JPH0913018A - 撥水被膜用組成物および撥水ガラス - Google Patents

撥水被膜用組成物および撥水ガラス

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JPH0913018A
JPH0913018A JP16730595A JP16730595A JPH0913018A JP H0913018 A JPH0913018 A JP H0913018A JP 16730595 A JP16730595 A JP 16730595A JP 16730595 A JP16730595 A JP 16730595A JP H0913018 A JPH0913018 A JP H0913018A
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JP
Japan
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water
repellent coating
fine particles
composition
metal compound
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Application number
JP16730595A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Yamamoto
博章 山本
Takashi Nozu
敬 野津
Kazuishi Mitani
一石 三谷
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた摩耗耐久性の撥水被膜用組成物を得
る。 【構成】 少なくとも1つの加水分解性基が金属原子に
結合している金属化合物、少なくとも2つの加水分解性
基が金属原子に結合している金属化合物の加水分解性基
の一部がフルオロアルキル基で置換されたフッ素含有金
属化合物、および微粒子を含有する撥水被膜用組成物で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用ガラス、建築用
ガラスなどの表面に形成される撥水被膜用の組成物およ
びそれを用いた撥水ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリジメチルシロキサンやフルオロアル
キル基を含有した溶液をガラスの表面に塗布し、これを
乾燥した後に焼成することにより、付着した水滴の接触
角を大きくする撥水被膜とすることが従来から行われて
おり、かかる撥水被膜に関する先行技術として、特開平
4−338137号公報および特開平5−24886号
公報に開示されるものが知られている。
【0003】特開平4−338137号公報にはシリコ
ーン系撥水被膜に代わるものとして、SiO2 を主成分
とするセラミックスの非金属原子の一部をフルオロアル
キル基で置換したものが開示され、特開平5−2488
6号公報にはガラス表面にSiO2膜を形成し、このS
iO2膜の表面を処理してその表面に凹凸を形成し、そ
の上に撥水被膜を形成することが開示され、凹凸形状を
有する基板上に撥水被膜を形成して撥水被膜の表面を凹
凸形状にしたものは、撥水性能の耐久性においても有利
であることが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法で撥水被
膜を形成するには、少なくとも基板上に凹凸層を形成さ
せる工程と、撥水被膜を形成する工程が必要である。こ
のため凹凸層と撥水被膜との界面での接着強度、結合強
度が不十分となる場合が多い。また2回の塗布工程が製
造コストを高くしていた。
【0005】本発明は,製造工程が簡単で、かつ撥水性
能の低下を最小限に抑えた撥水被膜用組成物を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、(1)少なくとも1つの加水分解性基が
金属原子に結合している金属化合物、(2)少なくとも
2つの加水分解性基が金属原子に結合している金属化合
物の加水分解性基の一部がフルオロアルキル基で置換さ
れたフッ素含有金属化合物、および(3)微粒子を含有
する撥水被膜用組成物である。
【0007】本発明の第1成分である少なくとも1つの
加水分解性基が金属原子に結合している金属化合物とし
ては、加水分解性基、すなわちアルコキシ基、カルボン
酸基、塩素、またはヒドロキシ基を有する、珪素、アル
ミニウム、ジルコニウム、またはチタニウムのいずれか
の金属の化合物を挙げることができ、例としてはテトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシランのようなシリ
コンアルコキシド;テトラクロロシラン、メチルトリク
ロロシランのようなシリコンクロライド;チタンテトラ
イソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシドのよう
なチタンアルコキシド;チタンアセチルアセトネートの
ようなチタンのキレート化合物;ジルコニウムn−ブト
キシド、ジルコニウムテトライソプロポキシドのような
ジルコニウムアルコキシド;ジルコニウムアセチルアセ
トネート、ジルコニウムテトラオクチレートのようなジ
ルコニウムのキレート化合物;アルミニウムトリイソブ
トキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド等を挙げ
ることができる。
【0008】後述するように、これらの化合物を加水分
解させるために水、酸性または塩基性触媒を添加する
が、既に加水分解された市販のガラスコーティング液、
例えばテトラエトキシシランの5量体(コルコート製エ
チルシリケート40)、HAS−40、日板研究所製セ
ラミカG−02−6などを用いてもよい。
【0009】上記第1成分は最終的には膜の主成分であ
る金属酸化物を形成する。膜を被覆される基材として
は、珪酸塩ガラスの基板が使用されることが多く、この
場合には、第1成分として珪素化合物を用いて、SiO
2 を主成分とする膜、例えばモル比でSiO2 を50%
以上含む膜を形成させることが好ましい。第1成分とし
てアルミニウム、ジルコニウム、またはチタニウムを含
有する金属化合物を用いるときは、それぞれAl23
ZrO2、またはTiO2の金属酸化物の膜を形成する
が、これらの金属酸化物はSiO2 より屈折率が高いの
で、珪素化合物と適量混合して用いることにより膜の屈
折率をガラス基板のそれとほぼ一致するように調整し
て、光学干渉をなくして好ましくない反射色を抑えるこ
とができ、かつ基板ガラスとの接着性を維持することが
できる。また逆に Al23、ZrO2、またはTiO2
の金属酸化物と珪素化合物と適量混合して用いることに
より膜の屈折率をガラス基板のそれより高くなるように
調整して、光学干渉を高め、所望の反射色を付与するこ
ともできる。また第1成分にジルコニウム、またはチタ
ニウムを含有させることにより、撥水被膜の耐腐食性を
更に向上させることができる。
【0010】本発明における第2成分である、少なくと
も2つの加水分解性基が金属原子に結合している金属化
合物の加水分解性基の一部がフルオロアルキル基で置換
されたフッ素含有金属化合物としては、少なくとも2つ
の加水分解性基、例えばアルコキシ基、カルボン酸基、
塩素、またはヒドロキシ基を有する、珪素、アルミニウ
ム、ジルコニウム、またはチタニウムのいずれかの金属
の化合物であって、かつその加水分解性基のうちの1つ
がフルオロアルキル基で置換されたものである。
【0011】第2成分の金属化合物として例えば、フル
オロアルキルシラン化合物、フルオロアルキルアルミニ
ウム化合物、フルオロアルキルジルコニウム化合物、フ
ルオロアルキルチタニウム化合物が挙げられる。これら
の中でフルオロアルキルシラン化合物が好ましく、これ
はシリコン原子を中心とし、1個のフルオロアルキル
基、0〜2個のアルキル基、及び少なくとも1個の加水
分解性基を有するものであり、具体的には下記化学式
(1)で示されるフルオロアルキルシラン化合物が好ま
しい。
【0012】 RfSi(CH3p(Z)3-p (1) ただし、Rf:炭素数が3〜20のフルオロアルキル基 Z:−OCH3,−OC25,−OCOCH3,−OCO
25,−Cl,または−OH p:0,1または2
【0013】上記化学式(1)で示されるフルオロアル
キルシラン化合物において、Rf で示される炭素数が3
〜20のフルオロアルキル基により撥水性能を得ること
ができる。この化合物としては、Rfが一般式CF3(C
2n(CH22− (n;0から17までの整数であ
り、さらに好ましくはnが4〜9)で示されるパーフル
オロ基を有する化合物が、撥水性能およびその耐久性能
が特に良好であるので好ましい。
【0014】上記化学式(1)で示されるフルオロアル
キルシラン化合物としては、例えばヘプタデカフルオロ
デシルトリクロロシラン CF3(CF27(CH22
iCl3、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラ
ン CF3(CF27(CH22Si(OCH33、ヘプ
タデカフルオロデシルメチルジクロロシラン、CF
3(CF27(CH22SiCH3Cl2、ヘプタデカフ
ルオロデシルメチルジメトキシシラン、CF3(CF2
7(CH22SiCH3(OCH32などが挙げられ、そ
の中で、特にCF3(CF27(CH22SiCl3
CF3(CF27(CH22Si(OCH33が加水分
解性基が3個あり強固な結合をつくり、またメトキシ基
は取扱い易いので好ましい。
【0015】本発明において、第2成分中の金属の種類
は第1成分のそれと必ずしも一致させる必要はないが、
反応速度が極端に異なることがないため均一な溶液を得
やすく、またシリケートガラス基板に成膜する場合は結
合を作りやすいので、第1成分、第2成分ともに珪素化
合物が使われることが多い。第1成分と第2成分との割
合は、第1成分と第2成分中の金属原子の合計モル数に
対して第2成分中の金属原子のモル数が0.1〜10%
になるように配合することが好ましい。これにより撥水
被膜の撥水性と硬度を両立させることができる。フルオ
ロアルキル基のモル数が0.1%未満では撥水性能が示
されず、逆に10%を越えると膜の硬度が低下する。
【0016】本発明における第3成分である、撥水被膜
用組成物中に含有させる微粒子としては、例えばコロイ
ダルシリカ微粒子、シリケートガラス微粒子、チタニア
微粒子、ジルコニア微粒子、セリア微粒子、アルミナ微
粒子のような金属酸化物微粒子および、これらの2種以
上の成分からなる複合金属酸化物微粒子などの無機微粒
子、およびフッ素樹脂、アクリル樹脂のような樹脂微粒
子を挙げることができる。これらの中で本発明の第1成
分と親和性に優れ撥水被膜用組成物中によく分散するこ
とができる点で無機微粒子、特に金属酸化物微粒子が好
ましく、その中でも、特にコロイダルシリカが表面にS
iOH基を多く有し、好適である。またチタニア微粒子
やセリア微粒子などのように紫外線吸収能を有する微粒
子を用いたりすることで、他の副次的機能を付加するこ
ともできる。
【0017】微粒子の大きさは、直径10nm〜100
00nmが好ましく、さらに好ましくは直径30nm〜
100nmである。直径が10nm未満では被膜表面の
凹凸の効果、すなわち水に対する接触角の増加および被
膜の耐摩耗性の向上がなく、直径が10000nmを越
えると凹凸が大きすぎて、透明性が損なわれるので好ま
しくない。撥水被膜用組成物に含有される微粒子の好ま
しい濃度は、被膜の塗布厚みにも依存するが、あまり低
すぎると最終膜に微粒子がまばらに配置されるため凹凸
がすくなくなり、また逆に濃度があまり高すぎると、微
粒子が膜内で幾重にも積み重なって、膜全体の硬度が低
下する不都合を生じるので、1〜20重量%が好まし
く、さらに好ましくは3〜8重量%である。
【0018】また本発明の撥水被膜用組成物において、
微粒子として金属酸化物微粒子を用いた場合、第1成分
と第2成分の合計との割合は、金属原子のモル比で表し
て、微粒子100に対し、第1成分と第2成分の合計が
20〜200であることが好ましく、50〜150が更
に好適である。この範囲では乾燥後の被膜表面に微粒子
の上部の凹凸が維持され、かつ微粒子が第1成分と第2
成分から形成される金属酸化物を主成分とする膜に強固
に固定される。もし第1成分と第2成分の合計がこの範
囲よりも小さい場合には、微粒子の膜への固定が弱くな
り、逆にこの範囲よりも大きい場合には、微粒子が膜の
中に沈み込んでしまって、膜表面には所望の凹凸が形成
され難くなる。
【0019】本発明の撥水被膜用組成物において、上記
第1成分および第2成分の加水分解を生じさせるための
水、加水分解のための酸性または塩基性触媒、およびア
ルコール類に代表される溶媒を含有する。
【0020】本発明の撥水被膜用組成物の配合の好まし
い例は次の通りである。 前記金属化合物 100重量部 前記フッ素含有金属化合物 0.5〜14重量部 微粒子 10〜200重量部 水 4〜100重量部 酸または塩基性触媒 10-5〜10重量部 溶媒 500〜5000重量部
【0021】本発明の撥水被膜用組成物に、例えば、界
面活性剤、pH安定剤、レベリング剤や、色素、紫外線
吸収剤などの添加剤を加えてもよい。
【0022】本発明の撥水被膜用組成物は通常0.2〜
5重量%、好ましくは0.5〜1重量%の固形分濃度で
撥水性を付与すべき基材、例えば珪酸塩ガラスの透明板
の表面に、ディップコート法、フローコート法、はけ塗
り、ロールコート法、スピンコート法等公知の方法によ
り塗布する。
【0023】本発明の撥水被膜用組成物が適用される基
材は、ソーダ石灰珪酸塩ガラスで代表される珪酸塩ガラ
ス、ほう珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラ
ス、燐酸塩ガラス等の金属酸化物ガラスのような透明ま
たは不透明な無機ガラス、有機ガラス、金属、プラスチ
ックスなどの、板状、棒状、その他の形状の透明物品ま
たは不透明物品であり、好ましくは建築、自動車、車
両、航空機あるいは船舶などの風防ガラス、光学部品レ
ンズのような透視性が必要とされるガラス製品等の透明
物品である。
【0024】基材によっては撥水被膜用組成物をはじく
などして基材表面に均一に塗布できない場合、基材表面
の洗浄や表面改質を行うことで改善される。洗浄方法と
してはアルコール、アセトン等の溶剤による脱脂洗浄、
アルカリや酸溶液による洗浄、研磨剤により表面を研磨
する方法、表面改質としてはプラズマ処理、UVオゾン
処理などが挙げられる。
【0025】上記の塗布膜を形成した基材を空気雰囲気
中で常温〜120℃で10分間〜2時間保持して水、及
び溶媒を蒸発させ、更に150〜350℃で、20分〜
3時間保持することにより、上記第1成分および第2成
分が加水分解・縮重合して、第2成分であるフッ素含有
金属化合物から由来する成分が表面に高い密度で分布し
ている撥水被膜が形成される。撥水被膜の厚みは5nm
〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは30nm
〜100nmである。この撥水被膜はフルオロアルキル
基を含有する金属酸化物の層の中に微粒子が埋め込ま
れ、微粒子が金属酸化物の層から突出しており、この突
出部分が凹凸を形成しており、かつその凹凸の表面には
フルオロアルキル基が高い濃度で含有される金属酸化物
の膜が覆われている。
【0026】
【発明の効果】本発明の撥水被膜用組成物を用いること
により、1回の塗布工程により、高耐久性能を有する撥
水被膜を得ることができる。
【0027】
【実施例】
<以下に示す化合物の記号の説明> TEOS;テトラエトキシシラン Si(OC254 FAS;ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン CF3(CF27(CH22Si(OCH33 以下、この発明の実施例を挙げて説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
【0028】<実施例1>本発明に係る撥水被膜の形成
方法は塗布溶液の調製工程、塗布工程及び焼成工程に大
別される。以下に工程毎に説明する。
【0029】(調製工程) まず撥水被膜用組成物の調製方法を示す。(表1) 以下の(a)〜(c)を混合し、20分間攪拌する。 (a)TEOS 52.10g (b)FAS 1.42g (c)イソプロパノール 383.00g 上記の(a)〜(c)に対し、以下の(d),(e)を
加え、2時間攪拌する。 (d)水 10.58g (e)1N塩酸水溶液 2.70g
【0030】上記の溶液を密封容器にいれ、50℃で3
時間攪拌したのち、さらに20℃で15時間攪拌する。
その後、以下の(f),(g)を加え、さらに20℃で
5時間攪拌した。 (f)コロイダルシリカ(SiO2微粒子。日産化学工業製「スノーテックスO L」、粒子直径50nm、固形分20重量%) 73.70g (g)イソプロパノール 449.80g
【0031】以上の方法で撥水被膜用組成物を得た。こ
の組成物中で、酸化珪素微粒子と、第1成分(a)と第
2成分(b)中の珪素の合計との割合は、珪素原子のモ
ル比で表して、微粒子100に対し、第1成分と第2成
分の合計が約60であった。また第1成分(a)100
モルに対して第2成分(b)は約1モルであった。
【0032】(塗布工程)70×150×3.4mmのフ
ロートガラス板(ソーダ石灰珪酸塩ガラス)を、脱脂洗
浄し乾燥させ、洗浄済みガラスを得た。上記で得られた
撥水被膜用組成物中に上記洗浄済みガラスを浸漬し、引
き上げ速度100mm/分で引き上げるディップ法によ
りウェット塗膜を作製した。
【0033】(焼成工程)上記のウェット塗膜を形成し
たガラス板を空気雰囲気中で120℃、20分間保持し
て水、及びエタノールを蒸発させ、更に250℃に昇温
し、1時間保持することにより厚みが約85nmの撥水
被膜を形成した。これらの工程によって形成された撥水
被膜の水の接触角と摩耗耐久性試験後の変化を評価し
た。その結果を表2に示す。摩耗耐久性試験は、長さ5
cmに切断した自動車用ワイパーブレードに100gの
荷重をかけ、1分間に20ccの割合で水滴を垂らしな
がら、撥水被膜表面を30000回往復摩耗した。表2
に示すように、摩耗試験後の水の接触角は93.0度と
いう高い値を示し、高耐摩耗性を有することがわかる。
【0034】<実施例2>実施例1と同様の方法で、表
2に示す調合組成で撥水被膜を作製した。この撥水被膜
の摩耗試験後の接触角は表2に示すように95.0度と
良好な結果であった。
【0035】<比較例1>実施例1においてスノーテッ
クスOLを用いなかった以外は実施例1と同様の方法
で、凹凸のない撥水被膜を作製した。この撥水被膜の摩
耗試験後の接触角は表2に示すように60.5度まで劣
化した。
【0036】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 化合物 実施例1 実施例2 比較例1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− TEOS 52.10g 31.26g 52.10g FAS 1.42g 0.85g 1.42g イソプロパノール 383.00g 383.00g 383.00g 水 10.58g 6.35g 10.58g 1N塩酸 2.70g 1.62g 2.70g −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− スノーテックスOL 73.70g 69.40g − イソプロパノール 449.80g 423.10g 523.50g −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0037】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 実施例2 比較例1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水の接触角 117.4度 120.1度 102.0度 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 摩耗試験後 の接触角 93.0度 95.0度 60.5度 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0038】<実施例3>以下に実施例1で使用したコ
ロイダルシリカ(SiO2 微粒子)の代わりにZrO2
微粒子を使用した例を示す。
【0039】(調製工程) まず撥水被膜用組成物の調製方法を示す。(表3) 以下の(a)〜(c)を混合し、20分間攪拌する。 (a)TEOS 52.10g (b)FAS 1.42g (c)イソプロパノール 383.00g 上記の(a)〜(c)に対し、以下の(d),(e)を
加え、2時間攪拌する。 (d)水 10.58g (e)1N塩酸水溶液 2.70g
【0040】上記の溶液を密封容器にいれ、50℃で3
時間攪拌したのち、さらに20℃で15時間攪拌する。
その後、以下の(f),(g)を加え、さらに20℃で
5時間攪拌した。 (f)ジルコニアゾル(日産化学工業製「NZS−30A」、粒子直径70nm 固形分30重量%) 49.10g (g)イソプロパノール 477.36g 以上の方法で撥水被膜用組成物を得た。
【0041】(塗布工程)70×150×3.4mmの
フロート板ガラスを、脱脂洗浄し乾燥させ、洗浄済みガ
ラスを得た。上記で得られた撥水被膜用組成物中に洗浄
したガラスを浸漬し、引き上げ速度100mm/min
でのディップ法によりウェット塗膜を作製した。
【0042】(焼成工程)上記のウェット塗膜を形成し
たガラス板を空気雰囲気中で120℃、20分間保持し
て水、及びエタノールを蒸発させ、更に250℃に昇温
し、1時間保持することにより約90nmの撥水被膜を
形成した。
【0043】これらの工程によって形成された撥水被膜
の水の接触角と摩耗耐久性試験後の変化を評価した。そ
の結果を表4に示す。実施例1と同様の方法で摩耗耐久
性試験を行った結果、水の接触角は95度という値を示
し、高耐摩耗性を有することがわかる。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】<実施例4>以下に膜の主成分として実施
例1で使用したTEOSの代わりに、TEOSとジルコ
ニウムテトラブトキシド(Zr(OC494)を用い
た例を示す。
【0047】(調製工程)まず撥水被膜用組成物の調製
方法を示す。以下の(a)〜(c)を混合し、10分間
攪拌する。 (a)TEOS 52.10g (b)FAS 3.55g (c)エタノール 57.62g 上記の(a)〜(c)に対し、以下の(d)を加え、4
0分間攪拌する。 (d)10重量%希塩酸 9.00g
【0048】上記の溶液を密封容器にいれ、20℃で4
0分間攪拌したのち、別途、調合した以下の(e),
(f)を混合し、5分間攪拌した液を加え、さらに20
℃で10分間攪拌した。 (e)ジルコニウムテトラブトキシド 24.00g (f)エタノール 57.60g さらに(g),(h)を、30分間攪拌した。 (g)水 9.00g (h)エタノール 210.00g
【0049】以上の方法で得られた溶液に、 (i)スノーテックスOL 148.00g (j)イソプロパノール 1386.30g を添加し2時間攪拌して、撥水被膜用組成物を得た。
【0050】(塗布工程)70×150×3.4mmの
フロート板ガラスを、脱脂洗浄し乾燥させ、洗浄済みガ
ラスを得た。上記で得られた撥水被膜用組成物中に洗浄
したガラスを浸漬し、引き上げ速度100mm/min
でのディップ法によりウェット塗膜を作製した。
【0051】(焼成工程)上記のウェット塗膜を形成し
たガラス板を空気雰囲気中で120℃、20分間保持し
て水、及びエタノールを蒸発させ、更に250℃に昇温
し、1時間保持することにより約30nmの撥水被膜を
形成した。
【0052】これらの工程によって形成された撥水被膜
の水の接触角は121度を示し、同様の摩耗耐久性試験
後の水の接触角は98度を示した。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの加水分解性基が金属原
    子に結合している金属化合物、少なくとも2つの加水分
    解性基が金属原子に結合している金属化合物の加水分解
    性基の一部がフルオロアルキル基で置換されたフッ素含
    有金属化合物、および微粒子を含有する撥水被膜用組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撥水被膜用組成物にお
    いて、前記微粒子は金属酸化物微粒子であり、金属原子
    のモル比で表して、金属酸化物微粒子100に対し、前
    記金属化合物と前記フッ素含有金属化合物の合計が20
    〜200である撥水被膜用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の撥水被膜用組成物にお
    いて、金属原子のモル比で表して、前記金属化合物10
    0に対し、前記フッ素含有金属化合物が0.1〜10で
    ある撥水被膜用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の撥水被膜用組成物が、
    前記金属化合物を基準として、 前記金属化合物 100重量部 前記フッ素含有金属化合物 0.5〜14重量部 微粒子 10〜200重量部 水 4〜100重量部 酸または塩基性触媒 10-5〜10重量部 溶媒 500〜5000重量部 からなる撥水被膜用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の撥水被膜用組成物にお
    いて、前記微粒子がシリカ、チタニア、ジルコニア、お
    よびアルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種の
    物質を主成分とする微粒子である撥水被膜用組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の撥水被膜用組成物にお
    いて、前記微粒子がシリカを50重量%以上含有する撥
    水被膜用組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の撥水被膜用組成物にお
    いて、前記金属化合物中にシリコンアルコキシドがモル
    比で50%以上含まれる撥水被膜用組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1から7いずれかに記載の撥水被
    膜用組成物をガラス基板に塗布し、焼成して得られた撥
    水ガラス。
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