JPH09136374A - 防曇持続性を有する樹脂成形品 - Google Patents

防曇持続性を有する樹脂成形品

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JPH09136374A
JPH09136374A JP7321272A JP32127295A JPH09136374A JP H09136374 A JPH09136374 A JP H09136374A JP 7321272 A JP7321272 A JP 7321272A JP 32127295 A JP32127295 A JP 32127295A JP H09136374 A JPH09136374 A JP H09136374A
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JP
Japan
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group
resin
layer
hydrophilic
coupling agent
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Application number
JP7321272A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Miyake
弘 三宅
Hiroyuki Yamauchi
弘之 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Publication date
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Publication of JPH09136374A publication Critical patent/JPH09136374A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間にわたって高い防曇性を保持する樹脂
成形品を提供すること。 【解決手段】 成形された樹脂基体上に、親水性無機微
粒子及びカップリング剤を含有する第1層と、親水性樹
脂及び/又は界面活性剤よりなる第2層を設けたことを
特徴とする防曇持続性を有する樹脂成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防曇持続性を有する
樹脂成形品に関し、特に、長期間にわたって高度の防曇
性を保持することができる樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形品を温度差が大きくかつ湿度の
高い戸外や室内等の環境下で使用すると、成形品表面に
空気中の水分が凝集して水滴を形成する。たとえば、農
作物栽培に使用される農業用被覆フィルムが展張された
農業用ハウス内には、土壌や作物から蒸散する水蒸気が
充満しており、この水蒸気は外気との温度差で冷却され
るフィルムの内表面で凝集して水滴を形成し、その結果
フィルムの光透過性が低下し、作物の生育が悪くなった
り、収量や品質が低下したり、作物によっては落下する
水滴によって病害が発生する等の弊害が生ずる。
【0003】また、建築物の窓用の樹脂製シート、樹脂
製ゴーグル、眼鏡レンズ、水中眼鏡、光学レンズ、浴室
や洗面所に用いられる軽量ミラーなどの樹脂成形品の表
面に水滴が付着すると、透明性や光透過性が妨げられ、
基材が持っている光学的特性が損なわれる。
【0004】そこで、樹脂成形品の表面にコーティング
することにより水滴を付着しにくくするための防曇剤組
成物や、防曇剤を塗布した防曇性樹脂成形品が種々提案
されている。
【0005】また、これらの樹脂成形品は、その用途に
よっては防曇性に加えてさらに耐磨耗性等の表面の硬度
及び耐久性も要求され、そのため、カップリング剤等を
併用して防曇性と耐久性を兼ね備えた樹脂成形品とする
ことも提案されている。たとえば、特開昭62−148
535号公報には、親水性樹脂、微粒子状シリカ、有機
ケイ素化合物及び溶剤を含む組成物で物品を被覆した防
曇性物品が開示されている。しかし、この防曇性物品は
耐久性及び初期防曇性には優れているが、防曇性が持続
せず、度々防曇処理をしなければならないという問題が
ある。
【0006】一方、特開平05−310973号公報に
は、主にSiO2からなる無機質粒子と極性基含有バイ
ンダーを塗布した、長期間防曇性に優れかつ透明性に優
れたフッ素系フィルムが開示されており、さらに、特開
平6−145389号公報には、長期間の使用に対して
防曇性低下の少ない、無機親水性コロイド物質と界面活
性剤とリチウムシリケート及び/又はシラン誘導体とを
含む防曇剤層を有するフッ素樹脂フィルムが開示されて
いる。しかし、これらのフッ素樹脂フィルムは、従来の
防曇性フィルムと比較して防曇持続性は高いものの、防
曇性が不十分であり、その用途に制限があるという問題
がある。
【0007】しかして、本発明の主たる目的は、上記の
如き問題をもたず、優れた防曇性を長期間に亘って持続
しうる樹脂成形品を提供することにある。
【0008】
【発明の開示】本発明は、成形された樹脂基体上に、親
水性無機微粒子及びカップリング剤を含有する第1層
と、親水性樹脂及び/又は界面活性剤よりなる第2層を
設けたことを特徴とする防曇持続性を有する樹脂成形品
を提供するものである。
【0009】以下、本発明の樹脂成形品についてさらに
詳細に説明する。
【0010】樹脂基体 本発明に従い防曇処理を施すことのできる樹脂基体とし
て使用しうる樹脂には、特に制約はなく、熱可塑性樹脂
及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、一般に
は、含フッ素樹脂、含塩素樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹
脂が好適である。
【0011】上記含フッ素樹脂は、樹脂を構成する分子
構造中にフッ素を含む樹脂であり、例えば、四フッ化エ
チレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、二
フッ化エチレン、一フッ化エチレン等の含フッ素エチレ
ンモノマーを1成分とする(共)重合体が包含される。
【0012】四フッ化エチレンを1成分とする(共)重
合体の具体例としては、ポリ四フッ化エチレン(PTF
E)、四フッ化エチレン/パーフルオロアルコキシエチ
レン共重合体(PFA)、四フッ化エチレン/六フッ化
プロピレン/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体
(EPE)、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共
重合体(FEP)、四フッ化エチレン/エチレン共重合
体(ETFE)等が挙げられ、特にETTEが好適であ
る。
【0013】このETFEは、四フッ化エチレン及びエ
チレンを主体とし(四フッ化エチレン/エチレンのモル
比は一般に60/40〜40/60の範囲内にあること
が望ましい)、そして必要により、少量(通常10モル
%以下)の第3のコモノマー成分を共重合させることに
より得られるものであって、本発明における樹脂基体と
しては、殊に、四フッ化エチレン/エチレンの含有モル
比が40/60〜60/40、好ましくは45/55〜
55/45の範囲内にあり、且つ式CH2=CH−Cn
2n+1(ここで、nは2〜10の整数である)で示され
るパーフルオロアルキルビニルモノマー単位(例えば、
CH2=CH−C49またはCH2=CH−C6−CH13
から誘導される単位)の含有量が0.3〜10モル%、
好ましくは0.3〜5%モルの範囲内にあるETFEが
好適である。
【0014】上記ETFEはそれ自体既知のものであ
り、例えば特公59−50163号公報に記載の方法で
製造することができ、また、市販品として旭硝子(株)
より「アフロン COP」なる商品名で市販されている
ものを使用することもできる。
【0015】また三フッ化エチレン又は三フッ化塩化エ
チレンを1成分とする(共)重合体としては、例えば、
ポリ三フッ化塩化エチレン(CTFE)、三フッ化塩化
エチレン/エチレン共重合体(ECTFE)等が挙げら
れ、さらに二フッ化エチレン又は一フッ化エチレンを1
成分とする(共)重合体としては、例えば、ポリフッ化
ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)
等が挙げられる。
【0016】上記含塩素樹脂は、樹脂を構成する分子構
造中に塩素を含む樹脂であり、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等の含塩素ビニルモノマーを1成分とする(共)重
合体が包含され、具体的には、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、等が挙げられ
る。
【0017】前記ポリオレフィン系樹脂には、炭素数2
〜8のオレフィンを主体とする、低結晶性ないし高結晶
性の樹脂が包含され、具体的には、例えば、低密度ポリ
エチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDP
E)、ポリプロピレン(PP)、アタクチックポリプロ
ピレン(APP)、ポリブテン−1(PB−1)等の単
独重合体;エチレンと少量のプロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、4−メチルペンテン−1等の他のオレフィンとの
共重合体である超低密度ポリエチレン(VLDPE);
線状低密度ポリエチレン(LLDPE);エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)等の共重合体などが挙げら
れる。
【0018】前記アクリル系樹脂には、(メタ)アクリ
ル酸又はそのエステル(例えばC1〜C18アルキルエス
テル、C2〜C8ヒドロキシアルキルエステルなど)に代
表されるアクリル系モノマーの1種もしくはそれ以上の
(共)重合体、該アクリル系モノマーの1種もしくはそ
れ以上を主体とし且つ他のコモノマー(例えばスチレ
ン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、マレイン酸エステ
ル、N−ビニルピロリドンなど)と共重合させることに
より得られる共重合体等が包含される。
【0019】さらに、前記ポリエステル樹脂としては、
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。
【0020】以上に述べた樹脂は、その用途に応じて各
種形状に成形される。該樹脂はそのまま成形(例えば、
溶融成形、射出成形、押出成形、流延成形等)してもよ
いが、成形加工の容易さ、成形工程での熱分解の抑制、
成形品の強さ、剛性、耐熱変色性、耐紫外線性その他の
諸特性を改良する目的で、可塑剤、安定剤、滑剤、充填
剤、着色剤等の添加剤を適宜配合することもできる。
【0021】成形された樹脂基体の形態としては、フィ
ルム状、シート状、板状、レンズ状等を例示することが
できる。
【0022】本発明の樹脂成形品の1つの好適な用途は
農業用フィルムであり、その樹脂基体としては、含フッ
素樹脂、含塩素樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が好適で
あり、耐候性の面からフッ素系樹脂、殊にETFEが好
ましい。
【0023】成形された樹脂基体は、本発明に従って防
曇持続性の被覆層を施すに先立ち、必要に応じて、表面
処理を施すことができる。樹脂基体の表面処理方法とし
ては、例えば、コロナ放電処理法、ナトリウム処理、ス
パッタエッチング処理、サンドブラスト処理等の方法が
あげられる。コロナ放電処理は、フィルム表面上にアル
デヒド、酸、アルコールパーオキサイド、ケトン、エー
テルなどの酸素を含む官能基を生成させる目的で、針状
またはナイフエッジ電極と対極間で放電を行わせ、その
間に試料をいれることによって行なわれ、またナトリウ
ム処理は、含フッ素樹脂からなる基体の表面上からC−
F結合を消滅させ、C−H、C−O結合を生成させるこ
とを目的に行われる処理であり、金属ナトリウムのよう
なアルカリ金属の液体アンモニア溶液にフィルムを浸漬
することによって行なわれる。
【0024】スパッタエッチング処理は、低圧グロー放
電を行っている電極間に試料をいれ、グロー放電によっ
て生じた正イオンの衝撃により、樹脂基体表面に多数の
微細な突起を形成するための処理であり、さらにサンド
ブラスト処理は、フィルム面に微細な砂を吹き付けて、
表面上に多数の微細な凹凸を形成するための処理であ
る。
【0025】これらの表面活性化処理の中、樹脂基体上
に設けられる層との密着性、作業性、安全性、コストな
どの面からみて、コロナ放電処理が好適である。コロナ
放電処理は、処理後の樹脂基体表面のぬれ指数が32以
上、好ましくは38以上、最も好ましくは42以上にな
るように行うのが望ましい。
【0026】また、樹脂基体には、場合により、直接或
いは上記の如く表面処理を行なった後、後述する第1層
を施す前に、下地層を設けることができる。これによ
り、樹脂基体と第1層との密着力を飛躍的に増大させる
ことができ、それによって最終製品の耐久性を高めるこ
とができる。
【0027】下地層は、樹脂基体との密着性に優れた樹
脂、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系
樹脂等、或いは第1層の構成成分として後述すると同様
のカップリング剤等から形成することができ、中でも少
量で大きな密着力を発揮するカップリング剤が好適であ
る。
【0028】下地層の被覆量は、その成分等によって変
えることができるが、通常、固形分として1000mg
/m2以下が好ましく、10〜500mg/m2の範囲内
が特に好ましい。
【0029】下地層の形成は、例えば、後述する第1層
の形成と同様の方法で、上記の樹脂、カップリング剤等
を分散媒中に均一に分散せしめた分散液を調製し、その
分散液を樹脂基体の防曇処理を希望する面に塗布し、乾
燥することによって行なうことができる。
【0030】第1層 本発明に従い上記した如き樹脂基体上に施される第1層
は、親水性無機微粒子とカップリング剤を必須成分とし
て含有するものである。
【0031】上記親水性無機微粒子は、水中に容易に分
散して安定な懸濁液を形成しうる実質的に水に不溶性な
いし難溶性の無機微粒子であり、具体的には、水に難溶
なコロイド状の金属水酸化物、金属酸化物又は金属塩、
例えば、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロ
イド状のFe(OH)2、コロイド状のSn(OH)4、コロ
イド状のTiO2、コロイド状のBaSO4、コロイド状
のリチウムシリケート等が包含され、これらはそれぞれ
単独で使用することができ又は2種以上併用することも
できる。
【0032】これら親水性無機微粒子のうち、コロイダ
ルシリカ及びコロイダルアルミナが好ましく、中でも、
樹脂基体との密着性が良く、成形物に長期流滴性を付与
することができる等の理由から、粒子表面が陽性に帯電
したコロイダルシリカ及びコロイダルアルミナが特に好
適である。
【0033】親水性無機微粒子の粒径は厳密に制限され
るものではなく、該微粒子の種類や樹脂成形品の用途等
に応じて広い範囲にわたって変えることができるが、該
親水性無機微粒子は、通常、5〜100nm、好ましく
は5〜50nmの範囲内の平均粒子径を有することが望
ましい。
【0034】また、第1層中の親水性無機微粒子の被覆
量は、該微粒子の種類や樹脂成形品の用途等に応じて広
い範囲にわたって変えることができるが、該親水性無機
微粒子の被覆量があまりにも少ないと防曇性向上効果が
ほどんどみられず、逆に多過ぎると成形品の光線透過率
が低下する可能性があるので、一般には、100〜13
00mg/m2 好ましくは100〜1000mg/
2、特に好ましくは100〜500mg/m2、とする
ことができる。
【0035】また、上記親水性無機微粒子と組合わせて
使用されるカップリング剤は、一般に無機材料と有機材
料あるいは異なる有機材料同士を化学的に接合する等の
ための界面の改質剤として使用されている通常のカップ
リング剤であることができ、例えば、シラン系カップリ
ング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系
カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤
が包含される。より具体的には、以下に例示するものを
使用することができる。
【0036】(1) シラン系カップリング剤 一般式
【0037】
【化1】
【0038】式中、X1は加水分解性基[例えば、アル
コキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキ
シエトキシ基、2−メトキシ−2−エトキシエトキシ基
等)、アセトキシ基、塩素原子など、特にメトキシ基が
好ましい]を表わし、Y1は有機マトリックスと反応す
る有機官能性基[例えば、ビニル基、(メタ)アクロイ
ロキシ基、エポキシ含有基(例えば、グリシドキシ基、
エポキシシクロヘキシル基等)、メルカプト基、アミノ
基、ウレイド基、塩素原子、イミダゾリル基、シアノ基
など、好ましくは(メタ)アクロイロキシ基、エポキシ
含有基]を表わし、Z1は非加水分解性基[例えば、メ
チル基等のアルキル基]を表し、R1は単結合又は、エ
チレン基、n−プロピレン基などのアルキレン基、好ま
しくはn−プロピレン基を表し、そしてnは2または3
である、で示される化合物、例えば、3−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−(2′−アミノメチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−[2−(N−2−アミノエチル)ア
ミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フ
ェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−
(4,5−ジヒドロイミダゾール)プロピルトリメトキ
シシラン、3−アミノプロピルトリス(2−メトキシ−
2−エトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3
−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタク
リロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロ
プロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピル
メチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシ)シ
クロヘキシルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリエト
キシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シ
ラン、ビニルトリスアセトキシシラン、ビニルトリクロ
ルシラン、オクタデシル[3−(トリメトキシシリル)
プロピル]アンモニウムクロリド、N−[2−(N−ビ
ニルベンジル)アミノエチル]−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン塩酸塩など。
【0039】(2) チタネート系カップリング剤 2−1) 一般式 X2p−Ti−Y2(4-p) 式中、X2は加水分解性[例えば、アルコキシ基(例え
ばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプ
ロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec
−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、アセトキシ
基など、pが2のときは2つのX2が一緒になった基
(例えばオキシアセトキシ基、オキシエトキシ基等)、
好ましくはイソプロポキシ基、オキシアセトキシ基、オ
キシエトキシ基等、特に好ましくはイソプロポキシ基]
を表し、Y2は有機マトリックスと親和性または反応性
を有する有機基[例えば、アシルオキシ基(例えば(メ
タ)アクロイロキシ基、オクタノイルオキシ基、ラウロ
イルオキシ基、オレイオイルオキシ基、ステアロイルオ
キシ基、イソステアロイルオキシ基等)、アリールオキ
シ基(例えばp−クミルフェノキシ基等)、アリールス
ルホニルオキシ基(例えばドデシルベンゼンスルホニル
オキシ基等)、アルキルホスホノオキシ基(例えばジオ
クチルホスホノオキシ基、ジオクチルピロホスホノオキ
シ基等)、アミノ含有基(例えば2−N−(2−アミノ
エチル)アミノエトキシ基)など]を表し、そしてpは
0.5〜2である、で示される化合物、例えば、イソプ
ロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート、イソプロピルジアクリロ
イルイソステアロイルチタネート、イソプロピルジメタ
クリロイルイソステアロイルチタネート、イソプロピル
トリス(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イ
ソプロピルトリス(p−クミルフェニル)チタネート、
イソプロピルトリス[2−N−(2−アミノエチル)ア
ミノエチル]チタネート、イソプロピルトリス(ジオク
チルホスホノチタネート、イソプロピルトリス(ジオク
チルピロホスホノ)チタネート、ビス(ジオクチルピロ
ホスホノ)カルボニルメチレンチタネート、ビス(p−
クミルフェニル)カルボニルメチレンチタネート、ジイ
ソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジオクチル
ピロホスホノ)エチレンチタネートなど。2−2) 一
般式
【0040】
【化2】
【0041】式中、X3は加水分解性[例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキ
シ基、tert−ブトキシ基、2−メトキシエトキシ
基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ
基、3−メトキシプロポキシ基、2−メトキシ−2−エ
トキシエトキシ基、2−メトキシ−2−エトキシ−2−
エトキシエトキシ基等のアルコキシもしくは置換アルコ
キシ基]を表し、Y3は有機マトリックスと親和性また
は反応性を有する有機基[例えば、アルコキシ基もしく
は置換アルコキシ基(例えばn−ヘキシロキシ基、2−
ヘキシロキシ基、n−オクチロキシ基、イソオクチロキ
シ基、トリデシロキシ基、ステアリロキシ基、2,2−
ジアリルオキシメチル−1−ブトキシ基等)、アリール
オキシ基(例えばフェノキシ基、メトキシフェノキシ基
等)、ハロアルコキシもしくはハロアリーロキシ基(例
えばブロモメトキシ基、クロロエトキシ基、クロロフェ
ノキシ基等)など]を表し、Z2は、例えば、アルコキ
シ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−
ヘキシロキシ基、n−オクチロキシ基、イソオクチロキ
シ基、デシロキシ基、ラウリロキシ基、トリデシロキシ
基、ステアリロキシ基等)、置換アルコキシ基(例えば
2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2
−ブトキシエトキシ基、3−メトキシプロポキシ基、2
−メトキシブトキシ基、2−メトキシ−2−エトキシエ
トキシ基、2−メトキシ−2−エトキシ−2−エトキシ
エトキシ基等)、アリーロキシ基(例えばフェノキシ
基、トリオキシ基、キシリルオキシ基、クレジルオキシ
基、クミルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基等)、
アラルキルオキシ基(例えばベンジルオキシ基等)、ハ
ロアルコキシもしくはハロアリーロキシ基(例えばブロ
モメトキシ基、クロロエトキシ基、3−クロロプロポキ
シ基、2−クロロトリデシルオキシ基、クロロフェノキ
シ基、2,4−ジブロモフェノキシ基等)など]を表
し、そしてmは0〜4である、で示される化合物、例え
ば、テトラメチルビス(ジフェニルホスファイト)チタ
ネート、テトラエチルビス(ジベンジルホスファイト)
チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホス
ファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジラ
ウリルホスファイト)チタネート、テトライソプロピル
ビス[ジ(メトキシフェニル)ホスファイト]チタネー
ト、テトライソプロピルビス[ジ(クミルフェニル)ホ
スファイト]チタネート、テトライソブチルビス(ジト
リルホスファイト)チタネート、テトラtert−ブチ
ルビス(ジキシリルホスファイト)チタネート、テトラ
ヘキシルビス(ジラウリルホスファイト)チタネート、
テトラオクチルビス(ジオクチルホスファイト)チタネ
ート、テトラオクチルビス(ジラウリルホスファイト)
チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフ
ァイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジクレジル
ホスファイト)チタネート、テトラ(3−メトキシプロ
ピル)ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テ
トラ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)ビス[ジ
(2−クロロトリデシル)ホスファイト]チタネート、
テトラ(2−メトキシ−2−エトキシ−2−エトキシエ
チル)ビス(ジクレジルホスファイト)チタネート、テ
トラ(2−ブトキシエチル)ビス(ジ3−クロロプロピ
ルホスファイト)チタネート、テトラ[(2,2−ジア
リルオキシメチル)ブチル]ビス(ジトリデシルホスフ
ァイト)チタネート、メチル(ヘキシル)(2−エトキ
シエチル)イソオクチルビス[(2,4−ジブロモフェ
ニル)n−ヘキシルホスファイト]チタネート、テトラ
フェニルビス(ジブチルホスファイト)チタネート、ジ
メチルジフェニルビス(ジイソプロピルホスファイト)
チタネート、テトラ(メトキシフェニル)ビス(ジブチ
ルホスファイト)チタネート、テトラ(クロロエチル)
ビス[(オクチル)デシルホスファイト]チタネート、
テトラ(クロロフェニル)ビス(ジラウリルホスファイ
ト)チタネート、テトラ(ブロモメチル)ビス[ジ(メ
トキシブチル)ホスファイト)チタネートなど。
【0042】(3) アルミニウム系カップリング剤:
一般式
【0043】
【化3】
【0044】式中、X4は水酸基または加水分解性基
[例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のア
ルコキシ基など]を表し、Y4は有機マトリックスと親
和性または反応性を有する有機基[例えば、(メタ)ア
クリロイルオキシ基、アセトアセトキシ基、オクタノイ
ルオキシ基、ラウロイルオキシ基、オレオイルオキシ
基、ステアロイルオキシ基、イソステアロイルオキシ
基、1−アミノ−(N−ラウロイルオキシ)プロピオニ
ルオキシ基等)、アルコキシスルホニルオキシ基(例え
ばラウリルオキシスルホニルオキシ基等)アルキルスル
ホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基
等)、アリールスルホニルオキシ基(例えばドデシルベ
ンゼンスルホニルオキシ基等)、アルキルホスホノオキ
シ基(例えばジブチルホスホオキシ基、ジオクチルホス
ホオキシ基、ジオクチルピロホスホオキシ基等)など]
を表し、Z3はアルキル基(例えばメチル基等)、アリ
ール基(例えばフェニル基等)などを表わし、Z4はア
ルキル基(例えばメチル基等)、アルコキシもしくはア
ルケニルオキシ基(例えばエトキシ基、ラウリルオキシ
基、ステアリルオキシ基、オレイルオキシ基等)、置換
アミノ基(例えばN−ステアリルアミノ基等)などを表
し、そしてqは0.5〜2である、で示される化合物、
例えば、ジイソプロピレートアルミニウムオレイルアセ
トアセテート、イソプロピレート(アクリレート)アル
ミニウムオレイルアセトアセテート、イソプロピレート
(アセトアセテート)アルミニウムオレイルアセトアセ
テート、イソプロピレート(ジブチルホスフェート)ア
ルミニウムオレイルアセトアセテート、イソプロピレー
ト(ジブチルピロホスフフェート)アルミニウムオレイ
ルアセトアセテート、イソプロピレート(ドデシルベン
ゼンスルホネート)アルミニウムオレイルアセトアセテ
ート、イソプロピレート(ラウリルサルフェート)アル
ミニウムオレイルアセトアセテートなど。
【0045】(4) ジルコアルミネート系カップリン
グ剤:一般式
【0046】
【化4】
【0047】式中、Y5は有機マトリックスと親和性ま
たは反応性を有する有機官能性基[例えば、アミノ基、
カルボキシル基、(メタ)アクリロキシ基、1−メチル
ビニル基、メルカプト基、アシロキシ基、ドデシル基な
ど]を表し、R2は単結合又はC1〜C18のアルキレン基
[例えば、エチレン基、n−ブチレン基、n−ドデシレ
ン基など]を表す、で示される化合物、例えば2−アミ
ノプロピオニルジルコアルミネート、2−カルボキシプ
ロピオニルジルコアルミネート、ミリストイルジルコア
ルミネート、メタクリロイルジルコアルミネート、2−
メルカプトプロピオニルジルコアルミネートなど。
【0048】これらのカップリング剤はそれぞれ単独で
使用することができ又は2種以上併用することも可能で
ある。これらのカップリング剤のうち、官能基としてエ
ポキシ基及び/またはアミノ基を持つものが特に好まし
く用いられる。
【0049】以上に述べた如きカップリング剤は、一般
に、親水性無機微粒子100重量部に対して0.2〜1
0重量部、好ましくは0.3〜5重量部、特に好ましく
は0.5〜3重量部の範囲内で使用することができる。
カップリング剤の使用量があまりにも少ないと、カップ
リング剤添加による防曇持続性の向上がほとんどみられ
ず、逆に必要以上に多量に用いても、それに伴うだけの
防曇持続性の向上効果が期待できず、それどころか却っ
て無機微粒子を疎水化する可能性があるので上記の範囲
内での使用が適当である。
【0050】第1層には、必要に応じて、さらに界面活
性剤などの添加剤を配合することもできる。第1層に含
ませうる界面活性剤としては、カチオン系、アニオン
系、両性界面活性剤及び非イオン性のいずれのタイプの
界面活性剤でも使用することができる。
【0051】第1層には、必要に応じて界面活性剤など
の添加剤を配合することもできる。第1層に含ませうる
界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系、両性界
面活性剤及び非イオン性のいずれのタイプの界面活性剤
でも使用することができる。使用しうるカチオン系界面
活性剤としては、例えば、長鎖脂肪族アミン塩類、長鎖
脂肪族四級アンモニウム塩類、ベンザルコニウム塩、ベ
ントニウム塩等の長鎖アルキル置換芳香族四級アンモニ
ウム塩、長鎖アルキルピリジウム塩、長鎖アルキル置換
イミダゾリニウム塩、フッ素系カチオン系界面活性剤が
あげられ、中でも、パーフルオロアルキルトリメチルア
ンモニウム塩、パーフルオロアルキル第四級アンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキルアミンオキサイドなどのフ
ッ素系カチオン系界面活性剤が、防曇性の効果及び持続
性の面から特に好ましい。
【0052】アニオン系界面活性剤としては、例えば、
高級脂肪酸およびロジン酸セッケン、N−アシル長鎖カ
ルボン酸塩、エーテルカルボン酸塩などのカルボン酸塩
系界面活性剤;長鎖アルキルスルホン酸塩、スルホコハ
ク酸塩、エステルスルホン酸塩、長鎖アルキルアリルお
よび長鎖アルキルナフタレンスルホン酸塩、N−アシル
スルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩などの硫
酸エステル塩系界面活性剤;硫酸化油、エステル硫酸
塩、長鎖アルキル硫酸塩、エーテル硫酸塩、長鎖アルキ
ルアリルエーテル硫酸塩、アミド硫酸塩などの硫酸エス
テル塩系界面活性剤;長鎖アルキルリン酸塩、エーテル
リン酸塩、長鎖アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミ
ドリン酸塩などのリン酸エステル塩系界面活性剤;及び
フッ素系界面活性剤等があげられるが、これらのうち、
カルボン酸系、リン酸エステル塩系及びフッ素系のアニ
オン系界面活性剤が好ましく、パーフルオロアルキルカ
ルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルが特
に好ましい。
【0053】また、両性界面活性剤としては、例えば、
カルボキシベタイン、スルホベタインなどのベタイン系
界面活性剤及びパーフルオロ長鎖アルキルベタインなど
のフッ素系界面活性剤のほか、アミノカルボン酸塩系及
びイミダゾリン誘導体系等の界面活性剤を使用すること
ができ、これらのうち、フッ素系のもの、例えばパーフ
ルオロ長鎖アルキルベタインが防曇性の効果及び持続性
の面から特に好ましい。
【0054】さらに、非イオン系界面活性剤としては、
例えば、アルキルおよびアルキルアリルポリオキシエチ
レンエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポ
リオキシエチレンエーテル、グリセリンエーテルおよび
そのポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシプロピレ
ンを親油基とするブロックポリマー、アルキルチオポリ
オキシエチレンエーテル、プロピレングリコールエステ
ルのポリオキシエチレンエーテル、グリセリンエステル
のポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルの
ポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールポリオキシ
エチレンエーテルのエステル、グリセリンエーテルのエ
ステル、アルキルポリオキシエチレンエーテルのエステ
ル共重合物のポリオキシエチレンエーテルエステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、グリセリンエステル、ソルビタンエステ
ル、二価アルコールエステル、ショ糖エステル、脂肪族
アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ド、アルカノールアミンのエステル、ポリオキシエステ
ルアルキルアミン、アミンオキシド、パーフルオロアル
キルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキル
オリゴマー、フルオロアルキルエチレンオキサイド付加
物等をあげることができる。中でも、アルキルアリルポ
リオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、
パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パー
フルオロアルキルオリゴマー及びフルオロアルキルエチ
レンオキサイド付加物が好ましく、パーフルオロアルキ
ルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルオ
リゴマー及びフルオロアルキルエチレンオキサイド付加
物が防曇性の効果及び持続性の面から特に好ましい。
【0055】上記界面活性剤は、使用する親水性無機微
粒子の表面電荷状態との組み合わせにおいて選択するの
が好ましく、例えば、陰性に帯電したシリカゾルに対し
てはアニオンもしくはノニオン系の界面活性剤が好適に
用いられ、そしてアルミナゾルや陽性に帯電したシリカ
ゾルに対してはカチオン系もしくはノニオン系の界面活
性剤が好適に用いられる。
【0056】これら界面活性剤の第1層への配合量は、
厳密に制限されるものではなく、樹脂基体の表面状態、
用いる無機微粒子の種類等に応じて広い範囲にわたり変
えることができるが、一般には、親水性無機微粒子10
0重量部に対して0.1〜70重量部、特に0.2〜20
重量部、さらに特に0.3〜10重量部の範囲内が好適
である。
【0057】また、以上に述べた親水性無機微粒子及び
カップリング剤を含有する第1層の樹脂基体表面への形
成は、例えば、前述の親水性無機微粒子及びカップリン
グ剤、さらに場合により界面活性剤等の添加剤を分散媒
中に均一に分散せしめた分散液を調製し、その分散液を
樹脂基体の防曇処理を希望する面に塗布し、乾燥するこ
とによって行なうことができる。
【0058】ここで使用しうる分散媒は、使用する無機
微粒子、カップリング剤、界面活性剤等を考慮して適宜
選択することができるが、一般には例えば、水、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
エチルセロソルブ、エチレングリコール、アセトン、グ
リセリン、酢酸アミルアルコール、モノエチルエーテ
ル、n−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、ジメ
チルホルムアミド、トリエタノールアミン等があり、中
でもメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、アセトン及び
エチレングリコール等が好適に使用される。
【0059】これら分散媒中における親水性無機微粒子
の濃度は特に制限されないが、一般的には50wt%以
下、特に5〜30wt%の範囲内が好適である。
【0060】上記分散液の塗布はそれ自体既知の方法に
よって行なうことができ、例えば、グラビアロール法、
ローラータッチ法、バーコーター法、スプレー法、浸漬
法、ハケ塗り法など通常の塗布方法で塗布加工すること
ができる。樹脂基材がフィルムまたはシート状であり、
なおかつこれらの片面に均一な被膜を形成したい場合に
は、バーコーター法やグラビアロール法が好ましく用い
られる。また、大量の塗工を高速で行うには、多色グラ
ビア印刷機を用いたグラビアロール法が特に好ましく用
いられる。
【0061】塗膜の乾燥は自然乾燥法及び強制乾燥法の
いずれかの方法でも使用することができるが、一般に
は、熱風乾燥法、赤外線照射法などの強制乾燥法が均一
な塗膜が得られる点から好ましい。乾燥温度は用いた分
散媒の沸点等によって異なるが、樹脂基材への影響等を
考慮すると、通常、30℃〜100℃、特に50℃〜9
0℃の範囲内が好適である。
【0062】第2層 本発明に従い上記の如くして樹脂基体上に設けられた第
1層の上には、親水性樹脂及び/又は界面活性剤よりな
る第2層が設けられる。
【0063】第2層において使用しうる親水性樹脂とし
ては、分子中に少なくとも1種の親水性原子団、例え
ば、カルボン酸官能基(−COOHもしくはその可溶性
塩(−COONa等))、スルホン酸官能基(−SO3
Hもしくはその可溶性塩)、硫酸官能基(−O−SO3
Hもしくはその可溶性塩)、ヒドロキシル基(−O
H)、エーテル結合(−O−)、酸アミド基(−CON
2、−SO2NH2)、カルボン酸エステル残基(−C
OOR、ここでRは例えばC1〜C4アルキル基を表わ
す)、ハロゲン原子(Cl、Brなど)、カルボニル基
(>CO)、メルカプト基(−SH)、ニトリル基(−
CN)、チオシアン酸基(−SCN)、ニトロ基(−N
3)、アミノ基(−NH2)、イミド基(>NH)、燐
酸基(−OPO(OH)2)、アンモニウム基などを含有す
る樹脂が包含され、特に、親水性が高い水溶性高分子物
質またはその架橋・不溶化物が好適である。
【0064】そのような水溶性高分子物質の例として
は、天然高分子物質として、例えば、かんしょデンプ
ン、ばれいしょデンプン、タピオカデンプン、小麦デン
プン、コーンスターチ等のデンプン類;ふのり、寒天、
アルギン酸ナトリウム等の海藻抽出物;トロロアオイ、
トラガントゴム、アラビアゴム等の植物粘質物;デキス
トラン、レパン等の微生物由来の粘質物;にかわ、ゼラ
チン、カゼイン、コラーゲン等のタンパク質などがあげ
られ、また、半合成高分子物質として、例えば、ビスコ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導
体;可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジア
ルデヒドデンプン等のデンプン誘導体などがあげられ、
さらに合成高分子物質として、例えば、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセター
ル、ポリアリルアミン、ポリエチレンオキサイド、水溶
性アクリル樹脂(例:ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
ソーダ、ポリメタクリル酸等)などがあげられる。
【0065】中でも、分子中に、親水性原子団として、
カルボン酸官能基、スルホン酸官能基、ヒドロキシル
基、エーテル結合、酸アミド基、カルボン酸エステル残
基、カルボニル基、アミノ基及びアンモニウム基から選
ばれる少なくとも1種の基を持つ水溶性合成高分子物
質、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアセタール、ポリアリルアミン、ポリ
エチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
ソーダ、ポリメタクリル酸等が好適である。
【0066】これらの親水性樹脂はそれぞれ単独で用い
ることができ、或いは2種もしくはそれ以上組合わせて
使用してもよい。第2層としての親水性樹脂の被覆量
は、厳密に制限されるものではなく、該親水性樹脂の種
類や最終製品の用途等に応じて広い範囲にわたり変える
ことができるが、一般には30〜1000mg/m2
好ましくは50〜500mg/m2、さらに好ましくは
100〜400mg/m2の範囲内とすることができ
る。
【0067】また、第2層において、単独で或いは上記
親水性樹脂と組合わせて使用しうる界面活性剤として
は、第1層に対して適宜配合しうる界面活性剤として前
述した如きカチオン系、アニオン系、両性及び非イオン
系界面活性剤のいずれのタイプの界面活性剤でも用いる
ことができるが、持久性等の観点から、一般にフッ素系
のものよりも非フッ素系の界面活性剤が好適であり、ま
たタイプから言えば、アニオン系またはノニオン系の界
面活性剤が好ましい。さらに、ノニオン系界面活性剤と
しては、特に、HLB値が通常6〜18、特に12〜1
8の範囲内にあるものが好ましい。
【0068】第2層における界面活性剤の被覆量は、単
独で用いる場合であっても或いは親水性樹脂と併用する
場合であっても、通常、10〜100mg/m2、好ま
しくは10〜80mg/m2、さらに好ましくは20〜
60mg/m2の範囲内とすることができる。
【0069】さらに第2層には、任意成分として、必要
により、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノ
ン系等の紫外線吸収剤;各種の架橋剤等を配合すること
ができる。これらの添加剤の配合量は、第2層の親水性
を実質的に阻害しない範囲であれば特に制限されるもの
ではないが、通常、第2層成分(固形分)100重量部
あたり20重量部以下、特に10重量部以下、さらに特
に5重量部以下が好適である。
【0070】以上に述べた親水性樹脂及び/又は界面活
性剤の前述した第1層上への適用は、例えば、第1層の
場合と同様に、これらの成分を前述した如き分散媒中に
均一に分散せしめた分散液を調製し、前記と同様にして
塗布し、乾燥することによって行なうことができる。
【0071】樹脂成形品の用途 本発明の樹脂成形品は、後記表−1に示す防曇性の試験
結果から明らかなように、高い防曇性を長期間にわたっ
て持続することができ、例えば、農作物の栽培等に用い
られる農業用フィルム、建築物の窓用の樹脂製シート、
樹脂製ゴーグル、眼鏡レンズ、水中眼鏡、光学レンズ、
浴室や洗面所に用いられる軽量ミラー等において有利に
使用することができる。
【0072】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0073】実施例1 (1) 樹脂基体の調製 厚さ100μのETFEフィルム片面にコロナ放電処理
を施し、ぬれ指数が42以上になるように調整する。
【0074】(2) 第1層の塗工 アルミナゾル(日産化学工業製:A−520)と、その
固形分に対し1.5重量%に相当するシランカップリン
グ剤[信越化学工業製:KBM−303、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン]を工業用エタノールで希釈したのち、乾燥後の塗布
量が300mg/m2となるようにバーコーターを用い
てフィルムのコロナ処理面側に塗工を行い、80℃の通
風乾燥機中で1分間乾燥した。
【0075】(3) 第2層の塗工 ポリエチレンオキサイド(明成化学工業製:セラゾール
250A)を工業用エタノールで希釈し、上記(2)で
設けた被膜の上に乾燥後の塗布量が300mg/m2
なるように第1層と同様の方法で塗布−乾燥を行った。
【0076】得られたフィルムの初期流滴性、長期流滴
性及び耐熱湿性の測定結果を表−1に示す。
【0077】実施例2〜4 第1層におけるシランカップリング剤を表−1に記載し
たものに代えたほかは、実施例1と同様の操作を行っ
た。得られたフィルムの初期流滴性、長期流滴性、及び
耐熱湿性の測定結果を表−1に示す。
【0078】実施例5〜7 第1層のための塗布液の組成を表−1に示す処方のもの
に代えたほかは、実施例1と同様の操作を行った。得ら
れたフィルムの初期流滴性、長期流滴性及び耐熱湿性の
測定結果を表−1に示す。
【0079】実施例8〜20 第2層のための塗布液の組成を表−1に示す処方のもの
に代えたほかは、実施例1と同様の操作を行った。得ら
れたフィルムの初期流適性、長期流適性及び耐熱湿性の
測定結果を表−1に示す。
【0080】実施例21〜22 第1層の塗工を行う前に、あらかじめシランカップリン
グ剤の希釈液を塗工しておき下地層を形成し、この下地
層の上に、表−1に示す処方の第1層及び第2層のため
の塗布液を実施例1と同様の方法で塗布し乾燥した。得
られたフィルムの初期流滴性、長期流滴性及び耐熱湿性
の測定結果を表−1に示す。
【0081】実施例24及び25 コロナ処理を施したPETまたはPVCフィルムに、表
−1に示す処方の第1層及び第2層のための塗布液を実
施例1と同様の方法で塗布し乾燥した。得られたフィル
ムの初期流滴性、長期流滴性及び耐熱湿性の測定結果を
表−1に示す。 比較例1〜8 第1層のための塗布液の組成を表−2に記載した処方の
ものに代えたほかは、実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの初期流滴性、長期流滴性及び耐熱湿
性の測定結果を表−2に示す。
【0082】なお、得られたフィルムの初期流滴性、長
期流滴性及び耐熱湿性の測定方法及びその評価法は次の
とおりである。
【0083】(1) 初期流滴性 80℃の温水の入った100ccビーカーを、試料フィ
ルムで改質処理面を内側として被覆し、20度の傾斜を
つけた台の上に静置し、被覆直後と10分後の水滴の付
着状況を観察し、次の基準で評価した。
【0084】評価基準: ◎・・・内面が鏡の様に濡れ、透明性に支障なく防曇性
に極めて優れている。 ○・・・50%以下の面積に少量の水滴が付着している
が、透明性に支障なく、防曇性に優れている。
【0085】△・・・50%以上の面積で水滴が付着
し、透明性が若干阻害される。実用的な使用が制限され
る。
【0086】×・・・防曇性の低下により全面に大玉の
水滴が付着している。透明性が著しく低下しており、実
用性がない。
【0087】××・・・流滴性が完全に失われ細かい水
滴が全面を覆っている。流滴処理をしない状態と全く同
じで透明性は失われ、実用性もない。
【0088】(2) 長期流滴性 上記(1)の初期流滴性試験と同じようにして試料フィ
ルムで被覆したビーカーを、80℃の恒温水槽に湯浴さ
せ、20度の傾斜をつけて静置した。雰囲気を20℃に
なるように調整し、1日後、7日後、14日後及び21
日後の流滴性を初期流滴性の場合と同一の基準で評価し
た。
【0089】(3) 耐熱湿性 70℃、95%の恒温恒湿室に4時間フィルムを静置
し、取りだしたフィルムについて上記(1)に記載した
と同じ初期の流滴性試験を行った。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形された樹脂基体上に、親水性無機微
    粒子及びカップリング剤を含有する第1層と、親水性樹
    脂及び/又は界面活性剤よりなる第2層を設けたことを
    特徴とする防曇持続性を有する樹脂成形品。
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