JP2017203910A - 光学膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、光学パネルや光学レンズに適用可能な、透明性および反射防止性に優れた光学膜を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、フッ化マグネシウム層を含む光学膜であって、フッ化マグネシウム層がナノサイズのトリフルオロ酢酸マグネシウム微粒子と、α置換βジケトンと、溶媒と、を含むゾル溶液により成膜されたことを特徴とする光学膜である。【選択図】なし

Description

本発明は、湿式プロセスで成膜された、透明性および反射防止性能に優れた光学膜に関する。
フッ化マグネシウムは、広い透過波長範囲を持ち、かつ最も低い屈折率を有する材料であるため、光学用途の反射防止膜用の材料として広く使用されている。
フッ化マグネシウムを反射防止膜として使用する場合には、主として数種類の材料からなる多層膜の一層として用いられることが多い。この場合、多層膜の反射防止膜の原理としては、多層膜の層間での反射光同士の干渉によって反射を低減させるため、各層の屈折率を制御することが必須となっている。
フッ化マグネシウムの成膜は、一般的には特許文献1に開示されているような真空蒸着による乾式プロセスで行なわれる。しかし、乾式プロセスは、大きい面積や曲率半径が小さいものに対しては均一塗布が困難であることや、生産コストが高いという問題があった。
一方、上記乾式プロセスにおける問題を解消する方法として、湿式プロセスによる成膜も報告されているが、湿式プロセスで得られる膜は、多孔質になり易く、膜の透明性が劣るという問題があった。
また、湿式プロセスで緻密な膜を得る方法として特許文献2が開示されているが、フッ化マグネシウムの原料の合成に関する情報が記載されていないため、真空蒸着に匹敵するような透明な膜を製造することができなかった。
特開平11−223707号公報 特開昭59−213643号公報 特開2001−233611号公報 特開2008−139581号公報
したがって、本発明は、透明性と反射防止性に優れた光学膜を低コストで提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾルを用いた湿式プロセスにより、フッ化マグネシウムを成膜する場合に、ゾル溶液中で、粒子径が小さいトリフルオロ酢酸マグネシウムを用いることによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フッ化マグネシウム層を含む光学膜であって、前記フッ化マグネシウム層がナノサイズのトリフルオロ酢酸マグネシウム微粒子と、α置換βジケトンと、溶媒と、を含むゾル溶液により成膜されたことを特徴とする光学膜である。
また、本発明は、更に空孔を有する層を含む1に記載の光学膜であり、この空孔を有する層は、フッ化マグネシウム層の上部に形成されることが好ましい。また、α置換βジケトンは、3−メチル−2,4−ペンタンジオンであることが好ましく、トリフルオロ酢酸マグネシウムの平均粒子径が、5〜50nmの範囲であることが好ましい。
本発明では、溶媒が、下記式で表されるハンセンパラメータ(δd,δp,δH)を有することが好ましい。
15.0[MPa1/2] ≦δd ≦16.5[MPa1/2] (I)
4.0[MPa1/2] ≦δp ≦8.0[MPa1/2] (II)
9.0[MPa1/2] ≦δH ≦14.0[MPa1/2] (III)
また、溶媒は、2−エチル−1−ブタノール、ブチルカルビトール、または1−ブトキシ−2−プロパノールであることが更に好ましい。
さらに、本発明では、ゾル溶液に含まれる前記トリフルオロ酢酸マグネシウムの含有量a[%]と、α置換βジケトンの含有量b[%]の関係が、下記式で表されることが好ましい。
8.0≦a≦27.0 (IV)
2.0≦b≦6.0 (V)
a/b≧2 (VI)
本発明によれば、光学パネルや光学レンズに適用可能な、透明性および反射防止性能に優れた光学膜を低コストで提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。具体的に光学膜の詳細について説明する。
本発明の光学膜は、フッ化マグネシウムを含み、フッ化マグネシウム層がナノサイズのトリフルオロ酢酸マグネシウム微粒子と、α置換βジケトンと、溶媒とを含むゾル溶液により成膜されたものである。具体的に、トリフルオロ酢酸マグネシウム、α置換βジケトン、および溶媒の詳細について、以下説明する。
1.トリフルオロ酢酸マグネシウム
トリフルオロ酢酸マグネシウムは、湿式プロセスでフッ化マグネシウムを形成させるための前駆体であり、例えば下記反応式(1)の反応で得られる。
<トリフルオロ酢酸マグネシウムの平均粒子径>
トリフルオロ酢酸マグネシウムの平均粒子径は、5nm〜50nmの範囲が好ましく、5nm〜30nmの範囲であることがより好ましい。平均粒子径が5nm以下では、成膜する際に所望の膜厚を形成させることが難しい。また、平均粒子径が50nmを超える場合は粒子間の隙間が大きくなり、緻密な膜が形成されない。
ここで、「平均粒子径」とは、動的光散乱方式の粒度分布測定装置により測定されたメディアン径(D50)のことを示す。
2.α置換βジケトン
α置換βジケトンは、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾルを調製する際に安定化剤として作用し、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル粒子の凝集を抑制するものである。α置換βジケトンは、下記一般式(1)で表されるものである。
[式中のR1、R2、R3は、それぞれ、同一または異なる炭素数1〜3のアルキル基である]
上記式(1)において、R1、R2、R3の炭素鎖が長くなると、α置換βジケトンが、成膜後の膜中に残留するため光学特性が低下する。また、R1、R2、R3のアルキル基が存在しない場合は、溶液中でのトリフルオロ酢酸マグネシウムゾル粒子の分散安定化効果が不十分になるため、ゾル粒子の粒子径が大きくなる。α置換βジケトンの中では、特に3−メチル−2,4−ペンタンジオンが好ましい。
3.溶媒
溶媒は、有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、アルコール系溶媒、脂肪族系もしくは脂環族系の炭化水素系溶媒、各種の芳香族炭化水素系、各種のエステル系、各種のケトン系、各種のエーテル系、非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。本発明の光学膜に用いられるトリフルオロ酢酸マグネシウムゾルを調製する際には、特定のハンセンパラメ−タ(δd,δp,δH)を有する溶媒を使用することが好ましい。分散項δdは15.0以上16.5以下が好ましく、極性項δpは4.0以上8.0以下が好ましく、水素結合項δHは9.0以上14.0以下が好ましい。
分散項が15.0未満の場合は、トリフルオロ酢酸マグネシウムが分散状態を保てずに析出してしまい、16.5より大きいと粒子径が大きくなり緻密な膜を形成することが難しい。また、極性項δpが4.0未満または8.0より大きい場合は、粒子径が大きくなり緻密な膜を形成することが難しい。また、同様に、水素結合項δHが9.0未満または14.0より大きい場合は、粒子径が大きくなり緻密な膜を形成することが難しい。
好ましい溶媒としては、例えば2−エチルブタノ−ル、1−ブトキシ−2−プロパノール、ブチルカルビトール等を例示できる。これらの有機溶媒は、一種単独、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、二種以上の溶媒を組合せて、上記ハンセンパラメ−タ(δd,δp,δH)を有する溶媒を適宜調製しても良い。
4.ゾル溶液
ゾル溶液は、トリフルオロ酢酸マグネシウム微粒子と、α置換βジケトンと、溶媒とを含む。以下、各成分の含有量、割合等を説明する。
(1)トリフルオロ酢酸マグネシウムの含有量
ゾル溶液中のトリフルオロ酢酸マグネシウムの含有量a[%]は、5.0〜35.0%が好ましく、8.0%以上27.0%以下がより好ましい。含有量a[%]が5.0%未満の場合は、トリフルオロ酢酸マグネシウムの割合が少なすぎるため成膜性が低下してしまう。また、含有量a[%]が35.0%を超える場合は、溶液中のトリフルオロ酢酸マグネシウム量が過剰になるため、粒子同士の凝集が激しくなり溶液中での分散状態の安定性が低下する。
(2)α置換βジケトンの含有量
ゾル溶液中のα置換βジケトンの含有量b[%]は、0.7〜15.0%が好ましく、2.0%以上6.0%以下がより好ましい。含有量b[%]が0.7%未満の場合は、トリフルオロ酢酸マグネシウムに対してα置換βジケトンの割合が少なすぎるため、粒子同士の凝集が激しくなり溶液中での分散状態の安定性が低下する。また、含有量b[%]が15.0%を超える場合は、α置換βジケトンの含有量が過剰になるため、成膜後の膜中への残留により光学特性が低下する。
(3)トリフルオロ酢酸マグネシウムとα置換βジケトンの割合
上記a[%]とb[%]の割合、a/bは、0.7以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。a/bが0.7未満の場合は、トリフルオロ酢酸マグネシウムに対するα置換βジケトンの割合が少なすぎるため、ゾル粒子同士の凝集が激しくなり、溶液中での分散状態の安定性が低下する。また、分散状態の安定性のためには、a/bは、30.0以下が好ましく、10.0以下がより好ましい。
5.光学膜の層構成
光学膜は、フッ化マグネシウム層の単層で構成されても良いが、他の材料より成る層を含む2層以上の層で構成されても良い。2層以上から構成される光学膜の場合は、反射防止性能をより向上させるために、空孔を有する層を含むことが好ましい。さらに、この空孔を有する層はフッ化マグネシウム層の上部に形成されていることが好ましい。そして、空孔を有する層が、フッ化マグネシウム層よりも表層側にくるように使用される。
屈折率調整層として、ZrO2、Al23などの無機酸化物の層をさらに形成してもよい。使用する無機酸化物等は、透過率の観点から、平均粒子径は150nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。
空孔を有する層は、空孔に含まれる空気(屈折率1.0)によって屈折率を下げることができる。空孔を形成する手段としては、内部に空孔を有し、この空孔の外側の周囲にシェルを有する粒子からなる中空粒子により形成する方法が挙げられる。また、中実の球状粒子若しくは鎖状などの異形状粒子同士の隙間に空孔を形成する方法、又は層を成膜する際の溶媒などの揮発により空孔を形成する方法などが挙げられる。これらの中では、より空孔率が高く低屈折率が得られる方法としては、中空粒子により空孔を形成する方法が好ましい。
中空粒子を構成する材質としては、低屈折率のものが好ましい。材質としては、例えば、SiO2、フッ化マグネシウムなどの無機材料、フッ素、シリコーンなどの有機樹脂等が挙げられる。これらの中では、粒子の製造が容易であるSiO2がより好ましい。SiO2の中空粒子の製造方法としては、例えば、特許文献3や、特許文献4等に記載されている方法で作製することが可能である。中空粒子により、基材表面に対して平行方向に整列された粒子が複数段積み重なって形成された層の屈折率を下げることが可能となる。
前記中空粒子の平均粒子径は、15nm以上100nm以下、好ましくは15nm以上60nm以下が望ましい。中空粒子の平均粒子径が15nm未満の場合は、コアとなる粒子を安定的に作ることが難しい。また、中空粒子の平均粒子径が100nmを超える場合は、粒子間の空隙が大きくなるため、大きなボイドが発生しやすく、また粒子の大きさに伴う散乱が発生する。
ここで中空粒子の「平均粒子径」とは、平均フェレ径である。この平均フェレ径は透過電子顕微鏡像によって観察したものを画像処理によって測定することができる。画像処理方法としては、image Pro PLUS(メディアサイバネティクス社製)など市販の画像処理を用いることができる。所定の画像領域において、必要であれば適宜コントラスト調整を行い、粒子測定によって各粒子の平均フェレ径を測定し、平均値を算出し求めることができる。
前記中空粒子のシェルの厚みは、平均粒子径の10%以上50%以下、好ましくは2
0%以上35%以下が望ましい。シェルの厚みが10%未満であると、粒子の強度が不足する。また、シェルの厚みが50%を超えると、中空の効果が屈折率に顕著には現れなくなる。
前記中実の球状粒子又は鎖状などの異形状粒子を構成する材料としては、前記中空粒子と同様にSiO2、フッ化マグネシウムなどの無機材料、フッ素、シリコーンなどの有機樹脂等が挙げられる。これらの中では、粒子の製造が容易であるSiO2がより好ましい。
前記中実の球状粒子又は鎖状などの粒子径は、10nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上60nm以下が望ましい。平均粒子径が10nm未満の場合は、粒子同士の隙間に空孔を安定的に作ることが難しい。また100nmを超える場合、粒子間の空隙が大きくなるため、大きなボイドが発生しやすく、また粒子の大きさに伴う散乱が発生する。
空孔を有する層については、中空粒子又は球状若しくは異形状粒子のみによって形成してもよいが、バインダーにより粒子を固定する方法が好ましい。バインダーとしては、粒子を固定できるものであれば特に限定されるものではない。
6.光学膜の成膜方法
本発明の光学膜は、上記のゾル溶液を基材に塗布し、塗布した基材を加熱して製造することが出来る。上記で調製したゾル溶液は、光学素子上に塗布することで成膜される。塗布膜を形成する方法として、例えばディッピング法、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フローコート法、ならびにこれらの併用等、既知の塗布手段を適宜採用することができる。膜厚は、ディッピング法における引き上げ速度やスピンコート法における基板回転速度などを変化させることと、塗布溶液の濃度を変えることにより制御することが可能である。
本発明における基材としては、ガラスが挙げられる。
光学膜と基材表面の間に中間層がある場合は、無機酸化物または無機化合物を加熱して、溶融、蒸発または昇華させて、基材表面に蒸発、昇華した粒子を付着、堆積させて成膜させる真空蒸着などの乾式プロセスを用いて、中間層の成膜できる。また、無機酸化物または無機化合物、溶剤を含有した成膜液を、基材表面上に、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フローコート法などの湿式プロセスで、塗工した後、乾燥する工程を有する方法を用いても良い。また、光学膜の成膜方法は、基材表面上もしくは中間層上に、前記トリフルオロ酢酸マグネシウム溶液を、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フローコート法などの湿式プロセスで塗工した後、加熱あるいは乾燥する工程を有する方法が好ましい。尚、成膜方法については、これらの方法に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは、特に断らない限り質量基準である。平均粒子径は、ナノ粒子粒度分布測定器(商品名「UPA−EX250」、日機装社製)を使用して測定した。
[実施例1]
(1)材料の調製
<α置換βジケトンの合成>
α置換βジケトンとして、3−メチル−2,4−ペンタンジオンを合成した。
温度計、還流管、滴下ろうと及び攪拌装置を備えた反応容器に、炭酸カリウム100部(塩基触媒)、アセトン200部(溶媒)を加えて攪拌を行った。続いて、攪拌しながらアセチルアセトン100部(基質)を加えて、その後ヨ−ドメタン200部(反応物)を滴下して水浴で55〜60℃に保ちながら6時間反応させた。その後、吸引ろ過を行い、不溶成分を除去して得られたろ液を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、得られた濃縮液を減圧蒸留することによって、3−メチル−2,4−ペンタンジオンを得た。
<トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液の調製>
温度計、滴下ろうと及び攪拌装置を備えた反応容器に、マグネシウムジエトキシド5部(基質)、2−エチル1−ブタノ−ル119部(溶剤)、3−メチル−2,4−ペンタンジオン9部(安定化剤)を加えて100rpmで攪拌を行った。続いて、攪拌しながらトリフルオロ酢酸(反応物)11部を85分かけて滴下した後、水浴で25℃に保ちながら反応を行い、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液を得た。
(2)光学膜の製造
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3t×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄、基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。このコーティング用ガラス基板上に、上記トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液0.3mlを、スピンコート装置(商品名:「1H−D7」、ミカサ(株)製)を用い、回転数4000pm、90秒間でスピンコートした。その後、250℃にて2時間焼成し、光学膜を製造した(表1中、層構成A)。
[実施例2]
仕込み量を、マグネシウムジエトキシド17部、2−エチル1−ブタノール82部、3−メチル−2,4−ペンタンジオン9部、トリフルオロ酢酸(反応物)36部に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同じ方法にて成膜して、光学膜を製造した。
[実施例3]
仕込み量を、マグネシウムジエトキシド4部、2−エチル1−ブタノール123部、3−メチル−2,4−ペンタンジオン9部、トリフルオロ酢酸(反応物)8部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同じ方法にて成膜して、光学膜を製造した。
[実施例4]
仕込み量を、マグネシウムジエトキシド20部、2−エチル1−ブタノール74部、3−メチル−2,4−ペンタンジオン9部、トリフルオロ酢酸(反応物)41部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同じ方法にて成膜して、光学膜を製造した。
[実施例5]
(1)材料の調製
<中空粒子液の調製>
中空シリカスラリーIPA分散液(日揮触媒化成株式会社製 スルーリア1110、平
均フェレ径55nm、固形分濃度20.5wt%、)4.5重量部に1−エトキシ−2−プロパノール9.00重量部100mlのナスフラスコに入れ、エバポレーターにて濃縮し、溶媒を1−エトキシ−2−プロパノールに置換した。その後、1−エトキシ−2−プロパノール11.0重量部、1−ブトキシ−2−プロパノール15.0重量部、2―エチルブタノール13.5重量部添加して、1.9wt%の中空粒子液を調製した。
<バインダー液の調製>
シリコーンレジン(信越化学工業株式会社製 KR−311)1質量部にキシレン75質量部添加し、0.8wt%のバインダー液を調製した。
なお、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液は、実施例2と同様の方法にて調製した。
(2)光学膜の製造
実施例1と同じ方法にて成膜したフッ化マグネシウム層の上に、上記中空粒子液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートした。その上にバインダー液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートし、200℃で2時間加熱処理を施し光学膜を得た(表1中、層構成B)。
[実施例6]
(1)材料の調製
<シリカ粒子分散溶液の調製>
温度計及び攪拌装置を備えた反応容器に、ケイ酸エチル95部(基質)、0.1%塩酸水溶液85部を加え、水浴を20℃に保ちながら200rpmで攪拌し60分間反応させた。得られた溶液を耐熱容器に移し、200℃のオーブンで2時間縮合反応を進めバルク状のシリカを得た。得られたシリカを、ボールミル(入江商会社製V−1ML)を用い鋼球ボールにてポット内で粉砕し、粉砕したシリカ粉末20部を2−プロパノール180部に分散させた。得られたシリカ分散溶液を、湿式粉砕装置(株式会社スギノマシン社製 HJP−25001)にてさらに微粒子化し、固形分10wt%(平均粒子径13nm)のシリカ粒子分散溶液を得た。
なお、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液は、実施例2と同様の方法にて調製した。また、バインダー液は、実施例5と同じ方法にて調製した。
(2)光学膜の製造
実施例1と同じ方法にて成膜したフッ化マグネシウム層の上に、上記シリカ粒子溶液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートした。その上に、バインダー液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートし、200℃で2時間加熱処理を施し光学膜を得た(表1中、層構成C)。
[実施例7]
(1)材料の調製
<ZrO2分散溶液の調製>
温度計、滴下ろうと及び攪拌装置を備えた反応容器に、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド30部(基質)、2−エチル−1−ブタノ−ル70部(溶剤)、3−メチル−2,4−ペンタンジオン5部(安定化剤)を加えて60rpmで攪拌を行った。これとは別に、温度計及び攪拌装置を備えた反応容器に、0.01Nの塩酸2部(酸触媒)、2−エチル−1−ブタノ−ル130部(溶剤)、1−エトキシ−2−プロパノール90部(溶剤)を加えて、振とうすることで酸触媒溶液を調整した。調整した酸触媒溶液を、上記ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド溶液に加えて120rpmで攪拌することで、ZrO2分散溶液を得た。
なお、トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液は、実施例2と同様の方法で調製した。
(2)光学膜の製造
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3t×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄することによって基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。このコーティング用ガラス基板上に、上記ZrO2分散溶液0.3mlを、スピンコート装置(商品名:「1H−D7」、ミカサ(株)製)を用い、回転数2000rpm、60秒間でスピンコートし、200℃にて2時間焼成した。その膜上に上記トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、90秒間でスピンコートし250℃で2時間焼成させた。その膜上にさらに、前記工程を繰り返すことによってZrO2層とフッ化マグネシウム層が繰り返された12層の光学膜を形成した(表1中、層構成D)。
[実施例8]
(1)材料の調製
トリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液は、実施例2と同じ方法にて調製した。また、ZrO2分散溶液は、実施例6と同様にして分散溶液を調製した。
(2)光学膜の製造
実施例6と同様にして12層の光学膜を形成した最上層に、実施例5と同様にして調整した中空粒子溶液0.3mlを、スピンコート装置を用い、回転数2000rpm、60秒間でスピンコートし200℃で2時間焼成し光学膜を形成した(表1中、層構成E)。
なお、各実施例の層構成(下記の表1に示されるA〜Eの層)を表3に示す。
[実施例9]
溶剤を2−エチル1−ブタノール88部、安定化剤を3−メチル−2,4−ペンタンジオン3部に変更した以外は、実施例2と同様にしてトリフルオロ酢酸マグネシウムゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例10]
溶剤を2−エチル1−ブタノール85部、安定化剤を3−メチル−2,4−ペンタンジオン6部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例11]
溶剤を2−エチル1−ブタノール90部、安定化剤を3−メチル−2,4−ペンタンジオン1部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例12]
溶剤を2−エチル1−ブタノール77部、安定化剤を3−メチル−2,4−ペンタンジオン14部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例13]
安定化剤の3−メチル−2,4−ペンタンジオンを、5−メチルヘキサン−2,4−ジオンに変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例14]
溶剤をブチルカルビトール82部に変更した以外は前述の実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例15]
溶剤を1−ブトキシ−2−プロパノール82部に変更した以外は前述の実施例2と同様にしてゾルを調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例16]
溶剤をメチルカルビトール82部に変更した以外は前述の実施例2と同様にしてゾルを調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例17]
溶剤をn−ペンタノ−ル25部、酢酸58部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例18]
溶剤をn−ペンタノ−ル41部、シクロヘキサノン41部からなる混合溶媒に変更した以外は前述の実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例19]
溶剤をn−ペンタノ−ル4部、酢酸78部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例20]
溶剤をメチルカルビトール82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例21]
溶剤をn−ヘキサノ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例22]
溶剤をN,N−ジメチルホルムアミド33部、1−ブトキシ−2−プロパノ−ル49部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例23]
溶剤をメチルイソブチルカルビト−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例24]
溶剤をn−ペンタノ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例25]
溶剤をn−ペンタノ−ル41部、メチルイソブチルケトン41部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例26]
溶剤を1−メトキシ−2−プロパノ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例27]
溶剤をメチルイソブチルケトン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例28]
溶剤をエチレングリコ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例29]
溶剤をヘキサン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例30]
溶剤をエチレングリコ−ル49部、トルエン33部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例31]
溶剤をエチレングリコ−ル12部、イソオクチルアルコ−ル70部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例32]
溶剤をイソオクチルアルコ−ル49部、ジエチルエ−テル33部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例33]
溶剤をエタノ−ル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例34]
溶剤を酢酸ブチル82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例35]
溶剤をN,N−ジメチルホルムアミド82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例36]
溶剤をトルエン41部、2−プロパノ−ル41部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例37]
溶剤をシクロオクタノン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例38]
溶剤をシクロヘキサノン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例39]
溶剤をイソオクチルアルコ−ル54部、ヘキサン29部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例40]
溶剤をメチルエチルケトン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例41]
溶剤をブチルセロソルブ54部、キシレン29部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例42]
溶剤をイソオクチルアルコ−ル49部、アセトン33部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例43]
溶剤をイソオクチルアルコ−ル66部、メタノ−ル16部からなる混合溶媒に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[実施例44]
溶剤をトルエン82部に変更した以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[比較例1]
安定化剤の3−メチル−2,4−ペンタンジオンを加えないこと以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[比較例2]
安定化剤の3−メチル−2,4−ペンタンジオンを無水酢酸に変更したこと以外は、実施例2と同様にしてゾル溶液を調製した。そして、前述の実施例1と同様の方法にて光学膜を形成した。
[参考例1]
<光学膜の製造>
基板(スライドガラス 水縁磨 材質:ソーダガラス 角型 3t×40×40mm)をイソプロピルアルコールで30分間超音波洗浄、乾燥させた後、30分間オゾン洗浄することによって基板洗浄用スプレーでゴミを取り除き、コーティング用ガラス基板とした。このコーティング用ガラス基板上に、真空蒸着法によりフッ化マグネシウム層を形成した。
表2にトリフルオロ酢酸マグネシウム溶液の組成および溶液中のトリフルオロ酢酸マグネシウム粒子の平均粒子径を示す。
<光学膜の評価>
光学膜の評価は、以下の4つの点に関して行った。
(1)フッ化マグネシウム層の屈折率(評価1)
光学膜中のフッ化マグネシウム層の屈折率は、自動多入射角分光エリプソメーターV−VASE(ジェーエーウーラム社製)を用い、波長550nmの値を測定した。結果を表3に示す。
(2)反射率(評価2)
反射分光膜厚計(大塚電子株式会社製 FE3000)を用い、入射角0度において、350nm〜550nmの波長領域における、光学膜の反射率挙動を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の反射率を評価した。結果を表3に示す。また、各光学膜の層構成については表3に示す通りである。
◎ :波長350nm〜550nmの範囲における最大反射率が1%未満であり、且つ、波長350nm〜550nmの範囲における反射率の差(反射率最大値−反射率最小値)が0.5%以下である。
○ :波長350nm〜550nmの範囲における最大反射率が1%未満であり、且つ、波長350nm〜550nmの範囲における反射率の差(反射率最大値−反射率最小値)が0.5%を超え1%未満である。
△ :波長350nm〜550nmの範囲における最大反射率が1%以上2%未満である。
△×:波長350nm〜550nmの範囲における最大反射率が2%以上4%未満である。
× :波長350nm〜550nmの範囲における最大反射率が4%以上である。
(3)透過率(評価3)
分光光度計UV−Vis(株式会社日立ハイテクサイエンス製 U−3310)を用い、入射角0度において、350nm〜550nmの波長領域における、光学膜の透過率挙動を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学膜の透過率を評価した。結果を表3に示す。また、各光学膜の層構成については表1に示す通りである。
◎ :波長350nm〜550nmの範囲における最低透過率が98%以上である。
○ :波長350nm〜550nmの範囲における最低透過率が96%以上98%未満である。
△ :波長350nm〜550nmの範囲における最低透過率が94%以上96%未満である。
× :波長350nm〜550nmの範囲における最低透過率が94%未満である。
(4)成膜性(評価4)
フッ化マグネシウム層の成膜後の外観を、目視およびレーザー顕微鏡VK−9510(株式会社キーエンス社製)にて観察し、以下の評価基準にしたがって、フッ化マグネシウム層の成膜性を評価した。結果を表3に示す。
○ :均一に成膜できている
△ :部分的に膜厚の差がある
× :塗工されていない部分がある。
表3に示す評価結果から明らかなように、実施例1〜44の光学膜では、緻密な膜で成膜性が良好であり、透明性と反射防止性能に優れた光学膜を得ることが出来た。
本発明の光学膜は、透明性と反射防止性に優れており、ディスプレイ装置などの光学パネルや監視カメラなどの光学レンズに適用できる。

Claims (8)

  1. フッ化マグネシウム層を含む光学膜であって、前記フッ化マグネシウム層がナノサイズのトリフルオロ酢酸マグネシウム微粒子と、α置換βジケトンと、溶媒と、を含むゾル溶液により成膜されたことを特徴とする光学膜。
  2. 更に空孔を有する層を含む請求項1に記載の光学膜。
  3. 前記空孔を有する層が、前記フッ化マグネシウム層の上部に形成された請求項2に記載の光学膜。
  4. 前記α置換βジケトンが、3−メチル−2,4−ペンタンジオンである請求項1〜3の何れか一項に記載の光学膜。
  5. 前記トリフルオロ酢酸マグネシウムの平均粒子径が、5〜50nmの範囲である請求項1〜4の何れか一項に記載の光学膜。
  6. 前記溶媒が、下記式で表されるハンセンパラメータ(δd,δp,δH)を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の光学膜。
    15.0[MPa1/2] ≦δd ≦16.5[MPa1/2] (I)
    4.0[MPa1/2] ≦δp ≦8.0[MPa1/2] (II)
    9.0[MPa1/2] ≦δH ≦14.0[MPa1/2] (III)
  7. 前記溶媒が、2−エチル−1−ブタノール、ブチルカルビトール、または1−ブトキシ−2−プロパノールである請求項1〜6の何れか一項に記載の光学膜。
  8. 前記ゾル溶液に含まれる前記トリフルオロ酢酸マグネシウムの含有量a[%]と、α置換βジケトンの含有量b[%] の関係が、下記式で表される請求項1〜7の何れか一項に記載の光学膜。
    8.0≦a≦27.0 (IV)
    2.0≦b≦6.0 (V)
    a/b≧2 (VI)
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