JPH10133001A - 新規な撥水処理されたレンズ - Google Patents

新規な撥水処理されたレンズ

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JPH10133001A
JPH10133001A JP8307364A JP30736496A JPH10133001A JP H10133001 A JPH10133001 A JP H10133001A JP 8307364 A JP8307364 A JP 8307364A JP 30736496 A JP30736496 A JP 30736496A JP H10133001 A JPH10133001 A JP H10133001A
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water
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JP8307364A
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English (en)
Inventor
Masaoki Tomota
政興 友田
Hiroko Kawamura
裕子 川村
Mitsuo Asai
光雄 浅井
Hitoshi Uehara
仁 上原
Tomonori Aoki
智則 青木
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OPUTORON KK
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nikon Corp
Original Assignee
OPUTORON KK
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (メガネ)レンズ基材を下記〔I〕で表
される2官能有機シラン化合物又はその部分加水分解物
又は〔II〕一般式(2)で表される有機ケイ素化合物
からなる撥水剤で処理することによって、非硬化物質か
らなり、水との接触角が80°以上の撥水層を形成した
ことを特徴とする撥水処理されたレンズ。 【化1】 (式中、Rは置換又は非置換の1価炭化水素基、Xはケ
イ素原子に直結する加水分解性基又は水酸基、Rf はフ
ッ素化された有機基、nは正の整数である。) 【効果】 撥水剤として2官能を使用するので、撥水剤
のポットライフが長い。水ヤケなし(息を吹きかけて
も、玉摺作業のときのパッド跡が白く浮き出て来な
い)。ホコリが付着せず、外観がきれいで、高級感があ
る。3官能に比べ滑り性が良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水処理されたレ
ンズ、例えばメガネレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】メガネレンズ、カメラレンズのごときレ
ンズは、日常生活に密着した物品であり、それだけ様々
な使われ方をする。例えば、雨がかかる機会も多い。こ
のとき、レンズがガラス製であったり、反射防止膜(特
に最上層が酸化ケイ素系の無機物質層のもの)が形成さ
れていたり、そうでなくとも、汚れてきたりすると、表
面が親水性となり、雨滴がなかなか落ちず、光がまっす
ぐ通り難いと言う欠点があった。つまり、メガネレンズ
の場合は、景色が良く見えないと言う第1の問題があっ
た。
【0003】また、メガネレンズの場合、小売店がフレ
ームの形状に合わせてレンズをカットする玉摺りと言う
作業を行なうが、このとき、砥粒を含んだいわば泥水を
レンズに注ぎながら作業を行なう。左右のレンズの一枚
について玉摺りを終えると、次に残り一枚について玉摺
りを行なう。このとき、先に玉摺りを終えたレンズの表
面に付いていた水が乾いてしまう。きれいにするため、
当然にアルコール、アセトン等を含んだ布で擦って拭き
取るが、一見きれいになったようでも、息を吹きかける
と水跡が白く浮き出て来ると言う第2の問題があった。
この水跡はガラスの水ヤケに準えて「水ヤケ」と俗称さ
れる。
【0004】これらの問題を解決するため、撥水剤とし
て、水酸基を有する有機ポリシロキサン系重合物又はパ
ーフルオロアルキル基含有化合物を使用し、これらを重
合してなる重合物からなる有機物含有硬化物質層をレン
ズ基材表面に形成することが提案された(特公平6−5
324号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術(特公平6−
5324号)は、有機ポリシロキサン系重合物にせよパ
ーフルオロアルキル基含有化合物にせよ、撥水処理する
前の形態である撥水剤は硬化性であり、この硬化性の撥
水剤をレンズ表面で硬化させることにより、3次元分子
構造の硬化物質層からなる撥水層を形成するものであ
る。
【0006】しかし、従来技術は、撥水剤のポットライ
フ(使用可能期間)が短いと言う問題点のあることが判
った。特にパーフルオロアルキル基を有する化合物は高
価なため、レンズメーカーにとってポットライフが短い
欠点は、重要な問題であった。何故なら、最近の傾向と
して、小売店からの注文を受けてから撥水処理すること
が多いため、撥水剤のポットライフは最近特に問題点に
なりだした。
【0007】また、従来技術は、レンズ表面で硬化させ
るため、硬化に伴う収縮歪みが生じ易く、仮に生じると
光学的性能を低下させ、不良品が多くなると言う問題点
を生み出していた。更に、従来技術は、場合によって、
表面が柔らかくなったり、或いは粘着感が残り、そのた
めホコリが付着し易い問題点もあった。
【0008】加えて、従来技術は、表面の滑り性がやや
悪い問題点もあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、以下
のレンズを提供する。 1.レンズ基材を下記〔I〕又は〔II〕からなる撥水
剤で処理することによって、非硬化物質からなり、水と
の接触角が80°以上の撥水層を形成したことを特徴と
する撥水処理されたレンズ(請求項1)。
【0010】〔I〕一般式(1)で表される2官能有機
シラン化合物又はその部分加水分解物。
【0011】
【化3】 (式中、Rは置換又は非置換の1価炭化水素基、Xはケ
イ素原子に直結する加水分解性基又は水酸基、Rf はフ
ッ素化された有機基である。)
【0012】〔II〕一般式(2)で表される有機ケイ
素化合物。
【0013】
【化4】 (式中、Rf はフッ素化された有機基であり、Rは置換
又は非置換の1価炭化水素基であり、nは正の整数であ
る。) 2.前記撥水剤が〔I〕であって、前記Xが、ハロゲン
原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基若しくはアシロ
キシ基であることを特徴とする請求項1記載のレンズ
(請求項2)。 3.前記撥水剤が〔II〕であって、前記有機基Rfが
一般式(3): Cp 2p+1m 2m− …(3) (式中、pは4以上の整数、mは2又は3である。)で
表わされる有機ケイ素化合物であることを特徴とする請
求項1記載のレンズ(請求項3)。 4.前記撥水剤が〔II〕であって、前記有機基Rfが
化学式:C8 172 4 −又はC8 173 6 −C
8 173 6 −で表され、前記炭化水素基Rが化学
式:CH3 −で表され、前記nが1〜10であることを
特徴とする請求項1記載のレンズ(請求項4)。 5.前記レンズ基材と前記撥水層との間に反射防止膜を
有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
記載のレンズ(請求項5)。 6.前記反射防止膜が少なくとも最上層に酸化ケイ素系
の無機物質層を有することを特徴とする請求項5記載の
レンズ(請求項6)。 7.前記レンズ基材と前記撥水層又は前記反射防止膜と
の間に、ハードコート層を有することを特徴とする、請
求項1〜6のいずれか1項に記載のレンズ(請求項
7)。 8.前記レンズ基材と前記ハードコート層との間に衝撃
吸収層を有することを特徴とする請求項7記載のレンズ
(請求項8)。 9.前記レンズ基材と前記ハードコート層との屈折率差
がゼロ又は0.05以下であることを特徴とする請求項
7記載のレンズ(請求項9)。 10.前記レンズ基材と前記衝撃吸収層との屈折率差が
ゼロ又は0.05以下であることを特徴とする請求項8
記載のレンズ(請求項10)。 11.前記ハードコート層が、下記一般式(4)で示さ
れる少なくとも一種の有機シラン化合物の加水分解部分
縮合物の硬化物からなることを特徴とする請求項7〜1
0のいずれか1項に記載のレンズ(請求項11)。 R1 a Si(OR2 4-a …(4) (式中、R1 はアルキル基、アルケニル基若しくはアリ
ール基又はハロゲン原子、アミノ基、メルカプト基、
(メタ)アクリロキシ基、シアノ基、グリシジル基、グ
リシドキシ基、メルカプト基若しくはエポキシ基で置換
された1価炭化水素基であり、炭素原子によってSiに
結合しており、R2 は炭素数が1〜8のアルキル基、ア
リルアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル
基、アリール基又はアシル基であり、aは0又は1であ
る。) 12.前記シラン化合物がグリシジル基、グリシドキシ
基又はエポキシ基を有することを特徴とする請求項11
記載のレンズ(請求項12)。 13.前記ハードコート層が1〜200nmの無機微粒
子を含有することを特徴とする請求項11又は12記載
のレンズ(請求項13)。 14.前記衝撃吸収層又はプライマー層が1〜200n
mの無機微粒子を含有することを特徴とする請求項8又
は10記載のレンズ(請求項14)。 15.前記レンズ基材の屈折率が1.56以下と低い場
合には、前記無機微粒子が酸化ケイ素であることを特徴
とする請求項13又は14記載のレンズ(請求項1
5)。 16.前記レンズ基材の屈折率が1.56以上と高い場
合には、前記無機微粒子が、亜鉛、アルミニウム、アン
チモン、イットリウム、イッテルビウム、イリジウム、
インジウム、エルビウム、オスミウム、カドミウム、ガ
ドリニウム、ガリウム、金、銀、クロム、ゲルマニウ
ム、コバルト、サマリウム、ジスプロシウム、ジルコニ
ウム、水銀、スカンジウム、錫、ストロンチウム、セシ
ウム、セリウム、タリウム、タングステン、タンタル、
チタン、ツリウム、テクネチウム、鉄、テルビウム、テ
ルル、銅、トリウム、鉛、ニオブ、ニッケル、ネオジ
ム、白金、バナジウム、ハフニウム、パラジウム、バリ
ウム、ビスマス、モリブデン若しくはランタンから選択
された金属、その金属の合金、その金属の化合物、同酸
化物、同塩化物又は同両性化合物であることを特徴とす
る請求項11又は12記載のレンズ(請求項16)。 17.前記撥水層が上面から見て部分的に形成されてい
ることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記
載のレンズ(請求項17)。 18.前記レンズ基材がプラスチックで構成されている
ことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載
のレンズ(請求項18)。 19.前記レンズ基材が1.6以上の屈折率を有するこ
とを特徴とする請求項1〜14又は16〜18のいずれ
か1項に記載のレンズ(請求項19)。 20.前記レンズ基材が1.7以上の屈折率を有するこ
とを特徴とする請求項19記載のレンズ(請求項2
0)。 21.前記反射防止膜の反射率が2%以下であることを
特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のレン
ズ(請求項21)。 22.前記レンズ基材が非球面レンズであることを特徴
とする請求項1〜21のいずれか1項に記載のレンズ
(請求項22)。 23.ツーポイントメガネ用であることを特徴とする請
求項1〜22のいずれか1項に記載のレンズ(請求項2
3)。
【0014】
【発明の実施の形態】
(1)レンズ基材について:用途から見たレンズの種類
は、メガネレンズ、カメラレンズ、望遠鏡、双眼鏡のレ
ンズ、虫メガネ、潜望鏡のレンズなど、どのような用途
でもよい。特に雨がかかる機会の多いレンズが好適であ
る。
【0015】レンズの形状は、球面、非球面、凸面、凹
面、平面など、どのような形状でもよく、多焦点レンズ
や累進焦点レンズのごとき形状でもよい。しかし、本発
明の効果は特に面精度の高い非球面や外観が重視される
ツーポイントメガネ用に効果的である。
【0016】レンズの材質はガラスでもプラスチックで
もよい。メガネレンズでは後者が好まれる。プラスチッ
クの場合、その素材名としては、当然に透明なものが望
ましいが、セルロイド、セルロースアセテート、セルロ
ースプロピオネート、セルロースブチレート、6−ナイ
ロン、6,6−ナイロン、12−ナイロンなどの脂肪族
ポリアミド、芳香族ポリアミド、ABS樹脂、AS樹
脂、ポリスチレン、ポリエチレン(低密度又は高密
度)、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリ
カーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートなどの飽和ポリエステル、芳香族ポ
リエステル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリ
エーテルイミド、ポリアリレート、ポリメチルペンテ
ン、アイオノマー樹脂、液晶ポリマー、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファ
イド、(変性)ポリフェニレンオキサイド、熱可塑性ポ
リウレタン等の熱可塑性樹脂、或いは、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル、熱硬化性ポリウレタン、ポリイミ
ド、ジエチレングリコールビスアリルカ−ボネート(通
称CR−39)の重合物、(ハロゲン化)ビスフェノー
ルAのジ(メタ)アクリレートの(共)重合物、(ハロ
ゲン化)ビスフェノールAのウレタン変性ジ(メタ)ア
クリレートの(共)重合物、ジアクリレート化合物やビ
ニルベンジルアルコールと不飽和チオール化合物等との
共重合物などの熱硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹
脂には文字通り熱で硬化させるものばかりでなく、光で
硬化させるアクリル系その他の光硬化型の熱硬化性樹脂
も含まれる。
【0017】CR−39の重合物はメガネレンズの素材
として長く使われているが、屈折率が1.50と低く、
そのため、凹レンズ(近視矯正用)では、度が強い場合
に縁厚が厚くなるので嫌われる傾向がある。その後、屈
折率の高いプラスチックが開発され、数年前より1.6
0以上、最近では1.70以上のプラスチック素材も開
発された。
【0018】レンズ基材(プラスチック)の上に望まし
くは衝撃吸収層を介してハードコート層を設けることが
好ましい。これらの層を形成する前にレンズ基材をプラ
ズマ処理又はアルカリ処理により表面を荒らすことで密
着性を上げるようにしてもよい。
【0019】(2)衝撃吸収層について:衝撃吸収層の
目的は、レンズの耐衝撃性を向上させるためである。メ
ガネレンズ業界では「プライマー層」と呼ぶことがあ
る。昨年よりPL法が日本でも施行され、また、米国に
はFDA規格があるので、対米輸出も考えたとき、耐衝
撃性の高いレンズが好ましい。
【0020】このような衝撃吸収層は、基材の素材名と
して上記したもののうち、比較的柔らかい弾性のあるも
のが選択される。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリビニ
ルブチラール、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ポリウ
レタンなどが使用される。熱可塑性、熱硬化性ポリウレ
タンを生成する原料成分は、ポリエーテルポリオール
(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール)やポリエステルポリオールと、ポリイソシア
ネートである。
【0021】なお、衝撃吸収層と基材との間に密着性を
改良する目的で塗料業界で言うプライマー層を形成して
もよい。この意味でのプライマー層を形成するには、例
えば(1)下記ハードコート層と同様な樹脂材料や
(2)官能基例えばエポキシ基、アミノ基、ビニル基、
メタクリル基を持つ有機シラン化合物(シランカップリ
ング剤)を用いることができる。
【0022】衝撃吸収層の特性を改良するため、或いは
屈折率を向上させて所定値にするため、これらの樹脂の
中に1〜200nmの無機微粒子を含有させてもよい。
含有量は5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%
が一応の目安である。レンズ基材と衝撃吸収層との屈折
率差がゼロ又は0.05以下であることが好ましい。も
し、差が大きい場合に層の厚さ(膜厚)が不均一である
と、干渉縞がで易い欠点がでる。浸漬法で層を形成する
場合に、重力の影響でどうしても層の厚さ(膜厚)が不
均一になり易い。基材の屈折率が1.56以下と低い場
合には、前記無機微粒子は安価に手に入る二酸化ケイ素
が好ましい。基材の屈折率が1.56以上と高い場合に
は、層の屈折率を上げるために、前記無機微粒子は、亜
鉛、アルミニウム、アンチモン、イットリウム、イッテ
ルビウム、イリジウム、インジウム、エルビウム、オス
ミウム、カドミウム、ガドリニウム、ガリウム、金、
銀、クロム、ゲルマニウム、コバルト、サマリウム、ジ
スプロシウム、ジルコニウム、水銀、スカンジウム、
錫、ストロンチウム、セシウム、セリウム、タリウム、
タングステン、タンタル、チタン、ツリウム、テクネチ
ウム、鉄、テルビウム、テルル、銅、トリウム、鉛、ニ
オブ、ニッケル、ネオジム、白金、バナジウム、ハフニ
ウム、パラジウム、バリウム、ビスマス、モリブデン若
しくはランタンから選択された金属、その金属の合金、
その金属の化合物、同酸化物(例えば、酸化チタン、酸
化ケイ素、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム)、同塩
化物又は同両性化合物であることが好ましい。
【0023】層を構成する樹脂(ベヒクル成分)と無機
微粒子との密着性を上げるため、シランカップリング剤
例えばビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシランなどを併用することが好ましい。
【0024】衝撃吸収層は、層を構成する樹脂(ベヒク
ル成分)の溶液又は低分子量であればそれ自身が液状を
呈するので、無溶剤の形でコート液を準備し、適宜硬化
触媒をそれに添加し、浸漬法、ハケ塗り、スピンコート
法、スプレー塗装、流し塗りなどの方法で塗布し、常温
または加熱下(120℃以下が好ましい)で乾燥させ
る。乾燥後、更に熱処理(120℃以下が好ましい)し
て樹脂を硬化させても良い。
【0025】衝撃吸収層の厚さは、その目的に応じて、
0.01μ〜50μm、好ましくは0.3〜2μmが適
当である。
【0026】(3)ハードコート層について:ハードコ
ート層の目的は、レンズの耐擦傷性を向上させるためで
あり、基材がプラスチックの場合や衝撃吸収層を設けた
場合に、ハードコート層を設けることが好ましい。
【0027】ハードコート層の構成材料としては、メラ
ミン樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂が使用され
る。特に、表面硬度の硬いものが好ましいことから、ハ
ードコート層は、下記一般式(4)で示される有機シラ
ン化合物及び/又はその部分加水分解物の硬化物からな
ることが好ましい。 R1 a Si(OR2 4-a …(4) (式中、R1 、R2 及びaの意味は上述の通り。但し、
アルキル基の炭素数は1〜10、アルケニル基の炭素数
は2〜4、アリール基の炭素数は6〜10、置換1価炭
化水素基はこれらアルキル基、アルケニル基又はアリー
ル基の水素原子の一部又は全部を上記置換基で置換した
ものが好ましい。)
【0028】これらのシラン化合物のうち、3官能(a
=1)の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルジメトキシエトキシシラ
ン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、エチルジメトキシエトキシシラン、エチルト
リアセトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキ
シシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノメチルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノメチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、フエニルトリメトキシシラン、フエニルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0029】4官能(a=0)の例としては、メチルシ
リケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケー
ト、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、
t−ブチルシリケート、 sec−ブチルシリケートなどが
挙げられる。
【0030】必要に応じ2官能のシラン化合物を併用す
ることができる。2官能の例としては、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メ
チルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフ
ェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフ
ェニルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシ
シラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチ
ルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
エトキシシラン、アミノメチルエチルジメトキシシラ
ン、N−β(アミノメチル)−γ−アミノプロピルエチ
ルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシランな
どが、挙げられる。これらの化合物は、1種で使用して
もよいが、目的に応じて2種以上を混合して使用しても
よい。
【0031】一般式(4)の化合物は、そのまま使用し
てもよいが、反応速度を増し、硬化温度を下げる目的で
加水分解物として使用することが好ましい。同一官能数
の化合物を2種以上を併用する場合、或いは異なる官能
数の化合物を2種以上を併用する場合、加水分解後に併
用してもよいし、加水分解前に併用して共加水分解を行
なってもよい。加水分解によりHOR2 なるアルコール
が遊離され、一般式(4)の化合物は、相当するシラノ
ール(SiOH)になる。シラノールは、複数分子の間
で脱水縮合してシロキサン結合(−Si−O−)を生成
する。脱水縮合は速やかに進み、オリゴマーが生成す
る。脱水縮合が十分に進むように、加水分解後、1〜2
4時間放置(養生)してもよい。このオリゴマーが、加
水分解生成物に含まれる。
【0032】ハードコート層の特性を改良するため、或
いは屈折率を向上させて所定値にするため、これらの樹
脂の中に1〜200nmの無機微粒子を含有させてもよ
い。含有量は5〜80重量%、好ましくは10〜70重
量%が一応の目安である。レンズ基材とハードコート層
との屈折率差がゼロ又は0.05以下であることが好ま
しい。もし、差が大きい場合に層の厚さ(膜厚)が不均
一であると、干渉縞がで易い欠点がでる。浸漬法で層を
形成する場合に、重力の影響でどうしても層の厚さ(膜
厚)が不均一になり易い。基材の屈折率が1.56以下
と低い場合には、前記無機微粒子は安価に手に入る二酸
化ケイ素が好ましい。基材の屈折率が1.56以上と高
い場合には、層の屈折率を上げるために、前記無機微粒
子は、上に例示したもの(例えばチタンの酸化物)が好
ましい。
【0033】ハードコート層は、層を構成する樹脂(ベ
ヒクル成分)の溶液又は低分子量であればそれ自身が液
状を呈するので、無溶剤の形でコート液を準備し、適宜
硬化触媒をそれに添加し、浸漬法、ハケ塗り、スピンコ
ート法、スプレー塗装、流し塗りなどの方法で塗布し、
常温又は加熱下(120℃以下が好ましい)で乾燥させ
る。乾燥後、更に熱処理(120℃以下が好ましい)し
て樹脂を硬化させても良い。
【0034】硬化触媒としては、例えば、以下のものが
使用可能である。 (1)アミン類:モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、イソプロパノールアミン、エチレンジアミン、
イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モルホリ
ン、トリエタノールアミン、ジアミノプロパン、アミノ
エチルエタノールアミン、ジシアンジアミド、トリエチ
レンジアミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール
【0035】(2)一般式:MXn 3-n で示される金
属キレート化合物:式中、XはOL(Lは低級アルキル
基)、Yは一般式A1 COCH2 COA2 (A1 、A2
は低級アルキル基)又はA1 COCH2 COOA2 に由
来する配位子から選ばれる少くとも1つで、nは0又は
1又は2である。特に有用なキレート化合物としては、
溶解性、安定性、触媒効果の観点から、次のものであ
る。アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウム
ビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネー
ト、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノエチルア
セトアセテート、アルミニウム−ジ− iso−プロポキシ
ドーモノメチルアセトアセテート、クロムアセチルアセ
トネート、チタニルアセチルアセトネート、コバルトア
セチルアセトネート、鉄(III)アセチルアセトネー
ト、マンガンアセチルアセトネート、ニッケルアセチル
アセトネート
【0036】(3)金属アルコキシド:アルミニウムト
リエトキシド、アルミニウムトリn−プロポキシド、ア
ルミニウムトリn−ブトキシド、テトラエトキチタン、
テトラn−ブトキシチタン、テトラi−プロポキシチタ
【0037】(4)有機金属塩:酢酸ナトリウム、ナフ
テン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オ
クチル酸スズ
【0038】(5)過塩素酸塩:過塩素酸マグネシウ
ム、過塩素酸アンモニウム
【0039】(6)有機酸又はその無水物:マロン酸、
コハク酸、酒石酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイ
ン酸、O−フタル酸、テレフタル酸、フマル酸、イタコ
ン酸、オキザロ酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、
無水イタコン酸、1,2 −ジメチルマレイン酸無水物、無
水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水ナフタ
ル酸
【0040】(7)ルイス酸:塩化第二鉄、塩化アルミ
ニウム
【0041】(8)ハロゲン化金属:塩化第一スズ、塩
化第ニスズ、臭化スズ、塩化亜鉛、臭化亜鉛、四塩化チ
タン、臭化チタン、臭化タリウム、塩化ゲルマニウム、
塩化ハフニウム、塩化鉛、臭化鉛
【0042】以上の触媒は、単独で使用することなく2
種以上混合して使用してもよい。特にエポキシシランを
使用した場合には、エポキシ基の開環重合触媒を兼ねる
ものを使用することが好ましい。
【0043】溶剤はコート液を液状にするため或いは粘
度を低くするために、必要に応じ添加される。例えば、
水、低級アルコール、アセトン、エーテル、ケトン、エ
ステルなどが使用される。
【0044】コート液は、一般に、樹脂(固形分)10
0重量部当たり、無機微粒子を10〜400重量部、好
ましくは50〜250重量部含み、樹脂と無機微粒子と
の合計重量部当たり、硬化触媒を0.00001〜20
重量部含む。
【0045】以上の成分の外に更に必要に応じて、例え
ば、密着性改良、耐候性向上などを目的として、或いは
コート液の安定性を向上させる目的で各種添加剤を併用
してもよい。
【0046】添加剤の例としては、pH調節剤、粘度向上
剤、レベリング剤、つや消し剤、染料、顔料、安定剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤などがある。
【0047】その外、ハードコート層の染色性を向上さ
せる目的でエポキシ樹脂その他の有機ポリマー、例え
ば、ポリオール、繊維素系樹脂、メラミン樹脂を添加し
てもよい。
【0048】塗布時におけるフローを向上させ、ハード
コート層の平滑性を向上させてハードコート層表面の摩
擦係数を低下させる目的で、各種の界面活性剤をコート
液に併用することも可能であり、とくにジメチルシロキ
サンとアルキレンオキシドとのブロックまたはグラフト
共重合体、さらにはフッ素系界面活性剤などが有効であ
る。
【0049】ハードコート層の厚さは、その目的に応じ
て、0.01μ〜50μm、好ましくは0.5〜2μm
が適当である。
【0050】最近、乾式法でハードコート層を形成する
技術が提案された。これによれば、メチルトリエトキシ
シランやジメトキシジメチルシランのガスと酸素ガスを
真空チャンバー内に導入してCVD法によりハードコー
ト層を形成する。この方法でも良い。
【0051】(4)反射防止膜について:レンズの反射
率は、通常4%位であるが、これを抑えるために、特に
メガネレンズの場合には、他人から見てレンズの存在を
感じさせなくし、装用者の美観を上げる目的で、反射防
止膜が設けられることが多い。本発明の場合、1%以下
にすることが好ましい。
【0052】反射防止膜の理論は、単層の場合、基材の
屈折率をnとするとき、屈折率がnの平方根と同一又は
近い低さを有し、厚さが光の波長λの4分の1の光学薄
膜を設けると反射が抑制されると言うものである。しか
し、単層の場合には、一波長λに対しては反射防止にな
るが、可視光の広い領域にわたって反射防止するには多
層反射防止理論に頼らなければならない。多層反射防止
理論は難しいのでここでは省略する。多層反射防止理論
に基づく反射防止膜は、基本的には低屈折率の光学薄膜
と高屈折率の光学薄膜との交互層からなる。
【0053】低屈折率の光学薄膜を与える材料として
は、フッ化マグネシウム、一酸化ケイ素、二酸化ケイ
素、高屈折率の光学薄膜を与える材料としては、酸化ア
ルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化
チタン、酸化タンタル、酸化錫、酸化タングステン、酸
化鉄、酸化セリウムなどが使用される。このような光学
薄膜は、膜厚が波長λの8分の1、4分の1、2分の1
等と薄いので、形成方法は真空薄膜形成技術例えば真空
蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどであ
る。いずれも真空チャンバー内で反応を伴う方法でも良
い。
【0054】本発明が効果的なのは、表面が親水性とな
る反射防止膜、つまり少なくとも最上層に酸化ケイ素系
の無機物質層である反射防止膜である。
【0055】(5)撥水層について:本発明では、下記
〔I〕又は〔II〕からなる撥水剤を使う。 〔I〕について:この撥水剤は、一般式(1)で表され
る2官能有機シラン化合物又はその部分加水分解物であ
る。
【0056】
【化5】
【0057】式中、Rは置換又は非置換の1価炭化水素
基で、好ましくは置換又は非置換の炭素数1〜20のア
ルキル基、アルケニル基又はアリール基である。なお、
置換1価炭化水素基としては、非置換の1価炭化水素基
の一部又は全部がハロゲン原子例えばフッ素原子で置換
されたものを挙げることができ、Rfであってもよい。
Xはケイ素原子に直結する加水分解性基(好ましくはハ
ロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基若しくはア
シロキシ基)又は水酸基である。Rf はフッ素化された
1価の有機基(1価炭化水素基例えばアルキル基)であ
り、炭素数3〜30が好ましい。このフッ素化は有機基
にある全部の水素原子が置換されていても部分的に置換
されていてもよい。Rf の特に好ましいものは、一般
式:Cp 2p+1m 2m−(pは1〜20、mは2又は
3)で表される。
【0058】具体的なシラン化合物〔I〕を例示する
と、以下の通りである。 CF3 2 4 (CH3 )SiCl24 9 2 4 (CH3 )SiCl28 172 4 (CH3 )SiCl28 173 6 (CH3 )SiCl2 CF3 2 4 (C2 5 )SiCl24 9 2 4 (C2 5 )SiCl28 172 4 (C2 5 )SiCl2 CF3 2 4 (CH3 )Si(OCH3)2 4 9 2 4 (CH3 )Si(OCH3)2 8 172 4 (CH3 )Si(OCH3)2 8 173 6 (CH3 )Si(OCH3)2 CF3 2 4 (CH3 )Si(OC(CH3 )=CH
2)24 9 2 4 (CH3 )Si(OC(CH3 )=C
2)28 172 4 (CH3 )Si(OC(CH3 )=C
2)28 173 6 (CH3 )Si(OC(CH3 )=C
2)2 CF3 2 4 (CH3 )Si(OCOCH3 24 9 2 4 (CH3 )Si(OCOCH3 28 172 4 (CH3 )Si(OCOCH3 28 173 6 (CH3 )Si(OCOCH3 2
【0059】〔II〕について:この撥水剤は、一般式
(2)で表される有機ケイ素化合物である。
【0060】
【化6】
【0061】この有機ケイ素化合物は、nが2以上のシ
ラザン化合物の場合は平均組成式:RfRSi(NH)
2/2 と表すこともでき、この平均組成式において両末端
を−NH2 基としたものである。 特に前記有機基Rf が一般式(3): Cp 2p+1m 2m− …(3) で表される有機ケイ素化合物、特にnが2以上のシラザ
ン化合物が好ましい。
【0062】好ましい有機ケイ素化合物〔II〕を例示
すると、以下の通りである。 CF3 2 4 (CH3 )Si(NH)2/24 9 2 4 (CH3 )Si(NH)2/24 9 3 6 (CH3 )Si(NH)2/28 172 4 (CH3 )Si(NH)2/28 173 6 (CH3 )Si(NH)2/210213 6 (CH3 )Si(NH)2/2 これらの式において、「CF3 2 4 (CH3 )Si
(NH)2/2 」は、次の式で表現することもできる。他
の化合物も同様に表現することができる。
【0063】
【化7】 (nは正の整数で、好ましくは1〜20、特に好ましく
は3又は4である。)
【0064】これらの化合物は単独で又は混合して使用
される。また、撥水剤〔I〕と〔II〕を混合して使用
してもよい。1官能の「フッ素化された有機基を有する
有機シラン化合物」や1官能の「フッ素化された有機基
を有するシラザン化合物」を併用したり、先に本発明の
2官能で処理し、後で1官能(ヘキサメチレンジシラザ
ン)で処理してもよい。また、その逆でもよい。
【0065】更に先に本発明の2官能で処理し、後でフ
ッ素化シリコーンオイル(非反応性のもの)やフッ素系
オイル(例えば、商品名「デムナム」、商品名「フォン
ブリンオイル」)で後処理してもよい。
【0066】撥水剤〔I〕又は〔II〕又はそれらの混
合物によるレンズ基材(基材の上に衝撃吸収層やハード
コート層、反射防止膜が形成されている場合には、それ
を有する基材のこと)の撥水処理は、大きく分けて、
塗布法による場合と、真空蒸着法、CVD法その他の
真空薄膜形成技術による場合と2通りある。
【0067】塗布法では、撥水剤が液体である場合はそ
のまま塗布してもよいが、場合によっては、溶剤で0.
1〜20重量%、好ましくは1〜6重量%に希釈した溶
液を用いることが好適である。溶剤は、無水の非水系有
機溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、ペンタン等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル系溶剤、シリコーン系溶剤、好ましくは
フッ素系溶剤(例えば、メタキシレンヘキサフロライ
ド、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオ
ロエタンその他のフロン系)が使用される。
【0068】塗布法は浸漬法、ハケ塗り、スピンコート
法、スプレー塗装、流し塗りなどが用いられる。塗布
後、被塗布物(レンズ中間体)を溶剤に浸して余分な撥
水剤を除去することが好ましい。その後、室温又は加熱
下(120℃以下が好ましい)で1分〜1日乾燥させ
る。こうして撥水層が形成される。撥水の程度は、本発
明の場合、80°以上、好ましくは90°以上の接触角
(静止接触角のこと)を持つと合格と評価される。いず
れにせよ、撥水剤の分子が撥水処理の間に分解して活性
点を持ち、反射防止膜表面の活性点と結合することが好
ましい。
【0069】本発明の撥水剤を使用した場合、そのフッ
素化された有機基がレンズ基材の表面(基材の上に衝撃
吸収層やハードコート層、反射防止膜が形成されている
場合には、その表面)に対してびっしりと垂直に立って
撥水層を形成していることが好ましい。そのため、親水
性の表面は外部に露出しなくなる。
【0070】更に反射防止膜の上に撥水層を設ける場
合、反射防止理論を崩すので、撥水層は単分子膜程度の
薄いことが好ましい。あるいは、撥水層の屈折率と膜厚
を測定又は規定し、撥水層を設けたときに反射率が低下
するように、予め多層反射防止膜を設計製作しておいて
もよい。
【0071】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、以下の説明において、「部」は重
量部を意味する。
【0072】(1)レンズ基材の用意:下記に示す市販
のレンズ基材(凹レンズ/直径80mm)3種を用意し
た。 ・基材Sl :屈折率1.50(素材はCR−39の重合
物系) ・基材Sh :屈折率1.67(素材は臭素化ビスフェノ
ールAのウレタン変性ジメタクリレートの共重合物系) ・基材Shh:屈折率1.70(素材はクォーターフェニ
ル−芳香族ポリエーテルスルホン共重合物系)
【0073】(2)衝撃吸収層の形成: <コート液Pl (低屈折率用)の調製>市販の水性エマ
ルジョン形態のポリウレタン「スーパーフレックス15
0」(第一工業製薬株式会社製、固形分30重量%、無
黄変型、エーテル・エステル系)100部、純水200
部、SiO2 ゾル(固形分30重量%、平均粒子径13
nm)30重量部に、メチルトリメトキシシラン10部
を純水8部で加水分解したものを加え、混合することに
より調製する。 <コート液Ph (高屈折率用)の調製>市販の水性エマ
ルジョン形態のポリウレタン「スーパーフレックス10
0」(第一工業製薬株式会社製、固形分30重量%、無
黄変型、エーテル・エステル系)100部、純水200
部、TiO2 ゾル(固形分30重量%、平均粒子径30
nm)40部に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン8部を純水5部で加水分解したものを加え、混
合することにより調製する。 <コート液Phh(超高屈折率用)の調製>市販の水性エ
マルジョン形態のポリウレタン「スーパーフレックス1
00」(第一工業製薬株式会社製、固形分30重量%、
無黄変型、エーテル・エステル系)100部、純水20
0部、TiO2 ゾル(固形分30重量%、平均粒子径3
0nm)60部に、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン8部を純水5部で加水分解したものを加え、
混合することにより調製する。 <塗布>前処理としてプラズマ処理を行ったレンズ基材
にスピンコ−ト法(回転速度1000rpm、5秒)に
て塗布し、その後、80℃で30分間加熱処理して塗布
層を硬化させ、レンズ基材上に厚さ1.2μmの衝撃吸
収層を形成する。層の屈折率は、コート液がPl の場
合、1.49で、Ph の場合、1.67で、Phhの場
合、1.70である。
【0074】(3)ハードコート層の形成: <予備組成物Aの調製>回転子を備えた反応容器中にγ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン248
部を入れ、マグネチックスタ−ラ−を用いて激しく撹拌
しながら、0.05規定塩酸水溶液36部を一度に添加
し、1時間撹拌し、加水分解物を得る。
【0075】得られた加水分解物に、エタノ−ル56.
6部及びエチレングリコ−ル53.4部を添加した後、
アルミニウムアセチルアセテ−ト4.7部を加え、十分
に混合溶解させて、予備組成物Aを調製する。
【0076】<予備組成物Bの調製>回転子を備えた反
応容器中に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン212.4部を入れ、容器内の温度を10℃に保
ち、マグネチックスタ−ラ−を用いて激しく撹拌しなが
ら、0.01規定塩酸水溶液48.6部を徐々に滴下す
る。滴下終了後は直ちに冷却を止め、液状の加水分解物
を得る。
【0077】得られた加水分解物にエタノ−ル77.1
部及びエチレングリコ−ル37.7部を添加した後、ア
ルミニウムアセチルアセテ−ト7.65部を加え、十分
に混合させて、予備組成物Bを調製する。
【0078】<コート液Hl (低屈折率用)の調製>ガ
ラス容器に、前記予備組成物Aを20部、予備組成物B
を80部、SiO2ゾル(固形分30重量%、平均粒子
径13nm)200部、シリコ−ン系界面活性剤0.4
5部を十分に撹拌混合し、コート液Hl を調製する。 <コート液Hh (高屈折率用)の調製>ガラス容器に、
前記予備組成物Bを100部、TiO2 ゾル(固形分3
0重量%、平均粒子径30nm)220部、シリコ−ン
系界面活性剤0.55部を十分に撹拌混合し、コート液
Hh を調製する。 <コート液Hhh(超高屈折率用)の調製>ガラス容器
に、前記予備組成物Bを100部、TiO2 ゾル(固形
分30重量%、平均粒子径30nm)300部、シリコ
−ン系界面活性剤0.55部を十分に撹拌混合し、コー
ト液Hhhを調製する。 <塗布>密着性の向上を目的として、被塗布物(レンズ
中間体)を60℃の10%NaOH水溶液に3分間浸漬
し、その後、水洗し、乾燥する。
【0079】乾燥した被塗布物を縦に立ててコート液に
浸した後、引き上げ速度90mm/minの速度で引き
上げる。引き上げた被塗布物について100℃で4時間
の加熱処理をしてコート液を硬化させる。これにより
2.2μmの膜厚を有するハ−ドコ−ト層が形成され
る。層の屈折率は、コート液がHl の場合、1.50
で、Hh の場合、1.67で、Hhhの場合、1.70で
ある。
【0080】(4)反射防止膜の形成:レンズ中間体の
両面に真空蒸着法により多層反射防止膜を形成した。反
射防止層の構造は次の通りである。 <Al (低屈折率基材Sl 用・5層構造)>(反射率1.5%) 空気側/SiO2 850Å/ZrO2 600Å/SiO2 200Å /ZrO2 300Å/SiO2 200Å/基材側 <Ah (高屈折率基材Sh 用・5層構造)>(反射率1.5%) 空気側/SiO2 850Å/TiO2 1100Å/SiO2 350Å /TiO2 150Å/SiO2 250Å/基材側 <Ahh(超高折率基材Shh用・5層構造)>(反射率1.5%) 高屈折率基材Sh 用と同じ。
【0081】(5)撥水層の形成: <前処理・・・・プラズマ処理>撥水層の密着性、耐久
性を高めるため、最上層のSiO2 層を親水性(水との
接触角10°以下)にしておくことが好ましい。ここで
は、プラズマ処理(0.2torr./50sccm/
200W/40sec)により、処理前に50〜60°
程度あった接触角を0°にしておく。
【0082】<撥水層の形成(塗布法)>まず、撥水剤
として下記の4種を用意し、下記溶剤で5重量%に希釈
する。 〔Ia 〕 :C8 173 6 (CH3 )SiCl2 (溶剤:メタキシレンヘキサフロライド) 〔Ib 〕 :C4 9 2 4 (CH3 )Si(OCH3 2 (溶剤:アセトン(触媒として濃硫酸0.1%、部分加水分解用 純水0.25%を含む) 〔IIa 〕:C8 172 4 (CH3 )Si(NH)2/2 (式(2)において、n=4で末端はNH2 基) (溶剤:メタキシレンヘキサフロライド) 〔IIb 〕:C8 173 6 (CH3 )Si(NH)2/2 (式(2)において、n=4で末端はNH2 基) (溶剤:メタキシレンヘキサフロライド)
【0083】次に被塗布物(レンズ中間体)を縦に立て
て上記撥水剤に浸し、引き上げ速度1mm/secの速
度で引き上げる。引き上げた被塗布物について60℃で
20分乾燥させる。まだ、ベタベタ感が残っているの
で、その後、メタキシレンヘキサフルオライドで洗浄す
る。こうして撥水層が形成され、本発明のレンズ(サン
プル)が仕上がる。比較のため、撥水層を設けない比較
レンズ(サンプル)も用意する。
【0084】<撥水層の形成(蒸着法)>まず、撥水剤
として下記の2種を用意し、下記溶剤で5重量%に希釈
する。 〔IIa2〕:C8 172 4 (CH3 )Si(NH)2/2 (溶剤:メタキシレンヘキサフロライド) 〔IIb2〕:C8 173 6 (CH3 )Si(NH)2/2 (溶剤:メタキシレンヘキサフロライド)
【0085】蒸発源として、外径が18mm、高さが7
mm、厚さが0.2mmの銅製の容器にスチールウール
(#0000)を高さ5mm分充填し、そこに、上記の
希釈された撥水剤をピペットによって1.2ml注入す
る。次に80℃に熱したホットプレートにそれを載せ、
換気しながら約20分加熱し、希釈溶剤であるメタキシ
レンヘキサフロライドを完全に蒸発させ、有効成分のみ
を残し、撥水層形成用蒸発源とした。これを真空蒸着装
置のチャンバー内の電子銃のハースライナーにセットす
る。
【0086】他方、被塗布物(レンズ中間体)を、チャ
ンバー内の基板ホルダーにセットする。チャンバー内を
一旦1×10-5Paまで真空に排気した後、電子銃条件
AMPLITUDE =10.0、EMISSION電流値=5mAで3分
間の蒸発源を加熱し、撥水層を形成する。これにより本
発明のレンズ(サンプル)が仕上がる。比較のため、撥
水層を設けない比較レンズ(サンプル)も用意する。
【0087】(6)水との接触角(撥水性)の測定: 耐久試験前:撥水層を設けた後、下記耐久試験の前
に、協和界面科学株式会社製の接触角計CZ−X150
を用いてサンプルの静止接触角を測定する。 耐拭き(耐久試験1):アセトンを含ませたレンズペ
ーパーでサンプルを50往復擦り、その後、前項と同
様に静止接触角を測定する。 耐アルカリ(耐久試験2):pH11の水酸化ナトリ
ウム水溶液にサンプルを1時間浸漬した後、前項と同
様に静止接触角を測定する。
【0088】(7)水ヤケの有無:サンプルを市販の玉
摺機で所定の玉型に合わせてカットした。2〜3時間放
置後、メタノールを湿した布で表面をきれいに拭いた。
その後、息を吹きかけて、水跡が浮き出て見えるか否か
を判定する。見えなければ、「なし」で合格○、見えれ
ば、「あり」で不合格×である。以上の結果を表1〜4
に示す。
【0089】
【表1】 (X1は比較例,○:なし・×:あり)
【0090】
【表2】 (X2は比較例,○:なし・×:あり)
【0091】
【表3】 (X3は比較例,○:なし・×:あり)
【0092】
【表4】 (○:なし・×:あり)
【0093】(8)滑り性:サンプルの表面に爪を立て
て引っ掻いたところ、本発明の実施例のものは、いずれ
も滑りが良好であったが、従来技術(3官能)で撥水処
理したものは、やや悪かった。また、撥水層を設けない
比較例は滑りが悪かった。
【0094】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、撥水剤と
しては2官能のものを使用するので、3官能(従来技
術)に比べて撥水剤のポットライフが長く、それでいて
0官能又は1官能のものに比べて撥水性の耐久性があ
る。また、3官能(従来技術)に比べて、表面の滑り性
が良好である。
【0095】本発明では、レンズ表面で撥水剤を硬化さ
せることがないため、硬化に伴う収縮歪みが生じない。
従って、本発明のレンズは、特に面精度が微妙である非
球面レンズの場合に好適である。本発明のレンズは、レ
ンズに息を吹きかけても、玉摺作業のときのパッド跡が
白く浮き出て来ないので、商品価値が高い。
【0096】そのほか、本発明のレンズは、ホコリが付
着せず、外観がきれいで、高級感がある。従って、本発
明のレンズは、ツーポイントメガネ用レンズの場合に好
適である。但し、撥水層は硬化物(3官能=従来技術)
ではないので、「撥水層を設けないもの」と比べて、傷
がつき難い効果はないが、滑り性は良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/18 104 C09K 3/18 104 G02C 7/02 G02C 7/02 (72)発明者 川村 裕子 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 浅井 光雄 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 上原 仁 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 青木 智則 茨城県取手市白山7丁目5番16号 株式会 社オプトロン内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ基材を下記〔I〕又は〔II〕か
    らなる撥水剤で処理することによって、非硬化物質から
    なり、水との接触角が80°以上の撥水層を形成したこ
    とを特徴とする撥水処理されたレンズ。 〔I〕一般式(1): 【化1】 (式中、Rは置換又は非置換の1価炭化水素基、Xはケ
    イ素原子に直結する加水分解性基又は水酸基、Rf はフ
    ッ素化された有機基である。)で表される2官能有機シ
    ラン化合物又はその部分加水分解物 〔II〕一般式(2): 【化2】 (式中、Rf はフッ素化された有機基であり、Rは置換
    又は非置換の1価炭化水素基であり、nは正の整数であ
    る。)で表される有機ケイ素化合物
  2. 【請求項2】 前記撥水剤が〔I〕であって、前記X
    が、ハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基若
    しくはアシロキシ基であることを特徴とする請求項1記
    載のレンズ。
  3. 【請求項3】 前記撥水剤が〔II〕であって、前記有
    機基Rfが一般式(3): Cp 2p+1m 2m− …(3) (式中、pは4以上の整数、mは2又は3である。)で
    表わされる有機ケイ素化合物であることを特徴とする請
    求項1記載のレンズ。
  4. 【請求項4】 前記撥水剤が〔II〕であって、前記有
    機基Rfが化学式:C8 172 4 −又はC8 17
    3 6 −で表され、前記炭化水素基Rが化学式:CH3
    −で表され、前記nが1〜10であることを特徴とする
    請求項1記載のレンズ。
  5. 【請求項5】 前記レンズ基材と前記撥水層との間に反
    射防止膜を有することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載のレンズ。
  6. 【請求項6】 前記反射防止膜が少なくとも最上層に酸
    化ケイ素系の無機物質層を有することを特徴とする請求
    項5記載のレンズ。
  7. 【請求項7】 前記レンズ基材と前記撥水層又は前記反
    射防止膜との間に、ハードコート層を有することを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のレンズ。
  8. 【請求項8】 前記レンズ基材と前記ハードコート層と
    の間に衝撃吸収層を有することを特徴とする請求項7記
    載のレンズ。
  9. 【請求項9】 前記レンズ基材と前記ハードコート層と
    の屈折率差がゼロ又は0.05以下であることを特徴と
    する請求項7記載のレンズ。
  10. 【請求項10】 前記レンズ基材と前記衝撃吸収層との
    屈折率差がゼロ又は0.05以下であることを特徴とす
    る請求項8記載のレンズ。
  11. 【請求項11】 前記ハードコート層が、下記一般式
    (4)で示される少なくとも一種の有機シラン化合物及
    び/又はその部分加水分解物の硬化物からなることを特
    徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のレン
    ズ。 R1 a Si(OR2 4-a …(4) (式中、R1 はアルキル基、アルケニル基若しくはアリ
    ール基又はハロゲン原子、アミノ基、メルカプト基、
    (メタ)アクリロキシ基、シアノ基、グリシジル基、グ
    リシドキシ基、メルカプト基若しくはエポキシ基で置換
    された1価炭化水素基であり、炭素原子によってSiに
    結合しており、R2 は炭素数が1〜8のアルキル基、ア
    リルアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル
    基、アリール基又はアシル基であり、aは0又は1であ
    る。)
  12. 【請求項12】 前記シラン化合物がグリシジル基、グ
    リシドキシ基又はエポキシ基を有することを特徴とする
    請求項11記載のレンズ。
  13. 【請求項13】 前記ハードコート層が1〜200nm
    の無機微粒子を含有することを特徴とする請求項11又
    は12記載のレンズ。
  14. 【請求項14】 前記衝撃吸収層が1〜200nmの無
    機微粒子を含有することを特徴とする請求項8又は10
    記載のレンズ。
  15. 【請求項15】 前記レンズ基材の屈折率が1.56以
    下と低い場合には、前記無機微粒子が酸化ケイ素である
    ことを特徴とする請求項13又は14記載のレンズ。
  16. 【請求項16】 前記レンズ基材の屈折率が1.56以
    上と高い場合には、前記無機微粒子が、亜鉛、アルミニ
    ウム、アンチモン、イットリウム、イッテルビウム、イ
    リジウム、インジウム、エルビウム、オスミウム、カド
    ミウム、ガドリニウム、ガリウム、金、銀、クロム、ゲ
    ルマニウム、コバルト、サマリウム、ジスプロシウム、
    ジルコニウム、水銀、スカンジウム、錫、ストロンチウ
    ム、セシウム、セリウム、タリウム、タングステン、タ
    ンタル、チタン、ツリウム、テクネチウム、鉄、テルビ
    ウム、テルル、銅、トリウム、鉛、ニオブ、ニッケル、
    ネオジム、白金、バナジウム、ハフニウム、パラジウ
    ム、バリウム、ビスマス、モリブデン若しくはランタン
    から選択された金属、その金属の合金、その金属の化合
    物、同酸化物、同塩化物又は同両性化合物であることを
    特徴とする請求項11又は12記載のレンズ。
  17. 【請求項17】 前記撥水層が上面から見て部分的に形
    成されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれ
    か1項に記載のレンズ。
  18. 【請求項18】 前記レンズ基材がプラスチックで構成
    されていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか
    1項に記載のレンズ。
  19. 【請求項19】 前記レンズ基材が1.6以上の屈折率
    を有することを特徴とする請求項1〜14又は16〜1
    8のいずれか1項に記載のレンズ。
  20. 【請求項20】 前記レンズ基材が1.7以上の屈折率
    を有することを特徴とする請求項19記載のレンズ。
  21. 【請求項21】 前記反射防止膜の反射率が2%以下で
    あることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に
    記載のレンズ。
  22. 【請求項22】 前記レンズ基材が非球面レンズである
    ことを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載
    のレンズ。
  23. 【請求項23】 ツーポイントメガネ用であることを特
    徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載のレン
    ズ。
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