JPWO2006011605A1 - 防曇性物品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、防曇性物品の耐摩耗性および防曇持続性を改善する。本発明の防曇性物品は、物品と、その表面に形成された多孔質膜と、その上に形成された親水性被膜と、を含む。多孔質膜は、無機微粒子と、無機微粒子の表面の少なくとも一部を覆い、かつ無機微粒子の間に介在するバインダーと、を含み、バインダーは、金属酸化物を主成分とし、アルコキシル基以外の親水性の有機基を含む。親水性被膜は、親水性有機ポリマーを含む。

Description

本発明は、防曇性物品およびその製造方法に関する。
例えば、バスルームに設置される鏡や自動車用窓ガラスに代表される車両用窓ガラスには、実用面から防曇性が求められている。よく知られているように、ガラスの表面に界面活性剤を塗布すれば、その表面は防曇性を示すが、この防曇性は長時間持続しない。
表面に微細凹凸を有する膜を形成することにより、ガラス表面の防曇性は向上しうる。例えば、特開昭61−091042号公報には、表面に凹凸を有する無機酸化物薄膜を形成した防曇ガラスが開示されている。
裏面にヒータを配置した防曇鏡は実用に供されている。特開平7−164971号公報には、ヒータを用いた防曇鏡の改善が提案されている。この防曇鏡は、裏面にヒータが配置され、表面には微細凹凸を有する下地層と吸水性高分子層とがこの順に形成されている。しかし、ヒータの配置には種々の制約が伴うため、ヒータがなくても十分な防曇性を付与できる膜について、検討が進められている。
特開平11−100234号公報に開示された防曇物品は、4〜300nmの粒径を有する金属酸化物微粒子を含有し、金属酸化物をマトリックスとする、表面に凹凸を有する膜により被覆されている。この膜は、金属酸化物微粒子が分散し、金属アルコキシドが溶解した溶液を用いる、いわゆるゾルゲル法により成膜される。
特開平11−100234号公報には、表面に凹凸を有する膜の上に、界面活性剤を塗布することも提案されている。表面に凹凸を有する膜の上には、まず、必要に応じて、ポリアルキレンオキシド基、アルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオルガノシランまたはその加水分解物の層が形成される。上記官能基は、反応性が低く極性も低い。このため、上記層を形成すると、汚れが表面に固定されにくくなる。そして、上記凹凸を有する膜、または上記層の上に、界面活性剤が塗布される。
特開2003−73146号公報には、表面に水酸基を有する金属酸化物微粒子およびノニオン系界面活性剤が添加されてなる膜によって被覆された親水性鏡が開示されている。
特開平11−100234号公報が開示する技術は、優れた防曇性を比較的長期にわたって持続させることを可能とする。しかし、界面活性剤を塗布して形成された親水性被膜の耐摩耗性は、更なる改善が必要な程度に止まっていた。また、界面活性剤が摩耗によって除去された結果として金属酸化物微粒子の膜が露出すると、この膜の吸湿性が十分ではないために、防曇性が大幅に低下するという問題を抱えていた。
特開2003−73146号公報においても、界面活性剤は摩耗によって除去されやすく、残存した膜だけでは防曇性が満足に発現できなくなる。
そこで、本発明は、物品と、前記物品の表面に形成された多孔質膜と、前記多孔質膜上に形成された親水性被膜と、を含み、前記多孔質膜が、無機微粒子と、前記無機微粒子の表面の少なくとも一部を覆い、かつ前記無機微粒子の間に介在するバインダーと、を含み、前記バインダーが、金属酸化物を主成分とし、アルコキシル基以外の親水性の有機基を含み、前記親水性被膜が親水性有機ポリマーを含む、防曇性物品を提供する。
また、本発明は、物品と、前記物品の表面に形成された多孔質膜と、前記多孔質膜上に形成された親水性被膜と、を含む防曇性物品の製造方法であって、1)無機微粒子、2)アルコキシル基以外の親水性の有機基を有するシランカップリング剤または前記シランカップリング剤の加水分解物、3)アルコキシル基を有する、加水分解および縮重合可能な有機金属化合物または前記有機金属化合物の加水分解物、ならびに4)溶媒、を含む第1コーティング液を前記物品の表面に塗布し、前記物品の表面を乾燥させることにより、前記多孔質膜を形成し、親水性有機ポリマーを含む第2コーティング液を前記多孔質膜上に塗布することにより、前記親水性被膜を形成する、防曇性物品の製造方法を提供する。
本発明では、多孔質膜を形成するに際し、無機微粒子のバインダーに、アルコキシル基以外の親水性の有機基を導入することとした。これにより、多孔質膜の上に形成する親水性被膜の耐摩耗性を向上させ、優れた防曇性を長期にわたって維持することが可能となる。
図1は、本発明による防曇性物品の一形態の断面を示す図である。 図2は、実施例1による多孔質膜付きガラス板の走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察結果を示す図である。 図3は、実施例1による多孔質膜付きガラス板のSEMによる表面観察結果を示す図である。 図4は、実施例1による防曇性物品のSEMによる断面観察結果を示す図である。 図5は、実施例1による防曇性物品のSEMによる表面観察結果を示す図である。 図6は、実施例4による多孔質膜付きガラス板のSEMによる断面観察結果を示す図である。 図7は、実施例4による多孔質膜付きガラス板のSEMによる表面観察結果を示す図である。
アルコキシル基以外の親水性の有機基としては、アミノ基、エポキシ基、ウレイド基およびポリアルキレンオキシド基から選ばれる少なくとも1種が好適である。これらの官能基は親水性が高く、防曇性能の向上への寄与が大きい。また、これらの官能基は、アルコキシル基の加水分解の間にも安定して存在することができる。親水性被膜の成膜に、カルボキシル基または酸無水物構造単位を有する親水性有機ポリマーを用いる場合には、カルボキシル基との反応性が高い、アミノ基、エポキシ基およびウレイド基から選ばれる少なくとも1種を用いるとよい。ここで、酸無水物は、より詳しくはカルボン酸無水物であり、酸無水物構造単位は、−OC−O−CO−により示すことができる。
親水性が高い有機基として、その末端に−NH構造を有する官能基を用いてもよい。カルボキシル基または酸無水物構造単位を有する親水性有機ポリマーとともに、末端に−NH構造を有する官能基を用いると、この官能基の一部が膜の界面でカルボキシル基等と反応することにより、親水性被膜の耐擦傷性が向上する。
本発明の防曇性物品では、上記に例示したような有機基を多孔質膜のバインダーに導入し、多孔質膜の親水性を向上させることとした。多孔質膜の親水化は、この膜の上に形成する親水性被膜が摩耗等によって消失した後における、防曇性の維持に貢献する。また、多孔質膜の親水化は、多孔質膜と親水性被膜との親和性の向上を介し、親水性被膜の耐摩耗性の改善にも寄与しうる。
多孔質膜に含まれる無機微粒子は、それ自体が有する硬度により、多孔質膜を面に垂直の圧縮力に対して強い膜とする。無機微粒子の間の間隙には、防曇性被膜の一部が入り込む。こうして、多孔質膜と防曇性被膜との接合面積が拡大し、しかも接合面の形状が複雑化するために、密着度が向上する。この構造は、実用上重要な、表面に沿った摩擦による摩耗に対する親水性被膜の耐久性を大きく改善する。
無機微粒子は、アルミナ等の酸化物の微粒子であってもよいが、シリカ微粒子とするとよい。無機微粒子の粒径は、20nm以上300nm以下、特に20nm以上100nm以下が好ましい。粒径が20nm未満になると、膜中に間隙が十分に形成されない。他方、粒径が300nmを超えると、膜の透明性が低下する。鏡に代表される防曇性物品の主要用途では、膜の透明性は重要な特性の一つである。
多孔質膜のバインダーは、無機微粒子を固定する機能を有し、金属酸化物を主成分とする。本明細書において、主成分とは、慣用のとおり、50質量%以上を占める成分を指す。バインダーには、原料および製法に由来して、有機物や水酸化物が残存していてもよい。
バインダーの主成分である金属酸化物は、シリコン酸化物とするとよい。主成分をシリコン酸化物とする場合、多孔質膜を形成するための第1コーティング液に添加するべき有機金属化合物は、シリコンアルコキシドに代表されるシリコン化合物である。シリコン化合物は、シリコンテトラアルコキシドのアルコキシル基の少なくとも1つをクロロ基で置換した化合物であってもよい。
多孔質膜の厚みは、特に限定されないが、20nm以上300nm以下とするとよい。
多孔質膜および親水性被膜を形成する物品は、特に制限されず、ガラス、樹脂、セラミック等を用いればよい。
多孔質膜は、いわゆるゾルゲル法により成膜するとよい。多孔質膜は、具体的には、1)無機微粒子、2)アルコキシル基以外の親水性の有機基を有するシランカップリング剤またはその加水分解物、3)アルコキシル基を有する、加水分解および縮重合可能な有機金属化合物またはその加水分解物、ならびに4)溶媒、を含む第1コーティング液を物品の表面に塗布し、この物品の表面を乾燥させることにより、形成することができる。
1)の無機微粒子としては、上記のとおり、シリカ微粒子が適しており、具体的にはコロイダルシリカを用いるとよい。コロイダルシリカは、粒子径がよく揃っており、表面にシラノール基を有するため、シランカップリング剤等の加水分解物との反応性が高い。
2)のシランカップリング剤としては、上記に例示した官能基を含む有機基をRとして、RSi(OR)で示される化合物が好ましい。ここで、Rは、炭素数が1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基であり、アルコキシル基の少なくとも一部は塩素原子で置換されていてもよい。
3)の有機金属化合物は、例えば金属アルコキシド、特にシリコンテトラアルコキシド(Si(OR))が好ましい。ここでも、Rは、炭素数が1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基である。アルコキシル基の少なくとも一部は塩素原子で置換されていてもよい。
4)の溶媒は、例えば炭素数が1〜5のアルコールである。
第1コーティング液は、水および加水分解触媒をさらに含んでいてもよい。加水分解触媒としては、従来から公知の酸または塩基を用いるとよい。
第1コーティング液は、3)の有機金属化合物の加水分解物が脱水して生成した金属酸化物の質量M1に対する、2)のシランカップリング剤の加水分解物が脱水して生成した有機基含有シリコン酸化物の質量M2の比(M2/M1)が0.01〜5.0、好ましくは0.01〜0.2となるように調製するとよい。2)のシランカップリング剤がRSi(OR)で示される場合、上記有機基含有シリコン酸化物は、RSiO3/2により示されることになる。
第1コーティング液の塗布工程に引き続き、溶媒その他余剰の成分を除去するために、物品の表面の乾燥工程が行われる。乾燥工程では、室温で放置する自然乾燥を行ってもよいが、物品を加熱してもよい。この加熱は、物品の耐熱性を考慮した温度で行うとよく、例えば200℃以下の範囲が好ましい。
親水性有機ポリマーは、特に限定されないが、本発明では、カルボキシル基または酸無水物構造単位を有するものを用いることが好ましい。高い親水性に基づいて優れた防曇性を得ることができるからである。カルボキシル基は、極性が高く、高い親水性を有する。また、酸無水物は、カルボキシル基の密度が高いため、多くの親水性の官能基を膜中に導入するのに適している。
親水性有機ポリマーは、下記化学式により示される構造単位、またはこの構造単位が加水分解して生成した構造単位を含むことが特に好ましい。
親水性有機ポリマーは、酸無水物とビニル基含有化合物との共重合体であってもよい。この共重合体のように、親水性有機ポリマーが、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤のいずれでもない場合には、親水性被膜を形成するための第2コーティング液が、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。防曇性能がさらに向上するためである。この場合、親水性被膜は、アニオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤をさらに含むことになる。アニオン性界面活性剤としては、スルホコハク酸ジアルキルナトリウムが適している。
親水性有機ポリマーを含む親水性被膜は、第2コーティング液を多孔質膜上に塗布することにより形成できる。第2コーティング液は、架橋剤をさらに含んでいてもよく、架橋剤はエポキシ基を有していてもよい。
第2コーティング液の塗布工程の後にも、余剰の液体成分を除去するために、物品の表面の乾燥工程を行うとよい。親水性被膜を形成した後には、物品を50℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃に加熱してもよい。加熱すると、カルボキシル基同士の脱水縮合反応が進行する。この反応を上記程度の温度で進行させると、膜の親水性を保ちつつ、膜の耐水性の向上を図ることができる。ここで、膜の耐水性とは、例えば、実際の使用時において、膜表面に多量の水分が付着したときに、親水性成分の溶出が抑制でき、防曇性を維持できる性質をいう。
図1に、本発明の防曇性物品の一例の断面を示す。この防曇性物品では、物品1の表面に、多孔質膜2および親水性被膜3がこの順に形成されている。多孔質膜2は、無機微粒子5と、無機微粒子5の間に介在するバインダー6とを含んでいる。バインダー6は、無機微粒子5の表面の少なくとも一部を覆いつつ、無機微粒子5の間、および無機微粒子5と物品1の表面との間に介在して無機微粒子群を固定している。
コロイダルシリカのように親水性の高い表面を有する無機微粒子を用いた場合、シランカップリング剤および有機金属化合物が無機微粒子5の表面をほぼ覆い、図面には表示できない程度のごく薄い被膜を形成しているものと考えられる。このように、バインダー6は、無機微粒子5の間に介在するとともに、無機微粒子5の表面を実質的に被覆している場合もある。添加する有機金属化合物等の量が少ないと、図示した形態よりもさらにバインダー6が無機微粒子5の接触部のごく近傍にのみ存在する場合もある。
多孔質膜2は、無機微粒子5の間に形成された空孔7を含んでいる。空孔7は、その吸水性により、特に親水性被膜3が摩耗により消失した後の防曇性の維持に貢献する。多孔質膜2により形成された多孔質構造の一部には、親水性被膜3が入り込んでいる。換言すれば、無機微粒子5の間隙の一部には、親水性被膜3が存在している。
以下の実施例では、ガラス板の表面に多孔質膜と親水性被膜(防曇性被膜)とをこの順に形成して、防曇性物品とした。
(多孔質膜形成用コーティング液)
多孔質膜形成用のコーティング液の固形分組成比を表1に示す。このコーティング液は、無機微粒子の供給源であるコロイダルシリカ水分散溶液、溶媒であるエタノール系溶媒、加水分解および縮重合可能な有機金属化合物であるテトラエトキシシラン(以下、「TEOS」と略す)、触媒として濃塩酸を含んでいる。さらに、このコーティング液は、親水性の有機基を有するシランカップリング剤として、ウレイド基を含む、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(以下、「UPTS」と略す)を含む。
多孔質膜形成用コーティング液における各成分の詳細を以下に示す。
*コロイダルシリカ水分散溶液:
・ST−C、日産化学工業製、粒径10〜20nm、球状コロイダルシリカ、固形分濃度20質量%、
・ST−OUP、日産化学工業製、粒径10〜20nm、長さ40〜300nmの鎖状コロイダルシリカ、固形分濃度15質量%、
*エタノール系溶媒:AP−7、日本アルコール販売製
*濃塩酸:HCl、キシダ化学製
*TEOS:KBE−04、信越化学工業製
*UPTS:KBE−585、信越化学工業製
これら成分を混合し、サンプル瓶にて約2時間撹拌して(A)液〜(F)液を得た。なお、(E)液はUPTSを含んでおらず、(F)液はコロイダルシリカを含まない液である。
(防曇性被膜のコーティング液)
多孔質膜上に被覆する防曇性被膜形成用コーティング液の組成を表2に示す。
(a)液は、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体で、親水性有機性ポリマー(GANTREZ AN-119、ISP社製)の水溶液である。GANTREZ AN-119は、予め1質量%の水溶液を調製し、50℃雰囲気下において一晩撹拌することで、無水マレイン酸部分を加水分解してから用いた((b)液および(c)液において同様)。
(b)液は、界面活性剤であるジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(ラピゾールA−30、日本油脂製)と、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(GANTREZ AN-119)との水溶液である。
(c)液は、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムと、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(GANTREZ AN-119)と、これの架橋剤として作用するエポキシ化合物であるエチレングリコールジグリシジルエーテル(デナコールEX−810、ナガセケムテックス製)との水溶液である。
本発明によって得られた防曇性ガラス板を、以下に示す各種特性によって評価した。
(特性評価)
1.外観評価
フローコートによって発生する防曇性被膜の塗布ムラやスジ等の欠点を、目視にて判定した。判定基準は以下の通りである。
○:ムラ・スジ等がなく表面が均一である。
△:若干ムラやスジが見られるが、透過したとき視界を妨げるほどではない。
×:ヘイズ(白濁による曇り)やムラ等により視界が妨げられる。
2.防曇性の評価
室温に保持した防曇性ガラス板に呼気を一定量拭き掛け、曇りの程度を目視にて判断する呼気法にて、防曇性の評価をした。判定基準は以下の通りである。
◎:呼気によっても全く曇らない。
○:呼気によって若干の曇りが発生する。
△:呼気によって水滴や水膜が形成される。
×:通常のガラス板と同等か、それ以上に曇る。
3.耐擦傷性の評価
湿布により膜表面を往復摩擦し、付いた傷の程度を目視にて判定した。併せて試験後の防曇性評価も上述と同様の判定基準により行った。判定基準は以下の通りである。
◎:目視で傷が確認できず、ほぼ完全に元の状態を保つ。
○:目視で傷が確認できず、防曇性も維持されている。
△:目視で傷が確認され、防曇性は維持または若干低下する。
×:目視で傷や膜剥離が確認され、防曇性も著しく低下する。
4.防曇維持性の評価
室内に防曇性ガラス板を1月間放置し、放置後の防曇性を上述の呼気法にて判定した。判定基準は以下の通りである。
◎:防曇性は全く変化しない。
○:防曇性はほぼ維持される。
×:防曇性は低下し、通常のガラス板程度に曇る。
(実施例1)
(1)無機多孔質膜の形成
(A)液を、洗浄したソーダライムガラス板(100×100×3.4mm)上にフローコートし、無機多孔質膜を形成した。なお、フローコートは、温度20℃,湿度30%に制御した室内で実施した。この多孔質膜を形成した後、ガラス板を自然乾燥し、さらに室温にて一晩放置し、多孔質膜付きガラス板を得た。
こうして得た多孔質膜付きガラス板の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を図2および図3に示す。図2は断面観察結果であり、図3は表面観察結果である。この多孔質膜は、直径約20nmの微粒子が、膜厚方向におおよそ1〜2個積み重なり、平均厚み約50nmの多孔質構造を形成していることがわかった。
(2)防曇性被膜の形成
(1)で得られた多孔質膜付きガラス板上に、(a)液をフローコートし、防曇性被膜を形成した。なお、フローコートは温度20℃、湿度30%に調整した室内で実施した。
成膜した後、ガラス板を自然乾燥し、120℃に加熱した熱風乾燥炉中にて30分間加熱して、防曇性ガラス板を得た。こうして得た防曇性ガラス板を、走査型電子顕微鏡で観察した結果を図4および図5に示す。図4は断面観察結果であり、図5は表面観察結果である。防曇性被膜は、その一部が多孔質膜の隙間に侵入し、さらに多孔質膜の表面にも層を形成していることがわかった。多孔質膜に含まれる無機微粒子の間隙の一部には、防曇性被膜が入り込んでいる。
この防曇性ガラス板の特性評価の結果を、他の実施例についての結果とともに表3に示す。
実施例1からは、外観、防曇性、耐擦傷性のいずれにおいても、良好な防曇性ガラス板が得られた。これは、下地となる多孔質膜によって、オーバーコートされる防曇性被膜の耐擦傷性などの耐久性が保持されたためである。
実施例1では、親水性有機ポリマーであるメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を用いて防曇性被膜を作成した。この親水性有機ポリマーは、加水分解することで無水マレイン酸部分に起因するカルボキシル基を官能基とするポリマーである。この官能基によって、高い親水性および防曇性が発現する。
(実施例2)
実施例1と同様、(A)液をフローコートして多孔質膜を作製した後、150℃に加熱した熱風乾燥炉にて30分間乾燥して、多孔質膜付きガラス板を得た。
次いで、多孔質膜付きガラス板に、実施例1と同様、(a)液をフローコートして、防曇性ガラス板を得た。この防曇性ガラス板の特性評価の結果を表3に示す。
実施例2では多孔質膜を加熱して硬化させたが、実施例1では加熱せずに多孔質膜を一晩常温に放置することで硬化させた。実施例1では加熱せずに多孔質膜を形成しているにもかかわらず、評価結果からは、加熱した実施例2と同等の膜強度が得られていることがわかった。加熱温度が制限される材料、例えば樹脂フィルム、を基体に用いる際には、加熱せずに硬い膜が得られることは実用上の意義が大きい。
(実施例3)
多孔質膜形成用コーティング液を(B)液とした以外は実施例1と同様にして、防曇性ガラス板を得た。この防曇性ガラス板の特性評価の結果を表3に示す。
実施例3では、多孔質膜形成用コーティング液において、シリカ微粒子の量が若干減少したことに対応し、実施例1よりも多孔質膜の膜厚が若干低下した。しかし、防曇性ガラス板の特性は良好であった。
(実施例4)
多孔質膜形成用コーティング液を(C)液とした以外は実施例1と同様にして、防曇性ガラス板を得た。この防曇性ガラス板の特性評価の結果を表3に示す。
実施例4では、球状コロイダルシリカ(ST-C)に代えて鎖状コロイダルシリカ(ST-OUP)を用いた。図6および図7に、多孔質膜のみを形成した状態(多孔質膜付きガラス板)のSEMによる観察結果を示した。図6は断面観察結果であり、図7は表面観察結果である。実施例1と比較すると、比較的表面の凹凸が粗い多孔質膜が形成されているが、外観,防曇性,耐擦傷性は、いずれも良好であった。
(実施例5)
多孔質膜形成用コーティング液を(D)液とした以外は実施例1と同様にして、防曇性ガラス板を得た。この防曇性ガラス板の特性評価の結果を表3に示す。
実施例5では、多孔質膜に親水性を付与するUPTSの添加量を若干増加させたことに伴い、初期の防曇性がやや低下した。これは、UPTS成分比の上昇に伴って多孔質膜の空孔率が低下し、多孔質構造による吸水効果が若干低下したためと考えられる。シランカップリング剤の量は、多孔質膜の多孔質構造が保たれる程度とするとよい。(A)液では、TEOSの加水分解物から生成する金属酸化物(SiO)の質量に対する、UPTSの加水分解物から生成する金属酸化物(RSiO3/2)の質量の比が0.08であるのに対し、(D)液における上記比は、0.27である。諸条件にもよるが、上記質量の比は0.25以下、さらには0.2以下、であってもよい。
(実施例6)
防曇性被膜形成用コーティング液を(b)液とした以外は実施例1と同様にして、防曇性ガラス板を得た。この防曇性ガラス板の特性評価の結果を表3に示す。
実施例6では、防曇性被膜形成用コーティング液が親水性有機ポリマーおよび界面活性剤を含んでいるために、均質性に優れた防曇性被膜を得ることができる。また、防曇維持性に関しては改善が確認された。
(実施例7)
防曇性被膜形成用コーティング液を(c)液とした以外は実施例1と同様にして、防曇性ガラス板を得た。この防曇性ガラス板の特性評価の結果を表3に示す。
実施例7による防曇性ガラス板の耐擦傷性は、表中では実施例6と同等に表示されているが、実施例6による防曇性ガラス板をさらに上回るものであった。実施例7では、防曇性被膜形成用コーティング液が親水性有機ポリマー、界面活性剤に加え、エポキシ基を有する架橋剤を含んでいる。架橋剤は、親水性有機ポリマー中に含まれる無水マレイン酸基が加水分解されて生成するカルボン酸基と反応することによって、親水性有機ポリマーを架橋する。これによって、さらに防曇性被膜の耐擦傷性が向上する。
(比較例1)
比較例1では、実施例2と同様にして得た多孔質膜付きガラス板を、その上に防曇性被膜を形成することなくそのまま特性評価の対象とした。結果を表4に示す。
比較例1では、外観、耐擦傷性、初期の防曇性は、防曇性被膜を形成した場合と遜色なかった。この優れた特性には、親水性の有機基を有するシランカップリング剤を多孔質膜形成用コーティング液に添加したことが寄与していると考えられる。しかし、防曇性被膜を形成しないと防曇性の低下が著しい。このことから、多孔質膜の吸水性によっても防曇性は発現するが、これを維持するには防曇性被膜が必須であることがわかる。
(比較例2)
多孔質膜形成用コーティング液を(E)液とした以外は実施例2と同様にして、防曇性ガラス板を得た。この防曇性ガラス板の特性評価の結果を表4に示す。
多孔質膜形成用コーティング液に上記シランカップリング剤を添加しないと、初期の防曇性は得られるものの、耐擦傷性および防曇維持性が低下する。比較例2による防曇性ガラス板の耐擦傷性試験後の防曇性は、比較例1よりも劣っていた。これは、防曇性被膜の摩耗したときに親水性の低い多孔質膜の表面の特性が反映したことによると考えられる。このことから、上記シランカップリング剤は、防曇性被膜の耐久性の向上とともに、防曇性被膜の性能が摩耗あるいは経時変化によって低下したときの防曇性の維持に寄与することがわかる。
(比較例3)
コーティング液を(A)液に代えて(F)液とした以外は実施例2と同様にして、防曇性ガラス板を得た。この防曇性ガラス板の特性評価の結果を表4に示す。
この防曇性ガラス板では、無機微粒子を添加していないために、膜が多孔にはなっていない。このことから、多孔質膜における多孔質構造が吸水性を向上させ、防曇性の発現に寄与することがわかる。
本発明は、鏡、自動車用ガラス板、建築物用窓ガラス、眼鏡等として利用可能な防曇性物品の性能を改善するものとして、多大な利用価値を有する。

Claims (33)

  1. 物品と、前記物品の表面に形成された多孔質膜と、前記多孔質膜上に形成された親水性被膜と、を含み、
    前記多孔質膜が、無機微粒子と、前記無機微粒子の表面の少なくとも一部を覆い、かつ前記無機微粒子の間に介在するバインダーと、を含み、
    前記バインダーが、金属酸化物を主成分とし、アルコキシル基以外の親水性の有機基を含み、
    前記親水性被膜が親水性有機ポリマーを含む、防曇性物品。
  2. 前記親水性の有機基が、アミノ基、エポキシ基、ウレイド基およびポリアルキレンオキシド基から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の防曇性物品。
  3. 前記親水性の有機基が、アミノ基、エポキシ基およびウレイド基から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の防曇性物品。
  4. 前記親水性の有機基が、その末端に−NH構造を有する請求項1に記載の防曇性物品。
  5. 前記無機微粒子がシリカ微粒子である請求項1に記載の防曇性物品。
  6. 前記無機微粒子の粒径が20nm以上300nm以下である請求項1に記載の防曇性物品。
  7. 前記金属酸化物がシリコン酸化物である請求項1に記載の防曇性物品。
  8. 前記多孔質膜の厚みが20nm以上300nm以下である請求項1に記載の防曇性物品。
  9. 前記親水性有機ポリマーがカルボキシル基または酸無水物構造単位を有する請求項1に記載の防曇性物品。
  10. 前記親水性有機ポリマーが、下記化学式により示される構造単位、または前記構造単位が加水分解して生成した構造単位を含む請求項1に記載の防曇性物品。
  11. 前記親水性有機ポリマーが、酸無水物とビニル基含有化合物との共重合体である請求項1に記載の防曇性物品。
  12. 前記親水性被膜が、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含む請求項1に記載の防曇性物品。
  13. 前記アニオン性界面活性剤がスルホコハク酸ジアルキルナトリウムである請求項12に記載の防曇性物品。
  14. 物品と、前記物品の表面に形成された多孔質膜と、前記多孔質膜上に形成された親水性被膜と、を含む防曇性物品の製造方法であって、
    無機微粒子、
    アルコキシル基以外の親水性の有機基を有するシランカップリング剤または前記シランカップリング剤の加水分解物、
    アルコキシル基を有する、加水分解および縮重合可能な有機金属化合物または前記有機金属化合物の加水分解物、ならびに
    溶媒、
    を含む第1コーティング液を前記物品の表面に塗布し、前記物品の表面を乾燥させることにより、前記多孔質膜を形成し、
    親水性有機ポリマーを含む第2コーティング液を前記多孔質膜上に塗布することにより、前記親水性被膜を形成する、
    防曇性物品の製造方法。
  15. 前記親水性の有機基が、アミノ基、エポキシ基、ウレイド基およびポリアルキレンオキシド基から選ばれる少なくとも1種である請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  16. 前記親水性の有機基が、アミノ基、エポキシ基およびウレイド基から選ばれる少なくとも1種である請求項15に記載の防曇性物品の製造方法。
  17. 前記親水性の有機基が、その末端に−NH構造を有する請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  18. 前記無機微粒子がシリカ微粒子である請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  19. 前記無機微粒子の粒径が20nm以上300nm以下である請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  20. 前記有機金属化合物がシリコン化合物である請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  21. 前記シリコン化合物が、シリコンテトラアルコキシド、またはシリコンテトラアルコキシドのアルコキシル基の少なくとも1つをクロロ基で置換した化合物である請求項20に記載の防曇性物品の製造方法。
  22. 前記多孔質膜の厚みを20nm以上300nm以下とする請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  23. 前記溶媒が、炭素数が1〜5のアルコールである請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  24. 前記第1コーティング液が、水および加水分解触媒をさらに含む請求項14に記載の製造方法。
  25. 前記第1コーティング液が、前記有機金属化合物の加水分解物が脱水して生成した金属酸化物の質量に対する、前記シランカップリング剤の加水分解物が脱水して生成した有機基含有シリコン酸化物の質量の比が0.01〜5.0となるように調製された、請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  26. 前記親水性有機ポリマーがカルボキシル基または酸無水物構造単位を有する請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  27. 前記親水性有機ポリマーが、下記化学式により示される構造単位、または前記構造単位が加水分解して生成した構造単位を含む請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  28. 前記親水性有機ポリマーが、酸無水物とビニル基含有化合物との共重合体である請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  29. 前記親水性被膜が、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含む請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  30. 前記アニオン性界面活性剤がスルホコハク酸ジアルキルナトリウムである請求項29に記載の防曇性物品の製造方法。
  31. 前記第2コーティング液が架橋剤をさらに含む請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
  32. 前記架橋剤がエポキシ基を含む請求項31に記載の防曇性物品の製造方法。
  33. 親水性被膜を形成した後に、前記物品を50℃〜250℃に加熱する請求項14に記載の防曇性物品の製造方法。
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