JPH095679A - 眼鏡用プラスチックレンズ - Google Patents

眼鏡用プラスチックレンズ

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Publication number
JPH095679A
JPH095679A JP7148595A JP14859595A JPH095679A JP H095679 A JPH095679 A JP H095679A JP 7148595 A JP7148595 A JP 7148595A JP 14859595 A JP14859595 A JP 14859595A JP H095679 A JPH095679 A JP H095679A
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JP
Japan
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sol
lens
plastic lens
refractive index
oxide
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7148595A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Miura
義広 三浦
Kazuya Taki
和也 瀧
Ken Miyazaki
謙 宮崎
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Publication of JPH095679A publication Critical patent/JPH095679A/ja
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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 眼鏡用レンズとして一般に用いられているア
リルジグリコールカーボネート(以下ADCと略す)よ
り屈折率が高く、低分散、低比重であり、リムなしフレ
ーム用の穴あけ加工性(以下ツーポイント加工性と記
す)、耐衝撃性に優れ、かつ、実用的な観点から耐熱性
に優れる新しい中屈折率プラスチックレンズを提供す
る。 【構成】 ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソ
シアネート、および、3価以上のポリチオールを主成分
とし、これらを重合して得られるポリウレタン系樹脂を
用いた眼鏡用プラスチックレンズであって、屈折率が
1.550〜1.570であり、アッベ数が43以上、
比重が1.24以下、Tgが110℃以上、レンズ中心
部の厚み1.0mmにおいて、耐衝撃エネルギー値がF
DA規格値0.2Jの15倍以上の物性を示す中屈折率
眼鏡用プラスチックレンズと、その表面の有機ケイ素系
ハードコート並びに多層反射防止膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、眼鏡用プラスチック
レンズに関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、眼鏡用レンズとして一般に用いられているアリルジ
グリコールカーボネート(以下ADCと略す)より屈折
率が高く、低分散、低比重であり、リムなしフレーム用
の穴あけ加工性(以下ツーポイント加工性と記す)、耐
衝撃性に優れ、かつ、実用的な観点から耐熱性に優れ
る、新しい中屈折率プラスチックレンズに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズはガラスに比べると
軽量で割れにくく、染色が容易なため、近年、眼鏡レン
ズ等のレンズ材料として使用されている。従来、このよ
うなプラスチック製眼鏡用レンズとしては、ADCが一
般に用いられている。しかし、このレンズは、屈折率が
約1.50であり、ガラスレンズの屈折率約1.52〜
1.80に比べ低いことから、近視用レンズの場合、縁
の厚さが厚くなり、老視用レンズでは中心部が厚くなる
という欠点があり、装用者から嫌われる主因となってい
る。
【0003】また、プラスチック製眼鏡レンズは通常、
耐擦傷性を向上するために有機ケイ素やエポキシ樹脂な
どのハードコート層を設け、更に、反射防止のため、無
機物質を真空蒸着が行われているが、これらの層は硬い
反面、非常に脆いので、これらのコーティングを施すと
レンズ本体より耐衝撃性が低下するという問題があっ
た。
【0004】そこで、一方では、ADCより屈折率の高
いプラスチックレンズを得るためのモノマーの開発や耐
衝撃性向上の研究が進められ、現在では、種々の中屈折
率レンズが提案され、すでに実施されてもいる。しかし
ながら、これらの中屈折率眼鏡用プラスチックレンズは
比重がADCに比べ1.27と軽いものの、色収差を示
すアッベ数が40程度と低く、耐衝撃性も満足できるも
のではない。また、現在流行しているリムなしフレーム
に必要なツーポイント加工時に割れ易いという問題も抱
えており、改善が望まれている。
【0005】他方、耐衝撃性の面ではウレタン樹脂が優
れていることが知られており、高屈折率眼鏡用レンズと
して製品化されているが、ハードコートや反射防止膜の
耐クラック性の点から耐熱性の面で問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
以上の通りの従来技術の欠点を克服し、眼鏡用レンズと
して屈折率がADCより高く、低分散、低比重であり、
耐衝撃性、ツーポイント加工性に優れ、かつ、ハードコ
ートや反射防止膜の耐クラック性等の実用的な観点から
耐熱性に優れるバランスのとれた中屈折率プラスチック
レンズを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、ジシクロヘキシルメタン−4,
4′−ジイソシアネートと3価以上のポリチオールを主
成分とし、これらを重合して得られるポリウレタン系樹
脂を用いた眼鏡用プラスチックレンズであって、屈折率
が1.550〜1.570であり、アッベ数が43以
上、比重が1.24以下、Tgが110℃以上、耐衝撃
エネルギー値が中心部厚みが1.0mmに於いてFDA
規格値0.2Jの15倍以上の物性値を示すことを特徴
とする中屈折率眼鏡用プラスチックレンズを提供する。
【0008】また、この発明は、上記のプラスチックレ
ンズの表面に、 有機ケイ素化合物又はその加水分解物と、コロイド状
に分散した酸化ケイ素ゾル、五酸化あるいは三酸化アン
チモンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタンゾル、
酸化スズゾル、酸化タンタルゾル、酸化タングステンゾ
ル、酸化アルミニウムゾル、酸化チタンと酸化セリウム
の複合ゾル、酸化チタンと鉄の複合ゾル、及びまたは酸
化スズと酸化タングステンの複合ゾル、および酸化スズ
と酸化タングステンの複合ゾルで酸化スズゾルを被覆し
たゾルの少くとも1種以上のゾルとからの有機ケイ素系
ハードコーティング膜と、 このコーティング組成物上に、SiO2 およびZrO
2 、または、SiO2およびTiO2 を含む多層反射防
止膜とを設けてなる中屈折率眼鏡レンズを提供する。
【0009】
【作用】すなわち、この発明は、2価以上のポリイソシ
アネートと硫黄原子を配して屈折率を高めた3価以上の
ポリチオールを主成分とするウレタン系樹脂を使用し、
該樹脂の配合成分、配合割合を検討した結果、ポリイソ
シアネートとしてジシクロヘキシルメタン−4,4′−
ジイソシアネートを用いる事で屈折率が1.550〜
1.570でありながら、アッベ数が43以上、比重が
1.24以下、Tgが110℃以上、耐衝撃エネルギー
値が中心部厚みが1.0mmに於いてFDA規格値0.
2Jの15倍以上という、低分散、低比重でありなが
ら、耐衝撃性、ツーポイント加工性に優れ、かつ、耐熱
性、耐クラック性に優れる中屈折率プラスチックレンズ
が得られるとの知見に基づいてなされている。
【0010】さらに詳しく説明すると、この発明におい
ては、プラスチックレンズの基体は、ジシクロヘキシル
メタン−4,4′−ジイソシアネートと3価以上のポリ
チオールを主成分として重合により得られるポリウレタ
ン樹脂からなるものであるが、この重合反応を実施する
場合には、前記のポリイソシアネートと、ポリチオール
またはポリチオールとポリオールの混合液を、−NCO
基/−SH基または−SH,−OH基の和が0.5〜
1.5の比率、好ましくは1.0の比率となるように混
合する。この範囲を外れると、屈折率や加工性等、レン
ズとして望ましい物性が悪化する傾向が見られる。
【0011】上記重合は、好ましくは重合開始剤の存在
で行う。重合開始剤としては、例えばジブチル錫ジアセ
テート、ジブチル錫ジ−2−エチルヘキソエート、ジブ
チル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチ
ル錫ジクロライド等の有機錫化合物、メチルアミン、エ
チルアミン、t−ブチルアミン、メチルエチルアミン、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエ
タノール−p−トルイジン、ジメチル−p−トルイジ
ン、ジフェニルアミン、o−ニトロアミン、p−ブロモ
アニリン、2,4,6−トリブロモアニリン等のアミン
化合物等を使用することができる。
【0012】また、この発明においては、さらに離型剤
をモノマー混合物に添加してもよい。使用しうる離型剤
は、鉱油系離型剤、リン酸エステル系離型剤、脂肪酸ア
ルキルエステル系離型剤、有機酸のグリセリドと合成樹
脂とを複合させた縮合体離型剤等のうちいずれか1種で
ある。この離型剤の使用量は、モノマー混合物中に通常
10〜5000ppm、好ましくは500〜2000p
pmの濃度とする。
【0013】上記のような成分の他、原料混合物に紫外
線吸収剤、酸化防止剤等を添加してもよい。重合方法と
しては、通常注型重合方法が用いられ、上記のような各
種成分を均一に混合し、脱気した後、ガラス製または金
属製の鋳型中に注入し、重合反応を適切な温度で行う。
本発明においては、重合を低温で行うことができる。重
合温度は、使用するモノマーの組み合わせや他の状況に
よって変動するが、通常−10℃〜150℃で行うのが
好ましい。特に、中心厚の厚いレンズを製造する場合に
は、厚い部分における熱の発散が悪いので、歪の原因と
なるので、このような場合には、冷却しながら重合を行
うのが好ましい。
【0014】反応時間は、使用するモノマーや開始剤、
重合温度等によって一義的には決定できないが、通常5
〜50時間、好ましくは10〜25時間である。また、
この発明において、前記プラスチックレンズ表面に設け
るハードコートに用いられる成分の具体例を示すと以下
の通りである。まず、有機ケイ素化合物としては、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、アミノメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
などの各種トリアルコキシシラン、トリアシロキシシラ
ンあるいはトリアルコキシアルコキシシラン化合物など
が挙げられる。
【0015】前記有機ケイ素化合物は、1種で使用して
もよいが、目的に応じて2種以上を混合して使用しても
よい。これらの有機ケイ素化合物は、そのまま使用して
もよいが、反応速度を増し、硬化温度を下げる目的で加
水分解物として使用することが望ましい。2〜4官能の
化合物の中で同一官能数の化合物を2種以上を併用する
場合、或いは異なる官能数の化合物を2種以上を併用す
る場合、加水分解後に併用してもよいし、加水分解前に
併用して共に加水分解を行なってもよい。加水分解によ
りアルコールが遊離され、相当するシラノールになる。
シラノールは、速やかに脱水縮合が進み、オリゴマーに
なる。したがって、この反応が十分に進むように、加水
分解後、1〜24時間放置(養生)させてもよい。
【0016】次にコロイド状に分散したゾルについて
は、酸化ケイ素ゾル、五酸化あるいは三酸化アンチモン
ゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタンゾル、酸化ス
ズゾル、酸化タンタルゾル、酸化タングステンゾル、酸
化アルミニウムゾル、酸化チタンと酸化セリウムの複合
ゾル、酸化チタンと鉄の複合ゾル、酸化スズと酸化タン
グステンの複合ゾル、酸化スズと酸化タングステンの複
合ゾルで酸化スズゾルを被覆したゾルが挙げられる。
【0017】これらのゾルの粒子径は1〜200mμ、
特に5〜100mμのものが好ましい。これより小さい
と製造が困難であり、ゾル自身の安定性も悪く、かつ効
果も小さい。他方、これより大きいと、コーティング組
成物の安定性、塗膜の透明性、平滑性などが低下する。
これらのゾルは各々公知であり、一部市販品として入手
可能である。
【0018】ゾルは水、有機溶媒または両者の混合溶媒
に分散させたコロイド溶液であり、適当なアルカリ、特
に有機アミンを添加して安定化させたり、各種有機酸を
用いて安定化させたり、あるいは界面活性剤によって安
定化させたものを用いることができる。これらのゾルは
単独で用いてもあるいは2種類以上の混合物として用い
てもよい。
【0019】さらに硬化触媒を用いてもよい。これは、
有機ケイ素化合物を重合させて3次元網目構造の塗膜を
形成させる上で時間を短縮させるために、必要に応じ、
使用されるもの(但し、コーティング組成物の安定性を
損なうものは好ましくない)であり、アルミニウムアセ
チルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセ
テートなどのアルミニウムキレート化合物が好ましい。
【0020】コーティングのための組成物の調製には溶
媒を用いてもよい。この溶媒は、コーティング組成物を
液状にするため或いは粘度を低くするために、必要に応
じ使用される。例えば、水、低級アルコール、アセト
ン、エーテル、ケトン、エステルなどが使用される。ハ
ードコーティング組成物においては、有機ケイ素化合物
の100重量部(固形分)当たり、コロイド状に分散し
たゾルを10〜400重量部(固形分)好ましくは50
〜250重量部(固形分)使用し、有機ケイ素化合物と
ゾルの合計100重量部(固形分)当たり、触媒を0.
00001〜20重量部使用することが適当である。
【0021】溶媒は、組成物の粘度に応じて適当量使用
される。さらに必要に応じて例えば、塗布された側の基
材(成形物)との接着性改良、耐候性向上などを目的と
して、或いはコーティング組成物の安定性を向上させる
目的で各種添加剤を併用してもよい。塗布時におけるフ
ローを向上させ、塗膜の平滑性を向上させて塗膜表面の
摩擦係数を低下させる目的で、各種の界面活性剤をコー
ティング組成物に併用することも可能であり、とくにジ
メチルシロキサンとアルキレンオキシドとのブロックま
たはグラフト共重合体、さらにはフッ素系界面活性剤な
どが有効である。
【0022】塗布手段は、刷毛塗り、浸漬、ロール塗
り、スプレー塗装、流し塗りなど通常の塗装法を用いる
ことができる。そして、この発明のコーティング用組成
物は、塗布した後、多くの場合、加熱処理することによ
り硬化させて硬質塗膜を得る。加熱温度は約50〜20
0℃好ましくは80〜140℃で十分な効果が得られ
る。
【0023】塗膜の厚さは、一般に乾燥後で0.3〜3
0μ好ましくは0.5〜10μもあれば充分である。ハ
ードコーティング上に設ける反射防止膜は、低屈折率膜
と高屈折率膜を交互に積層させるもので、例えば、この
時の高屈折率層としてZrO2 、またはTiO2 、低屈
折率層としてSiO2 を用いたものが挙げられる。
【0024】以上の反射防止膜を製膜するに当たっては
一般に真空蒸着法を用いることができるほか、上記の物
質の焼結体を用いたスパッタリング法や、イオンプレー
ティング法等の方法も用いることができる。以下、実施
例により具体的に説明するが、この発明はこれに限られ
るものではない。
【0025】
【実施例】実施例1 レンズの作製 ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート
100重量部と、ペンタエリスリトールテトラキス(3
−メルカプトプロピオネート)93重量部と、離型剤と
してリン酸ジ−n−ブチル0.3重量部と、重合開始剤
としてジブチル錫ジクロライド0.4重量部と、紫外線
吸収剤として2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オク
チルフェニル)ベンゾトリアゾール0.2重量部とを混
合し、1×10-1Torrの真空下で冷却しながら60
分間脱気を行った。
【0026】次に、ガラス製のレンズ成形用型と合成樹
脂製ガスケットを組み合わせて成形用鋳型を作製し、前
記混合物を注入した。20℃から130℃まで20時間
かけて連続的に昇温し、130℃で3時間保持して重合
を行った。重合終了後ガスケットを外し、レンズ成形用
型からレンズ取り出し、140℃で1時間加熱処理を行
いレンズを得た。得られたレンズの物性を次の表1に示
す。
【0027】
【表1】
【0028】ハードコート膜の作製 1)予備組成物Aの調整:γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン248重量部に0.05規定塩酸
水溶液36重量部を一度に添加し、加水分解物を得た。
得られた加水分解物に、エタノール56.6重量部及び
エチレングリコール53.4重量部を添加した後、アル
ミニウムアセチルアセトネート4.7重量部を加え、十
分に混合溶解させて、予備組成物Aを調整した。 2)予備組成物Bの調製:γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン212.4重量部に0.01規定塩酸
水溶液48.6重量部を添加し、加水分解物を得た。
【0029】得られた加水分解物に、エタノール77.
1重量部及びエチレングリコール37.7重量部を添加
した後、アルミニウムアセチルアセトネート7.65重
量部を加え、十分に混合溶解させて、予備組成物Bを調
整した。 3)コーティング組成物の調製:前記1、2で調整した
予備組成物Aを20重量部、Bを80重量部(固形分割
合ではない)を秤量して注ぎいれ、そこへ市販の酸化ケ
イ素ゾルを150重量部(固形分ではない)、シリコー
ン系界面活性剤を0.45重量部添加し、十分に攪拌混
合することにより、均一で無色透明な溶液状のコーティ
ング組成物を調製した。 4)塗布:前記レンズ上に浸漬法(引上げ速度10cm
/分)で上記コーティング組成物を塗布し、100℃で
2時間加熱処理して、塗膜を硬化させ、ハードコート層
を形成した。 多層膜反射防止膜の作製 市販の真空蒸着装置を使用して真空蒸着法により多層膜
反射防止コートを形成した。
【0030】前記の方法で作製した有機ケイ素系ハード
コーティングを施したポリウレタンレンズを真空槽内に
入れ、約80℃に加熱しながら排気を行い、1×10-5
Torrまで排気した。電子ビーム加熱法により蒸着原
料を蒸着させた。反射防止膜の構成を次の表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】λは設計の中心波長で520nm 以上のようにして作製したレンズをオーブンで5分加熱
し、室温に30分放置後、クラックを評価した。加熱は
10℃置き。評価の結果、クラックが確認できる温度を
クラック発生温度とした。上記ハードコート、反射防止
膜付きレンズのクラック発生温度は130℃であった。
また、ツーポイント加工を行ったが、欠け、割れ等の破
損の問題は全く無かった。
【0033】実施例2 レンズの作製 ジシクロヘキシルメタン−4,4′ ジイソシアネート
100重量部と、4−メルカプトメチル−3,6−ジチ
ア1,8−オクタンジチオール45重量部と、ペンタエ
リスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネー
ト)35重量部と、離型剤としてリン酸ジ−n−ブチル
0.4重量部と、重合開始剤としてジメチル錫ジクロラ
イド0.4重量部と、N,N−ジメチルシクロヘキシル
アミン0.1重量部、紫外線吸収剤として2−(2′−
ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール0.2重量部とを混合し、1×10-1Torr
の真空下で冷却しながら60分間脱気を行った。
【0034】次に、ガラス製のレンズ成形用型と合成樹
脂製ガスケットを組み合わせて成形用鋳型を作製し、前
記混合物を注入した。25℃から130℃まで20時間
かけて連続的に昇温し、130°Cで3時間保持して重
合を行った。重合終了後ガスケットを外し、レンズ成形
用型からレンズ取り出して、140℃で2時間加熱処理
を行いレンズを得た。
【0035】得られたレンズの物性を次の表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】ハードコート膜の作製 実施例1のコーティング組成物の二酸化ケイ素ゾルに代
えて、五酸化アンチモンゾルを用いてコーティング組成
物を作成、塗布して、有機ケイ素系コーティング層を形
成した。 多層膜反射防止膜の作製 市販の真空蒸着装置を使用して真空蒸着法により多層膜
反射防止コートを形成した。
【0038】前記の方法で作製した有機ケイ素系コーテ
ィングを施したポリウレタンレンズを真空槽内に入れ、
約80℃に加熱しながら排気を行い、1×10-5Tor
rまで排気した。電子ビーム加熱法により蒸着原料を蒸
着させた。反射防止膜の構成を次の表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】λは設計の中心波長で530nm得られた
ハードコート、反射防止膜付きレンズのクラック発生温
度は130℃であった。また、ツーポイント加工を行っ
たが、欠け、割れ等の破損の問題は全く無かった。比較例1 レンズの作製 ADC30重量部と、ジアリルイソフタレート50重量
部と、ベンジルメタクリレート20重量部と、重合開始
剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート3重
量部と、紫外線吸収剤として2−(2′−ヒドロキシ−
5′t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール0.2
重量部とを混合し、1×10-1Torrの真空下で10
分間脱気を行った。
【0041】次に、ガラス製のレンズ成形用型と合成樹
脂製ガスケットを組み合わせて成形用鋳型を作製し、前
記混合物を注入した。40℃から90℃まで20時間か
けて連続的に昇温し、90℃で2時間保持して重合を行
った。重合終了後ガスケットを外し、レンズ成形用型か
らレンズ取り出して、120℃で1時間加熱処理を行い
レンズを得た。
【0042】得られたレンズの物性を次の表5に示す。
【0043】
【表5】
【0044】ハードコート膜の作製 実施例1と同じ方法で作製した。 多層膜反射防止膜の作製 実施例1と同じ方法で作製した。得られたハードコー
ト、反射防止膜付きレンズのクラック発生温度は100
℃と低く、ツーポイント加工の際もレンズが欠けてしま
った。
【0045】比較例2 レンズの作製 キシリレンジイソシアネート100重量部と、ペンタエ
リスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネー
ト)130重量部と、離型剤としてリン酸ジ−n−ブチ
ル0.4重量部と、重合開始剤としてジメチル錫ジクロ
ライド0.02重量部、紫外線吸収剤として2−(2′
−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾト
リアゾール0.2重量部とを混合し、1×10-1Tor
rの真空下で冷却しながら60分間脱気を行った。
【0046】次に、ガラス製のレンズ成形用型と合成樹
脂製ガスケットを組み合わせて成形用鋳型を作製し、前
記混合物を注入した。25℃から130℃まで20時間
かけて連続的に昇温し、120℃で2時間保持して重合
を行った。重合終了後ガスケットを外し、レンズ成形用
型からレンズ取り出して、120℃で2時間加熱処理を
行いレンズを得た。
【0047】得られたレンズの物性を次の表6に示す。
【0048】
【表6】 ハードコート膜の作製 実施例2と同じ方法で作製した。 多層膜反射防止膜の作製 実施例2と同じ方法で作製した。
【0049】得られたハードコート、反射防止膜付きレ
ンズにツーポイント加工を行ったところ、欠け、割れ等
破損の問題は全く無かったが、クラック発生温度は90
℃と低く、クラックの程度も悪いものであった。
【0050】
【発明の効果】この発明のプラスチックレンズはアッベ
数、耐衝撃性に優位性がみられ、ツーポイント加工性も
良く、屈折率1.55以上を保ちながら比重も1.23
と比較的軽いものになっている。更に、耐熱性が高く、
ハードコートや反射防止膜の耐クラック性が良い実用価
値の高い眼鏡用プラスチックレンズを得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 75:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジ
    イソシアネート3価以上のポリチオールを主成分とし、
    これらを重合して得られるポリウレタン系樹脂を用いた
    眼鏡用プラスチックレンズであって、屈折率が1.55
    0〜1.570であり、アッベ数が43以上、比重が
    1.24以下、Tgが110℃以上、耐衝撃エネルギー
    値が中心部厚みが1.0mmに於いてFDA規格値0.
    2Jの15倍以上の物性値を示すことを特徴とする中屈
    折率眼鏡用プラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】 請求項1のプラスチックレンズ表面に、 有機ケイ素化合物又はその加水分解物と、コロイド状
    に分散した酸化ケイ素ゾル、五酸化あるいは三酸化アン
    チモンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタンゾル、
    酸化スズゾル、酸化タンタルゾル、酸化タングステンゾ
    ル、酸化アルミニウムゾル、酸化チタンと酸化セリウム
    の複合ゾル、酸化チタンと鉄の複合ゾル、及びまたは酸
    化スズと酸化タングステンの複合ゾル、および酸化スズ
    と酸化タングステンの複合ゾルで酸化スズゾルを被覆し
    たゾルの少くとも1種以上のゾルとからの有機ケイ素系
    ハードコーティング膜と、 このコーティング組成物上に、SiO2 およびZrO
    2 、または、SiO2およびTiO2 を含む多層反射防
    止膜とを設けてなる中屈折率眼鏡レンズ。
  3. 【請求項3】 ポリチオールがペンタエリスリトールテ
    トラキス(3−メルカプトプロピオネート)である請求
    項1または2の眼鏡用プラスチックレンズ。
  4. 【請求項4】 ポリチオールが4−メルカプトメチル−
    3,6−ジチア1,8−オクタンジチオールで、第3成
    分として3価以上のポリオールまたはポリチオールが使
    用されている請求項1または2の眼鏡用プラスチックレ
    ンズ。
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