JP2001205187A - シリカ系膜被覆物品の製造方法、およびシリカ系膜被覆物品 - Google Patents

シリカ系膜被覆物品の製造方法、およびシリカ系膜被覆物品

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JP2001205187A
JP2001205187A JP2000021399A JP2000021399A JP2001205187A JP 2001205187 A JP2001205187 A JP 2001205187A JP 2000021399 A JP2000021399 A JP 2000021399A JP 2000021399 A JP2000021399 A JP 2000021399A JP 2001205187 A JP2001205187 A JP 2001205187A
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Toyoyuki Teranishi
豊幸 寺西
Hiroaki Kobayashi
浩明 小林
Nagafumi Ogawa
永史 小川
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカ系膜として耐久性に優れたシリカ系膜
被覆物品の提供と、さらには本質的に焼成工程を必要と
せず、優れた生産性を有する製造方法の提供を目的とす
る。加えて、寿命の長いシリカ系膜被覆用液組成物の提
供を目的とする。 【解決手段】 シリコンアルコキシドまたはその加水分
解物を溶媒に溶解したコーティング液を基材に塗布、乾
燥するシリカ系膜被覆物品の製造方法において、前記塗
布または/および乾燥する環境の少なくとも一部を、酸
またはアルカリの雰囲気で行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面にシリカ系膜
が被覆された物品、およびその製造方法に関する。さら
にそれを用いた機能性膜被覆物品、およびその製造方
法、加えてシリカ系膜被覆用液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】まず従来技術としては、ガラスその他の
基材の表面に機能性皮膜を形成させる際に、機能性皮膜
の耐久性能を高めることを目的として、基材と機能性皮
膜との間にシリカ等の下地層を形成する技術が知られて
いる。なお当該下地膜は、基材と機能性皮膜との結合強
度を向上させること、および基材がアルカリ成分を含む
場合にアルカリ成分の拡散を防止する効果を奏する。ま
たシリカ系膜は、表面保護膜としても有用である。
【0003】このようなシリカ系膜被覆物品を形成する
方法としては、以下の方法が知られている。 ・ゾルゲル方法((1)特公平4−20781号、(2)特開
平2−311332号)、 ・クロロシランを非水系溶媒に溶かした溶液を塗布する
方法((3)特開平5−86353号、(4)日本特許第25
25536号(特開平5−238781号))、 ・CVD法、 ・蒸着法、
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したゾルゲル法や
クロロシランを用いる方法では、CVD法や蒸着法に比
べて、高額な真空装置が不要であり、コストや生産性の
点で優れている。
【0005】また、上述したゾルゲル法やクロロシラン
を用いる方法は、機能性皮膜との結合強度を向上させる
ため下地膜の表面に水酸基を増やすことが主眼となって
いる。しかし、下地膜表面の水酸基は空気中に含まれる
水を吸着し易く、いったん水が吸着するとそれを容易に
取り除くことが困難となる。そこで、機能性膜を塗布す
る際に、100〜200℃程度の加熱を行う(前記特公
平4−20781号、前記特開平2−311332号、
前記特開平5−238781号)ことが必要である。加
熱が必要でない場合にも、長時間の処理(前記特開平5
−86353号)が必要であった。
【0006】また、酸化物下地膜を形成する方法(前記
特開平2−311332号、前記日本特許第25255
36号)においては、常温で塗布するのみでは下地膜自
体の強度が低い。そこで膜の強度を高めるために、塗布
後に500〜600℃程度での焼成が不可欠であった。
さらに、基材がアルカリを含む場合には、焼成中でのア
ルカリの拡散を防止するためには、100nm以上の厚
みの酸化物下地膜を形成することが必要である。しか
し、下地膜の厚みが大きくなると、膜厚が不均一となり
やすく、反射ムラ等の外観不良が発生し易い。また、製
造コストが高くなるなどの問題があった。
【0007】また、テトラクロロシランをパーフロオロ
カーボン、塩化メチレン、炭化水素のような非水系溶媒
に溶かした溶液を塗布する方法(前記日本特許第252
5536号)では、常温でシリカ下地膜が得られる。し
かし、表面に微細な凹凸が形成されるため、膜の耐擦傷
性が低い。さらに、クロロシリル基は極めて反応性が高
く、塗布液の調合や保存を、水分を含まない環境でおこ
なう必要がある。このため、空調設備が必要となり、ま
た運転時の電力コストもかかるので、製造コストの面か
ら好ましくない。
【0008】さらには、これらの被覆用溶液組成物は、
液の寿命が短く、コスト上昇の要因となっていた。
【0009】上述したように、ゾルゲル法やクロロシラ
ンを用いる方法では、・皮膜の緻密性が低い、・表面凹
凸がある、等の問題点があった。
【0010】そこで本発明は、シリカ系膜として耐久性
に優れたシリカ系膜被覆物品の提供と、さらには本質的
に焼成工程を必要とせず、優れた生産性を有する製造方
法の提供を目的とする。
【0011】さらにシリカ系膜被覆物品にさらに機能性
膜を被覆した物品と、その製造方法の提供を目的とす
る。
【0012】加えて、寿命の長いシリカ系膜被覆用液組
成物の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、請求
項1の発明として、シリコンアルコキシドまたはその加
水分解物を溶媒に溶解したコーティング液を基材に塗
布、乾燥するシリカ系膜被覆物品の製造方法において、
前記塗布または/および乾燥する環境の少なくとも一部
を、酸またはアルカリの雰囲気で行うことを特徴とする
シリカ系膜被覆物品の製造方法である。
【0014】請求項2の発明として、前記コーティング
液は、シリコンアルコキシドまたはその加水分解物(シ
リカ換算で、0.01〜3質量%)を含有する請求項1
に記載のシリカ系膜被覆物品の製造方法である。
【0015】請求項3の発明として、前記コーティング
液は、シリコンアルコキシドまたはその加水分解物(シ
リカ換算で、0.01〜0.6質量%)を含有する請求
項1または2に記載のシリカ系膜被覆物品の製造方法で
ある。
【0016】請求項4の発明として、前記コーティング
液はその中のシリコンアルコキシドを単量体(加水分解
物を含む)または20量体未満の重合体の形で存在せし
めてあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
に記載のシリカ系膜被覆物品の製造方法である。
【0017】請求項5の発明として、前記シリコンアル
コキシドは、テトラメトキシシランまたはテトラエトキ
シシランである請求項1〜4のいずれか1項に記載のシ
リカ系膜被覆物品の製造方法である。
【0018】請求項6の発明として、前記シリコンアル
コキシド成分の最大30質量%が、酸化物換算で、β−
ジケトン、酢酸、トリフルオロ酢酸またはエタノールア
ミンを配位子とするシリコン以外の金属のアルコキシド
のキレート化物によって置換された請求項1〜5のいず
れか1項に記載のシリカ系膜被覆物品の製造方法であ
る。
【0019】請求項7の発明として、前記配位子のβ−
ジケトンが、アセチルアセトンである請求項6に記載の
シリカ系膜被覆物品の製造方法である。
【0020】請求項8の発明として、前記金属アルコキ
シドが、アルミニウムまたはジルコニウムのアルコキシ
ドである請求項6または7に記載のシリカ系膜被覆物品
の製造方法である。
【0021】請求項9の発明として、前記塗布または/
および乾燥する環境は、塩酸ガスの雰囲気である請求項
1〜8のいずれか1項に記載のシリカ系膜被覆物品の製
造方法である。
【0022】請求項10の発明として、前記溶媒はアル
コール系溶媒である請求項1〜9のいずれか1項に記載
のシリカ系膜被覆物品の製造方法である。
【0023】請求項11の発明として、前記塗布・乾燥
した後の膜が5〜300nmの厚みになるように前記コ
ーティング液を前記基材表面に塗布する請求項1〜10
のいずれか1項に記載のシリカ系膜被覆物品の製造方法
である。
【0024】請求項12の発明として、前記基材は、透
明なガラス板である請求項1〜11のいずれかに記載の
シリカ系膜被覆物品の製造方法である。
【0025】請求項13の発明として、請求項1〜12
のいずれか1項に記載の方法によって得られる20〜4
0度の静的水滴接触角を有するシリカ系膜被覆物品であ
る。
【0026】請求項14の発明として、請求項1〜12
のいずれか1項に記載の方法によって得られる表面の算
術平均粗さ(Ra)=0.10nm以上、0.5nm以
下でかつ十点平均粗さ(Rz)=1.0nm以上、5.
0nm以下のシリカ系膜被覆物品である。
【0027】請求項15の発明として、請求項1〜12
のいずれか1項に記載の方法によって得られるシリカ系
膜被覆物品の表面に、さらに機能性膜用組成物を塗布す
る機能性膜被覆物品の製造方法である。
【0028】請求項16の発明として、前記機能性膜用
組成物は、加水分解可能な官能基および機能性官能基を
有するオルガノシランならびにその加水分解物(部分加
水分解物を含む)の少なくともいずれか1つを含む請求
項15記載の機能性膜被覆物品の製造方法である。
【0029】請求項17の発明として、前記加水分解可
能な官能基はアルコキシル基である請求項16に記載の
機能性膜被覆物品の製造方法である。
【0030】請求項18の発明として、前記機能性膜用
組成物は、撥水膜形成用組成物である請求項15記載の
機能性膜被覆物品の製造方法である。
【0031】請求項19の発明として、前記撥水膜形成
用組成物は、アルコキシル基およびフルオロアルキル基
を分子内に含むオルガノシランならびにその加水分解物
(部分加水分解物を含む)の少なくともいずれか1つを
含む請求項18記載の機能性膜被覆物品の製造方法であ
る。
【0032】請求項20の発明として、前記機能性膜用
組成物は、撥水および低摩擦抵抗膜形成用組成物である
請求項15記載の機能性膜被覆物品の製造方法である。
【0033】請求項21の発明として、前記撥水および
低摩擦抵抗膜形成用組成物は、アルコキシル基およびア
ルキル基を分子内に含むオルガノシランならびにその加
水分解物(部分加水分解物を含む)の少なくともいずれ
か1つを含む請求項20記載の機能性膜被覆物品の製造
方法である。
【0034】請求項22の発明として、前記機能性膜用
組成物は、水滴の転がり性と防汚性を有する膜形成用組
成物である請求項15記載の機能性膜被覆物品の製造方
法である。
【0035】請求項23の発明として、前記水滴の転が
り性と防汚性を有する膜形成用組成物は、アルコキシル
基およびポリアルキレンオキシド基を分子内に含むオル
ガノシラン、ならびにその加水分解物(部分加水分解物
を含む)の少なくともいずれか1つを含む請求項22記
載の機能性膜被覆物品の製造方法である。
【0036】請求項24の発明として、請求項15〜2
3のいずれか1項に記載の方法によって得られる機能性
膜被覆物品である。
【0037】請求項25の発明として、請求項15〜2
3のいずれか1項に記載の方法によって得られる機能性
膜被覆物品であって、その被膜の表面が算術平均粗さ
(Ra)=0.10nm以上、0.5nm以下でかつ十
点平均粗さ(Rz)=1.0nm以上、5.0nm以下
の粗さを有する機能性膜被覆物品である。
【0038】請求項26の発明として、シリコンアルコ
キシドまたはその加水分解物を溶媒に溶解してなり、シ
リコンアルコキシドをその単量体(加水分解物を含む)
または20量体未満の重合体の形で存在せしめてあるこ
とを特徴とするシリカ系膜被覆用液組成物である。
【0039】請求項27の発明として、 (A)シリコンアルコキシドまたはその加水分解物 (シリカ換算) 0.01〜3質量%、 (B)アルコール 残部、 からなるシリカ系膜被覆用液組成物である。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に示す実施例を用いて、本発
明を詳細に説明する。
【0041】[実施例1]エタノール 100gにテト
ラエトキシシラン 0.6gを添加し、30分間撹拌
し、シリカ膜被覆用溶液を得た。シリカ膜被覆用溶液の
組成を表1に示す。また後述する実施例および比較例と
共に、各サンプルの組成を表1に示す。
【0042】
【表1】 ─────────────────────────────────── エタノール テトラアルコキシシラン アルミニウムトリ ジルコニウムテトラ アセチルアセトン ブトキシド ブトキシド (g) (g) (g) (g) (g) ─────────────────────────────────── 実施例1 100 0.6 − − − 実施例2 100 0.6 − − − 実施例3 100 0.3 − − − 実施例4 100 2.0 − − − 実施例5 100 0.6 − − − 実施例6 99.628 0.33 0.03 − 0.012 実施例7 99.645 0.33 − 0.02 0.005 ─────────────────────────────────── 比較例1 100 0.05 − − − 比較例2 100 10.0 − − − ─────────────────────────────────── ─────────────────────────────────── 溶媒 エチルシリケート 水 1N-HCl SiCl4 (g) (g) (g) (g) (g) ─────────────────────────────────── 比較例3 380 31 6.5 1.6 − エタノール 比較例5 100 − − − 0.01 FC-77 ───────────────────────────────────
【0043】この被覆用溶液をフーリエ変換核磁気共鳴
装置(FT−NMR;日本電子製「EX270」)を用
いて測定した。その結果、テトラエトキシシラン単量体
(およびその(部分)加水分解物)の存在を表すケミカ
ルシフトの吸収ピークのみが観察され、3量体以上の重
合体の存在を示す吸収ピークは検出されなかった。な
お、テトラエトキシシラン単量体の存在を表すケミカル
シフトの吸収ピークは、(−82ppm)であり、2量
体のそれは(−89ppm)であり、3量体のそれは
(−96ppm)である。
【0044】そしてこの被覆用溶液は、シリカ換算で
0.17質量%のテトラエトキシシランを含有していた
(表2参照)。
【0045】
【表2】 ─────────────────────────────────── テトラエトキシシラン アルミニウムトリ ジルコニウムテトラ テトラエトキシシラン 1ヶ月室温 ブトキシド ブトキシド の 保管後 の (SiO2換算) (Al2O3換算) (ZrO2換算) 重合度 テトラエトキシ シランの (質量%) (質量%) (質量%) 重合度 ─────────────────────────────────── 実施例1 0.17 0 0 1〜2 1〜2 実施例2 0.17 0 0 1〜2 1〜2 実施例3 0.086 0 0 1〜2 1〜2 実施例4 0.57 0 0 1〜2 1〜2 実施例5 0.17 0 0 1〜2 1〜2 実施例6 0.095 0.006 0 1〜2 1〜2 実施例7 0.095 0 0.006 1〜2 1〜2 ─────────────────────────────────── 比較例1 0.003 0 0 1〜2 1〜2 比較例2 2.6 0 0 1〜2 1〜2 比較例3 2.15 0 0 4〜30 6〜50 ───────────────────────────────────
【0046】また、このシリカ膜被覆用溶液を室温で1
ヶ月間保管した後、同様の測定を行ったところ、前記測
定結果と同じ3量体以上の重合体は検出されなかった。
これから、このシリカ膜被覆用溶液では液中で反応が進
んでいないことがわかる。このことから、この溶液が長
寿命であることがわかる。
【0047】このシリカ膜被覆用溶液を洗浄したガラス
基板の表面上に、湿度30%、室温下でフローコート法
にて塗布し、直ぐに塩酸ガス雰囲気中で約5分間放置
し、その後湿度30%、室温下で約1分間乾燥し、シリ
カ膜被覆ガラス板を得た。
【0048】こうして得られたシリカ膜被覆ガラスの表
面の平滑性は、原子間力顕微鏡(「SPI3700」、
セイコー電子(株)製)を用いて、サイクリックコンタ
クトモードにて、ガラスの表面形状を測定して評価を行
った。すなわち、シリカ膜被覆ガラスの表面粗さは、算
術平均粗さRa、および十点平均粗さRzで評価され
る。
【0049】[実施例2]実施例1と同様に作製したシ
リカ膜被覆用溶液を、塩酸ガス雰囲気で、洗浄したガラ
ス基板の表面上にフローコート法にて塗布し、そのまま
塩酸ガス雰囲気中で約5分間放置し、その後湿度30
%、室温下で約1分間乾燥し、シリカ膜被覆ガラス板を
得た。
【0050】[実施例3および4]実施例1において、
テトラエトキシシラン添加量を、0.3g、または2.
0gに変更した以外は、実施例1と同様にしてシリカ膜
被覆用溶液を調合した。さらにこの溶液を用いて、実施
例1と同様にシリカ系被覆ガラス板を得た。テトラエト
キシシランの添加量が0.3gおよび2.0gの場合
を、それぞれ実施例3および実施例4とする。シリカ膜
被覆用溶液の組成を表1に示し、実施例1と同様に測定
した結果を表2に示す。
【0051】[実施例5]シリカ膜処理液の塗布をスプ
レー法に代えた以外は、実施例1と同様にしてシリカ系
被覆ガラス板を得た。
【0052】[実施例6]エタノール64.8gに、ア
セチルアセトン9.8g、アルミニウム−トリ−sec
−ブトキシド(関東化学製)25.4gを溶解し、酸化
物換算で5質量%のアルミナ原料液を得た。
【0053】上記アルミナ原料液0.12g、テトラエ
トキシシラン0.33gとエタノール99.5gを混合
して、シリカ系膜処理液とした。このシリカ系膜処理液
の組成を表1に示す。
【0054】実施例1のシリカ処理液に代えて上記シリ
カ系膜処理液を使用する以外は、実施例1と同様にして
シリカ系被覆ガラス板を得た。
【0055】[実施例7]エタノール78.6gに、ア
セチルアセトン4.1g、ジルコニウム−テトラ−n−
ブトキシド(関東化学製)17.4gを溶解し、酸化物
換算で5質量%のジルコニア原料液を得た。
【0056】上記ジルコニア原料液0.12g、テトラ
エトキシシラン0.33gとエタノール99.5gを混
合してシリカ系膜処理液とした。このシリカ系膜処理液
の組成を表1に示す。
【0057】実施例1のシリカ膜処理液に代えて上記シ
リカ系膜処理液を使用する以外は、実施例1と同様にし
てシリカ系被覆ガラス板を得た。
【0058】さらに、実施例1〜7で使用したシリカ系
被覆用溶液は、いずれもその中にテトラエトキシシラン
は単量体または20量体未満の重合体のみが含まれてお
り、20量体以上の重合度を有するテトラエトキシシラ
ンを含有していなかった。
【0059】また、これらのシリカ系膜被覆用溶液を室
温で1ヶ月間保管した後も、溶液中のテトラエトキシシ
ランの重合物は変化せず、液中で反応が進んでいないこ
とが示された。
【0060】さらに実施例1〜7のシリカ膜の硬度を鉛
筆硬度で測定したところ、「H」の芯の鉛筆で膜を引っ
掻いても膜は傷つかず、膜硬度の高いシリカ膜であるこ
とが確認できた。
【0061】(応用例1〜7)次いで、CF3(CF2
7(CH22Si(OCH33(ヘプタデカフルオロデシ
ルトリメトキシシラン、東芝シリコーン製)1gをエタ
ノール98gに溶解し、さらに0.1規定塩酸を1.0
g添加し、1時間撹拌し、撥水処理剤を得た。
【0062】この後、実施例1〜7のシリカ膜被覆ガラ
ス基板表面に、綿布に3mlの上記撥水処理剤をつけ塗
り込んだ後、過剰に付着した撥水処理剤を新しい綿布で
拭き取り、それぞれ応用例1〜7である撥水処理ガラス
板を得た。
【0063】得られた撥水処理ガラス板について、まず
その撥水性を水の接触角で評価した。接触角計(「CA
−DT」、協和界面科学(株)製)を用い、2mgの質
量の水滴をガラス板表面に滴下して、静的接触角を測定
した。なおこの接触角の値が大きいほど、静的な撥水性
が優れていることを表している。
【0064】また、水滴が撥水処理ガラス板の表面を転
がる性能は、傾斜角度を用いて評価した。この傾斜角度
は、水平に配置した撥水処理ガラス板表面に直径5mm
の水滴を置き、撥水処理ガラス板を徐々に傾斜させて、
その表面に置かれた水滴が転がり始めるときのガラス板
の角度(=臨界傾斜角)として測定される。
【0065】この臨界傾斜角が小さいほど、動的な撥水
性が優れていると評価できる。例えば、この臨界傾斜角
が小さいと、走行中の自動車のフロントガラス窓に付着
した雨滴が飛散しやすく、運転者の視界が妨げられにく
いことを表している。
【0066】次に、耐候性は撥水処理ガラスに、紫外線
を照射して評価した。耐紫外線試験機(「アイスーパー
UVテスター W−13」、岩崎電気製)を用いて、以
下の条件で、試験を行った。 ・紫外線強度:76±2mW/cm2 、 ・ブラックパネル温度:48±2℃、 ・照射サイクル:(照射20時間、暗黒4時間)/サイ
クル、なお1時間毎に30秒間イオン交換水シャワーリ
ングする ・照射時間:400時間 そして照射後に、水の接触角および臨界傾斜角を測定し
た。
【0067】また、耐摩耗性は以下の試験により評価し
た。耐摩耗性試験は、往復摩耗試験機(新東科学(株)
製)に乾布を取り付けて、荷重0.3kg/cm2 の条
件で、撥水膜被覆表面を3000回往復摺動させた。
【0068】
【表3】 ─────────────────────────────────── 初期 シリカ膜の 耐候性試験 耐摩耗試験後 シリカ膜 初期 臨界 表面粗さ 後接触角/ 接触角/ サンプル 膜厚 接触角 傾斜角 Ra/Rz 臨界傾斜角 臨界傾斜角 (nm)(度) (度) (nm)/(nm) (度)/(度) (度)/(度) ─────────────────────────────────── 応用例1 40 112 11 0.4/ 3.7 89/20 105/12 応用例2 40 111 11 0.4/ 4.2 85/19 103/13 応用例3 20 110 13 0.4/ 4.4 81/23 100/15 応用例4 80 112 10 0.3/ 2.9 89/18 106/11 応用例5 40 111 12 0.5/ 4.5 85/21 99/15 応用例6 40 112 12 0.4/ 3.6 87/17 106/14 応用例7 35 110 12 0.4/ 3.7 88/16 107/11 ─────────────────────────────────── 比較例1 <5 108 17 0.5/ 6.8 65/35 65/39 比較例2 300 111 10 0.3/ 3.1 80/25 76/31 比較例3 200 107 22 0.6/ 9.1 79/28 67/38 比較例4 230 108 21 0.7/10.3 67/38 45/41 比較例5 10 107 25 7.0/25.2 81/35 65/38 ─────────────────────────────────── 応用例13 40 38 4 0.4/ 3.7 −−− 107/11 比較例7 −− 38 4 −−−− −−− 22/25 ───────────────────────────────────
【0069】応用例1〜7で得られた撥水処理ガラス板
は、110度以上の初期接触角および13度以下の初期
臨界傾斜角を示し、優れた撥水性を有することがわか
る。耐候性試験後の接触角および臨界傾斜角は、それぞ
れ81度以上および23度以下であり、撥水性はやや低
下している。耐摩耗性試験後の接触角および臨界傾斜角
は、それぞれ99度以上および15度以下であり、優れ
た耐擦傷性を有することがわかる。
【0070】また、撥水膜被覆の厚みは20〜80nm
であり、その被覆の表面粗さはRaが0.5nm以下で
かつRz=5.0nm以下であった。この結果、撥水膜
被覆表面の平滑性は優れていることが確かめられた。
【0071】[応用例8〜12]応用例1〜7での撥水
処理液の調合に用いたCF3(CF27(CH22Si
(OCH33(ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシ
シラン、東芝シリコーン製)に代えて、アルキルシラン
を用いた以外は、上述の応用例と同様にして撥水および
低摩擦抵抗ガラス板を得た。この撥水および低摩擦抵抗
膜処理液の組成を表4に示す。
【0072】
【表4】 ─────────────────────────────────── アルキルシラン 0.1N−塩酸 エタノール (g) (g) (g) ─────────────────────────────────── 応用例8 n-オクタデシルトリメトキシシラン 1 1 98 応用例9 n-ドデシルトリメトキシシラン 1 1 98 応用例10 n-オクチルトリエトキシシラン 1 1 98 応用例11 n-ペンチルトリエトキシシラン 1 1 98 応用例12 トリメチルエトキシシラン 1 1 98 ───────────────────────────────────
【0073】これらの撥水および低摩擦抵抗ガラス板に
ついて、初期および摩擦試験後の接触角を測定した。ま
た、摩耗係数測定器(新東科学製)に乾布を取り付け
て、膜表面と乾布との間の摩擦係数を測定した。これら
の測定結果を表5に示す。
【0074】
【表5】 ─────────────────────────────────── 初期接触角 初期摩擦係数 摩擦試験後接触角 摩擦試験後摩擦係数 (度) (度) ─────────────────────────────────── 応用例8 95 0.23 94 0.24 応用例9 90 0.22 90 0.23 ─────────────────────────────────── 応用例10 88 0.24 87 0.22 応用例11 80 0.25 78 0.23 応用例12 60 0.25 60 0.25 ─────────────────────────────────── 比較例6 95 0.23 55 0.45 ───────────────────────────────────
【0075】表5に示すように、撥水処理後の初期接触
角と摩擦試験後の接触角の差が非常に小さく、ほとんど
撥水性能の劣化が見られなかった。また、乾布との摩擦
係数は、0.22〜0.25であり、応用例1のよう
に、フルオロアルキル基を有するオルガノシランで処理
した場合の0.36、無処理の通常ガラスの0.42に
比較して、摩擦係数の小さいガラスが得られた。摩擦試
験後の摩擦係数は摩擦試験前とほとんど変化はなかっ
た。
【0076】[応用例13]応用例1での撥水処理液の
調合に用いたCF3(CF27(CH22Si(OC
33(ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラ
ン、東芝シリコーン製)を[メトキシ(ポリエチレンオ
キシ)プロピル]トリメトキシシラン(チッソ株式会社
製、含有率90%、分子量460〜590、エチレンオ
キシド単位数6〜9)に代えた以外は、応用例1と同様
にして、撥水防汚機能性膜を得た。この膜は、水滴の転
がり始める臨界傾斜角が低い特徴もある。
【0077】上記機能性膜の接触角は、38度であっ
た。また臨界傾斜角は4度であり、非常に水滴が転がり
やすい表面が得られた。さらに、摩擦試験後の接触角は
38度であり、摩擦試験後の臨界傾斜角は4度であっ
て、摩擦試験前とほとんど同じ性能を維持していた(表
3)。
【0078】[比較例1]エタノール(ナカライテスク
製)100gに、テトラエトキシシラン(信越シリコー
ン製)0.05gを撹拌しながら添加し、シリカ膜処理
液を得た。このシリカ膜処理液の組成を表1に示す。ま
た、後述する比較例のそれについても表1に示した。
【0079】実施例1のシリカ膜処理液に代えて、上記
シリカ膜処理液を使用して、シリカ系被覆ガラス板を得
た。さらに上述の応用例と同様にして、撥水処理ガラス
板を得た。応用例1と同様に測定した結果を表2に示し
た。また、後述する比較例の測定した結果についても表
2に示した。
【0080】[比較例2]エタノール(ナカライテスク
製)100gに、テトラエトキシシラン(信越シリコー
ン製)10gを撹拌しながら添加し、シリカ膜処理液を
得た。
【0081】実施例1のシリカ膜処理液に代えて、上記
シリカ膜処理液を使用して、シリカ系被覆ガラス板を得
た。さらに上述の応用例と同様にして、撥水処理ガラス
板を得た。
【0082】[比較例3]この比較例3は先行技術とし
て挙げた特開平2−311332号の実施例3を追試し
たものである。即ち、テトラエチルシリケート(コルコ
ート社製)31gをエタノール380gに溶解・撹拌
し、水6.5g、1N塩酸1.6gを添加・撹拌し、2
0℃にて24時間撹拌して、シリカ下地処理液を調整し
た。
【0083】この下地処理液を実施例1と同様にフロー
コートにて塗布し、約1分間で乾燥した。この下地処理
後、500℃、1時間熱処理することによりシリコン酸
化物層を形成した。この後、応用例1と同様に撥水処理
し、撥水処理ガラス板を得た。表面粗さRaは0.6n
mと高い値を示し、初期臨界傾斜角も22°と高かっ
た。初期接触角は107°を示したが、摩擦試験後の接
触角は67°と低下した。
【0084】[比較例4]この比較例4は、下地膜の熱
処理を行わずに作製した以外は、上述の比較例3と同様
にして撥水処理ガラス板を得た。この膜の表面粗さRa
は0.7nmと高い値を示し、初期臨界傾斜角も23°
と高かった。初期接触角は108°を示したが、摩擦試
験後の接触角は45°まで低下した。
【0085】[比較例5]この比較例5は、先行技術と
して挙げた特許第2525536号の実施例6の下地A
を追試したものである。即ち、ペリフルオロカーボン溶
液(FC−77、3M社製)100gにクロロシラン
(SiCl4、信越シリコーン製)0.01gを撹拌し
ながら添加し、下地処理液を得た。
【0086】この下地処理液を実施例1と同様にフロー
コートにて塗布し、約1分間で乾燥し、シリコン酸化物
層を形成した。この後、応用例1と同様に撥水処理し、
撥水処理ガラス板を得た。この膜の表面粗さRaは7.
0nmと高い値を示し、初期臨界傾斜角も25°と高か
った。初期接触角は107°を示したが、摩擦試験後の
接触角は65°と低下した。
【0087】[比較例6]n−ドデシルトリメトキシシ
ランを、ガラス基板に直接塗布して(下地膜なしで)、
撥水および低摩擦抵抗ガラス板を得た。各種接触角等を
表5にそれぞれ示す。表5に示すように、撥水処理後の
初期接触角は95度であり、応用例9のガラスについて
の値と等しかったが、摩擦試験後の接触角は55度であ
り、応用例9のガラスについての値(90度)に比して
著しく低く、耐摩耗性能に劣る膜となった。また、摩擦
試験後の摩擦係数は0.45であり、摩擦により低摩擦
機能も失われた。
【0088】[比較例7][メトキシ(ポリエチレンオ
キシ)プロピル]トリメトキシシラン(チッソ株式会社
製、含有率90%、分子量460〜590、エチレンオ
キシド単位数6〜9)を、ガラス基板に直接塗布して
(下地膜なしで)、撥水および低摩擦抵抗ガラス板を得
た。この機能性膜の接触角は38度であり、臨界傾斜角
は4度であり、ともに実施例13での測定値に等しかっ
た。しかし、摩擦試験後の接触角は22度であり、臨界
傾斜角は25度であって、接触角の減少および臨界傾斜
角の増加が著しく、耐摩耗性が劣っていた(表3)。
【0089】
【発明の効果】以上の説明から把握できるように、本発
明の特徴は、塗布または/および乾燥工程で、シリカ系
皮膜被覆用溶液が酸またはアルカリの雰囲気にさらさ
れ、反応することである。
【0090】したがって、シリカ系皮膜被覆用溶液中に
は触媒がないため、保管中に反応が進むことがない。そ
の結果、液の寿命を非常に長く保つことが可能となる。
【0091】また基本的に、焼成工程を必要としない製
造方法であるので、生産性が高い。
【0092】さらに、シリカ系皮膜被覆用溶液中には、
シリコンアルコキシドを単量体(加水分解物を含む)ま
たは20量体未満の重合体の形で存在せしめてあるの
で、得られる皮膜は、緻密であり平滑性に優れている。
したがって、優れた耐擦傷性、耐候性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 永史 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 4D075 BB24Z BB56Y DA06 DB13 EB42 EB56

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンアルコキシドまたはその加水分
    解物を溶媒に溶解したコーティング液を基材に塗布、乾
    燥するシリカ系膜被覆物品の製造方法において、 前記塗布または/および乾燥する環境の少なくとも一部
    を、酸またはアルカリの雰囲気で行うことを特徴とする
    シリカ系膜被覆物品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記コーティング液は、シリコンアルコ
    キシドまたはその加水分解物(シリカ換算で、0.01
    〜3質量%)を含有する請求項1に記載のシリカ系膜被
    覆物品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記コーティング液は、シリコンアルコ
    キシドまたはその加水分解物(シリカ換算で、0.01
    〜0.6質量%)を含有する請求項1または2に記載の
    シリカ系膜被覆物品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記コーティング液はその中のシリコン
    アルコキシドを単量体(加水分解物を含む)または20
    量体未満の重合体の形で存在せしめてあることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリカ系膜被
    覆物品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シリコンアルコキシドは、テトラメ
    トキシシランまたはテトラエトキシシランである請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のシリカ系膜被覆物品の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記シリコンアルコキシド成分の最大3
    0質量%が、酸化物換算で、β−ジケトン、酢酸、トリ
    フルオロ酢酸またはエタノールアミンを配位子とするシ
    リコン以外の金属のアルコキシドのキレート化物によっ
    て置換された請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリ
    カ系膜被覆物品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記配位子のβ−ジケトンが、アセチル
    アセトンである請求項6に記載のシリカ系膜被覆物品の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記金属アルコキシドが、アルミニウム
    またはジルコニウムのアルコキシドである請求項6また
    は7に記載のシリカ系膜被覆物品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記塗布または/および乾燥する環境
    は、塩酸ガスの雰囲気である請求項1〜8のいずれか1
    項に記載のシリカ系膜被覆物品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記溶媒はアルコール系溶媒である請
    求項1〜9のいずれか1項に記載のシリカ系膜被覆物品
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記塗布・乾燥した後の膜が5〜30
    0nmの厚みになるように前記コーティング液を前記基
    材表面に塗布する請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のシリカ系膜被覆物品の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記基材は、透明なガラス板である請
    求項1〜11のいずれかに記載のシリカ系膜被覆物品の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の方法によって得られる20〜40度の静的水滴接触角
    を有するシリカ系膜被覆物品。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の方法によって得られる表面の算術平均粗さ(Ra)=
    0.10nm以上、0.5nm以下でかつ十点平均粗さ
    (Rz)=1.0nm以上、5.0nm以下のシリカ系
    膜被覆物品。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の方法によって得られるシリカ系膜被覆物品の表面に、
    さらに機能性膜用組成物を塗布する機能性膜被覆物品の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記機能性膜用組成物は、加水分解可
    能な官能基および機能性官能基を有するオルガノシラン
    ならびにその加水分解物(部分加水分解物を含む)の少
    なくともいずれか1つを含む請求項15記載の機能性膜
    被覆物品の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記加水分解可能な官能基はアルコキ
    シル基である請求項16に記載の機能性膜被覆物品の製
    造方法。
  18. 【請求項18】 前記機能性膜用組成物は、撥水膜形成
    用組成物である請求項15記載の機能性膜被覆物品の製
    造方法。
  19. 【請求項19】 前記撥水膜形成用組成物は、アルコキ
    シル基およびフルオロアルキル基を分子内に含むオルガ
    ノシランならびにその加水分解物(部分加水分解物を含
    む)の少なくともいずれか1つを含む請求項18記載の
    機能性膜被覆物品の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記機能性膜用組成物は、撥水および
    低摩擦抵抗膜形成用組成物である請求項15記載の機能
    性膜被覆物品の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記撥水および低摩擦抵抗膜形成用組
    成物は、アルコキシル基およびアルキル基を分子内に含
    むオルガノシランならびにその加水分解物(部分加水分
    解物を含む)の少なくともいずれか1つを含む請求項2
    0記載の機能性膜被覆物品の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記機能性膜用組成物は、水滴の転が
    り性と防汚性を有する膜形成用組成物である請求項15
    記載の機能性膜被覆物品の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記水滴の転がり性と防汚性を有する
    膜形成用組成物は、アルコキシル基およびポリアルキレ
    ンオキシド基を分子内に含むオルガノシラン、ならびに
    その加水分解物(部分加水分解物を含む)の少なくとも
    いずれか1つを含む請求項22記載の機能性膜被覆物品
    の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項15〜23のいずれか1項に記
    載の方法によって得られる機能性膜被覆物品。
  25. 【請求項25】 請求項15〜23のいずれか1項に記
    載の方法によって得られる機能性膜被覆物品であって、
    その被膜の表面が算術平均粗さ(Ra)=0.10nm
    以上、0.5nm以下でかつ十点平均粗さ(Rz)=
    1.0nm以上、5.0nm以下の粗さを有する機能性
    膜被覆物品。
  26. 【請求項26】 シリコンアルコキシドまたはその加水
    分解物を溶媒に溶解してなり、シリコンアルコキシドを
    その単量体(加水分解物を含む)または20量体未満の
    重合体の形で存在せしめてあることを特徴とするシリカ
    系膜被覆用液組成物。
  27. 【請求項27】(A)シリコンアルコキシドまたはその
    加水分解物 (シリカ換算) 0.01〜3質量%、 (B)アルコール 残部、 からなるシリカ系膜被覆用液組成物。
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