成前重合体5及び調合液Eの作製]
<焼成前重合体5>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを3.6重量部(12.5ミリモル)、2−ブタノールを9重量部、塩酸0.4重量部入れ撹拌し、イオン交換水を4.4重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.78重量部(6.3ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、22重量%の焼成前重合体5溶液を得た。
<調合液E>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体5溶液に2−エチルブタノール151重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体5の調合液Eを得た。
[(II−6)焼成前重合体6及び調合液Fの作製]
<焼成前重合体6>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを1.8重量部(6.25ミリモル)、2−ブタノールを4.5重量部、塩酸0.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を2.2重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシドを0.88重量部(3.1ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、24重量%の焼成前重合体6溶液を得た。
<調合液F>
次いで、5重量部の前記重縮合物溶液6に2−エチルブタノール164重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体6の調合液Fを得た。
[(II−7)焼成前重合体7及び調合液Gの作製]
<焼成前重合体7>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを15.1重量部(53ミリモル)、2−ブタノールを45重量部、塩酸2.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を22.3重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.14重量部(0.5ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、14重量%の焼成前重合体7溶液を得た。
<調合液G>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体7溶液に2−エチルブタノール97重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体7の調合液Gを得た。
[(II−8)焼成前重合体8及び調合液Hの作製]
<焼成前重合体8>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを15.1重量部(53ミリモル)、2−ブタノールを45重量部、塩酸2.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を22.3重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.78重量部(6.25ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、15重量%の焼成前重合体8溶液を得た。
<調合液H>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体8溶液に2−エチルブタノール99重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体8の調合液Hを得た。
[(II−9)焼成前重合体1の調合液Iの作製]
5重量部の前記焼成前重合体1溶液に2−エチルブタノール4重量部投入撹拌し、10.5重量%の焼成前重合体1の調合液Iを得た。
[(II−10)焼成前重合体1の調合液Jの作製]
5重量部の前記焼成前重合体1溶液に2−エチルブタノール682重量部投入撹拌し、0.13重量%の焼成前重合体1の調合液Jを得た。
[(II−11)焼成前重合体9及び調合液Kの作製]
<焼成前重合体9>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを1.8重量部(6.25ミリモル)、2−ブタノールを4.5重量部、塩酸0.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を2.2重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.78重量部(6.25ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、24重量%の焼成前重合体9溶液を得た。
<調合液K>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体9溶液に2−エチルブタノール164重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体9の調合液Kを得た。
[(II−12)焼成前重合体10及び調合液Lの作製]
<焼成前重合体10>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを15.1重量部(53ミリモル)、2−ブタノールを46重量部、塩酸2.3重量部入れ撹拌し、イオン交換水を23.1重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.78重量部(6.25ミリモル)
・2−ブタノール8重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、17重量%の焼成前重合体10溶液を得た。
<調合液L>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体10溶液に2−エチルブタノール117重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体10の調合液Lを得た。
[(II−13)焼成前重合体11及び調合液Mの作製]
<焼成前重合体11>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを1.7重量部(6ミリモル)、2−ブタノールを4.5重量部、塩酸0.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を2.2重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシドを0.82重量部(2.9ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、24重量%の焼成前重合体11溶液を得た。
<調合液M>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体11溶液に2−エチルブタノール164重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体11の調合液Mを得た。
[(II−14)焼成前重合体12及び調合液Nの作製]
<焼成前重合体12>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8.0重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.11重量部(0.4ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、18重量%の焼成前重合体12溶液を得た。
<調合液N>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体12溶液に2−エチルブタノール126重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体12の調合液Nを得た。
[(II−15)焼成前重合体13及び調合液Oの作製]
<焼成前重合体13>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8.0重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
その後、以下の成分を入れ攪拌した。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.79重量部(6.3ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、18重量%の焼成前重合体13溶液を得た。
<調合液O>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体13溶液に2−エチルブタノール127重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体13の調合液Oを得た。
[(II−16)焼成前重合体1の調合液Pの作製]
5重量部の前記焼成前重合体1溶液に2−エチルブタノール0.8重量部投入撹拌し、15.5重量%の焼成前重合体1の調合液Pを得た。
[(II−17)焼成前重合体1溶液の調合液Qの作製]
5重量部の前記焼成前重合体1に2−エチルブタノール727重量部投入撹拌し、0.12重量%の焼成前重合体1の調合液Qを得た。
[(II−18)焼成前重合体1/酸化チタン粒子の調合液Rの作製]
2−エチルブタノール75重量部、30重量%酸化チタンST01(石原産業株式会社製 平均粒子径7nm)1.8重量部投入撹拌し、0.7重量%の酸化チタン粒子分散液1を得た。
次いで、前記焼成前重合体1の調合液Aの0.3重量部に、得られた酸化チタン粒子分散液1を0.05重量部投入し、焼成前重合体1/酸化チタン粒子の調合液Rを得た。
[(II−19)ポリシロキサン比較調合液Sの作製]
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、3−グリジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)、オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)、2−ブタノール34重量部を入れ攪拌した。この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、26重量%のポリシロキサン14溶液を得た。
次いで、5重量部の前記ポリシロキサン14溶液に2−エチルブタノール180重量部投入撹拌し、0.7重量%のポリシロキサン比較調合液Sを得た。
[(III)中間層形成用調製液の調製]
マグネシウムジエトキシド6.90重量部、2―エチルブタノール38.2重量部、アセチルアセトン1.00重量部を100mlのナスフラスコに入れ、室温にて撹拌した。次いで、トリフルオロ酢酸6.90重量部を滴下、撹拌し、26重量%のトリフルオロ酢酸マグネシウムゾル液を得た。
このトリフルオロ酢酸マグネシウムゾル液に、1−エトキシ−2−プロパノール139重量部、1−ブトキシ−2−プロパノール104重量部、2―エチルブタノール66.3重量部を添加した。これにより、中間層形成用調製液である、3.8重量%のトリフルオロ酢酸マグネシウムゾル液を得た。
[(IV)光学膜の製造]
[(IV−1)実施例1:光学膜1]
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚み)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた。次いで、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。
このコーティング用ガラス基板上に、中間層形成用調製液である前記トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル液0.3mlを、スピンコート装置(商品名:「1H−D7」、ミカサ(株)製)を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートした。次いで、250℃にて2時間焼成した。かかる焼成により、トリフルオロ酢酸マグネシウムが多孔質MgF2粒子(非中空、屈折率1.25)に変換される
更に、この膜上に、0.3mlの前記中空シリカ粒子分散液1を、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートした。次いで、焼成前重合体1の調合液A0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜1を製造した。
[(IV−2)実施例2:光学膜2]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体2の調合液Bに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜2を製造した。
[(IV−3)実施例3:光学膜3]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体3の調合液Cに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜3を製造した。
[(IV−4)実施例4:光学膜4]
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚み)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた。次いで、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。
このコーティング用ガラス基板上に、前記多孔質MgF2前駆体分散液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートした。次いで、焼成前重合体1の調合液A0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜4を製造した。
[(IV−5)実施例5:光学膜5]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体4の調合液Dに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜5を製造した。
[(IV−6)実施例6:光学膜6]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体5の調合液Eに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜6を製造した。
[(IV−7)実施例7:光学膜7]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体6の調合液Fに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜7を製造した。
[(IV−8)実施例8:光学膜8]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体7の調合液Gに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜8を製造した。
[(IV−9)実施例9:光学膜9]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体8の調合液Hに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜8を製造した。
[(IV−10)実施例10:光学膜10]
中空シリカ粒子1分散液の液量を0.3mlに変更し、焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1の調合液Iに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜10を製造した。
[(IV−11)実施例11:光学膜11]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1の調合液Jに変更し、調合液Jの液量を0.1mlに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜11を製造した。
[(IV−12)実施例12:光学膜12]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体9の調合液Kに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜12を製造した。
[(IV−13)実施例13:光学膜13]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体10の調合液Lに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜13を製造した。
[(IV−14)実施例14:光学膜14]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体11の調合液Mに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜14を製造した。
[(IV−15)実施例15:光学膜15]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体12の調合液Nに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜15を製造した。
[(IV−16)実施例16:光学膜16]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体13の調合液Oに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜16を製造した。
[(IV−17)実施例17:光学膜17]
中空シリカ粒子1分散液の液量を0.25mlに変更し、焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1の調合液Pに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜17を製造した。
[(IV−18)実施例18:光学膜18]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1の調合液Qに変更し、調合液Qの液量を0.1mlに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜18を製造した。
[(IV−19)実施例19:光学膜19]
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1/酸化チタン粒子の調合液Rに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜19を製造した。
[(IV−20)実施例20:光学膜20]
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚み)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた。次いで、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。この膜上に、前記中空シリカ粒子1分散液0.42mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートした。次いで、焼成前重合体1の調合液A0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜20を製造した。
[(IV−21)実施例21:光学膜21]
中空シリカ粒子1分散液を中空シリカ粒子分散液2に変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜21を製造した。
[(IV−22)実施例22:光学膜22]
中空シリカ粒子1分散液を中空シリカ粒子分散液3に変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜22を製造した。
[(IV−23)比較例1:光学膜23]
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚さ)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。この膜上に、焼成前重合体1の調合液A0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜23を製造した。
[(IV−24)比較例2:光学膜24]
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚さ)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた。次いで、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。この膜上に、前記非中空SiO2分散液0.42mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートした。次いで、焼成前重合体1の調合液A0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜24を製造した。
[(IV−25)比較例3:光学膜25]
焼成前重合体1の調合液Aをポリシロキサン調合液Sに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜25を製造した。
[(IV−26)比較例4:光学膜26]
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚さ)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。この膜上に、前記中空シリカ粒子分散液1の0.42mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜26を製造した。
[(IV−27)比較例5:光学膜27]
中空シリカ粒子分散液1を中空シリカ粒子分散液4に変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜27を製造した。
[(IV−28)比較例6:光学膜28]
中空シリカ粒子分散液1を中空シリカ粒子分散液5に変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜28を製造した。
下記表1および2に前記光学膜1〜28の構成及び屈折率を示す。
[屈折率測定]
光学膜を自動多入射角分光エリプソメーターV−VASE(ジェーエーウーラム社製)を用い、屈折率を測定した。測定条件は23℃で、波長589nmの屈折率を読み取った。結果を表1に示す。
*1:中間層は基板(スライドガラス)と光学膜との間に位置する。
なお、実施例4、20、比較例1、2、4では、中間層は形成していない。
*2:複合ポリメタロキサン中の全金属原子(Ti+Si)のモル数を基礎にして、ポリチタノキサン部分中のチタン原子の含有率をa1(モル%)、ポリチタノシロキサン部分中のチタン原子の含有率をa2(モル%)とする。
*3:表中の低屈折率材料における「中空粒子」は中空シリカ粒子[前記(I−1),(I−4)〜(I−7)参照]を、「多孔質MgF2」は多孔質MgF2粒子[前記(I−2)参照]を、「SiO2」は非中空SiO2粒子[前記(I−3)参照]を指す。
*1:中間層は基板(スライドガラス)と光学膜との間に位置する。
*2:光学膜の全重量を基準として、低屈折率材料の含有重量%をb(重量%)、複合ポリメタロキサン焼成膜またはポリシロキサン焼成膜の含有重量%をc(重量%)とする。
*3:光学膜の全重量を基準として、低屈折率材料の含有重量%をb(重量%)、複合ポリメタロキサン焼成膜またはポリシロキサン焼成膜の含有重量%をc(重量%)、酸化チタン粒子の含有重量%をd(重量%)とする。
*4:複合ポリメタロキサン焼成膜の赤外分光法による定量分析により、Ti−O−Tiに由来する吸収強度をA1、Ti−O−Siに由来する吸収強度をA2とする。
*5:表中の低屈折率材料における「中空粒子」は中空シリカ粒子[前記(I−1),(I−4)〜(I−7)参照]を、「多孔質MgF2」は多孔質MgF2粒子[前記(I−2)参照]を、「SiO2」は非中空SiO2粒子[前記(I−3)参照]を指す。
[(V)性能評価]
[(V−1)防汚性評価]
光学膜をUV照射機(ウシオ電機製 マルチライト基本構成ユニット ML−251A/B 、照射光学ユニット PM25C−100)で60分照射した。次いで、光学膜上に油(菜種油)1mlをたらして、15分、室温で放置した。その後、50mlの水道水で洗い流した。流水後の光学膜を目視観察し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の防汚性を評価した。結果を表3に示す。
○:油がほぼ全て流れ落ちている(95%以上除去)。
△:油が極一部分残留している(90〜95%除去)。
△×:油が一部分残留している(60〜90%未満除去)。
×:油が大部分残留している(60%未満除去)。
[(V−2)反射防止性評価]
反射分光膜厚計(大塚電子株式会社製 FE3000)を用い、入射角0度において、350nm〜550nmの波長での光学膜の反射率を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の反射防止性を評価した。結果を同様に表3に示す。
◎ :最大反射率が1%未満であり、且つ、レンジ(反射率最大値-反射率最小値)が0.5%以下である。
○ :最大反射率が1%未満であり、且つ、レンジ(反射率最大値-反射率最小値)が0.5%を超え1%以下である。
△ :最大反射率が1%以上2%未満である。
△×:最大反射率が2%以上4%未満である。
× :最大反射率が4%以上である。
[(V−3)透過性評価]
光学膜を分光光度計UV−Vis(株式会社日立ハイテクサイエンス製 U−3310)を用い、入射角0度において、350nm〜550nmの波長の透過率を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の透過性を評価した。結果を同様に表3に示す。
◎ :最低透過率が98%以上である。
○ :最低透過率が96%以上98%未満である。
△ :最低透過率が94%以上96%未満である。
△×:最低透過率が92%以上94%未満である。
× :最低透過率が92%未満である。
[(V−4)耐擦傷性評価]
JIS K5400に準じた鉛筆硬度試験により表面硬さを測定した。結果を表3に示す。
○ :硬度H以上
△ :硬度F、HB、B
× :硬度2B以下
*1:バインダーとして機能する材料がないため中空シリカ粒子は層を形成できなかった。
表3に示す評価結果から明らかなように、本願発明の光学膜では、透明性を大きく低下させずに反射防止及び防汚性に優れた光学膜を得ることが出来た。
より詳細に説明すると以下のとおりである。
(i)
実施例20を、低屈折率材料を全く用いていない比較例1と比較することにより、低屈折率材料の存在により、反射防止性及び透明性共に向上したことがわかる。
(ii)
比較例2は、実施例20の中空シリカ粒子1〈屈折率1.30)を非中空SiO2粒子〈屈折率1.46)に置き換えた例におおよそ相当する。中空シリカ粒子1〈屈折率1.2)を用いた実施例20は、非中空SiO2粒子〈屈折率1.46)を用いた比較例2よりも、反射防止性及び透明性が共に格段に優れていることを示す。
(iii)
比較例3は、実施例1の光学膜中の複合ポリメタロキサン焼成膜を単なるポリシロキサン焼成膜に置き換えた例におおよそ相当する。防汚材として働くポリチタノキサン部分を有すると考えられる実施例1は、それがない比較例3に比べて防汚性が格段に優れていることを示す。
(iv)
比較例4は、実施例20の複合ポリメタロキサン焼成膜を欠いた例(したがって、防汚層を欠く例)におおよそ相当する。この比較例4では、中空シリカ粒子が層を形成できなかったことから、複合ポリメタロキサンは光学膜を形成するためのバインダーの役割をも果たすことを示す。
(v)
比較例5は、実施例1の中空シリカ粒子1〈屈折率1.30)を、より屈折率の低い中空シリカ粒子4(屈折率1.21)に置き換えた例におおよそ相当する。比較例5の低屈折率材料の方がより低い屈折率であるため反射防止性及び透明性の点ではもちろん優れてはいるものの、耐擦傷性では実施例1の方が優れた結果が得られた。
(vi)
比較例6は、実施例1の中空シリカ粒子1〈屈折率1.30)を、より屈折率の高い中空シリカ粒子5(屈折率1.33)に置き換えた例におおよそ相当する。実施例1では、より低い屈折率の低屈折率材料を用いていることから、反射防止性及び透明性共に比較例6より優れていた。
(vii)
実施例8、15等では、複合ポリメタロキサン焼成膜中のポリチタノキサン部分とポリチタノシロキサン部分との間でのチタン原子の含有率比(a1/a2)が比較的大きく設定されている。他方、実施例6、7、12、14及び16等では、逆にこれが比較的小さく設定されている。そして、防汚性は前者の方が高くでる傾向がみられたことから、縮重合物中のポリチタノキサン部分が防汚性に、より影響すると考えられる。
また、これらの実施例において、複合ポリメタロキサン焼成膜中のTi−O−Tiに由来する赤外線吸収強度A1とTi−O−Siに由来する赤外線吸収強度をA2との比A1/A2が、a1/a2とほぼ同様な値を示している。ポリチタノキサン部分Ti−O−Ti結合を、ポリチタノシロキサン部分がTi−O−Si結合を反映していると考えられる。
(viii)
実施例12では、他の実施例に比べると防汚性評価が低下しているが、これはA1/A2比ないしa1/a2比が他の実施例に比べて低いこと、すなわち、Ti−O−Ti結合ないし、ポリチタノキサン部分が防汚性に影響していることを示しているものと考えられる。
本発明の光学膜は、透明性や反射防止性、さらに防汚性(自浄性)に優れており、ソーラーパネルやディスプレイ等の光学パネルや、監視カメラ等の光学レンズに適応できる。特に、ソーラーパネルに適用した場合には発電効率が向上できる。

Claims (12)

  1. (A)屈折率1.22〜1.32を示す低屈折率材料、及び
    (B)アルコキシシランとアルコキシチタンとからなる群から選択される一以上の金属アルコキシドの縮重合構造を含む複合ポリメタロキサン、
    を含む光学膜であって、
    前記縮重合構造は少なくともTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含むことを特徴とする光学膜。
  2. 前記低屈折率材料が中空粒子であることを特徴とする請求項1に記載の光学膜。
  3. 前記複合ポリメタロキサンが、アルコキシチタンの縮重合構造からなるポリチタノキサンと、アルコキシシランとアルコキシチタンとの縮重合構造からなるポリチタノシロキサンとを含み、且つ、前記ポリチタノキサンと前記ポリチタノシロキサンとが少なくとも一部で縮合結合したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学膜。
  4. 前記ポリチタノキサン中に含まれるアルコキシチタンユニットaの含有率a1(モル%)と、前記ポリチタノシロキサン中に含まれるアルコキシチタンユニットaの含有率a2(モル%)が、下記式(viii)、(ix)、(x)の関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の光学膜。
    2≦a1/a2 (viii)
    6.25≦a1≦53 (ix)
    0.50≦a2≦6.25 (x)
  5. 前記低屈折率材料の含有量bと、前記ポリチタノシロキサンの含有量cが、下記式(xii)の関係を満たすことを特徴とする請求項3または4に記載の光学膜。
    0.18≦b/c≦61 (xii)
  6. 赤外分光法の定量分析により、前記Ti−O−Ti結合に由来する吸収帯840 cm-1の吸収強度をA1、前記Si−O−Ti結合に由来する吸収帯950 cm-1の吸収強度をA2とした場合に、下記式(xi)の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学膜。
    2≦A1/A2 (xi)
  7. 更に酸化チタン粒子を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学膜。
  8. 前記光学膜が更に酸化チタン粒子を含み、前記低屈折率材料の含有量bと、前記ポリチタノシロキサンの含有量cと、前記酸化チタン粒子の含有量dが、下記式(xiii)を満たすことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の光学膜。
    d/(b+c+d)≦0.1 (xiii)
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学膜を備えた基材。
  10. 前記光学膜と基材との間に更に中間層を有し、該中間層が非中空粒子の低屈折率材料を含むことを特徴とする請求項9に記載の基材。
  11. 請求項9〜10のいずれか一項に記載の基材を有する光学デバイス。
  12. 前記光学デバイスが、ソーラーパネル、ディスプレイ装置、または光学レンズである請求項11に記載の光学デバイス。
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