JP2010044870A - フラットパネルディスプレイ用封着層形成材料、フラットパネルディスプレイ用封着層、及び、フラットパネルディスプレイ - Google Patents

フラットパネルディスプレイ用封着層形成材料、フラットパネルディスプレイ用封着層、及び、フラットパネルディスプレイ Download PDF

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卓央 杉岡
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Abstract

【課題】低温での封着層の硬化によっても充分な封止機能を発揮することができ、また、封着層を形成したのちに加熱しながらの排気を行ってもアウトガスの発生し難い封着層形成材料、該封着層形成材料を硬化した封着層、及び該封着層を備えるフラットパネルディスプレイを提供する。
【解決手段】硬化性樹脂と無機元素含有成分とを必須とし、該無機元素含有成分は、イミド結合を有するポリメタロキサン、及び/又は、板状粒子であるフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料、該フラットパネルディスプレイ用封着層形成材料を硬化してなるフラットパネルディスプレイ用封着層、及び、上記フラットパネルディスプレイ用封着層を有するフラットパネルディスプレイである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ用封着層形成材料、フラットパネルディスプレイ用封着層、及び、フラットパネルディスプレイに関する。より詳しくは、対向して配置された2枚のパネルを封着層で封止する表示装置に好適に用いることができるフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料、フラットパネルディスプレイ用封着層、及び、フラットパネルディスプレイに関する。
近年の高度情報化に伴い、フラットパネルディスプレイのニーズが高まっている。フラットパネルディスプレイとしては、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、無機エレクトロルミネセンス(無機EL)ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)ディスプレイ等が知られているが、このような表示装置は、通常ガラス基板等の上に表示を行うための部材を配置した2枚のパネルを対向して配置し、封着層を用いて封止したものである。
例えば、現在のPDPでは、一対の平行に配された基板間に、蛍光体層が配設されたセルが複数配設され、当該複数のセル間にストライプ状に配列された複数の隔壁と、当該両基板間の外周部を封着する封着材層とが介在しているパネル構造を有している(例えば、特許文献1参照。)。このようなPDPを製造する工程においては、封着用の加熱装置を用いて、封着層形成材料を焼成して封止を行っているが、フロントパネル(FP)あるいはバックパネル(BP)が大気に触れることで、誘電体層及び保護層(特に酸化マグネシウム)が大気中の空気、水蒸気、炭酸ガス等の不純物ガスに触れて水酸化物や炭素化合物に化学変化することがある。そして、このような変化が生じると、放電特性が変化して良好な画像表示性能が得られにくくなるという問題があった。また、FPやBPが外気に触れること以外にも、封着層を形成するために用いられるガラスフリット中に含まれるバインダー成分(炭素成分等の有機成分)が封着工程において残存し、この成分により不純物ガスが誘電体層や保護層に悪影響を及ぼすこともある。これは特に、450℃以上に達する比較的高温のプロセスで封着工程を行う場合において、封着層形成材料中のバインダー成分がガス化するために生じる問題である。
このため、製造工程において誘電体層や保護層に不純物が付着するのを防止すべく、従来より幾つかの対策がなされている。例えば、PDPの封着工程を減圧雰囲気とした真空チャンバー内において行うことで不純物の混入を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照。)。また、減圧雰囲気でシール材の仮焼成を行い、シール材中のバインダーをある程度焼失させてから、FPとBPを貼り合わせ、本焼成を行う方法についても開示されている。
また、封着層を形成する材料としては、封着層が、有機樹脂材料、無機材料及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料から構成されているプラズマディスプレイパネルも開示されている(例えば、特許文献4参照。)。ここで、封着層としては、シリカ材料を主成分とし、エポキシ樹脂材料等の有機材料を添加してなる複合材料を用いることが開示されているが、好適なシリカ材料については検討されているものではなかった。
また、封着層(シール)として、エポキシ又はポリビニルブチラートタイプの材料が用いられるものも開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
ところで、封着層の配置形態としては、対向配置された一対の前面ガラス基板と背面ガラス基板を貼り合わせるシール部が、放電空間側に形成された内側シール部と、間隔をおいて内側シール部の外側周囲に形成された外側シール部とを有する少なくとも2重シールの形をなし、外側シール部と内側シール部とにより囲まれたシール部空間を放電空間より低い圧力とするプラズマディスプレイが開示されている(例えば、特許文献6参照)。
特開平2001−351532号公報 特開平10−40818号公報 特開平9−251839号公報 再公表特許WO2006/019032号公報 特開2001−28240号公報 特開2006−324026号公報
しかしながら、上述した従来の技術を用いたとしても、封着層を形成する材料から発生した不純物が誘電体層や保護層等に付着することで生じる不具合(化学変化)を充分に防止できるものではなかった。例えば、チャンバー等により両パネルを大気から隔離して、減圧雰囲気若しくは真空下で封着工程を実施する手法をとるような場合、大気に起因する不純物ガスの混入を防止することはできるが、封着工程において放電空間で発生する封着層形成材料由来の不純物ガスを除去することはできなかった。なお、封着層形成材料由来の不純物ガスを除去するために、対向面が開放された状態で前面基板及び背面基板を仮焼する方法、前面基板及び背面基板により形成される放電空間に乾燥ガスを流しながら封着する方法が開示されているが、放電空間が100〜200μm程度の間隙しかないため、排気抵抗が高く、現実的には不純物の除去効率を優れたものとすることはできなかった。また、不純物ガスを吸着除去するためのゲッター剤を両パネル内部に配置することも考えられるが、吸着除去能力には限界があり、これによっても充分にアウトガスを吸着除去することは困難であった。
更に、チップ管(配管部材)を用いて放電空間中の排気等を行う方法では、該チップ管が細い管であるため、放電空間中のガスを除去するためには長時間を要する。このため、ガスを迅速に排気することができず、結果的に保護層等への不純物の吸着を効果的に防止することは困難なものであった。このような課題は、PDP等のディスプレイが大型化するにつれて顕著となり、高性能で高品質なディスプレイを充分に供給するためには、早急に解決すべき課題であるといえる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、低温での封着層の硬化によっても充分な封止機能を発揮することができ、また、封着層を形成したのちに加熱しながらの排気を行ってもアウトガスの発生し難い封着層形成材料、該封着層形成材料を硬化した封着層、及び該封着層を備えるフラットパネルディスプレイを提供することを目的とするものである。
本発明者は、充分な封止性能を有し、アウトガスの発生し難いフラットパネル用封着層形成材料について種々検討したところ、硬化性樹脂と無機元素含有成分を含有する封着層形成材料(樹脂組成物)に着目した。そして、無機元素含有成分を特定のものとすることにより、ガスバリア性を向上させ、アウトガスの発生を抑制することができることを見いだした。すなわち、無機元素含有成分を、イミド結合を有するポリメタロキサン、及び/又は、板状粒子とすることによって、低温で加工したとしても充分な封止性能を発揮することができ、更に硬化した後の封着層からのアウトガスの発生を充分に抑制することができることを見いだした。
また、上記ポリメタロキサンが重合性不飽和結合を有するものとすること、封着層形成材料が架橋剤や無機微粒子を含有すること等により、より顕著な耐熱分解性の向上、ガスバリア性の向上を実現することができ、当該封着層形成材料がフラットパネルディスプレイ用途として優れた性能を発揮することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、硬化性樹脂と無機元素含有成分とを必須とし、該無機元素含有成分は、イミド結合を有するポリメタロキサン、及び/又は、板状粒子であるフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料である。
本発明はまた、上記フラットパネルディスプレイ用封着層形成材料を硬化してなるフラットパネルディスプレイ用封着層でもある。
本発明は更に、上記フラットパネルディスプレイ用封着層を有するフラットパネルディスプレイでもある。
以下に本発明を詳述する。
上記フラットパネルディスプレイ用封着層形成材料は、通常、対向して配置された一対の基板を封止するための封着層を形成する材料である。
上記封着層形成材料を用いるフラットパネルディスプレイとしては、特に限定されず、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)、無機エレクトロルミネセンス(無機EL)ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)ディスプレイ等の種々の表示装置を挙げることができる。中でも、封着層形成材料及びこれを硬化させた封着層からアウトガスが発生することにより表示部材の変化が生じやすい表示装置用途に好適に用いることができる。特に、プラズマディスプレイパネル用の封着層形成材料として好適に用いることができる。プラズマディスプレイパネルでは、酸化マグネシウム等からなる保護層や、誘電体層、蛍光体等の特性の低下や劣化を抑制することができるため、特に好適である。
本発明のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料(以下、「封着層形成材料」ともいう。)は、硬化性樹脂と無機元素含有成分とを必須とし、該無機元素含有成分は、イミド結合を有するポリメタロキサン(以下、単に「ポリメタロキサン」ともいう。)、及び/又は、板状粒子である。上記ポリメタロキサン及び/又は板状粒子を含む封着層形成材料であることにより、アウトガス(封着層形成材料の分解等によって生じるガス)の発生を抑制することができる。これによれば、フラットパネルディスプレイを構成する部材がアウトガスにより変化して、表示特性が劣化することを抑制することができる。また、従来のプラズマディスプレイパネルでは、充分な封止性能を発揮するために450℃程度の高温で封着層を形成する材料を硬化させる必要があったが、本発明の封着層形成材料を用いることによって、例えば、200℃以下の温度で硬化を行ったとしても充分な封止性能を発揮することができ、封着工程の低温化を図ることができる。更に、封着工程を低い温度で行うことができると、従来よりも耐熱性の低い部材も用いることができるようになり、コスト削減を図ることができる。
上記封着層形成材料を硬化する温度としては、300℃以下の温度で硬化を行うものであることが好ましく、より好ましくは、250℃以下で硬化を行うものであり、更に好ましくは、200℃以下で硬化を行うものである。
例えば、上記封着層形成材料がイミド結合を有するポリメタロキサンを含む場合、イミド結合を有することによって、封着層形成材料の熱分解温度が高くなり、硬化を行った後の封着層においてアウトガスが発生しにくくなる。また、ポリメタロキサンが架橋することにより、硬化性樹脂等に起因する分解ガスの流路を長くすることができ、ガスバリア性が高い封着層となる。すなわち、架橋したポリメタロキサンがアウトガス透過の障壁となり、フラットパネルディスプレイの封着層として優れた特性を有するものとなる。
上記封着層形成材料が板状粒子を含む場合、板状であることに起因してアウトガス透過の障壁となるため、分解ガスの流路を長くしてアウトガスの発生を抑制することができる。また、得られる封着層の線膨張係数を小さくすることができ、フラットパネルディスプレイを構成する前面基板や背面基板等(例えば、ガラス基板等)との線膨張係数の差異を低減することができる。これによれば、封止を行った空間がリークすること等を防止することができ、フラットパネルディスプレイの製造歩留りの改善を図ることができる。
上記封着層形成材料は、無機元素含有成分を必須とするものである。
上記無機元素含有成分の含有量としては、封着層形成材料100質量%に対して、3〜85質量%であることが好ましい。このような含有量とすることによって、充分な封止性能と、優れたガスバリア性とを発揮することができる。含有量としてより好ましくは、5〜70質量%であり、更に好ましくは、7〜60質量%である。
以下に、無機元素含有成分として用いられる板状粒子及びイミド結合を有するポリシロキサンについて詳述する。
上記無機元素含有成分として板状粒子を用いる場合、上記封着層形成材料中の板状粒子の含有量は、封着層形成材料100質量%に対して、3〜85質量%であることが好ましい。3質量%以下であると、封止性能が充分に発揮されないおそれがあり、85質量%を超えると、封着層形成材料のハンドリング性が極端に低下して使用時に封着性を発現しないおそれがある。含有量としてより好ましくは、5〜70質量%であり、更に好ましくは、7〜60質量%である。
上記板状粒子は、無機元素を含んで構成される板状の粒子であり、板状粒子の厚みに対して板状に広がる面の大きさが大きい、いわゆる板状の形状を持つ粒子のことである。これは、板状であることによってその板状面でアウトガスをブロックし、充分なガスバリア性を発揮することができるものであればよく、例えば、平板状、曲面板状、シート状等の形状の粒子である。
板状粒子の粒径としては、該粒子において最大となる径(板状に広がる面の方向の径)が50nm〜5μmであることが好ましい。50nm未満の場合には、充分なガスバリア性を発揮することができないおそれがある。5μmを超えると、ガスバリア性は向上するが、フロントパネル及びバックパネルとの接着性が低下するおそれがある。
なお、粒子の厚みは、例えば、粒子の径がほぼ一定である方向の長さであればよい(厚みの許容変動率としては、厚みの平均値に対して±30%程度であることが好ましい。)。
上記板状粒子としては、無機元素を含んで構成される板状の粒子であれば特に限定されない。板状粒子としては、金属酸化物粒子、金属酸窒化物粒子、金属酸炭化物粒子、金属酸硫化物粒子、金属窒化物粒子、金属炭化物粒子、金属硫化物粒子、金属テルル化物粒子、金属セレン化物粒子、金属粒子等が挙げられる。これらの中でも、金属酸化物粒子、金属酸窒化物粒子、金属酸炭化物粒子、金属酸硫化物粒子及び金属粒子等が工業的な入手の容易さの観点から好ましい。より好ましい板状粒子としては、金属酸化物粒子、金属酸窒化物粒子、金属酸炭化物粒子及び金属酸硫化物粒子からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。更に好ましくは、金属酸化物微粒子である。なお、金属酸化物粒子である場合、単一酸化物(一種の金属原子と酸素とからなる酸化物)であってもよいし、固溶体の形態であってもよいし、複合酸化物の形態であってもよい。上記複合酸化物の形態としては、二種以上の金属原子と酸素とを含む酸化物微粒子の形態である。これらのことは、上記した金属酸窒化物粒子、金属酸炭化物粒子等においても同様である。
板状粒子を構成する金属原子としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガスバリア性を高める観点から、周期表の第3族、第4族、第5族、第12族、第13族、第14族の金属原子等が好適である。中でも、化学的安定性が高いことから、ケイ素、アルミニウム、チタン等が好適である。
上記板状粒子は、金属酸化物粒子であることが好ましい。これによれば、粒径を小さくすることができるため、板状粒子を封着層形成材料へ含有させる場合により好適なものとなる。なお、上記封着層形成材料が板状粒子を含む場合、該板状粒子と後述する無機微粒子とは、同一のものであってよいし、異なるものであってもよい。すなわち、上記封着層形成材料が板状粒子を含有し、更に板状粒子とは異なる無機微粒子を含有していてもよい。また、板状粒子を無機微粒子として含んでいてもよい。
上記板状粒子の具体例としては、白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母、鱗雲母などの天然雲母鉱物類;フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母などの非膨潤性合成雲母鉱物類;ナトリウム(又はリチウム)テニオライト、ナトリウム(又はリチウム)ヘクトライトなどの膨潤性合成雲母鉱物類;スメクタイト、モンモリロナイト(モンモリロン石)、セリサイト(絹雲母)、イライト、グローコナイト(海緑石)、クロライト(緑泥石)、タルク(滑石)、ゼオライト(沸石)などの粘土鉱物類;カオリナイト、ディカイト(ディク石)、ナクライト(ナクル石)、ハロイサイト(ハロイ石)、アンチゴライト、クリソタイル、リザーダイト(リザード石)、アメサイト(アメス石)、ケリー石、ベルチェリン、グリーナライト(グリーナ石)、ヌポア石などのカオリン鉱物類;などが挙げられる。好適なのは合成雲母類であり、より好適なのは膨潤性合成雲母鉱物類である。
上記無機元素含有成分は、イミド結合を有するポリメタロキサンを必須とすることが好ましい。上記封着層形成材料中のポリメタロキサンの含有量は、封着層形成材料100質量%に対して、10〜60質量%であることが好ましい。10質量%未満であると、耐熱分解性、ガスバリア性が低下するおそれがあり、60質量%を超えると、封止性能が充分に発揮されないおそれがある。硬化性樹脂の含有量としてより好ましくは、12〜40質量%であり、更に好ましくは、15〜30質量%である。
上記ポリメタロキサンは、重量平均分子量が1000〜40000であることが好ましい。より好ましくは、2000〜4000である。このような範囲の重量平均分子量であることによって、架橋構造を効率よく形成することができ、よりアウトガスが発生しがたく、ガスバリア性が優れた封着層を形成することができる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)により測定することができる。
例えば、以下の測定条件が好ましい。
使用カラム:Shodex GF−7MHQ(商品名、昭和電工社製) 2本
溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)
流速:0.6ml/min.
カラム温度:40℃
標準物質:ポリスチレン
検出器:RI(示差屈折率)検出器
打ち込み量:0.5wt%溶液で10μL
上記メタロキサン結合を構成する金属原子として好ましい金属原子としては、周期表の第4族、第5族、第12族、第13族、第14族の金属原子等が挙げられる。中でも、ケイ素、チタン、アルミニウム、亜鉛、錫が好ましい。また、上記メタロキサン結合を構成する金属原子としては、ケイ素であることがより好ましい。金属原子がケイ素であることによって、耐熱分解性、機械的強度をより優れたものとすることができる。すなわち、上記ポリメタロキサンは、金属原子がケイ素であるポリシロキサンであることが好ましい形態である。
上記ポリメタロキサンは、メタロキサン骨格(主鎖骨格とも言う。)を有するものである。メタロキサン骨格は、メタロキサン結合を必須とするものであればよく、通常、金属原子と酸素原子とが交互に結合したメタロキサン結合が連続している構造である。また、上記メタロキサン骨格の構造としては、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。好ましい形態としては後述する。
上記ポリメタロキサンにおいて、メタロキサン結合の占める割合としては、ポリメタロキサン100質量%中、10〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは、15〜70質量%であり、更に好ましくは、20〜50質量%である。なお、メタロキサン結合の占める割合とは、(ポリメタロキサン1分子中でメタロキサン結合を形成する金属原子と酸素原子との合計質量/ポリメタロキサン1分子の質量)で求められる値である。
メタロキサン結合を構成する金属原子としては、特に限定されるものではなく種々の金属原子を用いることができる。用いられる金属原子は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
上記ポリメタロキサンの形態としては、メタロキサン結合が1次元構造(1次元鎖)となる形態(線状で分岐がない形態)、2次元構造(ラダー状等の分岐がある形態)、3次元構造(網目状構造、クラスター状等の分岐が顕著な形態)等が挙げられる。すなわち、上記ポリメタロキサンとしては、メタロキサン結合が鎖状、ラダー状、網目状、かご状等の構造を有する形態が挙げられる。耐熱性、ガスバリア性等の観点からは、1次元構造である形態よりも、2次元構造及び/又は3次元構造が好ましく、更に好ましくは、3次元構造である。3次元構造としては、特にクラスター状(かご状、部分的に結合ができていない擬かご状)が好ましい形態である。
3次元構造とするためには、メタロキサン結合を形成する金属原子が、3つ又はそれ以上のメタロキサン結合を形成する酸素原子と結合することが必要である。3つの酸素原子とメタロキサン結合を形成している金属原子の割合が高い方が3次元構造となりやすい点で好適である。ポリメタロキサンの金属原子がケイ素である場合、3つの酸素原子とシロキサン結合を形成しているケイ素原子の割合が高い方が、3次元構造を形成しやすい点で好ましい。例えば、末端のケイ素原子を除くケイ素原子数に対して、3つの酸素原子とシロキサン結合を形成しているケイ素原子の割合が実質的に100%であるものをポリシルセスキオキサンといい、該ポリシルセスキオキサンは、ラダー状、かご状等の構造をとりやすいことからポリシロキサンの好ましい形態である。なお、ポリシルセスキオキサンとしては、末端のケイ素原子も3つの酸素原子とシロキサン結合を形成していてもよい。また、ポリシルセスキオキサンは、トリアルコキシシラン化合物の加水分解縮合反応等により合成することができる。
以下にポリメタロキサンの好ましい形態として、ポリシロキサンである形態を例に挙げて説明するが、ケイ素原子が他の金属原子と置き換わった場合にも、同様の効果を得ることができる。
上記ポリメタロキサンは、下記平均組成式(m)で表される ポリシロキサン(A)であることが好ましい。
SiO (m)
式中、Xは、同一若しくは異なって、イミド結合を有する有機骨格を表す。Yは、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。Rは、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、置換基があってもよい。Zは、同一若しくは異なって、イミド結合を有さない有機基を表す。aは、0でない3以下の数であり、bは、0又は3未満の数であり、cは、0又は3未満の数であり、dは、0でない2未満の数であり、a+b+c+2d=4である。
ここで、上記Xの係数aは、0<a≦3の数である。Yの係数bは、0≦b<3の数である。Zの係数cは、0≦c<3の数である。Oの係数dは、0<d<2である。
上記ポリシロキサン(A)は、ケイ素原子にイミド結合を有する有機骨格(X)が少なくとも1個結合してなる構成単位(以下、構成単位(i)とも言う。)とシロキサン結合とを有するものである。例えば、シロキサン骨格、イミド結合を有する有機骨格(X)、構成単位(i)等の構造を適宜選択し、各種ポリマーに対して高い相溶性を示すものとすることにより、該ポリマーに容易に耐熱性等を付与することができる。耐熱性等を付与されたポリマーを含むことにより、高温環境下においても各種物性の低下が小さい封着層形成材料とすることができる。
上記ポリシロキサン(A)において、「イミド結合を有する有機骨格(X)」とは、イミド結合を必須とするものであればよいが、例えばイミド構造と炭素数1〜6のアルキレン基とを含む構造、イミド構造と2級アミノ基とを含む構造、イミド構造と3級アミノ基とを含む構造等が好ましい。中でもイミド構造と炭素数1〜6のアルキレン基とを含む構造が耐熱性等に優れる点でより好ましい。例えば、後に示す一般式(r)で示すような、イミド構造とアルキレン基とを含む形態が特に好ましい。
上記ポリシロキサン(A)において、上記イミド結合を有する有機骨格(X)の割合としては、ポリシロキサン(A)に含まれるケイ素原子100モルに対して、20〜100モルであることが好ましい。より好ましくは、50〜100モルであり、更に好ましくは、70〜100モルであり、特に好ましくは、80〜100モルであり、最も好ましくは実質的に100モルである。これによれば、耐熱性等を向上させることができるとともに、硬化性樹脂への溶解性を向上させたポリシロキサンとすることができる。
上記イミド結合を有する有機骨格(X)が結合したケイ素原子には、少なくとも1個のイミド結合を有する有機骨格(X)と、少なくとも1個の酸素原子が結合しており、該酸素原子を介してシロキサン結合を形成している。すなわち、イミド結合を有する有機骨格(X)が結合したケイ素原子には、イミド結合を有する有機骨格(X)と、酸素原子と、場合によりその他の骨格とが結合しており、有機骨格と酸素原子とその他の骨格の結合数の合計が4であり、有機骨格と酸素原子は、ともに1個以上結合している。
上記イミド結合を有さない有機基としては、好ましくは、アルキル基;アリール基、アラルキル基などの芳香族残基;不飽和重合性基を含む不飽和脂肪族残基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、これらは置換基があってもよい。特に好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基、又は、アリール基、アラルキル基などの芳香族残基であり、これらの有機基には置換基があってもよい。具体例としては、メチル、エチル、フェニル、ビニル、クロロプロピル、メルカプトプロピル、(エポキシシクロヘキシル)エチル、グリシドキシプロピル、N−フェニル−3−アミノプロピル、(メタ)アクリロキシプロピル、ヘキシル、デシル、オクタデシル、トリフルオロプロピル等が好適である。
一つのケイ素原子に結合するイミド結合を有する有機骨格(X)の数としては、1〜3個であり、好ましくは、1〜2個であり、より好ましくは、1個である。また、上記酸素原子(イミド結合を有する有機骨格(X)が結合したケイ素原子に結合する酸素原子)の結合数としては、1〜3個であり、好ましくは、2〜3個であり、より好ましくは、3個である。
その他の有機骨格の結合数としては、0〜2個であり、好ましくは、0〜1個であり、より好ましくは、0個である。ケイ素原子に結合する骨格(基)の好適な組み合わせ(結合数)としては、(イミド結合を有する有機骨格(X)、酸素原子、その他の骨格)が(1、3、0)、(2、2、0)、(1、2、1)、(3、1、0)、(2、1、1)、(1、1、2)である。
上記ポリシロキサンは、上述の構成であれば特に限定されないが、好適な実施形態としては、(1)シロキサン結合とイミド結合とを有するシラン化合物であって、該シラン化合物は、シロキサン結合(ポリシロキサン結合)を必須とする主鎖骨格を有し、イミド結合を必須とする構造が主鎖骨格に結合した構造を有する形態、(2)ケイ素原子に、イミド結合を含む有機骨格が少なくとも1個結合し、且つ該ケイ素原子に酸素原子が少なくとも1個結合してなる構成単位を必須とし、該構成単位中の該ケイ素原子が酸素原子を介してシロキサン骨格を形成してなる形態、(3)シロキサン結合からなる主鎖骨格と、イミド結合を含む有機骨格からなるシラン化合物であって、該主鎖骨格の少なくとも一部のケイ素原子が該有機骨格と結合してなる構成単位を必須単位として含有する形態、(4)シロキサン結合と、イミド結合を含む有機骨格からなるシラン化合物であって、該シラン化合物は、ポリシロキサン結合を必須とする主鎖骨格を有し、イミド結合を含む有機骨格が主鎖骨格中の少なくとも1個のケイ素原子に結合してなる形態等が挙げられる。
上記好適な実施形態(1)において、「イミド結合を必須とする構造が主鎖骨格に結合した構造」とは、上記イミド結合を必須とする構造(イミド結合を含む有機骨格)の少なくとも1つがポリシロキサンの主鎖骨格(シロキサン骨格)に結合した構造であればよい。すなわち、上記イミド結合を必須とする構造を主鎖骨格以外に有する構造であればよい。具体的には、上記ポリシロキサンはイミド結合を必須とする構造を側鎖に有する形態が好適である。この場合、イミド結合を必須とする構造が「鎖」の形態となった繰り返し単位を有するものに限られず、側鎖として1つ以上含まれればよい。
上記好適な実施形態(2)において、「ケイ素原子に、イミド結合を含む有機骨格が少なくとも1個結合してなり、且つ上記ケイ素原子に酸素原子が少なくとも1個結合してなる、構成単位」は、下記一般式;
Figure 2010044870
(式中、Xは、イミド結合を有する有機骨格を表す。sは、1〜3の整数であり、2tは、1〜3の整数である。s+2t=4である。)で表されることが好ましい。
上記ポリシロキサンにおいて、ケイ素原子に対するイミド結合を有する有機骨格(X)の割合を多くすることによって、該ポリシロキサンの硬化性樹脂への溶解性を向上させることができる。硬化性樹脂への溶解性の観点からは、上記平均組成式(m)におけるXの係数aが、0.2≦aを満たすことが好ましい。イミド結合を有する有機骨格であるXの係数aが、0.2未満である場合、硬化性樹脂への溶解性が低くなり、封着層形成材料としての特性を充分に発揮することができなくなるおそれがある。Xの係数aとして、より好ましくは、0.5≦aである。
上記ポリシロキサンの耐熱性の観点からは、a≦1.0であることが好ましい。1.0<aである場合、Xが2個以上結合したSiが存在することとなり、耐熱性が劣化するおそれがある。上述したことから、より優れた耐熱性を得るとともに、硬化性樹脂への溶解性を向上させる観点から、Xの係数aとしては、0.2≦a≦1.0を満たすことが好ましい。より好ましくは、0.5≦a≦1.0である。また、上記平均組成式(m)において、a+b+cが0.5以上であることが好ましく、より好ましくは、0.7以上であり、更に好ましくは、0.7以上1.0以下であり、特に好ましくは、1である。また、酸素の係数であるdは1.50であることが好適である。
上記ポリシロキサンは、下記計算式(q)で求められるシラノール基量が、0.1以下であることが好ましい。
[Si−OH結合モル数]/[Si−O結合モル数] (q)
これによれば、上記ポリシロキサンを含む封着層形成材料が著しく低粘度化し、また、該封着層形成材料や、それを硬化した封着層を耐吸湿性に極めて優れたものとすることができる。上記計算式(q)で求められるシラノール基量として、より好ましくは、0.05以下であり、更に好ましくは、0.01以下である。特に好ましくは、上記ポリシロキサンが、残存シラノール基を有さないものである。ここで、[Si−OH結合モル数]とは、SiとOHとの結合数をモル数で表すものである。例えば、1モルのSi原子のそれぞれに2つのOH基が結合している場合には、[Si−OH結合モル数]は2モルとなる。Si−O結合モル数についても同様に数えるものとする。
上記平均組成式(m)において、Yとしては、水酸基、OR基であることが好ましい。より好ましくは、OR基であり、更に好ましくは、Rが炭素数1〜8のアルキル基であるOR基である。また、Zとしては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等の芳香族残基、及び、不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらは置換基があってもよい。より好ましくは、置換基があってもよい、炭素数1〜8のアルキル基若しくはアリール基、又は、アラルキル基等の芳香族残基である。
上記ポリシロキサンは、例えば、
Figure 2010044870
(式中、X、Y及びZは、同一若しくは異なって、上述と同様である。n及びnは、重合度を示し、nは、0でない正の整数であり、nは、0又は正の整数である。)で示される。なお、Y/Z−は、Y又はZが結合していることを表し、X1〜2−は、Xが1又は2個結合していることを表し、(Z/Y)1〜2−は、Z又はYが1個結合するか、Z又はYが2個結合するか、Z及びYが1個ずつ、合計2個結合することを表す。Si−(X/Y/Z)は、X、Y及びZから選ばれる任意の3種がケイ素原子に結合していることを示す。上記式において、Si−Om1とSi−Om2は、Si−Om1とSi−Om2の結合順序を規定するものではなく、例えば、Si−Om1とSi−Om2が交互又はランダムに共縮合している形態、Si−Om1からなるポリシロキサンとSi−Om2のポリシロキサンが結合している形態等が好適であり、縮合構造は任意である。
上記ポリシロキサンとしては、上記平均組成式(m)で表すことができる。上記ポリシロキサンのシロキサン骨格(シロキサン結合を必須とする主鎖骨格)は、(SiOと表すこともできる。(SiO以外の構造は、イミド結合を有する有機骨格(イミド結合を必須とする構造)X、水素原子、水酸基等のY、イミド結合を含まない有機基Zであり、これらは主鎖骨格のケイ素原子に結合することとなる。X、Y及びZは、「鎖」の形態となった繰り返し単位に含まれてもよく、含まれていなくてもよい。例えば、Xは、側鎖として1分子に1つ以上含まれていればよい。上記(SiOにおいて、nは、重合度を表すが、該重合度は、主鎖骨格の重合度を表し、イミド結合を有する有機骨格(X)は、必ずしもn個存在していなくてもよい。言い換えれば、(SiOの1つの単位に必ずしも1つのイミド結合を有する有機骨格(X)が存在していなくてもよい。また、イミド結合を有する有機骨格(X)は、1分子中に1つ以上含まれていればよいが、複数含まれる場合、上述したように、1つのケイ素原子に2以上のイミド結合を有する有機骨格が結合していてもよい。
上記主鎖骨格(SiOにおいて、mは、1.0以上2.0未満の数であることが好ましい。より好ましくは、m=1.5〜1.8であり、更に好ましくは、m=1.5〜1.75、より好ましくは、m=1.5〜1.65である。特に好ましくは、m=1.5である。また、上記主鎖骨格(SiOm1n1及び(SiOm2n2において、(n+1)/(n+n+1)の範囲が、上記平均組成式(m)におけるaの好ましい範囲と同様であることが好ましい。更に、上記式中の(X/Y/Z)に結合しているSi原子、及び、(SiOm1)中のSi原子に結合するXの個数は1個であることが好ましい。
上記nは、重合度を表し、1〜5000であることが好ましい。より好ましくは、1〜2000であり、更に好ましくは、1〜1000であり、特に好ましくは、1〜200である。
上記nが2である場合のポリシロキサンとしては、ケイ素原子にイミド結合を有する有機骨格(X)が少なくとも1個結合してなる構成単位(構成単位(i))が2つ含まれる形態と、該構成単位(i)が1つしか含まれない形態が挙げられる。具体的には、
Figure 2010044870
(式中、Aは、Y又はZであり、X、Y及びZは、上述と同様である。)等が好適であり、同一の構成単位(i)2つを含むホモポリマーの形態と、異なる構成単位(i)2つを含むホモポリマーの形態と、構成単位(i)を1つしか含まないコポリマーの形態(共縮合構造の形態)がある。
上記平均組成式(m)におけるXが結合したケイ素原子は、酸素原子との結合数が3であることが好ましい。これによれば、Xが結合したケイ素原子が、他の官能基と結合していないため、耐熱性、耐湿性、耐加水分解性に優れたポリシロキサンとすることができる。例えば、Xが結合したケイ素原子が一つの酸素と結合し、他の官能基を有する場合、官能基の種類によって、耐熱性、耐湿性、耐加水分解性が低下するおそれがある。また、上記シロキサン結合を構成するケイ素原子は、酸素原子との結合数が3であることが好ましい。これによれば、シロキサン結合を構成するケイ素原子が、Xで表される有機基以外の官能基と結合していないため、より耐熱性、加水分解性に優れたポリシロキサンとすることができる。
上記ポリシロキサンの分子構造としては、上記ポリシロキサンの添加量が少量であっても効果が発揮されやすい点から、ラダー状、網状、かご状であることが好ましい。より好ましくは、ラダー状、かご状であり、特に好ましくは、かご状である。かご状の分子構造とすることによって、上記ポリシロキサンを含む封着層形成材料が著しく低粘度化し、また、該封着層形成材料やその硬化物(封着層)が低吸湿性に優れたものとなるとともに、硬化物の機械的強度や耐熱性を更に向上させることができる。そのため、フラットパネルディスプレイ用途として更に有用なものとすることが可能となる。
ラダー状構造とした場合には、封着層形成材料の粘度がより低下するとともに、その硬化物の低吸湿化はそれほど顕著ではないが耐熱性を著しく向上することが可能となる。すなわち、上記ポリシロキサンがラダー状の分子構造を持つ形態もまた、本発明の好適な形態の一つである。ここで、上記ラダー状、網状、かご状の分子構造は、例えば、下記構造式(a)〜(f);
Figure 2010044870
(式中、Rは、同一若しくは異なって、上記平均組成式(m)における「X」で表される有機骨格、X、Y又はZを表す。)で表すことができる。
上記構造式(a)はランダム(網状)構造(Random structure)であり、構造式(b)はラダー状構造(Ladder structure)であり、構造式(c)は不完全かご型構造(Incomplete condensed cage)、構造式(d)〜(f)はかご型構造(Completely condensed structures)を示す。
上記構造式(c)〜(f)で例示されるように、上記かご状の分子構造を持つポリシロキサンは、有機骨格層がシェル部分、無機骨格層がコア部分となる形態が好適である。
上記かご状の分子構造を持つポリシロキサンのより好ましい形態としては、後述するように、ポリシロキサンが重合性不飽和結合を有するものであることが好ましい。また、平均組成式(m)におけるXが重合性不飽和結合を有するものであり、特に好ましくは、後述する一般式(5)及び/又は(6)で表される構造である。
上記ポリメタロキサンは、イミド結合を有する有機骨格が、下記一般式(p);
Figure 2010044870
(式中、Rは、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、又は、複素環を表し、これらは置換基があってもよい。)で表される有機基を有するものであることが好ましい。このような有機基を有するポリメタロキサンであることによって、より耐熱性に優れるものとすることができる。上記一般式(p)で表される有機基を含むポリシロキサンとしては、上記平均組成式(m)におけるXが一般式(p)で表される有機基を含む形態であることが好ましい。
以下に、Rについて述べる。脂肪族炭化水素としては、脂肪族鎖状炭化水素、これらの水素原子が有機基で置換された構造のもの等が含まれる。また、脂肪族炭化水素としては、飽和脂肪族炭化水素並びに重合性不飽和結合を有する不飽和脂肪族炭化水素が含まれる。上記有機基で置換された構造の内、置換基が芳香環である脂肪族炭化水素は、後述するように本発明において特に有用である。また、脂肪族炭化水素において、重合性不飽和結合を環状部分に含む、あるいは、鎖状炭化水素が重合性不飽和結合を有する構造からなる場合等の不飽和脂肪族炭化水素も好ましい形態である。
飽和脂肪族環状炭化水素としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、ノルボルナン、デカヒドロナフタレン等が挙げられる。また、不飽和脂肪族環状炭化水素としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
芳香族炭化水素並びに上記芳香環を有する脂肪族炭化水素を構成する芳香環としては、ベンゼン、ビフェニレン、ターフェニレン、ナフタレン、アントラセン、ペリレン等が挙げられる。耐熱性が優れる(熱分解開始温度が高い)点で好ましいRの形態としては、芳香族炭化水素、複素環、脂肪族環状炭化水素、又は、芳香環を有する脂肪族炭化水素の形態であり、これらは置換基があってもよい。
としては、上述のような構造が挙げられるが、より好適な形態としては、フェニレン基、ナフチリデン基、ノルボルネンの2価基、(アルキル)シクロヘキシレン基、シクロヘキセニル基等である。すなわち、上記一般式(p)で表される有機基の形態としては、下記式(p−1);
Figure 2010044870
(式中、R〜Rは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。)で表される構造、下記式(p−2);
Figure 2010044870
(式中、R〜R及びR´〜R´は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。)で表される構造、下記式(p−3);
Figure 2010044870
(式中、R10〜R15は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。)で表される構造、下記式(p−4);
Figure 2010044870
(式中、R16〜R21は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。)で表される構造、下記式(p−5);
Figure 2010044870
(式中、R22〜R25、R22´及びR25´は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。)で表される構造が好適な形態である。中でも、耐熱性が優れており、更に重合性不飽和結合を有する点から、特にノルボルネンを有する上記式(p−4)で示される構造、シクロヘキセニル基を有する上記式(p−5)で示される構造が好適である。
上記ポリシロキサン(A)において、イミド結合を有する有機骨格(X)は、イミド結合を必須とするものであればよいが、耐熱性が高いという理由からは、イミド構造(例えば、 上記式(p)における前記した好ましい形態)と炭素数1〜6のアルキレン基とを含む構造、イミド構造と2級アミノ基とを含む構造、イミド構造と3級アミノ基とを含む構造等が好ましい。具体的には、上記イミド結合を有する有機骨格(X)は、下記式(1);
Figure 2010044870
(式中、Rは、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、又は、複素環を表し、これらは置換基があってもよい。x及びzは、同一若しくは異なって、0〜5の整数である。上記yとしては、0又は1である。)で表される基であることが好ましい。Rの好ましい形態としては、上記Rと同様である。すなわち、Rとしては、芳香族炭化水素、複素環、脂肪族環状炭化水素、又は、芳香環を有する脂肪族炭化水素であることが更に好ましく、これらは置換基があってもよい。フェニレン基、ナフチリデン基、ノルボルネンの2価基、(アルキル)シクロヘキシレン基、シクロヘキセニル基等が特に好ましい形態である。なお、上記平均組成式(m)におけるXが上記式(1)で表される基である場合、本発明のポリシロキサンをポリシロキサン(1)ともいう。
なお、Rがフェニレン基である場合、上記Xが下記式(2)で表されるポリシロキサンとなり、Rが(アルキル)シクロヘキシレン基である場合、上記Xが下記式(3)で表されるポリシロキサンとなり、Rがナフチリデン基である場合、上記Xが下記式(4)で表されるポリシロキサンとなり、Rがノルボルネンの2価基である場合、上記Xが下記式(5)で表されるポリシロキサンとなり、Rがシクロヘキセニル基である場合、上記Xが下記式(6)で表されるポリシロキサンとなる。
上記式(1)において、x及びzは、同一若しくは異なって、0〜5の整数である。なお、x+yとしては、0〜10の整数であればよいが、3〜7であることが好ましい。より好ましくは3〜5であり、特に好ましくは3である。上記yとしては、0又は1であり、0であることが好ましい。
上記ポリシロキサン(1)は、非常に高い耐熱性(耐熱分解性等)を有し、かつ、各種ポリマーに対して高い相溶性を示すことから、容易に耐熱性を付与することができる。高い耐熱性を有するため、封着層形成材料に用いた場合、アウトガスの発生が抑制され、フラットパネルディスプレイの封着層として好適に用いることができる。
上記平均組成式 XSiOで表されるポリシロキサンは、種々の方法によって得ることができるが、下記(a)や(b)の製造方法により得ることが好ましい。(a)上記ポリシロキサンにおけるイミド結合を含む有機骨格Xに対応するアミド結合を有する有機骨格X´と、シロキサン結合とを有する平均組成式 X´SiOで表される(シラン化合物からなる)中間体をイミド化させる工程を含む製造方法。(b)上記ポリシロキサンにおけるイミド結合を含む有機骨格Xに対応するイミド結合を有する有機骨格が、ケイ素原子に結合しかつ加水分解性基を有するシラン化合物よりなる中間体を、加水分解・縮合させる工程を含む製造方法。
上記ポリシロキサン(1)は、平均組成式X´SiOにおけるX´(X´は、アミド結合を含む有機骨格を表す。他は、上記平均組成式(m)に同じである。)が後述する一般式(7)で表されるシラン化合物からなる中間体を加水分解し、重縮合させる工程を含む製造方法により得ることが好ましい。これらの製造方法については、後述する。
上記一般式(1)で表される構造の中でも、イミド構造と炭素数1〜6のアルキレン基とを含む構造が耐熱性等に優れる点でより好ましい。具体例としては、上記ポリシロキサンの平均組成式(m)におけるXは、下記式(r);
Figure 2010044870
(式中、Rは、芳香族炭化水素、複素環、脂肪族環状炭化水素、又は、芳香環を有する脂肪族炭化水素を表し、置換基があってもよい。)で表されるポリシロキサンであることが好ましい。このように、イミド構造と炭素数1〜6のアルキレン基とを含む構造が耐熱性が優れる点で好ましい。上記Rは、ポリシロキサン(1)において説明したRと同様であることが好ましい。
以下に、平均組成式(m)におけるXの形態としてより好ましい形態について述べる。
上記ポリシロキサン(ポリシロキサン(1))において、上記シラン化合物の平均組成式(m)におけるXは、下記式(2);
Figure 2010044870
(式中、R〜Rは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。x及びzは、同一若しくは異なって、0〜5の整数であり、yは、0又は1である。)で表されるポリシロキサン(ポリシロキサン(2)ともいう。)であることが好ましい。
上記R〜Rとしては、全てが水素原子である形態が好ましい。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上記ポリシロキサン(ポリシロキサン(1))において、上記シラン化合物の平均組成式(m)におけるXは、下記式(3);
Figure 2010044870
(式中、R〜R及びR´〜R´は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。x及びzは、同一若しくは異なって、0〜5の整数であり、yは、0又は1である。)で表されるポリシロキサン(ポリシロキサン(3)ともいう。)であることが好ましい。
上記R〜R及びR´〜R´としては、R若しくはRがメチル基で残りの全てが水素原子である形態、又は、R〜R及びR´〜R´全てが水素原子である形態、又は、R〜R及びR´〜R´全てがフッ素原子である形態が好ましい。より好ましくは、R又はRがメチル基で残りの全てが水素原子である形態である。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上記ポリシロキサン(ポリシロキサン(1))において、上記シラン化合物の平均組成式(m)におけるXは、下記式(4);
Figure 2010044870
(式中、R10〜R15は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。x及びzは、同一若しくは異なって、0〜5の整数であり、yは、0又は1である。)で表されるポリシロキサン(ポリシロキサン(4)ともいう。)であることが好ましい。
上記R10〜R15としては、全てが水素原子である形態、又は、全てがフッ素原子である形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上記ポリシロキサン(ポリシロキサン(1))において、上記ポリシロキサンの平均組成式(m)におけるXは、下記式(5);
Figure 2010044870
(式中、R16〜R21は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。x及びzは、同一若しくは異なって、0〜5の整数であり、yは、0又は1である。)で表されるポリシロキサン(ポリシロキサン(5)ともいう。)であることが好ましい。
上記R16〜R21としては、全てが水素原子である形態、全てがフッ素原子である形態、又は、全てが塩素原子である形態のいずれかの形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上記ポリシロキサン(ポリシロキサン(1))において、上記ポリシロキサンの平均組成式(m)におけるXは、下記式(6);
Figure 2010044870
(式中、R22〜R25、R22´及びR25´は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。x及びzは、同一若しくは異なって、0〜5の整数であり、yは、0又は1である。)で表されるポリシロキサン(ポリシロキサン(6)ともいう。)であることが好ましい。
上記R22〜R25、R22´及びR25´としては、全てが水素原子である形態、全てがフッ素原子である形態、又は、全てが塩素原子である形態のいずれかの形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上述のように、一般式(1)のRにおける好ましい形態を示したが、上記ポリシロキサンの特に好ましい形態としては、上記一般式(r)において、Rがフェニレン基であるポリ(γ−フタロイミドプロピルシルセスキオキサン)、Rがメチルシクロヘキシレン基であるポリ{γ−(へキサヒドロ−4−メチルフタルイミド)プロピルシルセスキオキサン}、Rがナフチリデン基であるポリ{γ−(1,8−ナフタルイミド)プロピルシルセスキオキサン}、Rがノルボルネンの2価基であるポリ{γ−(5−ノルボルネン−2,3−イミド)プロピルシルセスキオキサン}、Rがシクロヘキセニル基であるポリ〔(cis−4−シクロヘキセン−1,2−イミド)プロピルシルセスキオキサン〕等のポリシルセスキオキサン構造体である。これらの化合物の構造は、H−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定して同定することができる。
上記ポリメタロキサンとしては、架橋点を有する、言い換えると、架橋構造をとり得るポリメタロキサンの形態であることが好ましい。具体的には、重合性不飽和結合を有するものであることが好適である。
上記ポリメタロキサンは、架橋点となる重合性不飽和結合を高密度に有することが好ましい。より好ましくは、重合性不飽和結合を含む有機基が結合した金属原子の全金属原子数に対する割合が50%以上であることが好ましい。より好ましくは、80質量%以上であり、より好ましくは、実質的に100質量%である。また、上記金属原子がケイ素原子である場合にも上記好ましい割合は同様である。すなわち、上記ポリメタロキサンは、イミド結合と重合性不飽和結合とを有するポリシルセスキオキサンであり、重合性不飽和結合を含む有機基が結合したケイ素原子の全ケイ素原子数に対する割合が50%以上であることも本発明の好ましい形態の一つである。
上記ポリメタロキサンは、重合性不飽和結合を有することが好ましい。これによれば、ポリメタロキサンの架橋を容易に行うことができ、より高分子量の架橋構造を有する架橋体とすることができる。より高分子量の架橋体となることによって、分解ガスの流路が長くなるため、アウトガスの発生を更に抑制することができる。また、ガスバリア性、及び、耐熱性(耐熱分解性)も向上することとなる。このように、ポリシロキサンが重合性不飽和結合を有することによって、フラットパネルディスプレイの封着層としてより優れた特性を発揮することができるものとなる。
このようなポリメタロキサンとしては、本発明の封着層形成材料に好適に用いることができるポリメタロキサンとして上述したものの中で、重合性不飽和結合を有するポリメタロキサンが好適である。これによれば、ガスバリア性及び架橋特性が向上されたものとすることができる。
重合性不飽和結合を有するポリメタロキサンとしてより好ましい形態としては、重合性不飽和結合を環に有する脂肪族環状炭化水素(不飽和脂肪族環状炭化水素)を含む形態である。不飽和脂肪族環状炭化水素としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、ノルボルネン等が挙げられる。また、重合性不飽和結合を有するポリメタロキサンの好ましい形態としては、重合性不飽和結合を側鎖に有する複素環である形態、重合性不飽和結合を有する脂肪族鎖状炭化水素であることも好ましい。
重合性不飽和結合を有する脂肪族鎖状炭化水素として具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、フェニルエチニル無水フタル酸等の不飽和多価カルボン酸無水物から誘導された構造を含むことが好ましい。言い替えれば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸及びフェニルエチニル無水フタル酸からなる群より選択される少なくとも1種から誘導された構造を含むことが好ましい。重合性不飽和結合を有する脂肪族鎖状炭化水素の中でも、特に好ましくは、芳香環を有するものであり、例えば、フェニルエチニル無水フタル酸から誘導された構造を含むものである。
重合性不飽和結合を有する脂肪族炭化水素としてより好ましくは、重合性不飽和結合を有する脂肪族環状炭化水素である形態、及び、芳香環を側鎖に有する重合性不飽和結合を有する脂肪族鎖状炭化水素である形態である。更に好適には、ノルボルネン環及び/又はシクロヘキセン環を含む構造、フェニルエチニル無水フタル酸から誘導された構造を含む形態である。
上記した不飽和多価カルボン酸無水物から誘導された構造としては、アミノ基とこれらの不飽和多価カルボン酸無水物との反応により形成される、イミド結合と重合性不飽和結合を有する構造が好ましい。より具体的には、ポリシロキサンにおけるイミド結合を有する有機骨格の一部として示した一般式(p)における構造が、アミノ基とこれらの不飽和多価カルボン酸無水物との反応により形成されたものである。同様にして、アミノ基と無水ナジック酸からノルボルネン、テトラヒドロ無水フタル酸からシクロヘキセン環等の不飽和脂肪族炭化水素をRとして有する式(p)の構造が形成できる。
このような重合性不飽和結合を有するポリメタロキサンの好ましい形態としては、上記一般式(p)に示す構造又は一般式(p)におけるRとして、重合性不飽和結合を有する形態が好ましい。すなわち、イミド結合を有する有機骨格におけるRに重合性不飽和結合を有する形態が特に好ましい。また、上述したように、一般式(p)に示す形態又は一般式(p)におけるRとして、特に好ましくは、ノルボルネン環、シクロヘキセン環を含む形態、フェニルエチニル無水フタル酸から誘導された構造を含む形態である。
更に、耐熱性に優れる点から、イミド結合を有する有機骨格は、例えばイミド構造と炭素数1〜6のアルキレン基とを含む構造、イミド構造と2級アミノ基とを含む構造、イミド構造と3級アミノ基とを含む構造等が好ましい。具体的には、上記式(1)で示されるイミド結合と結合鎖とを有する形態が好ましい。中でもイミド構造と、炭素数1〜6のアルキレン基(結合鎖)とを含む構造が好ましく、例えば、上記一般式(r)に示される結合鎖を含む形態が特に好ましい。
上記ポリメタロキサンは、架橋点を有する形態であるとともに、上述した耐熱性を向上させるための好ましい形態を満たすものであることが本発明の封着層形態材料にとってより好ましい形態である。
上記「酸無水物から誘導された構造」とは、原料として酸無水物を用いた場合に形成される構造に限られるわけではなく、本発明の技術分野において、酸無水物から誘導された構造と同じ構造であると認められるものであればよい。
上記封着層形成材料は、硬化性樹脂とポリメタロキサンとが相互侵入網目構造を形成するものであることが好ましい。すなわち、硬化性樹脂が重合した重合体と、ポリメタロキサンが架橋した架橋体とが、相互侵入網目構造(IPN構造)を形成することによって、分解ガスの流路を更に長くする効果と、より顕著なガスバリア効果を得ることができる。
このような相互侵入網目構造を形成する場合、エポキシ基と反応性のない官能基を有し、かつエポキシ化合物に高い相溶性を示すポリシロキサンを用いることによって容易に形成することができる。具体的には、不飽和結合を有するイミド基を側鎖に有するポリシロキサンを用いることが好ましい。
IPN構造が形成されていることは、電子顕微鏡観察により2種の異質な高分子体が完全に均一に相溶しているかどうかを確認することで判断できる。
上記封着層形成材料は、架橋剤を含有することが好ましい。上記架橋剤は、本発明の技術分野において架橋剤と認められるものであればよく、特に限定されるものではない。
上記架橋剤としては、例えば、多価アミン、多価チオール、多価アクリレート、多価(多官能)マレイミド等の中から1種又は2種以上を用いることが好ましい。ここで多価アミン、多価チオール及び多価マレイミドは、付加反応で架橋反応が進む架橋剤であり、多価アクリレートは、ラジカル重合で架橋反応が進む架橋剤である。ラジカル重合で架橋反応が進む架橋剤を用いる場合は、上述したラジカル重合開始剤が必要である。
また、上記ポリメタロキサンが重合性不飽和結合を有する場合、該ポリメタロキサンが有する重合性不飽和結合と反応し得る基を有するメタロキサン化合物も架橋剤として好ましく用いることができる。より好ましくは、シロキサン結合を有するシラン化合物である。
上記ポリメタロキサンを架橋させる形態としては、(1)架橋を形成し得る基(例えば、不飽和重合性基等)を有するポリメタロキサン同士で架橋構造を形成する形態、(2)架橋を形成し得る基を有するポリメタロキサンと、架橋を形成し得る基と反応し得る基を有するイミド結合を有しないポリメタロキサン(好適には、ポリシロキサン)とにより架橋構造を形成する形態、(3)架橋を形成し得る基を有するポリメタロキサンと、ポリメタロキサン以外の架橋剤とにより架橋構造を形成する形態が挙げられる。
(1)の場合には、重合開始剤を含むことによって架橋構造が形成されるため、別途架橋剤を必要とはしないものとなる。すなわち、ポリメタロキサン自体が架橋剤となるため、架橋性を有するポリメタロキサンの形態、その好ましい形態をそのまま適用し得る。(2)の場合には、イミド結合を有しないポリメタロキサンが架橋剤となる。
上述した、ポリメタロキサンを架橋させる(1)、(2)及び(3)の形態とすることによって、得られる封着層はシリコーン樹脂骨格中にイミド構造が導入され、かつT型シロキサン構造が導入されるため、耐熱性が更に向上したものとなる。また、従来のシリコーンと比較して、更に広範囲で過酷な温度環境下でも使用可能となる。上記T型シロキサン構造とは、珪素原子の結合形態として3つがSi−O結合で、1つがSi−Cの形態の分枝構造を意味する。
なお、ポリメタロキサンを架橋させる形態が上述した(1)及び(2)の場合には、ラジカル重合で架橋反応が進むため、ラジカル重合開始剤が必要である。すなわち、本発明の封着層形成材料は、ポリメタロキサンを架橋させる形態が、(1)架橋を形成し得る基を有するポリメタロキサン同士で架橋構造を形成する形態、及び/又は、(2)架橋を形成し得る基を有するポリメタロキサンと、架橋を形成し得る基と反応し得る基を有するイミド結合を有しないポリメタロキサンとにより架橋構造を形成する形態である場合には、ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
上記ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物及び有機アゾ化合物が好ましく用いられる。
上記有機過酸化物としては、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロキサノンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド等の如きケトンパーオキサイド;キュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等の如きハイドロパーオキサイド;ターシャリーブチルパーオキシオクトエート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等の如きパーオキシエステル;1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、トリス−(ターシャリーブチルパーオキシ)トリアジン等の如きジアルキルパーオキサイド;イソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の如きジアシルパーオキサイド;1,1−ジ−ターシャリーブチルパーオキシシクロへキサン、2,2−ジ−(ターシャリーブチルパーオキシ)−ブタン等の如きパーオキシケタール;ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−ターシャリーブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート等の如きパーカーボネート等をあげることができる。また、上記有機アゾ化合物としては、具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド等のアゾビスアルカノニトリルをあげることができる。これらのラジカル重合開始剤は、1種で用いてもよく2種以上を併用することもできる。
これらのラジカル重合開始剤の使用量は、ポリメタロキサン100質量%(イミド結合を有するポリメタロキサンと、必要に応じて用いられる架橋材として用いられるイミド結合を有しないポリメタロキサンとの合計)に対して0.05〜15質量%、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.2〜5質量%程度の量である。
上記ラジカル重合開始剤に、コバルト、マンガン、鉄、銅、その他の重金属のオクチル酸塩あるいはナフテン酸塩のような多価金属の有機酸塩、及び、必要に応じてジメチルアニリン、ジメチルパラトルイジン等の第3級アミン等の重合促進剤やハイドロキノン、ナフトエキノン、ターシャリーブチルカテコール、p−ベンゾキノン、ブチレーテッドヒドロキシトルエン、ニトロキシドラジカル類等の重合禁止剤等を少量加えることも反応速度の制御、ポットライフの改善のため好ましく実施しうるものである。
以下に、架橋剤として好適に用いることができるシラン化合物(B)(上記(2)の形態で用いることができる、架橋を形成し得る基と反応し得る基を有するイミド結合を有しないポリシロキサン)について詳述する。
上記架橋剤としてシラン化合物を用いる場合には、該シラン化合物の重量平均分子量は、100000以下であることが好ましい。このような範囲とすることによって、架橋を容易に進行させることができ、また、封着層形成材料を硬化することで得られた封着層をフラットパネルディスプレイ用のものとして優れた特性を有するものとすることができる。
重量平均分子量としては、好ましくは、500〜100000であり、更に好ましくは、800〜10000であり、特に好ましくは、1500〜5000である。
上記架橋剤は、上記ポリメタロキサンが有する重合性不飽和結合と反応し得る基を有するシラン化合物(シラン化合物(B))であることが好ましい。より好ましいシラン化合物(B)としては、重合性不飽和結合を有するシラン化合物である。重合性不飽和結合と反応し得る基としては、フェニレン基、ナフチリデン基、ノルボルネンの2価基、(アルキル)シクロヘキシレン基、シクロヘキセニル基等が好ましい。より好ましくは、ノルボルネン及び/又はシクロヘキセニル基であり、更に好ましくは、ノルボルネンである。
上記架橋剤として用いられるシラン化合物(B)は、シロキサン結合からなる主鎖骨格(ポリシロキサン骨格)を有するものであることがより好ましい。上記架橋剤としてより好ましく用いられるシラン化合物(B)としては、主鎖骨格を構成する少なくとも1つのケイ素原子に、重合性不飽和結合と反応し得る基又は重合性不飽和結合と反応し得る基を有する有機骨格が結合していることが更に好ましい。
したがって、上記架橋剤として特に好ましいシラン化合物(B)の一つの形態は、重合性不飽和結合と反応し得る基とを有する有機骨格(S)を有するシラン化合物であって、該シラン化合物が、シロキサン結合からなる主鎖骨格(ポリシロキサン骨格)を有し、該主鎖骨格を構成する少なくとも1つのケイ素原子に、有機骨格(S)が結合してなる形態である。このような架橋剤として好ましいシラン化合物(B)は、他の結合基の種類やシラン化合物の組成は限定されるものではない。
本発明の封着層形成材料における架橋剤(シラン化合物(B))としては、下記平均組成式(n);
SiO (n)
(式中、Sは、同一若しくは異なって、重合性不飽和結合と反応し得る基を有する有機骨格であり、イミド結合を有しないものである。Yは、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。Rは、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、置換基があってもよい。Zは、同一若しくは異なって、イミド結合を有さない有機基を表す。aは、0でない3以下の数であり、bは、0又は3未満の数であり、cは、0又は3未満の数であり、dは、0でない2未満の数であり、a+b+c+2d=4である。)で表されるシラン化合物(C)であることがより好ましい。ここで、上記Sの係数aは、0<a≦3の数である。Yの係数bは、0≦b<3の数である。Zの係数cは、0≦c<3の数である。Oの係数dは、0<d<2である。
上記シラン化合物(C)は、ケイ素原子に重合性不飽和結合と反応し得る基を有する有機骨格(S)が少なくとも1個結合してなる構成単位(以下、構成単位(ii)とも言う。)とシロキサン結合とを有するものである。例えば、シロキサン骨格、重合性不飽和結合と反応し得る基を有する有機骨格(S)、構成単位(ii)等の構造を適宜選択し、各種ポリマーに対して高い相溶性を示すものとすることにより、該ポリマーに容易に耐熱性、ガスバリア性等を付与することができる。耐熱性、ガスバリア性等を付与されたポリマーは、高温環境下においても各種物性の低下が低い封着層を形成できる。
上記封着層形成材料は、無機微粒子を含有することが好ましい。無機微粒子を含有することによって、分解ガスの流路(透過ルート)を長くすることができるため、よりアウトガスの発生を抑制することができる。更に、無機微粒子を用いない場合よりも封着層の線膨張係数を小さくすることができるため、フラットパネルディスプレイを構成するパネル(例えば、電極、蛍光体等を配置したガラス基板等)の線膨張係数との差異を低減することができる。
上記無機微粒子の形状としては、球状に限られず、例えば、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、板状(例えば、六角板状)等の薄片状、紐状等が好適である。また、ガスバリア性を高める観点からは、クレイのような板状の粒子、ナノ粒子のような微細の粒子径で分散する粒子であることがより好ましい。
上記無機微粒子としては、無機元素を含んで構成される微粒子であれば特に限定されない。無機元素を含んで構成される微粒子としては、金属酸化物微粒子、金属酸窒化物微粒子、金属酸炭化物微粒子、金属酸硫化物微粒子、金属窒化物微粒子、金属炭化物微粒子、金属硫化物微粒子、金属テルル化物微粒子、金属セレン化物微粒子、金属微粒子等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点からは、金属酸化物微粒子、金属酸窒化物微粒子、金属酸炭化物微粒子、金属酸硫化物微粒子及び金属微粒子からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。より好ましくは、金属酸化物微粒子、金属酸窒化物微粒子、金属酸炭化物微粒子及び金属酸硫化物微粒子からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。更に好ましくは、金属酸化物微粒子である。
上記無機微粒子は、金属酸化物微粒子であることが好ましい。粒径を小さくすることができるため、例えば、上記無機微粒子を封着層形成材料へ含有させるような場合により好適なものとなる。上記金属酸化物微粒子は、周期表の第4族、第5族、第12族、第13族及び第14族からなる群より選択される少なくとも1種の金属原子を含むことが好ましい。これらの金属原子を含む金属酸化物微粒子であることによって、より高いガスバリア性を発揮することができる封着層形成材料とすることができる。このような金属酸化物微粒子は、単一酸化物(一種の金属原子と酸素とからなる酸化物)であってもよいし、固溶体の形態であってもよいし、複合酸化物の形態であってもよい。上記複合酸化物の形態としては、二種以上の金属原子と酸素とを含む酸化物微粒子の形態である。より好ましくは、一種の金属原子と酸素とを含む金属酸化物微粒子である。上記金属原子としては、工業的入手の容易さの観点から、ケイ素を金属原子として含むものであることがより好ましい。
上記封着層形成材料は、硬化性樹脂を必須とするものである。上記硬化性樹脂としては、本発明の技術分野において硬化性樹脂と認められるものであれば特に限定されず、目的とする封着層の性能に応じて適宜選択して使用することができる。例えば、上記硬化性樹脂としては、加熱することにより重合する熱硬化性樹脂又は光を照射することにより重合する光硬化性樹脂が挙げられる。
上記封着層形成材料中の硬化性樹脂の含有量は、封着層形成材料100質量%に対して、10〜90質量%であることが好ましい。10質量%以下であると、封止性能が充分に発揮されないおそれがあり、90質量%を超えると、線膨張係数がパネルに対して大きくなりすぎて熱履歴によって封着層が破壊されるおそれがある。硬化性樹脂の含有量としてより好ましくは、10〜80質量%であり、更に好ましくは、10〜70質量%であり、特に好ましくは、10〜50質量%である。
上記硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、フェノール樹脂が好適である。また、上述の他に例えばメラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ビニルエーテル樹脂、ポリアニリン樹脂等を用いることができる。
これら化合物は単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
なお、例えば上記エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂を用いる場合は、通常硬化触媒/硬化剤が必要である。上記ウレタン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂は、通常熱のみで硬化しうる。上記フェノール樹脂は、熱のみでも硬化しうるし、硬化触媒/硬化剤を用いて硬化させることもできる。
上記硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂を必須とするものであることがより好ましい。エポキシ樹脂は、ガラスに対して接着性が高く、かつ無機成分を充填しやすいため、封着層形成材料として好適に用いることができる。以下に、エポキシ樹脂のより好ましい形態について説明する。
上記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を必須とし、該エポキシ樹脂は、2個の芳香環が2価の結合基で結合している構造を有し、該2価の結合基は、少なくとも1個の環構造を有することが好ましい。このように、2個の芳香環の間に2価の結合基が配置されている形態とすることによって、熱分解温度が高く、アウトガスの発生しにくい封着層形成材料とすることができる。例えば、2価の結合基がメチレン基である場合と比較して、環構造を含む場合には、熱分解温度が高いものとなり、封着層形成材料の硬化性樹脂として好適に用いることができる。上記2個の芳香環にエポキシ基又はグリシジル基が結合している形態がより好ましい形態である。
上記芳香環としては特に限定されるものではないが、例えば、フェニル環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル等の単環又は多環のものが挙げられる。芳香環としては、いずれも好適に用いることができる。また、上記2価の結合基は、少なくとも1個の環構造を有するものであれば特に限定されるものではない。環構造としては、上記単環又は多環の芳香環であってもよいし、シクロヘキサン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン等のような脂環式の構造であってもよい。より好ましい環構造の形態としては、ビフェニレン、キシリレン、ジシクロペンタジエン、アダマンタンが特に好ましく、2価の結合基の具体例としては、ビフェニレン、キシリレン等が挙げられる。
また、このようなエポキシ樹脂と、板状粒子とを含む形態が本発明の封着層形成材料として好ましい形態の一つである。これによれば、2価の結合基がメチレン基である場合と比較して、アウトガスの発生を抑制することができ、また、板状の粒子であることにより更にアウトガスの放出を抑制することができ、封着層形成材料及び封着層からのアウトガスを抑制することができるものとなる。また、後述する構造のエポキシ樹脂を用いることがより好適である。
上記エポキシ樹脂は、下記一般式(I);
Figure 2010044870
(式中、Qは、同一又は異なって、少なくとも1個の環構造を有する2価の結合基を表す。Qは、芳香環を表す。vは、1以上の整数である。)で表される構造を有するものであることが更に好ましい。このような構造であることによって、アウトガスの発生を抑制する効果をより顕著に発揮することができ、また、熱分解温度が高いものとなる。Qに含まれる環構造、Qに含まれる芳香環の好ましい形態としては、上述したものと同様である。
上記封着層形成材料は、必要に応じて硬化成分を含んでいてもよい。硬化成分としては、硬化触媒、硬化剤が挙げられる。なお、硬化触媒は樹脂の構造にならないもの、硬化剤は樹脂中に組み込まれるものを意味する。なお、硬化成分は、硬化性樹脂の硬化に作用するものである。
本発明の封着層形成材料が含んでいてもよい硬化成分(具体的には、硬化触媒、硬化剤)について以下に説明する。
上記硬化触媒としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルメチルアミン、DBU(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン)、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素)等のアミン類;例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルヘキサデシルホスフォニウムブロマイド、トリブチルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン等の有機リン化合物等の1種又は2種以上が好適である。
上記硬化剤としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸等の酸無水物類;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂等の種々のフェノール樹脂類;種々のフェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種のフェノール樹脂類等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記封着層形成材料は、必要に応じて溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤としては、上記したエーテル結合、エステル結合及び窒素原子からなる少なくとも1つ以上の構造を有するものが好ましく、含浸や塗布工程の最適粘度となるよう、又は、乾燥工程条件により、単独又は2種類以上の混合物と用いることができる。
本発明の封着層形成材料には更に、その他の添加剤として、安定剤、離型剤、カップリング剤、着色剤、可塑剤、希釈剤、光感光剤、難燃剤、応力緩和剤、充填材、各種ゴム状物、陰イオン交換体等を必要に応じて配合することができる。
本発明はまた、上記フラットパネルディスプレイ用封着層形成材料を硬化してなるフラットパネルディスプレイ用封着層でもある。上記封着層形成材料を用いて形成した封着層であることによって、封着層からのアウトガスの発生を抑制したものとなり、フラットパネルディスプレイ用の封着層として好適に使用することができる。
以下に、フラットパネルディスプレイ用封着層として好ましい形態について説明する。
上記封着層は、上記硬化性樹脂が重合した重合体と、ポリメタロキサンが架橋した架橋体及び/又は板状粒子とを必須とするものとなる。
上記硬化性樹脂の含有量として好ましくは、上述した封着層形成材料における硬化性樹脂の好ましい含有量と同様である。また、ポリメタロキサンが架橋した架橋体の含有量、板状粒子の含有量としても同様である。
上記封着層は、硬化性樹脂が重合した重合体と、ポリメタロキサンが架橋した架橋体とが、相互侵入網目構造(IPN構造)を形成していることが好ましい。
上記フラットパネルディスプレイ用封着層は、熱分解温度が300℃以上であることが好ましい。これによれば、フラットパネルディスプレイの製造工程で高温下に曝される場合に、封着層形成材料及び封着層からのアウトガスの発生をより高いレベルで抑制することができる。上記封着層の熱分解温度としてより好ましくは、380℃以上であることがより好ましく、更に好ましくは、410℃以上であり、特に好ましくは、430℃以上であり、最も好ましくは、450℃以上である。なお、上記熱分解温度は、5%質量減少温度のことである。上記熱分解温度は、TG−DTA測定により、空気流通下で昇温速度を5℃/分として測定することができる。
上記フラットパネルディスプレイ用封着層は、ガラス転移温度以下の温度における線膨張係数が60ppm以下であることが好ましい。また、ガラス転移温度以上の温度における線膨張係数が190ppm以下であることが好ましい。これによれば、上記封着層を用いて封止されたフラットパネルディスプレイを構成する基板(前面基板、背面基板等)との線膨張係数の差異を小さくすることができる。そのため、加熱することで封着するような場合には、加熱して封着した後の冷却するときに、封着層とガラス基板との間の膨張率の差によって、リークすること等を抑制することができ、製造歩留りを向上させることができる。ガラス転移温度以下の温度における線膨張係数としてより好ましくは、50ppm以下であり、更に好ましくは、45ppm以下であり、特に好ましくは、20ppm以下である。ガラス転移温度以上の温度における線膨張係数としてより好ましくは、160ppm以下であり、更に好ましくは、70ppm以下であり、特に好ましくは、60ppm以下である。
上記線膨張係数は、TMA測定により、窒素ガス流通下で昇温速度を5℃/分として測定することができる。測定装置としては、TMA測定装置(型式:TMA4000SA、BRUKER AXS社製)を好ましく用いることができる。なお、上記ガラス転移温度は、TMA測定により得られるTMA曲線の変曲点をTgとする。
上記フラットパネルディスプレイ用封着層は、酸素ガス透過性が3.0cc/m・day以下であることが好ましい。これによれば、封着層として充分な封止性能を発揮することができる。また、封着層中に樹脂成分等が分解したガスが発生していたとしても、封着層内からアウトガスとしてフラットパネルディスプレイ内部に混入することを防止することができる。酸素ガス透過性としてより好ましくは、2.0cc/m・day以下であり、更に好ましくは、1.5cc/m・day以下であり、特に好ましくは、0.8cc/m・day以下であり、最も好ましくは、0.4cc/m・day以下である。
上記酸素ガス透過率は、JIS K 7126:1987(ASTM D 1434)に準じて測定する。
本発明は更に、上記フラットパネルディスプレイ用封着層を有するフラットパネルディスプレイでもある。上記フラットパネルディスプレイとしては、上述したような、LCD、PDP、FED、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ等の種々の表示装置を挙げることができる。上記封着層形成材料を硬化させて封着層としたフラットパネルディスプレイであることによって、封着層形成材料又は封着層からアウトガスが発生することを抑制したものとなり、表示部材の変化が生じないため、輝度、色調に優れ、長寿命である表示装置とすることができる。上記封着層を有するフラットパネルディスプレイとしては、封着層からのアウトガスや、外部からの気体の影響により影響を受けやすいことから、プラズマディスプレイパネルであることが好ましい。すなわち、上記フラットパネルディスプレイが、プラズマディスプレイパネルであることも本発明の好ましい形態の一つである。
以下に、本発明の封着層形成材料に用いられるポリシロキサンの好ましい製造方法について述べる。
上記ポリシロキサンの製造方法としては、通常、シロキサン骨格を形成する工程と、イミド結合を有する有機骨格(X)を形成する工程とが存在することとなる。シロキサン骨格を形成する工程においては、加水分解し、重縮合してシロキサン結合を形成することとなるが、その一例として、以下に説明する。
本発明の好ましい形態は更に、上記ポリシロキサン(上記ポリシロキサン(A)、特に上記ポリシロキサン(1))を製造する方法であって、該製造方法は、下記式(7);
Figure 2010044870
(式中、R26は、芳香族炭化水素、複素環、脂肪族環状炭化水素、又は、芳香環を有する脂肪族炭化水素を表し、置換基があってもよい。R27は、同一若しくは異なって、有機基を表し、R28は、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR28´基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表す。ここでR28´は、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、置換基があってもよい。x及びzは、同一若しくは異なって、0〜5の整数であり、yは、0又は1であり、pは、0以上2以下の整数である。)で表されるシラン化合物からなる中間体を加水分解し、重縮合させる工程を含むポリシロキサンの製造方法でもある。なお、上記R26、x、y及びzは、上記ポリシロキサン(1)において説明したR、x、y及びzとそれぞれ同様であることが好ましい。また、R27は、同一若しくは異なって、有機基を表し、R29は、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR28´基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表す。ここでR28´は、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、置換基があってもよい。pは、0以上2以下の整数である。
上記工程を含む製造方法においては、上記式(7)で表される中間体(以下、中間体(7)ともいう)を加水分解し、重縮合させる工程(加水分解・重縮合工程ともいう。)を含むものであれば特に限定されない。加水分解・重縮合工程において、反応条件としては、中間体(7)を水又は水を有する有機溶媒と混合させて中間体(7)を加水分解・縮合することになる。
このような加水分解・縮合反応により、加水分解・縮合物であるポリシロキサン骨格を形成することができることになる。加水分解・縮合物とは、加水分解反応により得られたものを更に縮合反応することによって得られる化合物をいう。
上記加水分解・縮合反応においては、水を用いることになり、中間体(7)100質量%に対して、10〜50質量%の水を添加して反応させることが好適である。好ましくは、20〜40質量%である。
上記反応に用いる水は、イオン交換水、pH調整水等のいずれを用いてもよいが、pH7前後の水を用いることが好ましい。このような水を用いることにより、封着層形成材料中のイオン性不純物量を低減させることが可能となり、低吸湿性又は高絶縁性の封着層形成材料とすることが可能となる。なお、水の純度としては、pH7である方が好ましいが、塩化水素、シュウ酸、又は、ピリジン、トリエチルアミンなどは高温で反応系外へ揮散するので微量添加してpHを2〜12の範囲で調整してもよい。
上記水の使用形態としては、中間体(7)に滴下する形態でもよいし、一括投入する形態でもよい。
上記アルコキシシリル基の加水分解・重縮合反応における反応温度としては、室温〜200℃であることが好ましい。より好ましくは、室温〜100℃であり、最も好ましくは、副生物としてアルコールが生じるのでアルコール、水、溶媒の共沸還流下で保持することである。上記反応における圧力としては、常温であっても加圧下であっても減圧下であってもよいが、副生アルコールを効率よく反応系外へ留去することで反応が進行しやすいので、常圧以下である方が好ましい。また反応時間としては、反応温度、反応組成によって変わるが、2〜48時間であることが好適である。
このような加水分解・重縮合工程を含むことにより、予め、中間体(7)を高純度化して用いることができるため、得られたポリシロキサンの不純物除去工程を省略できるという利点がある。
上記製造方法は、下記式(8);
Figure 2010044870
(式中、Aは、ハロゲン原子、イソシアネート基又はアミノ基を表す。R29は、同一若しくは異なって、有機基を表し、R30は、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表す。ここでRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、置換基があってもよい。x及びzは、同一若しくは異なって、0〜5の整数であり、yは、0又は1であり、qは、0以上2以下の整数である。)で表される化合物から上記式(7)で表されるシラン化合物からなる中間体を得る工程を含むことが好ましい。
すなわち、このような製造方法は、加水分解・重縮合工程に加えて、化合物(8)から中間体(7)を得る工程を含むこととなる。このような工程を含むことにより、イミド骨格導入のための原料を多岐に選択できるという利点がある。なお、上記x、y及びzは、上記ポリシロキサン(1)において説明したx、y及びzとそれぞれ同様であることが好ましい。また、R29、R30及びqとしては、上記式(7)で説明したR27、R28及びpとそれぞれ同様であることが好ましい。
上記工程において、化合物(8)のAがアミノ基である場合、工程は、アミノ基のイミド化工程となり、以下の反応条件が好適である。
上記工程における水分濃度としては、溶剤及び反応装置はよく乾燥しておき、反応中は乾燥窒素ガスを流通させる方が好ましい。溶剤の乾燥はモレキュラーシーブ、無水硫酸マグネシウム、無水塩化カルシウムなど公知公用の脱水剤を用いてもよいし、反応前に蒸留をかけるなどしてもよい。反応温度としては、60〜250℃が好ましい。より好ましくは、120〜180℃である。反応生成物によっては反応中に析出して反応系の撹拌が不可能になる場合があるため、室温よりも高めで反応する方が好ましい。反応系の圧力としては、常温であっても加圧下であっても減圧下であってもかまわない。副生物として原料と等モル量の二酸化炭素が発生するため、反応装置は開放系であることが望ましい。反応時間としては、反応温度、反応組成によって変わるが、2〜48時間程度が好適である。
上記製造方法においては、イミド結合を有する有機骨格(X)が少なくとも1個結合してなる構成単位と加水分解・縮合性基とがケイ素原子に結合した構造を有するモノマー(モノマーM)が、単独で又は他のモノマー(モノマーM)と加水分解・縮合することが好適である。具体的には、モノマーMは、下記式;
Si
(式中、X及びZは、上述と同様である。Yは、加水分解性基を表す。f及びgは、同一若しくは異なって、1〜3の整数であり、hは、0〜2の整数である。f+g+h=4である。)で表されるものが好ましい。具体的には、
Figure 2010044870
等が好適である。
上記有機ケイ素モノマーMは、下記式;
Si
(式中、Y及びZは、上述と同様である。kは、0〜3の整数であり、jは、1〜4の整数であり、j+k=4である。)で表されるものが好ましい。なお、上記モノマーM及びMにおいて、Yとしては、上述のYで述べた原子や基であることが好適である。
上述のように、モノマーMを必須としたモノマーを2種以上用いることにより、モノマーMに由来するイミド結合を有する有機基がケイ素原子に少なくとも1個結合してなる構成単位からなるポリシロキサン骨格を有するポリシロキサン(モノマーMを2種以上共縮合した場合は、共縮合組成からなるポリシロキサン骨格を有するものとなる)を製造することができる。また、モノマーMに由来するイミド結合を有する有機基がケイ素原子に少なくとも1個結合してなる構成単位と、モノマーMに由来する任意の有機基がケイ素原子に結合してなる構成単位又は結合していない構成単位とが、任意の割合で共縮合してなるポリシロキサン骨格を有するポリシロキサンも製造することができる。
上記かご状の分子構造を持つポリシロキサンもまた、上述した製造方法により製造することが好適である。この場合、式(8)で表される化合物が出発物質として好ましい。
また、上記かご状の分子構造を持つポリシロキサンを製造する場合、例えば、下記式(g);
NH−R−SiX (g)
(式中、Rは、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、又は、複素環を表し、これらは置換基があってもよい。Xは、同一若しくは異なって、加水分解性基又は水酸基を表し、加水分解性基とは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基又はアシルオキシ基である。)で表される化合物を出発物質とする。そして、出発物質である上記式(g)で表される化合物、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシランを、酸無水物、例えば5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物と、必要に応じて溶剤中で反応させることにより、イミド結合を有する中間体を形成し、これを加水分解・縮合反応に供する工程により、かご状のシルセスキオキサンが得られることとなる。上記溶剤としては、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル等を用いることができる。耐熱性の点からは、Rは、芳香族炭化水素、複素環、脂肪族環状炭化水素、又は、芳香環を有する脂肪族炭化水素であることが好ましく、これらは置換基があってもよい。
本発明の封着層形成材料は、上述の構成よりなり、低温での硬化においても充分な封止機能を発揮することができ、また、加熱排気を行ってもアウトガスの発生し難い封着層形成材料とすることができ、フラットパネルディスプレイ用の封止材料として優れた特性を発揮するものとなる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
後述する化学式中のnは、括弧内のシロキサン結合が繰り返されていることを示し、各合成例で得られた化合物の化学式は、合成した化合物の主たる組成を示すものである。
また、GPC測定条件、及び、NMRの測定条件は、以下の通りである。
(GPC測定条件)
使用カラム:Shodex GF−7MHQ(昭和電工社製) 2本
溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)
流速:0.6ml/min.
カラム温度:40℃
標準物質:ポリスチレン
検出器:RI(示差屈折率)検出器
打ち込み量:0.5wt%溶液で10μL
(NMR測定条件)
溶媒:CDCl
濃度:5wt%
合成例1
撹拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた300mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム35.1gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン30.8gを投入し、撹拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に100℃のまま反応液温度を維持しながら5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物28.2gを30分かけて4分割投入した。投入終了後9時間で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
続いて脱イオン水9.3gを一括投入し冷却管で副生メタノールの還流が掛かるように昇温し、95℃で10時間保持したのち、冷却管をパーシャルコンデンサーに付け替えて再び昇温を開始し、副生メタノール及び縮合水を回収しながら3時間かけて反応液温度を120℃に到達させた。120℃到達時にピリジン1.4gを投入してそのまま昇温を開始し、縮合水を回収しながら3時間かけて160℃に到達、同温度で2時間保持して室温まで冷却した。
反応生成物は不揮発分58.2%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2340、重量平均分子量2570であった。H−NMR、13C−NMRを測定し、下記式(10)で示す構造のポリシロキサン化合物Aを含有することを確認した。H−NMR及び13C−NMRの測定結果を下記に示す。
H−NMR:0.25−0.45(bs、2H)、1.2−1.45(bs、2H)、1.47(dd、2H)、3.0−3.2(bs、4H)、3.4−3.6(bs、2H)、5.8−6.0(bs、2H)
13C−NMR:9.7、21.5、40.4、44.9、45.7、50.1、134.2、178.0
Figure 2010044870
合成例2
撹拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた500mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム103.7gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン177.6gを投入し、撹拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に80℃に反応液温度を維持しながらcis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物150.7gを30分かけて4分割投入した。投入終了後3時間でcis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
続いて脱イオン水53.4gを一括投入し冷却管で副生メタノールの還流が掛かるように昇温し、6時間保持したのち、冷却管をパーシャルコンデンサーに付け替えて再び昇温を開始し、副生メタノール及び縮合水を回収しながら3時間かけて反応液温度を120℃に到達させた。120℃到達時にピリジン7.9gを投入してそのまま昇温を開始し、縮合水を回収しながら3時間かけて160℃に到達、同温度で2時間保持して室温まで冷却した。
反応生成物は不揮発分74.3%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2041、重量平均分子量2838であった。H−NMR、13C−NMRを測定し、下記式(11)で示す構造のポリシロキサン化合物Bを含有することを確認した。H−NMR及び13C−NMRの測定結果を下記に示す。
H−NMR:0.25−0.55(bs、2H)、1.3−1.5(bs、2H)、2.0−2.5(dd、4H)、2.9−3.1(bs、2H)、3.2−3.35(bs、2H)、5.65−5.8(bs、2H)
13C−NMR:10.0、21.0、23.8、39.0、41.1、127.8、180.5
Figure 2010044870
合成例3
撹拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた500mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム86.6gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン179.4gを投入し、撹拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に80℃に反応液温度を維持しながら無水フタル酸148.2gを30分かけて4分割投入した。投入終了後3時間で無水フタル酸が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
続いて脱イオン水54.2gを一括投入し冷却管で副生メタノールの還流が掛かるように昇温し、6時間保持したのち、冷却管をパーシャルコンデンサーに付け替えて再び昇温を開始し、副生メタノール及び縮合水を回収しながら3時間かけて反応液温度を120℃に到達させた。120℃到達時にピリジン7.9gを投入してそのまま昇温を開始し、縮合水を回収しながら3時間かけて160℃に到達、同温度で2時間保持して室温まで冷却した。
反応生成物は不揮発分80.6%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2310、重量平均分子量2830であった。H−NMR、13C−NMRを測定し、下記式(12)で示す構造のポリシロキサン化合物Cを含有することを確認した。H−NMR及び13C−NMRの測定結果を下記に示す。
H−NMR:0.3−0.9(bs、2H)、1.5−1.8(bs、2H)、3.4−3.6(bs、2H)、7.1−7.7(bs、4H)
13C−NMR:10.0、22.1、40.4、123.1、132.3、133.7、168.1
Figure 2010044870
実施例1〜32及び比較例1〜8
樹脂組成物(封着層形成材料)の調製
下記表1〜4に示す比率でエポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、ポリシロキサン化合物、無機充填材を添加・混合、必要に応じて脱揮して樹脂組成物を得た。なお、下記表1〜4中の数値は質量部を表す。
合成例1〜3に記した化合物以外で用いた化合物は以下の通りである。
エポキシ樹脂A:OCN型エポキシ樹脂(商品名「EOCN−1020−65」、日本化薬社製)、
エポシキ樹脂B:フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(商品名「NC2000」、日本化薬社製)、
エポキシ硬化剤A:フェノールアラルキル樹脂(商品名「MEH7800−4S」、明和化成工業社製)、
エポキシ硬化剤B:4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(商品名「SEIKACURE−S」、和歌山精化工業社製)、
エポシキ硬化促進剤:1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール(東京化成工業社製)、
ポリシロキサンD:ポリフェニルシルセスキオキサン(商品名「PPSQ−H」、小西化学工業社製)、
架橋剤A:4,4‘−ジフェニルメタンビスマレイミド(商品名「BMI1000」、大和化成工業社製)、
架橋剤B:ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(アルドリッチ社製)、
無機充填剤A:球状溶融シリカ(商品名「FB−20S」、電気化学工業社製)、
無機充填剤B:合成マイカ(商品名「NYS−5」、トピー工業社製)
物性評価方法
得られた樹脂組成物を180℃×1時間でのプレス成型により1mm厚の成型板を作製した。得られた成型板を用いて、TG−DTA測定(測定条件:空気流通下、昇温速度:5℃/min)により熱分解温度を、TMA測定(測定条件:窒素ガス流通下、昇温速度:5℃/min)により線膨張係数をそれぞれ調べた。線膨張係数についてはTMA曲線の変曲点をTgとして、Tgより50℃以下の領域のTMA曲線の傾きをCTE1、Tgより50℃以上の領域をTMA曲線の傾きをCTE2とした。TMA測定には、TMA測定装置(型式:TMA4000SA、BRUKER AXS社製)を用いた。
また酸素ガス透過性の評価はJIS K 7126:1987(ASTM D 1434)に準じて実施した。
Figure 2010044870
Figure 2010044870
Figure 2010044870
Figure 2010044870
プラズマディスプレイパネルのような200℃を超える高温下に長時間曝される場合は、封着層としてより高い熱分解温度を持つことにより封着層形成材料からのアウトガス成分をなくすことと、高いガスバリア性を持つことにより発生したアウトガス成分の材料内部での拡散を抑制することとが、共に必要である。比較例においてはいずれの組成物も両者の物性を兼ね備えるものはないが、実施例においては熱分解温度が非常に高く、かつ酸素ガス透過性も非常に低かった。さらに充填剤を添加するとガスバリア性は向上し、特にマイカのような異方性充填材(板状粒子)の添加は少量であっても効果は顕著であった。

Claims (11)

  1. 硬化性樹脂と無機元素含有成分とを必須とし、
    該無機元素含有成分は、イミド結合を有するポリメタロキサン、及び/又は、板状粒子であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料。
  2. 前記無機元素含有成分は、イミド結合を有するポリメタロキサンを必須とすることを特徴とする請求項1記載のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料。
  3. 前記ポリメタロキサンは、重合性不飽和結合を有することを特徴とする請求項2に記載のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料。
  4. 前記ポリメタロキサンは、イミド結合と重合性不飽和結合とを有するポリシルセスキオキサンであり、重合性不飽和結合を含む有機基が結合したケイ素原子の全ケイ素原子数に対する割合が50%以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料。
  5. 前記封着層形成材料は、架橋剤を含有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料。
  6. 前記封着層形成材料は、無機微粒子を含有することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料。
  7. 前記封着層形成材料は、硬化性樹脂とポリメタロキサンとが相互侵入網目構造を形成するものであることを特徴とする請求項2〜6に記載のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料。
  8. 前記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を必須とし、
    該エポキシ樹脂は、2個の芳香環が2価の結合基で結合している構造を有し、
    該2価の結合基は、少なくとも1個の環構造を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料。
  9. 前記エポキシ樹脂は、下記一般式(I);
    Figure 2010044870
    (式中、Qは、同一又は異なって、少なくとも1個の環構造を有する2価の結合基を表す。Qは、芳香環を表す。vは、1以上の整数である。)で表される構造を有することを特徴とする請求項8に記載のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ用封着層形成材料を硬化してなることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用封着層。
  11. 請求項10記載のフラットパネルディスプレイ用封着層を有することを特徴とするフラットパネルディスプレイ。
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