JPH0655070A - 吸水剤、吸水剤の製造方法および吸水剤を用いた水分を含有する粉粒体の水分低減方法 - Google Patents

吸水剤、吸水剤の製造方法および吸水剤を用いた水分を含有する粉粒体の水分低減方法

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JPH0655070A
JPH0655070A JP5078567A JP7856793A JPH0655070A JP H0655070 A JPH0655070 A JP H0655070A JP 5078567 A JP5078567 A JP 5078567A JP 7856793 A JP7856793 A JP 7856793A JP H0655070 A JPH0655070 A JP H0655070A
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water
absorbing agent
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polymer
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JP5078567A
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English (en)
Inventor
Keizo Ukita
啓三 浮田
Shinji Hirota
伸二 弘田
Keita Nakano
景太 中野
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分を含有する粉粒体の水分低減に有用な吸
水剤、その製造方法およびその使用方法を提供する。 【構成】 イソブチレン−無水マレイン酸(1:1)共
重合体(分子量100000)の加水分解物のポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル(分子量529)
架橋物100部、水500部および磁性体500部を混
合して形成した含水ゲルを、温度150℃、60〜10
0mm水銀柱の減圧下で、ダルトン万能混合機を用い
て、300rpmで1時間、剪断力を与えながら乾燥し
て製造した吸水剤。該吸水剤は使用に際して粉砕して粒
径1.2〜2.4mmに分級し、次いで、水分含有量1
0%の粉炭100部に対して、吸水剤中の高吸水性樹脂
の量が1部になる量の吸水剤を混合し、その後磁石を用
いて吸水剤を分離回収することからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉粒体中に含まれる水
分を除去するのに使用する吸水剤、その製造方法および
その吸水剤を用いた水分を含有する粉粒体の水分低減方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コークス原料炭など粉粒体中に含
まれる水分は、間接加熱型乾燥機を用い、大量の原料炭
を加熱乾燥する方法によって低減された(特開昭58−
5389号公報、特開昭58−37082号公報、特開
昭58−37083号公報など)。この場合は、膨大な
熱量と巨大な乾燥設備が必要であり、また原料炭中の水
分が5%以下になると粉塵が発生し、作業環境の悪化な
どの問題が生じた。一方、原料炭を加熱乾燥によらずに
水分を低減させるには、高吸水性樹脂と磁性体とからな
る吸水剤を原料炭と混合し、水分を吸水剤に吸着させ、
次いで吸水剤を磁石を用いて分離回収し、乾燥後、再使
用する方法が用いられている(特開平3−134008
号公報)。この方法に使用する吸水剤は、一般に、高吸
水性樹脂と水と磁性体とを混合し、その後乾燥器を使用
して水分を除去して製造されていた。しかし、このよう
にして製造された吸水剤は強度が低く、繰り返して使用
するうちに崩れて磁性体が脱落するために、吸水剤の回
収率が低下してしまう。また、磁性体の含有量を増加す
ると、吸水剤が脆くなるなどの問題があった。さらに、
吸水剤を原料炭に混合して繰り返して使用した場合、吸
水剤の粒径が小さすぎると、水分を吸着した吸水剤を回
収する際に、吸水剤に付着する原料炭(以下、同伴石炭
と記す)の量が極端に増大し、吸水剤のみを分離して回
収することが困難になり、また、乾燥に多大な熱エネル
ギーが必要とされる場合が生じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような背
景のもと、繰り返して使用しても崩れることなく、ま
た、回収率が低下することのない吸水剤とその製造方法
およびその吸水剤を用いた水分を含有する粉粒体の水分
低減方法を提供するものである。本発明はまた、原料炭
と分離して回収する際に、同伴石炭の量が少ない吸水剤
の製造方法を提供するものである。本発明者らは、前記
従来技術の課題を解決すべく鋭意研究した結果、高吸水
性樹脂と水と磁性体とからなる含水ゲルを、高速度攪拌
器を用いて攪拌しながら乾燥することにより、強度が高
い吸水剤が得られることを見いだした。さらに、本発明
者らは、特定の値以下の粒径を有する吸水剤の量を減少
させることによって、同伴石炭量が減少することを見い
だし、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、下記(1)〜(9)が提供される。 (1)高吸水性樹脂と水と磁性体とからなる含水ゲルに
剪断力を与えながら乾燥することを特徴とする高吸水性
樹脂と磁性体とからなる吸水剤の製造方法。 (2)高吸水性樹脂と水と磁性体とからなる含水ゲルを
押し出し成形機内を通して押し出した後、ホットカット
法により造粒することを特徴とする高吸水性樹脂と磁性
体とからなる吸水剤の製造方法。 (3)含水ゲルが高吸水性樹脂100重量部に対して水
5〜3000重量部と磁性体100〜2000重量部と
を配合してなる前記(1)または(2)の吸水剤の製造
方法。 (4)含水ゲルが高吸水性樹脂100重量部に対して水
5〜3000重量部と磁性体100〜2000重量部お
よびゴム状重合体0.1〜25重量部とを配合してなる
前記(1)または(2)の吸水剤の製造方法。 (5)吸水剤が粒径1.2〜2.4mmの範囲のものを
95%以上含有するものである前記(2)の吸水剤の製
造方法。 (6)高吸水性樹脂がオレフイン−無水マレイン酸等モ
ル共重合体加水分解物を架橋したものである、前記
(1)ないし(5)の製造方法。 (7)高吸水性樹脂がN−置換(メタ)アクリルアミド
化合物の重合体または共重合体を架橋したものである、
前記(1)ないし(5)の製造方法。 (8)前記(1)ないし(7)の製造方法で製造した吸
水剤。 (9)前記(7)の吸水剤と水分を含有する粉粒体とを
接触させ、次いで磁気を用いて該吸水剤を粉粒体から分
離することを特徴とする水分を含有する粉粒体の水分低
減方法。
【0005】本発明で使用する高吸水性樹脂は、含水ゲ
ルを生成する有機高分子化合物であって、物理的または
化学的に三次元に架橋された高分子網目を有する水不溶
性の樹脂である。この樹脂の高分子網目内に水が吸着さ
れて、含水ゲルが生成する。高吸水性樹脂の吸水能力と
しては、その自重の5〜1000倍の蒸留水を吸収する
ことができれば、特に限定はされない。その例として
は、水溶性高分子化合物に、物理的または化学的架橋を
導入した化合物、あるいは、非水溶性高分子化合物を架
橋したのち、加水分解によって親水性部分を付与する方
法によって得られる化合物などを挙げることができる。
【0006】架橋を導入することができる水溶性高分子
化合物としては、公知の方法で合成されるものが使用で
き特に限定されないが、たとえば、でんぷん−アクリロ
ニトリル共重合体加水分解物、ポリアクリロニトリル加
水分解物、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニル−アク
リル酸塩共重合体加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸
エステル共重合体加水分解物、ビニルアルコール−アク
リル酸塩共重合体、ポリアクリル酸塩、あるいはオレフ
イン−無水マレイン酸共重合体加水分解物などが挙げら
れる。なかでもオレフイン−無水マレイン酸共重合体加
水分解物が好ましく、特に、イソブチレン−無水マレイ
ン酸等モル共重合体の加水分解物が好ましい。これらの
水溶性高分子化合物は、適当な方法で架橋することによ
り、高吸水性樹脂とすることができる。
【0007】水溶性高分子化合物に架橋を導入する方法
としては、高分子化合物に極性基を導入して、分子内ま
たは分子間に水素結合を生じさせる方法;高分子化合物
の合成時に多官能性架橋剤を用いる方法;高分子化合物
の含有する官能基間の反応による方法;放射線によって
架橋を行う方法;あるいは高分子化合物に疎水基または
結晶構造を導入する方法などが例示できる。
【0008】本発明で使用する高吸水性樹脂には、前記
樹脂の他に、感温吸脱水性樹脂を用いることができる。
ここで感温吸脱水性樹脂とは、物理的または化学的に三
次元に架橋された高分子網目内に水が吸着された含水ゲ
ルを生成する有機高分子化合物であって、臨界温度の前
後でその体積が2〜1000倍程度変化し、これにより
吸水および脱水を可逆的に繰り返す含水ゲルを生成する
ものである。臨界温度は該有機高分子化合物の架橋密度
等によって決まるが、通常は5〜90℃の範囲に存在す
る。具体例としてはN−置換(メタ)アクリルアミド化
合物および/またはビニルエーテル化合物の重合体また
は共重合体を三次元架橋したものが挙げられる。
【0009】N−置換(メタ)アクリルアミド化合物
は、そのアミド基の水素がアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルコキシ基等の有機基で置換されたもの
であって、具体的には、アルキル基で置換されたものと
してはN−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アク
リルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、
N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド等;アリー
ル基で置換されたものとしてはN−フエニル(メタ)ア
クリルアミド等;アラルキル基で置換されたものとして
はN−ベンジル(メタ)アクリルアミド等;アルコキシ
基で置換されたものとしてはN−イソプロポキシ(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられる。また、ビニルエー
テル化合物としてはメチルビニルエーテルが挙げられ
る。
【0010】N−置換(メタ)アクリルアミド化合物ま
たはビニルエーテル化合物と共重合する単量体として
は、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エス
テル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニ
ル、マレイン酸エステル等が挙げられる。これら共重合
性単量体は40モル%以下で、好ましくは、20モル%
以下の範囲で共重合することができる。さらに通常は、
N,N−メチレン−ビスアクリルアミド、エチレングリ
コールジメタアクリレート、グリセリントリアクリレー
ト、ジビニルベンゼン等の架橋性単量体を、0.1〜1
0モル%の範囲で共重合する。
【0011】なお、N−置換(メタ)アクリルアミド化
合物を単量体として得られる重合体または共重合体、お
よび、ビニルエーテル化合物を単量体として得られる重
合体または共重合体の架橋は、上記架橋性単量体を共重
合する方法によっても達成できるが、これらの重合体ま
たは共重合体を合成した後、適当な架橋剤によって架橋
する方法、γ線等の放射線を照射する方法等によって架
橋することも可能である。N−置換(メタ)アクリルア
ミド化合物またはビニルエーテル化合物を重合するには
従来公知の方法を用いることができ特に限定されない
が、通常は、有機または無機過酸化物等のラジカル開始
剤を用いてラジカル重合する方法が用いられる。
【0012】本発明で使用する磁性体は、磁性を有する
物質の粉末であれば特に限定されないが、例えば純鉄の
粉末、あるいはFe−Ni、Fe−Si、Fe−Al、
Fe−Coのような鉄合金の粉末、またはα−Fe
23、Fe34のような酸化磁性材料の粉末などが挙げ
られ、弱磁性体よりも強磁性体が好ましい。磁性体の使
用量は、吸水剤に使用される高吸水性樹脂100重量部
に対して、磁性体5〜3000重量部であって、好まし
くは100〜2000重量部である。磁性体の使用量が
5重量部未満では、水分を吸着した吸水剤を磁石によっ
て粉粒体から分離することが困難になり、また、100
0重量部を超えると磁性体の脱落する量が増加するので
好ましくない。
【0013】本発明で製造する吸水剤は、含水ゲルに必
要に応じてゴム状重合体を混合することによって吸水剤
としての強度を向上させることができる。ゴム状重合体
は、室温においてゴム状態であって、数平均分子量が1
0000以上の重合体であれば特に限定されないが、た
とえば、共役ジエン系重合体、不飽和カルボン酸と不飽
和カルボン酸エステルとのゴム状重合体等が挙げられ
る。具体的には、共役ジエン系重合体としては、ポリブ
タジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレン
ゴム、ポリ(2,3-ジメチルブタジエン)、ポリ(1,3-ペ
ンタジエン)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、
ポリ(α−メチルスチレン/ブタジエン)ゴム状共重合
体等;不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルと
のゴム状重合体としては、アクリルゴム等が挙げられ
る。さらに、その他のゴム状重合体としてはシリコンゴ
ム、エピクロルヒドリン系ゴム等が挙げられる。また、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン
−イソプレンブロック共重合体ゴム等の熱可塑性エラス
トマー、さらに、天然ゴムを用いることも可能である。
ゴム状重合体の中でも、ガラス転移温度が−20℃以下
のゴム状重合体が好ましく、高吸水性樹脂および磁性体
と良好な混合物を形成することができる。また、ガラス
転移温度を2個以上有するブロック共重合体の場合は、
そのうちの少なくとも1つのガラス転移温度が−20℃
以下であることが好ましい。ゴム状重合体の使用量は特
に制限されないが、通常は高吸水性樹脂100重量部に
対して0.1〜25重量部、好ましくは1〜10重量部
である。
【0014】本発明は、高吸水性樹脂と水と磁性体とか
ら成る含水ゲルを製造し、次いで該含水ゲルに剪断力を
与えながら乾燥することからなる吸水剤の製造方法を提
供するものである。含水ゲルを製造するときに必要な水
の量は、通常は、高吸水性樹脂100重量部に対して1
00〜2000重量部である。含水ゲルを製造する方法
は、高吸水性樹脂の高分子網目に水を吸着させ、次いで
磁性体を混合する方法;高吸水性樹脂と水と磁性体と
を、一括して混合する方法;または水溶性高分子化合物
の水溶液中に磁性体を添加して混合し、次いで適当な方
法で該水溶性高分子化合物を架橋する方法;重合性単量
体と磁性体とを混合し、次いで該単量体を重合して水溶
性高分子化合物を合成した後、該水溶性高分子化合物を
架橋する方法等が挙げられる。また、必要に応じてゴム
状重合体を混合する場合は、前記含水ゲルを製造する方
法において、高吸水性樹脂および磁性体と適宜混合す
る。なお、ゴム状重合体がゴム系ラテックスの場合は、
高吸水性樹脂および磁性体との混合状態が特に良好な吸
水ゲルが得られる。
【0015】磁性体および必要に応じてゴム状重合体を
含有した含水ゲルは、剪断力を与えながら乾燥する。剪
断力を与える方法は特に限定されないが、通常は、高速
度攪拌装置を用いて該含水ゲルを攪拌する方法、ニーダ
ーまたはブラベンダーを用いて該含水ゲルを混練する方
法、該含水ゲルを押出し成形機内を通して押し出す方
法、ロールを用いて該含水ゲルを練る方法などが挙げら
れる。剪断力を与える条件は使用する装置、含水ゲルの
量によって、適宜選択することができるが、例えば、高
速度攪拌装置としてダルトン混合機を使用する場合は、
含水ゲル量50〜400グラムのとき、攪拌翼回転数5
0〜500rpm;ヘンシエル混合機の場合、含水ゲル
量1〜20キログラムのとき、攪拌翼回転数500〜6
000rpm;押し出し機の場合は、含水ゲル1〜20
キログラムのとき、回転数10〜50rpm、圧縮比
1.5〜3;ニーダーの場合、含水ゲル1〜5キログラ
ムのとき、回転数20〜50rpmなどである。乾燥は
含水ゲルに剪断力を与えるのと同時に、含水ゲルを10
0℃〜200℃に保つことによって行う。このとき、減
圧状態に保ちながら剪断力を与えることによって、効率
よく含水ゲルの乾燥を行うことができ、また、吸水剤の
強度をさらに向上させることができる。乾燥時間は、通
常は0.5〜3時間である。
【0016】本発明で製造する吸水剤は粉砕して適当な
大きさに調整する。吸水剤の大きさは、通常は粒径0.
5〜5mmであって、好ましくは粒径1〜3mmであ
り、さらに好ましくは粒径1.2〜2.4mmである。
吸水剤の粒径が小さすぎると、充分な量の磁性体を含有
することが出来なくなり、水分を吸着した吸水剤を磁気
によって粉粒体から分離することが出来なくなる。ま
た、大きすぎると、粉粒体と吸水剤との接触効率が低下
するので好ましくない。
【0017】本発明で製造する吸水剤はまた、磁性体お
よび必要に応じてゴム状重合体を含有した含水ゲルを押
し出し成形機内を通して押し出す方法によって剪断力を
与えながら乾燥した後、ホットカット法により粒径を均
一に造粒して製造することができる。かかる造粒の方法
は特に限定されないが、通常は、該含水ゲルを一軸また
は二軸の押し出し成形機内を通して押し出した後、押し
出し機先端に数十〜数百個のノズルを有するダイスを取
り付け、ノズルから押し出される吸水剤をダイス表面で
回転している2〜4枚のカッター刃で切断しペレット化
する。ペレット化された吸水剤はベルト方式または強制
的に空気輸送することによって空冷する。このようなホ
ットカット法によって、本願発明で製造する吸水剤の粒
径を均一にすることができ、たとえば、粒径1.2〜
2.4mmの範囲の大きさのものを95%以上含有する
吸水剤を容易に得ることができる。粒径が1.2mm以
下のものを多量に含有する吸水剤を水分を含む粉炭と混
合すると、吸水剤と粉炭との接触効率が向上するもの
の、回収した吸水剤を繰り返して使用した場合は吸水剤
に付着する同伴石炭の量が急激に増大し、そのことによ
って、吸水剤の分離に時間がかかり、また、乾燥に多大
な熱エネルギーを費やすことから、ホットカット法は粒
径の小さい吸水剤の含有率を低減し、均一なものが得ら
れる点で特に有用である。
【0018】本発明で製造した吸水剤を用いて粉粒体の
水分を低減させる方法は、まず、粉粒体と吸水剤とを混
合し、水分が吸水剤に吸着するのに充分な時間接触させ
る。接触時間はとくに限定されないが、通常は3分以上
4時間以下、好ましくは30分〜2時間である。次いで
磁気を用いて、吸水剤を粉粒体から分離する。分離回収
した吸水剤は、加熱乾燥機などを用いて水分を除去し、
繰り返して使用することが出来る。このときの粉粒体と
接触させる吸水剤の量は、吸水剤中の高吸水性樹脂の量
が、粉粒体中の水分を充分吸着できる量以上であれば特
に限定されないが、通常は粉粒体100重量部に対し
て、吸水剤中の高吸水性樹脂0.005重量部以上25
重量部以下であり、好ましくは、1〜10重量部であ
る。このとき使用する磁気は、粉粒体の量、形状等によ
り任意に選択されるが、通常は電磁吊下磁選機、永磁吊
下磁選機、電磁ドラム、電磁プーリー、マグネットコン
ベア、電磁丸型等の一般に用いられている磁選機等の磁
石を用いることが出来る。本発明で製造した吸水剤を用
いて、水分を低減させることが出来る粉粒体には、例え
ば、アルミナ、けい砂、砕石、クレー、タルク、セメン
ト、カーボンブラック、活性汚泥、石炭あるいは木屑な
どが挙げられるが、さらに、磁性のある粉粒体には適用
できないが、食品、化学、製紙、金属鉱山、鋳造、窯業
など広い分野に適用が可能である。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。実施例中の部および%は重量基準である。ま
た、実施例中の粉炭の残留水分、粉炭の嵩密度、吸水剤
の回収率、磁石、磁性体は下記の通りである。 (粉炭の残留水分) 粉炭をオーブン中、107℃で1時間乾燥し、この時の
重量減少量と、その乾燥前重量との比を求めた。 (粉炭の嵩密度) 500ccの粉炭の室温における重量を測定して求め
た。 (吸水剤の回収率) 元素分析により求めた。 (磁石) マグネチックベースMB−BV(鐘通工業株式会社製) (磁性体) 鉄粉(200メッシュ透過率90%以上)
【0020】(実施例1〜5、比較例1〜5)イソブチ
レン−無水マレイン酸(1:1)共重合体(分子量10
0000)の加水分解物のポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル(分子量529)架橋物100部、水
500部および表1に示した部の量の磁性体を混合して
形成した含水ゲルを、温度150℃、60〜100mm
水銀柱の減圧下で、ダルトン万能混合機を用いて、30
0rpmで1時間、剪断力を与えながら乾燥して吸水剤
をそれぞれ製造した。製造した吸水剤はそれぞれ粉砕し
て、ふるい分けによって、粒径1.2〜3.4mmに分
級し、粉炭(水分含有量10%、粒径3mm以下の粒子
含有率75%)と混合した後磁石を用いて吸水剤を回収
し、粉炭中の水分量、粉炭の嵩密度、吸水剤の回収量を
測定した。吸水剤は、粉炭100部に対して、吸水剤中
の高吸水性樹脂の量が1部になる量を粉炭と混合した。
また、含水ゲルを150℃、3時間で、剪断力を与えず
に加熱乾燥して製造し、粉砕して粒径を調整した吸水剤
を用いて、粉炭中の水分を低減し、比較例とした。結果
を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から、本発明で製造した吸水剤は、吸
水剤の強度が向上したことによって細分化することが抑
えられ、吸水剤の回収率が低下することなく、また、粉
炭中の残留水分は効率良く低減され、粉炭の嵩密度を向
上させる。また、磁性体の含有量を大幅に増加できるこ
とがわかる。
【0023】(実施例6、比較例6)実施例3と比較例
3とで製造した吸水剤を、水分を含有する粉炭に混合後
回収して乾燥し、再度繰り返して使用したときの、粉炭
中の水分量、粉炭の嵩密度、吸水剤の回収量を測定し
た。結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2から、本発明で製造した吸水剤は、吸
水剤の強度が向上したことによって繰り返して使用して
も、細分化することなく、粉炭中の残留水分は効率良く
低減され、粉炭の嵩密度を向上させる。
【0026】(実施例7、比較例7)ポリアクリル酸の
ナトリウム塩架橋物100部、水500部および磁性体
500部を混合して形成した含水ゲルを、温度150
℃、60〜100mm水銀柱の減圧下で、ヘンシエル混
合機を用いて、3000rpmで30分間攪拌後、さら
に、押出し機を用いて、回転数30rpm、圧縮比2.
0の条件で押し出して吸水剤を製造した後粉砕し、実施
例6と同様に、水分を含有する粉炭に混合後回収して乾
燥し、再度繰り返して使用したときの、粉炭中の水分
量、粉炭の嵩密度、吸水剤の回収量を測定した。また、
含水ゲルを150℃、3時間で、剪断力を与えずに加熱
乾燥して製造し、粉砕して粒径を調整した吸水剤を用い
て、粉炭中の水分を低減し、比較例とした。結果を表3
に示す。
【0027】
【表3】
【0028】表3から、本発明で製造した吸水剤は、吸
水剤の強度が向上したことによって細分化することが抑
えられ、吸水剤の回収率が低下することなく、また、粉
炭中の残留水分は効率良く低減され、粉炭の嵩密度を向
上させる。また、磁性体の含有量を大幅に増加できるこ
とがわかる。
【0029】(実施例8、比較例8)実施例3で使用し
た水500部および磁性体500部を含有する含水ゲル
を、二軸押し出し機(PCM−45 池貝機販(株)
製)を用いて、回転数40rpm、押し出し量26.2
kg/hr、100℃の条件で押し出し機内を通した
後、φ3×16個のダイスから押し出した吸水剤を、1
00rpmで回転する2枚のカッター刃を使用して切断
し、ペレット化した吸水剤を製造した。得られた吸水剤
は粒径1.2〜2.4mmのものの含有率が97%、粒
径1.2mm以下のものが1%、粒径2.4mm以上の
ものが2%であった。また、同じ含水ゲルを温度150
℃、60〜100mm水銀柱の減圧下で、ダルトン万能
混合機を用いて、300rpmで1時間、剪断力を与え
ながら乾燥した後粉砕し、粒径1.2mm以下のものの
含有率が40%、粒径1.2〜2.4mmのもののが5
0%、粒径2.4mm以上のものが10%含有する吸水
剤も製造し比較例とした。これらの吸水剤は、粉炭(水
分含有量10%、粒径3mm以下の粒子含有率75%)
と混合した後磁石を用いて吸水剤を回収し、粉炭中の水
分量、粉炭の嵩密度、吸水剤の回収量を測定した。吸水
剤は、粉炭100部に対して、吸水剤中の高吸水性樹脂
の量が1部になる量を粉炭と混合した。結果を表4に示
す。
【0030】
【表4】
【0031】表4の結果から、ホットカット法により製
造した吸水剤を用いた場合は、吸水剤は効率良く回収で
きるのに対して、粒径1.2mm以下のものを多量に含
有する吸水剤を用いた場合は粉炭の残留水分は低減され
るものの、繰り返して使用すると同伴石炭量が増大し、
吸水剤の回収効率が低下することが分かる。
【0032】
【発明の効果】かくして本発明によれば、繰り返して使
用しても崩れることなく、また、回収率が低下すること
のない吸水剤の製造方法が得られる。また、本発明によ
れば繰り返して使用しても吸水剤に付着する同伴石炭等
の量を低減することができる吸水剤を得ることができ
る。該吸水剤を使用することによって、粉体等中の水分
を効率良く低減することができ、再使用する吸水剤の乾
燥に多大な熱エネルギーを必要としない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 3/20 Z 9268−4F C08K 3/00 KAA 7242−4J C08L 101/00 F26B 5/16 9140−3L 21/00 G 9140−3L

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸水性樹脂と水と磁性体とからなる含
    水ゲルに剪断力を与えながら乾燥することを特徴とする
    高吸水性樹脂と磁性体とからなる吸水剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 高吸水性樹脂と水と磁性体とからなる含
    水ゲルを押し出し成形機内を通して押し出した後、ホッ
    トカット法により造粒することを特徴とする高吸水性樹
    脂と磁性体とからなる吸水剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 含水ゲルが高吸水性樹脂100重量部に
    対して水5〜3000重量部と磁性体100〜2000
    重量部とを配合してなる請求項1または請求項2の吸水
    剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 含水ゲルが高吸水性樹脂100重量部に
    対して水5〜3000重量部と磁性体100〜2000
    重量部およびゴム状重合体0.1〜25重量部とを配合
    してなる請求項1または請求項2の吸水剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 吸水剤が粒径1.2〜2.4mmの範囲
    のものを95%以上含有するものである請求項2の吸水
    剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 高吸水性樹脂がオレフイン−無水マレイ
    ン酸等モル共重合体加水分解物を架橋したものである、
    請求項1ないし請求項5の製造方法。
  7. 【請求項7】 高吸水性樹脂がN−置換(メタ)アクリ
    ルアミド化合物の重合体または共重合体を架橋したもの
    である、請求項1ないし請求項5の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7の製造方法で製
    造した吸水剤。
  9. 【請求項9】 請求項7の吸水剤と水分を含有する粉粒
    体とを接触させ、次いで磁気を用いて該吸水剤を粉粒体
    から分離することを特徴とする水分を含有する粉粒体の
    水分低減方法。
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