JP2018049075A - 光学膜、該光学膜を備えた基材、及び該基材を有する光学デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第一の態様である光学膜は、(A)屈折率1.22〜1.32を示す低屈折率材料、及び(B)複合ポリメタロキサンを含む。ここで、複合ポリメタロキサンはバインダーとして働き、もって前記材料を含有する安定な膜を形成している。更に、複合ポリメタロキサンは、アルコキシチタンとアルコキシシランとからなる群から選択される一以上の金属アルコキシドの縮重合構造を含み、該縮重合構造は少なくともTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含んでいる。このため特にTi−O−Ti結合に由来して防汚材として機能する。
光学膜の厚みとしては、短波長側の反射率の観点からは、150nm以下が好ましく、長波長側の反射率の観点からは、90nm以上が好ましい。なお該厚みは分光エリプソメトリー法を用いて測定することができる。
当該光学膜は、波長589nmの光に対する温度23℃における屈折率が1.22〜1.32の低屈折率材料を含んでいる。低屈折材料の屈折率が、1.32よりも大きい場合、温度23℃における光学膜の屈折率として、1.40を超えてしまい、光学ガラスの屈折率1.45よりも屈折率が大きくなるため、反射防止性能が劣り好ましくない。低屈折材料の屈折率が1.22よりも小さい場合、低屈折材料の強度が弱くなり光学膜とした場合の耐擦傷性が悪くなるため、好ましくない。
好ましい低屈折率材料である中空粒子は、内部に空孔を有し、前記空孔の外側の周囲にシェルを有する粒子からなる。空孔に含まれる空気(屈折率1.0)によって反射防止膜の屈折率を下げることができる。
低屈折率材料、例えば中空粒子の屈折率は、低屈折率材料粒子と複合ポリメタロキサンのみで形成した光学膜の屈折率(n)と、複合ポリメタロキサンのみで形成した膜の屈折率(na)から下記式(i)を用いて算出したものを用いた。
φa:複合ポリメタロキサンの体積分率
φb:低屈折率材料の体積分率であり、1-φaから求めた値
ここで、光学膜の屈折率(n)と複合ポリメタロキサンのみで形成した膜の屈折率(na)は、分光エリプソメトリー法を用いて測定した値を用いるものとする。以下、屈折率は別段の表示の無い限り、波長589nmの光に対する温度23℃における屈折率を意味するものとする。
一般に「ポリメタロキサン」とは金属―酸素−金属結合の繰返しを線状ないし網状に含む高分子であり、金属アルコキシドの縮重合反応により得ることのできる縮重合構造を含んでいる。また、「複合」とは、本願では、金属成分としてチタン原子と珪素原子という複数の金属原子を含むメタロキサンであることを意図する。より具体的には、本願発明にいう複合ポリメタロキサンは、アルコキシシランとアルコキシチタンとからなる群から選択される1以上の金属アルコキシドの縮重合構造を含み、且つ該縮重合構造は少なくともTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含む。ここで、金属アルコキシドの縮重合構造とは、金属アルコキシドの縮重合反応により得ることのできる構造をいい、該縮重合反応として、アルコキシシラン同士の間での縮合反応、及びアルコキシシランとアルコキシチタンとの間での縮合反応を含めば、縮重合構造として、少なくともTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含むとの条件を満たしえる。
好ましい一実施態様として、アルコキシチタンを加水分解/縮重合させてポリチタノキサンをまず形成させ、次いで、更にアルコキシシランとアルコキシチタンとを加えて、加水分解/縮重合を続けることにより、防汚性に優れた複合ポリメタロキサンを得ることができる。前記したしように、このようにして得られた複合ポリメタロキサンは、ポリチタノキサン部分とポリチタノシロキサン部分とからなるものと推定され、ポリチタノキサン部分が防汚性に効果的であると考えられる。
より具体的には、次の工程(I)〜工程(II)を経て焼成前重合体を製造することが好ましい。
(I)アルコキシチタン、水、アルコールを混合した後、加水分解/縮重合を行う工程、及び
(II)前記加水分解/縮重合を行った溶液にアルコキシシラン、アルコキシチタン、水、アルコールを添加した後、加水分解/縮重合を行う工程。
・トリエチルアミン、n -プロピルアミン等の塩基触媒
・ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビスマレイン酸モノブチルエステル、ジオクチルビスマレイン酸モノブチルエステル等の有機錫系触媒
・ビス(アセトキシジブチルスズ)オキサイド、ビス(ラウロキシジブチルスズ)オキサイド等の有機錫オキサイド系触媒
・ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、チタンテトラ(アセチルアセトナート)、ジオクタノキシチタンジオクタネート、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン系触媒
また、工程(I)において、アルコキシチタンを1種類以上併用してもよい。
複合ポリメタロキサンの原料となる好適なアルコキシチタンとしては、たとえば、式(ii):
Ti(OR21)4 (ii)
(式中、R21は同一または異なって、飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。)
の一種以上を挙げることができる。
次いで、複合ポリメタロキサンの原料となる好適なアルコキシシランとしては、たとえば下記式(iii)〜(vi)のいずれか一種以上を挙げることができる。これらの中でも成膜性の観点からは、用いるアルコキシシランの少なくとも一部が式(iii)及び/又は(iv)であることが網状構造の形成を促進するため好ましい。
式(iii):
R1−Si−(OR2)3 (iii)
[上記式(iii)中、R1は、カチオン重合可能な有機基、たとえば炭素数1〜10、より好ましくは炭素数4〜8のグリシジルオキシアルキル基や、炭素数5〜10、より好ましくは炭素数8〜10のエポキシシクロアルキル基または(エポキシシクロアルキル)アルキル基を示す。R2は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。]
式(iv):
(R3)1−Si−(OR2)3 (iv)
[上記式(iv)中、R3は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基、好ましくは置換又は未置換のアルキル基、或いは、置換又は未置換のアリール基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜10の直鎖状のアルキル基がより好ましい。前記アリール基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリール基、たとえばフェニル基等が挙げられる。前記アルキル基又はアリール基の置換基としては、フェニル基等が挙げられる。R2は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す]
式(v):
(R3)2−Si−(OR2)2 (v)
[上記式(v)中、R3は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、好ましくは置換又は未置換のアルキル基、或いは、置換又は未置換のアリール基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜10の直鎖状のアルキル基がより好ましい。前記アリール基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリール基、たとえばフェニル基等が挙げられる。前記アルキル基又はアリール基の置換基としては、フェニル基等が挙げられる。R2は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す]
式(vi):
(R3)(R4)−Si−(OR2)2 (vi)
[上記式(vi)中、R3、R4は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、好ましくは置換又は未置換のアルキル基、或いは、置換又は未置換のアリール基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜10の直鎖状のアルキル基がより好ましい。前記アリール基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリール基、たとえばフェニル基等が挙げられる。前記アルキル基又はアリール基の置換基としては、フェニル基等が挙げられる。R2は炭素数1〜21、好ましくは炭素数6〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す]
式(iii)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン
・3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン
・2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
・2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン
式(iv)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・メチルトリメトキシシラン
・メチルトリエトキシシラン
・メチルトリプロポキシシラン
・エチルトリメトキシシラン
・エチルトリエトキシシラン
・エチルトリプロポキシシラン
・プロピルトリメトキシシラン
・プロピルトリエトキシシラン
・プロピルトリプロポキシシラン
・ヘキシルトリメトキシシラン
・ヘキシルトリエトキシシラン
・ヘキシルトリプロポキシシラン
・オクチルトリメトキシシラン
・オクチルトリエトキシシラン
・オクチルトリプロポキシシラン
・デシルトリメトキシシラン
・デシルトリエトキシシラン
・デシルトリプロポキシシラン
・フェニルトリメトキシシラン
・フェニルトリエトキシシラン
・フェニルトリプロポキシシラン
式(v)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・ジメチルジメトキシシラン
・ジメチルジエトキシシラン
・ジメチルジプロポキシシラン
・ジイソプロピルジメトキシシラン
・メトキシシラン
・ジフェニルジエトキシシラン
・ジフェニルジプロポキシシラン
式(vi)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・メチルフェニルジメトキシシラン
・メチルフェニルジエトキシシラン
・メチルフェニルジプロポキシシラン
[(2−4)各部分におけるチタン原子の含有率]
複合ポリメタロキサン焼成膜中におけるチタン原子の含有率a1及びa2は、下記式(vi)及び(vii)により算出できる。
a2(モル%)={β/(α+β+γ)}×100 (viii)
ここで、a1は、光学膜の全金属原子(Ti+Si)の量(モル)を基準として、ポリチタノキサン部分に含まれるチタン原子(Ti)の含有率(モル%)である。また、a2は、光学膜の全金属原子(Ti+Si)の量(モル)を基準として、ポリチタノシロキサン部分に含まれるチタン原子(Ti)の含有率(モル%)としている。
すなわち、以下の式(ix):
2≦a1/a2 (ix)
を満たすことが好ましい。
すなわち、以下の式(ix)、(x)をそれぞれ満たすことが好ましい。
6.25≦a1≦53 (x)
0.50≦a2≦6.25 (xi)
赤外分光法の定量分析により、複合ポリメタロキサン中に含まれるTi−O−Ti結合に由来する吸収帯840 cm-1の吸収強度A1を見積もることができる。同様に、赤外分光法の定量分析により、複合ポリメタロキサン中に含まれるSi−O−Ti結合に由来する吸収帯950 cm-1の吸収強度A2を見積もることができる。
2≦A1/A2 (xii)
本願発明において、ポリチタノキサン部分の反応と、続くポリチタノシロキサン部分の反応がほぼ完全に進行すれば、この条件は前記(2−4)の式(viii)の条件とほぼ等価と考えられる。この場合、ポリチタノキサン部分のTi−O−Tiの含有量と、ポリチタノシロキサン部分のSi−O−Tiの含有量が、仕掛けた試薬量と一致するからである。実際にも実施例では、表1のa1/a2比と表2のA1/A2比はすべての実施例及び比較例において同じ値となっている。すなわち、この場合、吸収強度A1はポリチタノキサン部分のTi−O−Ti結合に由来し、吸収強度A2はポリチタノシロキサン部分のSi−O−Ti結合に由来するものと考えられる。
低屈折率材料の含有量をb、複合ポリメタロキサン焼成膜の含有量をcとした場合、良好な反射防止性能や透過率の観点からはb/cは0.18以上であることが好ましい。他方、低屈折材料粒子の剥がれ防止、膜の耐摩耗性及び防汚性の観点からはb/cは61以下が好ましい。
0.18≦b/c≦61 (xiii)
ここで、後記する(3)において説明する任意の中間層において低屈折率粒子を用いる場合には、上記bにはその重量は含めない。
複合ポリメタロキサン焼成膜中には更に任意に、酸化チタン粒子等の防汚材粒子を含有してもよい。防汚材として酸化チタン粒子等の防汚材粒子のみを用いる場合よりも、酸化チタン等の防汚材粒子の使用量を減らすことができ、防汚性を保たせながら低屈折率化を達成できる点で好ましい。
d/(b+c+d)≦0.1 (xiv)
ここで、後記する(3)において説明する任意の中間層において低屈折率粒子を用いる場合には、上記bにはその重量は含めない。
本態様の光学膜は更に、中間層を任意に備えていてもよい。特に低屈折率材料として中空粒子を採用する場合、非中空粒子を含む中間層を設けることで、光学膜の基材への密着性を向上することができる。
光学膜の成膜方法は、基材表面上もしくは、中間層を設けている場合には中間層上に、前記低屈折率材料分散液を塗工後、複合ポリメタロキサン(焼成前重合体)調合液を更に塗工し、乾燥/焼成する工程を有する方法が好ましい。このため、本発明の第一の態様の光学膜は通常、該光学膜を備えた基材の形で作製される。
本発明の第二の態様である光学デバイスは、その基材上に、あるいはその基材上に任意に形成された中間層上に、本発明の第一の態様の光学膜を備える。
[(I−1)中空シリカ粒子分散液1の作製]
中空シリカスラリーIPA分散液(日揮触媒化成株式会社製 スルーリア1110、平均フェレ径55nm・固形分濃度20.5重量%、中空シリカ粒子材料自体の屈折率:1.30、なお、当該中空シリカ粒子を「中空シリカ粒子1」と呼ぶことがある。)4.5重量部に1−エトキシ−2−プロパノール9.00重量部100mlのナスフラスコに入れた。次いで、エバポレーターにて濃縮し、溶媒を1−エトキシ−2−プロパノールに置換した。次いで、1−エトキシ−2−プロパノール11.0重量部、1−ブトキシ−2−プロパノール15.0重量部、2―エチルブタノール13.5重量部添加して、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液1を作製した。
マグネシウムジエトキシド6.90重量部、2―エチルブタノール38.2重量部、を500mlのナスフラスコに入れ、室温にて撹拌し、トリフルオロ酢酸6.90重量部を滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。その後、減圧濾過した後、100℃で2時間、加熱真空乾燥し、多孔質MgF2前駆体であるトリフルオロ酢酸マグネシウムを得た。
100mlのナスフラスコに、以下の成分を入れた。
・1−エトキシ−2−プロパノール8.0重量部
・1−ブトキシ−2−プロパノール6.0重量部
・2―エチルブタノール6.0重量部
次いで、室温にて撹拌し、3.8重量%の非中空SiO2分散液を作製した。
<中空シリカ粒子2>
水200mlに塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.19gを加熱しながら溶かし、80℃まで昇温した。スチレンモノマー2mlを添加して撹拌後、2,2‘-アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.6gを添加した。そのまま3時間撹拌して反応を終了し、ポリスチレン粒子を得た。次に、上記の反応を終了した反応液100mlを分取し、2−エチルブタノール10gを添加し、室温にて撹拌を行った。さらにトリエトキシメチルシラン3.0gを添加した後、40時間撹拌し、ポリスチレン粒子の周囲にシリカを析出させ被覆した。さらに、遠心分離と洗浄を繰り返し、コアシェル粒子以外の不純物を除去し、コアシェル粒子の分散液を得た。このコアシェル粒子を空気雰囲気下で室温から600℃まで10℃/分の条件で昇温し、600℃で3時間ホールドした。その後10℃/分の割合で室温まで冷却し、中空シリカ粒子2(屈折率 1.22)を作製した。
<中空シリカ粒子分散液2>
ついで、0.75重量部の中空シリカ粒子2に、1−エトキシ−2−プロパノール11.0重量部、1−ブトキシ−2−プロパノール15.0重量部、2―エチルブタノール13.5重量部添加して、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液2を作製した。
<中空シリカ粒子3>
トリエトキシメチルシランの量を7.6gに変更した以外は、前述の中空シリカ粒子2と同様にして中空シリカ粒子3(屈折率 1.32)を作製した。
<中空シリカ粒子分散液3>
中空シリカ粒子2を中空シリカ粒子3に変更した以外は、前述の中空シリカ粒子分散液2と同様にして、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液3を作製した。
<中空シリカ粒子4>
トリエトキシメチルシランの量を2.7gに変更した以外は、前述の中空シリカ粒子2と同様にして中空シリカ粒子4(屈折率 1.21)を作製した。
<中空シリカ粒子分散液4>
中空シリカ粒子2を中空シリカ粒子4に変更した以外は、前述の中空シリカ粒子分散液2と同様にして、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液4を作製した。
<中空シリカ粒子5>
トリエトキシメチルシランの量を8.7gに変更した以外は、前述の中空シリカ粒子2と同様にして中空シリカ粒子5(屈折率 1.33)を作製した。
<中空シリカ粒子分散液5>
中空シリカ粒子2を中空シリカ粒子5に変更した以外は、前述の中空シリカ粒子分散液2と同様にして、1.9重量%の中空シリカ粒子分散液5を作製した。
以下に、複合ポリメタロキサン製造のための各種焼成前重合体調合液の作製につき開示する。
<焼成前重合体1>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.8重量部(2.9ミリモル)
・2−ブタノール36.0重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、18重量%の焼成前重合体1溶液を得た。
<調合液A>
次いで5重量部の前記焼成前重合体1溶液に2−エチルブタノール123重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体1の調合液Aを得た。
<焼成前重合体2>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・ジメトキシジフェニルシラン21.1重量部(87ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.8重量部(2.9ミリモル)
・2−ブタノール33.7重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、15重量%の焼成前重合体2溶液を得た。
<調合液B>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体2溶液に2−エチルブタノール101重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体2の調合液Bを得た。
<焼成前重合体3>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・チタニウムテトライソプロポキシドを0.8重量部(2.9ミリモル)
・2−ブタノール33.7重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、19重量%の焼成前重合体3溶液を得た。
<調合液C>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体3溶液に2−エチルブタノール128重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体3の調合液Cを得た。
<焼成前重合体4>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを1.8重量部(6.25ミリモル)、2−ブタノールを4.5重量部、塩酸0.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を2.2重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.14重量部(0.5ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、24重量%の焼成前重合体4溶液を得た。
<調合液D>
次いで、5重量部の前記重縮合物4溶液に2−エチルブタノール164重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体4の調合液Dを得た。
<焼成前重合体5>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを3.6重量部(12.5ミリモル)、2−ブタノールを9重量部、塩酸0.4重量部入れ撹拌し、イオン交換水を4.4重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.78重量部(6.3ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、22重量%の焼成前重合体5溶液を得た。
<調合液E>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体5溶液に2−エチルブタノール151重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体5の調合液Eを得た。
<焼成前重合体6>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを1.8重量部(6.25ミリモル)、2−ブタノールを4.5重量部、塩酸0.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を2.2重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシドを0.88重量部(3.1ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、24重量%の焼成前重合体6溶液を得た。
<調合液F>
次いで、5重量部の前記重縮合物溶液6に2−エチルブタノール164重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体6の調合液Fを得た。
<焼成前重合体7>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを15.1重量部(53ミリモル)、2−ブタノールを45重量部、塩酸2.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を22.3重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.14重量部(0.5ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、14重量%の焼成前重合体7溶液を得た。
<調合液G>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体7溶液に2−エチルブタノール97重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体7の調合液Gを得た。
<焼成前重合体8>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを15.1重量部(53ミリモル)、2−ブタノールを45重量部、塩酸2.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を22.3重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.78重量部(6.25ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、15重量%の焼成前重合体8溶液を得た。
<調合液H>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体8溶液に2−エチルブタノール99重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体8の調合液Hを得た。
5重量部の前記焼成前重合体1溶液に2−エチルブタノール4重量部投入撹拌し、10.5重量%の焼成前重合体1の調合液Iを得た。
5重量部の前記焼成前重合体1溶液に2−エチルブタノール682重量部投入撹拌し、0.13重量%の焼成前重合体1の調合液Jを得た。
<焼成前重合体9>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを1.8重量部(6.25ミリモル)、2−ブタノールを4.5重量部、塩酸0.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を2.2重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.78重量部(6.25ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、24重量%の焼成前重合体9溶液を得た。
<調合液K>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体9溶液に2−エチルブタノール164重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体9の調合液Kを得た。
<焼成前重合体10>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを15.1重量部(53ミリモル)、2−ブタノールを46重量部、塩酸2.3重量部入れ撹拌し、イオン交換水を23.1重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.78重量部(6.25ミリモル)
・2−ブタノール8重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、17重量%の焼成前重合体10溶液を得た。
<調合液L>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体10溶液に2−エチルブタノール117重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体10の調合液Lを得た。
<焼成前重合体11>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを1.7重量部(6ミリモル)、2−ブタノールを4.5重量部、塩酸0.2重量部入れ撹拌し、イオン交換水を2.2重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシドを0.82重量部(2.9ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、24重量%の焼成前重合体11溶液を得た。
<調合液M>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体11溶液に2−エチルブタノール164重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体11の調合液Mを得た。
<焼成前重合体12>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8.0重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド0.11重量部(0.4ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、18重量%の焼成前重合体12溶液を得た。
<調合液N>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体12溶液に2−エチルブタノール126重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体12の調合液Nを得た。
<焼成前重合体13>
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、チタニウムテトライソプロポキシドを8.0重量部(28ミリモル)、2−ブタノールを20重量部、塩酸1重量部入れ撹拌し、イオン交換水を10重量部滴下しながら添加した。その後、3時間攪拌を行った。
・オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)
・チタニウムテトライソプロポキシド1.79重量部(6.3ミリモル)
・2−ブタノール34重量部
次いで、この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、18重量%の焼成前重合体13溶液を得た。
<調合液O>
次いで、5重量部の前記焼成前重合体13溶液に2−エチルブタノール127重量部投入撹拌し、0.7重量%の焼成前重合体13の調合液Oを得た。
5重量部の前記焼成前重合体1溶液に2−エチルブタノール0.8重量部投入撹拌し、15.5重量%の焼成前重合体1の調合液Pを得た。
5重量部の前記焼成前重合体1に2−エチルブタノール727重量部投入撹拌し、0.12重量%の焼成前重合体1の調合液Qを得た。
2−エチルブタノール75重量部、30重量%酸化チタンST01(石原産業株式会社製 平均粒子径7nm)1.8重量部投入撹拌し、0.7重量%の酸化チタン粒子分散液1を得た。
25℃に設定したウォーターバス中、300mlナスフラスコに、3−グリジルオキシプロピルトリメトキシシラン3.35重量部(14ミリモル)、オクチルトリエトキシシラン23.9重量部(86ミリモル)、2−ブタノール34重量部を入れ攪拌した。この中に、イオン交換水3.25重量部を滴下しながら添加した。その後、120℃に設定したオイルバス中に前記フラスコを設置、撹拌し、3時間加熱還流を行うことによって、26重量%のポリシロキサン14溶液を得た。
マグネシウムジエトキシド6.90重量部、2―エチルブタノール38.2重量部、アセチルアセトン1.00重量部を100mlのナスフラスコに入れ、室温にて撹拌した。次いで、トリフルオロ酢酸6.90重量部を滴下、撹拌し、26重量%のトリフルオロ酢酸マグネシウムゾル液を得た。
[(IV−1)実施例1:光学膜1]
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚み)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた。次いで、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。
更に、この膜上に、0.3mlの前記中空シリカ粒子分散液1を、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートした。次いで、焼成前重合体1の調合液A0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜1を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体2の調合液Bに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜2を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体3の調合液Cに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜3を製造した。
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚み)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた。次いで、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体4の調合液Dに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜5を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体5の調合液Eに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜6を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体6の調合液Fに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜7を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体7の調合液Gに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜8を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体8の調合液Hに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜8を製造した。
中空シリカ粒子1分散液の液量を0.3mlに変更し、焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1の調合液Iに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜10を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1の調合液Jに変更し、調合液Jの液量を0.1mlに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜11を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体9の調合液Kに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜12を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体10の調合液Lに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜13を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体11の調合液Mに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜14を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体12の調合液Nに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜15を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体13の調合液Oに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜16を製造した。
中空シリカ粒子1分散液の液量を0.25mlに変更し、焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1の調合液Pに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜17を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1の調合液Qに変更し、調合液Qの液量を0.1mlに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜18を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aを焼成前重合体1/酸化チタン粒子の調合液Rに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜19を製造した。
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚み)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた。次いで、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。この膜上に、前記中空シリカ粒子1分散液0.42mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートした。次いで、焼成前重合体1の調合液A0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜20を製造した。
中空シリカ粒子1分散液を中空シリカ粒子分散液2に変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜21を製造した。
中空シリカ粒子1分散液を中空シリカ粒子分散液3に変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜22を製造した。
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚さ)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。この膜上に、焼成前重合体1の調合液A0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜23を製造した。
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚さ)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた。次いで、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。この膜上に、前記非中空SiO2分散液0.42mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートした。次いで、焼成前重合体1の調合液A0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜24を製造した。
焼成前重合体1の調合液Aをポリシロキサン調合液Sに変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜25を製造した。
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3(厚さ)×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。この膜上に、前記中空シリカ粒子分散液1の0.42mlを、スピンコート装置を用い、回転数2685rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成し、光学膜26を製造した。
中空シリカ粒子分散液1を中空シリカ粒子分散液4に変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜27を製造した。
中空シリカ粒子分散液1を中空シリカ粒子分散液5に変更した以外は、前述の実施例1と同様にして光学膜28を製造した。
光学膜を自動多入射角分光エリプソメーターV−VASE(ジェーエーウーラム社製)を用い、屈折率を測定した。測定条件は23℃で、波長589nmの屈折率を読み取った。結果を表1に示す。
*2:複合ポリメタロキサン中の全金属原子(Ti+Si)のモル数を基礎にして、ポリチタノキサン部分中のチタン原子の含有率をa1(モル%)、ポリチタノシロキサン部分中のチタン原子の含有率をa2(モル%)とする。
*3:表中の低屈折率材料における「中空粒子」は中空シリカ粒子[前記(I−1),(I−4)〜(I−7)参照]を、「多孔質MgF2」は多孔質MgF2粒子[前記(I−2)参照]を、「SiO2」は非中空SiO2粒子[前記(I−3)参照]を指す。
*2:光学膜の全重量を基準として、低屈折率材料の含有重量%をb(重量%)、複合ポリメタロキサン焼成膜またはポリシロキサン焼成膜の含有重量%をc(重量%)とする。
*3:光学膜の全重量を基準として、低屈折率材料の含有重量%をb(重量%)、複合ポリメタロキサン焼成膜またはポリシロキサン焼成膜の含有重量%をc(重量%)、酸化チタン粒子の含有重量%をd(重量%)とする。
*4:複合ポリメタロキサン焼成膜の赤外分光法による定量分析により、Ti−O−Tiに由来する吸収強度をA1、Ti−O−Siに由来する吸収強度をA2とする。
*5:表中の低屈折率材料における「中空粒子」は中空シリカ粒子[前記(I−1),(I−4)〜(I−7)参照]を、「多孔質MgF2」は多孔質MgF2粒子[前記(I−2)参照]を、「SiO2」は非中空SiO2粒子[前記(I−3)参照]を指す。
[(V−1)防汚性評価]
光学膜をUV照射機(ウシオ電機製 マルチライト基本構成ユニット ML−251A/B 、照射光学ユニット PM25C−100)で60分照射した。次いで、光学膜上に油(菜種油)1mlをたらして、15分、室温で放置した。その後、50mlの水道水で洗い流した。流水後の光学膜を目視観察し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の防汚性を評価した。結果を表3に示す。
○:油がほぼ全て流れ落ちている(95%以上除去)。
△:油が極一部分残留している(90〜95%除去)。
△×:油が一部分残留している(60〜90%未満除去)。
×:油が大部分残留している(60%未満除去)。
反射分光膜厚計(大塚電子株式会社製 FE3000)を用い、入射角0度において、350nm〜550nmの波長での光学膜の反射率を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の反射防止性を評価した。結果を同様に表3に示す。
◎ :最大反射率が1%未満であり、且つ、レンジ(反射率最大値-反射率最小値)が0.5%以下である。
○ :最大反射率が1%未満であり、且つ、レンジ(反射率最大値-反射率最小値)が0.5%を超え1%以下である。
△ :最大反射率が1%以上2%未満である。
△×:最大反射率が2%以上4%未満である。
× :最大反射率が4%以上である。
光学膜を分光光度計UV−Vis(株式会社日立ハイテクサイエンス製 U−3310)を用い、入射角0度において、350nm〜550nmの波長の透過率を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の透過性を評価した。結果を同様に表3に示す。
◎ :最低透過率が98%以上である。
○ :最低透過率が96%以上98%未満である。
△ :最低透過率が94%以上96%未満である。
△×:最低透過率が92%以上94%未満である。
× :最低透過率が92%未満である。
JIS K5400に準じた鉛筆硬度試験により表面硬さを測定した。結果を表3に示す。
△ :硬度F、HB、B
× :硬度2B以下
実施例20を、低屈折率材料を全く用いていない比較例1と比較することにより、低屈折率材料の存在により、反射防止性及び透明性共に向上したことがわかる。
比較例2は、実施例20の中空シリカ粒子1〈屈折率1.30)を非中空SiO2粒子〈屈折率1.46)に置き換えた例におおよそ相当する。中空シリカ粒子1〈屈折率1.2)を用いた実施例20は、非中空SiO2粒子〈屈折率1.46)を用いた比較例2よりも、反射防止性及び透明性が共に格段に優れていることを示す。
比較例3は、実施例1の光学膜中の複合ポリメタロキサン焼成膜を単なるポリシロキサン焼成膜に置き換えた例におおよそ相当する。防汚材として働くポリチタノキサン部分を有すると考えられる実施例1は、それがない比較例3に比べて防汚性が格段に優れていることを示す。
比較例4は、実施例20の複合ポリメタロキサン焼成膜を欠いた例(したがって、防汚層を欠く例)におおよそ相当する。この比較例4では、中空シリカ粒子が層を形成できなかったことから、複合ポリメタロキサンは光学膜を形成するためのバインダーの役割をも果たすことを示す。
比較例5は、実施例1の中空シリカ粒子1〈屈折率1.30)を、より屈折率の低い中空シリカ粒子4(屈折率1.21)に置き換えた例におおよそ相当する。比較例5の低屈折率材料の方がより低い屈折率であるため反射防止性及び透明性の点ではもちろん優れてはいるものの、耐擦傷性では実施例1の方が優れた結果が得られた。
比較例6は、実施例1の中空シリカ粒子1〈屈折率1.30)を、より屈折率の高い中空シリカ粒子5(屈折率1.33)に置き換えた例におおよそ相当する。実施例1では、より低い屈折率の低屈折率材料を用いていることから、反射防止性及び透明性共に比較例6より優れていた。
実施例8、15等では、複合ポリメタロキサン焼成膜中のポリチタノキサン部分とポリチタノシロキサン部分との間でのチタン原子の含有率比(a1/a2)が比較的大きく設定されている。他方、実施例6、7、12、14及び16等では、逆にこれが比較的小さく設定されている。そして、防汚性は前者の方が高くでる傾向がみられたことから、縮重合物中のポリチタノキサン部分が防汚性に、より影響すると考えられる。
実施例12では、他の実施例に比べると防汚性評価が低下しているが、これはA1/A2比ないしa1/a2比が他の実施例に比べて低いこと、すなわち、Ti−O−Ti結合ないし、ポリチタノキサン部分が防汚性に影響していることを示しているものと考えられる。
Claims (12)
- (A)屈折率1.22〜1.32を示す低屈折率材料、及び
(B)アルコキシシランとアルコキシチタンとからなる群から選択される一以上の金属アルコキシドの縮重合構造を含む複合ポリメタロキサン、
を含む光学膜であって、
前記縮重合構造は少なくともTi−O−Ti結合及びSi−O−Ti結合を含むことを特徴とする光学膜。 - 前記低屈折率材料が中空粒子であることを特徴とする請求項1に記載の光学膜。
- 前記複合ポリメタロキサンが、アルコキシチタンの縮重合構造からなるポリチタノキサンと、アルコキシシランとアルコキシチタンとの縮重合構造からなるポリチタノシロキサンとを含み、且つ、前記ポリチタノキサンと前記ポリチタノシロキサンとが少なくとも一部で縮合結合したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学膜。
- 前記ポリチタノキサン中に含まれるアルコキシチタンユニットaの含有率a1(モル%)と、前記ポリチタノシロキサン中に含まれるアルコキシチタンユニットaの含有率a2(モル%)が、下記式(viii)、(ix)、(x)の関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の光学膜。
2≦a1/a2 (viii)
6.25≦a1≦53 (ix)
0.50≦a2≦6.25 (x) - 前記低屈折率材料の含有量bと、前記ポリチタノシロキサンの含有量cが、下記式(xii)の関係を満たすことを特徴とする請求項3または4に記載の光学膜。
0.18≦b/c≦61 (xii) - 赤外分光法の定量分析により、前記Ti−O−Ti結合に由来する吸収帯840 cm-1の吸収強度をA1、前記Si−O−Ti結合に由来する吸収帯950 cm-1の吸収強度をA2とした場合に、下記式(xi)の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学膜。
2≦A1/A2 (xi) - 更に酸化チタン粒子を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学膜。
- 前記光学膜が更に酸化チタン粒子を含み、前記低屈折率材料の含有量bと、前記ポリチタノシロキサンの含有量cと、前記酸化チタン粒子の含有量dが、下記式(xiii)を満たすことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の光学膜。
d/(b+c+d)≦0.1 (xiii) - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学膜を備えた基材。
- 前記光学膜と基材との間に更に中間層を有し、該中間層が非中空粒子の低屈折率材料を含むことを特徴とする請求項9に記載の基材。
- 請求項9〜10のいずれか一項に記載の基材を有する光学デバイス。
- 前記光学デバイスが、ソーラーパネル、ディスプレイ装置、または光学レンズである請求項11に記載の光学デバイス。
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