JP2005234529A - プラスチックレンズ - Google Patents

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徹 齋藤
Akinori Yamamoto
明典 山本
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Abstract

【課題】 メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物を素材として用い、屈折率が高く、耐衝撃性に優れた実用的なプラスチックレンズを提供する。
【解決手段】 メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物を用いたプラスチックレンズ基材とハードコート層との間にポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層を介在させる。高屈折率で脆いプラスチックレンズ基材の耐衝撃性を劇的に改良することができ、実用的なプラスチックレンズを得ることができる。プライマー層には屈折率調整成分を加えることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高屈折率、高耐衝撃性を有し、実用性に優れたプラスチックレンズに関する。
プラスチックレンズは、ガラスレンズに比べ軽量で、成形性、加工性、染色性が良く、割れにくく安全性も高いため、眼鏡レンズの分野で広く用いられている。
しかし、プラスチックレンズは軟質で非常に傷つきやすい為、プラスチックレンズの表面に硬度の高いハードコート層をもうけ、耐擦傷性の向上をはかっている。さらには表面反射を防止する目的でハードコート層の表面に無機物質を蒸着した反射防止膜をもうけている場合もある。こうしたプラスチックレンズの表面処理層により、プラスチックレンズの品質は高いものとなっている。
ところが、ハードコート層や反射防止膜の表面処理を施したプラスチックレンズは、いっさい表面処理層を有さないプラスチックレンズと比較して、耐衝撃性が低下するという欠点がある。特にレンズの中心厚が薄いマイナス度数レンズの場合は耐衝撃性が著しく低下し、割れやすいという欠点をもつ。これを改善するために中心厚を厚くすると、レンズの周辺部の厚さ(コバ厚)は非常に厚くなり、外観上好ましくない。またレンズの重量も重くなり、眼鏡の使用感は.低下し、実用上好ましくない。近年は屈折率の高いプラスチックレンズ基材の開発が進み、これによりレンズの中心厚、コバ厚を薄くすることが可能であるが、屈折率の高いプラスチックレンズ基材は耐衝撃性が低く、割れやすいという欠点をもつ。
高屈折率素材の中でも、近年、下記の特許文献1、2で開示されているメルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物が開発されている。このメルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物を用いて重合された樹脂は、屈折率、耐熱性、耐衝撃性に優れ、バランスが取れているとされている。
特開2001−342252 特開2001−342172
そのため、上記メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物から得られた樹脂を素材として用いたプラスチックレンズの商品化が要望されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物から得られた樹脂を素材として用いた実用的なプラスチックレンズを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意検討した結果、メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物から得られた樹脂は、上記公報の説明にもかかわらず、一般的な耐衝撃性には優れるものの、レンズの上に鋼球を落下させて行う耐衝撃性試験に対しては特異的に弱く、とうてい基準を満たすことができないということを知見した。
そのため、本発明は、第1に、下記A成分とB成分を含む重合性組成物を重合硬化してなるプラスチックレンズ基材と、
A成分:下記一般式(1)
R−(SCH2SH)n・・・(1)
(式中、Rは芳香環を除く有機残基を示し、nは1以上の整数を示す)
で表される分子内に2個以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物、
B成分:分子内にメルカプト基と反応する官能基を有する化合物、
前記プラスチックレンズ基材上に形成されたポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層と、前記プライマー層上に形成されたハードコート層とを有することを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
上記一般式(1)で示されるメルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物から得られた樹脂を素材として用いたプラスチックレンズ基材とハードコート層の間にポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層を設けることによって、高屈折率で脆いプラスチックレンズ基材の耐衝撃性を劇的に改良し、実用的なプラスチックレンズを得ることができた。
本発明は、第2に、上記第1のプラスチックレンズにおいて、前記プライマー層が、屈折率調整成分として、粒径1〜100nmのSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる1種以上の無機酸化物からなる微粒子及び/又はSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる2種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子を含むことを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
プライマー層にプライマー層の屈折率を向上させる微粒子を配合することによってプラスチックレンズ基材の屈折率にプライマー層の屈折率を近接させ、干渉縞の発生を抑制して外観に優れたプラスチックレンズとすることができる。
本発明は、第3に、第2のプラスチックレンズにおいて、前記屈折率調整成分が、Si,Sn,Sb,Zr,Tiから選ばれる3種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子であることを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
これらの3種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子は、高屈折率で活性の高い無機酸化物を活性の低い無機酸化物で被覆することが可能であり、その結果、高屈折率でありながら活性が低く、密着性、耐候性に優れたプライマー層を与えることができる。
本発明は、第4に、上記第1〜3のいずれかに記載のプラスチックレンズにおいて、前記ハードコート層が、下記C成分及びD成分を含むハードコート組成物を重合硬化してなることを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
C成分:粒径1〜100nmのSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる1種以上の無機酸化物からなる微粒子及び/又はSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる2種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子、
D成分:下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物
1 m2 pSiX1 4-p-m・・・(2)(式中、R1は重合可能な反応基を有する有機基、R2は炭素数1〜6の炭化水素基、X1は加水分解基であり、mは0又は1、pは0又は1である。)
このようなハードコート層をプライマー層の上に形成することによって、ハードコート層として必要な耐擦傷性を付与できると共に、その上に形成される反射防止膜との密着性に優れる。
本発明は、第5に、第4のプラスチックレンズにおいて、前記C成分が、Si,Sn,Sb,Zr,Tiから選ばれる3種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子であることを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
これらの3種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子は、高屈折率で活性の高い無機酸化物を活性の低い無機酸化物で被覆することが可能であり、その結果、高屈折率でありながら活性が低く、密着性、耐候性に優れたハードコート層を与えることができる。
本発明は、第6に、上記第1〜5のいずれかに記載のプラスチックレンズにおいて、前記一般式(1)中のRが、脂肪族、脂環族、複素環、又は鎖中に硫黄原子を有する脂肪族、脂環族若しくは複素環から選ばれる有機残基であることを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
このようなポリチオール化合物を用いることによって、高屈折率の樹脂とすることができる。
本発明は、第7に、上記第6記載のプラスチックレンズにおいて、前記ポリチオール化合物が、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンであることを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
このようなポリチオール化合物を用いることによって、高屈折率の樹脂とすることができる。
本発明は、第8に、上記第6記載のプラスチックレンズにおいて、前記ポリチオール化合物が、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタンであることを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
このようなポリチオール化合物を用いることによって、高屈折率の樹脂とすることができる。
本発明は、第9に、上記第4又は5に記載のプラスチックレンズにおいて、前記ハードコート組成物が、更に、多官能性エポキシ化合物を含有することを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
多官能性エポキシ化合物を配合したハードコート層は、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層との密着性に優れるため、耐久性に優れたプラスチックレンズとすることができる。更に、多官能性エポキシ化合物を含むハードコート層は、プラスチックレンズの耐衝撃性を改善することができる。
本発明は、第10に、上記第1〜9いずれかに記載のプラスチックレンズにおいて、前記ハードコート層の上に設けられた反射防止膜を有することを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
反射防止膜が設けられることによる耐衝撃性の低下を上記プライマー層で防止することができる。
本発明は、第11に、上記第10記載のプラスチックレンズにおいて、前記反射防止膜が、下記E成分およびF成分を含有するコーティング組成物を重合硬化してなり、前記ハードコート層の屈折率よりも0.10以上低い屈折率を有し、かつ50nm〜150nmの膜厚の低屈折層であることを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
E成分:下記一般式(3)で表される有機ケイ素化合物、
3 r4 qSiX2 4-q―r・・・(3)(式中、R3は重合可能な反応基を有する有機基、R4は炭素数1〜6の炭化水素基、X2は加水分解基であり、qは0又は1、rは0又は1である。)
F成分:シリカ系微粒子。
かかる反射防止膜は、ハードコート層との熱膨張率差が小さいため、耐熱性に優れる。
本発明は、第12に、上記第11記載のプラスチックレンズにおいて、前記シリカ系微粒子が、内部空洞を有することを特徴とするプラスチックレンズを提供する。
内部空洞を有するシリカ系微粒子を用いることによって反射防止膜の屈折率を低下させることができるため、ハードコート層との屈折率差を大きくして反射防止効果を高めることができる。
以下、本発明のプラスチックレンズの実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明のプラスチックレンズは、下記A成分とB成分を含む重合性組成物を重合硬化してなるプラスチックレンズ基材を用いる。
A成分:下記一般式(1)で表される分子内に2個以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物。
R−(SCH2SH)n・・・(1)
B成分:分子内にメルカプト基と反応する官能基を有する化合物。
上記式(1)中、Rは芳香環を除く有機残基を表す。この有機残基としては、直鎖状若しくは分岐状の脂肪族、脂環族、複素環、又は鎖中に硫黄原子を有する直鎖状若しくは分岐状の脂肪族、脂環族若しくは複素環から選ばれる一種以上を挙げることができる。また、式中nは1以上の整数であり、メルカプトメチルチオ基は一分子内に1個以上、好ましくは2個以上有することが必要である。また、メルカプトメチルチオ基以外のメルカプト基を有していてもよい。
一般式(1)で表されるポリチオール化合物の具体例としては、1,2,5−トリメルカプト−4−チアペンタン、3,3−ジメルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、3−メルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、3−メルカプトメチルチオ−1,7−ジメルカプト−2,6−ジチアヘプタン、3,6−ジメルカプトメチル−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3,7−ジメルカプトメチル−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、4,6−ジメルカプトメチル−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3−メルカプトメチル−1,6−ジメルカプト−2,5−ジチアヘキサン、3−メルカプトメチルチオ−1,5−ジメルカプト−2−チアペンタン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,4,8,11−テトラメルカプト−2,6,10−トリチアウンデカン、1,4,9,12−テトラメルカプト−2,6,7,11−テトラチアドデカン、2,3−ジチア−1,4−ブタンジチオール、2,3,5,6−テトラチア−1,7−ヘプタンジチオール、2,3,5,6,8,9−ヘキサチア−1,10−デカンジチオール、4,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチオラン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−ビス(メルカプトメチルチオ)メチル−1,3−ジチエタン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等のポリチオール化合物が挙げられ、それぞれの1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンを好ましく用いることができる。
また、必要に応じて一般式(1)で表されるポリチオール化合物以外のポリチオール化合物を併用しても良い。
B成分の分子内にメルカプト基と反応する官能基を有する化合物としては、イソ(チオ)シアナト化合物、(チオ)エポキシ化合物、分子内にメルカプト基と反応する不飽和基を有する化合物が挙げられる。
イソ(チオ)シアナト化合物は、分子内に1つ以上のイソ(チオ)シアナト基を有する化合物であり、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート化合物、イソホロンジイソシアナート等の脂環族ポリイソシアナート化合物、キシリレンジイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート化合物、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド等の含硫黄脂肪族ポリイソシアナート化合物、2−イソシアナトフェニル−4−イソシアナトフェニルスルフィド等の芳香族スルフィド系ポリイソシアナート化合物、ビス(4−イソシアナトフェニル)ジスルフィド等の芳香族ジスルフィド系ポリイソシアナート化合物、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン等の含硫黄脂環族ポリイソシアナート化合物、1,2−ジイソチオシアナトベンゼン等の芳香族ポリイソチオシアナート化合物、1,2−ジイソチオシアナトエタン等の脂肪族ポリイソチオシアナート化合物、チオビス(3−イソチオシアナトプロパン)等の含硫黄脂肪族ポリイソチオシアナート化合物等を例示することができる。
(チオ)エポキシ化合物は、分子内に1つ以上の(チオ)エポキシ基を含有する化合物であり、例えば、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド等の2,3−エピチオプロピル基を有する鎖状脂肪族チオエポキシ化合物、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン等の脂環属のチオエポキシ化合物、1,2−ビス(2、3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン等の芳香族チオエポキシ化合物を挙げることができる。
また、分子内にメルカプト基と反応する不飽和結合を1つ以上含有する化合物としては、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイルチオエタン等のチオ(メタ)アクリレート化合物を例示することができる。
A成分とB成分の配合比率は、B成分としてイソ(チオ)シアナト基を有する化合物を用いる場合には、A成分中のメルカプト基(SH)とB成分中のメルカプト基と反応する官能基すなわちイソ(チオ)シアナト基(B)とが、SH/B(モル比)=0.5〜2.0、特に0.65〜1.5の範囲となる比率が好ましい。
また、B成分として(チオ)エポキシ基を有する化合物を用いる場合には、A成分中のメルカプト基(SH)とB成分中のメルカプト基と反応する官能基すなわち(チオ)エポキシ基(B)とが、SH/B(モル比)=0.01〜1.0、特に0.05〜0.3の範囲となる比率が好ましい。
また、B成分として上記イソ(チオ)シアナト基または(チオ)エポキシ基以外のメルカプト基と反応する不飽和結合を1つ以上含有する化合物を用いる場合には、A成分中のメルカプト基(SH)とB成分中のメルカプト基と反応する官能基すなわちメルカプト基と反応する不飽和結合基(B)とが、SH/B(モル比)=0.3〜3.0、特に0.5〜1.5の範囲となる比率が好ましい。
これらB成分の分子内にメルカプト基と反応する官能基をもつ化合物としては、重合後のプラスチックレンズの耐熱性や機械的強度の観点から、中でもイソ(チオ)シアナト基を有する化合物が好ましい。
これらのA成分とB成分とを含有する重合性組成物には、公知の重合触媒を配合することができるが、重合に際して重合触媒を必要としない場合もある。重合触媒としては、例えば、ウレタン化反応触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジメチル錫ジクロライド等の錫化合物や3級アミンなどのアミン化合物が使用でき、これらは単独で使用することも、併用して使用することもできる。また、目的に応じて鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、ブルーイング剤、染料、顔料、レベリング剤、充填剤、内部離型剤などの種々の物質を添加してもよい。
重合性組成物の重合硬化は、通常、注型重合が用いられる。対向配置した2枚の円形のガラス型の側面を粘着テープやガスケットで固定すると共に、ガラス型間の隙間を封止したモールドを組み立て、このモールドに重合性組成物を充填し、熱エネルギー又は光エネルギーにより重合硬化させてプラスチックレンズ基材を得ることができる。プラスチックレンズ基材はこのような成形後に一方の面が所望の光学面に研磨される場合がある。
上記メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物から得られた樹脂からなるプラスチックレンズ基材は、屈折率が1.69以上と高屈折率であり、三点曲げ試験における曲げ強度などの一般的な強度に優れているが、鋼球の落下による耐衝撃性の試験では他のポリチオール化合物から得られた樹脂と比較して特異的に低い値を示す。メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物から得られた樹脂はヤング率が高く、硬いために、鋼球試験では落下した鋼球の衝撃をその一点で受け、衝撃を集中して受けるために鋼球試験では低い値を示すものと考えられる。
そのため、本発明では、脆いプラスチックレンズ基材上にポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層を形成して耐衝撃性を改良する。プラスチックレンズ基材とハードコート層との間にプライマー層を設けることにより耐衝撃性を改良できることは公知である。ポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層は他の素材のプラスチックレンズ基材の耐衝撃性を改善することができるが、メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物から得られた樹脂からなる脆いプラスチックレンズ基材とポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層の組み合わせにより、耐衝撃性を劇的に改善することができる。
ヤング率が高く硬いレンズでは、耐衝撃性試験時にレンズに加わった衝撃によって衝撃が集中した部分のレンズ表面からクラックが発生し、クラックが表面からレンズ内部まで伝搬することによりレンズ全体が破損するが、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層の衝撃が集中した部分においてクラックが表面からレンズ内部へ伝搬することを防止するため耐衝撃性を改善することができると考えられる。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、特開2000−144048に記載されているものを例示することができる。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントにポリエステル、ソフトセグメントにポリエーテルまたはポリエステルを使用したマルチブロック共重合体である。ハードセグメント(H)とソフトセグメント(S)との重量比率は、H/S=30/70〜90/10、望ましくは40/60〜80/20である。
ハードセグメント構成成分としてのポリエステルは、基本的には、ジカルボン酸類と低分子グリコールよりなる。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、デカメチレンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸等の炭素数4〜20の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸、ε−オキシカプロン酸等の脂肪族オキソカルボン酸、ダイマー酸(二重結合を有する脂肪族モノカルボン酸を二量重合させた二塩基酸)等、及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でもテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が使用に際して望ましい。
また、低分子グリコールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、1,6−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族グリコール等、及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが使用に際して望ましい。
ソフトセグメント構成成分としてのポリエステルは、ジカルボン酸類と長鎖グリコールよりなり、ジカルボン酸類としては、前記のものが挙げられる。長鎖グリコールとしては、ポリ(1,2−ブタジエングリコール)、ポリ(1,4−ブタジエングリコール)及びその水素添加物等が挙げられる。また、ε−カプロラクトン(C6)、エナントラクトン(C7)及びカプロリロラクトン(C8)もポリエステル成分として有用である。これらの中でε−カプロラクトンが使用に際して望ましい。
ソフトセグメント構成成分のポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等のポリ(アルキレンオキシド)グリコール類が挙げられ、これらの中でポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールが使用に際して望ましい。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーの製造方法としては、例えばジカルボン酸の低級アルキルエステルを脂肪族長鎖グリコール及び過剰の低分子グリコールをテトラブチルチタネート等の触媒の存在下で150〜200℃の温度で加熱し、エステル交換反応を行い、まず低重合体を形成し、さらにこの低重合体を高真空下、220〜280℃で加熱攪拌し、重縮合を行いポリエステル系熱可塑性エラストマーを得る。前記低重合体は、ジカルボン酸と長鎖グリコール及び低分子グリコールとの直接エステル化反応によっても得ることができる。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、他のポリマーと混合して使用が可能であり、例えば通常のエステル系樹脂(PBT、PET等)、アミド系樹脂、さらには、アミド系熱可塑性エラストマー等任意であり、通常、ポリマー全体に占める割合は、50%未満、望ましくは30%未満とする。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、溶液タイプのプライマー組成物に調製することができる。しかし、加工性及び環境保護の観点より水性エマルジョンのプライマー組成物として使用することが望ましい。この水性エマルジョン化は慣用の方法により行うことができるが、具体的には、ポリマーを界面活性剤(外部乳化剤)の存在下、高い機械的剪断をかけて強制的に乳化させる強制乳化法が望ましい。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーの市販品としては、「ペスレジンA−160P」(高松油脂製、水分散エマルション)を挙げることができる。
近年のプラスチックレンズ基材の高屈折率化により、メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物を用いた屈折率が1.69以上のプラスチックレンズ基材にプライマー層としてそのままポリエステル系熱可塑性エラストマーを塗布すると、プライマー層により干渉縞が生じる。そのため、無機微粒子を屈折率調整成分としてプライマー層に配合することが好ましい。プライマー層とプラスチックレンズ基材との屈折率差は、0.03以内、特に0.02以内とすることが好ましい。
このような無機微粒子としては、Si,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる金属の1種又は2種以上の酸化物微粒子又は複合微粒子を例示することができる。とりわけ、Si,Sn,Sb,Zr,Tiから選ばれる3種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子を好適に用いることができる。具体的には、SiO2,SnO2,Sb25,CeO2,ZrO2,TiO2等の無機酸化物微粒子を、分散媒たとえば水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散させたもの、または、Si,A1,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiの無機酸化物の2種以上によって構成される複合微粒子を水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散したものを例示することができる。
中でも、TiO2/ZrO2/SiO2の3成分複合微粒子、TiO2/SiO2/SnO2の3成分複合微粒子を水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散したものを、好適な例として挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子、または複合微粒子はいずれも粒径は1〜100nmの範囲が好適である。
このような複合微粒子の複合の形態は種々あり、例えば高屈折率であるが活性が強く、光を受けて周囲の有機物を劣化させる、例えばTiO2、ZrO2等の微粒子を、低活性のSiO2で被覆したような形態や、2種以上の金属酸化物が化合物を作った形の酸化物の形態などがある。
このような高屈折率成分を低活性成分で被覆した形態の複合微粒子は、高屈折率でありながら活性を低くすることが可能である。そのため、このような複合微粒子を屈折率調整成分としてプライマー層に配合することによって、高屈折率でかつプライマー層の下地および上部であるハードコート層との密着性に優れ、さらに耐候性にもすぐれたプライマー層とすることができる。
また、特に最上層に反射防止膜層を設けたタイプのプラスチックレンズを製造する際には、干渉縞を抑制して外観を良好にするために、プライマー層とプラスチックレンズ基材、およびプライマー層とハードコート層との屈折率差は、複合微粒子中の高屈折率成分を調整することにより、0.03以下、好ましくは0.02以下とすることが好ましい。
さらにコーティング液中での分散安定性を高めるためにこれらの無機微粒子表面を有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で処理したものを使用することも可能である。
この際用いられる有機ケイ素化合物としては、単官能性シラン、あるいは二官能性シラン、三官能性シラン、四官能性シラン等がある。処理に際しては加水分解性基を未処理で行ってもあるいは加水分解して行ってもよい。また処理後は、加水分解性基が微粒子の−OH基と反応した状態が好ましいが、一部残存した状態でも安定性には何ら問題がない。
またアミン系化合物としてはアンモニウムまたはエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン等のアルキルアミン、ベンジルアミン等のアラルキルアミン、ピペリジン等の脂環式アミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンがある。
これら有機ケイ素化合物とアミン化合物の添加量は微粒子の重量に対して1〜15%程度の範囲内で加えることが好ましい。
無機微粒子のプライマー液中の固形分に占める割合として、0〜65重量%、特に55重量%以下であることが望ましい。65重量%を超えると、プライマー層が白濁し外観が悪化する場合がある。
調製したプライマー液をスピンコート、ディッピングなどの方法でプラスチックレンズ基材に塗布し、乾燥後、硬化させる方法でプライマー層の形成を行うことができる。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層の膜厚は0.01〜50μm、特に0.1〜30μmの範囲が好ましい。プライマー層が薄すぎると耐衝撃性の改善効果は少なく、逆に厚すぎると、表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪が発生する場合がある。
次に、ハードコート層について説明する。本発明のプラスチックレンズにおけるハードコート層は、下記のC成分及びD成分を含有するハードコート組成物を重合硬化して形成されている。
C成分:粒径1〜100nmの無機微粒子、
D成分:下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物。
1 m2 pSiX1 4-p-m・・・(2) ここで、式中、R1は重合可能な反応基を有する有機基、R2は炭素数1〜6の炭化水素基、X1は加水分解基であり、mは0又は1、pは0又は1である。
C成分の無機微粒子としては、Si,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる金属の1種又は2種以上の酸化物微粒子又は複合微粒子を例示することができる。とりわけ、Si,Sn,Sb,Zr,Tiから選ばれる3種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子を好適に用いることができる。具体的には、SiO2,SnO2,Sb25,CeO2,ZrO2,TiO2等の無機酸化物微粒子を、分散媒たとえば水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散させたもの、または、Si,A1,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiの無機酸化物の2種以上によって構成される複合微粒子を水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散したものを例示することができる。
中でも、TiO2/ZrO2/SiO2の3成分複合微粒子、TiO2/SiO2/SnO2の3成分複合微粒子を水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散したものを、好適な例として挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子または複合微粒子は、この発明の目的のためには平均粒径1〜100nmの径のものが使用されるが、好ましくは5〜30nmの径の範囲が望ましい。
このような複合微粒子の複合の形態は、上述した様に種々あり、例えば高屈折率であるが活性が強く、光を受けて周囲の有機物を劣化させるTiO2、ZrO2等の微粒子を低活性のSiO2で被覆したような形態や、2種以上の金属酸化物が化合物を作った形の酸化物等がある。そして、高屈折率成分を低活性成分で被覆した形態の複合微粒子は、高屈折率でありながら活性を低くすることが可能である。そのため、このような複合微粒子を配合したハードコート組成物を硬化させ、ハードコート層を設けることで、高屈折率でかつプライマー層との密着性に優れ、さらに耐候性にもすぐれたハードコート層を設けることができる。
また、最上層に反射防止膜層を設けたタイプのプラスチックレンズを製造する際には、干渉縞を抑制して外観を良好にするために、プライマー層とプラスチックレンズ基材、およびプライマー層とハードコート層との屈折率差は、複合微粒子中の高屈折率成分を調整することにより、0.03以内、特に好ましくは0.02以内とすることが好ましい。さらにコーティング液中での分散安定性を高めるために、上述したように、これらの微粒子表面を有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で処理したものを使用することも可能である。
無機微粒子の種類や配合量は、目的とする硬度や屈折率等により決定されるものであるが、配合量はハードコート組成物中の固形分の5〜80重量%、特に10〜50重量%の範囲であることが望ましい。配合量が少なすぎると、反射防止膜との密着性が不十分となるか、もしくは、塗膜の耐摩耗性が不十分となる場合がある。また、配合量が多すぎると、塗膜にクラックが生じ、染色性も不十分となる場合がある。
D成分の有機ケイ素化合物は、ビヒクル成分として機能するものである。上記一般式(2)において、R1は重合可能な反応基を有する有機基であり、重合可能な反応基としては、例えばビニル基,アリル基,アクリル基,メタクリル基,エポキシ基,メルカプト基,シアノ基,イソシアノ基,アミノ基等を例示することができる。R2は炭素数1〜6の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基,エチル基,ブチル基,ビニル基,フェニル基等が挙げられる。また、X1は加水分解可能な官能基であり、その具体的なものとして、メトキシ基,エトキシ基,メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基,ブロモ基等のハロゲン基、アシルオキシ基等が挙げられる。
D成分の有機ケイ素化合物としては、例えば、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルジアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等がある。このD成分は、2種以上混合して用いてもかまわない。また、加水分解を行なってから用いた方がより有効である。
D成分の使用量は、ハードコート組成物中の固形分の10〜70重量%、特に20〜60重量%の範囲であることが望ましい。配合量が少なすぎると、反射防止膜との密着性が不十分となりやすい場合がある。一方、配合量が多すぎると、硬化被膜にクラックを生じさせる原因となる場合がある。
また、ハードコート組成物には、多官能性エポキシ化合物を配合することができる。多官能性エポキシ化合物はハードコート層の染色成分として機能するものであり、ハードコート層に染色性を付与することができる。多官能性エポキシ化合物は、上述したプライマー層のポリエステル系熱可塑性エラストマーに対して特異的に密着性に優れる。また、多官能性エポキシ化合物は、ハードコート層の耐水性、耐温水性を向上させることが可能であり、染色時に高温の染色液に長時間浸漬されても、クラックの発生を効果的に抑制することができる。更に、多官能性エポキシ化合物を含むハードコート層は、プラスチックレンズの耐衝撃性を改善することができる。
多官能性エポキシ化合物は、接着剤、注型用などに広く実用されており、例えば過酸化法で合成されるポリオレフィン系エポキシ樹脂、シクロペンタジエンオキシドやシクロヘキセンオキシドあるいはヘキサヒドロフタル酸とエピクロルヒドリンから得られるポリグリシジルエステルなどの脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールAやカテコール、レゾシノールなどの多価フェノールあるいは(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ソルビトールなどの多価アルコールとエピクロルヒドリンから得られるポリグリシジルエーテル、エポキシ化植物油、ノボラック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリンから得られるエポキシノボラック、フェノールフタレインとエピクロルヒドリンから得られるエポキシ樹脂、グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレートアクリル系モノマーあるいはスチレンなどの共重合体、さらには上記エポキシ化合物とモノカルボン酸含有(メタ)アクリル酸とのグリシジル基開環反応により得られるエポキシアクリレートなどが挙げられる。
多官能性エポキシ化合物の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールヒドロキシヒバリン酸エステルのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールジグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物、イソホロンジオールジグリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等の脂環族エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物等が挙げられる。
多官能性エポキシ化合物の分子中に水酸基が存在すると、プライマー層との密着性や染色性が向上することが認められる。そのため、多官能性エポキシ化合物として、一分子中に複数のエポキシ基と一個以上の水酸基とを含むものが好ましい。例えば、上記例中、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等を好ましく用いることができる。本発明では、これらの一分子中に複数個のエポキシ基と一個以上の水酸基を有する多官能性エポキシ化合物の一種を単独で又は2種以上を併用し、更に、一分子中に水酸基を有さない多官能性エポキシ化合物と併用して用いることができる。
多官能性エポキシ化合物の配合量は、ハードコート組成物中の固形分の5〜40重量%であるが、プライマー層を介して形成する場合は、プライマー層の存在により染色性が向上するため、0.1〜25重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲に減少させることが可能である。配合量が少なすぎると塗膜の耐水性が不十分となる場合がある。一方、配合量が多すぎると反射防止膜との密着性が不十分となりやすい場合がある。
また、ハードコート組成物には硬化触媒を配合することができる。但し、硬化触媒が無くても硬化させることは可能である。好ましい重合触媒として、過塩素酸,過塩素酸アンモニウム,過塩素酸マグネシウム等の過塩素酸類、Cu(II),Zn(II),Co(II),Ni(II),Be(II),Ce(III),Ta(III),Ti(III),Mn(III),La(III),Cr(III),V(III),Co(III),Fe(III),Al(III),Ce(IV),Zr(IV),V(IV)等を中心金属原子とするアセチルアセトネート、アミン,グリシン等のアミノ酸、ルイス酸、有機酸金属塩等が挙げられる。この中でも、硬化条件、塗液のポットライフなどにおいて過塩素酸マグネシウム、Al(III),Fe(III)のアセチルアセトネートがより好ましい。添加量は、固形分濃度の0.01〜5.0重量%の範囲内が望ましい。
このようにして得られるハードコート用組成物は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができる。溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類等の溶剤が用いられる。
ハードコート組成物には上記成分の他に必要に応じて、少量の界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料・油溶染料・蛍光染料・顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン・ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定剤等を添加しハードコート液の塗布性および硬化後の被膜性能を改良することもできる。特に紫外線吸収剤、酸化防止剤やヒンダードアミン、ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定剤から選ばれる1種、もしくは2種以上を添加することによりハードコート被膜に優れた耐候性を付与することが可能である。
ハードコート組成物の塗布・硬化方法としては、ディッピング法、スピンナー法、スプレー法あるいはフロー法によりプライマー層を形成したプラスチックレンズ基材にハードコート組成物を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱乾燥することにより、被膜を形成することができる。
ハードコート層の膜厚としては0.05〜30μm、特に0.1〜20μm程度の範囲がよい。薄くなりすぎると基本的な性能が発現しない場合があり、一方厚すぎると、光学的歪みが発生する場合がある。また、プライマー層とハードコート層との屈折率差は、0.03以内、特に0.02以内とすることが好ましい。
本発明のプラスチックレンズにおいては、ハードコート層の上に反射防止膜を形成することができる。
反射防止膜は、無機被膜、有機被膜の単層または多層で構成される。無機被膜の材質としては、SiO2、SiO、ZrO2、TiO2、TiO、Ti23、Ti25、Al23、Ta25、CeO2、MgO、Y23、SnO2、MgF2、WO3等の無機物が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。プラスチックレンズの場合は、低温で真空蒸着が可能なSiO2、ZrO2、TiO2、Ta25が好ましい。また、多層膜構成とした場合は、最外層はSiO2とすることが好ましい。
無機被膜の成膜方法は、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することができる。真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
有機被膜の材質は、プラスチックレンズやハードコート層の屈折率を考慮して選定され、真空蒸着法の他、スピンコート法、ディップコート法などの量産性に優れた塗装方法で成膜することができる。
また、有機被膜の単層の反射防止膜として、下記E成分およびF成分を含有するコーティング組成物を重合硬化して、ハードコート層の屈折率よりも0.10以上低い屈折率を有し、かつ50nm〜150nmの膜厚の低屈折率層の被膜を用いることができる。
E成分:下記一般式(3)で表される有機ケイ素化合物、
3 r4 qSiX2 4-q―r・・・(3)(式中、R3は重合可能な反応基を有する有機基、R4は炭素数1〜6の炭化水素基、X2は加水分解基であり、qは0又は1、rは0又は1である。)
F成分:シリカ系微粒子。
蒸着やスパッタリング法などの乾式法で形成される無機膜は下地の有機被膜のハードコート層との大きな熱膨張率差により耐熱性が低いのに対して、このような湿式法により形成される反射防止膜は、ハードコート層との熱膨張率差が小さいことから加熱によるクラックの発生が起こり難くなり、耐熱性に優れる。また、湿式法により形成することができるため、真空装置や大型の設備は不要となり、簡便に作製することが可能となる。
3の重合可能な反応基を有する有機基としては、例えばビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、アミノ基等が挙げられる。R4の炭素数1〜6の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基等が挙げられる。また、X2の加水分解可能な官能基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、アシルオキシ基等が挙げられる。
上記一般式(3)の有機ケイ素化合物の具体例としては、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトシキ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルジアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等が挙げられる。
また、シリカ系微粒子としては、平均粒径1〜100nmの径の微粒子のシリカを分散媒たとえば水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散させたシリカゾルを挙げることができる。また、低屈折率化のために、例えば粒径10〜100nmの内部に空洞ないし空隙が形成されているシリカ系微粒子からなるシリカゾルを用いることが好ましい。シリカ系微粒子の内部空洞内にシリカよりも屈折率が低い気体または溶媒が包含されることによって、空洞のないシリカ系微粒子より屈折率が低減し、被膜の低屈折率化が達成される。
一般式(3)で示される有機ケイ素化合物とシリカ系微粒子とを含有する低屈折率層用のコーティング組成物は、これらの必須成分の他に、必要に応じて、少量の硬化触媒、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダートアミン・ヒンダートフェノール等の光安定剤、分散染料・油溶染料・蛍光染料・顔料等を添加し、コーティング液の塗布性の向上や、硬化後の被膜性能を改良することもできる。
湿式法による低屈折率の反射防止膜の成膜方法としては、具体的には、ディピング法、スピンナー法、スプレー法、フロー法などの公知の方法が使用可能である。各種成膜方法の中でプラスチックレンズのような曲面形状に50nm〜150nmの薄膜をムラなく成膜することを考慮すると、ディピング法、またはスピンナー法が好ましい。
具体的には、以下の様な手順をとり成膜することが可能である。まず、上記一般式(3)で示されるシラン化合物を有機溶剤で希釈し、必要に応じて水または薄い塩酸、酢酸等を添加して加水分解を行う。さらに、上記シリカ系微粒子が5〜50重量%の分率で有機溶剤中にコロイド状に分散した品を添加する。その後、必要に応じ、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加し、十分に撹拌した後にコーティング液として用いる。このとき、硬化後の固形分に対して、コーティング液の希釈する濃度は、好ましくは固形分濃度として0.5〜15重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。固形分濃度が15重量%を越えた場合には、ディピング法で引き上げ速度を遅くしたり、スピンナー法で回転数を高くしても、所定の膜厚を得ることが困難であり、膜厚が必要以上に厚くなってしまう。また、固形分濃度が0.5重量%に満たない場合には、ディピング法で引き上げ速度を早くしたり、スピンナー法で回転数を遅くしても、膜厚が必要よりも薄くなってしまい所定の膜厚を得ることが困難である。また、速度を速くし過ぎたり、回転数を遅くし過ぎると、レンズ上での塗りムラが大きくなりやすく、界面活性剤等の添加でも対応仕切れなくなってしまう。
コーティング液をプラスチックレンズに塗布後、熱または紫外線によって硬化させることによって反射防止膜を得られるが、加熱処理によって硬化させることが好ましい。この際に、加熱温度はコーティング組成物の組成、プラスチックレンズの基材の耐熱性等を考慮して適宜決定されるが、50nm〜200nmが好ましく、より好ましくは80nm〜140nmである。
得られる反射防止膜の膜厚は50nm〜150nmの範囲である必要がある。この範囲より厚すぎても薄すぎても十分な反射防止効果が得られない。また、反射防止膜の屈折率は、反射防止膜として機能するためには、下地のハードコート層との屈折率差が0.10以上、好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.20以上とする必要がある。
メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物を用いて重合された樹脂からなるプラスチックレンズ基材の屈折率は、1.69以上である。通常の内部空洞を有さないシリカ系微粒子を用いた被膜の屈折率は約1.50程度にすることが可能であり、十分に反射防止膜として機能する屈折率差となる。内部空洞を有するシリカ微粒子を用いると、被膜の屈折率を約1.45以下まで下げることが可能であり、更に屈折率差を大きくして反射防止効果を高めることができる。
また、反射防止膜を形成する際には、ハードコート層の表面処理を行なうことが望ましい。この表面処理の具体的例としては、酸処理,アルカリ処理,紫外線照射処理,アルゴンもしくは酸素雰囲気中での高周波放電によるプラズマ処理,アルゴンや酸素もしくは窒素などのイオンビーム照射処理などが挙げられる。
更に、反射防止膜の表面を汚れ難く、あるいは汚れを拭き取りやすくするために、パーフルオロアルキル基等を含む含フッ素シラン化合物などを用いて反射防止膜の表面に撥水膜を形成することができる。
本発明のプラスチックレンズは、視力矯正用の眼鏡レンズ、サングラス、携帯機器のカバーガラス等に用いられ、屈折率が高いために軽量であると共に、耐衝撃性が良好であるため、安全性に優れ、実用的である。
以下、本発明の実施例について説明する。実施例および比較例で使用する物質の略称は以下の通りである。
(ポリイソシアナート化合物)
略称:物質名
A−1:m−キシリレンジイソシアナート
(ポリチオール化合物)
略称:物質名
B−1:1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン
B−2:1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン
B−3:4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン(このポリチオール化合物は、メルカプト基がエチレン基(−CH2CH2−)を介して骨格の硫黄と結合している構造を有する)
<実施例1〜6及び比較例1〜6>
以下にそれぞれの実施例、比較例で用いた、レンズ生地の製造、プライマー層の形成、ハードコート層の形成、反射防止膜の形成のそれぞれの方法について説明する。
(1)レンズ生地の製造
(1−1)プラスチックレンズ生地(L−1)の製造
プラスチックレンズ原料として、A−1を51g、B−1を49g調合し十分に攪拌、混合して均一にした後、内部離型剤としてZelecUN(stepan社)0.08g、紫外線吸収剤としてSEESORB701(シプロ化成工業)1.2gを添加し攪拌して、完全に溶解させた。その後、重合触媒としてジブチル錫ジクロライド0.03gを加えて、常温で良く攪拌して溶解させた後、5mmHgに減圧して攪拌しながら30分間脱気を行った。この原料を、テープにて外周部を封止した2枚のレンズ成形用ガラスモールド中に注入し、25℃から120℃まで20時間かけて昇温させて重合硬化させた。その後、ガラス型から硬化したプラスチックレンズを離型し、120℃で2時間加熱してアニール処理を行った。このとき、レンズの度数は、−3Dとなり、レンズの中心厚は約1.0mmとなる様なガラス型を使用した。
ここで作製したプラスチックレンズ生地を以下L−1と呼ぶ。
(1−2)プラスチックレンズ生地(L−2)の製造
プラスチックレンズ原料として、A−1を52g、B−2を48g調合し十分に攪拌、混合して均一にした後、内部離型剤としてZelecUN(stepan社)0.08g、紫外線吸収剤としてSEESORB701(シプロ化成工業)1.2gを添加し攪拌して、完全に溶解させた。その後、重合触媒としてジブチル錫ジクロライド0.03gを加えて、常温で良く攪拌して溶解させた後、5mmHgに減圧して攪拌しながら30分間脱気を行った。この原料を用いて、(L−1)と同様の操作を行い、プラスチックレンズを作製した。
ここで作製したプラスチックレンズ生地を以下L−2と呼ぶ。
(1−3)プラスチックレンズ生地(L−3)の製造
プラスチックレンズ原料として、A−1を44.3g、B−1を56.7g調合し十分に攪拌、混合して均一にした後、内部離型剤としてZelecUN(stepan社)0.08g、紫外線吸収剤としてSEESORB701(シプロ化成工業)1.2gを添加し攪拌して、完全に溶解させた。その後、重合触媒としてジブチル錫ジクロライド0.03gを加えて、常温で良く攪拌して溶解させた後、5mmHgに減圧して攪拌しながら30分間脱気を行った。この原料を用いて、(L−1)と同様の操作を行い、プラスチックレンズを作製した。ここで作製したプラスチックレンズ生地を以下L−3と呼ぶ。
(1−4)比較プラスチックレンズ生地(L−4)の製造
プラスチックレンズ原料として、A−1を51.5g、B−3を50g調合し十分に攪拌、混合して均一にした後、内部離型剤としてZelecUN(stepan社)0.08g、紫外線吸収剤としてSEESORB701(シプロ化成工業)1.3gを添加し攪拌して、完全に溶解させた。その後、重合触媒としてジブチル錫ジクロライド0.03gを加えて、常温で良く攪拌して溶解させた後、5mmHgに減圧して攪拌しながら30分間脱気を行った。この原料を用いて、(L−1)と同様の操作を行い、プラスチックレンズを作製した。ここで作製した比較プラスチックレンズ生地を以下L−4と呼ぶ。
(2−1)プライマー用組成物の調製および塗布硬化(P−1)
市販のポリエステル樹脂「ペスレジンA−160P」(高松油脂製、水分散エマルション、固形分濃度25%)100部に酸化チタン系複合微粒子「オプトレイク1130F−2(A−8)」(触媒化成工業製、Fe23/TiO2=0.02、SiO2/TiO2=0.11、粒径10nm、固形分濃度30%、分散溶媒メチルアルコール、表面処理テトラエトキシシラン)84部、希釈溶剤としてメチルアルコール640部、レベリング剤としてシリコーン系界面活性剤「SILWET L−77」(日本ユニカー製)1部を混合し、3時間攪拌し、これをプライマー用組成物とした。このプライマー用組成物を、前記プラスチックレンズL−1ないしL−3上に浸漬法(引き上げ速度20cm/min)にて塗布し、塗布したレンズを100℃で15分間加熱硬化処理してレンズ上に膜厚0.8〜0.9μmのプライマー層を形成させた。このようにして作製したプライマー層を以下P−1と呼ぶ。
(2−2)プライマー用組成物の調製及び塗布硬化(P−2)
市販のポリエステル樹脂「ペスレジンA−160P」(高松油脂製、水分散エマルション、固形分濃度25%)186部、メタノール257部、水15部、ブチルセロソルブ37部を混合し、さらにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5部、シリコン系界面活性剤「L−7604」(日本ユニカー製)0.1部を加えて3時間攪拌して、これをプライマー用組成物とした。このプライマー用組成物を、前記プラスチックレンズL−1ないしL−3上に浸漬法(引き上げ速度15cm/min)にて塗布し、塗布したレンズを100℃で20分間加熱硬化処理してレンズ上に膜厚0.9〜1.0μmのプライマー層を形成させた。このようにして作製したプライマー層を以下P−2と呼ぶ。
(3−1)ハ一ドコート用組成物の調製および塗布硬化(H−1)
ブチルセロソルブ100部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン155部を混合し十分に撹拌して均一にした。この混合液に0.1N塩酸水溶液43部を撹拌しながら滴下し、さらに室温で4時間撹拌後、冷蔵庫に入れて一昼夜熟成させた。その後 シリコン系界面活性剤「L−7001」(日本ユニカー製)0.3部を添加し 撹拌した後、メタノール分散二酸化チタン/二酸化ジルコニウム/二酸化ケイ素複合微粒子ゾル「オプトレイク1120Z・S25−A8」(触媒化成工業製 固形分濃度20重量%)700部を混合して、十分に撹拌した。さらに、Fe(III)アセチルアセトネート0.2部を添加した後、室温で3時間撹拌し、その後冷蔵庫で一昼夜熟成させた物をハードコート用組成物として使用した。このハードコート組成物を、(2−1)または(2−2)で得られたプライマー層を形成したプラスチックレンズ上に浸漬法(引き上げ速度18cm/min)にて塗布し、塗布したレンズを80℃で20分間風乾した後、125℃で120分間焼成を行い、プライマー層上に膜厚2.0〜2.2μm、屈折率1.67のハードコート層を形成した。このようにして作製したハードコート層を以下H−1と呼ぶ。
(3−2)ハードコート用組成物の調製及び塗布硬化(H−2)
ブチルセロソルブ68部、メタノール139部、及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン61部を混合した。この混合液に、0.1N塩酸水溶液17部を攪拌しながら滴下した。さらに3時間攪拌後、1昼夜熟成させた。その後、この液にIPA分散SiO2微粒子ゾル「オスカル1432」(触媒化成工業製、固形分濃度30%)181部、ジグリセロールポリグリシジルエーテル「デナコールEX−421」(ナガセケムテックス製)26部、過塩素酸マグネシウム4部、シリコン系界面活性剤「L−7001」(日本ユニカー製)0.15部、マンガン(III)アセチルアセトネート0.15部、フェノール系酸化防止剤「アンテージクリスタル」(川口化学工業製)0.6部を添加し、4時間攪拌した後、1昼夜熟成させてハードコート用組成物として使用した。このハードコート組成物を、(2−1)または(2−2)で得られたプライマー層を形成したプラスチックレンズ上に浸漬法(引き上げ速度35cm/min)にて塗布し、塗布したレンズを80℃で20分間風乾した後、125℃で180分間焼成を行い、プライマー層上に膜厚2.4〜2.6μm、屈折率1.50のハ一ドコート層を形成した。このようにして作製したハードコート層を以下H−2と呼ぶ。
(4−1)反射防止膜の形成(AR−1)
上記(3−1)または(3−2)で得られたプライマー層とハードコート層を形成したプラスチックレンズ基材上に反射防止膜を構築した。SiO2膜の成膜は、真空蒸着法(真空度2.0×10-4Pa)で行った。TiO2膜の成膜は、イオンアシスト蒸着法(真空度4.0×10-3Pa)で行った。TiO2層をイオンアシスト蒸着法で成膜する時のイオンアシスト条件は、加速電圧520V、加速電流270mA、真空度は酸素を導入して4.0×10-3Paで保持する様にした。基材側から数えて、第1層に0.083λの光学膜厚を持つSiO2層(屈折率1.45)、第2層は0.070λの光学膜厚を持つTiO2層(屈折率2.36)、第3層は0.10λの光学膜厚を持つSiO2層、第4層は0.18λの光学膜厚を持つTiO2層、第5層は0.065λの光学膜厚を持つSiO2層、第6層は0.14λの光学膜厚を持つTiO2層、第7層は0.26λの光学膜厚を持つSiO2層を順次積層してなる反射防止膜を構築した。設計波長λは520nmとした。さらに反射防止膜上に含フッ素シラン化合物からなる撥水膜を真空蒸着法により成膜した。このようにして作製した反射防止膜を以下AR−1と呼ぶ。
(4−2)反射防止膜の形成(AR−2)
γ−グリシドキシトリメトキシシラン0.42部、イソプロパノール125部を混合した後、テトラエトキシシラン5.4部、メチルトリメトキシシラン0.7部を混合して、十分に攪拌した。その後、0.1規定酢酸水溶液13.4部を攪拌しながら滴下し、5時間攪拌した。この液にイソプロパノール分散中空シリカゾル(固形分濃度20wt%)5.6部を加えて十分に混合した後、室温で3日間熟成させ、固形分濃度が約2%の反射防止膜用低屈折率コーティング液として使用した。上記(3−1)または(3−2)で得られたプライマー層とハードコート層を形成したプラスチックレンズ基材上に、この反射防止膜用低屈折率コーティング液を浸漬法(引き上げ速度10cm/min)により塗布し、塗布したレンズを60℃で20分間風乾した後、120℃で120分間焼成を行い、ハードコート上に膜厚90nm、屈折率1.43の反射防止膜用の低屈折率層を形成した。
この様な方法により、表1に示す組み合わせで、レンズ生地、プライマー層、ハードコート層、反射防止膜をそれぞれ作製して処理することで、実施例1〜6、および比較例1〜6のプラスチックレンズサンプルを作製した。一部の比較例については、プライマー層を付けないで、直接レンズ生地にハードコート層を塗布した。
このようにして作製した各プラスチックレンズサンプルに対して、次に示す評価を行った。結果を表2に示す。
(a)外観:暗箱中で黒色の背景と蛍光灯を用いて、透過光、反射光で自濁、クラック等について観察した。白濁・クラック等の外観の問題が全くない物を◎、極薄い自濁・クラック等がみられる物を○、中程度の自濁・クラック等がみられる物を△、濃い自濁・クラック等がみられる物を×と評価した。
(b)耐擦傷性:ボンスター#00000スチールウール(日本スチールウール(株)製)で1kgの荷重をかけ、10往復表面を摩擦する試験を行い、試験後に傷ついた程度を目視で観察した。ほとんど傷が付かない物を◎、薄い傷が付いた物を○、中程度の傷が付いた物を△、濃い傷が付いた物を×と評価した。
C耐候性:キセノンランプによるサンシャインウェザーメーターに250時間暴露する試験を行い、表面状態に変化のない物を◎とし、クラック、変色等の発生した物はその程度により○、△または×の評価とした。
D耐湿性:60℃、90%の雰囲気中に、10日間放置する試験を行い、表面状態に変化のない物を良◎とし、むくみ、クラック等の発生した物はその程度により、○、△または×の評価とした。
(e)表面処理層の密着性:レンズ基材と表面処理層(プライマー付きハードコート層および反射防止膜)の密着性は、CとDの試験を行った物について、JIS D−0202に準じて、クロスカットテープ試験を行い評価した。即ち、ナイフを用い基材表面に1mm間隔に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を100個形成させる。次に、その上にセロハン粘着テープ(ニチバン(株)製:商品名セロテープ(登録商標))を強く押しつけた後、表面から90度方向へ急に引っ張り、剥離した後コート被膜の残っているマス目の数を密着性の指標として目視で観察した。残っているマス目の数が95〜100の物を◎、85〜94の物を○、65〜84の物を△、64以下の物を×とした。
(f)耐衝撃性試験:実施例1〜6で得られたプラスチックレンズを準備し、8.2gの鋼球を127cmの高さからレンズの凸面中心に自然落下させて、レンズに割れやクラックが発生するかどうかを確認した。8.2gの鋼球を落下させた後でもレンズに割れやクラックのない物については、順に11.9g、16.3g、21.7g、28.2g、35.9g、44.8gと重い鋼球を落下させて、割れた時の鋼球の重さをレンズの耐衝撃性を示す指標とした。8.2gの鋼球で割れた物については××の評価をした。以下順に11.9gで割れた物は×を、16.3gの鋼球で割れた物については△を、21.7gの鋼球で割れた物は○の評価を、35.9gで割れた物は◎を、35.9gの鋼球でも割れなかった物については◎◎の評価をつけた。なお、本試験に使用したレンズの度数は、−3Dであり、レンズの中心厚は、1.1mmとした。
なお、米国FDA規格は、レンズに127cmの高さから重さ16.2gの鋼球を落下させる落球試験を行うこととなっている。
(g)屈折率
アッベ屈折率計(アタゴ社製)を用いて、e線におけるレンズ基材の屈折率を測定した。
Figure 2005234529
Figure 2005234529
メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物を用いたレンズ素材のL−1,L−2およびL−3は、プライマー層を設けずにハードコート層と反射防止膜を設けた場合(比較例1、2、4、5)では、プライマー層を設けずにハードコート層と反射防止膜を設けた通常のポリチオール化合物を用いたレンズ素材L―4(比較例7)と比較して、耐衝撃性が著しく劣る。
メルカプトメチルチオ基を有するポリチオール化合物を用いたレンズ素材のL−1,L−2およびL−3にポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層を設けてその上にハードコート層と反射防止膜を設けた場合(実施例1、2、4〜8)は、耐衝撃性が劇的に改善され、米国の基準をクリアーできる。
また、実施例3,比較例3は、それぞれ実施例2,比較例2から反射防止膜を除いた物であるが、耐擦傷性は若干低下するものの、耐衝撃性はいずれも向上している。しかし、比較例3のプライマー層のない物については、反射防止膜がないため、反射防止膜がある場合(比較例1,2)と比較して耐衝撃性がやや向上している。また、湿式の反射防止膜を付けた実施例4と比較例4についても、プライマー層がないことによって比較例4では耐衝撃性が劣っており、また密着性についても若干の低下がみられる。
また、比較例6,7で用いられたポリチオール化合物は、メルカプト基がエチレン基(−CH2CH2−)を介して骨格の硫黄と結合している構造を有し、プライマーなしでも耐衝撃性が強く、外観、耐擦傷性、耐湿性、密着性、耐衝撃性についてはバランスがとれているものの、屈折率が低いという欠点がある。
更に、ハードコート組成物に多官能性エポキシ化合物を配合して得られたハードコート層H−2を有する実施例2及び実施例3は、多官能性エポキシ化合物を配合していないハードコート層H−1を有する実施例1と比較して耐衝撃性が向上している。同様に、ハードコート組成物に多官能性エポキシ化合物を配合して得られたハードコート層H−2を有する実施例6および実施例8は、それぞれ多官能性エポキシ化合物を配合していないハードコート層H−1を有する実施例5および実施例7と比較して耐衝撃性が向上している。このことから、多官能性エポキシ化合物を配合することにより、耐衝撃性が向上することが認められる。
本発明のプラスチックレンズは、高屈折率、高耐衝撃性を有し、実用性に優れた視力矯正用のプラスチック眼鏡レンズやプラスチックサングラスなどに利用可能である。

Claims (12)

  1. 下記A成分とB成分を含む重合性組成物を重合硬化してなるプラスチックレンズ基材と、
    A成分:下記一般式(1)
    R−(SCH2SH)n・・・(1)
    (式中、Rは芳香環を除く有機残基を示し、nは1以上の整数を示す)
    で表される分子内に2個以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物、
    B成分:分子内にメルカプト基と反応する官能基を有する化合物、
    前記プラスチックレンズ基材上に形成されたポリエステル系熱可塑性エラストマーを主成分とするプライマー層と、
    前記プライマー層上に形成されたハードコート層と
    を有することを特徴とするプラスチックレンズ。
  2. 請求項1記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記プライマー層が、屈折率調整成分として、粒径1〜100nmのSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる1種以上の無機酸化物からなる微粒子及び/又はSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる2種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子を含むことを特徴とするプラスチックレンズ。
  3. 請求項2記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記屈折率調整成分が、Si,Sn,Sb,Zr,Tiから選ばれる3種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子であることを特徴とするプラスチックレンズ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記ハードコート層が、下記C成分及びD成分を含むハードコート組成物を重合硬化してなることを特徴とするプラスチックレンズ。
    C成分:粒径1〜100nmのSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる1種以上の無機酸化物からなる微粒子及び/又はSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる2種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子、
    D成分:下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物
    1 m2 pSiX1 4-p-m・・・(2)(式中、R1は重合可能な反応基を有する有機基、R2は炭素数1〜6の炭化水素基、X1は加水分解基であり、mは0又は1、pは0又は1である。)
  5. 請求項4に記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記C成分が、Si,Sn,Sb,Zr,Tiから選ばれる3種以上の無機酸化物から構成される複合微粒子であることを特徴とするプラスチックレンズ。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記一般式(1)中のRが、脂肪族、脂環族、複素環、又は鎖中に硫黄原子を有する脂肪族、脂環族若しくは複素環から選ばれる有機残基であることを特徴とするプラスチックレンズ。
  7. 請求項6記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記ポリチオール化合物が、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンであることを特徴とするプラスチックレンズ。
  8. 請求項6記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記ポリチオール化合物が、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタンであることを特徴とするプラスチックレンズ。
  9. 請求項4又は5記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記ハードコート組成物が、更に、多官能性エポキシ化合物を含有することを特徴とするプラスチックレンズ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記ハードコート層の上に設けられた反射防止膜を有することを特徴とするプラスチックレンズ。
  11. 請求項10記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記反射防止膜が、下記E成分およびF成分を含有するコーティング組成物を重合硬化してなり、前記ハードコート層の屈折率よりも0.10以上低い屈折率を有し、かつ50nm〜150nmの膜厚の低屈折層であることを特徴とするプラスチックレンズ。
    E成分:下記一般式(3)で表される有機ケイ素化合物、
    3 r4 qSiX2 4-q―r・・・(3)(式中、R3は重合可能な反応基を有する有機基、R4は炭素数1〜6の炭化水素基、X2は加水分解基であり、qは0又は1、rは0又は1である。)
    F成分:シリカ系微粒子。
  12. 請求項11記載のプラスチックレンズにおいて、
    前記シリカ系微粒子が、内部空洞を有することを特徴とするプラスチックレンズ。
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