JP5434778B2 - 親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液及び塗膜 - Google Patents

親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液及び塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、低温硬化性の親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液及びこれを塗布してなる塗膜に関する。更に詳しくは、一般的な光触媒のバインダー又はアンダーコートとして使用可能な、水溶性カゴ型シルセスキオキサン及びペルオキソチタン酸を含有する水性・低温硬化性の親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒塗工液及びこれを塗布してなる塗膜に関する。
種々の基材表面に形成された光触媒コーティング膜は、その中に含まれる酸化チタン等の光触媒性金属化合物が光の照射により有機物の分解力及び親水性を発揮することから、基材表面の清浄化、脱臭、抗菌等の用途に活用されている。現在、このような光触媒コーティングは、外装用タイル、ガラス、外壁塗装、空気清浄機内部のフィルター、無機系の基材(セラミック、金属等)への応用が主体であるものの、プラスティック材料等の有機材料への応用も近年盛んに検討されている[特開2006−116461号公報(特許文献1)、特開2006−272757号公報(特許文献2)]。
このような光触媒を有機基材に塗工する際、光触媒作用による基材の損傷を避けるため、光触媒層と基材の間にアンダーコート層を設けるのが一般的な施行法である。ところが、現行の光触媒用アンダーコート液、もしくは光触媒層用バインダー液は、(1)150℃を超える高温で焼成しないと十分な性能を持つ膜が形成できない、(2)比較的低温で硬化するものの有機溶剤を使用しているため、溶剤耐性の無い基材に塗布できない、(3)低温で硬化し、基材損傷の少ない溶媒系であるものの、液剤自体の寿命が短く、2〜3液混合型にして、調合直後に使い切る必要がある、のいずれかの欠点を有している。更に、これら市販液による塗布膜は光触媒の効果がある内は超親水性となり高いセルフクリーニング性を示すが、悪天候が続くなどして十分な日照が得られないと親水性が低下し、セルフクリーニング性が低下するという欠点を有している。
従って、(1)低温硬化性であり、(2)安全かつ基材ダメージの無い溶媒系からなり、(3)得られる塗膜は硬度・透明性が高く、かつ常時親水性であり、(4)液剤のポットライフ、シェルフライフが十分長い、といった条件を満たす塗工液及びバインダー材料が求められていた。
特開2006−116461号公報 特開2006−272757号公報
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、上記条件(1)〜(4)を効果的に満足することができる親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液、及び該光触媒水性塗工液を塗布してなる塗膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、溶媒、特に好ましくは水、アルコール、又はこれらの混合溶媒に光触媒粒子が分散され、かつ水溶性カゴ型シルセスキオキサンを光触媒固形分に対して0.01〜100質量%含有し、更にペルオキソチタン酸を光触媒固形分に対して0.01質量%以上含有する光触媒水性塗工液を塗布してなる塗膜が、透明度・硬度に優れ、表面は常に親水性となり、形成される塗膜は全て無機物で構成されているため、光触媒による塗膜劣化も起こらないこと、また、光触媒による超親水性に依存せず、膜自体が水濡れ性を示すため、暗所においても親水性が継続し、セルフクリーニング性が低下しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、下記親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液及び塗膜を提供する。
[請求項1]
光触媒粒子、水溶性カゴ型シルセスキオキサン、ペルオキソチタン酸及び溶媒のみからなる親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液であって、
溶媒に光触媒粒子が分散され、かつカゴ型シルセスキオキサンの濃度が光触媒固形分に対して0.01〜100質量%であり、ペルオキソチタン酸の含有量が光触媒固形分に対して0.01質量%以上であることを特徴とする親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液。
[請求項
光触媒固形分の濃度が0.01〜10質量%である請求項1記載の親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液。
[請求項
上記光触媒粒子が、n型半導体である金属酸化物の結晶微粒子であることを特徴とする請求項1又は2記載の親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液。
[請求項
水溶性カゴ型シルセスキオキサンがT3 8構造を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液。
[請求項
請求項1〜のいずれか1項記載の水性塗工液を塗工することによって得られる塗膜。
本発明の光触媒塗工液は、水又はアルコール系の溶媒を用いることができ、安全かつ基材ダメージの無い塗工液を形成できると共に、100℃程度の低温硬化が可能であり、得られる塗膜は透明度・硬度に優れ、表面は1ヶ月後でも親水性となる。形成される塗膜は全て無機物で構成されているため、光触媒による塗膜劣化も起こらない。また、光触媒による超親水性に依存せず、膜自体が水濡れ性を示すため、暗所においても親水性が継続し、セルフクリーニング性が低下しない。従って、本発明の塗膜形成剤を用いれば、性能・取扱い性ともに優れた光触媒塗工液を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る光触媒塗工液は、溶媒に光触媒粒子が分散され、かつ水溶性カゴ型シルセスキオキサン及びペルオキソチタン酸を含有しているものである。
[光触媒]
光触媒としては、現在上市されている酸化チタン系、酸化タングステン系、酸化亜鉛系、酸化ニオブ系等、n型半導体である金属酸化物の結晶微粒子が使用できる。例えば、アナターゼ型の二酸化チタン(TiO2)、ルチル型の二酸化チタン(TiO2)、三酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、Gaドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化ニオブ(Nb25)等が使用し得る。中でも、可視光活性の高いものとしてこれら金属酸化物の結晶内に窒素、硫黄、リン、炭素等をドーピングしたもの、又は表面に銅、鉄、ニッケル、金、銀、白金、炭素等を担持したものが好適に使用し得る。更に詳しくは、白金を担持したルチル型酸化チタン、鉄を担持したルチル型酸化チタン、銅を担持したルチル型酸化チタン、水酸化銅を担持したルチル型酸化チタン、金を担持したアナターゼ型酸化チタン、白金を担持した三酸化タングステン等である。更に、該微粒子の一次粒子径が微細なもの、即ち一次粒径が1〜100nmの範囲、好ましくは1〜50nmの範囲にあるものが好適に使用される。一次粒径が100nmより大きいと塗膜の透明度が低下し外観を損ねることがある。
このような、可視光活性が高い光触媒微粒子としては、MPT−623(可視光応答光触媒、粉体状、白金を担持したルチル型二酸化チタン;石原産業(株)製)、MPT−625(可視光応答光触媒、粉体状、鉄を担持したルチル型二酸化チタン;石原産業(株)製)等が挙げられる。
[カゴ型シルセスキオキサン]
カゴ型シルセスキオキサンとは、3官能性シロキサン単位(いわゆるT単位)のみからなり、その構造中のケイ素原子が多面体の頂点を形成しているようなシルセスキオキサンをいう。本発明の塗工液には、水溶性である限りいかなるカゴ型シルセスキオキサンも用いることができる。上記水溶性カゴ型シルセスキオキサンは、単体で水のみならずアルコールにも可溶性であることが好ましい。上記水溶性カゴ型シルセスキオキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
水溶性カゴ型シルセスキオキサンとしては、例えば、下記構造式(1)
Figure 0005434778
(式中、Rは、独立に水素原子又は官能基である。)
で示されるT3 8構造を有するカゴ型シルセスキオキサン、下記構造式(2)
Figure 0005434778
(式中、Rは上記の通り。)
で示されるT3 10構造を有するカゴ型シルセスキオキサン、下記構造式(3)
Figure 0005434778
(式中、Rは上記の通り。)
で示されるT3 12構造を有するカゴ型シルセスキオキサン等が挙げられる。
これらのうち、T3 8構造のカゴ型シルセスキオキサンが好適に使用できる。
なお、上記式中、Rは、独立に水素原子又は官能基である。Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。官能基Rとして具体的には、例えば、ヒドロキシル基又はその塩として式−O-+(式中、Mはカチオン、例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン等の第4級アンモニウムイオン;アンモニウムイオン;ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンを示す。)で示される基、1,2−プロパンジオール基(−CH2CH(OH)CH2OH)、1,2−プロパンジオールオキシプロピル基(−C36OCH2CH(OH)CH2OH)、シクロヘキサンジオール基(−C24Cy(OH)2(式中、Cyはシクロヘキサン環を示し、該シクロヘキサン環中の任意の炭素原子にOHが結合していてよい。))、カルボキシル基又はその塩として式−COO-+(式中、Mは上記の通り。)で示される基、スルホ基(−SO3H)又はその塩として式−SO3 -+(式中、Mは上記の通り。)で示される基、ホスホノ基(−P(OH)2O)又はその塩として式−P(OH)2-+(式中、Mは上記の通り。)で示される基、メチロール基(−CH2OH)、エチロール基(−CH2CH2OH)等のアルキロール基、ポリエーテル基、メルカプト基、メルカプトプロピル基(−CH2CH2CH2SH)、アミノ基、アミノエチル基(−CH2CH2NH2)、置換アミノプロピル基(−CH2CH2CH2+x3-x-(式中、xは1〜3の整数、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、AはCl-、OH-等のアニオンを示す。))、2−アミノエチル−3−アミノプロピル基(−C36NHC24NH2)、アミノフェニル基(−Ph−NH2(式中、Phはフェニル基を示す。))、N−フェニルアミノプロピル基(−CH2CH2NHPh(式中、Phはフェニル基を示す。))、グリシジル基、グリシジルオキシプロピル基(−C36OG(式中、Gはグリシジル基を示す。))、エポキシシクロヘキシル基(−C24−E又は−CH2−E(式中、Eは脂環式エポキシ基を示す。))、プロピルアミック酸基(−C36NHCOCHCHCO(OH))、トリフルオロプロピル基(−CH2CH2CF3)、クロロプロピル基(−C36Cl)、クロロベンジル基(−PhCl(式中、Phはフェニル基を示す。))、クロロベンジルエチル基(C24PhCl(式中、Phはフェニル基を示す。))、マレイミドプロピル基(−C36−N(C1OCHCHC2O)(式中、C1及びC2は同一のN原子に付加した環状マレイミドを示す。))、アクリルオキシプロピル基(−C36OCOCHCH2)、メタクリルオキシプロピル基(−C36OCOC(CH3)CH2)、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基、フェニルエチル基(−C24Ph(式中、Phはフェニル基を示す。))等の芳香族含有基、ウレイド基(−C36NHCONH2)、シアノ基(−CN)、シアノプロピル基(−C36CN)、イソシアネートプロピル基(−C36NCO)等が挙げられる。
上記式(1)〜(3)で示され、かつRが上記の基から選ばれるカゴ型シルセスキオキサンが材料として最適に使用し得る。上記カゴ型シルセスキオキサンとしては、市販品を使用し得る。
[ペルオキソチタン酸]
上記カゴ型シルセスキオキサンと複合化されるペルオキソチタン酸とは、酸化チタン系化合物の一種であり、下記構造式に示すような、Ti−O−Ti結合の一部がTi−O−O−Ti結合に転化した化合物である。
Figure 0005434778
ペルオキソチタン酸を含有する塗工液としては、市販品を使用し得る。このような化合物を含有する市販品としては、サガンコートPTAゾル(ペルオキソチタン酸水溶液、ペルオキソチタン酸固形分濃度1.70質量%;(株)鯤コーポレーション製)、ティオスカイコートTAK−B(ペルオキソチタン酸水溶液、ペルオキソチタン酸固形分濃度1.70質量%;(株)ティオテクノ製)等が挙げられる。これらの塗液は1種でも2種以上混合してもよい。
[溶媒]
本法による塗工液を得るための溶媒は、水が好適であるが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、又はこれらの混合物を使用しても良い。上記アルコールを使用する場合は、1種単独又は2種以上を併用してもよい。
[光触媒塗工液の調製]
本発明の光触媒塗工液は、上記の光触媒粒子が分散され、かつ水溶性カゴ型シルセスキオキサンを含有するものである。該光触媒塗工液は、あらかじめ溶媒に光触媒粒子を分散させた光触媒分散液を調製し、カゴ型シルセスキオキサンを溶解した溶液と混合、撹拌することで調製される。
上記光触媒塗工液中の光触媒固形分濃度は、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.1〜5質量%である。光触媒固形分濃度が0.01質量%より少ないと光触媒による防汚活性が低下することがあり、10質量%より多いと透明性が低下し外観を損ねることがある。また、塗工液中の水溶性カゴ型シルセスキオキサン濃度は、光触媒固形分に対して0.01〜100質量%であり、好ましくは0.1〜90質量%である。0.01質量%より少ないと膜の強度が低く剥離、割れが生じることがあり、100質量%より多いと光触媒粒子が完全に被覆され防汚活性が低下することがある。塗工液中のペルオキソチタン酸成分の含有量は、光触媒固形分に対して0.01〜200質量%、好ましくは0.01〜50質量%、更に好ましくは0.01〜30質量%である。0.01質量%より少ないと膜の強度が低く剥離、割れが生じることがあり、200質量%より多いと光触媒粒子が完全に被覆され防汚活性が低下することがある。
[塗膜の形成]
本発明の光触媒塗工液が塗布される基材は、薄膜を形成することができる限り、特に制限されない。基材の材料としては、例えば有機材料、無機材料が挙げられ、無機材料には例えば、非金属無機材料、金属無機材料が包含される。これらはそれぞれの目的、用途に応じた様々な形状を有することができる。
有機材料としては、例えば塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂ポリアセタール、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルイミド(PEEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、メラミン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等の合成樹脂材料;天然、合成若しくは半合成の繊維材料及び繊維製品が挙げられる。これらは、フィルム、シート、その他の成型品、積層体などの所要の形状、構成に製品化されていてよい。
非金属無機材料としては、例えばガラス、セラミック材料が挙げられる。これらはタイル、硝子、ミラー等の様々な形に製品化され得る。
金属無機材料としては、例えば鋳鉄、鋼材、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛ダイキャスト等が挙げられ、これらはメッキが施されてもよいし、有機塗料が塗布されていてもよい。また、非金属無機材料又は有機材料の表面に施された金属メッキ皮膜であってもよい。
上記光触媒塗工液を基材に塗布するには、従来公知のいずれの方法も用いることができる。具体的には、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、印毛塗り法、含浸法、ロール法、ワイヤーバー法、ダイコーティング法、グラビア印刷法、インクジェット法等を利用して塗膜を基材上に形成させることができる。
形成される塗膜の膜厚は、1〜500nm、特には、50〜300nmの範囲にあることが好ましい。膜厚が薄すぎると強度が低い場合があり、また厚すぎると割れが生じる場合がある。
光触媒塗工液を塗布して塗膜を乾燥硬化させるためには、50〜200℃の温度範囲で1〜120分間処理することが好ましく、特には、60〜110℃の温度範囲で5〜60分間処理することが好ましい。
本発明の光触媒塗工液を塗布して形成される塗膜上の水接触角は、20度以下であることが好ましい。水接触角が20度を超えると、防汚性及びリコート性が低下することがある。
また、本発明の光触媒塗工液を塗布して形成される塗膜の全光線透過率は85%以上であり、かつヘイズ率が3.5%以下であることが好ましい。該塗膜の全光線透過率が85%未満の場合は、透明性が低下し外観を損ねることがあり、またヘイズ率が3.5%を超えると、透明性が低下し外観を損ねることがある。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの例により制限されるものではない。
[酸化チタン系光触媒分散液の作製]
光触媒材料として、市販のMPT−623(白金担持二酸化チタン結晶微粒子/アナターゼ型、一次粒径約20nm;石原産業(株)製)を純水に分散して、平均粒子径が50nmであるような水系分散液を作製し、光触媒分散液として使用した。
[実施例1〜3]
バインダーとして、市販のSQ−OA/Q−1(T3 8カゴ型シルセスキオキサンのオクタアニオン型のテトラメチルアンモニウム塩;東亞合成(株)製)(以下SQ−OAと表記する)及びペルオキソチタン酸水溶液として、市販のサガンコートPTAゾル(ペルオキソチタン酸水溶液、固形分濃度1.70質量%;(株)鯤コーポレーション製)を上記の光触媒分散液に溶解し、表1記載の濃度となるように塗工液を調製した。
[比較例1]
シルセスキオキサンに代えて、固体シリカゾル系バインダーとして、市販のスノーテックスS(粒径8〜11nmのコロイダルシリカ;日産化学工業(株)製)を使用した以外は、実施例と同様にして塗工液を調製した。バインダーの配合量は表1に記載の通りとした。
[比較例2]
シルセスキオキサンを使用しなかったこと以外は、実施例と同様にして塗工液を調製した。塗工液中のペルオキソチタン酸濃度は表1に記載の通りとした。
上記実施例及び比較例において調製した光触媒塗工液を用いて、下記の手法により評価基材を作製し、光触媒含有塗膜の性能を評価した。
塗工液の塗布
基材として、A4サイズにカットしたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(厚さ50μm)上にコロナ放電処理を行ったのち、分散液を塗布・加熱乾燥して厚さ約200nmの光触媒薄膜を作製した。加熱乾燥条件は、100℃、15分とした。
表面張力(静的/動的)
水接触角は、接触角計CA−A(協和界面科学(株)製)を用いて測定した。
また、表面の動的濡れ張力の測定は、ぬれ張力試験用混合液No.22.6〜No.73.0(和光純薬工業(株)製)を綿棒でサンプル表面に塗布し、塗布した液膜が10秒間弾かずに保持されているときの、濡れ張力試験用混合液の濡れ張力の値を濡れ張力(mN/m)とした。
鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準拠して、引っかき硬度(鉛筆法)試験器(コーテック(株)製)を用いて測定した。
500g荷重擦過試験
キムワイプに500gの荷重を掛け、サンプル表面上を10往復擦った後、表面の傷の有無を確認した。
薄膜の膜厚測定
薄膜測定装置F−20(FILMETRICS社製)、及び走査型電子顕微鏡S−3400NX((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定した。
全光線透過率、ヘイズ
デジタルヘイズメーターNDH−20D(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
分散液内の光触媒微粒子の粒子径分布
マイクロトラックUPA−EX(日機装(株)製)を用いて測定した。
光触媒活性の評価方法
メチレンブルーの1.0mmol/L水溶液をサンプルフィルムの光触媒薄膜上に塗布し、60℃で乾燥させることで該薄膜表面に充分量のメチレンブルーを吸着させた。その後、光触媒評価チェッカーPCC−2(アルバック理工(株)製)を用いて、メチレンブルー吸着面に於ける青色色素の吸光度(波長664nm)の減少を測定した。照射光条件は、紫外線(波長190〜400nm)は1mW/cm2、可視光(波長400〜600nm)は1mW/cm2とした。
測定結果を表1に示す。
Figure 0005434778
表面張力の濡れ張力試験は、綿棒にて塗布後10秒間液が後退せず、液膜として保持されている状態の時の値を示した。
表1の結果から、実施例1〜3の複合体が最も塗膜特性が良かった。また、光触媒の機能も維持できていた。比較例より、コロイダルシリカのみ、ペルオキソチタン酸のみで形成した塗膜は、耐傷性不足か濡れ性不足、色相変化が発生していた。

Claims (5)

  1. 光触媒粒子、水溶性カゴ型シルセスキオキサン、ペルオキソチタン酸及び溶媒のみからなる親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液であって、
    溶媒に光触媒粒子が分散され、かつカゴ型シルセスキオキサンの濃度が光触媒固形分に対して0.01〜100質量%であり、ペルオキソチタン酸の含有量が光触媒固形分に対して0.01質量%以上であることを特徴とする親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液。
  2. 光触媒固形分の濃度が0.01〜10質量%である請求項1記載の親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液。
  3. 上記光触媒粒子が、n型半導体である金属酸化物の結晶微粒子であることを特徴とする請求項1又は2記載の親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液。
  4. 水溶性カゴ型シルセスキオキサンがT3 8構造を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の親水性膜形成用カゴ型シルセスキオキサン−ペルオキソチタン複合体光触媒水性塗工液。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の水性塗工液を塗工することによって得られる塗膜。
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