JP7046544B2 - 光学素子、光学機器、光学素子の製造方法および塗料 - Google Patents
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Description
本実施の形態の光学機器は、光学素子を有する望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡、カメラ、内視鏡等に用いることができる。
本実施形態の光学素子は、レンズ、プリズム、鏡、回折格子、偏光素子に用いることができる。以下に、レンズを用いて、本実施形態の光学素子について説明する。
次に、本実施形態の塗料について説明する。本実施形態の塗料によって作製した膜は、高い反射防止性能を有する。
次に、本実施形態の光学素子の製造方法について説明する。図3は、本発明の光学素子の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
実施例1では、以下の方法で光学素子を作製して評価をした。
14.8gのアルミニウム-sec-ブトキシド(ASBD、川研ファインケミカル製)と、安定化剤として該アルミニウム-sec-ブトキシドに対して0.5モル当量の3-メチル-2,4-ペンタンジオンと、2-エチルブタノールとを均一になるまで混合攪拌した。0.01M希塩酸を2-エチルブタノール/1-エトキシ-2-プロパノールの混合溶媒に溶解してから、前記アルミニウム-sec-ブトキシドの溶液にゆっくり加え、暫く攪拌した。溶媒は最終的に2-エチルブタノールと1-エトキシ-2-プロパノールの混合比が7/3の混合溶媒が59.3gとなるように調整した。さらに120℃のオイルバス中で2時間攪拌することによって酸化アルミニウム前駆体ゾルを調製した。
1.第一工程
1-エトキシ-2-プロパノール(以下、1E2P)50gを500ccなすフラスコに予め入れた後、中空粒子の固形分濃度が20.5質量%、溶媒がイソプロピルアルコール(以下、IPA)の中空シリカゾル(スルーリア1110、日揮触媒化成株式会社製)を200g追加し、さらに1E2Pを136g追加した。この混合液を60hPaへ減圧し、45℃に加温することで濃縮した。30分間濃縮を継続したところ、液重量は205gとなっていた。
第一工程で得られた液に、1E2P、1-ブトキシ-2-プロパノール(以下、1B2P)、2-エチル-1-ブタノール(以下、2E1B)を、各溶媒の添加量が1E2P:1B2P:2E1Bが38:31:31となるように添加した。この希釈液を30分間撹拌して成膜用の中空粒子分散液とした。この塗料を5gとり、1000℃に加熱して固形分重量濃度を測定したところ、3.80%であった。
上記酸化アルミニウム前駆体ゾルを5gと中空粒子の分散液5gとを混合撹拌して乾燥固形分の比が中空粒子:酸化アルミニウム前駆体ゾルが32:68の本実施例の塗料を得た。
硝材がBK7の片面だけ研磨され、もう一方の面がスリガラス状の大きさ約φ40mm、厚さ約2mmの円盤状ガラス基板をアルカリ洗剤中で超音波洗浄した後、オーブン中で乾燥した。洗浄した円盤状ガラス基板の研磨面に前記反射防止用塗料を適量滴下し、スピンコート法により1500rpmで120秒間塗布を行った後、140℃の熱風循環オーブンで30分加熱処理し、中空シリカ粒子層中に非晶性酸化アルミニウムを含む膜を得た。得られた膜をエリプソメーターにより膜厚を測定した結果、102nmであった。この膜を75℃の温水に20分間浸漬することにより、光学素子を得た。
比較例1では、基材上に多層膜を設けた光学素子を作製した。実施例1と同様に硝材がBK7の基板上に最表層からMgF2、SiO2、Ta2O5、Al2O3の順に蒸着法により多層成膜を行うことにより、反射防止膜を形成した。蒸着法により形成された光学素子を実施例1と同様に反射率の測定を行った。
比較例2では、実施例1と比較して粒子層を有しない光学素子を作製した。すなわち、塗料として酸化アルミナ前駆体ゾルを用いて成膜を行った。
実施例1、比較例1、及び比較例2で作製した光学素子の反射率測定結果を図5に示す。実施例1の光学素子は、比較例1及び比較例2の光学素子と比較して可視から赤外の広帯域の波長範囲で良好な反射率特性が得られていることを確認した。
本実施例2は、シリカ微粒子とアルミナ前駆体ゾルの混合比を変えた塗料を用いた以外は実施例1と同様に光学素子を作製した。
比較例3は、シリカ微粒子とアルミナ前駆体ゾルの混合比を変えた塗料を用いた以外は実施例1と同様に光学素子を作製した。
比較例4は、シリカ微粒子とアルミナ前駆体ゾルの混合比を変えた塗料を用いた以外は実施例1と同様に光学素子を作製した。
実施例1と同様に反射率の測定を行った。実施例2、比較例3、及び比較例4で作製した光学素子の反射率測定結果を図5に示す。実施例2では可視から赤外の広帯域の波長範囲で良好な反射率特性が得られていることを確認した。一方比較例3では、赤外域の反射率が高い光学部材となった。また、比較例4では可視域の反射率が高い光学部材となった。
実施例3ではスピンコートの回転数を変えた以外は実施例1と同様に光学素子を作製した。実施例3では、表2に示すように実施例1と同じ塗料を回転数1000rpmで成膜を行った。得られた膜をエリプソメーターにより膜厚を測定した結果、122nmであった。得られた膜を実施例1と同様に75℃の温水に20分間浸漬することにより、実施例3の光学素子を得た。
実施例3ではスピンコートの回転数を変えた以外は実施例1と同様に光学素子を作製した。実施例3では、表2に示すように実施例1と同じ塗料を回転数700rpmで成膜を行った。得られた膜をエリプソメーターにより膜厚を測定した結果、140nmであった。得られた膜を実施例1と同様に75℃の温水に20分間浸漬することにより、実施例4の光学素子を得た。
実施例3、実施例4で作製した光学素子の反射率測定結果を図7に示す。実施例3、実施例4ともにでは可視から赤外の広帯域の波長範囲で良好な反射率特性が得られていることを確認した。
11 基材
12 粒子層
13 微細凹凸構造
14 粒子
15 空隙(ボイド)
16 微細構造
21 基材
22 粒子層
23 粒子
24 空隙
25 酸化アルミニウム前駆体ゾル
26 酸化アルミニウム
27 微細構造
28 微細凹凸構造
101 カメラのレンズユニット
121~129 光学素子
Claims (14)
- 基材上に、複数の粒子を含む粒子層を有する光学素子であって、
前記粒子層は、前記複数の粒子間に空隙を有し、表面および前記空隙内に酸化アルミニウムを主成分とする微細構造を有することを特徴とする光学素子。 - 前記粒子層の厚みは、100nm以上145nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
- 前記粒子は、中空粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
- 前記粒子は、中空シリカ粒子であることを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
- 前記中空粒子の平均粒子径が、15nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
- 前記粒子層は、前記複数の粒子が複数段積み重なっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学素子。
- 前記酸化アルミニウムを主成分とする微細構造が、アルミニウムの酸化物または水酸化物またはそれらの水和物の結晶で構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学素子。
- 前記粒子層において、前記微細構造が表面に近い側に多く存在することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学素子。
- 光学素子を有する光学機器であって、
前記光学素子は、基材上に、複数の粒子を含む粒子層を有し、
前記粒子層は、前記複数の粒子間に空隙を有し、表面および前記空隙内に、酸化アルミニウムを主成分とする微細凹凸構造を有することを特徴とする光学機器。 - 前記粒子層の厚みは、100nm以上145nm以下であることを特徴とする請求項9に記載の光学素子。
- 前記粒子は、中空粒子であることを特徴とする請求項9又は10に記載の光学素子。
- 前記粒子は、中空シリカ粒子であることを特徴とする請求項11に記載の光学素子。
- 前記酸化アルミニウムを主成分とする微細構造が、アルミニウムの酸化物または水酸化物またはそれらの水和物の結晶で構成されていることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の光学素子。
- 前記光学機器は、複数の光学素子を有するレンズユニットであることを特徴とする請求項9乃至13のいずれか一項に記載の光学機器。
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