JP4532485B2 - 多層反射防止スタックを有する光学物品およびその製造方法 - Google Patents

多層反射防止スタックを有する光学物品およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機ガラスまたは無機ガラスの透明基板上の多層反射防止スタック(stack)を有し、該スタックがUV放射による劣化に基づく接着性の低下を示さない、眼科レンズなどの光学物品に関する。
眼科光学の分野では、従来から、多種の被膜で眼科レンズを被覆して、多種の機械的および/または光学的な特性をレンズに付加している。したがって、従来から、眼科レンズ上に耐衝撃膜、耐磨耗膜、反射防止膜などの被膜が連続的に形成されている。
反射防止膜は、光学の分野、特に眼科レンズ製造の分野では公知であり、従来から、SiO、SiO、Si、TiO、ZrO、Al、MgF、Taまたはそれらの混合物などの誘電材料の単層スタックまたは多層スタックによって構成されている。
同様に、周知のとおり、反射防止膜は、好ましくは、高屈折率層および低屈折率層を交互に含む多層膜である。
反射防止膜は、公知の方法で以下の技術の1つに従って真空下における成膜によって塗布される。その技術とは、任意にイオンビームでアシストされた蒸着、イオンビームによる粉砕(pulverisation)、陰極粉砕(cathodic pulverisation)、またはプラズマでアシストされた気相化学蒸着である。
さらに、反射防止膜は、通常、レンズなどの透明基板に直接成膜されるのではなく、基板に事前に成膜された耐衝撃プライマー膜および耐磨耗膜上に成膜される。
例えば、優れた耐摩耗性および耐引っ掻き性(wear and tear)と反射防止特性とを有する携帯コンピュータ用スクリーンの製造を主題とする特許文献1は、保護層、屈折率1.60以上の層および1.45以下の低屈折率の層からなる多層スタックの透明基板への成膜について規定している。
また、反射防止スタック自体が、疎水性の最上層(“トップコート”)で被覆されていることも公知である。
本質的に有機的な耐衝撃プライマー膜および耐磨耗膜は、通常、ディッピングまたはスピニングによって成膜される。
よって、簡易性および製造の継続性という自明な理由から、同様の技術を用いて反射防止膜を好ましく成膜できると思われた。
そこで、反射防止膜を得るために、コロイド状の無機酸化物のゾルゲル法を用いて成膜技術が開発された。
頻繁に用いられる無機酸化物のうち、酸化チタンは、反射防止膜の特定の層を製造する際に好ましい無機酸化物の1つである。
しかし、他の酸化物を使用することも可能である。例えば、特許文献1では、TiOに加えて、ZnO、Sb、Y、La、ZrO、Alまたは複合酸化物について具体的に述べられている。
しかし、コロイド状の酸化チタンを含有する層は、時間の経過に従って接着性が低下するという欠点が観察された。それは、UV放射による劣化の結果であろう。そのような欠点は、UV放射および湿気の両方に曝される眼科レンズなどの光学物品の場合に顕著である。
欧州公開第1279443号
したがって、本発明の目的は、無機ガラス製または有機ガラス製の基板と、従来技術の欠点を修正しながら、透明性、小さなひびなどの光学的な欠陥がないこと、および気温の変化に対する耐性などの優れた特性を維持する反射防止スタックとからなる透明な物品を提供することである。
この課題を解決するために実施された研究によって、具体的に、低屈折率層の形成は、高屈折率層の安定に重要な役割を果たすので、極めて正確に定義する必要があることが明らかになった。
従来の製造プロセスに容易に組み込まれ、また、特に、本物品の製造プロセスを中断する真空下における成膜などの処理工程が導入されることを可能な限り回避する、上記で規定された物品の製造プロセスも本発明の主題である。
上記の目的は、本発明に基づいて、有機ガラスまたは無機ガラスの基板および下記を有する少なくとも1つの多層反射防止スタックを含む物品によって達成される。
該多層反射防止スタックは、基板から順に連続して、
(a)屈折率nD 25が1.50〜2.00であり、第1の硬化性組成物を硬化することにより得られる高屈折率(HI)層、および
(b)屈折率nD 25が1.38〜1.44の範囲であり、第2の硬化性組成物の成膜および硬化から得られる低屈折率(LI)層を含む。
該高屈折率層(HI)は、
(i)エポキシ基または(メタ)アクリルオキシ基と、シラノール基に加水分解可能な少なくとも2つの官能基と、を持った少なくとも1つの前駆体化合物の加水分解縮合から得られた有機−無機ハイブリッドマトリックスと、
(ii)該高屈折率(HI)層に直接、該有機−無機ハイブリッドマトリックス中に分散する、粒径1〜100nm、好ましくは2〜50nmの粒子形態の少なくとも1つのコロイド状金属酸化物若しくは少なくとも1つのコロイド状カルコゲニドまたはこれらの化合物の混合物と、を含む。
該低屈折率層(LI)は、
(i)下記式で表される1分子当たり加水分解可能な官能基を4基含有する少なくとも1つの前駆体化合物(I)と、
Si(W)
(式中の前記W基は、全てのW基が同時に水素原子を表さない限り、それぞれ同一であっても異なっていてもよい加水分解可能な基である。)
(ii)少なくとも1つのフッ素基を持ち、1分子当たり少なくとも2つの加水分解可能な基を含有する少なくとも1つの前駆体シラン(II)と、の加水分解縮合による生成物を含有する。
前記第2の組成物はその理論上の乾燥抽出物(TDE)に少なくとも10質量%のフッ素を含有し、前記第2の組成物の前記前駆体化合物(I)に対する前記前駆体化合物(I)+前駆体シラン(II)の合計のモル比I/I+IIは、80%超である。
一般的に、組成物の理論上の乾燥抽出物(TDE)とは、その組成物の成分に由来する固形分の質量である。
加水分解可能なシラン、具体的には成分(I)および(II)、に由来する固形分の質量とは、QkSiO(4-k)/2を単位として算出された質量を意味する。ここで、QはSi−C結合によってケイ素原子と直接結合された有機基であり、QkSiO(4-k)/2は、QkSiR’(4-k)に由来し、SiR’が加水分解によってSiOHを生成する。kは0、1または2である。
無機コロイド類の場合、後者に由来する固形分の質量は乾燥分の質量である。
反応しない触媒に関して、固形分の質量はそれらの触媒の固有の質量に対応する。
特定の塗布では、基板の主面が耐磨耗層、または、プライマー膜の層および耐磨耗膜の層で被覆されることが好ましい。
特に好ましい方法において、高屈折率層のマトリックスに分散した無機粒子は、TiO、ZnO、ZnS、ZnTe、CdS、CdSe、IrO、WO、Fe、FeTiO、BaTi、SrTiO、ZrTiO、MoO、Co、SnO、ビスマス系3元酸化物、MoS、RuO、Sb、BaTi、MgO、CaTiO、V、Mn、CeO、Nb、RuS、およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれた少なくとも1つの酸化物またはコロイド状カルコゲニドを含有する。また、高屈折率層は、シリカSiOを含有してもよい。
高屈折率層に分散した金属酸化物は、好ましくは、ルチル型の複合酸化チタンである。
他の好ましい特性によると、高屈折率(HI)層の有機−無機マトリックス中に分散した無機粒子は、TiO、SnO、ZrOおよびSiOに基づいた複合構造を有する。それらの粒子について、特開平11−310755に記載されている。
本発明では、特開2000−204301に記載された、ルチル型のTiO、SnOのコアと、ZrOおよびSiOの混合物を含むシェルとのコア−シェル構造を有する複合物の形状をした金属酸化物粒子を特に推奨する。
さらに、低屈折率の表層の理論上の乾燥抽出物(TDE)の60質量%以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上が、前駆体化合物(I)に由来する。
前駆体化合物(I)に対する前駆体化合物(I)+前駆体シラン(II)の合計のモル比I/I+IIは、85%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。
本発明の特に好ましい実施形態の中で、化学式Si(W)の前駆体化合物(I)のW基はそれぞれ、4つのW基が同時に水素原子を表さないかぎり、同一であっても異なっていてもいい、加水分解可能な基である。これらの加水分解可能なW基は、好ましくは、RをアルキルとするOR、Cl、H基を表し、好ましくはCH、C、CなどのC−Cアルキルである。
本発明による反射防止スタックは、上記のとおり、高屈折率(HI)/低屈折率(LI)の2層の組み合わせのみによって構成されてもよい。しかし、このスタックに追加の層が含まれてもよい。
具体的には、基板から、中屈折率層(MI)、高屈折率層(HI)および低屈折率層(LI)の順に積層され、該中屈折率層(MI)は、有機マトリックス中に分散した無機粒子、金属酸化物、カルコゲニドまたはそれらの混合物のコロイドを含む少なくとも3層のスタックを塗布するのが好ましい。
一般的に、中屈折率層MIは下記の関係に従った屈折率nと物理的な厚さeを有することが好ましい。
1.45<n<1.80
40nm<e<200nm。
しかし、所望の目的に応じて、3層(LI/HI/LI)または4層(HI/LI/HI/LI)のスタックが製造されてもよい。スタックの各層の屈折率および(物理的な)厚さは、当業者に公知の技術に基づいて反射防止効果を得るために適切に選ばれる。
これらの追加された高屈折率(HI)および低屈折率(LI)層は、本発明によって規定されたものと類似でもよいが、技術分野で公知の、従来の(HI)および(LI)層でもよい。
一般的に、本発明で言及されている屈折率は波長が550nmで、25℃での屈折率である。
高屈折率(HI)材料の層の特に好ましい屈折率は、1.7より高く、好ましくは1.72〜1.82の範囲で、より好ましくは1.72〜1.78の範囲で、さらに好ましくは約1.77である。物理的な厚さは、10〜200nmの範囲か、80〜150nmの範囲である。
指摘したとおり、低屈折率層(LI)の屈折率は正確に規定する必要があり、1.38〜1.44の範囲をとり得る。
この層(LI)の物理的な厚さは、40〜150nmの範囲で、好ましくは約90nmである。
本発明では、反射防止スタックは、基板の表面および/または裏面に塗布できるが、好ましくは、裏面に塗布する。
本発明は、上記で規定された物品の製造方法に関し、該製造方法は、
第1の硬化性組成物(HI)を基板の少なくとも1面に塗布し、硬化させることにより、エポキシ基または(メタ)アクリルオキシ基と、シラノール基に加水分解可能な少なくとも2つの官能基と、を持った少なくとも1つの前駆体化合物と、
粒径2〜50nmの粒子形態の少なくとも1つの金属酸化物若しくは少なくとも1つのカルコゲニドまたはこれら化合物の混合物と、を含む高屈折率材料の層(HI)を少なくとも1層成膜する工程と、
該層(HI)に、第2の硬化性組成物(LI)を塗布し、その後硬化させることにより、
好ましくはいかなる無機フィラーをも含有せず
(i)下記式で表される1分子当たり加水分解可能な官能基を4基含有する少なくとも1つの前駆体化合物(I)と、
Si(W)
(式中のW基は、全てのW基が同時に水素原子を表さない限り、それぞれ同一であっても異なっていてもよい加水分解可能な基である。)
(ii)少なくとも1つのフッ素基を持ち、1分子当たり少なくとも2つの加水分解可能な基を含有する少なくとも1つの前駆体シラン(II)と、の加水分解縮合による生成物を含有し、
該第2の組成物はその理論上の乾燥抽出物(TDE)に少なくとも10質量%のフッ素を含有し、前記第2の組成物の前記前駆体化合物(I)に対する前記前駆体化合物(I)+前駆体シラン(II)の合計のモル比I/I+IIは、80%超である低屈折率(LI)材料の層を少なくとも1層成膜する工程と、を含む。
具体的に眼科レンズの開発のために行われた研究により、(HI)高屈折率層の安定に、低屈折率層(LI)の形成が重要な役割を果たしたことが明らかになった。
組成物(L1)
通常、低屈折率層は、上記で規定された少なくとも1つの前駆体化合物(I)、好ましくはクロロシランまたはアルコキシシラン、好ましくはアルコキシシラン、そしてより好ましくはテトラアルコキシシランまたはその加水分解物と、分子当たり少なくとも2つの加水分解可能な基を有するフルオロシランを含有する前駆体シラン(II)と、を含有する。
クロロシラン(I)のうち、化学式SiCl、RSiCl、RSiClおよびRSiClの化合物を挙げることができる。式中、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよい、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基などのC〜Cアルコキシ基を表している。
本発明の組成物(LI)の中で前駆体化合物(I)として使用できるテトラアルコキシシランの中から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシランを挙げることができる。テトラエトキシシランが好ましく使用される。
低屈折率層(LI)の硬化性組成物は、前駆体化合物(I)のシラン類および前駆体フルオロシラン(II)のみを含有することができる。しかし、場合によっては、式Si(W)の前駆体化合物(I)のシラン類および前駆体フルオロシラン(II)とは異なるトリまたはジアルコキシシランを、該組成物中のシラン類の総質量の20%質量以下、好ましくは10質量%以下含有することもできる。
さらに、所望の結果を得るためには前駆体化合物(I)の含量が極めて大きくなくてはならない。実際に、今までモル比が80%を越えると小さなひびの危険性が生じると考えられていたのに反して、前駆体化合物(I)に対する前駆体化合物(I)と前駆体シラン(II)との合計のモル比は約85%でもよく、好ましくは90%、さらに95%でもよいようである。
前述のとおり、前駆体シラン(II)は分子毎に少なくとも2つの加水分解可能な基を含有するフルオロシランである。
前駆体フルオロシランは、好ましくはポリフルオロエーテルであり、より好ましくはポリ(ペルフルオロエーテル)である。
これらのフルオロシランは公知であり、特に、米国特許第5,081,192号、米国特許第5,763,061号、米国特許第6,183,872号、米国特許第5,739,639号、米国特許第5,922,787号、米国特許第6,337,235号、米国特許第6,277,485号および欧州特許第933377号に記載されている。
フルオロシラン(II)の加水分解可能な基(以下X)は、直接ケイ素原子と結合している。
より具体的には、好ましい前駆体フルオロシランのうち、下記式のフルオロシランを挙げることができる:
式中、RfはC〜C20のフッ化有機基で、R’はC〜Cの一価炭化水素基で、Xは加水分解可能な基であり、aは0〜2の整数である;および
式中、R’、Xおよびaは上記で規定したとおりである。
好ましくは、Rfは化学式C2n+1−YまたはCFCFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)Yのポリフルオロアルキル基であり、Yは(CH、CHO、NR’’、CO、CONR’’、S、SOおよびSONR’’を表す;R’’はHまたはC〜Cアルキル基であり、nは2〜20の範囲の整数であり、yは1または2であり、jは1〜50の整数で好ましくは1〜20の範囲であり、mは1〜3の整数である。
適切なフルオロシラン類を以下に例示する:
R’fは、C、C、C、C13、C17、C1021、C1225、C1429、C1633、C1837およびC2041などのC2n+1基(nは2〜20の整数)を表す。
エーテル結合を有するシラン類のうち:
を挙げることができる。
特に好ましいシラン類は:
である。
好ましいトリフルオロプロピルシラン類のうち:
を挙げることができる。
好ましいフルオロシラン類のもう一種類は、米国特許第6,277,485号に記載されているフルオロポリエーテル基を含有するものである。
これらのフルオロシラン類は下記の一般式を有する:
式中、Rfは、一価または二価のペルフルオロポリエーテル基である;Rは、二価のアルキレン基、アリーレン基または後者の組み合わせであり、任意に1個以上のヘテロ原子または官能基を含有し、任意にハロゲン類に置換され、好ましくは2〜16個の炭素原子を含有する;Rは、低級アルキル基(つまり、C〜Cアルキル基)である;Yはハロゲン化物、低級アルコキシ基(つまり、C〜Cアルコキシ基で、好ましくはメトキシまたはエトキシ)、または低級アシルオキシ基(つまり、RがC〜Cアルキル基である−OC(O)R)である;xは0または1である;yは1(Rfが一価)または2(Rfが二価)である。
適切な化合物は、通常、数平均分子量が1000以上である。好ましくは、Yはアルコキシ基で、Rfはペルフルオロポリエーテル基である。
他の推奨されるフルオロシラン類は、下記式のものである:
式中、n=5、7、9または11で、Rはアルキルラジカルで、好ましくは−CH、−Cおよび−CなどのC〜Cのアルキルラジカル;
である。
式中、n’=7または9でRは上記で規定されたとおりである。
他に推奨されるフルオロシラン類は、米国特許6,183,872号で規定された有機基を有するフルオロポリマー類である。
Si基を持つ有機基を有するフルオロポリマー類は、下記の一般式によって表され、分子量が5.10〜1.10である:
式中、Rfはペルフルオロアルキル基を表す;Zはフルオロ基またはトリフルオロメチル基を表す;a,b,c,dおよびeはそれぞれ独立して0または1以上の整数を表すが、a+b+c+d+eの合計は1以上であり、添え字a、b、c、dおよびeが付された括弧内の反復される単位の順番は表示されたものに限定されない;Yは、Hまたは1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表す;Xは、水素、臭素またはヨウ素原子を表す;Rはヒドロキシ基または加水分解可能な基を表す;Rは水素原子または一価炭化水素を表す;lは0、1または2を表す;mは1、2または3を表す;nは1以上、好ましくは2以上の整数を表す。
推奨されるフルオロシランは、OptoolDSX(登録商標)の商品名で販売されている。
好ましくは、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロクチル−1−トリエトキシシラン(CF(CFCHCHSi(OC)を用いるべきである。
組成物(LI)の触媒は、通常量のポリアルコキシシラン系組成物を硬化するための触媒として一般的に用いられる任意の触媒でよい。
しかし、好ましい硬化用の触媒として、例えば、POLYCAT SA‐1/10(登録商標)、DABCO 8154(登録商標)およびDABCODA‐20(登録商標)の商品名でAir Products社により販売されている触媒、METATIN 713(登録商標)の商品名でAcima社により販売されている製品のような塩化スズ類およびアセト酢酸アルミニウム、特にSigma Aldrich社により販売されている99%のアセト酢酸アルミニウムなどの、アミン塩を挙げることができる。
組成物(LI)は、また、1つ以上の界面活性剤、具体的にはフッ化界面活性剤またはフッ化ケイ素界面活性剤を、組成物総質量の0.001〜1質量%、好ましくは0.01〜1質量%含有することができる。好ましい界面活性剤のうち、3M社の販売しているFLUORAD(登録商標) FC430、EFKA社の販売しているEFKA 3034(登録商標)、BYK社の販売しているBYK‐306(登録商標)およびBORCHERS社の販売しているBaysilone OL31(登録商標)を挙げることができる。
組成物(HI)
高屈折率層(HI)の組成物も、特にUV放射および湿った大気に曝されるものについては、優れた耐性を得るために正確に決定する必要がある。
組成物(HI)の有機−無機ハイブリッドマトリックスは加水分解物、好ましくは少なくともエポキシアルコキシシランのシラン加水分解物によって好ましく生ずる。好ましいエポキシアルコキシシランは、1つのエポキシ基と3つのアルコキシ基とを有し、後者はケイ素原子と直接結合している。特に好ましいエポキシアルコキシシランは、下記式(I)で表される:
式中、Rは、炭素原子を1〜6個含むアルキル基で、好ましくはメチル基またはエチル基であり、
はメチル基または水素原子であり、
aは1〜6の整数であり、
bは0、1または2を表す。
そのようなエポキシシランの例として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランまたはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがある。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましく使用される。
シラン加水分解物は公知の方法で調製される。米国特許第4,211,823号で提示された技術を使用することができる。
好ましい実施形態では、このマトリックス中に分散した粒子は、TiO、SnO、ZrOおよびSiOに基づく複合構造を有する。そのような構造で、チタンTiOはルチル型であることが好ましく、チタンのルチル相はアナターゼ相より光活性が低い。
しかし、高屈折率層のナノ粒子として、TiO、ZnO、ZnS、ZnTe、CdS、CdSe、IrO、WO、Fe、FeTiO、BaTi、SrTiO、ZrTiO、MoO、Co、SnO、ビスマス系3元酸化物、MoS、RuO、Sb、BaTi、MgO、CaTiO、V、Mn、CeO、Nb、RuSからなる群から選ばれた他の光活性酸化物またはカルコゲニドを使用することができる。
以下の実施例では、組成物(HI)で被覆されたコロイド状ミネラル粒子のゾルとしてOptolake 1120Z(登録商標)という商品名で触媒化成工業株式会社 (CCIC)により販売されている製品が使用された。
組成物(HI)の硬化性触媒の例として、アルミニウム化合物、特に:
−アルミニウムキレートと、
−下記式(II)または(III)の化合物と:
から選ばれるアルミニウム化合物を具体的に挙げることができる。
式中、RおよびR’は炭素原子を1〜10個含む直鎖または分岐鎖アルキル基であり、
R’’は、炭素原子を1〜10個含む直鎖または分岐鎖アルキル基、フェニル基、または下記の基である。
式中、Rは上記の意味を有し、nは1〜3の整数である。
公知のとおり、アルミニウムキレートは、アルミニウムアルコキシドまたはアシレートを窒素および硫黄を含有しない金属イオン封鎖剤と反応させて形成する化合物で、配位原子として酸素を含有している。
アルミニウムキレートは、好ましくは、下記式(IV)の化合物から選ばれる:
式中、Xは、Lが炭素原子を1〜10個含むアルキル基であるOL基であり、
Yは、下記式(1)または(2)の化合物から生成された配位化合物(coordinate)で:
式中、M、M、MおよびMは、炭素原子を1〜10個含むアルキル基であり、
vは、0、1または2の値をとる。
上記式(IV)の化合物の例として、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムエチルアセトアセテートビスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテートアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテートおよびアルミニウムジプロポキシドモノメチルアセトアセテートを挙げることができる。
式(III)または(IV)の化合物として、R’がイソプロピル基またはエチル基でありRおよびR’’がメチル基であるものが好ましく選ばれる。
特に好ましい方法として、アルミニウムアセチルアセトネートは組成物の総量の0.1〜5質量%で組成物(HI)の硬化触媒として好ましく使用すべきである。
本発明の組成物(LI)および(HI)、特に組成物(HI)は、大気圧での沸点が好ましくは70〜140℃である有機溶剤をさらに含有してもよい。
本発明に従って使用できる有機溶剤として、アルコール類、エステル類、ケトン類、テトラヒドロピランおよびそれらの混合物を挙げることができる。
アルコール類は、好ましくは、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどの低級(C〜C)アルコールから選ばれる。
エステル類は好ましくはアセテートから選ばれ、特に、エチルアセテートを挙げることができる。
ケトン類のうち、メチルエチルケトンを好ましく使用すべきである。
適切な溶剤のうち、
メタノール(CHOH、Carlo Erba)、
1−プロパノール(CHCHCHOH、VWR International)、
1−メトキシ−2−プロパノール(CHCH(OH)CHOCH、Sigma Aldrich)、
4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(CHC(OH)CHCOCH、VWR International)、
2−メチル−2−ブタノール((CHC(OH)CHCH、Sigma Aldrich)、
ブトキシエタノール(CH(CHOCHCHOH、Sigma Aldrich)、
水/有機混合溶剤、
または、少なくともアルコールを1つ含有するこれらの溶剤の全混合物を挙げることができる。
組成物(HI)および(LI)は、被覆される面での組成物の拡散を良好にする界面活性剤、UV吸収剤または顔料など多様な添加剤を含有してもよい。
本発明による反射防止膜は、例えば有機ガラスの眼科レンズなどの有機ガラスまたは無機ガラスの、任意の適切な基板に成膜することができ、これらの基板は、被覆されていないか、任意に、耐磨耗膜、耐衝撃膜などの従来から使用されている被膜で被覆されている。
本発明による光学物品に適した有機ガラスから生成された基板のうち、ポリカーボネート(PC)によって生成された基板、およびアルキルメタクリレート類、具体的には、メチル(メタ)アクリレートおよびエチル(メタ)アクリレートなどのC〜Cのアルキルメタクリレート、ポリエトキシレート化されたビスフェノレートジメタクリレートなどのポリエトキシル化されたた芳香族(メタ)アクリレート、直鎖または分岐鎖の脂肪族ポリオールまたは芳香族ポリオールのアリルカーボネートなどのアリル型誘導体、チオ(メタ)アクリルの重合によって得られた基板、ポリチオウレタンおよびポリエピスルフィドによって生成された基板を挙げることができる。
推奨される基板のうち、ポリオールのアリルカーボネートの重合によって得られる基板を挙げることができる。そのうち、エチレングリコールビスアリルカーボネート、ジエチレングリコールビス2‐メチルカーボネート、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、エチレングリコールビス(2‐クロロアリルカーボネート)、トリエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、1、3−プロパンジオールビス(アリルカーボネート)、プロピレングリコールビス(2−エチルアリルカーボネート)、1、3−ブチレンジオールビス(アリルカーボネート)、1、4−ブテンジオールビス(2−ブロモアリルカーボネート)、ジプロピレングリコールビス(アリルカーボネート)、トリメチレングリコールビス(2−エチルアリルカーボネート)、ペンタメチレングリコールビス(アリルカーボネート)、イソプロピレンビスフェノール−Aビス(アリルカーボネート)を挙げることができる。
特に推奨される基板は、PPG INDUSTRIES社によって商品名CR 39(登録商標)で販売されているジエチレングリコールのビスアリルカーボネートの重合によって得られる基板である(ESSILORのレンズ、ORMA(登録商標))。
推奨される他の基板のうち、仏特許出願2734827号に記載されたような、チオ(メタ)アクリルモノマーの重合によって得られた基板を挙げることができる。
明らかに、基板は上記のモノマーの混合物の重合によって得られる。
眼科レンズなど、従来から透明重合材料で作製された物品に使用されているプライマー耐衝撃層はすべて、一次耐衝撃層として使用することができる。
好ましいプライマー組成物のうち、特開昭63‐141001および特開昭63‐87223などに記載された熱可塑性ポリウレタン類に基づく組成物、米国特許第5,015,523号などに記載されたポリ(メタ)アクリルプライマー組成物、欧州特許第0404111号などに記載された熱硬化性ポリウレタン類に基づく組成物、米国特許第5,316,791号および欧州特許第0680492号などに記載されたポリ(メタ)アクリルラテックスおよびポリウレタンラテックスに基づく組成物を挙げることができる。
好ましいプライマリー組成物は、ポリウレタン系組成物とラテックス系組成物であり、特にポリウレタンラテックス類である。
ポリ(メタ)アクリルラテックスは、例えば、エチルまたはブチルまたはメソキシまたはエトキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートによって主に構成され、通常、小さな割合のスチレンなど少なくとももう一つのコモノマーを含有する共重合体ラテックス類である。
好ましいポリ(メタ)アクリルラテックス類は、アクリレートスチレン共重合体のラテックス類である。
そのようなアクリレートスチレン共重合体のラテックス類は、ZENECA RESINS社からNEOCRYL(登録商標)の商品名で市販されている。
ポリウレタンラテックス類も公知で、市販されている。
ポリエステルモチーフを含むポリウレタンラテックス類を例示することができる。そのようなラテックス類は、NEOREZ(登録商標)という商品名でZENECA RESINS社から販売されており、また、WITCOBOND(登録商標)という商品名でBAXENDEN CHEMICAL社から販売されている。
これらのラテックス類の混合物、具体的にはポリウレタンラテックス類およびポリ(メタ)アクリルラテックス類も、プライマー組成物の中で使用することができる。
これらのプライマー組成物は、ディップコートまたはスピンコートによって光学物品の表面に成膜され、その後70℃以上だが100℃以下、好ましくは約90℃の温度で2分〜2時間の時間、通常は約15分の間乾燥されて、ベークされた後に、0.2〜2.5μm、好ましくは0.5〜1.5μmの厚さのプライマー層を形成する。
本発明による光学物品、具体的には眼科レンズの耐磨耗ハードコートは、眼科光学の分野で公知の耐磨耗膜のいずれでもよい。
本発明で推奨された耐磨耗ハードコートのうち、シラン加水分解物、具体的には、欧州特許第0614957号および米国特許第4,211,823号などに記載されたエポキシシラン加水分解物に基づく組成物、または(メタ)アクリル誘導体に基づく組成物から開始して得られた被膜を挙げることができる。
耐磨耗ハードコートの好ましい組成物は、エポキシシランおよびジアルキルジアルコキシシランの加水分解物、コロイド状シリカおよび触媒作用量のアルミニウムアセチルアセトネートを含有し、その残りは、主として、従来からそのような組成物を生成するときに使用された溶媒である。
好ましく使用される加水分解物は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)およびジメチルジエトキシシラン(DMDES)の加水分解物である。
明らかに、本発明による光学物品の反射防止膜は、任意に、疎水性膜、汚染防止膜など、該反射防止膜の表面特性を変え得る被膜によって被覆されることができる。通常、これらは、数ナノメートル、好ましくは1〜10nm、さらに好ましくは1〜5nmの厚さのフルオロシランタイプの材料である。
使用するフルオロシランは、低屈折率層を生成する組成物の前駆体シラン(II)と同一でもよいが、汚染防止層で高含量または純粋なもの(混ざり物がないもの)として使用される。
上記で規定した本発明による物品の製造方法で、本発明による組成物(HI)および(LI)は、任意の公知の技術、ディップコートまたは特に好ましいスピンコートによって成膜されることができる。
本発明のプロセスには、さらに、層(HI)の成膜および層(LI)の成膜の間に、層(LI)を成膜する前の層(HI)の予備硬化工程を具備してもよい。
この予備硬化とは、例えば、赤外線処理と、その後の、周囲温度の気流による冷却などである。
一般的に、本発明による物品の反射防止膜は、従来技術の反射防止膜と比較し得る反射係数Rm(400〜700nmの平均反射)を示す。実際に、本発明による反射防止膜は、通常、1.4%未満のRm値を示す。
既定の波長およびRm(400〜700nmの平均反射)の反射係数(p)の定義は、当業者に公知であり、標準ISO/WD 8980−4に関する文献で言及されている。
指摘したように、本発明による光学物品は、反射防止スタックの層から基板に対する並外れた接着性を示している。反射防止スタックの層の接着性は、国際公開99/49097に記載されたように、Nx10ストローク試験の補助を受けて決定することができる。
本発明をより詳細に、かつ限定を設けずに説明する実施例を後述する。
実施例で得た被覆されたレンズの特性を評価するために、下記を測定することができる。
−標準ISO/WD 8980‐4に準拠した既定の波長およびRm(400〜700nmの平均反射)での反射係数(p);
−標準ASTM F735.81に準拠して実施されたBAYER試験で得られた値に基づく耐磨耗性。BAYERから得られる値が大きい程、耐摩耗性が高い。(比較するために、被覆されていないCR39から得られるORMA(登録商標)ガラスのBAYER値は1である);
−国際公開99/49097に記載されたNx10ストローク試験を用いた、本発明による反射防止スタックの層の有機基板に対する接着性;この試験は、国際公開99/49097に記載された条件(消しゴムの種類とこする方法)に基づいて特殊な消ゴムでこすることによって有機基板上に成膜された薄層の接着性を評価するものである;
−処理されたレンズの凸面を、繊維の感覚でスチールウールに一定の力(前方向に5kg、後ろ方向に2.5kg)を適用しながら4〜5cmの幅で前後に5回の動作を行い、スチールウールですり減らすことによって実施されるスチールウール試験(SW試験)による耐引っ掻き性。その後、レンズが目で確認される。
以下の基準に従って点数がつけられる:
0 傷が見られない
1 ガラスに非常にわずかな傷がついている(1〜5個の傷)
2 ガラスにわずかな傷がついている(6〜20個の傷)
3 ガラスに適度の傷がついている(21〜50個の傷)
4 ガラスが非常に傷ついている(50個を超える傷)
5 被覆されていない基板(CR39(登録商標)のORMA(登録商標))。
実施例の中で記載された比率、パーセントおよび量は、他の記載がないかぎり質量による。
実施例では以下の略語が使用される:
−γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランはGLYMOと表される、
−ポリカーボネート基板は、PCと表される、
−ジエチレングリコールジ(アリルカーボネート)ポリマーからなる有機ガラスで作製された眼科レンズはORMA(登録商標)で表される、
−TDEとは、理論上の乾燥抽出物を意味する。
すべての実施例での比較を容易にするために、TiOのコロイド、特に商品Optolake 1120Z(登録商標)(11RU7‐A‐8)が組成物(HI)のコロイド状ミネラル粒子のゾルとして使用された。
第1群の実施例では、それぞれ、高屈折率(HI),低屈折率(LI)および任意で中屈折率(MI)の硬化性組成物から開始して調製される、少なくとも二層からなる反射防止(AG)スタックによって被覆される有機基板を有する物品がいくつか製造された。
このために、いくつかの低屈折率、中屈折率および高屈折率の異なる種類の組成物が調製される。
−低屈折率のLおよびL
−中屈折率のM、M、M、M
−高屈折率のH、H、H、H
これら異なる組成物は、下記の方法で調製された(該当する製品の商品名がある場合にはそれを示した)。
−低屈折率の組成物(LI)
GLYMO/DMDES/SiOタイプのL1(本発明によるLI組成物に含まれない組成物)。
継続的に攪拌しながら、0.1N塩酸(0.1N HCL,Panrec)7.35gを、20.63gのGLYMO(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,Sivento)に滴下した。
0.1N HClを添加し終えてから、さらに15分間混合物を攪拌した。次に10.8gのDMDES(ジメチルジエトキシシラン,Sigma Aldrich)を加水分解物に加えた。加水分解混合物を周囲温度で24時間攪拌した。メタノール中の30%のコロイド状シリカ(MA−ST、Nissan USA)を66.67gと99%のアルミニウムアセチルアセトネート([CHCOCH=C(O−)CH]Al、Sigma Aldrich)を2.68g添加した。溶液を2時間攪拌した。1964gのイソプロパノール(Carlo Erba)を添加した。溶液を2時間攪拌し、空隙率3μmのカートリッジを通して濾過し、−18℃の冷凍庫に保存した。
成膜のために、この溶液を1mLレンズにスピン被覆で成膜させた。
フルオロシラン/TEOSタイプのL2
8.1gのフルオロシラン(トリデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン:C141913Si、Roth‐Sochiel)を65.6gのテトラエトキシシラン(Si(OC、Keyser Mackay)と混合した。混合物を15分間攪拌した。次に、26.3gの0.1N塩酸(0.1N HCL,Panreac)を添加した。加水分解物を周囲温度で24時間攪拌した。737.7gの2−メチル−2−ブタノール(CC(CHOH、Sigma Aldrich)、316.2gの2−ブタノーネ(CCOCH、Carlo Erba)および0.28gの触媒(Polycat‐SA‐1/10、Air Products)を添加した。この溶液を2時間攪拌し、空隙率0.1μmのカートリッジを通して濾過し、−18℃の冷凍庫に保存した。
成膜のために、この溶液を1mLレンズにスピンコートで成膜させた。
−中屈折率組成物(MI)
各種の中屈折率の組成物を、TiOのコロイド(GLYMO/非ルチル型TiOの組成物)各種を用いて合成した。
M1:
ビーカ内で144.15gのグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Sivento)を量り、攪拌した。
0.1N塩酸(HCl)(Panreac)を32.95g滴下した。
塩酸をすべて添加してから、さらに15分間攪拌を継続した。
490gのコロイド状TiO(CCICのコロイド1120Z(U25‐A8)、20質量%の乾燥材料)を量り、加水分解されたグリシドキシプロピル−トリメトキシシランに添加し、その溶液を周囲温度で24時間攪拌した。
14.56gの99%アルミニウムアセチルアセトネート([CHCOCH=C(O−)CH]Al、Sigma Aldrich)を量って添加し、続けて318.34gのメタノールも同様にした。
溶液の攪拌を周囲温度でさらに1時間継続してから、乾燥抽出物を計測した。
その値は20%だった。
計量して添加する溶剤の量は、希釈度2.9%にならなくてはならない。希釈液はイソプロパノール(Carlo‐Erba)だった。溶液を2時間攪拌し、空隙率3μmのカートリッジを通して濾過し、−18℃の冷凍庫に保存した。
成膜のために、この溶液を1mLレンズにスピン被覆で成膜させた。
−Glymo/任意にSiO/ルチルTiO型のコロイドの中屈折率(MI)組成物
M2:
ビーカ内で25.44gのグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Sivento)を量り、攪拌した。0.1N塩酸(HCl)を5.81g、溶液に滴下した。塩酸を全て添加してから、加水分解物の攪拌をさらに15分間継続した。触媒化成工業株式会社(CCIC)製のコロイドOptolake 1120Z (8RU‐7.A8)を80g(20質量%の乾燥材料を含有)量り、CCICのシリカOscal 1122A8を添加した。この溶液を15分間攪拌し、加水分解されたグリシドキシプロピルトリメトキシシランに添加した。
この混合物を周囲温度で24時間攪拌した。
2.57gの99%アルミニウムアセチルアセトネート([CHCOCH=C(O−)CH]Al、Sigma Aldrich)を量り、溶液に添加した。56.18gのメタノールを混合物に添加した。
溶液の攪拌を周囲温度でさらに1時間継続してから、乾燥抽出物を計測した。
その値は20%だった。
計量して溶液に添加する溶剤の量は、乾燥抽出物の希釈度が2.6%になるようにしなくてはならない。
希釈液はイソプロパノール(Carlo‐Erba)だった。溶液を2時間攪拌し、空隙率3μmのカートリッジを通して濾過し、−18℃の冷凍庫に保存した。
成膜のために、この溶液を1mLレンズにスピンコートで成膜させた。
M3:
溶液M2と同様の手順だが、コロイドOptolake 1120Z (8RU‐7.A8)を乾燥材料で20質量%のコロイドOptolake 1120Z (8RU.A8)で置換した。
M4:
溶液M2と同様の手順だったが、コロイドOptolake 1120Z (8RU‐7.A8)を乾燥材料で20質量%のコロイドOptolake 1120Z (11RU‐7.A8)で置換した。
−Glymo/非ルチルTiO型のコロイドの高屈折率組成物(HI)
H1
ビーカ内で98.9gのグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Sivento)を量り、攪拌した。溶液に0.1N塩酸(HCl)を22.65g滴下した。塩酸をすべて添加してから、さらに15分間加水分解物の攪拌を継続した。650gのTiOのコロイド(CCIC製コロイド1120Z‐U25‐A8、20質量%の乾燥材料を含有する)を添加した。
その溶液を周囲温度で24時間攪拌した。
10gの99%アルミニウムアセチルアセトネート([CHCOCH=C(O−)CH]Al、Sigma Aldrich)を量り、溶液に添加した。218.5gのメタノールを混合物に添加した。
溶液の攪拌を周囲温度で1時間継続してから、乾燥抽出物を計測した。
その値は20%だった。
計量して溶液に添加する溶剤の量は、乾燥抽出物の希釈度が3%になるようにしなくてはならない。
希釈液はイソプロパノール(Carlo‐Erba)だった。溶液を2時間攪拌し、空隙率3μmのカートリッジを通して濾過し、−18℃の冷凍庫に保存した。
成膜のために、この溶液を1mLレンズにスピンコートで成膜させた。
−Glymo/ルチルTiO型のコロイドの高屈折率
H2
ビーカ内で90.45gのグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Sivento)を量り、攪拌した。0.1N塩酸(HCl)20.66gを溶液に滴下した。
塩酸を全て添加してから、さらに15分間加水分解物の攪拌を継続した。TiOのコロイド、CCIC製コロイドOptolake(登録商標) 1120Z (8RU‐7.A8)を640g(20質量%の乾燥材料を含有)量り、コロイド溶液に160gのメタノールを添加して周囲温度で15分間攪拌した。
800gのコロイド−メタノール溶液を加水分解されたグリシドキシプロピルトリメトキシシランに添加した。
この溶液を周囲温度で24時間攪拌した。
9.14gの99%アルミニウムアセチルアセトネート[CHCOCH=C(O−)CH]Al、Sigma Aldrich)を量り、溶液に添加した。79.75gのメタノールを混合物に添加した。
溶液の攪拌を周囲温度でさらに1時間継続してから、乾燥抽出物を計測した。
その値は20%だった。
希釈液はイソプロパノール(Carlo‐Erba)だった。計量して溶液に添加される溶剤の量は、乾燥抽出物の希釈度が6%になるようにしなくてはならない。この新たな6%溶液を5時間攪拌し、空隙率3μmのカートリッジを通して濾過し、−18℃の冷凍庫に保存した。
成膜のために、この溶液を1mLレンズにスピン被覆で成膜させた。
H3:
溶液H2と同様の手順だったが、コロイドOptolake 1120Z (8RU‐7.A8)を乾燥材料で20質量%のコロイドOptolake 1120Z (8RU.A8)で置換した。
H4:
溶液H2と同様の手順だったが、コロイドOptolake 1120Z (8RU‐7.A8)をコロイドOptolake 1120Z (11RU‐7.A8)で置換した。
このように調製された異なる組成物から開始して、基板、ワニスおよび反射防止スタックを有するいくつかのレンズの例が以下の方法で製造された:
・多層反射防止スタックの成膜
一面を下記の反射防止層(HC)または釉薬(glaze)(HT‐450(アルコール(プロパノール誘導体)に溶解したアクリルポリマーと光開始剤の混合物/LTI Coburnによって販売されるUV釉薬)で被覆された、ポリカーボネート(PC)またはジエチレングリコールジ(アリルカーボネート)(CR39(登録商標))製の有機ガラス基板の、すでに(HI)層で被覆された面を“スピンコート”で被覆し、その面に“スピンコート”で(LI)層も成膜することによって、本発明による反射防止スタックで被覆されたガラスを構成した。
HC耐磨耗膜は、質量比で224部のGLYMO、80.5部の0.1N HCl、120部のジメチルジエトキシシラン、718部のメタノール中の30%コロイド状シリカ、15部のアルミニウムアセチルアセトネートおよび44部のエチルセロソルブからなる組成物の成膜および硬化によって得た。組成物は、その総量の0.1質量%の3M社製界面活性剤FLUORAD FC 430を含有していた。手順の各工程を以下に詳述する:
−基板は、速度を調整可能な回転支持体に設置された、
−0.5〜5mLの範囲の量の(HI)溶液が、0.3秒で基板の中心に成膜された、
−次に、支持体の回転速度を1750〜2300回転/分に調節し、スピンによって基板に高屈折率材料の膜を被覆させた(スピン時間:15秒)、
−次に、そのようにして被覆された基板に赤外線加熱予備処理を16秒間施し、被覆された基板の表面温度を80〜90℃にした、
−次に、被覆された基板を、周囲温度以下の温度の気流で10〜50秒冷却した、
−次に、0.5〜5mLの範囲の量の(LI)溶液を、被覆された基板に0.3秒間で成膜した、
−次に支持体の回転速度を1900〜2000回転/分に設定し、スピンによって基板に低屈折率材料の膜を被覆させた(スピン時間:15秒)。
そのようにして、高屈折率材料の膜と低屈折率材料の膜とを交互に含む、本発明による反射防止スタックで被覆された基板を得て、次に8秒間、赤外線加熱予備処理を施した。
実施された予備ベークは、各工程で同一であり、レンズの表面を赤外線(IR)デバイスで加熱することからなった。出力450Wの赤外線セラミック材料をレンズの表面に近づけた。レンズの表面の温度は、予備ベーク工程の最後には、25℃から70〜80℃に上昇した。
冷却は、周囲温度で気流をレンズ表面にあてることからなった。
・最終加熱処理
本発明による反射防止スタックで被覆された光学ガラスは、オーブン、トンネル炉など少なくともレンズの表面を加熱できる装置の中で、赤外線または熱風の噴射による最終加熱処理を施された。処理の持続時間は、数分から数時間までの範囲がある。
この最終加熱処理の間にレンズの表面の温度は、90〜140℃の範囲に達した。
レンズの冷却は、レンズを周囲温度に到達させるか、周囲温度以下の気流を数秒間から数十分間当てることによって達成できる。
例えば、下記の種類のオーブンを加熱処理に使用することができる。
−対流Dimaオーブン。加熱は40分間持続し、レンズ表面で得られた最高温度(最高T°)は〜95℃だった(温度は約5分で周囲温度(25℃)から95℃に上昇し、その後35分間95℃で維持された)。
−対流Dimaオーブン−13分間、レンズ表面で得られた最大T°は〜100℃。
−IR Dimaオーブン−40分間、レンズ表面で得られた最大T°は〜100/110℃。
−高速対流(<5分間):ホットエアピストル、レンズ表面で得られた最大T°は〜170℃。
よって、表1に示された条件によって、1〜11の番号を付された第1群の実施例が作製された。
実施例8〜11では、反射防止スタックは2層(HI/LI)からなった。
実施例1〜7(実施例1〜4は比較例である)では、反射防止スタックは3層(MI/HI/LI)からなった。
膜MIのスピン速度、予備ベーク時間および冷却時間は表1に示されている。
実施例のレンズに、下記の条件で耐久性試験(QUV S&P試験と呼ばれる)を実行する。
QUVモデルのQ PANELデバイスで試験を実行した。
レンズを水で飽和した雰囲気のチャンバに45℃で2時間置いた(レンズの表面上に水が凝縮する)。その後、水の凝縮を止め、レンズに45℃で2時間UV放射(0.75W/m/nm)を行った。
その後、照射せずに45℃で3時間、レンズを放置し、改めて水を凝縮した。
最後に、凝縮をしないで、45℃で3時間レンズにUV照射(0.75W/m/nm)を行った。
上記のテストを数回繰り返した。
機械的ストレスが10時間ごとにレンズに加えられた。
反射防止スタックに機械的ストレスによる認識可能な劣化が誘発されたときに試験が止められた。
実施された機械的テストを下記する:
眼鏡業者から入手可能な合成マイクロファイバ布を使用して眼鏡レンズを洗浄した。
ポリアミドおよびNylon(登録商標)フィラメントからなる布の最小寸法は、30mmx30mm、厚さ0.35mm〜0.45mmで、最小ファイバ密度は10000/cmでなくてはならい。そのような布の一例として、Savina Minimax(登録商標)の商品名で製造されているKANEBO社製の布がある。
布を、脱イオン水に少なくとも2分間、水が含浸するまで浸した。
次に、布を回収して、3重の積層に折りたたみ、レンズの中心に配置した。その次に、直径6.5〜7mmの消ゴムを布の中心に当てた。消ゴムに5±1Nの力を適用し、30mmの間隔に渡って(運動の中間地点はレンズの中心)1秒間1往復(前後運動1回)の前後運動を行った。
全25往復行ってから、レンズを90°回転させた。さらに25往復行った。
次に、レンズを裸眼で視覚的に確認した。
レンズは、黒を背景に配置され、反射によって試験された。
反射光線の光源は、200ルクス光源だった。
反射防止スタックが剥離した箇所は、発光しているように見えた。
レンズは、レンズの中心部の直径20mmの面の5%よりも広い面が、機械ストレスを加えられて剥離されたのであれば、認識可能な反射防止の劣化を有すると解釈された。
結果は表2(比較例1〜4)と表3(本発明による実施例)に示されている。
結果により、本発明による反射防止スタックは劣化までの持続時間が比較例のスタックよりずっと長いことが明らかである。特に、比較例2との違いが低屈折率層L2の使用(層L1の代わりとして)だけである本発明の実施例5のスタックは、劣化までの持続時間が比較例2の3倍を超える長さである。
光学特性を確認するために、標準ISO/WD 8980−4に基づいてRm屈折率(400〜700nmの反射平均)を測定して下記の表でその影響を観察することができた:
他方、非常に急激な加熱処理であっても、優れた機械的特性を得たようである。したがって、それぞれ処理を40分間および5分間施された実施例8および11の結果は以下のとおりである。
また、本発明(実施例5〜11)による反射防止処理レンズの面と比較例のそれとの水に対する静的接触角も計測した。その結果は表7で示されている。
高接触角は、優れた汚染防止特性を示す。
これらのすべての実施例で、異なる溶液の希釈に用いられた溶剤はイソプロパノール((CHCHOH)、Carlo Erba)である。
これらの実施例で使用されたフルオロシランは、CF(CFCHCHSi(OCである。
他の実施例も以下の条件に従って調製された:
・組成物HIの調製
高屈折率の組成物は2工程を経て形成される。
1.原液(HI)と呼ばれる第1の溶液は、以下の手順に従って最初に調製される。
−90.5部のGLYMO、質量で800部のOptalke 1120(登録商標)(11RU7‐A.8)を含有する溶液に0.1N塩酸が20.7部滴下された、
−加水分解された溶液は周囲温度で24時間攪拌された、
−9.1部のアルミニウムアセチルアセトネートと79.8部の下記の溶剤の混合物(2−プロパノール、4−ヒドロキシ‐4−メチル−2−ペンタノンおよびペンタノン)とが組成物に添加された。
得られた溶液は原液(HI)である。
原液の理論上の乾燥抽出物は、固形分の約20%だった。
(i)次に、原液(HI)を溶剤の混合物で希釈することによって、原液(HI)から作用溶液(HI)が調製された。この目的のために、100gの原液(HI)に:
‐163.6gの2−プロパノール、
‐70gの2−ブタノン
が添加された。
得られた溶液は、作用溶液HIとなり、その理論上の乾燥抽出物は6%である。
・組成物(LI)の調製
組成物(LI)もまた、2工程を経て形成される。
1.原液(LI)と呼ばれる第1の溶液は、65.6部のテトラエトキシシラン(TES)と8.1%のフルオロシランとを含有する溶液に0.1N塩酸を26.3部滴下して、最初に調製した。
得られた溶液は、原液LIとなり、この溶液の理論上の乾燥抽出物は30±1%だった。
2.原液を溶剤の混合物で希釈することによって原液から作用溶液(LI)が調製された。
このために、0.28gのPolycat(登録商標) SA 1/110、737.7gの2−メチル‐2−ブタノールおよび316.2gの2ブタノンが、100gの原液(LI)に添加された。作用溶液(LI)となる溶液が得られ、その理論上の乾燥抽出物は2.6%だった。
このように調製された組成物(HI)および(LI)から開始して、第1群の実施例について上記された条件に従って、透明基板に反射防止スタックを成膜することによって第2群の実施例が実施された。
したがって、3つのレンズの実施例が調製された。
実施例A
本願の出願人による米国特許出願第08/681,102号に記載されたシラン加水分解物、具体的には実施例3に記載されたシラン加水分解物に基づくワニスで被覆されたレンズORMA(登録商標)を本発明による反射防止スタックで被覆した。
実施例B
前述の、商品名HT450(登録商標)で販売されていたUVワニスで被覆されたポリカーボネート基板は、本発明による反射防止スタックで被覆された。
実施例C
商標名L5051(登録商標)でLESCO社によって販売された、ワニスで被覆されたポリカーボネート基板は、本発明による反射防止スタックで被覆された。
特性
実施例A〜Cの被覆された基板に前述の試験を実行し、性能を評価した。光学特性に係る結果は以下の表8に示されている。
平均反射(Rm)の値は、本発明に従って製造され、2層からなる反射防止スタックを含む実施例A、BおよびCが高性能反射防止スタックであることを示す。
接着性および耐磨耗性に関する結果は、以下の表に示されている。
実施例A、BおよびCは、優れた接着性(Nx10ストローク試験)、(Nx10ストロークの値が約3である標準反射防止ガラス)と優れた耐磨耗性を示している。
耐磨耗膜の表面の調製によって、高度の接着性を得ることが可能となる。石鹸と水とによる単純な洗浄によって、本発明による反射防止スタックの実施例BおよびCで記載されたような光重合可能なワニスに対する接着性が向上する。
実施例A、BおよびCは優れた耐久性を示す。
実施例Aは、スチールウール試験で優れた耐久性を示す。
実施例BおよびCは、スチールウール試験で示す耐性は低いが、これは、本質的に、使用されるワニスHT450(登録商標)およびL5051(登録商標)の性質による。

Claims (43)

  1. 多層反射防止スタックで被覆された少なくとも1つの主面を有する基板を含む物品であり、
    前記多層反射防止スタックは、前記基板から順に:
    a)屈折率nD 25が1.50〜2.00であり、第1の硬化性組成物を硬化することにより得られ、
    エポキシ基または(メタ)アクリルオキシ基と、シラノール基に加水分解可能な少なくとも2つの官能基と、を持った少なくとも1つの前駆体化合物の加水分解縮合から得られた有機−無機ハイブリッドマトリックスを含有し、
    少なくとも1つのコロイド状金属酸化物若しくは少なくとも1つのコロイド状カルコゲニドまたはこれらの化合物の混合物が粒径1〜100nm、好ましくは2〜50nmの粒子形態で直接分散している高屈折率(HI)層であって、前記少なくとも1つのコロイド状金属酸化物若しくは少なくとも1つのコロイド状カルコゲニドまたはこれらの化合物の混合物が、ルチル型の複合酸化チタンであることを特徴とする高屈折率層
    b)屈折率nD 25が1.38〜1.44の範囲であり、第2の硬化性組成物の成膜および硬化から得られ、
    (i)下記式で表される1分子当たり加水分解可能な官能基を4基含有する少なくとも1つの前駆体化合物(I)と、
    Si(W)
    (式中の前記W基は、全てのW基が同時に水素原子を表さない限り、それぞれ同一であっても異なっていてもよい加水分解可能な基である。)
    (ii)少なくとも1つのフッ素基を持ち、1分子当たり少なくとも2つの加水分解可能な基を含有する少なくとも1つの前駆体シラン(II)と、の加水分解縮合による生成物を含有し、
    前記第2の組成物はその理論上の乾燥抽出物(TDE)に少なくとも10質量%のフッ素を含有し、前記第2の組成物の前記前駆体化合物(I)に対する前記前駆体化合物(I)+前駆体シラン(II)の合計のモル比I/I+IIが80%超である低屈折率(LI)層を含む。
  2. 前記基板の主面が耐磨耗層、または、プライマー膜の層および耐磨耗膜の層で被覆され、前記耐磨耗膜上に前記反射防止スタックが成膜される、請求項1に記載の物品。
  3. さらに、前記高屈折率層の前記マトリックス中にシリカ(SiO)が分散する、請求項1または2に記載の物品。
  4. 前記高屈折率層(HI)の前記有機−無機ハイブリッドマトリックス中に分散した前記無機粒子がTiO、SnO、ZrOおよびSiOに基づいた複合構造を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の物品。
  5. 前記低屈折率層の前記理論上の乾燥抽出物(TDE)の60質量%以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上が、前記前駆体化合物(I)に由来する、請求項1からのいずれかに記載の物品。
  6. 前記前駆体化合物(I)に対する前記前駆体化合物(I)+前駆体シラン(II)の合計のモル比I/I+IIが85%以上である、請求項1からのいずれかに記載の物品。
  7. 前記前駆体化合物(I)に対する前記前駆体化合物(I)+前駆体シラン(II)の合計のモル比I/I+IIが90%以上である、請求項1からのいずれかに記載の物品。
  8. 前記前駆体化合物(I)に対する前記前駆体化合物(I)+前駆体シラン(II)の合計のモル比I/I+IIが95%以上である、請求項1からのいずれかに記載の物品。
  9. 前記加水分解可能なW基が、RをアルキルとするOR、ClまたはH基を表す、請求項1から8のいずれかに記載の物品。
  10. 前記低屈折率層(LI)の前記硬化性組成物が、前記式Si(W)の前駆体化合物(I)の前記シラン類および前記前駆体フルオロシラン(II)とは異なるトリまたはジアルコキシシランを、該組成物中のシラン類の総質量の10質量%以下含有する、請求項1から9のいずれかに記載の物品。
  11. 前記低屈折率層(LI)の前記硬化性組成物が、前記前駆体(I)の前記シラン類および前記前駆体フルオロシラン(II)のみを含有する、請求項1から9のいずれかに記載の物品。
  12. 前記反射防止スタックが、1つの低屈折率層(LI)で被覆された1つの高屈折率層(HI)のみを有する、請求項1から11のいずれかに記載の物品。
  13. 前記反射防止スタックが、前記基板から、中屈折率層(MI)、高屈折率層(HI)および低屈折率層(LI)の順に積層された少なくとも3層を含み、前記中屈折率層(MI)の屈折率nD 25が1.45〜1.80である、請求項1から11のいずれかに記載の物品。
  14. 前記高屈折率(HI)材料の層の屈折率が、1.7より高く、好ましくは1.72〜1.82の範囲で、さらに好ましくは約1.77である、請求項1から13のいずれかに記載の物品。
  15. 前記高屈折率(HI)材料の層の物理的な厚さが、10〜200nmの範囲で、好ましくは80〜150nmの範囲である、請求項1から14のいずれかに記載の物品。
  16. 前記低屈折率(LI)材料の層の物理的な厚さが、40〜150nmで、好ましくは約90nmである、請求項1から15のいずれかに記載の物品。
  17. 前記組成物(HI)の前記有機マトリックスが、エポキシアルコキシシランの加水分解物である、請求項1から16のいずれかに記載の物品。
  18. 前記エポキシアルコシキシシランが1つのエポキシ基と3つのアルコキシ基とを有し、後者が前記ケイ素原子と直接結合している、請求項17に記載の光学物品。
  19. 前記エポキシアルコキシシランが下記式(I)に対応する請求項18に記載の光学物品。
    (式中、Rは炭素原子を1〜6個含むアルキル基で、好ましくはメチル基またはエチル基であり、
    はメチル基または水素原子であり、
    aは1〜6の整数であり、
    bは0、1または2を表す。)
  20. 前記エポキシアルコキシシランがγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである、請求項19に記載の物品。
  21. 前記高屈折率層(HI)の前記硬化性組成物が:
    −アルミニウムキレート類、
    −下記式(II)または(III)の化合物:
    から選ばれるアルミニウム化合物からなる触媒と組み合わせられ、前記触媒がアルミニウムキレートの場合は、大気圧での沸点Tが70℃〜140℃の範囲の有機溶剤が、前記硬化性組成物中(HI)に存在する、請求項1から20のいずれかに記載の物品。
    (式中、RおよびR’は炭素原子を1〜10個含む直鎖または分岐鎖アルキル基であり、
    R’’は、炭素原子を1〜10個含む直鎖または分岐鎖アルキル基、フェニル基、または下記の基であり、
    式中、Rは上記の意味を有し、nは1〜3の整数である。)
  22. 前記硬化性組成物(HI)の前記触媒がアルミニウムキレートであり、好ましくはアルミニウムアセチルアセトネートである、請求項21に記載の物品。
  23. 前記第2の硬化性組成物(LI)の前記前駆体化合物(I)がテトラアルコキシシランであり、好ましくはテトラエトキシシランである、請求項1から22のいずれかに記載の物品。
  24. 前駆体シラン(II)がペルフルオロシラン類から選ばれる、請求項1から23のいずれかに記載の物品。
  25. 前記基板が有機ガラス製の基板であり、任意に耐磨耗膜および/または耐衝撃膜が設けられる、請求項1から24のいずれかに記載の物品。
  26. さらに、前記反射防止膜上に成膜される疎水性の汚染防止膜を有する、請求項1から25のいずれかに記載の物品。
  27. 請求項1から26のいずれかに記載の物品の製造方法であって、
    任意に耐磨耗膜、または、プライマー層および耐磨耗膜で被覆された前記基板の少なくとも1面に、エポキシ基または(メタ)アクリルオキシ基と、シラノール基に加水分解可能な少なくとも2つの官能基と、を持った少なくとも1つの前駆体化合物の加水分解縮合から得られる有機−無機ハイブリッドマトリックスを含む第1の硬化性組成物(HI)を塗布し、その後硬化させることにより、少なくとも1つの金属酸化物および/または少なくとも1つのカルコゲニドが粒径1〜100nm、好ましくは2〜50nmの粒子形態で分散した高屈折率(HI)材料の層を少なくとも1層成膜する工程であって、前記少なくとも1つの金属酸化物および/または少なくとも1つのカルコゲニドが、ルチル型の複合酸化チタンであることを特徴とする工程と、
    前記層(HI)に、第2の硬化性組成物(LI)を塗布し、その後硬化させることにより、
    好ましくはいかなる無機フィラーをも含有せず
    (i)下記式で表される1分子当たり加水分解可能な官能基を4基含有する少なくとも1つの前駆体化合物(I)と、
    Si(W)
    (式中の前記W基は、全てのW基が同時に水素原子を表さない限り、それぞれ同一であっても異なっていてもよい加水分解可能な基である。)
    (ii)少なくとも1つのフッ素基を持ち、1分子当たり少なくとも2つの加水分解可能な基を含有する少なくとも1つの前駆体シラン(II)と、の加水分解縮合による生成物を含有し、
    前記第2の組成物はその理論上の乾燥抽出物(TDE)に少なくとも10質量%のフッ素を含有し、前記第2の組成物の前記前駆体化合物(I)に対する前記前駆体化合物(I)+前駆体シラン(II)の合計のモル比I/I+IIが、80%超である低屈折率(LI)材料の層を少なくとも1層成膜する工程と、を含む。
  28. 前記高屈折率(HI)および低屈折率(LI)の材料の各層がディップコートまたはスピンコート、好ましくはスピンコートによって成膜される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記高屈折率(HI)材料の層および前記低屈折率(LI)材料の層の成膜の間に、前記層(HI)を表面処理して、該表面を前記層(LI)の成膜のために調整することを含む、請求項27また28に記載の方法。
  30. 前記高屈折率材料の層の前記表面処理が赤外線処理と、その後の周囲温度の気流により冷却である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記反射防止スタックが、基板から順に、中屈折率材料の層、高屈折率材料の層および低屈折率材料の層を連続的に含む三重層のスタック(MI/HI/LI)である、請求項27から30のいずれかに記載の方法。
  32. 前記高屈折率(HI)材料の層の屈折率が、1.72〜1.82であり、好ましくは約1.77である、請求項27から31のいずれかに記載の方法。
  33. 前記低屈折率(LI)材料の層の屈折率が、1.38〜1.44の範囲であり、好ましくは約1.43である、請求項27から32のいずれかに記載の方法。
  34. 前記高屈折率(HI)材料の層の物理的な厚さが、10〜200nmの範囲で、好ましくは80〜150nmの範囲である、請求項27から33のいずれかに記載の方法。
  35. 前記低屈折率(LI)材料の層の物理的な厚さが、40〜150nmで、好ましくは約90nmである、請求項27から34のいずれかに記載の方法。
  36. 前記第1の硬化性組成物(HI)の前記前駆体化合物が、エポキシアルコキシシランの加水分解物である、請求項27から35のいずれかに記載の方法。
  37. 前記エポキシアルコシキシシランが1つのエポキシ基と3つのアルコキシ基とを有し、後者が前記ケイ素原子と直接結合している、請求項36に記載の方法。
  38. 1つのエポキシ基を有する前記シランが下記式(I)に対応するエポキシシランである請求項37に記載の方法。
    (式中、Rは炭素原子を1〜6個含むアルキル基で、好ましくはメチル基またはエチル基であり、
    はメチル基または水素原子であり、
    aは1〜6の整数であり、
    bは0、1または2を表す。)
  39. 前記エポキシシランがγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである、請求項38に記載の方法。
  40. 前記硬化性組成物(HI)が
    −アルミニウムキレート類、
    −下記式(II)または(III)の化合物:
    から選ばれるアルミニウム化合物からなる触媒と組み合わせられ、前記触媒がアルミニウムキレートの場合は、大気圧での沸点Tが70℃〜140℃の範囲の有機溶剤が、硬化性組成物中に存在する、請求項27から39のいずれかに記載の方法。
    (式中、RおよびR’は炭素原子を1〜10個含む直鎖または分岐鎖アルキル基であり、
    R’’は、炭素原子を1〜10個含む直鎖または分岐鎖アルキル基、フェニル基、または下記の基である。
    式中、Rは上記の意味を有し、nは1〜3の整数である。)
  41. 前記組成物(HI)の前記触媒がアルミニウムキレートであり、好ましくはアルミニウムアセチルアセトネートである、請求項40に記載の方法。
  42. 前記低屈折率の組成物(LI)の前記前駆体化合物(I)がテトラアルコキシシランであり、好ましくはテトラエトキシシランである、請求項27から41のいずれかに記載の方法。
  43. 前記低屈折率(LI)の組成物の前記前駆体シラン(II)がペルフルオロシランである、請求項27から42のいずれかに記載の方法。
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