JP2013133264A - 撥水性基体及びその製造方法、並びに輸送機器 - Google Patents

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洋介 竹田
Tomoko Kishikawa
知子 岸川
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Abstract

【課題】水滴滑落性に優れる撥水膜を備えた撥水性基体、及びそのような撥水性基体を用いた輸送機器を提供する。
【解決手段】撥水性基体は、基体1とその少なくとも一方の面に形成された撥水膜2を備える。撥水膜2は、第1の撥水性領域11と、この第1の撥水性領域に接する第2の撥水性領域12とを含み、第1の撥水性領域11の水接触角が40°〜110°であり、第2の撥水性領域12の水接触角が第1の撥水性領域11の水接触角より20°以上高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、撥水性基体及びその製造方法、並びに輸送機器に関する。
自動車等の輸送機器の窓ガラスや車体、建築物の窓や壁、台所設備、入浴設備等、表面の撥水処理が望まれる用途は少なくない。なかでも、自動車の窓ガラスは、降雨時に雨水が付着すると、運転者の視界を遮り運転の支障になることがある。そこで、窓ガラス表面に撥水性を付与し、表面に付着した雨水が容易に流れ落ちるようにすることが行われている。
従来、自動車の窓ガラスに撥水性を付与する方法としては、低分子フッ素化合物、フッ素樹脂、シリコーン等を塗布または化学蒸着することにより、表面に撥水性の薄膜を形成する方法が一般的である。しかしながら、このような方法では、大きな水滴は流れ落ちるものの、小さな水滴は流れ落ちずに留まり、視認性を低下させるという問題があった。このため、撥水性とともに、付着した水滴が速やかに流れ落ちる性質(滑水性)を備えた処理方法が求められている。
滑水性を高める技術としては、例えば、撥水性領域と親水性領域からなる皮膜を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このような皮膜では、親水性領域で水滴が形成されずに水膜が形成され、この水膜によって透視歪が生じるため、視認性は改善されない。
特開2011−57528号公報
本発明は、表面に付着した水滴を速やかに滑落させることができるとともに、水膜の形成も抑制することができ、自動車の窓ガラスのような用途に適用した場合に、その視認性を向上させることができる撥水膜を表面に備えた撥水性基体及びその製造方法、さらに、そのような撥水性基体を用いた輸送機器を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、以下の構成を有する撥水膜及び撥水性基体を提供する。
[1]基体と、その少なくとも一方の面に形成された撥水膜とを備え、前記撥水膜は、第1の撥水性領域と、この第1の撥水性領域に接する第2の撥水性領域とを含み、前記第1の撥水性領域の水接触角が40°〜110°であり、前記第2の撥水性領域の水接触角が前記第1の撥水性領域の水接触角より20°以上高いことを特徴とする撥水性基体。
[2]前記第1の撥水性領域と前記第2の撥水性領域は、これらの両領域間に跨って付着した水滴が、前記第1の撥水性領域に移動して少なくとも一方向に流動するようなパターン形状に形成されている、[1]に記載の撥水性基体。
[3]前記撥水膜に前記第1の撥水性領域と前記第2の撥水性領域を水平に横切る共通の直線を引くことができ、この直線が前記第2の撥水性領域によって切断される線分長が1mm〜5mmである、[1]または[2]に記載の撥水性基体。
[4]前記直線が前記第1の撥水性領域によって切断される線分長が1mm〜5mmである、[3]に記載の撥水性基体。
[5]前記第1の撥水性領域および前記第2の撥水性領域の合計面積が、撥水膜全体の50%以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の撥水性基体。
[6]前記第2の撥水性領域は、ストライプ状またはドット状のパターン形状を有し、前記第1の撥水性領域が、前記第2の撥水性領域の間隙を埋めるように形成されている、[1]〜[6]のいずれかに記載の撥水性基体。
[7]前記第1の撥水性領域が、帯状の略均一な幅(S)の領域が複数、略均一な間隔をおいて平行に並ぶストライプ状のパターン形状を有し、前記第2の撥水性領域が、前記第1の撥水性領域の間隙を埋めるように形成された帯状の略均一な幅(S)の領域が複数、略均一な間隔をおいて平行に並ぶストライプ状のパターン形状を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の撥水性基体。
[8]前記幅(S)が1mm〜5mmであり、かつ前記幅(S)が1mm〜5mmである、[7]に記載の撥水性基体。
[9]前記第1の撥水性領域と第2の撥水性領域の面積比が、2:1〜1:2である、[1]〜[8]のいずれかに記載の撥水性基体。
[10]前記第1の撥水性領域は、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエーテルアルキル基を有する化合物、ハフニウムを含む酸化物、ジルコニウムを含む酸化物、及びアルミニウムを含む酸化物から選ばれる少なくとも1種を含む層からなり、前記第2の撥水性領域は、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエーテルアルキル基を有する化合物を含む層からなる、[1]〜[9]のいずれかに記載の撥水性基体。
[11]請求項1に記載の撥水性基体を製造する方法であって、(1)前記基体の少なくとも一方の面の所要部全体に第2の撥水性領域形成用有機材料を塗布し硬化させて硬化膜を形成する工程と、(2)大気中で、前記硬化膜上に、前記第1の撥水性領域のパターン形状に対応する開口部を有するマスク板を重ね、このマスク板を介して、前記硬化膜表面に紫外線を照射して、照射部の硬化膜をオゾン(O)により分解除去する工程と、(3)前記硬化膜の一部が分解除去された基体の表面の所要部全体に、第1の撥水性領域形成用有機材料を塗布し硬化させる工程とを順に含むことを特徴とする撥水性基体の製造方法。
[12]請求項1に記載の撥水性基体を製造する方法であって、(1)前記基体の少なくとも一方の面の所要部全体に第2の撥水性領域形成用有機材料を塗布し硬化させて硬化膜を形成する工程と、(2)大気中で、前記硬化膜上に、前記第1の撥水性領域のパターン形状に対応する開口部を有するマスク板を重ね、このマスク板を介して、前記硬化膜表面に紫外線を照射して、照射部の硬化膜をオゾン(O)により部分分解させる工程とを含むことを特徴とする撥水性基体の製造方法。
[13]請求項1に記載の撥水性基体を製造する方法であって、(1)前記基体の少なくとも一方の面の所要部全体に、無機酸化物ゾルを塗布し乾燥してゲル化させた後、硬化させて無機硬化膜を形成する工程と、(2)前記無機硬化膜の表面全体に、前記第1または第2の撥水性領域形成用有機材料を塗布し硬化させて有機硬化膜を形成する工程と、(3)大気中で、前記有機硬化膜上に、前記第1または第2の撥水性領域のパターンに対応する形状の開口部を有するマスク板を重ね、このマスク板を介して、前記有機硬化膜の表面に紫外線を照射して、照射部の硬化膜をオゾン(O)により分解除去する工程とを含むことを特徴とする撥水性基体の製造方法。
[14][1]〜[6]のいずれかに記載の撥水性基体を窓材として用いたことを特徴とする輸送機器。
本発明の撥水性基体は、表面に付着した水滴を速やかに滑落させることができるとともに、水膜の形成も抑制することができ、自動車の窓ガラスのような用途に適用した場合に、その視認性を向上させることができる撥水膜を備えることができ、自動車等の輸送機器の窓ガラス等に適用して、その視認性を向上させることができる。
本発明の一実施形態の撥水性基体の構成を示す図で、図1(a)は上面図、図1(b)はそのB−B線に沿う断面図である。 図1に示す本発明の一実施形態の撥水性基体の変形例を示す上面図である。 図1に示す本発明の一実施形態の撥水性基体の製造方法の一例を説明する断面図である。 本発明の他の実施形態の撥水性基体の構成を示す上面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下では本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、それらの図面は図解のために提供されるものであり、本発明はそれらの図面に何ら限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1(a)は本発明の第1の実施形態による撥水性基体の一部を示す上面図であり、図1(b)はそのB−B線に沿う断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態の撥水性基体は、基体1と、その表面に形成された撥水膜2とを備える。
撥水膜2の表面には、第1の撥水性領域11と、第1の撥水性領域11よりも撥水性の高い、つまり水接触角が大きい第2の撥水性領域が形成されている。以下、撥水性が相対的に低い第1の撥水性領域11を低撥水性領域と称し、撥水性が相対的に高い第2の撥水性領域12を高撥水性領域と称する。
低撥水性領域11と高撥水性領域12は、それぞれ所定のパターン形状を有する。本実施形態では、低撥水性領域11のパターン形状は、帯状の略均一な幅の領域が複数、略均一な間隔をおいて平行に並ぶストライプ状であり、高撥水性領域12は、それらの間隙を埋めるようなパターン形状に形成されている。すなわち、高撥水性領域12のパターン形状も、低撥水性領域11と同様、帯状の略均一な幅の領域が複数、略均一な間隔をおいて平行に並ぶストライプ状である。
低撥水性領域11及び高撥水性領域12の各パターンのストライプ幅S、S、すなわち、低撥水性領域11を形成する個々の帯状の領域の幅Sと、高撥水性領域12を形成する個々の帯状の領域の幅Sは、水滴を撥水膜1に滴下したときに、水滴が低撥水性領域11と高撥水性領域12の領域に跨って付着するとともに、この付着した水滴が、後述するような理由によって、第2の撥水性領域12から低撥水性領域11に移動し、低撥水性領域11上で、同様に移動してきた水滴及び/もしくは低撥水性領域11に付着していた水滴と合体してより大きな水滴となるように形成されている。
本発明者は、自動車の窓ガラスに雨水が付着した際に視認性を大きく低下させるのは、直径が2mm以上の水滴であり、特に、直径が2mm以上3mm未満の水滴は従来の通常の撥水膜では流れ落ちずに留まって、視認性を低下させることを見出した。したがって、各パターンのストライプ幅S、Sは、このような視認性の低下に大きく影響する直径が2mm以上3mm未満の水滴が、低撥水性領域11と高撥水性領域12の両領域に跨って付着しやすく、かつこの付着した水滴が高撥水性領域12から低撥水性領域11に移動して、低撥水性領域11上で他の水滴と合体してより大きな水滴を形成しやすい大きさとすることが好ましい。
具体的には、低撥水性領域11のストライプ幅Sは、1mm以上5mm以下の範囲が好ましく、2mm以上4mm以下の範囲がより好ましく、2mm以上3mm以下の範囲が特に好ましい。また、高撥水性領域12のストライプ幅Sは、1mm以上5mm以下の範囲が好ましく、2mm以上4mm以下の範囲がより好ましく、2mm以上3mm以下の範囲が特に好ましい。
ストライプ幅S及びストライプ幅Sが5mm超の場合には、水滴が、低撥水性領域11と高撥水性領域12の領域に跨って付着しない確率が高まり、撥水膜2上に留まる水滴が増加してしまう。
ストライプ幅S及びストライプ幅Sが1mm未満の場合には、水滴の移動距離が短いために水滴が合体し難く、大きな水滴になりにくい。また、2つの低撥水性領域に接している水滴は滑落し難くなるが、ストライプ幅S及びストライプ幅Sが1mm未満の場合には、水滴が2つの低撥水性領域に接する確率が高まってしまう可能性がある。
なお、低撥水性領域11のストライプ幅Sと高撥水性領域12のストライプ幅Sは、同一であっても、異なっていてもよい。また、図1の例では、低撥水性領域11のストライプ幅Sと高撥水性領域12のストライプ幅Sは、いずれも、長さ方向に略均一であるが、一方、または両方が、長さ方向に変動していてもよく、また、均一なものと変動したものが混在していてもよい。図2は、その一例を示したもので、例えば、撥水膜2を形成する基体1の形状に合わせるため、低撥水性領域11のストライプ幅Sと高撥水性領域12のストライプ幅Sを、いずれも一端側から他端側に向けて徐々に大きくした形状となっている。なお、図2(a)では、高撥水性領域12のストライプ幅Sの拡がり率が、低撥水性領域11のストライプ幅Sより大きくなるようにした例であり、図2(b)では、低撥水性領域11のストライプ幅Sの拡がり率が、高撥水性領域12のストライプ幅Sより大きくなるようにした例である。このように低撥水性領域11のストライプ幅Sの拡がり率と、高撥水性領域12のストライプ幅Sの拡がり率も均一にする必要はない。さらに、図示は省略したが、ストライプは、波状ないしジグザグ状に蛇行した形状であってもよく、直線形状と蛇行形状が混在していてもよい。
このように本実施形態の低撥水性領域11と高撥水性領域12は、上記のような種々のパターン形状、パターンサイズを採り得るが、前述したような、雨水等が付着した際に視認性の低下に大きく影響する水滴が、低撥水性領域11と高撥水性領域12の両領域に跨って付着しやすく、かつこの付着した水滴が高撥水性領域12から低撥水性領域11に移動して、低撥水性領域11上で他の水滴と合体してより大きな水滴を形成しやすくするためには、低撥水性領域11と高撥水性領域12の面積比を、2:1〜1:2とすることが好ましい。すなわち、低撥水性領域11の面積の割合が前記範囲未満、または前記範囲を超えると、上記のような効果を有するパターン形状の低撥水性領域11及び高撥水性領域12の形成が困難になる。低撥水性領域11と高撥水性領域12の面積比は、3:2〜2:3の範囲がより好ましく、3:2〜1:1の範囲がより一層好ましい。
また、十分な視認性を確保するためには、低撥水性領域11と高撥水性領域12の合計面積は、撥水性基体全体の50%以上であることができ、70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
本実施形態において、低撥水性領域11と高撥水性領域12の各領域は、いずれも撥水性である。その撥水性の程度は、水接触角による評価で、低撥水性領域11が40°〜110°、好ましくは60°〜100°、より好ましくは70°〜90°である。低撥水性領域11の水接触角が40°未満では、水滴が形成されないか、または、形成されても流れ落ちにくく、視認性を向上させることができない。他方、高撥水性領域12の水接触角は、低撥水性領域11より20°以上、好ましくは25°以上、より好ましくは30°以上高い。高撥水性領域12の水接触角と低撥水性領域11の水接触角との差が20°未満では、低撥水性領域11と高撥水性領域12の領域に跨って付着した水滴が、低撥水性領域11に移動しないか、または移動しにくく、したがって、水滴の滑落性を向上させることができず、視認性を高めることができない。
なお、上記「水接触角」は、室温で水平な試料台に載置した撥水膜の被測定面(第1の撥水性領域及び第2の撥水性領域)に水滴を滴下し、水滴における空気と被測定面とに接する点から水滴の曲面に接線を引いたときの、この接線と被測定面との角度を接触角計を用いて測定することにより求めることができる。
撥水性基体を構成する撥水膜2は、上述したような低撥水性領域11を形成する低撥水層3と、高撥水性領域12を形成する高撥水層4から構成される。低撥水層3及び高撥水層4は、基体1上に互いの層が重ならないように形成されていてもよく、低撥水層3及び高撥水層4のいずれか一方を基体1表面全体に形成し、その上に他方の撥水層を、低撥水性領域11と高撥水性領域12とが上記パターン形状を有するように形成するようにしてもよい。本実施形態では、図1(b)に示すように基体1上に互いの層が重ならないように形成されている。
低撥水層3及び高撥水層4の層厚は、形成材料や、基体の種類、用途等によって異なるが、通常、1nm〜200nm、好ましくは2nm〜150nmである。層厚が1nm未満では、撥水膜の耐久性が不十分になるおそれがある。また、材料によっては、所望の撥水性を有する層形成が困難になるおそれがある。層厚が200nmを超えると、層が不均一となりヘイズが上昇するおそれがある。また、層厚が1nm未満の場合と同様、材料によっては層形成が困難になるおそれがある。低撥水層3と高撥水層4の層厚は、必ずしも同一である必要はなく、異なっていてもよい。但し、その差があまり大きいと、表面の凹凸が大きくなり、水滴の移動が困難になるおそれがあることから、150nm以下であることが好ましい。
なお、低撥水層3及び高撥水層4のいずれか一方を基体1表面全体に形成し、その上に他方の撥水層を形成する場合には、撥水膜の耐久性、層形成の容易さ、水滴の移動性等を考慮すると、下層の撥水層の層厚は、1nm〜200nmであることが好ましく、上層の撥水層の層厚は、1nm〜100nmであることが好ましい。より好ましくは、下層の撥水層の層厚が50nm〜150nmであり、上層の撥水層の層厚は、2nm〜50nmである。
低撥水層3及び高撥水層4を形成する材料は、低撥水性領域11と高撥水性領域12が形成されれば、いかなるものであってもよく、ハフニア、ジルコニア、イットリア等の無機酸化物、ポリフルオロアルキルシラン基含有化合物、ポリフルオロポリエーテルアルキル基含有化合物等のフッ素含有有機化合物、ジメチルシリコーン化合物等のシリコーン化合物等の、従来より知られる各種撥水性材料を使用することができる。また、これらの撥水性材料の下地層として、シリカ、アルミナ等の金属酸化物微粒子を含む材料により、予め表面に微小凹凸を有する膜を形成しておき、このような下地層と撥水性材料からなる層、あるいは下地層と撥水性材料からなる層の間にこれらの層の密着性を高める層等を介在させた積層構造としてもよい。このような下地層と撥水性材料からなる層を含む層は、超撥水層または超撥水膜と一般に称されているものであり、低撥水層3及び高撥水層4は、このような超撥水構造とすることも可能である。このような超撥水構造を形成する材料を含め、低撥水層3及び高撥水層4を形成する材料については、後述の本実施形態の撥水性基体の製造方法においてさらに説明する。
本実施形態の撥水性基体を構成する基体1の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、金属、セラミック、またはこれらの組み合わせ(複合材料、積層材料等)等が挙げられる。ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。またプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンカーボネート等の芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂等が挙げられる。基体1は透明であっても不透明であってもよく、用途によって適宜選択される。例えば、本実施形態の撥水性基体を自動車等の輸送機器用の窓材や建築用の窓材、太陽電池用カバー等に用いる場合は、透明なガラス板またはプラスチック板であることが好ましい。
基体1は、その表面が酸化セリウム等の研磨剤で研磨されていてもよく、アルコール洗浄等により脱脂されていてもよく、酸素プラズマ処理、コロナ放電処理、オゾン処理等が施されていてもよい。基体1の形状は平板であっても、全面または一部に曲率を有していてもよい。基体1の表面は平坦であっても凹凸形状を有していてもよい。基体1の厚さは用途により適宜選択されるが、一般には1mm〜10mmが好ましい。基体1として、厚さが25μm〜500μm程度のプラスチックフィルムを用いることもできる。基体1には、予め無機物及び/または有機物からなる塗膜が形成されることで、ハードコート、アルカリバリア、着色、導電、帯電防止、光散乱、反射防止、集光、偏光、紫外線遮蔽、赤外線遮蔽、防汚、防曇、光触媒、抗菌、蛍光、蓄光、波長変換、屈折率制御、撥水、撥油、指紋除去、滑り性等より選ばれる1種以上の機能が付与されていてもよい。
本実施形態の撥水性基体は、基体1の両側表面に撥水膜2を有していてもよく、基体1の片側表面にのみ撥水膜2を有していてもよく、用途により適宜選択される。例えば、本実施形態の撥水性基体を自動車等の輸送機器用の窓材や、建築用窓材に使用する場合は、基体1の片側表面にのみ撥水膜2を有していることが好ましい。
次に、本実施形態の撥水性基体の製造方法について説明する。
図3は本実施形態の撥水性基体1の製造工程の一例を示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態の撥水性基体1は、例えば、次の工程を順に行うことによって製造することができる。
(1)まず、基体1の片側表面の所要部、すなわち撥水膜2を形成すべき部分全体に、高撥水層形成用材料を塗布し、硬化させて硬化膜4Aを形成する。(図3(a))。
(2)大気中で、上記硬化膜4A上に、低撥水層3のパターン形状に対応する開口部を有するマスク板5を重ね、このマスク板5を介して、硬化膜4A表面に紫外線6を照射して、照射部の硬化膜4Aをオゾン(O)により分解除去する(図3(b))。これにより、ストライプ状のパターン形状を有する高撥水層4が形成される。この工程には、UV/O洗浄装置を用いることができる。
(3)高撥水層4が形成された基体1の表面の所要部全体に、低撥水層形成用材料を塗布し、硬化させる(図3(c))。低撥水層形成用材料は、高撥水層4上においてはその撥水性により弾かれて塗布されず、高撥水層4の間隙の基体1上にのみ塗布されるため、この塗布層を硬化させることにより、低撥水層3が形成される。
なお、上記(1)の工程で、低撥水層形成用材料を塗布し、上記(2)の工程で、その硬化膜をパターニングして低撥水層3を形成し、上記(3)の工程で、高撥水層形成用材料を塗布して、高撥水層4を形成するようにしても、同様の撥水性基体1を製造することができるが、 低撥水層3は撥液性が高くないために、その上から高撥水層形成用材料を塗布すると低撥水層3の上に高撥水層形成用材料が残留してしまい低撥水層3と高撥水層4の撥水性の差が小さくなる可能性があるため、上記(1)の工程で、高撥水層形成用材料を塗布し、上記(2)の工程で、その硬化膜をパターニングして高撥水層4を形成し、上記(3)の工程で、低撥水層形成用材料を塗布して、低撥水層3を形成することが好ましい。
上記製造工程において使用される低撥水層形成用材料及び高撥水層形成用材料としては、シリコーン化合物やフッ素含有有機化合物等の撥水剤の1種以上を含むものが挙げられる。そのうち、低撥水層形成用材料には、水接触角が40°〜110°の撥水層が形成されるような材料が選択使用され、高撥水層形成用材料には、水接触角が低撥水層形成用材料より20°以上高い撥水層が形成されるような材料が選択使用される。
ここで、シリコーン化合物としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アルコール変性ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性ジメチルポシロキシサン、フルオロアルキル変性ジメチルシリコーン等が挙げられる。
また、フッ素含有有機化合物としては、下記一般式で表される化合物等が挙げられる。
F(CF(CHSiX
F(CF(CHSi(R)X
F(CFCONH(CHSiX
F(CFCONH(CHSi(R)X
F(CFCONH(CHNH(CH5−hSiX
F(CFCONH(CHNH(CH5−hSi(R)X
f2-O-(CFCFO)-CF-CONH(CHSi(R 3−p
f2-O-(CFCFO)-CF-CHOCONH(CHSi(R 3−p
f2-O-(CFCFO)-CF-CHO(CHSi(R 3−p
f2-O-(CFCFO)-CF-CFO(CHSi(R 3−p
f2-O-(CFCFO)-CF-(CHSi(R 3−p
f2-O-(CFCFO)-CF-(CHSi(R 3−p
ここで、上記各一般式中の記号は、以下の意味を示す。
、R:それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基
f2:炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基
、X:それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、またはイソシアネート基
e:1〜20の整数
f:1〜6の整数
g:1〜5の整数
h:1〜4の整数
p:0または1
なお、上記各一般式で表わされる化合物は、それぞれ単独で使用できるほか、上記化合物から選ばれる1種以上の化合物の部分加水分解縮合物であってもよい。部分加水分解縮合物とは、溶媒中で酸触媒やアルカリ触媒等の触媒と水の存在下に加水分解性シリル基の全部または一部が加水分解し、次いで脱水縮合することによって生成するオリゴマーをいう。但し、この加水分解縮合物の縮合度は、生成物が溶媒に溶解する程度である必要がある。
撥水剤としては、その他、市販の、有機系撥水剤、例えば、ダイキン社製のOptool DSX(商品名)等や、シリコーン系撥水剤、例えば、錦之堂社製のRAIN-X(商品名)等も使用することができる。
低撥水層形成用材料及び高撥水層形成用材料は、上記撥水剤のみからなるものであってもよいが、経済性、作業性、形成される撥水層の厚さの制御のしやすさ等の点から、通常、有機溶剤を含む。有機溶剤としては、アルコール類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類、パラフィン系炭化水素類、エステル類等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、極性、蒸発速度等の異なる2種以上の有機溶剤を混合して使用してもよい。また、撥水剤として部分加水分解縮合物を含有する場合は、これを製造するために使用した溶媒を含んでもよい。低撥水層形成用材料及び高撥水層形成用材料には、必要に応じて他の成分が含まれていてもよい。このような他の成分としては、例えば、撥水剤の加水分解縮合反応の際に用いた触媒(塩酸、硝酸等の酸等)が挙げられる。さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、目的に応じて、機能性添加剤が含まれていてもよい。機能性添加剤としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物の超微粒子、染料、顔料等の着色用材料、防汚性材料、硬化触媒、各種樹脂等が挙げられる。
上記のような撥水層形成用材料を、基体1表面に塗布する方法としては、スキージコート、ローラコート、フレキソコート、バーコート、ダイコート、グラビアコート、ロールコート、フローコート、スプレーコート、インクジェット、ディップコート等の方法が挙げられる。また、この塗布に次いで行われる硬化は、例えば、温度20〜50℃、湿度50〜90%RHの条件で行うことができる。硬化時間は、撥水層形成用材料の種類や濃度、硬化条件等にもよるが、通常、1〜72時間で硬化させることができる。なお、処理方法によっては、余剰成分が発生し外観の品質を損なうおそれがあるが、その場合には、溶剤拭き、または乾拭き等で余剰成分を除去するようにすればよい。
上記方法では、2種類の撥水性能の異なる撥水層形成用材料を使用して低撥水層3及び高撥水層4を形成しているが、次の工程を順に行うことによって、1種類の撥水層形成用材料(以下、共通の撥水層形成用材料という)を使用して低撥水層3及び高撥水層4を形成することも可能である。
(1)まず、基体1の片側表面の所要部、すなわち撥水膜2を形成すべき部分全体に、共通の撥水層形成用材料を塗布し、乾燥硬化させて硬化膜を形成する。共通の撥水層形成用材料としては、前述の2種類の撥水性の異なる撥水層形成用材料を使用する方法で説明した材料と同様のものを用いることができる。また、共通の撥水層形成用材料を塗布する方法、硬化させる方法についても、前述の2種類の撥水性の異なる撥水層形成用材料を使用する場合と同様の方法、条件を用いることができる。
(2)大気中で、上記硬化膜の表面に、低撥水層3のパターン形状に対応する開口部を有するマスク板を重ね、このマスク板を介して、硬化膜の表面に紫外線を照射して、照射部の硬化膜をオゾン(O)により部分分解させる。部分分解した硬化膜は、元の硬化膜に比べ撥水性の低い、つまり水接触角の小さい硬化膜となる。そして、その劣化の程度は、紫外線の照射度、照射時間によって制御可能である。この結果、基体1の表面には、前述したようなストライプ状のパターン形状を有する低撥水層3と高撥水層4が形成される。
本実施形態の撥水性基体は、低撥水層3及び高撥水層4の形成材料として、ハフニア、ジルコニア、イットリア等の無機酸化物を用いることもできる。
ハフニア、ジルコニア及びイットリアからなる撥水層は、それぞれハフニアゾル、ジルコニアゾル及びイットリアゾルを基体1等の表面に塗布し、乾燥してハフニアゲル膜、ジルコニアゲル膜及びイットリアゲル膜とした後、これを硬化させることにより形成することができる。
ハフニアゾルは、例えば、ハフニウムアルコキシド、ハフニウム塩等のハフニウム化合物を、アルコール等の溶媒に溶解し、次いで水を添加して必要なら加熱することにより調製される。ジルコニアゾルは、ジルコニウムアルコキシド、ジルコニウム塩等のジルコニウム化合物をアルコール等の溶媒に溶解し、次いで水を添加して必要なら加熱することにより調製される。イットリアゾルは、イットリウムアルコキシド、イットリウム塩等のイットリウム化合物をアルコール等の溶媒に溶解し、次いで水を添加して必要なら加熱することにより調製される。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、ビニルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン等のケトン、アミン、アミド等が挙げられる。これらのハフニアゾル、ジルコニアゾル及びイットリアゾルには、下層との密着性を高めるため、シランカップリング剤等が配合されていてもよい。
基体1表面に上記ハフニアゾル、ジルコニアゾル、イットリアゾルを塗布する方法としては、スキージコート、ローラコート、フレキソコート、バーコート、ダイコート、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、フローコート、スプレーコート、インクジェット、ディップコート等の方法が挙げられる。また、この塗布に次いで行われる乾燥によって、ハフニアゲル膜、ジルコニアゲル膜及びイットリアゲル膜とした後、これを硬化させる方法としては、電磁波照射が好ましく、特に紫外線照射が好ましいが、加熱による硬化処理であってもよく、また、それらの組み合わせであってもよい。紫外線照射を用いる場合、光源として、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、エキシマレーザー、Nd:YAGレーザー等を使用することができる。照射時間は、通常、1分〜1時間である。また、加熱により硬化させる場合、加熱温度は、通常、50〜1000℃、好ましくは50℃〜600℃であり、加熱時間は、通常、1分〜5時間、好ましくは10分〜2時間である。
撥水層を上記のようなハフニア、ジルコニア、イットリア等の無機酸化物で形成する場合、低撥水層3及び高撥水層4のいずれか一方をこれらの材料で形成し、他方の撥水層を前述した撥水剤を含む撥水層形成用材料で形成することが好ましい。
以下、低撥水層3をハフニア、ジルコニア、イットリア等の無機酸化物で形成し、高撥水層4を前述した撥水剤を含む撥水層形成用材料で形成した撥水性基体の製造方法の一例を記載する。この製造方法においては、次の工程を順に行う。
(1)まず、基体1の片側表面の所要部、すなわち撥水膜2を形成すべき部分全体に、例えば、ハフニアゾルを塗布し、乾燥してゲル化させた後、硬化させてハフニアからなる硬化膜を形成する。
(2)上記硬化膜の表面全体に、前述の撥水剤を含む撥水層形成用材料を塗布し、硬化させて撥水剤からなる硬化膜を形成する。撥水剤を含む撥水層形成用材料には、ハフニアからなる硬化膜より水接触角で20°以上高い撥水層を形成し得る材料を選択する。
(3)大気中で、撥水剤からなる硬化膜の表面に、低撥水層3のパターンに対応する形状の開口部を有するマスク板を重ね、このマスク板を介して、撥水剤からなる硬化膜の表面に紫外線を照射して、照射部の硬化膜をオゾン(O)により分解除去する。この工程には、UV/O洗浄装置を用いることができる。これにより、ハフニア硬化膜上に、前述したような所定のストライプ状のパターン形状を有する高撥水層4が形成された撥水膜が形成される。ハフニア硬化膜はいわゆる連続した膜であるが、その表面にはパターニングされた高撥水層4が形成されているため、表面から視た場合に、図1に示すような、低撥水性領域11と高撥水性領域12が所定のパターン形状で形成された撥水膜2が形成される。
なお、上記(2)の工程において、撥水剤を含む撥水層形成用材料に、ハフニア硬化膜より水接触角で20°以上低い撥水層を形成し得る材料を選択すれば、ハフニア硬化膜からなる高撥水層4上に、撥水剤からなる低撥水層3が所定のパターン形状で形成された撥水膜を形成することができる。また、20°以上低い撥水層を形成し得る材料を選択せずとも、上記(2)の工程の後、(3)の工程の前、または(3)の工程の後に、撥水剤からなる硬化膜の表面に紫外線を照射して、照射部の硬化膜をオゾン(O)により部分分解させて、撥水剤からなる硬化膜の撥水性を制御するようにしてもよく、同様の、ハフニア硬化膜からなる高撥水層4上に、撥水剤からなる低撥水層3が所定のパターン形状で形成された撥水膜を形成することができる。
本実施形態の撥水性基体は、高撥水層4、または低撥水層3と高撥水層4をともに超撥水層とすることもできる。
超撥水層は、微小凹凸を有する下地層と、この下地膜上に形成された撥水層とを備える。
超撥水層は、下地層形成用材料を塗布し、乾燥して下地層を形成し、次いで、必要に応じて、下地層の表面に他の機能層を形成した後、その表面に撥水膜形成用材料を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
下地膜形成用材料は、金属酸化物微粒子、金属酸化物バインダー前駆体、及び分散媒体を含む。金属酸化物微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ等の金属酸化物の微粒子が挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は水和水を有する水和物であってもよい。また、金属酸化物微粒子はゾルであってもよい。金属酸化物微粒子はアモルファスであってもよく、棒状、羽毛状、平板状、球状、針状等の形状を有する結晶であってもよい。金属酸化物微粒子がゾルである場合、その形状は棒状、羽毛状、平板状、球状、及び針状等のいずれであってもよい。
金属酸化物バインダー前駆体としては、加水分解性基が結合した加水分解性金属化合物、この加水分解性金属化合物の部分加水分解縮合物、配位子が配位した金属配位化合物等が挙げられる。加水分解性金属化合物は加水分解縮合反応により金属酸化物となり、金属配位化合物は熱分解して金属酸化物となる。金属原子としては、ケイ素原子、アルミニウム原子、チタン原子、スズ原子、セリウム原子等が挙げられる。
加水分解性金属化合物としては、例えば、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラントキシシラン、n−ヘプチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルジメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロメチル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロメチル)メチルジメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロエチル)プロピルトリメトキシシラン、3−(ノナフルオロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(ノナフルオロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、3−(トリデカフルオロオクチル)プロピルトリメトキシシラン、3−(トリデカフルオロオクチル)プロピルトリエトキシシラン、3−(ヘプタデカフルオロデシル)プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アセトキシメチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトライソシアネートシラン、テトラクロロシラン等が挙げられる。
また、金属配位化合物としては、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウム(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、チタニウムビス(アセチルアセテート)ジイソプロポキシド、チタニウムテトラ(アセチルアセテート)、チタニウムビス(オクチレングリコレート)ジブトキシド、チタニウムビス(ラクテート)ジヒドロキシド、チタニウムビス(トリエタノールアミノレート)、チタニウムビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、ジルコニウム(テトラアセチルアセテート)、ジルコニウム(アセチルアセテート)トリブトキシド、ジルコニウムビス(アセチルアセテート)ジブトキシド、ジルコニウム(アセチルアセテート)(エチルアセトアセテート)ジブトキシド等が挙げられる。
分散媒体としては、水、エタノール、メタノール等のアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類等が挙げられる。
下地層形成用材料を塗布する方法としては、スプレーコート法、フローコート法、スピンコート法等が挙げられる。また、この塗布に次いで行われる乾燥は、例えば、室温(20℃程度)〜700℃の温度で乾燥することによって行うことができる。
このように形成される下地層は、JIS R1683(2007)に準拠して走査型プローブ顕微鏡(SPM)により測定される表面の算術平均粗さ(Ra)が10〜50nm程度、凹凸の最大高低差が、走査型プローブ顕微鏡(SPM)により測定で、150〜500nm程度であることが好ましい。
撥水層形成用材料としては、前述した低撥水層形成用材料及び高撥水層形成用材料として例示したものと同様のものが挙げられる。また、撥水膜形成用材料を塗布する方法、それに続く硬化条件も、前述した低撥水層形成用材料及び高撥水層形成用材料の塗布方法、硬化条件と同様である。
撥水層の表面は、下地層の表面の形状をほぼ反映して、概して、算術平均粗さ(Ra)が10nm〜50nm程度、凹凸の最大高低差が150nm〜500nm程度となる。
上記のような微小凹凸を有する下地層と、この下地層上に形成された上記撥水層とを備えた超撥水層は、表面に凹凸形状が形成されたことによって、水接触角が120°以上の高い撥水性能を具備することができる。
なお、超撥水層は、下地層と撥水層との間に、各種機能層が設けられていてもよい。このような機能層としては、下地層と撥水層との密着性を向上させるための密着層等が挙げられる。
密着層は、密着性向上成分及び溶媒を含む密着層形成用材料を、下地層の表面に塗布した後、溶媒を除去し、さらに、必要に応じて加熱することによって形成することができる。
密着性向上成分としては、ポリシラザン類以外のケイ素化合物(アルコキシ基、イソシアネート基、ハロゲン原子等の加水分解性基がケイ素原子に結合したケイ素化合物等)等が挙げられる。具体的には、テトラアルコキシシランやそのオリゴマー、オルガノトリアルコキシシランやそのオリゴマー等のアルコキシシラン類;オルガノトリクロロシランやそのオリゴマー等のクロロシラン類;イソシアネートシラン類からなる群から選ばれる少なくとも1種のケイ素化合物が挙げられる。
溶媒としては、水の他、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類等の有機溶媒を用いることができる。密着層形成用材料には、必要に応じて、他の成分を加えてもよい。他の成分としては、例えば、上記ケイ素化合物の加水分解縮合反応のため触媒(塩酸、硝酸等の酸等)等が挙げられる。
密着層形成用材料を下地層の表面に塗布する方法としては、下地層形成用材料の場合と同様、前述した低撥水層形成用材料及び高撥水層形成用材料の塗布方法として例示した方法が挙げられる。また、溶媒の除去は、密着層形成用材料を塗布した後の基体を、室温〜200℃で10分〜60分間程度保持することによって実施できる。
なお、下地層と撥水層との間に設けられる各種機能層は、それぞれの下部に位置する層の表面の全体を覆っている必要はなく、部分的に形成されていてもよい。
以上、本実施形態の撥水性基体の製造方法を、使用する材料とともにいくつか説明したが、これらは例として示したものであり、これらの方法に限定されるものではない。例えば、本実施形態の撥水性基体は、基体表面に低撥水層のパターン形状に対応する開口部を有するマスク板を重ね、このマスク板上に低撥水層形成用材料等を塗布し、硬化させる等の方法で低撥水層3を形成した後、前記マスク板を、高撥水層のパターン形状に対応する開口部を有するマスク板に換え、このマスク板上に高撥水層形成用材料等を塗布し、硬化させる等して高撥水層3を形成することによって製造することもできる。
本実施形態の撥水性基体は、基体1の表面に、ストライプ状のパターン形状に形成された水接触角が40°〜110°の低撥水性領域と、この低撥水性領域より水接触角が20°以上高い高撥水性領域を表面に有する撥水膜を備えているので、低撥水性領域11高撥水性領域12に跨って付着した水滴は、撥水性の低い低撥水性領域11に移動し、低撥水性領域11上で他の水滴と合体してより大きな水滴を形成するため、水滴を速やかに滑落除去させることができる。特に、低撥水性領域11と高撥水性領域12を、直径2〜3mmの水滴が低撥水性領域11と高撥水性領域12に跨って付着するようなパターンで形成した場合には、視認性に影響する水滴を略滑落除させることができるため、自動車の窓ガラスのような用途に適用した場合に、その視認性を向上させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な形態で実施することが可能である。例えば、上記第1の実施形態では、低撥水性領域11及び高撥水性領域12がいずれもストライプ状のパターンで形成されているが、図4(a)〜図4(d)に例示するように、高撥水性領域12がドット(点)状にパターニングされ、それらの間隙を埋めるように低撥水性領域11が形成されていてもよい。高撥水性領域12を形成するドットの形状、大きさ、配置方法等は、特に限定されるものではなく、例えば、形状は、矩形(図4(a))、円形ないし楕円形(図4(b))、六角形等の多角形(図4(c))、星形、楔形等の異形(図4(d))等、種々の形状をとることができる。この場合、各ドットの形状や大きさは同一であっても異なっていてもよい。但し、良好な視認性を得る観点からは、第1の実施形態の場合と同様、視認性の低下に大きく影響する直径が2mm以上3mm未満の水滴が、低撥水性領域11と高撥水性領域12の領域に跨って付着しやすく、また、この付着した水滴が高撥水性領域12から低撥水性領域11に移動して、低撥水性領域11上で他の水滴と合体してより大きな水滴を形成しやすく、さらに、この合体して大きくなった水滴が低撥水性領域11上を少なくとも一方向に移動しやすい大きさ、配列方法とすることが好ましい。
具体的には、例えば、図4(a)の例では、高撥水性領域12のパターン形状は、一辺が1〜5mmの矩形状ドットが1mm〜5mm間隔で配列されたパターン形状であることが好ましく、図4(b)の例では、高撥水性領域12のパターン形状は、直径が1mm〜5mmの円形状ドットが1mm〜5mm間隔で配列されたパターン形状であることが好ましい。
また、上記第1の実施形態では、低撥水性領域11及び高撥水性領域12がそれぞれ他方の撥水性領域によって分断されているが、図4(e)及び図4(f)に例示するように、低撥水性領域11及び高撥水性領域12の一方、もしくは両方が、ストライプの一端側で連結する形状とすることも可能である。なお、ここで例示したいずれの場合も、低撥水性領域11を形成する低撥水層と、高撥水性領域12を形成する高撥水層は、共に同一平面上に形成されていてもよく、低撥水層3上に高撥水層4が、あるいは高撥水層4上に低撥水層3が積層されて形成されていてもよい。
これらの実施形態においても、第1の実施形態と同様、低撥水性領域11と高撥水性領域12に跨って付着した水滴は、撥水性の低い低撥水性領域11に移動し、低撥水性領域11上で他の水滴と合体してより大きな水滴を形成するため、水滴を速やかに滑落除去させることができる。特に、低撥水性領域11と高撥水性領域12を、直径2〜3mmの水滴が低撥水性領域11と高撥水性領域12に跨って付着するようなパターンで形成した場合には、視認性に影響する水滴を略滑落除させることができるため、自動車の窓ガラスのような用途に適用した場合に、その視認性を向上させることができる。
なお、例えば、図1、図2または図4で示すパターン形状の低撥水性領域11及び高撥水性領域12を備えた撥水性基体を自動車の窓ガラスに適用する場合、それぞれの図の上辺及び下辺が自動車用窓ガラスの上辺及び下辺に一致するように搭載されることが好ましい。
本発明は以上説明した実施形態の記載内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更や修正を加えることができることはいうまでもない。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。以下の記載において、「高撥水性領域」及び「低撥水性領域」とあるのは、2つの撥水性領域が形成されている場合に、相対的に撥水性の高い領域を「高撥水性領域」と称し、撥水性の低い領域を「低撥水性領域」と称する。また、ガラス基板の水接触角は、3μLの水滴を滴下し、協和界面科学社製の接触角計CA−X150型を用いて測定した値であり、撥水膜の水接触角は、測定すべきそれぞれの領域に3μLの水滴を滴下(領域の面積が小さく3μLの水滴を滴下できない場合には、適宜水滴の水量を減らして滴下)し、同様の装置を用いて測定した値である。さらに、撥水層に対する紫外線の照射には、いずれも、セン特殊光源社製のUV/O洗浄装置PHOTO DRY CLEANER PL7−200型を用いた。例1〜15は実施例であり、その他の例は比較例である。
以下の各例で使用した撥水膜形成材料は、次の通りである。
[撥水膜形成材料(A)]
攪拌機及び温度計がセットされたガラス容器に、C13CHCHSiCl(7.7g)、酢酸ブチル(46.15g)、及びヘプタン(46.15g)を投入し、25℃で30分間攪拌して撥水膜形成材料(A)を調製した。
[撥水膜形成材料(B)]
攪拌機及び温度計がセットされたガラス容器に、CFCHCHSi(OCH(5.0g)、1wt%HNO3水溶液(3.75g)、及びエタノール(91.25g)を投入し、25℃で30分間攪拌して撥水膜形成材料(B)を調製した。
[撥水膜形成材料(C)]
攪拌機及び温度計がセットされたガラス容器に、CF(OCFCFOCFCFOCHCHCHSiCl(xの平均値は7)(2.6g)、酢酸ブチル(19.4g)、及びハイドロフルオロエーテル(旭硝子社製 商品名 AE3000)(78.0g)を投入し、25℃で30分間攪拌して撥水膜形成材料(C)を調製した。
[撥水膜形成材料(D−1)]
80mLのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製耐圧容器に、エタノール(6.79g)、水(4.41g)、酸化亜鉛水分散液(平均一次粒子径約25nm、固形分濃度20質量%)(7.0g)、アルミニウムアセチルアセトナート(0.07g)、28質量%アンモニア水溶液(0.13g)、テトラエトキシシラン(1.59g)を入れて混合し、原料液を調製した。
耐圧容器を密封した後、最大出力が1400Wのマイクロ波加熱装置を用い、原料液が150℃に加熱される出力にて、周波数2.45GHzのマイクロ波を原料液に3分間照射した。この操作により、コアが酸化亜鉛からなりシェルがシリカからなるコア−シェル型微粒子の分散液を得た。
このコア−シェル型微粒子の分散液(19g)に、強酸性カチオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名 ダイヤイオン、総交換容量2.0meq/mL以上)を20g加え、6時間撹拌した後、ろ過により強酸性カチオン交換樹脂を除去し、中空状シリカ微粒子の凝集体分散液を得た。この中空状シリカ微粒子分散液の体積平均一次粒子径は35nm、体積平均凝集粒子径は395nm、シェル厚は4.5nm、固形分濃度は2.3質量%であった。
なお、体積平均凝集粒子径は強酸性カチオン交換樹脂との攪拌時間によって制御した。シェルの厚みが10nmの場合はpHが4となっても酸化亜鉛コア微粒子は溶解しなかった。
また、エタノール(84.0g)にテトラエトキシシラン(7.51g)、メチルトリエトキシシラン(0.13g)、0.463質量%硝酸水溶液(8.36g)を加え1時間攪拌し、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシランを加水分解縮合反応させてケイ酸オリゴマー溶液(酸化ケイ素換算固形分濃度2.5質量%)を得た。
2−プロパノール(1.72g)、上記ケイ酸オリゴマー溶液(0.39g)、日産化学社製IPA−ST−SをIPAで10倍希釈した液(0.83g)、及び上記中空状シリカ微粒子の凝集体分散液(0.41g)を混合し、撥水膜形成材料(D−1)を調製した。
[撥水膜形成材料(D−2)]
F(CF(CHSi(OCH(3.37g)を、2−プロパノール(95.66g)に溶かし、1質量%の硝酸水溶液(0.97g)を加えたうえで3時間撹拌した液を0.5g分取し、旭硝子社製AC−6000(5.5g)と混合して、撥水膜形成材料(D−2)を調製した。
[撥水膜形成材料(E)]
RAIN-X(錦之堂社製 商品名)
[撥水膜形成材料(F)]
窒素雰囲気下で四塩化ハフニウム(5.44g)を99.5%エタノール(COH)(41mL)に溶解した。この溶液に水(3.06g)、98%ギ酸液(HCOOH)(7.18g)、及び60%硝酸(HNO)(1.79g)を添加した。この混合溶液を、50±3℃で4時間、加熱撹拌して、ハフニアゾルを調製した。
<撥水性基体の製造>
(例1)
酸化セリウムで研磨洗浄後、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角5°、100mm×100mm×3mm)の表面に、撥水膜形成材料(A)1gをスキージコート法により塗布し、50℃、60%RHに設定した恒温恒湿槽内に48時間保持した後、イソプロパノールで余剰の撥水剤を除去して、水接触角108°の高撥水層を形成した。
この高撥水層上に、幅2mm、長さ100mmのスリット(開口部)が2mm間隔で並んだメタルマスクを重ね、このメタルマスクを介して、高撥水層の表面に、高圧水銀ランプから紫外線を300mW/cmで5分間照射して、照射部の高撥水層を分解除去(UV/O洗浄)した。なお、紫外線の照度は、ウシオ電機社製の紫外線積算光量計UIT−150(ディテクターUVD−S254)による測定値である。照射部の基板表面の水接触角は5°以下であった。
次いで、高撥水層形成面に、撥水膜形成材料(B)1gをスキージコート法により塗布したところ、高撥水層が残存している部分は弾かれ、高撥水層が分解除去された部分にのみ撥水膜形成材料(B)が塗布された。この撥水膜形成材料(B)が部分的に塗布されたガラス基板を、50℃、60%RHに設定した恒温恒湿槽内に48時間保持した後、イソプロパノールで余剰の撥水剤を除去して、水接触角88°の低撥水層を形成し、幅2mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例2)
酸化セリウムで研磨洗浄後、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角5°、100mm×100mm×3mm)の表面に、撥水膜形成材料(A)1gをスキージコート法により塗布し、50℃、60%RHに設定した恒温恒湿槽内に48時間保持した後、イソプロパノールで余剰の撥水剤を除去して、水接触角108°の高撥水層を形成した。
この高撥水層の表面に、幅2mm、長さ100mmのスリットが2mm間隔で並んだメタルマスクを重ね、このメタルマスクを介して、高撥水層の表面に、高圧水銀ランプから紫外線を300mW/cmで2.5分間照射して、照射部の高撥水層を部分分解して劣化させ、水接触角60°の低撥水層として、幅2mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例3)
高撥水層の表面に紫外線を照射する時間を3分間として、水接触角40°の低撥水層を形成した以外は例2と同様にして、幅2mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例4)
酸化セリウムで研磨洗浄後、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角5°、100mm×100mm×3mm)の表面全体に、撥水膜形成材料(A)1gをスキージコート法により塗布し、50℃、60%RHに設定した恒温恒湿槽内に48時間保持した後、イソプロパノールで余剰の撥水剤を除去して、水接触角108°の高撥水層を形成した後、この高撥水層の表面に、高圧水銀ランプから紫外線を300mW/cmで2.5分間照射して、高撥水層を部分分解して劣化させ、水接触角60°の高撥水層とした。
この高撥水層の表面に、幅2mm、長さ100mmのスリットが2mm間隔で並んだメタルマスクを重ね、このメタルマスクを介して、高撥水層の表面に、高圧水銀ランプから紫外線を300mW/cmで1分間照射して、照射部の高撥水層を部分分解して劣化させ、水接触角40°の低撥水層として、幅2mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例5)
メタルマスクとして、幅1mm、長さ100mmのスリットが1mm間隔で並んだメタルマスクを用いた以外は例1と同様にして、幅1mmの帯状の高撥水層と幅1mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例6)
メタルマスクとして、幅1mm、長さ100mmのスリットが2mm間隔で並んだメタルマスクを用いた以外は例1と同様にして、幅2mmの帯状の高撥水層と幅1mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例7)
メタルマスクとして、幅2mm、長さ100mmのスリットが1mm間隔で並んだメタルマスクを用いた以外は例1と同様にして、幅1mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例8)
メタルマスクとして、幅2mm、長さ100mmのスリットが3mm間隔で並んだメタルマスクを用いた以外は例1と同様にして、幅3mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例9)
メタルマスクとして、幅3mm、長さ100mmのスリットが2mm間隔で並んだメタルマスクを用いた以外は例1と同様にして、幅2mmの帯状の高撥水層と幅3mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例10)
メタルマスクとして、幅3mm、長さ100mmのスリットが3mm間隔で並んだメタルマスクを用いた以外は例1と同様にして、幅3mmの帯状の高撥水層と幅3mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例11)
メタルマスクとして、幅4mm、長さ100mmのスリットが4mm間隔で並んだメタルマスクを用いた以外は例1と同様にして、幅4mmの帯状の高撥水層と幅4mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例12)
メタルマスクとして、幅5mm、長さ100mmのスリットが5mm間隔で並んでいるメタルマスクを用いた以外は例1と同様にして、幅5mmの帯状の高撥水層と幅5mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例13)
高撥水層の形成材料として、撥水膜形成材料(C)を用いた以外は例1と同様にして、幅2mmの帯状の高撥水層(水接触角115°)と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例14)
酸化セリウムで研磨洗浄後、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角5°、100mm×100mm×3mm)の表面に、撥水膜形成材料(E)を布に沁み込ませ、ワイプ法により塗布した。乾燥後、余剰の撥水膜形成材料(E)を紙ウェスで乾拭きして除去し、水接触角100°の低撥水層を形成した。
この低撥水層の表面に、大気中で、幅2mm、長さ100mmのスリットが2mm間隔で並んだメタルマスクを重ね、このメタルマスクを介して、低撥水層の表面に、高圧水銀ランプから紫外線を300mW/cmで20分間照射して、照射部の低撥水層を分解除去(UV/O洗浄)した。照射部の基板表面の水接触角は5°以下であった。
次いで、低撥水層形成面に、撥水膜形成材料(D−1)及び撥水膜形成材料(D−2)各2gを、この順に、スピンコート法(500rpm×20秒)により塗布し、その後、下記に示す各層毎の条件で乾燥・加熱して、水接触角130°の高撥水層を形成し、幅2mmの帯状の高撥水層と幅2mmの低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
乾燥・加熱条件は、撥水膜形成材料(D−1)は、大気中で約5分乾燥させた後、次の材料を塗布した。撥水膜形成材料(D−2)は、塗布後、1日大気中で放置した後、エタノールで余剰の撥水剤を洗い流した。
(例15)
酸化セリウムで研磨洗浄後、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角5°、100mm×100mm×3mm)の表面に、撥水膜形成材料(F)3mlをスピンコート法(500rpm×5秒+2000rpm×30秒)により塗布し、乾燥後、550℃で60分間焼成した後、大気中に7日間放置することで、水接触角70°の低撥水層を形成した。
この低撥水層の表面に、撥水膜形成材料(A)1gをスキージコート法により塗布し、50℃、60%RHに設定した恒温恒湿槽内に48時間保持した後、イソプロパノールで余剰の撥水剤を除去して、水接触角108°の高撥水層を形成した。
次いで、この高撥水層上に、幅2mm、長さ100mmのスリットが2mm間隔で並んだメタルマスクを重ね、このメタルマスクを介して、高撥水層の表面に、高圧水銀ランプから紫外線を300mW/cmで5分間照射して、照射部の高撥水層を分解除去(UV/O洗浄)した後、5日間大気中に放置して、幅2mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例16)
酸化セリウムで研磨洗浄後、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角5°、100mm×100mm×3mm)の表面全体に、撥水膜形成材料(A)1gをスキージコート法により塗布し、50℃、60%RHに設定した恒温恒湿槽内に48時間保持した後、イソプロパノールで余剰の撥水剤を除去して、表面に水接触角108°の撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例17)
酸化セリウムで研磨洗浄後、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角5°、100mm×100mm×3mm)の表面全体に、撥水膜形成材料(A)1gをスキージコート法により塗布し、50℃、60%RHに設定した恒温恒湿槽内に48時間保持した後、イソプロパノールで余剰の撥水剤を除去して、水接触角108°の撥水層を形成した後、この撥水層の表面全体に、高圧水銀ランプから紫外線を300mW/cmで3分間照射して、撥水層全体を部分分解して劣化させ、表面に水接触角40°の撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例18)
撥水膜形成材料(E)を布に沁み込ませ、ワイプ法により高撥水層形成面に塗布し、乾燥後、余剰の撥水膜形成材料(E)を紙ウェスで乾拭きして除去し、水接触角100°の低撥水層を形成するようにし、紫外線の照射する時間を20分とし、撥水膜形成材料(B)の代わりに撥水膜形成材料(A)を用いた以外は例1と同様にして、幅2mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例19)
高撥水層の表面に紫外線を照射する時間を3.5分間として、水接触角30°の低撥水層を形成した以外は例2と同様にして、幅2mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
(例20)
高撥水層の表面に紫外線を照射する時間を15分間として、水接触角4°の低撥水層を形成した以外は例2と同様にして、幅2mmの帯状の高撥水層と幅2mmの帯状の低撥水層がストライプ状に交互に並んだ撥水膜が形成されたガラスを得た。
<撥水性基体の評価>
上記例1〜20で製造されたガラスについて、下記に示す方法で、表面に形成された撥水膜の水滴滑落性を評価した。
[水滴滑落性]
ガラスを角度30°に傾斜させた状態で、10cm離れた位置からガラス表面(撥水膜形成面)全体に霧吹きにて5回純水を噴霧し、噴霧後のガラス越しに背景を観察し、以下の基準で目視評価を行った。
◎:水滴がほとんど付着しておらず、背景が非常に鮮明に見える
○:背景の一部が水滴により見えづらいが、実用上問題なし
△:背景の一部乃至半分程度が水滴により見えづらく、実用上問題あり
×:背景の半分以上が水滴により見えづらく、背景の観察が事実上できない
これらの評価結果を、撥水膜の構成・物性(パターン形状、パターンサイズ、形成材料、水接触角)とともに表1に示す。
Figure 2013133264
表1から明らかなように、実施例に係る撥水膜はいずれも実用上問題のない視認性が得られるまでの水滴滑落性を備えており、特に、高撥水層と低撥水層のストライプ幅が2〜3mmの範囲であって、かつ低撥水層の水接触角が60°以上である例(例1、2、8〜10、13〜15)では、極めて良好な視認性が得られている。これは、高撥水層と低撥水層のストライプ幅が2〜3mmの範囲であれば、視認性に影響する水滴をほぼ完全に高撥水層から低撥水層に移動し、そして、低撥水層の水接触角が60°以上であれば、そのように移動した水滴が低撥水層上を速やかに滑落するからと考えられる。
本発明の撥水膜は、水滴滑落性に優れるとともに、水膜形成による透視歪の発生も防止されるので、高い視認性が要求される自動車、電車、船舶、航空機等の輸送機器の窓材、ミラー、建築物の窓材、浴室の鏡等の用途に有用である。その他、輸送機器のボディー、建築物の壁材等の撥水処理にも使用することができる。
1…基体、2…撥水膜、3…低撥水層、4…高撥水層、11…第1の撥水性領域(低撥水性領域)、12…第2の撥水性領域(高撥水性領域)。

Claims (14)

  1. 基体と、その少なくとも一方の面に形成された撥水膜とを備え、
    前記撥水膜は、第1の撥水性領域と、この第1の撥水性領域に接する第2の撥水性領域とを含み、前記第1の撥水性領域の水接触角が40°〜110°であり、前記第2の撥水性領域の水接触角が前記第1の撥水性領域の水接触角より20°以上高いことを特徴とする撥水性基体。
  2. 前記第1の撥水性領域と前記第2の撥水性領域は、これらの両領域間に跨って付着した水滴が、前記第1の撥水性領域に移動して少なくとも一方向に流動するようなパターン形状に形成されている請求項1に記載の撥水性基体。
  3. 前記撥水膜に前記第1の撥水性領域と前記第2の撥水性領域を水平に横切る共通の直線を引くことができ、この直線が前記第2の撥水性領域によって切断される線分長が1mm〜5mmである請求項1または2に記載の撥水性基体。
  4. 前記直線が前記第1の撥水性領域によって切断される線分長が1mm〜5mmである請求項3に記載の撥水性基体。
  5. 前記第1の撥水性領域および前記第2の撥水性領域の合計面積が、撥水性基体全体の50%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の撥水性基体。
  6. 前記第2の撥水性領域は、ストライプ状またはドット状のパターン形状を有し、前記第1の撥水性領域が、前記第2の撥水性領域の間隙を埋めるように形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の撥水性基体。
  7. 前記第1の撥水性領域が、帯状の略均一な幅(S)の領域が複数、略均一な間隔をおいて平行に並ぶストライプ状のパターン形状を有し、前記第2の撥水性領域が、前記第1の撥水性領域の間隙を埋めるように形成された帯状の略均一な幅(S)の領域が複数、略均一な間隔をおいて平行に並ぶストライプ状のパターン形状を有する請求項1〜5のいずれかに記載の撥水性基体。
  8. 前記幅(S)が1mm〜5mmであり、かつ前記幅(S)が1mm〜5mmである請求項7に記載の撥水性基体。
  9. 前記第1の撥水性領域と第2の撥水性領域の面積比が、2:1〜1:2である請求項1〜8のいずれかに記載の撥水性基体。
  10. 前記第1の撥水性領域は、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエーテルアルキル基を有する化合物、ハフニウムを含む酸化物、ジルコニウムを含む酸化物、及びアルミニウムを含む酸化物から選ばれる少なくとも1種を含む層からなり、前記第2の撥水性領域は、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエーテルアルキル基を有する化合物を含む層からなる請求項1〜9のいずれかに記載の撥水性基体。
  11. 請求項1に記載の撥水性基体を製造する方法であって、
    (1)前記基体の少なくとも一方の面の所要部全体に第2の撥水性領域形成用有機材料を塗布し硬化させて硬化膜を形成する工程と、
    (2)大気中で、前記硬化膜上に、前記第1の撥水性領域のパターン形状に対応する開口部を有するマスク板を重ね、このマスク板を介して、前記硬化膜表面に紫外線を照射して、照射部の硬化膜をオゾン(O)により分解除去する工程と、
    (3)前記硬化膜の一部が分解除去された基体の表面の所要部全体に、第1の撥水性領域形成用有機材料を塗布し硬化させる工程と
    を順に含むことを特徴とする撥水性基体の製造方法。
  12. 請求項1に記載の撥水性基体を製造する方法であって、
    (1)前記基体の少なくとも一方の面の所要部全体に第2の撥水性領域形成用有機材料を塗布し硬化させて硬化膜を形成する工程と、
    (2)大気中で、前記硬化膜上に、前記第1の撥水性領域のパターン形状に対応する開口部を有するマスク板を重ね、このマスク板を介して、前記硬化膜表面に紫外線を照射して、照射部の硬化膜をオゾン(O)により部分分解させる工程と
    を含むことを特徴とする撥水性基体の製造方法。
  13. 請求項1に記載の撥水性基体を製造する方法であって、
    (1)前記基体の少なくとも一方の面の所要部全体に、無機酸化物ゾルを塗布し乾燥してゲル化させた後、硬化させて無機硬化膜を形成する工程と、
    (2)前記無機硬化膜の表面全体に、前記第1または第2の撥水性領域形成用有機材料を塗布し硬化させて有機硬化膜を形成する工程と、
    (3)大気中で、前記有機硬化膜上に、前記第1または第2の撥水性領域のパターンに対応する形状の開口部を有するマスク板を重ね、このマスク板を介して、前記有機硬化膜の表面に紫外線を照射して、照射部の硬化膜をオゾン(O)により分解除去する工程と
    を含むことを特徴とする撥水性基体の製造方法。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の撥水性基体を窓材として用いたことを特徴とする輸送機器。
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