JP2009258597A - 光学物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】干渉縞を抑制でき、しかも、耐衝撃性が良好な光学物品を提供する。
【解決手段】光学物品1は、プラスチック基材10と、プラスチック基材10に接する第1の層11であって、屈折率がプラスチック基材10から離れる方向に減少する第1の層11と、第1の層11に接する第2の層12であって、屈折率が第1の層11の表層11bの屈折率以下である第2の層12と、第2の層12に接するハードコート層13であって、屈折率がプラスチック基材10の屈折率よりも小さいハードコート層13とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、眼鏡やカメラなどのプラスチックレンズとして好適に使用される光学物品に関するものである。
プラスチックレンズは、ガラスレンズと比べて軽量であり、成形性、加工性、染色性などに優れ、しかも割れにくく、安全性も高い。このため、プラスチックレンズは、眼鏡レンズ分野において急速に普及し、現在では、その大部分を占めている。また、近年では、薄型化、軽量化のさらなる要求に応えるべく、チオウレタン系樹脂やエピスルフィド系樹脂などの高屈折率素材が開発されている。
特許文献1および2には、エピチオ基を有する化合物(エピスルフィド化合物)を硫黄の存在下で重合させることにより、屈折率の高いエピスルフィド系樹脂を製造する方法が提案されている。このようなエピスルフィド系樹脂は、屈折率が1.7以上の高屈折率を容易に発現でき、眼鏡レンズの薄型化に有効である。
また、眼鏡レンズを含む光学物品としては、プラスチック基材の表面に主として密着性および耐衝撃性を付与するプライマー層が形成されているとともに、プライマー層の表面に主として耐擦傷性および耐摩耗性を付与するハードコート層が形成されているものが知られている。このような光学物品においては、プラスチック基材の屈折率を高くした場合、干渉縞の発生を防ぐために、プライマー層やハードコート層についてもプラスチック基材と同等の屈折率を持たせる必要がある。
例えば、種々の金属酸化物をフィラーとしてハードコート層に含有させ、ハードコート層を高屈折率化することが一般的に行われている。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化スズなどの単体もしくは複合微粒子が使われている。金属酸化物は、一般に、耐光性が悪く、また着色しやすい傾向があるため、可視光領域での透明性、安定性などの観点から、主に酸化チタンが使用されている。
しかしながら、酸化チタンは、紫外線を受けて光触媒作用を発現する性質を有しており、ハードコート層にフィラーとして用いた場合に、酸化チタン周囲の有機樹脂から成るバインダー成分を分解して、ハードコート層のはがれを生じさせることがある。このため、特許文献3のように、ハードコート層においては、酸化チタンとして、光触媒作用を生じやすいアナターゼ型ではなく、光触媒作用が相対的に少ないルチル型を採用することも多い。
特開2004−002712号公報 特開2005−281527号公報 特開2007−102096号公報
上述のように、プラスチック基材とハードコート層および/またはプライマー層との屈折率が異なると、屈折率の差から干渉縞が発生する。近年、屈折率が1.7を越える高屈折率プラスチック基材の登場に伴い、干渉縞を抑制するために、ハードコート層だけでなく、プライマー層の高屈折率化も行われている。
ハードコート層およびプライマー層の高屈折率化は、主に、塗膜組成物中の金属酸化物微粒子(金属酸化物ゾル)が担っている。すなわち、屈折率を上げるためには、金属酸化物微粒子の組成比率を多くするか、金属酸化物微粒子自体を高屈折率化する必要がある。金属酸化物微粒子自体の高屈折率化については、検討されているが十分ではない。このため、ハードコート層およびプライマー層の屈折率を上げるためには、現状では、金属酸化物微粒子の組成比率を高める必要がある。
高屈折率レンズ素材は比較的脆弱であるため、十分な衝撃吸収性を付与するにはプライマー層を設けることが望ましい。プライマー層の衝撃吸収性は、プライマー組成中(塗膜組成物中)の樹脂成分によって発揮されるが、上述したように、高屈折率化するために金属酸化物微粒子の比率を高めようとすると、衝撃吸収性が十分に発揮できなくなるおそれがある。
したがって、高屈折率のプラスチック基材を用いた光学物品であって、干渉縞の発生を抑制でき、しかも、耐衝撃性の良好な光学物品が求められている。
本発明の一態様は、プラスチック基材と、プラスチック基材に接する第1の層であって、屈折率がプラスチック基材から離れる方向に減少する第1の層と、第1の層に接する第2の層であって、屈折率が第1の層の表層の屈折率以下、すなわち、表層の屈折率またはそれより小さい屈折率である第2の層と、第2の層に接するハードコート層であって、屈折率がプラスチック基材の屈折率よりも小さいハードコート層とを有する、光学物品である。
この光学物品は、基本的に、プラスチック基材と、ハードコート層と、プラスチック基材とハードコート層との間に挟まれた第1および第2の層とを含む。したがって、第1および第2の層により、プライマー層としての機能、すなわち、密着性と、耐衝撃性とを含む機能を果たさせることができる。そして、屈折率がプラスチック基材から離れる方向に減少する第1の層に、屈折率を調整して干渉縞を抑制する機能を持たせることにより、第2の層の高屈折率化の要求を緩和できる。このため、第2の層においては、金属酸化物微粒子の比率を高めようとする要求を緩和できるので、第2の層において、衝撃吸収性を十分に発揮できる。さらに、第2の層の高屈折率化の要求を緩和できるので、ハードコート層への高屈折率化の要求も緩和できる。
すなわち、この光学物品においては、第1の層により、主に、密着性と、屈折率を調整して干渉縞を抑制する機能とを付与できる。第2の層により、主に、耐衝撃性、すなわち、衝撃吸収性を付与できる。そして、第2の層に重ねて、第1および第2の層よりも硬いハードコート層を設けることにより、耐擦傷性および耐摩耗性を付与できる。さらに、第1の層により第2の層への高屈折率化の要求およびハードコート層への高屈折率化の要求が緩和されるので、第1の層に積層される、第2の層およびハードコート層においては、屈折率をプラスチック基材の屈折率よりも小さくできる。したがって、それらの層の構成、それらの層を形成する組成物の選択枝、設計の自由度が広がる。このように、本発明の一態様によれば、干渉縞の発生を抑制でき、耐衝撃性、耐擦傷性および耐摩耗性などを含めた耐久性能が高く、さらに、高屈折率の光学物品を提供できる。
本発明の光学物品の一形態は、プラスチック基材が、エピスルフィド化合物を主成分とする重合性組成物を重合硬化して得られ、屈折率が1.7以上のものである。この光学物品は、屈折率が1.7以上と高屈折率であるので、薄型化が容易であり、しかも、耐衝撃性に優れ、ほとんど干渉縞が発生しない。したがって、この光学物品は、眼鏡レンズをはじめ、カメラレンズ、望遠鏡用レンズ、顕微鏡用レンズ、ステッパー用集光レンズなど各種の薄型光学レンズとして、幅広く使用することができる。
この光学物品において、第1の層の典型的なものは、(A)ポリウレタン樹脂と、(B)金属酸化物微粒子と、(C)有機ケイ素化合物と、を含む第1の材料により形成されたものである。この場合、第1の層は、例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレー法などにより形成することができる。第1の材料を用いて第1の層を形成することにより、第1の層の表層(表面層)の屈折率を、下地(基材)との界面となる基層(基部)の屈折率および/または当該第1の層の内部(内部層)の屈折率よりも低下させることができる。したがって、基材から第1の層を介してハードコート層にかけて屈折率を連続的または段階的(断続的)に低下させることができる。
この光学物品において、第2の層の一例は、(D)ウレタン系、エステル系、エポキシ系、アクリル系、またはシリコーン系の有機樹脂と、(E)金属酸化物微粒子と、を含む第2の材料により形成されたものである。この場合、より良好な密着性を得るためには、(D)成分は、ウレタン系またはエステル系が好ましい。第2の層は、例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレー法などにより形成することができる。
この光学物品において、ハードコート層の一例は、(F)有機ケイ素化合物と、(G)金属酸化物微粒子とを含む第3の材料により形成されたものである。(F)成分としては、例えば、シリコーン系硬化樹脂を用いることができる。また、この場合、第3の材料は、(H)着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加物をさらに含んでいてもよい。
この光学物品において、第1の層を形成する第1の材料、第2の層を形成する第2の材料およびハードコート層を形成する第3の材料が、それぞれ、金属酸化物微粒子と有機樹脂とを含む場合、第1の材料に含まれる金属酸化物微粒子の有機樹脂に対する比率は、第2の材料に含まれる金属酸化物微粒子の有機樹脂に対する比率よりも大きいことが好ましい。プラスチック基材近傍の屈折率が高い第1の層が得られるとともに、耐衝撃性の高い第2の層が得られる。また、この場合、第3の材料に含まれる金属酸化物微粒子の有機樹脂に対する比率は、第2の材料に含まれる金属酸化物微粒子の有機樹脂に対する比率よりも大きくしてもよい。
以下、本発明の光学物品について実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる光学物品を模式的に示している。本実施形態の光学物品1は、例えば、眼鏡レンズ(眼鏡用のプラスチックレンズ)である。本実施形態のプラスチックレンズ1は、プラスチックレンズ基材10と、プラスチックレンズ基材10の表面に形成された、プラスチックレンズ基材10に接する第1の層11と、第1の層11の表面に形成された、第1の層11に接する第2の層12と、第2の層12の表面に形成された、第2の層12に接するハードコート層13を有している。また、本実施形態のプラスチックレンズ1は、眼鏡レンズであるため、ハードコート層13の表面に形成された、ハードコート層13に接する反射防止層14をさらに有している。反射防止層14の表面に、さらに、防汚層を設けてもよい。
第1の層11は、屈折率がプラスチック基材10から離れる方向に減少する層であり、第1の層11の典型的なものは、(A)ポリウレタン樹脂と、(B)金属酸化物微粒子と、(C)有機ケイ素化合物と、を含む第1の材料により形成されたものである。第1の材料により形成された第1の層11における屈折率傾斜の発現機構は、以下のように推量される。すなわち、第1の材料のコーティング後の乾燥時には、その表層において、(A)成分であるポリウレタン樹脂が、(B)成分である金属酸化物微粒子よりも相対的に早く硬化する。そして、その後、徐々に、その内部層に向かい、(A)成分とともに(B)成分である金属酸化物微粒子が硬化していく。これにより、表層に(A)成分が相対的に多く、内部層に(B)成分が相対的に多い層が形成される。すなわち、屈折率がプラスチック基材から離れる方向に減少する層が形成される。
また、第1の材料は、(A)成分であるポリウレタン樹脂と(B)成分である金属酸化物微粒子とを含むだけでなく、(C)成分として有機ケイ素化合物を含んでいる。このため、第1の層における空隙部分に有機ケイ素化合物((C)成分)が充填されて、第1の層の内部層が高密度化する。(B)成分として酸化チタンを用いてもよいが、酸化チタンを用いずとも、あるいは少量の酸化チタンを含有させるだけで、第1の層11の屈折率を向上させることができ、干渉縞の発生を抑えることができる。また、酸化チタンの使用量を低減すれば光活性作用も少なくなり、耐光性も向上する。さらに、第1の材料は、ポリウレタン樹脂((A)成分)を含んでいるため、第1の材料により形成された第1の層11は耐衝撃性の向上にも寄与する。第1の層11は、例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレー法などにより形成できる。
なお、屈折率がプラスチック基材から離れる方向に減少する第1の層の他の例は、インクジェット法により形成されたものである。すなわち、屈折率が異なる複数(2種以上)の物質を微小液滴とし、吐出比率をコントロールしながらプラスチック基材にこれら物質を塗布することにより、屈折率がプラスチック基材から離れる方向に連続的または段階的に減少する第1の層を形成することができる。
また、屈折率がプラスチック基材から離れる方向に減少する第1の層のさらに他の例は、CVD法により形成されたものである。すなわち、屈折率が異なる複数(2種以上)の物質を、これらの物質の堆積割合が厚さ方向で変化するようにプラスチック基材に堆積させることにより、屈折率がプラスチック基材から離れる方向に連続的または段階的に減少する第1の層を形成することができる。
屈折率がプラスチック基材から離れる方向に減少する第1の層のさらに他の例は、イオンプレーティング法により形成されたものである。すなわち、成膜時に、反応性ガスを、その導入量を制御しながら導入することにより、成膜される層の屈折率を厚さ方向で変化させる。これにより、屈折率がプラスチック基材から離れる方向に連続的または段階的に減少する第1の層を形成することができる。
図1に示すように、第1の層11および第2の層12は、プラスチックレンズ基材10とハードコート層13との間に設けられており、全体として、密着性と耐衝撃性とを備えたプライマー層としての機能を果たす。第1の層11は、主に、密着性とともに、屈折率を調整することを目的とするプライマー層(屈折率調整層)として機能する。第1の層11を第1のプライマー層と記載する。第1のプライマー層11は、その屈折率がプラスチックレンズ基材10から離れる方向に減少している。第1のプライマー層11のプラスチックレンズ基材10近傍あるいは境界(界面、基層)における屈折率と、プラスチックレンズ基材10の屈折率との差は、0.01以下であることが好ましい。本実施形態では、第1のプライマー層11の内部(プラスチックレンズ基材10側の部分)11aの屈折率は、例えば、プラスチックレンズ基材10の屈折率と同程度である。
第2の層12は、プラスチックレンズ基材10とハードコート層13との間の密着性とともに、主に、衝撃を吸収することを目的とするプライマー層(衝撃吸収層)として機能する。以下、第2の層12を第2のプライマー層と記載する。第2のプライマー層12は、その屈折率が第1のプライマー層11の表層11bの屈折率以下である。本実施形態では、第2のプライマー層12の屈折率は、例えば、第1のプライマー層11の表層11bの屈折率と同程度である。
ハードコート層13は、耐擦傷性、耐摩耗性を付与することを目的とする層である。ハードコート層13は、第1のプライマー層11および第2のプライマー層12よりも硬い層となるように形成されている。ハードコート層13は、その屈折率がプラスチックレンズ基材10の屈折率よりも小さい。本実施形態では、ハードコート層13の屈折率は、例えば、第2のプライマー層12の屈折率と同程度である。
したがって、この実施形態の眼鏡レンズ1は、耐衝撃性、密着性などを付与することを目的とするコート層であるプライマー層(第1のプライマー層、第2のプライマー層)と、耐擦傷性、耐摩耗性を付与することを目的とするコート層であるハードコート層とを含む。プライマー層(第1のプライマー層、第2のプライマー層)は、密着性を確保するためにハードコート層よりもレンズ基材側に設けられている層と定義しても良い。ハードコート層は、耐擦傷性、耐摩耗性を確保するために、プライマー層よりも表側(レンズ基材とは反対側)に設けられている層と定義しても良い。また、ハードコート層は、プライマー層(第1のプライマー層、第2のプライマー層)よりも硬い層と定義しても良い。
以下、プラスチックレンズ基材10、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、ハードコート層13、反射防止層14、および防汚層について、さらに詳しく説明する。
1.レンズ基材
プラスチックレンズ基材10は、プラスチック樹脂であれば特に限定されない。光学物品1が眼鏡レンズ(眼鏡用のプラスチックレンズ)の場合、高屈折率のレンズ基材は、薄型化するため、さらには、プラスチックレンズ基材10表面の上層に形成される反射防止層14との屈折率差を得るために好ましい。眼鏡レンズ用のプラスチックレンズ基材10の屈折率は、好ましくは1.65以上、より好ましくは1.7以上、さらに好ましくは1.74以上、もっとも好ましくは1.76以上である。
屈折率が1.65以上のレンズ素材としては、イソシアネート基またはイソチオシアネート基を持つ化合物と、メルカプト基を持つ化合物とを反応させることによって製造される、ポリチオウレタン系プラスチック、あるいはエピスルフィド基を持つ化合物を含む原料モノマーを重合硬化して製造される、エピスルフィド系プラスチックなどが挙げられる。
ポリチオウレタン系プラスチックの主成分となるイソシアネート基またはイソチオシアネート基を持つ化合物としては、公知の化合物を用いることができる。イソシアネート基を持つ化合物の具体例としては、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアナートなどが挙げられる。
また、メルカプト基を持つ化合物としても、公知の化合物を用いることができる。メルカプト基を持つ化合物の具体例としては、1,2−エタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,1−シクロヘキサンジチオールなどの脂肪族ポリチオール、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼンなどの芳香族ポリチオールが挙げられる。
また、プラスチックレンズ基材10の高屈折率化のためには、メルカプト基以外にも、硫黄原子を含むポリチオールがより好ましく用いられる。その具体例としては、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス((2−メルカプトエチル)チオ)−3−メルカプトプロパンなどが挙げられる。
さらに、プラスチックレンズ基材10としては、エピスルフィド化合物を主成分とする重合性組成物を重合硬化して、屈折率を1.7以上、好ましくは1.7を超えるようにしたものも好適に用いられる。
エピスルフィド化合物としては、公知のエピスルフィド基を持つ化合物が何ら制限なく使用できる。エピスルフィド化合物の具体例としては、既存のエポキシ化合物のエポキシ基の一部あるいは全部の酸素を硫黄で置き換えることによって得られるエピスルフィド化合物などが挙げられる。また、プラスチックレンズ基材10の高屈折率化のためには、エピスルフィド基以外にも、硫黄原子を含む化合物を用いることが好ましい。その具体例としては、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス−(β−エピチオプロピル)スルフィド、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、ビス−(β−エピチオプロピル)ジスルフィドなどが挙げられる。これらのエピスルフィド化合物は単独で用いても、混合して用いてもよい。
プラスチックレンズ基材10は、例えば、モノマーとして上述したエピスルフィド化合物と所定の触媒とを、あるいはさらに硫黄と混合した上で、ガラス製または金属製の鋳型に注入し、いわゆる注型重合を行うことで得ることができる。硫黄の存在下で重合を行うことにより、屈折率が1.74以上の高屈折率のプラスチックレンズ基材10を得ることができる。硫黄を混合する場合は、硫黄は、エピスルフィド化合物100重量部に対して0.1〜25重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
重合に用いられる触媒としては、アミン類、フォスフィン類、第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類、第3級スルホニウム塩類、第2級ヨードニウム塩類、鉱酸類、ルイス酸類、有機酸類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸類などを挙げることができる。これらの中でも好ましい触媒の例としては、アミノエタノール、1−アミノプロパノールのようなアミン類、テトラブチルアンモニウムブロマイドのような第4級アンモニウム塩、テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラメチルホスホニウムブロマイドのような第4級ホスホニウム塩類などを挙げることができる。
また、重合に用いられる触媒は、使用するモノマーの種類に応じて選択し、添加量も調整する必要がある。典型的には、プラスチックレンズ基材10の原料の全量を基準にして、0.001〜0.1重量%が好ましい範囲である。
重合温度は、5〜120℃程度が好ましく、反応時間は、1〜72時間程度である。重合後は、プラスチックレンズ基材10の歪みを除去するために、50〜150℃で10分間〜5時間程度アニール処理を行うことが好ましい。
プラスチックレンズ基材10を形成する重合性組成物を調製する際に、他のモノマーとして、ポリイソシアナート化合物および/またはポリチオール化合物をさらに混合しておくことも好ましい。エピスルフィド化合物にポリイソシアナート化合物および/またはポリチオール化合物をさらに混合した場合、エピスルフィド化合物だけでなく、ポリイソシアナート化合物やポリチオール化合物も重合に関与する。これにより、染色性や耐熱性にさらに優れたプラスチックレンズ基材10を得ることが可能になる。
また、プラスチックレンズ基材10を形成する重合性組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定剤、内部離型剤、酸化防止剤、染料、フォトクロミック染料、顔料、帯電防止剤などの公知の各種添加剤を配合してもよい。
2.第1のプライマー層
第1のプライマー層11は、プラスチックレンズ基材10の表面に形成され、屈折率を調整する性質を有する。また、第1のプライマー層11は、プラスチックレンズ基材10とハードコート層13との間の密着性、および耐衝撃性を発揮する性質を有する。
第1のプライマー層11は、例えば、下記(A)〜(C)成分を含む第1の材料(第1のコーティング組成物、第1のプライマー組成物、第1の塗膜組成物)から形成される。
(A)ポリウレタン樹脂
(B)金属酸化物微粒子(金属酸化物ゾル)
(C)有機ケイ素化合物
(B)成分のみならず、(A)成分および(C)成分も、コーティング組成物中に微粒子として存在する。この場合、(A)成分および(B)成分の平均粒子径(平均粒径)はともに5〜50nm程度であることが好ましく、(C)成分の平均粒子径(平均粒径)は5nm程度であることが好ましい。このようにすることにより、第1のプライマー層11のプラスチックレンズ基材10近傍における屈折率をより高くすることが可能である。その結果、1.7以上の高屈折率のプラスチックレンズ基材10を用いた場合でも、干渉縞の発生を効果的に抑制することができる。
この作用機構は、以下のようなものであると推量される。まず、(C)成分である有機ケイ素化合物が存在しないと、(B)成分である金属酸化物微粒子の屈折率を上げたり、その割合を増やしても、第1のプライマー層11の屈折率は、あまり向上しない。それに対し、(A)〜(C)成分の平均粒子径を上述のようにすることにより、(A)成分からなる粒子と(B)成分からなる粒子とから形成される間隙(空隙部分)に、(C)成分が入り込む。結果として、第1のプライマー層11は、より密な層となって、屈折率が向上する。すなわち、(C)成分は、屈折率の向上に寄与しているものと考えられる。なお、(A)〜(C)成分の平均粒子径は、光散乱法により求めることができる。例えば、動的光散乱式粒径分布測定装置((株)堀場製作所製、商品名:LB−550)を使用して、粒径分布と平均粒子径を測定することができる。
(A)成分のポリウレタン樹脂は、有機樹脂成分であり、プラスチックレンズ基材10とハードコート層13との間において、良好な密着性を発現する。また、他の樹脂、例えばポリエステル樹脂などを用いた場合と比べて、耐光性や耐衝撃性の向上効果に優れている。
(A)成分のポリウレタン樹脂としては、特に制限はない。(A)成分のポリウレタン樹脂としては、例えば、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応して得られる、水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂を使用することができる。また、(A)成分のポリウレタン樹脂は、1種を用いてもよく、また、2種以上を用いることもできる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変性物など)などが挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドやテトラヒドロフランなどの複素環式エーテルを(共)重合させて得られるジオール化合物が挙げられる。ジオール化合物の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルジオール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートなどのポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオールなどのポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。ジオール化合物としては、これらの中では、ポリエーテル系、ポリエステル系およびポリカーボネート系のうち1種以上を用いることが好ましい。
(A)成分のポリウレタン樹脂としては、ジオール化合物としてポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系のジオールを用いて得られる、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が望ましい。
(A)成分のポリウレタン樹脂の形態は、特に限定されない。代表的には、エマルジョンタイプ、例えば、自己乳化エマルジョンや、自己安定化タイプが挙げられる。特に、上記の化合物のうちカルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を有するジオールを用いたり、低分子量のポリヒドロキシ化合物を添加したり、酸性基を導入したウレタン樹脂、中でもカルボキシル基を有するものが望ましい。さらに、架橋処理により、これらカルボキシル基などの官能基を架橋させるのが、光沢向上、耐擦性向上などの点から望ましい。
(A)成分のポリウレタン樹脂は、第1の材料(第1のコーティング組成物)中に微粒子として存在するが、この平均粒子径は、上述したように、5〜50nmであることが好ましい。より好ましくは、20〜30nmである。ポリウレタン樹脂の平均粒子径が5nm未満、あるいは50nmを超えると、後述する(B)成分や(C)成分との相乗効果が発揮できず、第1のプライマー層11の屈折率を効果的に向上させることが困難となる。(A)成分のポリウレタン樹脂の粒子径は、ポリウレタン樹脂の製造条件や分子量あるいは、第1の材料(第1のコーティング組成物)における攪拌速度などにより制御することができる。なお、微粒子としての(A)成分のポリウレタン樹脂の平均粒子径は、上述したように、光散乱法により測定できる。
(A)成分のポリウレタン樹脂の配合量(第1の材料(第1のコーティング組成物)における(A)成分の割合、(A)成分の(A)〜(C)成分全体における割合)は、20〜60重量%の範囲が好ましく、30〜50重量%であることがより好ましい。本実施形態のように、光学物品1が眼鏡レンズである場合、(A)成分のポリウレタン樹脂の配合量が20重量%未満であると、最終的に光学物品1を構成したときの耐衝撃性や耐光性が不十分となるおそれがある。また、(A)成分のポリウレタン樹脂の配合量が60重量%を超えると、第1のプライマー層11の屈折率が低下して、干渉縞が発生しやすくなる。また、光学物品1が眼鏡レンズである場合、眼鏡レンズ1の外観が悪化するおそれがある。
(A)成分のポリウレタン樹脂の好ましい具体例としては、NeoRezR−960(ゼネカ製)、ハイドランAP−30(大日本インキ工業(株)製)、スーパーフレックス210(第一工業製薬(株)製)、アイゼラックスS−1020(保土ヶ谷化学(株)製)、ネオタンUE−5000(東亞合成(株)製)、RU−40シリーズ(スタール・ジャパン製)、WF−41シリーズ(スタール・ジャパン製)、WPC−101(日本ウレタン工業(株)製)などが挙げられる。
(B)成分の金属酸化物微粒子は、第1のプライマー層11の屈折率に寄与するとともに、フィラーとして第1のプライマー層11の架橋密度向上に作用して、耐水性、耐候性や耐光性の向上にも寄与する。
(B)成分の金属酸化物微粒子としては、酸化チタンを含有する微粒子が好ましく、より好ましくは、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを主成分とする金属酸化物微粒子である。特に耐光性の観点から、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを含有する複合型を用いることがより好ましい。複合型の金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタンおよび酸化スズ、または酸化チタン、酸化スズおよび酸化ケイ素からなるルチル型の結晶構造を有し、平均粒子径1〜200nmの微粒子を挙げることができる。
(B)成分の金属酸化物微粒子として、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを含有する複合酸化物微粒子を使用することにより、第1のプライマー層11の屈折率が向上するだけでなく、耐候性や耐光性がより向上する。また屈折率は、アナターゼ型の結晶よりもルチル型の結晶の方が高い。したがって、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを含有する複合酸化物微粒子は、比較的屈折率の高い金属酸化物微粒子と言える。
また、(B)成分の金属酸化物微粒子は、メチル基などのアルキル基を有する有機ケイ素化合物で表面処理されていることが好ましい。アルキル基を有する有機ケイ素化合物としては、後述する(C)成分として用いられる有機ケイ素化合物のうち、アルキル基を有するものが好適に用いられる。
アルキル基を有する有機ケイ素化合物で表面処理された金属酸化物微粒子を用いることにより、(A)成分のポリウレタン樹脂との相溶性が向上し、結果として均質性が向上することから、干渉縞の発生がより抑制され、また、耐衝撃性も向上する。また、第1のプライマー層11の均質性が向上する際、(C)成分の有機ケイ素化合物により充填される空隙の均質性も同時に向上し、その結果、第1のプライマー層11の屈折率がより向上し、干渉縞の発生をより効果的に抑えることができる。
(B)成分の金属酸化物微粒子の種類や配合量は、目的とする屈折率や硬度などにより決定される。(B)成分の金属酸化物微粒子は、上述のように、平均粒子径が5〜50nmであることが好ましい。より好ましくは、10〜20nmである。平均粒子径が5nm未満、あるいは50nmを超えると、(A)成分や、後述する(C)成分との相乗効果が発揮できず、第1のプライマー層11の屈折率を効果的に向上させることが困難となる。なお、(B)成分の金属酸化物微粒子の平均粒子径は、上述したように、光散乱法により測定できる。
(B)成分の金属酸化物微粒子の配合量(第1の材料(第1のコーティング組成物)における(B)成分の割合、(B)成分の(A)〜(C)成分全体における割合)は、40〜80重量%であることが好ましく、50〜60重量%の範囲であることがより好ましい。配合量が少なすぎると、第1のプライマー層11の屈折率および耐摩耗性が不十分となる場合がある。一方、配合量が多すぎると、耐衝撃性が低下したり、第1のプライマー層11にクラックが生じるおそれもある。また、染色する場合には、染色性が低下するおそれもある。(B)成分である金属酸化物微粒子の(A)〜(C)成分全体における割合を40〜80重量%とすることにより、第1のプライマー層11の屈折率を十分高くできるとともに、第1のプライマー層11の架橋密度を適度に保つことができ、硬さおよび耐衝撃性を損なうこともない。
(C)成分の有機ケイ素化合物は、第1のプライマー層11中の空隙部分を充填することにより、第1のプライマー層11全体を高密度化し、屈折率の向上に寄与する。(C)成分の有機ケイ素化合物としては、例えば、下記一般式(1)で示される化合物を好適に使用することができる。
12 nSiX1 3-n …(1)
(上記一般式(1)中、R1は、重合可能な反応基を有する有機基であり、R2は炭素数1〜6の炭化水素基であり、X1は加水分解基であり、nは0または1である。)
式(1)の有機ケイ素化合物としては、例えば、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。(C)成分の有機ケイ素化合物としては、これらの有機ケイ素化合物を2種類以上混合して用いてもよい。
また、(C)成分の有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランなど、下記一般式(2)で示される4官能有機ケイ素化合物を用いても、同様の効果を得ることができる。
SiX2 4 …(2)
(上記一般式(2)中、X2はアルコキシル基である。)
また、(C)成分の有機ケイ素化合物としては、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシランなどのエポキシ基を有する有機ケイ素化合物を用いてもよい。プラスチックレンズ基材10とハードコート層13との間の密着性を向上させることができる。また、(C)成分の有機ケイ素化合物がエポキシ基を有する場合、第1のプライマー層11の架橋密度が向上し過ぎることがなく、適度に制御されるため、耐衝撃性の良好な第1のプライマー層11を得ることができる。
さらに、(C)成分の有機ケイ素化合物は、オルガノアルコキシシラン化合物であり、加水分解を施さない単量体として用いることも有効である。オルガノアルコキシシラン化合物を加水分解を施さない単量体として用いる場合、加水分解を施して高分子量化させた場合に比べて、第1のプライマー層11中の空隙部分に充填され易い。したがって、第1のプライマー層11の屈折率がより高くなり、屈折率が1.7以上のエピスルフィド系のプラスチックレンズ基材10を用いても、干渉縞の発生を良好に抑えることができる。
また、(C)成分の有機ケイ素化合物は、平均粒子径が5nm以下であることが好ましく、1nm以下であることがより好ましい。平均粒子径が5nmを超えると、(A)成分や(B)成分との相乗効果が発揮できず、プライマー層の屈折率を効果的に向上させることが困難となる。なお、(C)成分の有機ケイ素化合物の平均粒子径は、上述したように、光散乱法により測定できる。
(C)成分の有機ケイ素化合物の配合量(第1の材料(第1のコーティング組成物)における(C)成分の割合、(C)成分の(A)〜(C)成分全体における割合)は、0.1〜5重量%であることが好ましい。(C)成分である有機ケイ素化合物の割合が0.1重量%未満であると、プラスチックレンズ基材10とハードコート層13との間の密着性が十分に発揮されない。また、空隙部分を完全に充填することができず、屈折率が向上しないおそれがある。また、(C)成分である有機ケイ素化合物が5重量%を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。また、空隙部分に対して過剰量が存在することになり、屈折率の低下をきたすおそれがある。
上述した第1の材料(第1のコーティング組成物、第1のプライマー組成物)をプラスチックレンズ基材10に塗布するにあたっては、プラスチックレンズ基材10と第1のプライマー層11との密着性の向上を目的として、プラスチックレンズ基材10の表面を、予め、アルカリ処理、酸処理、界面活性剤処理、無機あるいは有機の微粒子による剥離/研磨処理、プラズマ処理しておくことが効果的である。
また、上述した第1の材料の塗布方法および硬化方法の一例としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、あるいは、フローコート法などにより第1の材料を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱・乾燥する方法が挙げられる。このようにすることにより、第1の材料により、第1のプライマー層11を形成できる。
第1のプライマー層11を形成する第1の材料(第1のコーティング組成物、第1のプライマー組成物)は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができる。溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類等の溶剤が用いられる。第1の材料は、上記成分の他に、必要に応じて、少量の金属キレート化合物、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染料、顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定剤等を添加し、第1の材料(コーティング液)の塗布性、硬化速度および硬化後の被膜性能を改良することもできる。
また、第1のプライマー層11の層厚は、0.05〜1μmの範囲が好ましい。さらには、0.05〜0.1μmの範囲が好ましい。第1のプライマー層11の層厚が薄すぎると、耐水性や耐衝撃性などが低下するおそれがあり、逆に厚すぎると、表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪や白濁、曇りなどの外観欠点を発生させる場合がある。
上述した第1の材料をプラスチックレンズ基材10に塗布することにより、屈折率がプラスチックレンズ基材10から離れる方向に減少する第1のプライマー層11を形成することができる。なお、干渉縞の抑制の観点より、第1のプライマー層11のプラスチックレンズ基材10近傍における屈折率とプラスチックレンズ基材10の屈折率との差は、0.01以下であることが好ましい。また、第1のプライマー層11の表層(第2のプライマー層近傍)における屈折率と第2のプライマー層の屈折率との差も、0.01以下であることが好ましい。
3.第2のプライマー層
第2のプライマー層12は、第1のプライマー層11の表面に形成され、耐衝撃性を発揮する性質を有する。また、第2のプライマー層12は、プラスチックレンズ基材10とハードコート層13との間の密着性を発揮する性質を有する。
第2のプライマー層12は、例えば、下記(D)および(E)成分を含む第2の材料(第2のコーティング組成物、第2のプライマー組成物)から形成される。
(D)ウレタン系、エステル系、エポキシ系、アクリル系、またはシリコーン系の有機樹脂
(E)金属酸化物微粒子(金属酸化物ゾル)
(D)成分の有機樹脂(有機樹脂成分)は、プラスチックレンズ基材10とハードコート層13との間において、良好な密着性を発現する。(E)成分の金属酸化物微粒子は、第2のプライマー層12の屈折率に寄与するとともに、フィラーとして第2のプライマー層12の架橋密度向上に作用して、耐水性、耐候性や耐光性の向上にも寄与する。
ウレタン結合を含むウレタン系の有機樹脂やエステル結合を含むエステル系の有機樹脂などは、極性基を主鎖骨格に有している。また、エポキシ基を含むエポキシ系の有機樹脂などは、主鎖骨格から枝分かれした部分に極性基が導入されている。第2の材料が(D)成分として極性基を有する有機樹脂を含む場合、極性基とプラスチックレンズ基材10の表面のチオウレタン結合やエピスルフィド基、およびハードコート層13の表面のエポキシ基やシラノール基に相互作用が生じ、優れた密着性を発現する。さらに良好な密着性を得るためには、(D)成分の有機樹脂は、ウレタン系またはエステル系の有機樹脂であることが好ましい。
(E)成分の金属酸化物微粒子としては、(B)成分の金属酸化物微粒子と同様のものを用いることができる。(E)成分の金属酸化物微粒子として、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを含有する複合酸化物微粒子を用いることにより、耐候性や耐光性に優れる第2のプライマー層12を形成できる。また、ルチル型はアナターゼ型に比べて屈折率が高いため、第2のプライマー層12における(E)成分の金属酸化物微粒子の含有量を減らせることができ、耐衝撃性や密着性に寄与する(D)成分(有機樹脂)を増量することができる。
また、本実施形態の第2のプライマー層12は、第1のプライマー層11により高屈折率化の条件は緩和されている。このため、第2のプライマー層12においては、(E)成分の金属酸化物微粒子の含有量を抑えることができる。光活性作用が酸化チタンよりも少ない酸化スズを含む金属酸化物微粒子を用いる場合であっても、その含有量を抑制でき、耐光性に加え、耐久性および衝撃吸収性を向上できる。
上述した第2の材料の塗布方法および硬化方法の一例としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、あるいは、フローコート法などにより第2の材料を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱・乾燥する方法が挙げられる。このようにすることにより、第2の材料により、第2のプライマー層12を形成できる。
第2のプライマー層12を形成する第2の材料(第2のコーティング組成物、第2のプライマー組成物)は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができる。溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類等の溶剤が用いられる。第2の材料は、上記成分の他に、必要に応じて、少量の金属キレート化合物、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染料、顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定剤等を添加し、第2の材料(コーティング液)の塗布性、硬化速度および硬化後の被膜性能を改良することもできる。
また、第2のプライマー層12の層厚は、0.05〜5.0μmの範囲が好ましい。第2のプライマー層12の層厚は、2.0〜3.0μmの範囲であることがさらに好ましい。第2のプライマー層12の層厚が薄すぎると、耐水性や耐衝撃性などが低下するおそれがあり、逆に厚すぎると、表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪や白濁、曇りなどの外観欠点を発生させる場合がある。第2のプライマー層12の層厚を上記の範囲内とすることにより、良好な耐衝撃性が得られる。なお、干渉縞の抑制の観点より、第2のプライマー層12の屈折率とハードコート層13との屈折率との差は、0.01以下であることが好ましい。
4.ハードコート層
ハードコート層13は、第2のプライマー層12の表面に形成され、耐擦傷性および耐摩耗性を発揮する性質を有する。ハードコート層13は、例えば、下記(F)および(G)を含む第3の材料(第3のコーティング組成物、ハードコート組成物、塗膜組成物)から形成される。第3の材料は、下記(H)を含んでいてもよい。
(F)有機ケイ素化合物
(G)金属酸化物微粒子(金属酸化物ゾル)
(H)着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加物
(F)成分の有機ケイ素化合物としては、例えば、シリコーン系硬化樹脂を用いることができる。また、(F)成分の有機ケイ素化合物としては、(C)成分の有機ケイ素化合物と同様のものを用いることができる。すなわち、(F)成分の有機ケイ素化合物としては、例えば、上記一般式(1)で示される化合物を好適に使用することができる。(F)成分の有機ケイ素化合物は、ハードコート層13におけるバインダー剤としての役割を果たすが、良好な密着性を得るためには、上記一般式(1)におけるR2は、エポキシ基が好ましい。良好な耐擦傷性を得るためには、上記一般式(1)におけるR2は、メチル基が好ましい。
(G)成分の金属酸化物微粒子としては、(B)および(E)成分の金属酸化物微粒子と同様のものを用いることができる。
(F)成分の有機ケイ素化合物と(G)成分の金属酸化物微粒子とを含む第3の材料(ハードコート層形成用のコーティング組成物、ハードコート液)を調製する際には、金属酸化物微粒子が分散したゾルと、有機ケイ素化合物とを混合することが好ましい。金属酸化物微粒子の配合量は、ハードコート層の硬度や、屈折率などにより決定されるものであるが、第3の材料中の固形分の5〜80重量%、特に10〜60重量%であることが好ましい。配合量が少なすぎると、ハードコート層13の耐摩耗性や屈折率が不十分となり、配合量が多すぎると、ハードコート層13にクラックが生じることがある。また、ハードコート層13を染色する場合には、染色性が低下する場合もある。
なお、ハードコート層13は、(F)成分の有機ケイ素化合物および(G)成分の金属酸化物微粒子だけでなく、有機樹脂成分((I)成分)として、多官能性エポキシ化合物を含有することが非常に有用である。多官能性エポキシ化合物は、第2のプライマー層12に対するハードコート層13の密着性を向上させるとともに、ハードコート層13の耐水性およびプラスチックレンズ1としての耐衝撃性を向上させることができる。
多官能性エポキシ化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテルなどの脂肪族エポキシ化合物、イソホロンジオールジグリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテルなどの脂環族エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテルなどの芳香族エポキシ化合物などが挙げられる。
さらに、ハードコート層13を形成する第3の材料には、硬化触媒を添加してもよい。硬化触媒としては、例えば、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸マグネシウムなどの過塩素酸類、Cu(II)、Zn(II)、Co(II)、Ni(II)、Be(II)、Ce(III)、Ta(III)、Ti(III)、Mn(III)、La(III)、Cr(III)、V(III)、Co(III)、Fe(III)、Al(III)、Ce(IV)、Zr(IV)、V(IV)などを中心金属原子とするアセチルアセトナート、アミン、グリシンなどのアミノ酸、ルイス酸、有機酸金属塩などが挙げられる。
ハードコート層13を形成する第3の材料(ハードコート層形成用のコーティング組成物)は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができる。溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類などの溶剤が用いられる。また、ハードコート層形成用のコーティング組成物は、必要に応じて、少量の金属キレート化合物、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染料、顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール系などの耐光耐熱安定剤などを添加し、コーティング液の塗布性、硬化速度および硬化後の被膜性能を改良することもできる。
また、第3の材料の塗布・硬化方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、あるいは、フローコート法によりコーティング組成物を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱・乾燥することにより、ハードコート被膜を形成する方法が挙げられる。
さらに、ハードコート層13の層厚は、0.05〜30μmの範囲が好ましい。ハードコート層13の層厚が0.05μm未満では、基本性能(耐擦傷性、耐摩耗性など)が実現できない。また、ハードコート層13の層厚が30μmを越えると、表面の平滑性が損なわれたり、光学歪みが発生してしまう場合がある。
5.反射防止層
反射防止層14は、必要に応じてハードコート層13上に形成される薄層である。反射防止層14は、例えば、屈折率が1.3〜1.5である低屈折率層と、屈折率が1.8〜2.3である高屈折率層とを交互に積層して形成することができる。層数としては、5層あるいは7層程度が好ましい。
反射防止層14を構成する各層に使用される無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、TaO、Ta、NbO、Nb、NbO、Nb、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられる。これらの無機物は単独で用いるかもしくは2種以上を混合して用いる。反射防止層14の一例は、低屈折率層をSiOの層とし、高屈折率層をZrOの層としたものである。
反射防止層14を形成する方法としては、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などが挙げられる。真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
なお、反射防止層14は、湿式法を用いて形成してもよい。例えば、内部空洞を有するシリカ系微粒子(以下、「中空シリカ系微粒子」ともいう)と、有機ケイ素化合物とを含んだ反射防止層形成用のコーティング組成物を、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、あるいは、ハードコート層13と同様の方法でコーティングして形成することもできる。
ここで、中空シリカ系微粒子を用いるのは、内部空洞内にシリカよりも屈折率が低い気体または溶媒が包含されることによって、空洞のないシリカ系微粒子に比べてより屈折率が低減し、結果的に、優れた反射防止効果を付与できるからである。中空シリカ系微粒子は、特開2001−233611号公報に記載されている方法などで製造することができるが、平均粒子径が1〜150nmの範囲にあり、かつ屈折率が1.16〜1.39の範囲にあるものを使用することが望ましい。また、有機ケイ素化合物としては、前記した式(1)の化合物を好適に用いることができる。反射防止層14の層厚は、50〜150nmの範囲が好ましい。この範囲より厚すぎたり薄すぎると、十分な反射防止効果が得られないおそれがある。
6.防汚層
光学物品1の表面の撥水撥油性能を向上させる目的で、反射防止層14の上に、フッ素を含有する有機ケイ素化合物からなる防汚層を形成してもよい。フッ素を含有する有機ケイ素化合物としては、例えば、特開2005−301208号公報や特開2006−126782号公報に記載されている含フッ素シラン化合物を好適に使用することができる。
含フッ素シラン化合物は、有機溶剤に溶解し、所定濃度に調整した撥水処理液(防汚層形成用のコーティング組成物)として用いることが好ましい。防汚層は、この撥水処理液(防汚層形成用のコーティング組成物)を反射防止層14上に塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法などを用いることができる。なお、撥水処理液(防汚層形成用のコーティング組成物)を金属ペレットに充填した後、真空蒸着法などの乾式法を用いて、防汚層を形成することも可能である。
防汚層の層厚は、特に限定されないが、0.001〜0.5μmが好ましい。より好ましくは0.001〜0.03μmである。防汚層の層厚が薄すぎると撥水撥油効果が乏しくなり、厚すぎると表面がべたつくので好ましくない。また、防汚層の厚さが0.03μmより厚くなると反射防止効果が低下する可能性がある。
本実施形態によれば、屈折率が1.7以上の高屈折率のプラスチック基材10を用いることができ、しかも、このプラスチック基材10上に、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、およびハードコート層13を形成しているため、非常に薄型で、耐衝撃性に優れ、かつ干渉縞の少ない光学物品(眼鏡用プラスチックレンズ)1を提供することができる。
一般に、プライマー層の屈折率をプラスチックレンズ基材の屈折率に合わせて高屈折率にした場合、プライマー層の屈折率とハードコート層との屈折率差が大きくなり、干渉縞が発生しやすくなる。これは、ハードコート層の高屈折率化が困難なためである。これに対し、本実施形態によれば、干渉縞が生じにくい。これは、本実施形態における第1のプライマー層11の屈折率は、バルク層(内部層)11aから表面層(表層)11bにかけて小さくなるように傾斜しており、第1のプライマー層11の最表面の屈折率とハードコート層13の屈折率差が小さくなっているためと推定される。特に、(A)成分と(B)成分の平均粒子径がともに5〜50nmであり、(C)成分の平均粒子径が5nm以下である場合に、この効果は顕著である。したがって、ハードコート層13の屈折率を無理に上げる必要がなく、ハードコート層13の設計自由度が向上する。
次に、上記実施形態に基づく実施例1〜7、および比較例1〜2について説明する。また、実施例1〜7および比較例1〜2において作製したプラスチックレンズ1について、干渉縞、密着性、および耐衝撃性の評価を行った。
(実施例1)
工程(1)プラスチックレンズ基材10の作製
窒素雰囲気下において、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド90重量部、硫黄10重量部を、100℃で1時間、混合攪拌した。冷却後、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド0.05重量部を混合後、均一液とした。次いで、これを0.5μmのPTFEフィルターで濾過し、1.2mm厚のレンズ成型用ガラスモールドに注入し、オーブン中で10℃から22時間かけて120℃に昇温し重合硬化させ、プラスチックレンズ基材10を製造した。得られたプラスチックレンズ基材10は、屈折率が1.74、アッベ数が33であった。また、得られたプラスチックレンズ基材10は、透明で表面状態は良好であった。
工程(2)第1のプライマー組成物(第1の材料)の調整
ステンレス製容器内に、メチルアルコール2900重量部、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液50重量部を投入し、十分に攪拌した後、(B)成分として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)1500重量部を加え、攪拌混合した。次いで、(A)成分として、ポリウレタン樹脂(水分散、全固形分濃度35重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス210)580重量部、(C)成分として、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン35重量部を加えて攪拌混合した後、さらにシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L−7604)2重量部を加えて、一昼夜攪拌を続けた。その後、2μmのフィルターで濾過を行い、第1のプライマー組成物(第1のコーティング組成物、第1の材料)を得た。
工程(3)第2のプライマー組成物(第2の材料)の調整
ステンレス製容器内に、メチルアルコール3700重量部、純水250重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル1000重量部を投入し、十分に攪拌した後、(E)成分として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)2800重量部を加え、攪拌混合した。次いで、(D)成分として、ポリエステル樹脂(水分散、全固形分濃度38重量%)2200重量部を加えて攪拌混合した後、さらにシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L−7604)2重量部を加えて、一昼夜攪拌を続けた。その後、2μmのフィルターで濾過を行い、第2のプライマー組成物(第2のコーティング組成物、第2の材料)を得た。
工程(4)ハードコート組成物(第3の材料)の調整
ステンレス製容器内に、ブチルセロソルブ1000重量部を投入し、(F)成分として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1200重量部を加えて十分攪拌した後、0.1モル/リットル塩酸水溶液300重量部を添加して、一昼夜攪拌を続け、シラン加水分解物を得た。このシラン加水分解物中にシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L−7001)30重量部を加えて1時間攪拌した後、(G)成分として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)7300重量部を加えて2時間攪拌混合した。次いで、(I)成分として、エポキシ樹脂(ナガセ化成(株)製、商品名:EX−313)250重量部を加えて2時間攪拌した後、鉄(III)アセチルアセトナート20重量部を加えて1時間攪拌した。その後、2μmのフィルターで濾過を行い、ハードコート組成物(第3のコーティング組成物、第3の材料)を得た。
工程(5)第1のプライマー層、第2のプライマー層、ハードコート層、反射防止膜の形成
上記(1)で得られた直径80mmのプラスチックレンズ基材10をアルカリ処理(50℃に保たれた2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液に5分間浸漬した後、純水で洗浄し、次いで25℃に保たれた1.0モル/リットル硫酸に1分間浸漬して中和処理を行う)し、純水洗浄および乾燥、放冷を行った。
アルカリ処理したプラスチックレンズ基材10を、上記(2)で調整した第1のプライマー組成物中に浸漬し、引き上げ速度150mm/分でディップコートした。その後、80℃で20分焼成し、プラスチックレンズ基材10の表面に第1のプライマー層11を形成した。
次に、第1のプライマー層11を形成したプラスチックレンズ基材10を、上記(3)で調整した第2のプライマー組成物中に浸漬し、引き上げ速度220mm/分でディップコートした。その後、80℃で20分焼成し、第1のプライマー層11の表面に第2のプライマー層12を形成した。
さらに、第1および第2のプライマー層11および12を形成したプラスチックレンズ基材10を、上記(4)で調整したハードコート組成物中に浸漬し、引き上げ速度400mm/分でディップコートした。その後、80℃で30分焼成し、第2のプライマー層12の表面にハードコート層13を形成した。
その後、125℃に保たれたオーブン内で3時間加熱して、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、およびハードコート層13が形成されたプラスチックレンズ(ワーク)を得た。
次いで、表面処理層(第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、およびハードコート層13)が形成されたワークに、プラズマ処理(アルゴンプラズマ400W×60秒)を行い、ハードコート層13から大気に向かって順に、SiO2、ZrO2、SiO2、ZrO2、SiO2の5層で構成される多層反射防止層14を、真空蒸着機((株)シンクロン製)にて形成した。各層の光学的膜厚は、最初のSiO2層、次のZrO2とSiO2の等価膜層および次のZrO2層、最上層のSiO2層について、設計波長λを520nmとしてそれぞれλ/4となる様に形成した。これにより、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、ハードコート層13、および反射防止層14を有するプラスチックレンズ1が作製された。
(実施例2)
実施例1の工程(2)の第1のプライマー組成物の調整において、(B)成分である、複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)を、複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤メチルトリメトキシシラン、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)に変更した。これ以外は、実施例1と同様にプラスチックレンズ1を製造した。したがって、実施例2においても、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、ハードコート層13、および反射防止層14を有するプラスチックレンズ1が作製された。
(実施例3)
実施例1の工程(3)の第2のプライマー組成物の調整において、(E)成分である、複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)を、複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤メチルトリメトキシシラン、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)に変更した。これ以外は、実施例1と同様にプラスチックレンズ1を製造した。これにより、実施例3においても、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、ハードコート層13、および反射防止層14を有するプラスチックレンズ1が作製された。
(実施例4)
実施例1の工程(3)の第2のプライマー組成物の調整において、(D)成分である、ポリエステル樹脂(水分散、全固形分濃度38重量%)を、ポリウレタン樹脂(水分散、全固形分濃度38重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス460)に変更した。これ以外は、実施例1と同様にプラスチックレンズ1を製造した。これにより、実施例4においても、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、ハードコート層13、および反射防止層14を有するプラスチックレンズ1が作製された。
(実施例5)
実施例1の工程(2)の第1のプライマー組成物の調整を以下のようにした。ステンレス製容器内に、メチルアルコール6268重量部、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液100重量部を投入し、十分に攪拌した後、(B)成分として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤メチルトリメトキシシラン、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)2700重量部を加え、攪拌混合した。次いで、(A)成分として、ポリウレタン樹脂(水分散、全固形分濃度35重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス210を424重量部と、水分散、全固形分濃度38重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス460を391重量部との合計)815重量部、(C)成分として、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−103)97重量部(第1のプライマー層11中での重量%:7%)を加えて攪拌混合した後、さらにシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L−7604)2重量部を加えて、一昼夜攪拌を続けた。その後、2μmのフィルターで濾過を行い、第1のプライマー組成物を得た。これ以外は、実施例1と同様にプラスチックレンズ1を製造した。これにより、実施例5においても、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、ハードコート層13、および反射防止層14を有するプラスチックレンズ1が作製された。すなわち、実施例1とは、第1のプライマー層11の組成のみが異なる。
(実施例6)
実施例1の工程(2)の第1のプライマー組成物の調整を以下のようにした。ステンレス製容器内に、メチルアルコール6248重量部、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液100重量部を投入し、十分に攪拌した後、(B)成分として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤メチルトリメトキシシラン、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)2700重量部を加え、攪拌混合した。次いで、(A)成分として、ポリウレタン樹脂(水分散、全固形分濃度35重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス210を424重量部と、水分散、全固形分濃度38重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス460を391重量部との合計)815重量部、(C)成分として、フェニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名KBE−103)117重量部(第1のプライマー層11中での重量%:7%)を加えて攪拌混合した後、さらにシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L−7604)2重量部を加えて、一昼夜攪拌を続けた。その後、2μmのフィルターで濾過を行い、第1のプライマー組成物を得た。これ以外は、実施例1と同様にプラスチックレンズ1を製造した。これにより、実施例6においても、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、ハードコート層13、および反射防止層14を有するプラスチックレンズ1が作製された。すなわち、実施例1とは、第1のプライマー層11の組成のみが異なる。
(実施例7)
実施例1の工程(2)の第1のプライマー組成物の調整を以下のようにした。ステンレス製容器内に、メチルアルコール6287重量部、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液100重量部を投入し、十分に攪拌した後、(B)成分として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、表面処理剤メチルトリメトキシシラン、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名:オプトレイク)2700重量部を加え、攪拌混合した。次いで、(A)成分として、ポリウレタン樹脂(水分散、全固形分濃度35重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス210を424重量部と、水分散、全固形分濃度38重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス460を391重量部との合計)815重量部、(C)成分として、ジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−202SS)77重量部(第1のプライマー層11中での重量%:7%)を加えて攪拌混合した後、さらにシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L−7604)2重量部を加えて、一昼夜攪拌を続けた。その後、2μmのフィルターで濾過を行い、第1のプライマー組成物を得た。これ以外は、実施例1と同様にプラスチックレンズ1を製造した。これにより、実施例7においても、第1のプライマー層11、第2のプライマー層12、ハードコート層13、および反射防止層14を有するプラスチックレンズ1が作製された。すなわち、実施例1とは、第1のプライマー層11の組成のみが異なる。
(比較例1)
実施例1の工程(2)を省略した。すなわち、比較例1においては、第1のプライマー層11を形成しなかった。それ以外は、実施例1と同様にプラスチックレンズを製造した。これにより、比較例1においては、第2のプライマー層12、ハードコート層13、反射防止層14を有するプラスチックレンズが作製された。
(比較例2)
実施例1の工程(3)を省略した。すなわち、比較例2においては、第2のプライマー層12を形成しなかった。それ以外は、実施例1と同様にプラスチックレンズを製造した。これにより、比較例2においては、第1のプライマー層11、ハードコート層13、反射防止層14を有するプラスチックレンズが作製された。
図2に、実施例1〜7および比較例1〜2で形成されたプラスチックレンズについて、プラスチックレンズ基材10の屈折率と、各層11〜13の組成比、膜厚、屈折率を纏めて示している。
実施例1〜7で形成されたプラスチックレンズ1は、いずれも、プラスチックレンズ基材10の屈折率が1.74であった。
第1のプライマー層11の金属酸化物フィラー(金属酸化物微粒子)と有機樹脂との組成比((B)成分と(A)成分との組成比)は60:40に調整されており、第1のプライマー層11の膜厚(層厚)が100nm、第1のプライマー層11の内部11aの屈折率が1.74、第1のプライマー層11の表層11bの屈折率が1.65であった。
第2のプライマー層12の金属酸化物フィラー(金属酸化物微粒子)と有機樹脂との組成比((E)成分と(D)成分との組成比)は40:60に調整されており、第2のプライマー層12の膜厚(層厚)が800nm、第2のプライマー層12の屈折率が1.65であった。
ハードコート層13の金属酸化物フィラー(金属酸化物微粒子)と有機樹脂との組成比((G)成分と(I)成分との組成比)は60:40に調整されており、ハードコート層13の膜厚(層厚)が2500nm、ハードコート層13の屈折率が1.65であった。なお、実施例4で形成されたプラスチックレンズ1は、第2のプライマー層12の屈折率が1.64であった。
比較例1で形成されたプラスチックレンズは、プラスチックレンズ基材10の屈折率が1.74であった。第2のプライマー層12の金属酸化物フィラー(金属酸化物微粒子)と有機樹脂との組成比が40:60、第2のプライマー層12の膜厚(層厚)が800nm、屈折率が1.65であった。ハードコート層13の金属酸化物フィラー(金属酸化物微粒子)と有機樹脂との組成比が60:40、ハードコート層13の膜厚(層厚)が2500nm、ハードコート層13の屈折率が1.65であった。
比較例2で形成されたプラスチックレンズは、プラスチックレンズ基材10の屈折率が1.74であった。第1のプライマー層11の金属酸化物フィラー(金属酸化物微粒子)と有機樹脂との組成比が60:40、第1のプライマー層11の膜厚(層厚)が100nm、第1のプライマー層11の内部11aの屈折率が1.74、第1のプライマー層11の表層11bの屈折率が1.65であった。ハードコート層13の金属酸化物フィラー(金属酸化物微粒子)と有機樹脂との組成比が60:40、ハードコート層13の膜厚(層厚)が2500nm、ハードコート層13の屈折率が1.65であった。
(評価)
実施例1〜7および比較例1〜2で得られたプラスチックレンズを、下記の評価方法によって評価した。
(a)干渉縞:暗箱内において、三波長型蛍光灯(松下電器産業(株)製、商品名:ナショナルパルック)下で、プラスチックレンズの干渉縞を観察し、次の段階に分けて評価した。
○:干渉縞がほとんど見えず、良好な水準。
×:干渉縞が激しく、見苦しい水準。
(b)密着性:キセノンランプによるサンシャインウェザーメーター(スガ試験(株)製:WEL−SUN−HC)に80時間暴露した後に、JIS D−0202に準じてクロスカットテープ試験を行った。すなわち、ナイフを用いてプラスチックレンズ表面に1mm間隔に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を100個形成した。その上に、セロファン粘着テープ(ニチバン(株)製:商品名:セロテープ(登録商標))を強く押し付けた。その後、表面から90度方向へ急に引っ張り剥離した。コート被膜の残っているマス目を密着性指標として目視で観察した。
A:被膜剥がれなし(残存マス目数100)
B:ほとんど剥がれなし(残存マス目数99.9〜95)
C:やや剥がれ有り(残存マス目数94.9〜80)
D:剥がれ有り(残存マス目数79.9〜30)
E:ほぼ全面剥がれ(残存マス目数29.9〜0)
(c)耐衝撃性:米国FDA規格による落球試験を行った。すなわち、凸面を上にしたプラスチックレンズの鉛直上方から、質量16.3gの鋼球を、高さ67cmから落下させた。ここで破壊が生じなかったものは、20cmずつ高さを上げて、再度鋼球を落下させ、破壊した時点の高さを測定した。なお、試験時には、プラスチックレンズ基材の中心厚を1.1mmとした。
(評価結果)
図3に、実施例1〜7および比較例1〜2のプラスチックレンズにおける各評価結果を纏めて示している。
実施例1〜7で製造されたプラスチックレンズ1では、干渉縞が発生しなかった。この結果は、第1のプライマー層11において屈折率が調整されたためであると考えられる。すなわち、実施例1〜7で製造されたプラスチックレンズ1は、第1のプライマー層11が設けられており、それにより、プラスチックレンズ基材10からハードコート層13まで、屈折率が大きなギャップがなく、ほとんど連続して変化している。このため、プラスチックレンズ基材10と第1のプライマー層11との界面、第1のプライマー層11と第2のプライマー層12の界面、第2のプライマー層12とハードコート層13の界面における干渉縞の発生を抑制できているためであると考えられる。
また、実施例1〜7で製造されたプラスチックレンズ1では、良好な耐衝撃性が得られた。実施例1〜7で製造されたプラスチックレンズ1は、第2のプライマー層12を備えており、それにより衝撃が吸収できたためであると考えられる。さらに、実施例1〜7で製造されたプラスチックレンズ1では、密着性も良好であった。
比較例1で製造されたプラスチックレンズは、第2のプライマー層12が設けられているため、耐衝撃性(衝撃吸収性)は良好であった。しかしながら、干渉縞が発生した。これは、比較例1で製造されたプラスチックレンズは第1のプライマー層11がないため、プラスチックレンズ基材10と第2のプライマー層12との屈折率差が大きくなり、この界面において干渉縞が発生したものと考えられる。
比較例2で製造されたプラスチックレンズは、第1のプライマー層11が設けられているため、各界面において干渉縞は発生しなかった。しかしながら、比較例2で製造されたプラスチックレンズは、第2のプライマー層12がないため、耐衝撃性(衝撃吸収性)は、実施例1〜7で製造されたプラスチックレンズ1と比べて低下した。
以上のように、実施例1〜7により製造されたプラスチックレンズ1は、第1のプライマー層11を有しているため、干渉縞を抑制できる。実施例1〜7により製造されたプラスチックレンズ1が有する第1のプライマー層11は、屈折率が基材10から離れる方向に減少するため、第1のプライマー層11の上に、屈折率が第1のプライマー層11の表層11bの屈折率以下である第2のプライマー層12を設け、さらに、屈折率が基材10の屈折率よりも小さいハードコート層13を設けても、基材10からハードコート層13まで、屈折率のギャップを抑制でき、干渉縞を抑制できる。
また、同時に、第1のプライマー層11とハードコート層13の間に、第1のプライマー層11の表層11bの屈折率以下の第2のプライマー層12、すなわち、金属酸化物微粒子の有機樹脂に対する比率が比較的小さい(衝撃吸収性が大きい)プライマー層12を設けることができる。したがって、実施例1〜7により、耐衝撃性の良好なプラスチックレンズ1を得ることができる。
本発明の光学物品は、プラスチックレンズとして好適に使用することができる。本発明の光学物品としては、例えば、眼鏡レンズ、カメラレンズ、望遠鏡用レンズ、顕微鏡用レンズ、ステッパー用集光レンズ、光学機器用レンズなどの光学レンズを挙げることができる。また、本発明を適用できる光学物品は、光学レンズに限定されない。本発明の光学物品には、例えば、液晶ディスプレイなどの表示板、DVDなどの光記録媒体、光が透過または反射する他の物品などが含まれる。
本発明の一実施形態にかかる光学物品としてのプラスチックレンズを模式的に示す図。 実施例1〜7および比較例1〜2のプラスチックレンズについて、プラスチックレンズ基材の屈折率と、各層の組成比、膜厚、屈折率を纏めて示す図。 実施例1〜7および比較例1〜2のプラスチックレンズにおける各評価結果を纏めて示す図。
符号の説明
1 プラスチックレンズ(光学物品)
10 プラスチックレンズ基材(プラスチック基材)
11 第1のプライマー層(屈折率調整層、第1の層)
12 第2のプライマー層(衝撃吸収層、第2の層)
13 ハードコート層

Claims (6)

  1. プラスチック基材と、
    前記プラスチック基材に接する第1の層であって、屈折率が前記プラスチック基材から離れる方向に減少する第1の層と、
    前記第1の層に接する第2の層であって、屈折率が前記第1の層の表層の屈折率以下である第2の層と、
    前記第2の層に接するハードコート層であって、屈折率が前記プラスチック基材の屈折率よりも小さいハードコート層とを有する、光学物品。
  2. 請求項1において、前記第1の層は、ポリウレタン樹脂と、金属酸化物微粒子と、有機ケイ素化合物とを含む第1の材料により形成されている、光学物品。
  3. 請求項1または2において、前記第2の層は、ウレタン系、エステル系、エポキシ系、アクリル系またはシリコーン系の有機樹脂と、金属酸化物微粒子とを含む第2の材料により形成されている、光学物品。
  4. 請求項1において、前記第1の層を形成する第1の材料、前記第2の層を形成する第2の材料および前記ハードコート層を形成する第3の材料は、それぞれ、金属酸化物微粒子と有機樹脂とを含み、前記第1の材料に含まれる金属酸化物微粒子の有機樹脂に対する比率は、前記第2の材料に含まれる金属酸化物微粒子の有機樹脂に対する比率よりも大きい、光学物品。
  5. 請求項4において、前記第3の材料に含まれる金属酸化物微粒子の有機樹脂に対する比率は、前記第2の材料に含まれる金属酸化物微粒子の有機樹脂に対する比率よりも大きい、光学物品。
  6. 請求項1から5のいずれかにおいて、前記プラスチック基材の屈折率は、1.7以上である、光学物品。
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