JPH09202651A - 親水性被膜及びその形成法 - Google Patents

親水性被膜及びその形成法

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JPH09202651A
JPH09202651A JP1060196A JP1060196A JPH09202651A JP H09202651 A JPH09202651 A JP H09202651A JP 1060196 A JP1060196 A JP 1060196A JP 1060196 A JP1060196 A JP 1060196A JP H09202651 A JPH09202651 A JP H09202651A
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hydrophilic
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petal
group
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JP1060196A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Minami
努 南
Seiji Tadanaga
清治 忠永
Hiroshi Inaba
博司 稲葉
Akira Yuasa
章 湯浅
Yoshinori Akamatsu
佳則 赤松
Hideki Yamamoto
秀樹 山本
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手軽に容易な膜形成手段で安価に効率よく得
られ、制御した特異な形状等を有する頑固な中間層に親
水性膜が被覆含浸され、表層表面の凹凸形状と親水性膜
の相乗効果で格段にその性能を発揮し、透明で光学特性
を損なわず、長期に亘り高親水性を持続し、耐久性、耐
熱性等が優れる親水性被膜を得る。 【解決手段】 基体上に形成した花弁状透明アルミナ膜
と、該花弁状透明アルミナ膜上に被覆した親水膜とでな
ることを特徴とする親水性被膜。ならびにその形成法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、格段の親水性能を
示すことはもとより、耐熱性や耐候性等耐久性に優れた
親水性被膜及びその形成法に関し、高い防曇機能を有す
る車輌用、船舶用、航空機用あるいは建築用等の内外ウ
インドウガラスやミラーガラスや装飾用ガラス、あるい
は各種建築材や建装材などとして広く使用可能である有
用な親水性被膜及びその形成法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば建築用および自動車用の
窓や眼鏡および写真機のレンズやミラ−等各種ガラス製
品をはじめ、金属やプラスチツク等の各種建築建装資材
等の表面において、表面温度が露点温度以下になった場
合には、これらの表面に空気中の水分が凝縮して微小な
水滴が付着し曇りを発現することとなる。このことが生
活する上で安全上の障害、不快感の起因等となってお
り、人的物的あるいは環境的な面からも、該曇り現象の
改善が求められている。
【0003】そのなかで、従来から透明ガラス等透明基
材の曇り現象を、接触角を小さくすることまたは吸水性
を持たせることで、低減あるいは防止をしようとする2
層でなるものが種々提案されている。
【0004】例えば、特開昭59-179627 号公報には、分
子内にシリル基を有する変性ポリビニルアルコ−ルまた
はこれと無機物よりなる防曇性処理剤で透明性材料の表
面を被覆した後、親水性化合物を該被覆膜に含浸させる
透明性材料の防曇方法が記載されており、無機物が平均
粒子径200mμ以下の微粒子であって、例えばコロイダル
シリカ、コロイダルアルミナであること、透明性材料が
無機ガラス、例えば自動車やビル等の窓ガラス、浴室の
鏡等であること、親水性化合物としては低分子界面活性
剤, 多価アルコ−ルあるいは水溶性ポリマ−よりなる群
から選ばれる1種または2種以上のものであって、ノニ
オン性あるいはアニオン性低分子界面活性剤またはイオ
ン性親水基を有する変性PVA 等が好ましいものであるこ
と等が記載されている。
【0005】また例えば、特開昭61-91042号公報には、
ガラス表面上に所定の厚さで表面に微細な凹凸を有する
シリカ、チタニア等の無機酸化物の薄膜を形成した防曇
ガラス。ならびにガラス表面上に所定の厚さでシリカ、
チタニア等の無機酸化物の薄膜をスパッタリングにより
形成し、次いで該薄膜の表面を弗化水素酸等の腐蝕剤を
用いて所定条件で化学腐蝕する防曇ガラスの製造方法が
記載されており、SiO2のスパッタ成膜中のガラス板温度
が高い方が、また成膜中のアルゴンガス圧力の高い方が
腐蝕後の水滴との接触角が小さく、よく濡れ、接触角が
16°以下のものは実質上滴状ではなくて平らで視認性に
問題がないことが記載されている。
【0006】さらに例えば、接触角が3°の時曇価が7
〜8%、接触角が5〜1°の時曇価が3〜4%、接触角
が8°の時曇価が0.15〜0.1 %、接触角が21°の時曇価
が0.15〜0.1 %である等、弗化水素酸水溶液の濃度と浸
漬時間によって変わることが記載されている。
【0007】また例えば、特開昭64-14129号公報には、
透明基板上に少なくとも紫外及び/または赤外線反射特
性を有する透明膜を形成し、更にその上に透明親水性膜
を形成した透明膜付きガラス及びガラスへの透明膜形成
方法が記載されており、紫外及び/または赤外線反射特
性を有する透明膜がIn2O3 、SnO2、Sb2O3 の群から選ば
れる2以上の混合超微粒子であり、透明親水性膜が親水
基を有する超微粒子、特にSiO2粉で構成されること、ま
たガラスが車両用フロントガラス、窓ガラス、眼鏡、バ
ックミラ−、鏡であり、空調用窓ガラスとして冷房時の
エアコンの能力を大幅に低減できるとともに曇り防止も
でき、暖房時には導電性を有して面ヒ−タとして用い、
霜や露を効率よく除去できることが記載されている。
【0008】また例えば、特公平1-58481 号公報には、
分相したガラスを酸処理して作製される連続した細孔を
有する多孔性ガラスに親水性単量体を含浸させた後、前
記親水性単量体を重合させる防曇レンズの製造方法が記
載されており、多孔性ガラスと親水性プラスチツクから
なり、多孔性ガラスが50〜2000Åの孔径を有して表面か
ら同一表面あるいは他の表面に連なる抜け孔状の連続し
た細孔であり、親水性単量体がアクリル酸、モノアクリ
レ−ト酸、ジアクリレ−ト類、ジメタクリレ−ト類等で
あることが記載されている。
【0009】また例えば、特開平2-311333号公報には、
表面に金属酸化物層が形成されたガラス基材の表面を、
水酸基を一個以上有し、かつ水酸基以外の官能基を有す
る脂肪族炭化水素及び/又は水酸基を三個以上有し、か
つ水酸基以外の官能基を有しない脂肪族炭化水素(親水
性有機物)を含有する処理液で処理する工程、を包含す
る防曇ガラスの製造方法が記載されており、金属酸化物
層が例えばゾルゲル法、スパッタリング法、CVD 法等で
成膜したSiO2、Al2O3 、SnO2、TiO2、ZnO 、Ta 2O5 、Zr
O2等であることが記載されている。
【0010】また例えば、特開平2-175784号公報には、
基材上に、下記AおよびB成分を主成分としてなる硬化
被膜層を少なくとも1層設け、次いで有機物含有硬化性
物質からなる層を最上層として設けてなる防曇性物品。
Aが親水性樹脂、Bが一般式R1R2 a SiX3-aで表される有
機ケイ素化合物、その加水分解および平均粒子径が5〜
200 m μのコロイド状シリカから選ばれる少なくとも1
種(ここで、R1は炭素数1〜10の有機基、R2は炭素数1
〜6の炭化水素基、Xは加水分解性基であり、aは0ま
たは1である)が記載されており、有機物含有硬化性物
質としては室温硬化型あるいは低温硬化型の有機ポリシ
ロキサン系重合物、なかでもポリジメチルシロキサン系
重合物、例えば末端にシラノ−ル基を有するポリジメチ
ルシロキサン、他にはフッ素含有化合物、例えばパ−フ
ルオロ基含有(メタ)アクリレ−トを含むポリマ−およ
び他のモノマ−との共重合体であること、タック性(す
べり性)に優れた高い表面硬度を有して耐久性に優れ窓
ガラス、フロントやリヤ−等の自動車用窓ガラスに使用
されることが記載されている。
【0011】また例えば、特開平3-23940 号公報には、
無機ガラス基板からなるウィンド−の車内側の全面もし
くはその1部に表面処理層を設け、さらにその表面に防
曇性被膜を設けてなる防曇性を有する自動車用ウインド
−が記載されており、無機ガラスが強化ガラスであり、
表面処理層が(メタ)アクリルシラン系重合体の層であ
り、好ましくは有機ケイ素含有プライマ−、シラノ−ル
基を官能基として有するものであり、防曇性被膜として
は防曇性と表面硬度を有するものであり、親水性樹脂の
三次元架橋された材料であって、該親水性樹脂がヒドロ
キシアルキルセルロ−ズ等であり、また微粒子状シリカ
等の添加も表面硬度向上剤として適用されること等が記
載されている。
【0012】さらに例えば、日本化学会誌、1992,(12),
1511〜1514には、ゾル−ゲル法によるスポンジ状アルミ
ナ薄膜の調製が記載されており、硝酸アルミニウム九水
和物を用いてアルミナ薄膜を形成し、該アルミナ薄膜を
熱水中で処理したのち、焼成することで表面構造がスポ
ンジ状に変化し、100 〜200nm の細孔でかつ長さ50〜10
0nm 、幅5nm 前後の繊維状微粒子が連結した集合体から
構成されたスポンジ状アルミナ薄膜が記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したような例え
ば、特開昭59-179627 号公報に記載の透明性材料の防曇
方法では、膜表面が平坦であり、水ぬれ性、持続的防曇
性、接着性、吸水時の表面硬度が未だ充分ではなく、特
に長期間の使用に充分優れた状態であるものとは言い難
いものである。
【0014】また例えば、特開昭61-91042号公報に記載
の防曇ガラス及びその製造方法では、所定の厚さのシリ
カ、チタニア等の無機酸化物の薄膜の表面を酸エッチン
グして微細な凹凸を形成することで接触角の低減を図ろ
うとするものであって、必ずしも安全性が高く簡便な作
業とは言い難い酸エッチングを行う必要があり、しかも
例えば接触角が約5°程度で曇価が1%以下のような高
親水性で優れた透視性とは成り難いものである。
【0015】また例えば、特開昭64-14129号公報に記載
の透明膜付きガラス及びガラスへの透明膜形成方法で
は、例えば膜表面が平坦であり、充分な接着性をもって
よく透明親水性膜を保持することができるものでは必ず
しもなく、特に長期間の使用に充分優れた防曇性にある
ものとは言い難いものである。
【0016】また例えば、特公平1-58481 号公報に記載
の防曇レンズの製造方法では、優れた防曇性と長期間の
使用に耐え得る耐久性を有するものの、ガラスが分相可
能な特殊ガラス成分組成とし、しかも酸処理を行うこと
が必要であり、また不活性ガス、例えば窒素ガスやヘリ
ウム等の希ガス雰囲気中で加熱または紫外線照射等の手
段で多孔ガラスに含浸させた親水性単量体を重合するこ
とが必要である等必ずしも安全で簡便な作業ではなく、
通常の市販されているソ−ダ石灰シリカ系ガラス、特に
フロ−ト板ガラスには適用し難いものである。
【0017】また例えば、特開平2-311333号公報に記載
の防曇ガラスの製造方法では、例えば膜表面が平坦であ
り、しかも耐熱性があるものとは言い難く、特に長期間
の使用に充分優れた防曇性にあるものとは言い難いもの
である。
【0018】また例えば、特開平2-175784号公報に記載
の防曇性物品では、例えば膜表面が平坦であり、しかも
保護膜を必要とするものであり、水ぬれ性、持続的防曇
性等、特に長期間の使用に充分優れた防曇性にあるもの
とは言い難いものである。
【0019】また例えば、特開平3-23940 号公報に記載
の防曇性を有する自動車用ウインド−では、例えば膜表
面が平坦であり、特に長期間の使用に充分優れた防曇性
にあるものとは言い難いものである。
【0020】また例えば、前記日本化学会誌に記載され
たスポンジ状アルミナ薄膜では、孔状空隙や表面凹凸の
サイズが大きくかつその繊維状微粒子が連結した集合体
から構成されたスポンジ状ではその形状特性が不充分で
あって、例えば下地層膜として必ずしも充分その性能を
発揮し難い等の課題がある。
【0021】そこで、本発明の主な課題としては、その
特異な空隙とその特異な形状の集合体化とし、かつ比表
面積を高めるようより制御した透明アルミナ膜として、
下地層膜としてよりその機能と性能を発揮しかつより実
用化の実効をもたらすものとしたなかで、その上に親水
膜を被覆形成し、親水膜の含浸性、担持性あるいは拘持
性の性能を高めることを同時にもたらし、表層表面の特
異な凹凸状を活かして相乗効果を発現せしめ、より優れ
た高親水性被膜をより安定した状態で得ることにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
課題に鑑みてなしたものであって、基体上に、例えばガ
ラス基板上に、親水膜の含浸性、担持性あるいは拘持性
の性能を高めることができる、その特異な空隙とその特
異な形状の集合体化とするようより制御した微細でしっ
かりしかつ比表面積を高めた花弁状形状を呈する透明ア
ルミナ膜を下地層膜として形成し、その上に、親水膜を
被覆するよう被膜することにより、親水膜の含浸性、担
持性あるいは拘持性の性能を高めると同時に、表層表面
の特異な凹凸状を活かして相乗効果を発現せしめ、高親
水性被膜をもたらして格段にその性能を発揮することと
なり、透明で光学特性を損なうことなく、かつ硬さも向
上し、持続性、耐熱性あるいは耐候性等が優れたものと
なり、優れた防曇性を有するものであって、建築建装用
もしくは自動車用等の窓材、各種膜付きガラス物品ある
いは各種建築資材用等において有用な親水性被膜及びそ
の形成法を提供するものである。
【0023】すなわち、本発明は基体上に形成した花弁
状透明アルミナ膜と、該花弁状透明アルミナ膜上に被覆
した親水膜とでなることを特徴とする親水性被膜。なら
びに、前記花弁状透明アルミナ膜が、アルミニウムアル
コキシドと安定化剤から少なくともなる塗布液で被膜を
乾燥し熱処理して成膜したアモルフアスアルミナ膜を、
熱水処理し、乾燥、焼成したことでなる花弁状の透明ア
ルミナ膜であることを特徴とする上述した親水性被膜。
【0024】また、前記花弁状透明アルミナ膜が、該花
弁状透明アルミナ膜の中心線平均粗さを面拡張した平均
面粗さRa’値が17nm以上、かつ比表面積 SR が1.5 以上
であることを特徴とする上述した親水性被膜。
【0025】さらに、前記親水膜が、シリカ系薄膜であ
ることを特徴とする上述した親水性被膜。さらに、前記
シリカ系薄膜が、R1 a R2 b R3 c SiX 4-a-b-c 〔R1,R2
R3:脂肪族炭化水素基および/あるいは芳香族炭化水素
基。a,b,c:0〜3。a+b+c:0〜3。 X:水酸基
または加水分解性官能基〕を主成分としてなる塗布溶液
を塗布し、加熱処理した被覆膜であることを特徴とする
上述した親水性被膜。
【0026】さらにまた、前記基体が、透明ガラス基板
であることを特徴とする上述した親水性被膜。また、基
体上に、アルミニウムアルコキシドと安定化剤から少な
くともなる塗布液を塗布し、乾燥、焼成をしてアモルフ
アスアルミナ膜を成膜し、次いで該アモルフアスアルミ
ナ膜に熱水処理をし、乾燥、焼成して花弁状透明アルミ
ナ膜を形成した後、その上に、R1 a R2 b R3 c SiX
4-a-b-c 〔R1,R2,R3:脂肪族炭化水素基および/ある
いは芳香族炭化水素基。a,b,c:0〜3。a+b+c :
0〜3。 X:水酸基または加水分解性官能基〕を主成分
としてなる塗布溶液を塗布し、加熱処理して親水膜を被
覆形成したことを特徴とする親水性被膜の形成法。
【0027】さらに、前記塗布溶液が、4官能性シラン
(SiX4、X :加水分解性官能基でハロゲン原子、アルコ
キシ基、イソシアネ−ト基、アミド基、アミノ基)を主
成分とする塗布溶液であることを特徴とする上述した親
水性被膜の形成法。
【0028】さらにまた、前記基体が、透明ガラス基板
であることを特徴とする上述した親水性被膜の形成法を
それぞれ提供するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】ここで、前記したように、基体上
に形成した花弁状透明アルミナ膜と、該花弁状透明アル
ミナ膜上に被覆した親水膜とでなる親水性被膜としたの
は、その特異な空隙とその特異な形状の集合体化にしか
つ比表面積を高めるようより制御した透明アルミナ膜と
して、下地層膜としてよりその機能と性能を発揮しかつ
より実用化の実効をもたらすものとしたなかで、その上
に親水膜を被覆形成し、親水膜の含浸性、担持性あるい
は拘持性の性能を高めることを同時にもたらし、表層表
面の特異な凹凸状を活かして相乗効果を発現せしめ、よ
り優れた高親水性被膜をより安定した状態で得ることに
ある。
【0030】下地層膜としての花弁状透明アルミナ膜と
しては、アルミニウムアルコキシドと安定化剤から少な
くともなる塗布液で被膜を、例えば約600 ℃以下で乾燥
し熱処理して成膜したアモルフアスアルミナ膜を、熱水
処理し、乾燥、焼成したことでなる花弁状の透明アルミ
ナ膜であって、該花弁状透明アルミナ膜の中心線平均粗
さを面拡張した平均面粗さRa’値が17nm以上、かつ比表
面積S R が1.5 以上である。
【0031】前記アルミニウムアルコキシドとしては、
例えばアルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロ
ポキシド、アルミニウム-n- ブトキシド、アルミニウム
-sec- ブトキシド、アルミニウム-tert-ブトキシド、ア
ルミニウムアセチルアセトナ−トなどが挙げられる。
【0032】また、前記安定化剤としては、例えばアセ
チルアセトンやアセト酢酸エチル等のβ- ジケトン類、
モノエタノ−ルアミンやジエタノ−ルアミンやトリエタ
ノ−ルアミン等のアルカノ−ルアミン類、さらに一般的
な金属アルコキシドの安定化剤などが挙げられる。
【0033】また、希釈溶媒としては、例えばメチルア
ルコ−ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、ブ
チルアルコ−ル、さらに一般的なゾルゲル法において用
いられる希釈溶媒などが挙げられる。
【0034】また、前記アルミニウムアルコキシドと安
定化剤から少なくともなる塗布液としては、アルミニウ
ムアルコキシドが空気中の水分とすばやく反応ゲル化し
白濁化するのに対し、これを防止する効果がある例えば
β- ジケトン類やアルカノ−ルアミン類等の安定化剤を
例えばモル比で約1以上を加え、各種アルコ−ル等の希
釈溶媒で塗布し易い濃度まで、例えばディッピング法に
よる塗布では希釈アルコ−ルのアルミニウムアルコキシ
ドの比はモル比で約10以上、好ましくは約20以上である
等に希釈し、少量の水を触媒として加えることで塗布液
とした。
【0035】なお、好ましい混合割合としては、モル比
で、例えばアルミニウムアルコキシド:希釈溶媒:安定
化剤:水=1:10〜100 :0.5 〜2 :0 〜5 である。ま
たなお、その各原料の添加混合する塗布液の調製につい
ては、例えば後述する実施例1のようにする。
【0036】さらに、親水膜用の親水剤としては、例え
ばR1 a R2 b R3 c SiX 4-a-b-c 〔R1,R2,R3:脂肪族炭化
水素基および/あるいは芳香族炭化水素基。a,b,
c:0〜3。a+b+c :0〜3。 X:水酸基または加水分
解性官能基(ハロゲン原子、アルコキシ基、イソシアネ
−ト基)〕で表される化合物であり、例えば a+b+c=0の
4官能性シランの場合は室温または/および焼成により
シリカ系薄膜となり、また例えば a+b+c=1,2,3(R がメ
チル基、エチル基、フェニル基など)の場合は膜を高温
で焼成することにより炭化水素基:R を焼成・酸化させ
ることでシリカ系薄膜とすることができる。
【0037】具体的には例えば、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラ-n- プロポキシシラ
ン、テトラ-iso- プロポキシシラン、テトラ-n- ブトキ
シシラン、テトラ-sec- ブトキシシラン、テトラ-tert-
ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなど。またテ
トラクロロシラン、テトライソシアネ−トシラン、エト
キシシラントリイソシアネ−トなどが挙げられる。
【0038】さらに例えば、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、フェニルトリクロロシラン、プロピルトリメ
トキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピル
トリクロロシラン、ブチルメトリトキシシラン、ブチル
トリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ヘキシ
ルトリメトキシシラン、メチルシリルトリイソシアネ−
ト、ジメチルシリルジイソシアネ−ト、ビニルシリルト
リイソシアネ−トなどが挙げられる。
【0039】さらに例えば、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルビニルメトキ
シシラン、ジメチルビニルクロロシランなど。また3-ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルト
リエトキシシラン、N-(2- アミノエチル)-3- アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシ
シランなど。さらにポリシラザンおよびシラザン系など
が挙げられる。
【0040】上記したこれらのものまたは/およびその
加水分解物を適宜1種または2種以上選択して用いるこ
とができる。また、膜付けする塗布法としては、例えば
ディッピング法、スピンコ−ト法、ノズルフロ−コ−ト
法、スプレ−法、リバ−スコ−ト法、フレキソ法、印刷
法、フロ−コ−ト法、ならびにこれらの併用等、既知の
塗布手段が適宜採用し得るものである。なかでもディッ
ピング法における引き上げ速度としては、必要な膜厚に
よって適宜選択すればよいことではあるが、浸漬後例え
ば約0.1 乃至3.0mm /秒程度の静かな均一速度で引き上
げることが好ましい。
【0041】またさらに、前記アモルフアスアルミナ膜
を成膜する際における乾燥、焼成については、例えば約
600 ℃程度以下、好ましくは約550 ℃程度以下で約5分
間乃至60分間程度である。また、熱水処理後における乾
燥、焼成については、例えば約100 ℃程度前後で約10分
間前後の乾燥のみ、もしくは該乾燥に続いて焼成、例え
ば約300 ℃乃至500 ℃程度で約10分間前後の焼成をし、
花弁状の透明アルミナ膜を形成し、より実用化し得て実
効を有する花弁状透明アルミナ膜をうることができた。
なお、該花弁状透明アルミナ膜の膜厚としては、約50nm
以上400nm 以下程度が好ましいものである。また、親水
膜における乾燥、焼成については、例えば室温乃至約10
0 ℃程度前後で約120 乃至10分間程度前後の乾燥のみ、
もしくは該乾燥に続いて焼成、例えば約450 ℃乃至120
℃程度で約1乃至30分間前後の焼成である。
【0042】また、前記アモルフアスアルミナ膜の熱水
処理については、例えば50℃乃至100 ℃の熱水または約
100 ℃程度にボイルされた熱水中に該アモルフアスアル
ミナ膜付きガラス基板を浸漬して、該アモルフアスアル
ミナ膜の表層表面が解膠作用等を受けることで、後述す
る図1乃至図3に示すように、特異な微小な孔状の空隙
をもって特異な花弁状のものがランダムに集合体化した
表層表面を有するものと成り、所期のめざす特異な空隙
と形状化をなしうることができ、例えば含浸性や担持性
や拘持性等下地層膜として、その機能や性能をより充分
に発揮する膜と成し得る花弁状透明アルミナ膜となる。
また、該熱水処理の処理時間としては、約5分間乃至24
時間前後が好ましいものである。
【0043】またさらに、得られた花弁状透明アルミナ
膜の評価法の一つとしては、走査型電子顕微鏡(SEM )
による5.0 万倍で表層表面を上面視した写真観察、5.0
万倍の側断面視した写真観察、ならびにサイクリックコ
ンタクトモ−ド原子間力顕微鏡(CC-AFM)による表層表
面を斜視した写真観察ならびに該観察による該膜の中心
線平均粗さRaを面拡張した平均面粗さRa’値と比表面積
S R を求めて表示できるようにしたものである。〔実施
例1を参照のこと〕。
【0044】その結果、図1乃至図3に示すようにな
り、例えば空隙の大きさが約50nm乃至100nm 程度で花弁
状物が約20nm乃至50nm程度となり、なかでも前記平均面
粗さRa’値が約17nm以上、かつ比表面積 SR が1.5 以上
程度であり、好ましくはRa’値が約20nm以上、かつ比表
面積 SR が1.7 以上程度である。なお、該両者の値が極
端に大きくなればヘイズ等の問題が生じることは言うま
でもない。
【0045】またさらに、親水膜における親水性能の評
価法の一つとしては、接触角計〔エルマ株製〕を用い、
該膜の大気中(約25℃)での水滴(水滴量約1.7 μl )
に対する接触角θ(°)を測定することで行った。その
結果、接触角θは約10°以下、好ましくは接触角θが約
8°以下程度であり、高親水性能を有するものであっ
た。
【0046】なお、防曇性能の評価法としては、約40℃
の飽和水蒸気に約10分間あて、濡れた表面を布で拭き取
る操作を繰り返して、表面が曇り始める回数で評価し
た。但し既存の種々の評価法を採用してもよいことは言
うまでもない。
【0047】前述したとおり、本発明の親水性被膜及び
その形成法によれば、基体上に形成した花弁状透明アル
ミナ膜と、該花弁状透明アルミナ膜上に被覆した親水膜
とで形成したことにより、親水膜の含浸性、担持性ある
いは拘持性の性能を高めることができる、その特異な空
隙とその特異な形状の集合体化とするようより制御した
微細でしっかりしかつ比表面積を高めた花弁状形状を呈
する透明アルミナ膜を下地層膜としてでき、その上に親
水膜を被覆するよう被膜することで、高安全性で厄介な
工程なく簡便に効率よく得られ、親水膜の含浸性、担持
性あるいは拘持性の性能を高めると同時に、表層表面の
特異な凹凸状を活かして相乗効果を発現せしめ、持続性
をもつ優れた高親水性膜をもたらして格段にその性能を
発揮することとなり、透明で光学特性を損なうことな
く、かつ防曇性、硬さも向上し、必要に応じて高温で焼
成することで膜全体を酸化物系(無機系)とすることが
できて耐熱性あるいは耐候性等が優れたものとなり、汚
れ(汚染)にも強さを発揮することも期待できる等、建
築建装用もしくは自動車用等の窓材、各種膜付きガラス
物品あるいは各種建築資材用等において有用な親水性被
膜及びその形成法を提供するものである。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0049】実施例1 大きさ約100mm x100mm 、厚さ約2mmのクリア・フロー
トガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコールで順次
洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜用ガラス基
板とした。
【0050】アルミニウム-sec- ブトキシド〔Al(O-sec
-Bu)3 〕とイソプロピルアルコ−ル〔IPA 〕とを約30分
間室温で攪拌し、アセト酢酸エチル〔EAcAc 〕を添加し
約3時間室温で攪拌し、さらに水〔H2O 〕と〔IPA 〕を
加え、モル比で、Al(O-sec-Bu)3 :IPA :EAcAc :H2O
=1:20:1:2の割合とし、約1時間室温で攪拌しAl
2O3 ゾルである下地層膜用塗布液を調製した。
【0051】次いで、前記被膜用ガラス基板の片面をマ
スク材でマスキングし、該下地層膜用塗布液槽内にマス
キング付き被膜用ガラス基板を浸漬した後、約1mm/秒
のスピ−ドで引き上げ、マスク材を除去することでなす
ディッピング法により前記被膜用ガラス基板の表面に塗
布膜を形成した。
【0052】続いて、約500 ℃で約10分間乾燥焼成する
熱処理をし、透明アモルフアスアルミナ膜を得た。次
に、約100 ℃の熱水中に約0.5 乃至2時間程度浸漬する
熱水処理をした後、約100 ℃で約10分間程度乾燥し、さ
らに約400 ℃で約10分間程度焼成し、特異な表層表面形
状をした透明アルミナ薄膜付きガラス基板を得た。
【0053】得られた該特異な表層表面形状をした透明
アルミナ薄膜付きガラス基板の透明アルミナ薄膜につい
て、下記の評価をした。 〔表層表面の観察〕 イ、走査型電子顕微鏡(SEM )〔日立製作所製 S-4500
、加速電圧5.0kV 、倍率5.0 万倍〕で観察した。その
一部として上面視した表層表面の写真と側断面視した断
面の写真で示す。
【0054】ロ、走査型プロ−ブ顕微鏡のサイクリック
コンタクトモ−ド原子間力顕微鏡(CC-AFM)〔セイコ−
電子工業(株)製、SPI3700 、1.0 μm四方スキャン〕
で観察した。該アルミナ薄膜の中心線平均粗さを面拡張
した平均面粗さRa’値(nm)と比表面積〔S R 〕で示
す。
【0055】すなわち、平均面粗さRa’値(nm)は、JI
S B 0601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面
に対し適用し三次元に拡張したもので、「基準面から指
定面までの偏差の絶対値を平均した値」と表現し、次式
で与えられる。
【0056】
【数1】
【0057】但し、Ra’:平均面粗さ値(nm)。S0:測
定面が理想的にフラットであるとした時の面積、|X R
−X L |×|Y T −Y B |。 F(X 、Y ):測定点(X
、Y )における高さ、X は X座標、Y は Y座標。X L
〜X R :測定面の X座標の範囲。Y B 〜Y T :測定面の
Y座標の範囲。Z0:測定面内の平均の高さ。
【0058】また、比表面積〔S R 〕は、S R =S /S0
〔S0:測定面が理想的にフラットであるときの面積。S
:実際の測定面の表面積。〕で求められる。なお、実
際の測定面の表面積は次のようにして求める。
【0059】先ず、最も近接した3つのデ−タ点(A,B,
C )より成る微小三角形に分割し、次いで各微小三角形
の面積△S を、ベクトル積を用いて求める。△S (△AB
C )=|AB×AC|/2〔但し、ABおよびACは各辺の長
さ〕となり、この△S の総和が求める表面積S になる。
【0060】その結果、得られた透明アルミナ薄膜付き
ガラス基板における透明アルミナ膜の表層表面は、5.0
万倍で上面視した表層表面のSEM 写真を図1に示すよう
に、また5.0 万倍の側断面視した断面のSEM 写真を図2
に示すようになり、約50nm乃至100nm 程度の微細でかつ
入り組んだ特異な孔状空隙を醸し出し、約20nm乃至50nm
程度の微小な大きさでランダム状にかつ複雑に入り組ん
だ特異な花弁形状を呈して集合体化したものである花弁
状透明アルミナ膜であった。
【0061】さらに、前記花弁状透明アルミナ膜を斜視
したCC-AFM写真は図3に示すようになり、前記平均面粗
さRa’値(nm)は約22nm程度で、かつ比表面積(S R
は約1.8 程度であった。
【0062】また膜厚としては約150nm 程度であった
が、約50nm乃至400nm 程度の範囲で、クラック等の欠陥
の発現もなく、花弁状透明アルミナ膜を得ることができ
た。なお、得られた花弁状透明アルミナ膜付きガラス基
板の花弁状透明アルミナ膜について、例えばその硬さ、
耐熱性、耐候性、可視光透過率や可視光反射率等の光学
特性などを評価したところ、例えば充分透視性に優れ、
優れた反射低減性を示し、その硬さも向上したものとな
り、耐熱性や耐候性もあるものであった。
【0063】さらに次いで、テトラエトキシシラン〔TE
OS、Si(OC2H5)4とエタノ−ル〔EtOH、C2H5OH〕を混合
し、これに水〔H2O(0.01M HCl)〕を添加して、モル比
で、TEOS:EtOH:H2O(0.01M HCl)=1:20:8の割合に
なるようにし、室温で約4時間攪拌し、SiO2ゾル液を得
て親水膜用塗布液とした。
【0064】前記花弁状透明アルミナ膜付きガラス基板
の非膜面側をマスク材でマスキングし、該親水膜用塗布
液槽内の親水膜用塗布液中に該花弁状透明アルミナ膜付
きガラス基板を浸漬し、引き上げスピ−ド約1.0 mm/秒
で引き上げ、マスク材を取り剥がすことでなし、ディッ
ピング法により前記花弁状透明アルミナ膜付きガラス基
板の花弁状透明アルミナ薄膜上に被覆するように塗膜を
形成した。
【0065】次いで、該親水膜を被覆した花弁状透明ア
ルミナ膜付きガラス基板の親水膜を乾燥し、約400 ℃程
度で約10分間程度の熱処理をし、SiO2の親水膜と花弁状
透明アルミナ膜を2層に積層した積層膜付きガラス基板
を得た。
【0066】得られた積層膜付きガラス基板について、
下記の試験を行った。 〔親水性試験〕該積層膜の大気中(約25℃)での水(水
滴量約1.7 μl )に対する接触角θ(°)を、接触角計
〔エルマ(株)製〕を用いて測定した。
【0067】その結果は、接触角θが約4.6 °であり、
低い接触角となり、防曇性も格段に優れるものとなり、
所期の性能を有する親水性膜であった。
【0068】
【発明の効果】以上前述したように、本発明の親水性被
膜及びその形成法によれば、手軽に容易な膜形成手段な
らびに熱水処理でもって被膜を安価に効率よく得られ、
該被膜において制御した特異な形状の花弁状の集合体で
成す、特異な孔状の空隙を醸し出して成る表層表面を有
しかつ比表面積をより高めるアルミナ酸化物薄膜をうる
ことができ、例えば親水性薄膜など各種機能性薄膜の下
地層膜として抜群の含浸性、担持性あるいは拘持性で埋
め込み被覆せしめてその性能を充分発現することとなる
等、特異な表層表面形状と親水膜による相乗効果をもた
らし格段にその性能を発揮して、透明で光学特性を損な
うことなく高親水性とすることができ、防曇性、密着
性、耐熱性、耐久性ならびに耐候性等に優れるものとな
る等、建築建装用もしくは自動車用窓材をはじめ、各種
ガラス物品、建材物品等において好適に採用できる、有
用な親水性被膜及びその形成法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、本発明の下地層膜である花
弁状透明アルミナ膜に対し、SEM によって5.0 万倍で上
面視した表層表面の写真を示す図である。
【図2】実施例1において、本発明の下地層膜である花
弁状透明アルミナ膜に対し、SEM によって5.0 万倍で側
断面視した断面の写真を示す図である。
【図3】実施例1において、本発明の下地層膜である花
弁状透明アルミナ膜に対し、CC-AFMによって斜視した表
層表面の写真を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 忠永 清治 大阪府堺市中百舌鳥町6−998−3 (72)発明者 稲葉 博司 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 (72)発明者 湯浅 章 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 (72)発明者 赤松 佳則 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 (72)発明者 山本 秀樹 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に形成した花弁状透明アルミナ膜
    と、該花弁状透明アルミナ膜上に被覆した親水膜とでな
    ることを特徴とする親水性被膜。
  2. 【請求項2】 前記花弁状透明アルミナ膜が、アルミニ
    ウムアルコキシドと安定化剤から少なくともなる塗布液
    で被膜を乾燥し熱処理して成膜したアモルフアスアルミ
    ナ膜を、熱水処理し、乾燥、焼成したことでなる花弁状
    の透明アルミナ膜であることを特徴とする請求項1記載
    の親水性被膜。
  3. 【請求項3】 前記花弁状透明アルミナ膜が、該花弁状
    透明アルミナ膜の中心線平均粗さを面拡張した平均面粗
    さRa’値が17nm以上、かつ比表面積 SR が1.5 以上であ
    ることを特徴とする請求項1乃至2記載の親水性被膜。
  4. 【請求項4】 前記親水膜が、シリカ系薄膜であること
    を特徴とする請求項1乃至3記載の親水性被膜。
  5. 【請求項5】 前記シリカ系薄膜が、R1 a R2 b R3 c SiX
    4-a-b-c 〔R1,R2,R3:脂肪族炭化水素基および/ある
    いは芳香族炭化水素基。a,b,c:0〜3。a+b+c :
    0〜3。 X:水酸基または加水分解性官能基〕を主成分
    としてなる塗布溶液を塗布し、加熱処理した被覆膜であ
    ることを特徴とする請求項4記載の親水性被膜。
  6. 【請求項6】 前記基体が、透明ガラス基板であること
    を特徴とする請求項1乃至5記載の親水性被膜。
  7. 【請求項7】 基体上に、アルミニウムアルコキシドと
    安定化剤から少なくともなる塗布液を塗布し、乾燥、焼
    成をしてアモルフアスアルミナ膜を成膜し、次いで該ア
    モルフアスアルミナ膜に熱水処理をし、乾燥、焼成して
    花弁状透明アルミナ膜を形成した後、その上に、R1 a R2
    b R3 c SiX 4-a-b-c 〔R1,R2,R3:脂肪族炭化水素基お
    よび/あるいは芳香族炭化水素基。a,b,c:0〜
    3。a+b+c :0〜3。 X:水酸基または加水分解性官能
    基〕を主成分としてなる塗布溶液を塗布し、加熱処理し
    て親水膜を被覆形成したことを特徴とする親水性被膜の
    形成法。
  8. 【請求項8】 前記塗布溶液が、4官能性シラン(Si
    X4、X :加水分解性官能基でハロゲン原子、アルコキシ
    基、イソシアネ−ト基、アミド基、アミノ基)を主成分
    とする塗布溶液であることを特徴とする請求項7記載の
    親水性被膜の形成法。
  9. 【請求項9】 前記基体が、透明ガラス基板であること
    を特徴とする請求項7乃至8記載の親水性被膜の形成
    法。
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