JP5293180B2 - リン酸エステル化合物を含有する被膜形成用塗布液及び反射防止膜 - Google Patents

リン酸エステル化合物を含有する被膜形成用塗布液及び反射防止膜 Download PDF

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Description

本発明は、ポリシロキサンとリン酸エステル化合物とを含有する被膜形成用塗布液及びそれから形成される被膜、並びにそれらの製造方法に関する。詳細には、フッ素原子で置換された有機基を側鎖に持つポリシロキサンと、水酸基を有するリン酸エステル化合物を含有する被膜形成用塗布液及びそれから形成される被膜、並びに被膜の形成方法に関する。更には、前記の被膜形成用塗布液及びそれから形成される被膜の反射防止用途への適用に関する。
従来、基材の屈折率よりも低い屈折率を示す被膜を当該基材の表面に形成させると、当該被膜の表面から反射する光の反射率が低下することが知られている。そしてこのような低下した光反射率を示す被膜は、光反射防止膜として利用され、種々の基材表面に適用されている。
例えば、Mg源としてのマグネシウム塩、アルコキシマグネシウム化合物などと、F源としてのフッ化物塩とを反応させることにより生成させたMgF2微粒子のアルコール分散液、又はこれに膜強度向上のためにテトラアルコキシシランなどを加えた液を塗布液とし、これをブラウン管等ガラス基材上に塗布し、次いで、100から500℃で熱処理することにより、当該基材上に低屈折率を示す反射防止膜を形成させる方法が開示されている(特許文献1参照。)。
また、テトラアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、エチルトリアルコキシシランなどの加水分解重縮合物であって、平均分子量の異なる2種以上とアルコール等溶剤とを混合することによりコーティング液となし、当該コーティング液から被膜を形成するに当たって上記混合の際の混合割合、相対湿度のコントロールなどの手段を加えて被膜をつくり、その後これを加熱することにより、1.21から1.40の屈折率を有し、50から200nmの径を有する、マイクロピット又は凹凸を有する厚さ60から160nmの薄膜をガラス基板上に形成させた低反射ガラスが開示されている(特許文献2参照。)。
さらに、ガラスと、その表面に形成させた高屈折率を有する下層膜と、更にその表面に形成させた低屈折率を有する上層膜と、からなる低反射率ガラスが開示されている。(特許文献3参照。)この公報には、その上層膜の形成方法の詳細として、CF3(CF2224Si(OCH33等のポリフルオロカーボン鎖を有する含フッ素シリコーン化合物と、これに対し5から90重量%のSi(OCH34等のシランカップリング剤とを、アルコール溶媒中、酢酸等触媒の存在下に室温で加水分解させた後、濾過することにより共縮合体の液を調製し、次いでこの液を上記下層膜上に塗布し、120から250℃で加熱することからなる方法が記載されている。
また、Si(OR)4で示される珪素化合物と、CF3(CF2nCH2CH2Si(OR13で示される珪素化合物と、R2CH2OHで示されるアルコールと、蓚酸とを特定比率で含有する反応混合物を、水の不存在下に40から180℃で加熱することによりポリシロキサンの溶液を生成させ、次いで当該溶液を含有する塗布液を基材表面に塗布し、その塗膜を80から450℃で熱硬化させることにより当該基材表面に密着して形成させ、1.28から1.38の屈折率と、90から115度の水接触角を有する被膜が開示されている(特許文献4参照。)。
上記のような技術で反射防止処理がなされた表示素子(特に液晶表示素子)においては、使用環境の影響によって帯電による埃の付着が起こるため画像が見えにくくなることがある。また付着した埃は、しばしば容易に拭き取ることができないことがあるため、反射防止膜に付着した埃が拭き取り易い表示素子が求められている。そのため、表示素子の最表面に位置する反射防止フィルム、中でも反射防止層には帯電を抑制して埃の付着を防止し、さらに付着した埃を拭き取りやすくする機能(埃拭取り性)を付与することが強く求められている。
特開平05−105424号公報 特開平06−157076号公報 特開昭61−010043号公報 特開平09−208898号公報
本発明の目的は、保存安定性に優れ、水接触角が高く、埃拭き取り性が良好な被膜形成用塗布液、それから形成される被膜、及びそれらの製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、上記被膜形成用塗布液及びそれから形成される被膜を反射防止用途に利用することである。
本発明者らは、上記の状況に鑑み鋭意研究した結果、下記に示す本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
1.(A)成分であるフッ素原子で置換された有機基を側鎖に持つポリシロキサンと、(B)成分である水酸基がリン原子に結合したリン酸エステル化合物と、を含有する被膜形成用塗布液であって、
A)成分が、式(1)で表されるアルコキシシラン及び式(2)で表されるアルコキシシランを含むアルコキシシランを、重縮合して得られるポリシロキサンであり、(B)成分が、式(4)で表されるリン酸エステル化合物である、ことを特徴とする被膜形成用塗布液。
Figure 0005293180
(Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)
Figure 0005293180
(R式(5)で表される有機基を表し、Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)
Figure 0005293180
(kは0から12の整数を表す。)
Figure 0005293180
(Rは炭素数1から20の有機基を表し、mは1又は2の整数を表す。)
.(A)成分が、更に式(3)で表されるアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンである、上記1に記載の被膜形成用塗布液。
Figure 0005293180
(Rはフッ素原子で置換されていない有機基を表し、Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、nは1から3の整数を表す。)
.式(4)のRが炭素数1から6の有機基である、上記1又は2に記載の被膜形成用塗布液。
.(A)成分の珪素原子の合計量の1モルに対して、(B)成分のリン原子が0.01から0.45モルである、上記1からのいずれかに記載の被膜形成用塗布液。
.(A)成分が、式(1)で表されるアルコキシシランを60から95モル%及び式(2)で表されるアルコキシシランを5から40モル%含有するアルコキシシランを重縮合して得られる、ポリシロキサンである上記からのいずれかに記載の被膜形成用塗布液。
.上記1からのいずれかに記載の被膜形成用塗布液を用いて形成される被膜。
.上記1からのいずれかに記載の被膜形成用塗布液を用いて形成される反射防止膜。
.上記1からのいずれかに記載の被膜形成用塗布液を、基材に塗布し、室温から150℃で乾燥した後、室温から150℃で硬化させる、被膜の形成方法。
.上記1からのいずれかに記載の被膜形成用塗布液を、基材に塗布し、室温から150℃で乾燥した後、室温から150℃で硬化させる、反射防止膜の形成方法。
10.上記に記載の被膜又は上記に記載の反射防止膜を有する反射防止基材。
11.上記に記載の被膜又は上記に記載の反射防止膜を有する反射防止フィルム。
12.式(1)で表されるアルコキシシランを60から95モル%及び式(2)で表されるアルコキシシランを5から40モル%含有するアルコキシシランと、全アルコキシシランのアルコキシ基の1モルに対して0.2から2モルの蓚酸とを有機溶媒中で液温50から180℃で加熱し、重縮合して得られるポリシロキサンの溶液と;式(4)で表されるリン酸エステル化合物と;を混合することを特徴とする被膜形成用塗布液の製造方法。
Figure 0005293180
(Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)
Figure 0005293180
(R式(5)で表される有機基を表し、Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)
Figure 0005293180
(kは0から12の整数を表す。)
Figure 0005293180
(R は炭素数1から20の有機基を表し、mは1又は2の整数を表す。)
本発明の被膜形成用塗布液は、保存安定性に優れ、水接触角が高く、埃拭き取り性が良好で、経時的な変化がない安定した被膜を形成することができる。中でも低反射率を示す被膜形成用塗布液は、反射防止膜形成用塗布液として有用であり、それを用いて形成した被膜は低い反射率、高い防汚性、埃拭取り性を示すことから反射防止膜として非常に有益である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明は、(A)成分であるフッ素原子で置換された有機基を側鎖に持つポリシロキサンと、(B)成分である水酸基がリン原子に結合したリン酸エステル化合物と、を含有する被膜形成用塗布液及びそれから形成される被膜並びにそれらの製造方法に関するものである。
<(A)成分>
(A)成分は、フッ素原子で置換された有機基を側鎖に持つポリシロキサンである。
本発明において、前記の側鎖は主に被膜に高い水接触角を付与するものであり、これにより防汚性を発現する。
のようなフッ素原子で置換された有機基は、脂肪族基や芳香族基の水素原子を一部又は全部をフッ素原子で置換した有機基である。これらの具体例を以下に挙げる。
例えば、トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基、ペンタフルオロフェニルプロピル基等が挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキル基を有する炭素数が3から15の脂肪族基は、透明性の高い被膜を得易いので好ましい。
具体例として、トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基等が挙げられる。
本発明においては、上記の如き側鎖を有するポリシロキサンを複数種併用してもよい。
上記の如きフッ素原子で置換された有機基を側鎖に持つポリシロキサンは、上記した有機基を側鎖に持つアルコキシシランとそれ以外のアルコキシシランとを重縮合して得られる。すなわち、式(1)で表されるアルコキシシラン及び式(2)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを重縮合して得られる。
Figure 0005293180
Figure 0005293180
式(1)のRは、炭化水素基を表すが、炭素数が少ない方が反応性が高いので、炭素数1から5の飽和炭化水素基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
このようなテトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられ、市販品として容易に入手可能である。
本発明においては、式(1)で表されるアルコキシシランのうちの少なくとも1種を用いればよいが、必要に応じて複数種を用いてもよい。
式(2)で表されるアルコキシシランは、上記したフッ素原子で置換された有機基を側鎖に持つアルコキシシランである。従って、このアルコキシシランは、塗膜に撥水性を付与するものである。
ここで、式(2)のRは、上記したフッ素原子で置換された有機基を表すが、この有機基が有するフッ素原子の数は特に限定されない。
また、式(2)のRは炭素数1から5の炭化水素基を表し、好ましくは、炭素数1から5の飽和炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
このような式(2)で表されるアルコキシシランにおいて、 式(5)で表される有機基である。
Figure 0005293180
式(5)中、kは0から12の整数を表す。
式(5)で表される有機基を有するアルコキシシランの具体例として、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
特に、kが2から12の整数の場合、反射防止膜の指紋の拭き取り性が良好となるので好ましい。
本発明においては、式(2)で表されるアルコキシシランのうちの少なくとも1種を用いればよいが、必要に応じて複数種を用いてもよい。
また、ポリシロキサン(A)は、式(1)及び式(2)で表されるアルコキシシランと、それ以外に式(3)及び/または式(6)で表されるアルコキシシランとを重縮合させたものでもよい。この際、式(1)及び式(2)で表されるアルコキシシラン以外に、式(3)で表されるアルコキシシランと式(6)で表されるアルコキシシランのどちらか一方を単独で用いてもよいし、両方を併用してもよい。
Figure 0005293180
式(3)中、Rはフッ素原子で置換されていない有機基を表し、Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、nは1から3の整数を表す。
Figure 0005293180
式(6)中、Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、Rは1〜20個の炭素原子を有する有機鎖を表す。
式(3)のアルコキシシランは、Rがフッ素原子で置換されていない有機基と、アルコキシ基を1、2又は3個有するアルコキシシランである。式(3)のRは、それぞれ1から5個の炭素原子を有する炭化水素基である。nが1、2の場合、一般的にはRが同一の場合が多いが、本発明においては、Rは同一でも、それぞれ異なっていてもよい。
式(3)中のRは、炭素数1から20の有機基、好ましくは炭素数1から15の有機基である。nが2、3の場合、一般的にはRが同一の場合が多いが、本発明においては、Rは同一でも、それぞれ異なっていてもよい。
このような、式(3)で表されるアルコキシシランの具体例を以下に示すが、これに限定されない。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン及びジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン等が挙げられる。
式(3)のRは炭素数1から5の炭化水素基であるが、好ましくは、炭素数1から4の飽和炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1から3の飽和炭化水素基である。
本発明においては、式(3)で表されるアルコキシシランを必要に応じて複数種用いることもできる。
また、式(6)のアルコキシシランは、Rが1から5個の炭素原子を有する炭化水素基であるが、好ましくは、炭素数1から4の飽和炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1から3の飽和炭化水素基である。
本発明においては、式(6)で表されるアルコキシシランを必要に応じて複数種用いることもできる。一般的にはRは同一の場合が多いが、本発明においては、Rは同一でも、それぞれ異なっていてもよい。Rは炭素数1から20の有機鎖であり、構造は特に限定されず、二重結合や三重結合、フェニル基などの環状構造及び分岐構造を含んでもよい。また、窒素、酸素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよい。
本発明により形成される被膜の撥水性をより良好にするためには、式(6)で表されるアルコキシシランの中でも、Rの部分がパーフルオロアルキル鎖を含む式(7)のような有機鎖であるアルコキシシランを用いることが好ましい。
Figure 0005293180
式(7)中、pは1から12の整数を表す。
このような、式(6)のRの部分が式(7)で表されるパーフルオロアルキル鎖を含む有機鎖であるような構造のアルコキシシランの具体例としては1,6-ビス(トリメトキシシリルエチル)ドデカフルオロヘキサン、1,6-ビス(トリエトキシシリルエチル)ドデカフルオロヘキサンなどが挙げられる。
本発明に用いる(A)成分は、通常、式(1)及び式(2)で表されるアルコキシシランを必須として、必要に応じて式(3)と式(6)で表されるアルコキシシランのどちらか一方あるいは両方を重縮合して得られるが、溶媒中で均質な溶液状態であれば、これらのアルコキシシランの使用割合は特に限定されない。
式(2)で表されるアルコキシシランが、(A)成分を得るために用いるアルコキシシランの合計量に対して、5モル%以上の場合、水の接触角が80°以上の被膜が得られやすいので好ましく、40モル%以下の場合、ゲルや異物の生成を抑制でき、均質な(A)成分の溶液を得られ易いので好ましい。
他方、式(1)のアルコキシシランの使用量は、(A)成分を得るために用いる全アルコキシシランの合計量中で、60モル%から95モル%が好ましい。
式(3)で表されるアルコキシシランのみを併用する場合は、(A)成分を得るために用いるアルコキシシランの合計量中で、0モル%から35モル%が好ましい。また、式(6)で表されるアルコキシシランのみを併用する場合は、(A)成分を得るために用いるアルコキシシランの合計量中で、0モル%から20モル%が好ましい。さらに、式(3)及び式(6)で表されるアルコキシシランの両方を併用する場合には、式(3)と式(6)で表されるアルコキシシランの合計量が、(A)成分を得るために用いるアルコキシシランの合計量中で0から35モル%であり、かつそのうち式(6)で表されるアルコキシシランの割合が、(A)成分を得るために用いるアルコキシシランの合計量中で0から15モル%であることが好ましい。
本発明に用いる(A)成分であるポリシロキサンを縮合する方法は特に限定されないが、例えば、アルコキシシランをアルコールやグリコール溶媒中で加水分解・縮合する方法が挙げられる。その際、加水分解・縮合反応は、部分加水分解及び完全加水分解のいずれであってもよい。完全加水分解の場合は、理論上、アルコキシシラン中の全アルコキシ基の0.5倍モルの水を加えればよいが、通常は0.5倍モルより過剰量の水を加える。
本発明においては、上記反応に用いる水の量は、所望により適宜選択することができるが、通常、アルコキシシラン中の全アルコキシ基の0.1から2.5倍モルである。
また、通常、加水分解・縮合反応を促進する目的で、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸、蓚酸、マレイン酸などの酸;アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、トリエチルアミンなどのアルカリ;塩酸、硫酸、又は硝酸などの金属塩などが触媒として用いられる。この場合反応に用いる触媒の量はアルコキシシラン中の全アルコキシ基の0.001から0.05倍モル程度が好ましい。加えて、アルコキシシランが溶解した溶液を加熱することで、更に、加水分解・縮合反応を促進させることも一般的である。その際、加熱温度及び加熱時間は所望により適宜選択でき、好ましくは反応系を50から180℃にして液の蒸発、揮散等が起こらないように、密閉容器中又は還流下で数十分から数十時間行われる。例えば、50℃で24時間加熱・撹拌したり、還流下で8時間加熱・撹拌するなどの方法が挙げられる。
また、別法として、例えば、アルコキシシラン、溶媒及び蓚酸の混合物を加熱する方法が挙げられる。具体的には、あらかじめアルコールに蓚酸を加えて蓚酸のアルコール溶液とした後、当該溶液とアルコキシシランを混合し、加熱する方法である。その際、蓚酸の量は、アルコキシシランが有する全アルコキシ基の1モルに対して0.2から2モルとすることが一般的である。この方法における加熱は、液温50から180℃で行うことができ、好ましくは、液の蒸発、揮散等が起こらないように、例えば、密閉容器中又は還流下で数十分から数十時間行われる。
上記のそれぞれの方法において、複数のアルコキシシランを用いる場合は、複数のアルコキシシランをあらかじめ混合して用いてもよいし、複数のアルコキシシランを順次加えてもよい。
上記の方法でアルコキシシランを重縮合する際には、仕込んだアルコキシシランの珪素原子の合計量をSiOに換算した濃度(以下、SiO換算濃度と称す。)が、20質量%以下とされることが一般的である。このような濃度範囲で任意の濃度を選択することにより、ゲルの生成を抑え、均質なポリシロキサンの溶液を得ることができる。
アルコキシシランを重縮合する際に用いられる溶媒は、式(1)及び式(2)で表されるアルコキシシランと、必要に応じて式(3)及び式(6)で表されるアルコキシシランを溶解するものであれば特に限定されない。一般的には、アルコキシシランの重縮合反応によりアルコールが生成するため、アルコール類やアルコール類と相溶性の良好な有機溶媒が用いられる。
このような有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
本発明においては、上記の有機溶媒を複数種混合して用いてもよい。
<(B)成分>
本発明に用いる(B)成分は、水酸基を有するリン酸エステル化合物である。
本発明の効果である良好な埃拭き取り性を発現させるため、(B)成分は、1分子中にリン原子に結合した水酸基を1個又は2個有するリン酸エステル化合物、すなわち、式(4)で表されるリン酸エステル化合物である。

Figure 0005293180
式(4)のRは、炭素数1から20の有機基であるが、二重結合や三重結合、フェニル基などの環状構造及び分岐構造を含んでもよい。また、窒素、酸素などのヘテロ原子を含んでもよい。
の炭素数が21以上の場合、ポリシロキサン(A)との相溶性が不充分となったり、塗布液の保存安定性が充分に得られない場合があるので、炭素数が1から20の有機基であることが好ましい。本発明の被膜を反射防止膜に用いる場合、炭素数1から10の場合は、反射率の上昇を抑制できるのでより好ましく、更に炭素数が1から6の場合は、反射率の上昇が殆ど無いので好ましい。
式(4)のmは1又は2の整数であるが、mが0の場合、式(4)の化合物は水酸基を有さないリン酸エステル化合物となり、本発明の効果である帯電防止効果が得られ難い。他方、mが3の場合、式(4)の化合物はリン酸を表し、ポリシロキサン(A)との親和性不足により形成された被膜が時間の経過と共に不安定化して白化する場合がある。
従って、被膜の安定性を保ちつつ帯電防止性を有し、それにより本発明の効果である埃拭取り性を発現する化合物は、mが1又は2である水酸基とアルキルエステル部位を併せ持つリン酸エステル化合物である。水酸基の数が多いほど帯電防止効果が強いため、特に、mが2の場合は、少量で本発明の効果を奏することができるため好ましい。
このようなリン酸エステル化合物の具体例を以下に挙げるが、これに限定されるものではない。
例えば、リン酸メチル(別名リン酸メチルエステル、モノエステル:ジエステル=50:50(質量%)混合物)、エチルホスフェート(別名リン酸エチルエステル、モノエステル:ジエステル=37:63(質量%)混合物)、リン酸イソプロピル(別名リン酸イソプロピルエステル、モノエステル:ジエステル=30:70(質量%)混合物)、リン酸ジn−ブチル(モノエステル:ジエステル=36:64(質量%)混合物)、リン酸ジn−ブチル(ジエステル単離品)、フェニルリン酸(別名リン酸モノフェニルエステル、モノエステル単離品)、リン酸ジフェニル(別名リン酸ジフェニルエステル、ジエステル単離品)、リン酸2−エチルヘキシル(別名リン酸2−エチルヘキシルエステル、モノエステル:ジエステル=40:60(質量%)混合物)、モノn−ドデシルリン酸(別名リン酸モノn−ドデシルエステル、モノエステル単離品)、n−トリデシルリン酸(別名リン酸n−トリデシルエステル、モノエステル・ジエステル混合物)、1−アミノプロピルリン酸(別名リン酸モノ1−アミノプロピルエステル、モノエステル単離品)、1−アミノ−2−メチルプロピルリン酸(別名リン酸1−アミノ−2−メチルプロピルリン酸、モノエステル単離品)ビニルリン酸、3−アクリロキシプロピルリン酸、3−メタクリロキシプロピルリン酸等が挙げられる。
本発明において(B)成分は、(A)成分と良好に相溶する限りにおいて限定されず、それらを複数種用いることもできる。
このような(B)成分の含有量は、(A)成分中の珪素原子の合計量の1モルに対して、(B)成分のリン原子が0.01モル以上とすることが好ましい。より好ましくは0.1モル以上であり、特に好ましくは0.15モル以上である。0.01モルを下回る場合は、本発明の効果である良好な埃拭き取り性が得られにくい場合がある。他方、0.45モルを超えても、埃拭き取り性の効果が格段に向上し難いため、0.45モル以下が好ましい。反射防止膜に用いる場合、より好ましくは0.4モル以下であり、特に好ましくは0.25モル以下である。
<(C)溶媒>
本発明の被膜形成用塗布液は、通常、(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて後記するその他の成分が、溶媒に溶解した溶液状態である。
そのため、本発明に用いる(C)溶媒は、(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて後記するその他の成分を、均一に溶解するものであれば特に限定されない。通常は有機溶媒である。
このような溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、乳酸エチルエステル等のエステル類等が挙げられる。
本発明においては、複数の溶媒を用いることもできる。
<その他の成分>
本発明においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、(A)成分及び(B)成分以外のその他の成分、例えば、無機微粒子、フィラー、レベリング剤、表面改質剤、界面活性剤等の成分が含まれていてもよい。
無機微粒子としては、金属酸化物微粒子、金属複酸化物微粒子、フッ化マグネシウム微粒子等が挙げられる。
金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられ、金属複酸化物としては、ITO、ATO、AZO、アンチモン酸亜鉛等が挙げられる。また、中空のシリカ微粒子や多孔質シリカ微粒子等も例示することができる。
このような無機微粒子は、粉体及びコロイド溶液のいずれでもよいが、コロイド溶液のものが扱い易いので好ましい。このコロイド溶液は、無機微粒子粉を分散媒に分散したものでもよいし、市販品のコロイド溶液であってもよい。
本発明においては、無機微粒子を含有させることにより、形成される硬化被膜の表面形状やその他の機能を付与することが可能となる。
無機微粒子としては、その平均粒子径が0.001から0.2μmであることが好ましく、更に好ましくは0.001から0.1μmである。無機微粒子の平均粒子径が0.2μmを超える場合には、調製される塗布液によって形成される硬化被膜の透明性が低下する場合がある。
無機微粒子の分散媒としては、水及び有機溶剤を挙げることができる。コロイド溶液としては、被膜形成用塗布液の安定性の観点から、pH又はpKaが2から10に調整されていることが好ましく、より好ましくは3から7である。
コロイド溶液の分散媒に用いる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール等のグリコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエ−テル類を挙げることができる。これらの中で、アルコール類及びケトン類が好ましい。これら有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して分散媒として使用することができる。
また、フィラー、レベリング剤、表面改質剤、界面活性剤等は、公知のものを用いることができ、特に市販品は入手が容易なので好ましい。
<被膜形成用塗布液>
本発明の被膜形成用塗布液を調製する方法は特に限定されない。(A)成分と(B)成分が均一な溶液状態であればよい。通常、(A)成分は、溶媒中で重縮合されるので、溶液の状態で得られる。そのため、(A)成分を含有する溶液(以下、(A)成分の溶液という。)をそのまま用いて、(B)成分と混合する方法が簡便である。また、必要に応じて、(A)成分の溶液を、濃縮したり、溶媒を加えて希釈したり又は他の溶媒に置換してから、(B)成分と混合してもよい。更に、(A)成分の溶液と(B)成分を混合した後に、溶媒を加えることもできる。また、(B)成分を(C)溶媒に溶解してから(A)成分の溶液と混合してもよい。
被膜形成用塗布液中のSiO換算濃度は、0.5から15質量%が好ましく、0.5から6質量%がより好ましい。SiO換算濃度が0.5質量%より低いと、一回の塗布で所望の膜厚を得ることが難しく、15質量%より高いと、溶液の保存安定性が不足し易い。
希釈や置換等に用いる溶媒は、上記したアルコキシシランの重縮合に用いたものと同じ溶媒でもよいし、別の溶媒でもよい。この溶媒は、(A)成分及び(B)成分との相溶性を損なわなければ特に限定されず、一種でも複数種でも任意に選択して用いることができる。
上記した、その他の成分を混合する方法は、(A)成分及び(B)成分と同時でも、(A)成分及び(B)成分の混合後であってもよく、特に限定されない。
本発明において、被膜形成用塗布液の具体例を以下に挙げる。
[1](A)成分と、(A)成分の珪素原子の合計量の1モルに対して(B)成分のリン原子が0.01から0.45モルを含有する被膜形成用塗布液。
[2]上記[1]と無機微粒子を含有する被膜形成用塗布液。
[3]上記[1]又は[2]とフィラー、レベリング剤、表面改質剤、及び界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する被膜形成用塗布液。
<被膜の形成>
本発明の被膜形成用塗布液は、基材に塗布し、熱硬化することで所望の被膜を得ることができる。
塗布方法は、公知又は周知の方法を採用できる。例えば、ディップコート法、フローコート法、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェットコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアロールコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアドクターコート法、エアーナイフコート法、ワイヤードクターコート法、リバースコート法、トランスファーロールコート法、マイクログラビアコート法、キスコート法、キャストコート法、スロットオリフィスコート法、カレンダーコート法、ダイコート法等の方法を採用できる。
その際、用いる基材は、プラスチック、ガラス、セラミックス等の公知又は周知の基材を挙げることができる。プラスチックとしては、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、トリメチルペンテン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、(メタ)アクリロニトリル、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等の板及びフィルム等が挙げられる。
基材に形成された塗膜は、そのまま室温から450℃、好ましくは温度40から450℃で熱硬化させてもよいが、これに先立ち、室温から150℃の温度領域で、好ましくは温度10℃から150℃の温度領域で乾燥させた後、熱硬化してもよい。その際、乾燥に要する時間は、10秒間から10分間が好ましい。
熱硬化に要する時間は、所望の被膜特性に応じて適宜選択することができるが、通常、1時間から10日間である。低い硬化温度を選択する場合は、硬化時間を長くすることで充分な耐擦傷性を有する被膜が得られやすい。
特に、基材がTAC(トリアセチルセルロース)フィルムやPET(ポリエステル)フィルムのような有機基材の場合、基材の耐熱性を考慮して、塗膜の硬化温度は室温から150℃、好ましくは温度10℃から150℃が好ましい。その際、乾燥工程を用いる場合は、室温から150℃の温度領域、好ましくは温度10℃から150℃の温度領域で10秒間から10分間乾燥させることが好ましい。
このようにして得られた本発明の被膜は、水の接触角が80°以上であり、埃拭き取り性に優れるという特徴を有している。加えて、本発明により形成される被膜のうち反射率が低いものは、特に、反射防止用途の低屈折率層として好適に用いることができる。
本発明の被膜を反射防止用途に使用する場合、本発明の被膜の屈折率より高い屈折率を有する基材、例えば、通常のガラスやTAC(トリアセチルセルロース)フィルム等の表面に、本発明の被膜を形成することで、この基材を容易に光反射防止能を有する基材に変換させることができる。その際、本発明の被膜は、基材表面に単一の被膜として使用しても有効であるが、高屈折率を有する下層被膜の上に被膜を形成した、反射防止積層体としての使用も有効である。
ここで被膜の厚さと光の波長の関係について述べると、屈折率aを有する被膜の厚さd(nm)と、この被膜による反射率の低下を望む光の波長λ(nm)との間には、d=(2b−1)λ/4a(式中、bは1以上の整数を表す。)の関係式が成立することが知られている。従って、この式を利用して被膜の厚さを定めることにより、容易に所望の波長の光の反射を防止することができる。
具体例を挙げると、波長550nmの光について、1.32の屈折率を有する被膜を形成し、ガラス表面からの反射光を防止するには、上記式のλとaにこれらの数値を代入することで最適な膜厚を算出することができる。その際、bは任意の正の整数を代入すればよい。例えば、bに1を代入することによって得られる膜厚は104nmであり、bに2を代入することによって得られる膜厚は312nmである。このようにして算出された被膜厚さを採用することによって、容易に反射防止能を付与することができる。
基材に形成する被膜の厚さは、塗布時の膜厚によっても調節することができるが、塗布液のSiO2換算濃度を調節することによっても容易に調節することができる。
本発明の被膜は、撥水性(防汚性)と良好な埃拭き取り性を有することに加え、反射率が低いという特徴を有する。そのため、ガラス製のブラウン管;テレビ、コンピューター、カーナビゲーション、携帯電話等のディスプレイ;ガラス表面を有する鏡;ガラス製ショウケース等の光の反射防止が望まれる分野に好適に用いることができる。特に、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、ELディスプレイ、SED、FET、CRTなどの偏光板、前面板に用いられる反射防止フィルムに有用である。
以下、合成例、及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定して解釈されるものではない。
本実施例における略語を説明する。
TEOS:テトラエトキシシラン
UPS:γ‐ウレイドプロピルトリエトキシシラン
MAS:γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
MPS:γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン
GPS:γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
APS:3‐アミノプロピルトリエトキシシラン
F3:トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
F13:トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン
F17:ペンタデカフルオロデシルトリメトキシシラン
F12:1,6-ビス(トリメトキシシリルエチル)ドデカフルオロヘキサン
MeOH:メタノール
IPA:イソプロピルアルコール(2‐プロパノール)
n−BuOH:n−ブチルアルコール(1−ブタノール)
PG:プロピレングリコール
PA:リン酸
MePA:リン酸メチル(別名リン酸メチルエステル、モノエステル:ジエステル=50:50(質量%)混合物)
EtPA:エチルホスフェート(別名リン酸エチルエステル、モノエステル:ジエステル=37:63(質量%)混合物)
IPPA:リン酸イソプロピル(別名リン酸イソプロピルエステル、モノエステル:ジエステル=30:70(質量%)混合物)
PhPA:フェニルリン酸(別名リン酸モノフェニルエステル、モノエステル単離品)
EhPA:リン酸2−エチルヘキシル(別名リン酸2−エチルヘキシルエステル、モノエステル:ジエステル=40:60(質量%)混合物)
DdPA:モノn−ドデシルリン酸(別名リン酸モノn−ドデシルエステル、モノエステル単離品)
TMePA:トリメチルリン酸(別名リン酸トリメチル、トリエステル単離品)
下記合成例における測定法を以下に示す。
[残存アルコキシシランモノマー測定法]
ポリシロキサン(A)の溶液中の残存アルコキシシランモノマーをガスクロマトグラフィー(以下GCと称す。)で測定した。GC測定は島津製作所社製 Shimadzu GC−14Bを用い、下記の条件で測定した。
カラム:キャピラリーカラム CBP1−W25−100(25mm×0.53mmΦ×1μm)
カラム温度:開始温度を50℃として15℃/分で昇温して到達温度290℃(3分)とした。
サンプル注入量:1μL
インジェクション温度:240℃
検出器温度:290℃
キャリヤーガス:窒素(流量30mL/分)
検出法:FID法
[合成例1]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにMeOH32.54gを投入し、撹拌下で蓚酸18.00gを少量づつ添加して、蓚酸のMeOH溶液を調製した。次いでこの蓚酸−メタノール溶液を加熱して還流させてから、MeOH24.73g、TEOS17.71g、F13 7.02gの混合物を滴下した。滴下終了後、還流下で5時間反応を継続した後、放冷してポリシロキサン(A)の溶液(P1)を調製した。このポリシロキサン(A)の溶液(P1)をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
[合成例2から11]
表1に示す組成で、合成例1と同様の方法でポリシロキサン(A)の溶液(P2からP11)を得た。その際、合成例1と同様に、あらかじめ複数種のアルコキシシラン(以下モノマーと称す。)を混合して用いた。得られたポリシロキサン(A)の溶液(P2からP11)をそれぞれGCで測定したところ、モノマーは検出されなかった。
Figure 0005293180
[合成例12]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにMeOH28.83gを投入し、撹拌下でTEOS 27.91g、F13 11.70g、UPS 1.98gを少量づつ添加して、複数種のアルコキシシラン化合物の混合MeOH溶液を調製した。次いでこの混合溶液を室温で攪拌しながら、MeOH 14.42g、水 15.01g、蓚酸0.15gの混合物を滴下した。滴下終了後に加熱を開始し、還流開始から1時間反応を継続した後、放冷してポリシロキサン(A)の溶液(P12)を調製した。このポリシロキサン(A)の溶液(P12)をGCで測定したところ、モノマーは検出されなかった。
Figure 0005293180
[実施例1から20]
表3に示す組成で、ポリシロキサン(A)の溶液にリン酸エステル化合物(B)及び溶媒を混合して被膜形成用塗布液を調製した。この塗布液を用いて、下記に示す保存安定性及び被膜の評価を行った。
[比較例1から8]
表3に示す組成で、ポリシロキサン(A)の溶液に溶媒を混合して塗布液を調製した。この塗布液を用いて、実施例と同様に下記に示す保存安定性及び被膜の評価を行った。但し、比較例6においては、実施例におけるリン酸エステル化合物(B)の代わりにPAを用いた塗布液とし、比較例7においては、TMePAを用いた塗布液として、評価を行った。
Figure 0005293180
表3のP/Siモル比は、リン酸エステル化合物(B)のリン原子とポリシロキサン(A)の珪素原子のモル比を表す。
<保存安定性>
表3の組成で調整された被膜形成用塗布液を室温で1ヶ月間静置した後、孔径0.45μm、Φ×L:18×22mmの非水系ポリテトラフルオロエチレンフィルター(倉敷紡績社製、クロマトディスク13N)で100cc濾過し、濾過できるものを○、目詰まりが生じたものを×とした。塗布液の保存安定性の評価結果を表4に示す。
<被膜の評価>
調製した被膜形成用塗布液を、下記に示す処理を施したトリアセチルセルロース(以下、TACと称す。)フィルム(フィルム厚80μm、波長550nmにおける反射率が4.5%)にワイヤーバー(No.3)を用いて塗布し、塗膜を形成した。その後、室温で1分間放置し、クリーンオーブンを用い、温度100℃で5分間乾燥させ、次いで温度40℃で3日間硬化させた。
その際用いたTACフィルムは、日本製紙社製ハードコート付TACフィルム(フィルム厚80μm)を40℃に加熱した5質量%水酸化カリウム(KOH)水溶液に3分浸漬してアルカリ処理を行った後純水洗浄し、次いで室温の0.5質量%の硫酸(H2SO4)水溶液に30秒浸漬してから最後に純水洗浄し、その後温度70℃のオーブン中で1時間乾燥したフィルムである。
得られた被膜について、水接触角、マジック拭取り性、指紋拭取り性、HAZE、透過率、反射率、表面抵抗、摩擦帯電指数、埃拭取り性を評価した。これらの評価方法は下記の通りであり、評価結果は表4及び表5に示す。
[水接触角]
協和界面科学社製自動接触角測定装置FACE(CA−W型)を用いて液適法5点平均で測定した。その際、23℃、相対湿度50%の環境で3.0μlの純水の水滴を針先に作り、これを被膜表面に滴下してその接触角を測定した。
[マジック拭取り性]
被膜面に黒マジック(Magic ink社製 M700−T1)で書き込んだ後、乾燥させてからティッシュペーパーで拭取り、その拭取りレベルを下記基準に従って目視で評価した。
○:マジックを完全に拭取り可能。
△:マジックの大部分は拭取れるが、痕が残る。
×:マジック自体が残り、ほとんど拭取れない。
[指紋拭取り性]
被膜面に指紋を付着させた後、ティッシュペーパーで拭取り、その拭取りレベルを下記基準に従って目視で評価した。
○:指紋・油分ともに完全に拭取り可能。
△:油分は拭取れるが、指紋の跡が残る。
×:指紋・油分ともに拭取り不可。
[HAZE及び透過率]
東京電色社製SPECIAL HAZE METER TC−1800Hを用いて測定した。
[反射率]
塗布面とは反対側のフィルム面(裏面)をサンドペーパーでこすり、艶消しの黒色塗料を塗布した後、島津製作所社製分光光度計UV−3100PCにUV反射率測定装置MPC−3100を接続して波長範囲400−800nmで測定した。波長550nm、入射角5゜での反射率を測定した。
[表面抵抗]
東亜ディーケーケー社製デジタル絶縁計DSM−8103を用い、表面抵抗値を測定した。その際、23℃、相対湿度50%の環境に3時間以上放置したサンプルを用いた。
[摩擦帯電圧]
摩擦布として洋毛布(モスリン JIS L 0803用)を装着したカネボウエンジニアリング社製カネボウ式摩擦帯電圧測定装置EST−8を用い、23℃、相対湿度50%の環境で3時間以上放置したサンプル被膜面を10回摩擦した後、表面帯電圧値を60秒間測定した。これにより得られる摩擦帯電指数IFC(帯電圧−時間曲線の積分値)で被膜の帯電性を評価した(小さいほど帯電しにくく、埃拭取り性が良い)。本評価法はJIS L 1094に準処したものである。
[埃拭取り性]
被膜面上でティッシュペーパーを細かく引き裂いて、被膜面に紙埃を付着させた後ティッシュペーパーにより拭取り、その拭取りレベルを下記基準に従って目視で評価した。
○:拭取り前に付着させた埃の7割以上除去
△:拭取り前に付着させた埃の4から7割除去
×:ほとんど拭取れない
Figure 0005293180
Figure 0005293180
実施例1から実施例20では、水接触角が高く、埃拭き取り性の良好な被膜が得られたが、比較例1から比較例5、比較例7、及び比較例8では埃拭き取り性が悪かった。
また、比較例6は、実施例と同様に、水接触角が高く埃拭き取り性も良好だったが、1週間経過後のHAZE値が上昇し、実施例1から実施例20のような安定な被膜が得られなかった。
本発明の被膜形成用塗布液は、保存安定性に優れ、水接触角が高く、埃拭き取り性が良好で、経時的な変化がない安定した被膜を形成することができる。中でも低反射率を示すものは反射防止膜形成用塗布液として有用であり、それを用いて形成した被膜は、反射防止膜として非常に有益である。
そのため、液晶表示素子をはじめ、プラズマディスプレイ等の表示素子に用いる反射防止膜として非常に有用である。

なお、2006年4月13日に出願された日本特許出願2006−110725号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (12)

  1. (A)成分であるフッ素原子で置換された有機基を側鎖に持つポリシロキサンと、(B)成分である水酸基がリン原子に結合したリン酸エステル化合物と、を含有する被膜形成用塗布液であって、
    (A)成分が、式(1)で表されるアルコキシシラン及び式(2)で表されるアルコキシシランを含むアルコキシシランを、重縮合して得られるポリシロキサンであり、(B)成分が、式(4)で表されるリン酸エステル化合物である、ことを特徴とする被膜形成用塗布液。
    Figure 0005293180
    (Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)
    Figure 0005293180
    (R式(5)で表される有機基を表し、Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)
    Figure 0005293180
    (kは0から12の整数を表す。)
    Figure 0005293180
    (Rは炭素数1から20の有機基を表し、mは1又は2の整数を表す。)
  2. (A)成分が、更に式(3)で表されるアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンである、請求項1に記載の被膜形成用塗布液。
    Figure 0005293180
    (Rはフッ素原子で置換されていない有機基を表し、Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、nは1から3の整数を表す。)
  3. 式(4)のRが炭素数1から6の有機基である、請求項1又は請求項2に記載の被膜形成用塗布液。
  4. (A)成分の珪素原子の合計量の1モルに対して、(B)成分のリン原子が0.01から0.45モル含有する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の被膜形成用塗布液。
  5. (A)成分が、式(1)で表されるアルコキシシランを60から95モル%及び式(2)で表されるアルコキシシランを5から40モル%含有するアルコキシシランを重縮合して得られる、ポリシロキサンである請求項から請求項のいずれか一項に記載の被膜形成用塗布液。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の被膜形成用塗布液を用いて形成される被膜。
  7. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の被膜形成用塗布液を用いて形成される反射防止膜。
  8. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の被膜形成用塗布液を、基材に塗布し、室温から150℃で乾燥した後、室温から150℃で硬化させる、被膜の形成方法。
  9. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の被膜形成用塗布液を、基材に塗布し、室温から150℃で乾燥した後、室温から150℃で硬化させる、反射防止膜の形成方法。
  10. 請求項に記載の被膜又は請求項に記載の反射防止膜を有する反射防止基材。
  11. 請求項に記載の被膜又は請求項に記載の反射防止膜を有する反射防止フィルム。
  12. 式(1)で表されるアルコキシシランを60から95モル%及び式(2)で表されるアルコキシシランを5から40モル%含有するアルコキシシランと、全アルコキシシランのアルコキシ基の1モルに対して0.2から2モルの蓚酸とを有機溶媒中で液温50から180℃で加熱し、重縮合して得られるポリシロキサンの溶液と;式(4)で表されるリン酸エステル化合物と;を混合することを特徴とする被膜形成用塗布液の製造方法。
    Figure 0005293180
    (Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)
    Figure 0005293180
    (R式(5)で表される有機基を表し、Rは1から5個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)
    Figure 0005293180
    (kは0から12の整数を表す。)
    Figure 0005293180
    (R は炭素数1から20の有機基を表し、mは1又は2の整数を表す。)
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