JP3599998B2 - 撥水液および撥水性被膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板等表面に撥水性被膜を形成するための撥水液および撥水性被膜の製造方法に関し、建築用、自動車用、船舶用或いは航空機用等の各種窓材、浴室用或いは自動車用等のミラー、さらにはその他産業用など種々の分野の各種透明物品等に利用できる撥水液および撥水性被膜の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、より優れた耐久性と撥水性を併せ持ち、優れた撥水性能をより長く持続する透明な撥水性被膜が望まれてきている。
これらのニ−ズに答えるためには、例えば高い耐摩耗性(耐トラバ−ス性)を有する撥水性薄膜を備える撥水性基材とする必要がある。
【0003】
そこで、本出願人が既に出願した特願平7−294106号(特開平9−132433号公報)等に記載している発明は、ガラス表面に高硬度で高機械的強度、かつ耐久性に優れた高い比表面積で制御した特異で微細な凹凸形状表層表面を有するベ−ス膜を形成し、該ベ−ス膜を被覆する撥水膜を形成することで、該撥水膜の付着効率と密着性を高め、さらに耐光性能を向上するようにしたものである。
【0004】
また、本出願人が既に出願した特願平8−131595号(特開平9−309746号公報)等に記載している発明は、ガラス基板の表面に撥水膜を形成する際に、ガラス基板の温度が90〜200℃程度にある状態でガラス基板表面(場合によっては方向性をもつ筋状の疵をつけた微細な凹凸状ガラス基板表面)に撥水膜層を形成することとし、耐候性、耐摩耗性、耐擦傷性ならびに耐久性に格段に優れた撥水性能を発揮するようにしたものである。
【0005】
また、特開平3−247537号公報には、撥水性ガラスの製造方法として、ガラス基板の表面を研磨粉を用いて研磨洗浄をおこなう前処理工程と、ポリジアルキルシロキサンのアルキル基の水素を5%以上フッ素原子に置換したシリコ−ン系撥水剤を前処理されたガラス基板に塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、該塗布膜を硬化させてガラス基板に密着し膜厚が0.1〜2μmの撥水性硬化皮膜を形成する硬化工程と、からなる方法が記載され、該前処理工程で、アルミナや酸化セリウム(1μm以下)などの微細な研磨粉を用いて研磨洗浄することにより、撥水塗膜は、まずガラス表面に存在するシラノ−ル基と反応して密着皮膜を形成し、次いで表面の厚み方向への硬化を進行させることが記載されている。
【0006】
また、特開昭58−122979号公報や特開昭58−129082号公報には、ガラス表面の撥水撥油剤が記載されており、洗浄及びアセトンで洗浄し、1%塩酸溶液に浸漬後乾燥したガラス板(ソ−ダ石灰ガラス)を用意して、表面に調製済みの撥水撥油剤溶剤溶液をアプリケ−タ−で塗布し、100%相対湿度中、120℃あるいは160℃、20分間キュアリングを行ったことが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した例えば、本出願人が既に出願している特願平7−294106号に記載の撥水性のガラスは、前述したニ−ズに充分に答えうるものであるものの、特異なベ−ス膜と撥水膜の2層構造の膜構成と複雑であり、単純で簡便な単層膜であって、より高性能を有する撥水性ガラスも望まれているところである。
【0008】
また、本出願人が既に出願した特願平8−131595号等に記載の撥水性ガラスは、単層膜でその性能が向上し前記撥水性のガラスにより近づくような性能を有する撥水性ガラスであるものの、製造時における作業性、特にその取り扱いが充分に簡便で高効率であるとは言い難い場合がある。
【0009】
また、特開平3−247537号に記載の撥水性ガラスの製造方法におけるガラス基板表面を研磨する前処理では、耐摩耗性については向上がみられるものの長期的な安定性には充分満足できるものとは言い難いものである。
【0010】
また、特開昭58−122979号公報や特開昭58−129082号公報に記載のガラス表面の撥水撥油剤に開示されている洗浄と塩酸による前処理も上記と同様に、耐摩耗性の長期的な安定性には充分満足できるものとは言い難いものである。
【0011】
すなわち、従来耐久性能を向上させるために下地膜を形成させるものは、複雑な管理条件と工程を要しコスト高になっており、一方下地膜のないものでは、一般的に撥水剤成分とガラス表面との反応性が不十分であり、フルオロアルキル基含有シラン化合物を単に希釈または加水分解しただけの撥水液を用いている限り、満足した耐久性が得られていなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来のかかる課題に鑑みてなしたものであって、フルオロアルキル基含有シラン化合物の縮重合の程度を制御し、フルオロアルキル基含有シラン化合物が少なくとも2量体および3量体よりなる重合度を含有する撥水液により得られた撥水性被膜は、格段に優れた耐摩耗性(耐トラバ−ス性)を有する。この撥水性被膜は、高硬度かつ高密着性であって耐久性や耐摩耗性とを併せ持ち、より長期的に優れた撥水性能を維持することができる。
【0013】
すなわち本発明は、フルオロアルキル基含有シラン化合物を有効成分とする撥水液を基材表面に塗布し、該フルオロアルキル基を基材表面に固定化し撥水性被膜を成膜するのに用いる撥水液において、撥水液中のフルオロアルキル基含有シラン化合物は、少なくとも2量体および3量体よりなる重合体を含有してなる撥水液に関し、該撥水液はフルオロアルキル基含有シラン化合物を加水分解および縮重合させることが好ましい。
【0014】
なお、重合体における2量体に対する3量体の割合(η=3量体/2量体)が0.06〜0.5であることが好ましく、さらに、該重合体の形成割合は2量体が1〜25重量%、3量体が0.06〜12.5重量%であるようにすると良い。
【0015】
また、撥水液中の重合体が、単量体、2量体、3量体および4量体以上からなってもよく、その形成割合が、単量体が60重量%以上、2量体が1〜25重量%、3量体が0.06〜12.5重量%、4量体以上が5重量%以下であることが好ましい。
【0016】
また、撥水液中のフルオロアルキル基含有シラン化合物の含有量が、2重量%以上20重量%以下であることが好ましい。
また本発明は、フルオロアルキル基含有シラン化合物を有効成分とする溶液を加水分解および縮重合して調製してなる撥水液を基材表面に塗布する工程と、次いで該撥水液に含まれるフルオロアルキル基を該基材表面に固定化し撥水性被膜を形成する硬化工程とからなる撥水性被膜の製造方法に関する。
【0017】
なお、フルオロアルキル基含有シラン化合物、希釈溶剤、酸性水溶液からなる出発原料を加水分解した後に縮重合する際の脱水時間を制御することにより、撥水液中に少なくとも2量体および3量体を形成させることが好ましい。
【0018】
また、希釈溶剤として、撥水剤のアルコキシ基含有シラン化合物中のアルコキシ基の種類に相当するアルコール以外の溶剤を用いることが好ましい。
さらに、基材がガラスの場合に、ガラス基板表面を研摩および酸処理をすることにより表面を改質した面に撥水液を塗布することが好ましい。
【0019】
さらにまた、撥水膜層を形成する面はフロート法で製造されるガラスのトップ面またはロールアウト法で製造される火作り面であることが好ましく、研摩および酸処理をすることにより表面を改質したガラス表面に撥水液を塗布することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の高耐久性撥水性被膜を形成する撥水液は、フルオロアルキル基含有シラン化合物からなる撥水剤と、希釈用の溶媒と、触媒としての酸性水溶液を所定量混合したのち、所定時間撹拌して加水分解反応を終結させ、次いで該溶液に脱水剤を添加し、所定時間脱水処理を行って縮重合させることにより得ることができる。
【0021】
上記の出発原料としては、撥水剤としてフルオロアルキルアルコキシシラン系化合物或いはフルオロアルキルハロゲン化シラン系化合物であり、その化合物としては、例えばCF3CH2CH2Si(OR)3 、CF3(CF2)5CH2CH2Si(OR)3 、CF3(CF2)5CH2CH2SiR(OR)2 、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OR)3 、CF3(CF2)7CH2CH2SiR(OR)2、CF3CH2CH2SiCl3 、CF3(CF2)5CH2CH2SiCl3 、CF3(CF2)5CH2CH2SiRCl2 、CF3(CF2)7CH2CH2SiCl3 、CF3(CF2)7CH2CH2SiRCl2等を用いることが出来る。
なお、上記化学式におけるRはCH3、C2H5、C3H7を示す。
【0022】
また、希釈溶媒としては、イソプロピルアルコ−ル(以下、「i−PA」と略す)の他に、メタノ−ル、エタノ−ルなど炭素数が5以下の低級アルコ−ル溶媒であってもよく、アルコ−ル以外にエ−テル類やケトン類を用いることができ、ことにイソプロピルアルコールを主成分としてなるアルコールがコ−ティング溶液の調製における希釈溶媒として好ましい。
【0023】
また、触媒としての酸性水溶液は、0.01N以上、好ましくは0.1N〜13N程度の濃度の硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸あるいは、酢酸、クエン酸などの有機酸を使用することができる。
【0024】
なお、撥水剤:希釈溶剤:酸性水溶液は、重量割合で1:5〜40:0.09〜1.0の範囲が好ましいが、これらの範囲に限定されるものではない。
次に、フルオロアルキル基含有シラン化合物の加水分解および縮重合反応について説明する。
【0025】
(1)加水分解反応
フルオロアルキル(Rf)基含有シラン化合物(次式はアルコキシシラン化合物の例)は次式に示すように、酸触媒下で水と反応して比較的容易に加水分解される。なお、加水分解反応については、加水分解反応(攪拌)の終結を得るには約90分程度、好ましくは約120分程度の時間が必要であるが、これに限定されるものではない。
【0026】
【化1】
【0027】
なお、上記反応における加水分解物の縮重合反応は、撥水剤濃度が約20%以下では他の多くのアルコキシシラン化合物(例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等)に比べて非常に遅く、多くは単量体であり、ゲル化し難い。
【0028】
上式により得られたフルオロアルキル基含有シラン化合物(FAS)の加水分解物(単量体)は、ガラス表面のシラノール基(−SiOH)と次式のような脱水縮重合反応をし、ガラス基板上へ固定化または高重合体(多分子)化する。
【0029】
しかし、フルオロアルキル(Rf)基の嵩高さや剛直さにより、FAS同士の縮重合反応は進みにくく、基本的には単量体が選択的にガラス基材と反応することとなる。これは、Rf基が長鎖になるほどその傾向が強い。
【0030】
▲1▼ガラスとの反応
【0031】
【化2】
【0032】
(2)縮重合反応
▲2▼FAS同士の反応
FAS同士の反応により重合度が増加する。
【0033】
・2量化
【0034】
【化3】
【0035】
・3量化
【0036】
【化4】
【0037】
なお、撥水液中の含有水分量は、通常約4000ppm以下が好ましく、その水分量の測定は、例えばカ−ルフィッシャ−電量滴定法を用いることによって測定し求めている。
【0038】
なお、脱水剤としては、シリカゲル、合成ゼオライト、活性アルミナ等を用いることが出来るが、これに限定するものではない。
また本発明は、加水分解終結後に縮重合する場合あるいは加水分解の途中で縮重合が開始する場合等、特に限定するものではない。
【0039】
基材としては、表面に水酸基(−OH)等の活性水素が含まれているガラス、プラスチック、セラミックス等の材料であれば何でも用いることが出来、また、表面に活性水素を含まない場合に、プラズマ処理あるいはコロナ処理等で基材表面に水酸基を導入したものでも適用できる。
【0040】
代表的基材の一つであるガラス基材としては、建築用窓ガラスや自動車用窓ガラス等に通常使用されているフロ−トガラスあるいはロ−ルアウト法で製造されたガラス等無機質の透明性がある板ガラスが好ましく、無色または着色、ならびにその種類あるいは色調、他の機能性膜との組み合わせ、形状等に特に限定されるものではなく、さらに曲げ板ガラスとしてはもちろん各種強化ガラスや強度アップガラスであり、平板や単板で使用できるとともに、複層ガラスあるいは合せガラスとしても使用できる。
また、被膜はガラス基板の両面に成膜しても構わない。
【0041】
さらに、撥水液をガラス基板の表面上に塗布する条件は、通常雰囲気湿度が約75%RH以下15%RH以上程度が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0042】
さらに、ガラス基板の表面状態について、例えばフロートガラスの場合、該ガラスのトップ面とボトム面において明らかに差異があり、フロ−トガラスの火造り面であるトップ面に被膜することが好ましく、同様にロールアウト法で製造されるガラスについても、搬送ロール等と接触していない火造り面に被覆することが好ましいが、場合によっては、ボトム面あるいは非火造り面でも被覆できる。
【0043】
撥水液を塗布するガラス基板の表面を予め研摩処理し、酸処理することにより表面改質すると、被膜の強度等が増し好ましいが、その方法は以下のようにして行う。
【0044】
ガラス基板の表面改質のための研摩処理は、錫の混入が少ないフロ−トガラストップ面、ロ−ルアウトガラス面もしくはこれらの曲げまたは/および強化ガラス面等を、酸化セリウム(セリア)または/および酸化アルミニウム(アルミナ)または/および酸化珪素等の無機金属酸化物を主成分とする微細粉体(平均粒径が約5μm以下、好ましくは約1μm以下)である表面研摩剤を用い、湿式あるいは乾式でブラシ、スポンジまたは布などの研摩面にて、使用する粉体の種類とその粒径、研摩面の材質およびガラス基板との接触圧などを適宜変えることで、前記ガラス基板面の表面疵状態や研摩状態を制御しつつ研摩することが好ましい。
【0045】
次いで、該研磨処理したガラス面を、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸或いは酢酸、ギ酸もしくは蓚酸等の有機酸を、たとえばpH4濃度以下になるように添加調整した水溶液でなる酸処理液を用い、例えば酸処理液の温度が5℃〜70℃以下、処理時間10秒〜10分以下の条件下で酸処理することで、研摩処理したガラス表面のナトリウムイオンの抽出やシロキサン結合の切断によりシラノ−ル基を効率的に生成するようにし、該シラノ−ル基が後工程の撥水処理において撥水性フルオロアルキル基の固定化に寄与するものとすることができる。
【0046】
なお酸処理は、酸溶液中に浸漬して行うが、他にスプレ−法、フロ−法等、浸漬法と同等あるいは近似した酸処理効果が得られる方法であれば特に限定するものではなく採用できる。
【0047】
またさらに、ガラス基板への膜付け法としては、手塗り(ラビング法)、ノズルフロ−コ−ト法、ディッピング法、スプレー法、リバ−スコ−ト法、フレキソ法、印刷法、フローコート法あるいはスピンコート法、ならびにそれらの併用等既知の塗布手段、さらに本出願人が出願提案した各種塗布法等が適宜採用し得るものである。
また成膜の条件としては、例えば80℃以上350℃以下で1分間乃至60分間の乾燥とキュアリングを行い成膜するのが好ましい。
【0048】
【作用】
本発明は、撥水液の加水分解反応をより完全に終結せしめ、その後脱水剤等を用いて含有水分量を調整し、縮重合度を高め、少なくとも2量体および3量体を形成するよう制御した撥水液とし、制御した被覆環境下で基材表面に被覆し薄膜を成膜することにより、撥水剤成分と基材表面との反応性が効率化され、基材の単位面積当たりのフルオロアルキル基の存在密度を最適化することが可能となる。得られた撥水性膜は、格段に優れた耐摩耗性を有し、高硬度かつ高密着性であって耐久性を併せ持ち、より長期的に優れた撥水性能、例えば接触角が約95°程度以上を維持することができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
【0050】
実施例1
撥水液の調合は以下のようにして行った。
撥水性被膜を形成するための撥水液組成の原料として、フルオロアルキルアルコキシシラン〔CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3(以下、「FAS」と略す)、東芝シリコ−ン製;TSL8233〕と、希釈溶媒であるイソプロピルアルコ−ル〔(以下、「i−PA」と略す);キシダ化学製〕と、酸触媒である0.1N−硝酸〔キシダ化学製〕を用い、その配合割合をFAS:i−PA:0.1N−HNO3=1:25:0.3(単位:g)とし、室温で約2時間攪拌し加水分解反応を終結させた。
【0051】
次いで、該加水分解反応を終結させた溶液に脱水剤である合成ゼオライト〔モレキュラ−シ−ブ4A、キシダ化学製〕を5g添加し、18時間(脱水時間)浸漬・放置し縮重合反応をさせつつ脱水を完了した後、濾紙(アドバンテック製、NO.7)を用いて濾過しモレキュラ−シ−ブ4Aを分離除去して塗布用撥水液とした。
【0052】
続いて、撥水性基材の作製は以下のようにして行った。
200mm×300mm×3.5mmサイズのフロートガラス基板の表面を、研磨液とブラシポリッシャーを用いて研磨し、十分に研摩剤を除去した後、35℃の0.1N硫酸水溶液中に1分間浸漬した。その後、市販のガラス洗浄機にて水洗および乾燥して、温度と湿度を23℃,45%RHに保った環境下で、ガラス基板1枚当たり2ml/枚の撥水液を滴下し、綿布(商品名ベンコット)でガラス全面に十分引き伸ばした後、5分程度風乾した。続いて、マッフル炉内にガラス基板を投入し、該ガラス基板の温度が5分間で140℃に達するような熱処理(以下、キュアリングと呼ぶ)を行ったのち炉内より取出し、ガラス基板表面に白濁して残っている余剰な撥水剤をi−PAを含ませた綿布で拭き上げて透明な撥水性ガラス基板を得た。なお、上記の研磨液は、ミレーク(A+B)(三井金属工業製):水=1:100(重量%)なる懸濁液を用いた。
【0053】
次に、撥水液の重合度の測定及び撥水性基材の撥水性試験及び耐摩耗性(耐トラバース)試験は下記の方法で行った。
なお、GPC測定用の撥水液試料は、シラノール基を不活性化するために撥水液中のFASの加水分解および縮重合をTMS(トリメチルシリル)化剤の一つである、トリメチルクロロシラン((CH3)3SiCl:TMCS)を用いて、撥水液中のFASの加水分解物および縮重合物をTMS化したのち、孔径0.5μmのフィルターで試料(撥水液)をろ過した。TMS化のための反応条件は、5gの試料(撥水液)に対し、0.57gのTMCSを加えて、室温で1h撹拌した。得られたGPCチャートにおける各ピークから、脱水撥水液中にはFASの単量体(Monomer)、2量体(Dimer)、3量体(Trimer)および4〜5量体が存在することを確認し、それぞれの保持時間を、32.5、30.8、29.9および29.3〜28.5分と同定できた。
【0054】
また、それぞれの重合体の存在比は、ピーク面積の比により求めた。
例えば、2量体に対する3量体の存在比(η)は、η=(3量体によるピーク面積)/(2量体によるピーク面積)から求めた。
(但し、単量体、2量体、3量体、4量体以上などの屈折率は変化しないと仮定した)。
【0055】
【0056】
【0057】
結果、表1(各脱水時間における撥水液中の水分量とGPCで得られたη値(撥水液中のFASの2量体に対する3量体の存在比、η=3量体のピーク面積/2量体のピーク面積)および、得られた撥水ガラスの耐摩耗性を示す)に示すようにη値は0.25であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は、試験後の接触角が95°以上を示し極めて良好であった。なお、表1における耐トラーバース性の欄の(◎印)は、試験後の接触角が95°以上の極めて良好な値のものを示し、(○印)は試験後の接触角が90°〜95°と良好な値のものを示し、(×印)は試験後の接触角が90°未満の不合格の値のものを示す。
なお、撥水液中の水分量は660ppmであった。
【0058】
実施例2
実施例1と比較して、脱水時間を6時間にしたものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.17であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は、試験後の接触角が95°以上を示し極めて良好であった。
なお、撥水液中の水分量は1420ppmであった。
【0059】
実施例3
実施例1と比較して、脱水時間を4時間にしたものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.11であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は、試験後の接触角が95°以上を示し極めて良好であった。
なお、撥水液中の水分量は2210ppmであった。
【0060】
実施例4
実施例1と比較して、脱水時間を2.5時間にしたものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.08であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は試験後の接触角が90°〜95°であり合格であった。
なお、撥水液中の水分量は2780ppmであった。
【0061】
比較例1
実施例1と比較して、脱水時間を0時間にしたものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は試験後の接触角が90°未満であり不合格であった。
なお、撥水液中の水分量は9770ppmであった。
【0062】
比較例2
実施例1と比較して、脱水時間を0.75時間にしたものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.02であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は試験後の接触角が90°未満であり不合格であった。
なお、撥水液中の水分量は5240ppmであった。
【0063】
比較例3
実施例1と比較して、脱水時間を1.5時間にしたものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.05であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は試験後の接触角が90°未満であり不合格であった。
なお、撥水液中の水分量は3600ppmであった。
【0064】
また、図1に上記実施例1〜4及び比較例1〜3の各脱水時間でサンプリングした撥水液をTMS化後に測定したGPCチャートを示す。
以上、脱水時間と耐摩耗性(耐トラバース性)との関係では次の傾向が示されていることが判った。
結果、脱水処理しないもの、あるいは脱水時間が1.5hと短い場合は、RT=29.9分(RT=保持時間)のFASの3量体起因やRT=28.5〜29.3分のFASの4量体以上のポリマー起因のピークは殆ど見られなかった。一方、耐摩耗性(耐トラバース性)試験後に接触角が90°以上となる、脱水時間が2.5h以上のものでは3量体起因のピークが現れ始め、脱水時間の経過とともに3量体のピークは増加し、さらに4次以上の高次重合体起因のピークが現れた。このことから、耐摩耗性(耐トラバース性)を満足する(接触角が90以上)ためには、FASの高次重合体の形成が必要であり、特に3量体の形成については、少なくともη(撥水液中のFASの2量体に対する3量体の存在比、η=3量体のピーク面積/2量体のピーク面積)≧0.06の条件が必要なことが分かる。
【0065】
実施例5
実施例1と比較して、撥水液を3日間保管したものである。その保管した撥水液を用いて撥水性ガラスを作製した。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.29であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は、試験後の接触角が95°以上を示し極めて良好であった。
なお、撥水液中の水分量は1250ppmであった。
【0066】
実施例6
実施例1と比較して、撥水液を6日間保管したものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.41であり、試験後の耐摩耗性(耐トラバース性)は接触角が90°〜95°であり合格であった。
なお、撥水液中の水分量は1570ppmであった。
【0067】
比較例4
実施例1と比較して、撥水液を9日間保管したものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.52であり、試験後の耐摩耗性(耐トラバース性)は接触角が90°未満であり不合格であった。
なお、撥水液中の水分量は2360ppmであった。
また、図2に上記実施例5乃至6及び比較例4を各保管日数でサンプリングした撥水液をTMS化後測定したGPCチャートを示す。なお、図2には保管日数が0日の例として、実施例1も併せて掲載した。
【0068】
以上、保管日数と耐摩耗性(耐トラバース性)との関係では次の傾向が示されていることが判った。
結果、保管日数が増加するにつれて、FASの高次重合体起因のピークが徐々に増加した。これは、撥水液中の水分量も増加しており、保管とともに縮重合反応が徐々に進んでいることを示し、脱水剤の添加による縮重合反応の促進が、脱水剤除去後もなお続いていることを示している。一方、耐摩耗性(耐トラバース性)は保管日数が9日間以上で大きく劣化しており、FASの縮重合度は耐摩耗性(耐トラバース性)に対しては適切な範囲、すなわち、0.06≦η≦0.5に制御する必要のあることが分かる。
【0069】
実施例7
実施例1と比較して、溶媒の種類をエタノール(EtOH)に変更したものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.18であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は、試験後の接触角が95°以上を示し極めて良好であった。
【0070】
実施例8
実施例1と比較して、溶媒の種類をブタノール(n−BuOH)に変更したものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.26であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は、試験後の接触角が95°以上を示し極めて良好であった。
【0071】
実施例9
実施例1と比較して、溶媒の種類をアセトンに変更したものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.30であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は、試験後の接触角が95°以上を示し極めて良好であった。
【0072】
比較例5
実施例1と比較して、溶媒の種類をメタノール(MeOH)に変更したものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.02であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は不合格であった。
以上の実施例7乃至9及び比較例5について、図3にそれぞれの撥水液をTMS化後GPC測定したチャートを示す。
なお、図3には溶媒のイソプロピルアルコール(i−PA)を用いた実施例1も併せて掲載した。
【0073】
以上、溶媒の種類と耐摩耗性(耐トラバース性)との関係では次の傾向が示されていることが判った。
結果、溶媒がメタノール以外の場合、GPCチャートには、RT=29.9分前後の3量体やRT=28.5〜29.3分の4量体以上の重合体起因のピークが明瞭に見られ、η値は0.06〜0.5の範囲であった。一方、溶媒をメタノールとしたときには3量体以上のピークは殆ど見られず、η=0.02であった。また、溶媒がメタノール以外では、耐摩耗性(耐トラバース性)は101〜106と良好であったが、メタノールの場合は78〜104と大きく低下した。これらからも、高い耐摩耗性(耐摩耗性)を確保するためには、FASの高次重合体の形成が必要であり、特に3量体の形成については、0.06≦η≦0.5に制御する必要のあることが分かる。
【0074】
実施例10
実施例1と比較して、撥水剤の種類をヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシラン(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC3H7)3:東芝シリコーン製XC95−A9715)を用い、溶媒の種類をエタノール(EtOH)に、脱水時間を16時間にそれぞれ変更したものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.21であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は、試験後の接触角が95°以上を示し極めて良好であった。
【0075】
実施例11
実施例1と比較して、撥水剤の種類を実施例10と同様にヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランに溶媒の種類をブタノール(n−BuOH)に、さらに脱水時間を16時間にそれぞれ変更したものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0.38であり、耐摩耗性(耐トラバース性)は、試験後の接触角が95°以上を示し極めて良好であった。
【0076】
比較例6
実施例1と比較して、撥水剤の種類を実施例8と同様にヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランに、溶媒の種類をイソプロピルアルコール(i−PA)に、脱水時間を16時間にそれぞれ変更したものである。なお、その他の条件は、実施例1と同じで行った。
結果、表1に示すようにηの値は0であり、耐摩耗性(耐トラバース性)
は不合格であった。
なお、図4に上記実施例10乃至11及び比較例6のそれぞれの撥水液をTMS化後GPC測定したチャートを示す。
【0077】
以上、撥水剤の種類/溶媒の種類と耐摩耗性(耐トラバース性)との関係では次の傾向が示されていることが判った。
結果、溶媒がイソプロピルアルコール(すなわち、撥水剤に用いたフルオロアルコキシ基含有シラン化合物中のアルコキシ基と同一の基を有する溶媒としてのアルコール)を用いた場合には、GPCチャートには、RT=32.5分の単量体によるピークしか見られず、RT=29.9分の3量体やRT=28.5〜29.3分の4量体以上の重合体起因のピークは見られなかった。一方、溶媒をエタノールまたはn−ブタノールとしたときには3量体以上のピークが見られ、2量体に対する3量体の存在比(η)は、それぞれ、η=0.21および0.38であった。また、溶媒がイソプロピルアルコールの場合には、耐摩耗性(耐トラバース性)は58〜92と大きく低下したが、エタノールやn−ブタノールを用いた場合には、耐摩耗性(耐トラバース性)は103〜106、または、95〜105と良好であった。これらからも、高い耐摩耗性(耐トラバース性)を確保するためには、FASの高次重合体の形成が必要であり、特に3量体の形成については、0.06≦η≦0.5に制御する必要のあることが分かる。
【0078】
さらに、溶媒としてi−PA(実施例1)とアセトン(実施例9)を用いて調製した脱水撥水液中のFASの単量体、2量体、3量体および4量体以上の各重合体の存在比をGPC測定の各ピーク面積から見積もった結果を表2に示す。
これより、高い耐摩耗性(耐トラバース性)を確保するための脱水撥水液中のFASの単量体、2量体、3量体、4量体以上の存在割合は、それぞれ、60重量%以上、25重量%以下、12.5重量%以下、および5重量%以下であった。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【発明の効果】
以上前述したように、本発明によれば、極めて優れた耐摩耗性(耐トラバース性)を示し、量産下で安定かつ確実に優れた撥水性能を維持し耐久性が高いガラス等の撥水性基材が、簡便に効率よく得られ、品質の均質化を向上し、光学特性を損なうことがないので、建築用はもとより自動車用窓材、船舶や航空機の窓材、浴室用あるいは自動車用などのミラ−、産業用ガラス等各種の物品に広く採用できる利用価値の高い、有用な撥水液を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各脱水時間における撥水液のGPCチャート
【図2】各保管日数における撥水液のGPCチャート
【図3】各種溶媒で調製した撥水液のGPCチャート(1)
【図4】各種溶媒で調製した撥水液のGPCチャート(2)
Claims (11)
- フルオロアルキル基含有シラン化合物を有効成分とする撥水液を基材表面に塗布し、該フルオロアルキル基を基材表面に固定化し撥水性被膜を成膜するのに用いる撥水液において、撥水液中のフルオロアルキル基含有シラン化合物は、少なくとも2量体および3量体よりなる重合体を含有してなり、該重合体における2量体に対する3量体の割合(η=3量体/2量体)が0.06〜0 . 5であることを特徴とする撥水液。
- 撥水液中の重合体の形成割合が、2量体が1〜25重量%、3量体が0.06〜12.5重量%であることを特徴とする請求項1記載の撥水液。
- 撥水液中の重合体が、単量体、2量体、3量体および4量体以上からなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の撥水液。
- 撥水液中の重合体の形成割合が、単量体が60重量%以上、2量体が1〜25重量%、3量体が0.06〜12.5重量%、4量体以上が5重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の撥水液。
- 撥水液は、フルオロアルキル基含有シラン化合物を加水分解および縮重合してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撥水液。
- 撥水液中のフルオロアルキル基含有シラン化合物の含有量が、2〜20重量%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の撥水液。
- フルオロアルキル基含有シラン化合物を有効成分とする溶液を加水分解および縮重合して調製してなる請求項1乃至6のいずれかに記載の撥水液を基材表面に塗布する工程と、次いで該撥水液に含まれるフルオロアルキル基を該基材表面に固定化し撥水性被膜を形成する硬化工程とからなることを特徴とする撥水性被膜の製造方法。
- フルオロアルキル基含有シラン化合物、希釈溶剤、酸性水溶液からなる出発原料を加水分解した後に縮重合する際の脱水時間を制御することにより、撥水液中に少なくとも2量体および3量体を形成させてなることを特徴とする請求項7記載の撥水性被膜の製造方法。
- 希釈溶剤として、撥水剤のアルコキシ基含有シラン化合物中のアルコキシ基の種類に相当するアルコール以外の溶剤を用いることを特徴とする請求項7又は8記載の撥水性被膜の製造方法
- 基材がガラスであり、研摩および酸処理をすることにより表面を改質したガラス表面に撥水液を塗布することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の撥水性被膜の製造方法。
- 基材表面がフロート法で製造されるガラス基板のトップ面またはロールアウト法で製造されるガラス基板の火作り面であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の撥水性被膜の製造方法。
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