JP5967604B2 - 撥水性アルミナゾル、撥水性アルミナ膜及びその製造方法 - Google Patents
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(1)アスペクト比(平均繊維長/平均繊維幅)が100〜750であり、フルオロアルキルシロキシ基を結合するアルミナナノファイバーを含有し、鉛筆硬度が6H以上であることを特徴とする撥水性透明アルミナ被膜である。
(2) 前記アルミナナノファイバーがAl−O−Al結合により相互に結合され、光の透過率が70%以上である前記撥水性透明アルミナ被膜。
(3)基板上に塗布された、アスペクト比が100〜750であり、R 1 −R 2 −Si−O−(ただし、R 1 は、炭素数1〜15個のパーフルオロアルキル基、R 2 は、炭素数1〜15個のアルキレン基を表す。)で示されるフルオロアルキルシロキシ基を結合するアルミナナノファイバーを含有するアルミナゾルの塗布膜を硬化することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の撥水性透明アルミナ被膜の製造方法である。
フラスコに、イオン交換水300g、酢酸6.2g(0.1mol)を取り、撹拌しながら液温を75℃に上昇させた。これにアルミニウムイソポロポキシド68g(0.34mol)を滴下し、発生するイソプロピルアルコールを留出させたのち、反応液をオートクレーブに移し、120℃で3時間反応を行った。反応液を40℃以下に冷却し、反応を終了した。得られたアルミナゾルのアルミナ粒子(ナノファイバー状アルミナ)を前記のようにして透過型電子顕微鏡(TEM)及び走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、平均繊維長1400nm、平均繊維幅4nm、アスペクト比350のナノファイバー状アルミナが分散してなるアルミナゾルが得られた。
実施例1において1.5質量%(FAS−1)エタノール溶液に代えて、1.9質量%(FAS−1)エタノール溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性アルミナゾル、撥水性アルミナ膜を作製した。
実施例1において1.5質量%FASエタノール溶液に代えて、0.95質量%(FAS−1)エタノール溶液を用い、アルミナゾル液と(FAS−1)エタノール溶液とを60℃で2時間加熱及び撹拌したこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性アルミナゾル、撥水性アルミナ膜を作製した。
実施例1において平均繊維長を400nm、アスペクト比を100のアルミナナノファイバーを含むアルミナゾルにしたこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性アルミナゾル、撥水性アルミナ膜を作製した。
実施例1において平均繊維長を1000nm、アスペクト比を250のアルミナナノファイバーを含むアルミナゾルにしたこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性アルミナゾル、撥水性アルミナ膜を作製した。
実施例1において平均繊維長を3000nm、アスペクト比を750のアルミナナノファイバーを含むアルミナゾルにしたこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性アルミナゾル、撥水性アルミナ膜を作製した。
実施例1において1.5質量%(FAS−1)エタノール溶液に代えて、エタノールに対して1.0質量%の3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン(以下においてFAS−2と称することがある。)を含有する(FAS−2)エタノール溶液5.38gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性アルミナゾル、撥水性アルミナ膜を作製した。
実施例5において1.5質量%(FAS−1)エタノール溶液に代えて、エタノールに対して1.0質量%の(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン(以下においてFAS−3と称することがある。)を含有する(FAS−3)エタノール溶液8.61gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性アルミナゾル、撥水性アルミナ膜を作製した。
得られた撥水性アルミナ膜の水接触角は、接触角計(協和界面科学株式会社製、DM−501)を用いて前述したように測定した。
得られた撥水性アルミナ膜の鉛筆硬度は、鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(株式会社東洋精機製作所製 P−TYPE)を用いて測定した。測定方法は、鉛筆硬度試験JIS K 5600−5−4に準じて測定した。6B〜9Hの硬さの鉛筆を撥水性アルミナ膜に対して角度45°、荷重750gで押し付けて、7mm以上の距離を3本走査した。肉眼で撥水性アルミナ膜の表面を検査し、少なくとも3mm以上の傷跡が2本生じるまで、硬度を上げて試験を繰り返した。傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を、その撥水性アルミナ膜の鉛筆硬度とした。
得られた撥水性アルミナゾル及び撥水性アルミナ膜について、分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−2450)を用いて、波長400〜800nmの可視光線の透過率を測定した。
実施例1において作製した、無アルカリガラスの表面に形成されて成る撥水性アルミナ膜にスチールウール(#0000(極細目))を置き、550gの荷重をかけて、50回一方向に動かし、摩耗試験を行った。試験終了後、ヘイズ値をヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を用いて測定した。試験前のヘイズ値は0.18%であり、試験後のヘイズ値は0.18%であり、試験の前後でヘイズ値に変化はなかった。また、試験後の水に対する接触角を前述したように測定したところ、105°であり、試験の前後で水接触角に変化はなかった。
実施例2において作製した、無アルカリガラスの表面に形成されて成る撥水性アルミナ膜を、テーバー摩耗試験機、テーバー式アブレーションテスター(株式会社安田精機製作所製、No.101)を用いて、荷重500g、摩耗輪(CS−17)を用いて、100回回転摩耗した。試験前のヘイズ値は0.18%であり、試験後のヘイズ値は1.5%であった。また、試験後の水に対する接触角を前述したように測定したところ、98°であり、試験の前後で水接触角はほとんど変化がなかった。
実施例1において作製した撥水性アルミナゾルを、ロータリーエバポレータを用いて、60℃で30分間維持し、その後70℃で40分間維持し、その後80℃で60分間維持することにより濃縮乾固した。次いで、濃縮乾固した撥水性アルミナゾルを真空デシケータを用いて減圧乾燥し、撥水性アルミナゲル粉体を得た。得られた撥水性アルミナゲル粉体をフーリエ変換赤外分光(FT−IR)装置(パーキンエルマー社製、Spectrum One、)を用いて、フーリエ変換赤外線吸収(FT−IR)スペクトルを測定した。撥水性アルミナゲル粉体のFT−IRスペクトルには、Al−O−Si結合による吸収が980cm−1に観測された。また、FAS−1由来であるC−F結合、及びC−C結合の吸収が、それぞれ1140cm−1、1216cm−1に観測された。よって、FAS−1は、ナノファイバー状アルミナに結合していることが分った。
実施例1において作製した撥水性アルミナ膜のXPSスペクトルを、複合型電子分光分析装置(アルバック・ファイ株式会社製、PHI ESCA−5800)を用いて、X線源Monochromated-Al-Kα線(1486.6eV)を用いて測定した。Al2pスペクトルの結合エネルギーのピークが75.0eVに観測された。この結合エネルギーのピークは、Al−O−Si結合に由来する。また、F1sスペクトルのピークが689.2eVに、Si2pスペクトルのピークが103.8eVに観測された。よって、撥水性アルミナ膜の表面にはAl−O−Si結合を有するFAS−1が存在していることが分った。
Claims (4)
- アスペクト比(平均繊維長/平均繊維幅)が100〜750であり、フルオロアルキルシロキシ基を結合するアルミナナノファイバーを含有し、鉛筆硬度が6H以上であることを特徴とする撥水性透明アルミナ被膜。
- 前記アルミナナノファイバーがAl−O−Al結合により相互に結合され、また光の透過率が70%以上である前記請求項1に記載の撥水性透明アルミナ被膜。
- 前記フルオロアルキルシロキシ基がR1−R2−Si−O−(ただし、R1は、炭素数1〜15個のパーフルオロアルキル基、R2は、炭素数1〜15個のアルキレン基を表す。)で示されることを特徴とする請求項1又は2に記載の撥水性透明アルミナ被膜。
- 基板上に塗布された、アスペクト比が100〜750であり、R1−R2−Si−O−(ただし、R1は、炭素数1〜15個のパーフルオロアルキル基、R2は、炭素数1〜15個のアルキレン基を表す。)で示されるフルオロアルキルシロキシ基を結合するアルミナナノファイバーを含有するアルミナゾルの塗布膜を硬化することを特徴とする前記請求項1に記載の撥水性透明アルミナ被膜の製造方法。
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