JP2010275541A - 親水性膜形成用塗工液及び塗膜 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明の水溶性カゴ型シルセスキオキサンを含有する親水性膜形成用塗工液は、水又はアルコール系の溶媒を用いることができ、安全かつ基材ダメージの無い塗工液を形成できると共に、100℃程度の低温硬化が可能であり、得られる塗膜は透明度・硬度に優れ、表面は親水性を有するといった特徴を有する塗膜が得られる。また、この塗膜は有機物を含まないため、光触媒のようなラジカルを発生する塗料から基材を保護することができ、光触媒下地膜としても好適である。
【選択図】なし
Description
[請求項1]
形成される塗膜上の水接触角が20度以下であり、かつ全光線透過率が85%以上でヘイズ率が3.5%以下であって、水溶性カゴ型シルセスキオキサンを0.01質量%以上含有することを特徴とする親水性膜形成用塗工液。
[請求項2]
水溶性カゴ型シルセスキオキサンがT3 8構造を有することを特徴とする請求項1記載の光触媒塗工液。
[請求項3]
請求項1又は2記載の塗工液を塗工することによって得られる塗膜。
[請求項4]
光触媒の下地膜であることを特徴とする請求項3記載の塗膜。
本発明に係る親水性膜形成用塗工液は、溶媒に水溶性カゴ型シルセスキオキサンを含有しているものである。
カゴ型シルセスキオキサンとは、3官能性シロキサン単位(いわゆるT単位)のみからなり、その構造中のケイ素原子が多面体の頂点を形成しているようなシルセスキオキサンをいう。本発明の塗工液には、水溶性である限りいかなるカゴ型シルセスキオキサンも用いることができる。上記水溶性カゴ型シルセスキオキサンは、単体で水のみならずアルコールにも可溶性であることが好ましい。上記水溶性カゴ型シルセスキオキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
で示されるT3 8構造を有するカゴ型シルセスキオキサン、下記構造式(2)
で示されるT3 10構造を有するカゴ型シルセスキオキサン、下記構造式(3)
で示されるT3 12構造を有するカゴ型シルセスキオキサン等が挙げられる。
本法による塗工液を得るための溶媒は、水が好適であるが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、又はこれらの混合物を使用しても良い。上記アルコールを使用する場合は、1種単独又は2種以上を併用してもよい。
本発明の親水性膜形成用塗工液が塗布される基材は、薄膜を形成することができる限り、特に制限されない。基材の材料としては、例えば有機材料、無機材料が挙げられ、無機材料には例えば、非金属無機材料、金属無機材料が包含される。これらはそれぞれの目的、用途に応じた様々な形状を有することができる。
有機材料としては、例えば塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂ポリアセタール、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルイミド(PEEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、メラミン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等の合成樹脂材料;天然、合成若しくは半合成の繊維材料及び繊維製品が挙げられる。これらは、フィルム、シート、その他の成型品、積層体などの所要の形状、構成に製品化されていてよい。
非金属無機材料としては、例えばガラス、セラミック材料が挙げられる。これらはタイル、硝子、ミラー等の様々な形に製品化され得る。
金属無機材料としては、例えば鋳鉄、鋼材、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛ダイキャスト等が挙げられ、これらはメッキが施されてもよいし、有機塗料が塗布されていてもよい。また、非金属無機材料又は有機材料の表面に施された金属メッキ皮膜であってもよい。
カゴ型シルセスキオキサンとして、市販のSQ−OA/Q−1(T3 8カゴ型シルセスキオキサンのオクタアニオン型のテトラメチルアンモニウム塩、東亞合成(株)製)(以下SQと表記する)を純水に溶解し、表1記載の濃度となるように塗工液を調製した。
固体シリカゾル系コーティング剤として、市販のスノーテックスS(粒径8〜11nmのコロイダルシリカ、日産化学工業(株)製)を純水に分散させ、1質量%水溶液となるように塗工液を調製した。
撥水性シリコーン系コーティング剤として、市販のKR−400(1液硬化型シリコーンレジン;信越化学工業(株)製)をメチルエチルケトンに溶解し、1質量%溶液となるように塗工液を調製した。
撥水性シリコーン系コーティング剤として、メチルエチルケトンに、市販のKC−89s(シリコーンオリゴマー;信越化学工業(株)製)を2質量%、及び硬化触媒としてD−25(チタン系硬化触媒;信越化学工業(株)製)を0.01質量%となるように添加し、塗工液を調製した。
フッ素系コーティング剤として、市販のKynar(フッ化ビニリデン系共重合体;アルケマ(株)製)の粉体をメチルエチルケトンに溶解し、2質量%溶液となるように塗工液を調製した。
基材として、A4サイズにカットしたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(厚さ50μm)上にコロナ放電処理を行った後、実施例1〜4及び比較例1〜4の溶液を塗布・加熱乾燥して厚さ200nmの塗膜を作製した。加熱乾燥条件は、100〜150℃、10分間とした。
水接触角は、接触角計CA−A(協和界面科学(株)製)を用いて測定した。
キムワイプに500gの荷重を掛け、サンプル表面上を10往復擦った後、表面の傷の有無を確認した。
JIS K5600−5−4に準拠して、引っかき硬度(鉛筆法)試験器(コーテック(株)製)を用いて測定した。
薄膜測定装置F−20(FILMETRICS社製)、及び走査型電子顕微鏡S−3400NX((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定した。
デジタルヘイズメーターNDH−20D(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
上記材料にて形成した塗膜上への水性塗料の濡れ性を評価するため、市販のサガンコートTPX85(水性光触媒コーティング液;(株)鯤コーポレーション製)をバーコート法によって塗布し、形成された塗膜の均一性を目視にて確認した。
Claims (4)
- 形成される塗膜上の水接触角が20度以下であり、かつ全光線透過率が85%以上でヘイズ率が3.5%以下であって、水溶性カゴ型シルセスキオキサンを0.01質量%以上含有することを特徴とする親水性膜形成用塗工液。
- 水溶性カゴ型シルセスキオキサンがT3 8構造を有することを特徴とする請求項1記載の光触媒塗工液。
- 請求項1又は2記載の塗工液を塗工することによって得られる塗膜。
- 光触媒の下地膜であることを特徴とする請求項3記載の塗膜。
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