JP4602971B2 - 光感応性基体及びパターニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基体表面に、特定の金属化合物と所定量の水を用いて第1の薄膜を形成し、この第1の薄膜上に、有機金属化合物を用いて第2の薄膜を形成してなる光感応性基体、及びその光感応性基体を用いるパターニング方法に関する。
従来、基体表面に金属化合物を含有する薄膜を形成する方法として、ガラス基体の表面にシリカ下地層を付着させて、シリカ下地層を、特定のフルオロアルキル基を有するシラン化合物と接触させる工程を含む撥水撥油性被膜を形成する方法が知られている(特開平10−310455号公報)。しかしながら、この方法は、シリカ下地層表面を粗面化させて撥水撥油性被膜を形成する方法であり、この方法を適用して、表面が平滑な金属化合物を含有する薄膜上に機能性被膜を形成することは困難である。
特開2000−343848号公報には、微細な凹凸構造を持った表面を持つ光触媒体を撥水処理することによって撥水性又は撥油性を示し、水性かつ油性インクいずれに対しても反発させるインク反発層とし、光照射による光触媒層の励起と、その酸化分解反応によって撥水撥油剤を容易に分解し除去することによって光触媒層を露出させて高度な親油性表面にし、これを油性インク担持層とする光触媒体を用いた画像形成材料が記載されている。この画像形成材料は、酸化チタン等の光触媒をガラス、アルミ等の基板に焼成して形成し、撥水剤を塗布し、波長300〜400nmの紫外光を照射する方法で、光触媒の有機物分解機能を利用したものである。
また、特開2004−13042号公報には、薄膜パターンの形成方法として、酸化チタン膜を形成する工程と、前記酸化チタン膜の表面に有機分子薄膜を形成する工程と、有機分子薄膜と接している酸化チタン膜の表面に露光領域を形成する様に紫外線を照射し、前記有機分子を分解する工程を含む薄膜パターンの形成方法が記載されている。この方法は、有機分子薄膜を、波長200〜400nmの紫外光を照射して光分解して薄膜パターンを形成する方法であり、蒸着法又はゾル−ゲル法により形成した酸化チタンの光触媒作用を利用したものである。紫外光として、特に波長365nmのものが使用されている。
しかしながら、上記特開2000−343848号公報や特開2004−13042号公報に記載の酸化チタンの光触媒作用を利用する方法は、ガラス、アルミ等の基板上に焼成等の方法で光触媒層を形成する必要がある等の理由から、使用する基板に制限がある等の問題があった。
一方、基板上への微細なパターンを形成するパターニング方法として、例えば、基板を予め何らかの方法で洗浄した後、該基板上に、フッ化アルキルシランの単分子膜を化学気相蒸着法により形成し、酸素を含む雰囲気下で紫外線又は電子ビームを照射して単分子膜を除去する方法が開示されている(特開2002−282240号公報)。
しかしながら、この方法によりパターニングを行うためには、化学気相蒸着法を用いて稠密な単分子膜を形成する必要があるが、化学気相蒸着法は、高温真空状態で行うため特殊な装置を必要とし、さらに単分子膜を形成するのに時間を要するという問題があった。
特開平10−310455号公報 特開2000−343848号公報 特開2004−13042号公報 特開2002−282240号公報
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、紫外光に対して高い感応性を有する光感応性基体を提供することを第1の課題とする。
また本発明は、この光感応性基体を使用して、短時間でしかも微細なパターニングが可能なパターニング方法を提供することを第2の課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、基体表面に、特定の金属化合物と所定量の水を用いて第1の薄膜を形成し、この第1の薄膜上に、有機金属化合物を用いて第2の薄膜を形成した基体は、紫外線に対して高い感応性を示すことを見出した。また、この第2の薄膜は、紫外線照射により撥水性から親水性に変化することから、光照射による接触角の変化を利用した微細なパターニングが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、下記(1)〜(21)の光感応性基体が提供される。
(1)基体と、該基体上に、加水分解性基を合計で2以上有する金属化合物、加水分解性基を合計で2以上有する金属キレート化合物、金属有機酸塩、並びにこれらの部分加水分解生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機溶媒溶液に、所定量の水を添加して得られた第1の薄膜形成用組成物から形成されてなる第1の薄膜と、該第1の薄膜上に、有機金属化合物から形成されてなる第2の薄膜を有する光感応性基体であって、前記金属化合物、金属キレート化合物及び金属有機酸塩中の金属が、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛及びタングステンからなる群から選ばれる一種以上であり、前記金属化合物は、下記式(II)
Figure 0004602971
(式中、Mはチタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛及びタングステンからなる群から選ばれる一種以上を表し、Rは水素原子又は金属原子と酸素原子を介して結合を形成し得る加水分解性基を有していてもよい有機基を表し、YはMに結合した加水分解性基を表し、bは2からm(mは金属原子の原子価である。)の整数を表し、ただし、a+b=mである。)で表されるものであり、前記金属キレート化合物は、前記加水分解性基を合計で2以上有する金属化合物の部分加水分解物のキレート化合物であり、前記第1の薄膜が、前記第1の薄膜形成用組成物が20〜60℃で乾燥されて形成され、炭素原子の含有比率が2〜40重量%のアモルファスの薄膜であり、前記第2の薄膜が、光照射された部分において有機金属化合物が分解及び/又は除去されて撥水性から親水性に変化する薄膜であり、感応する光の波長が、350nm以下であることを特徴とする光感応性基体。
(2)前記第1の薄膜形成用組成物が、加水分解性基を合計で2以上有する金属キレート化合物に、該金属キレート化合物1モルに対して、2モル未満の水を添加して得られたものであることを特徴とする(1)の光感応性基体。
(3)前記第1の薄膜形成用組成物が、加水分解性基を合計で2以上有する金属キレート化合物に、該金属キレート化合物1モルに対して、2モル以上の水を添加して得られる、透明な金属酸化物の分散液であることを特徴とする(1)の光感応性基体。
(4)前記金属キレート化合物が、加水分解性基を合計で2以上有し、β−ジケトン又はヒドロキシカルボン酸を配位子とする金属キレート化合物であることを特徴とする(3)の光感応性基体。
(5)加水分解性基を合計で2以上有する金属化合物を含む有機溶媒溶液に、所定量の水を添加して得られた第1の薄膜形成用組成物から形成されてなる第1の薄膜を有し、前記加水分解性基を合計で2以上有する金属化合物が、金属アルコキシドであることを特徴とする(1)の光感応性基体。
(6)前記第1の薄膜が、平均表面粗さが20nm以下の薄膜であることを特徴とする(1)〜(5)いずれかの光感応性基体。
(7)前記第1の薄膜が、有機物を含有する薄膜であることを特徴とする(1)〜(6)いずれかの光感応性基体。
)前記第1の薄膜が、厚み40nm以下の薄膜であることを特徴とする(1)〜()いずれかの光感応性基体。
)前記第2の薄膜が、有機金属化合物と触媒とを水の存在下に混合して得られる第2の薄膜形成用組成物を用いて形成されたものであることを特徴とする(1)〜()いずれかの光感応性基体。
10)前記有機金属化合物が、少なくとも1以上の加水分解性基又は水酸基を有する金属系界面活性剤であることを特徴とする(1)〜()いずれかの光感応性基体。
11)前記金属系界面活性剤が、式(I)
Figure 0004602971
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基、又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を表し、Xは加水分解性基を表し、nは1〜(m−1)のいずれかの整数を表し、mはMの原子価を表し、nが2以上のとき、Rは同一であっても相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一であっても相異なっていてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする(10)の光感応性基体。
12)前記第2の薄膜が、単分子膜であることを特徴とする(1)〜(11)いずれかの光感応性基体。
13)前記第2の薄膜が、自己集合膜であることを特徴とする(1)〜(12)いずれかの光感応性基体。
14)前記第2の薄膜が、撥水性及び/又は撥油性の薄膜であることを特徴とする(1)〜(13)いずれかの光感応性基体。
15)前記第2の薄膜が、光照射された部分の水の接触角が70°以上変化する薄膜であることを特徴とする(1)〜(14)いずれかの光感応性基体。
16)照射光が、紫外線であることを特徴とする(1)〜(15)いずれかの光感応性基体。
17)感応する光の波長が、250〜310nmの範囲であることを特徴とする(1)〜(16)いずれかの光感応性基体。
18)照射光量が、40J/cm以下であることを特徴とする()〜(17)いずれかの光感応性基体。
19)照射光量が5J/cm以下であることを特徴とする()〜(18)いずれかの光感応性基体。
20)前記基体が、金属、セラミックス、ガラス及びプラスチックからなる群から選ばれる少なくとも一種からなるものであることを特徴とする(1)〜(19)いずれかの光感応性基体。
21)前記プラスチックが、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂及びポリエーテル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(20)の光感応性基体。
本発明の第2によれば、下記(22)〜(27)のパターニング方法が提供される。
22)前記(1)〜(21)のいずれかの光感応性基体の所定部分を光照射し、光照射された部分の有機金属化合物を分解及び/又は除去することを特徴とするパターニング方法。
23)照射光として、紫外線を用いることを特徴とする(22)のパターニング方法。
24)照射光として、波長350nm以下の光を用いることを特徴とする(22)のパターニング方法。
25)照射光として、波長250〜310nmの光を用いることを特徴とする(22)のパターニング方法。
26)照射光量が、40J/cm以下であることを特徴とする(22)〜(25)いずれかのパターニング方法。
27)照射光量が、5J/cm以下であることを特徴とする(22)〜(25)いずれかのパターニング方法
以下、本発明の光感応性基体及びパターニング方法を詳細に説明する。
1)光感応性基体
本発明の光感応性基体は、基体と、該基体上に、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属化合物、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属キレート化合物、金属有機酸塩、並びにこれらの部分加水分解生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機溶媒溶液に、所定量の水を添加して得られる第1の薄膜形成用組成物を用いて形成されてなる第1の薄膜と、該第1の薄膜上に、有機金属化合物から形成されてなる第2の薄膜を有することを特徴とする。
(1)基体
本発明に用いる基体としては、第1の薄膜及び第2の薄膜を担持できるものであれば、特に制限されず、例えば、金属、セラミックス、ガラス及びプラスチックからなる群から選ばれる少なくとも一種からなるものが挙げられる。また、用いる基体は透明なものであっても、半透明なものであっても、不透明なものであってもよい。
これらの中でも、本発明に用いる基体としては、ガラス又はプラスチック製の基体が好ましい。
ガラスとしては、特に制限されず、例えば、ソーダーライムガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ケイ酸ガラス等、どのようなものも使用できる。
プラスチックとしては、例えば、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレインイミド等のポリイミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート等のポリエステル系樹脂;フェノール系エポキシ樹脂、アルコール系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン等のポリエーテル系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂;ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン等のポリスチレン系樹脂;エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィンの単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系樹脂;エチレン−ポリビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリ三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、パーフルオロエチレン−パーフルオロプロピレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂;ポリカーボネート、ポリビニルブチラート樹脂、ポリアリレート樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂及びポリエーテル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる基体が特に好ましい。
また、プラスチックとして、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリル系化合物よりなる樹脂組成物や、上記アクリル系化合物とチオール基を有するメルカプト化合物よりなる樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオリゴマーを多官能アクリレートモノマーに溶解せしめた樹脂組成物等の光硬化性樹脂及びこれらの混合物等を用いることができる。
基体の大きさや形は特に制限されず、平板、立体物、フィルム等いずれも使用することができるが、フィルム状のものが好ましい。
また、これらの基体には、いわゆる寸度安定性を向上する目的で、ポリ塩化ビニリデン系ポリマーを含む防水層を設けてもよい。さらに、ガスバリアーの目的で、有機化合物及び/又は無機化合物からなる薄膜を設けてもよい。無機化合物の例としては、シリカ、アルミナ、タルク、バーミキュライト、カオリナイト、雲母、合成雲母等が挙げられる。有機化合物の例としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
また、その他諸機能を付与する目的で、基体中に各種有機及び/又は無機添加物が加えられていてもよい。さらに、塗装した物品も基体として用いることができる。
前記基体としてプラスチック製の基体(プラスチック基体)を用いる場合、プラスチック基体は、フィルム状又はシート状であるのが好ましい。フィルム状の基体は、未延伸フィルムからなるものであっても、延伸フィルムからなるものであってもよい。
また、プラスチック基体としては、単層フィルムや二層以上をラミネート、コーティング等の手段によって積層させた積層フィルム等が挙げられる。
フィルム状のプラスチック基体は、従来公知の一般的な方法により製造することができる。例えば、材料樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸フィルムからなる基体を製造することができる。また、未延伸フィルムからなる基体を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基体の流れ(縦軸)方向、又は基体の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸フィルムからなる基体を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基体の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することができるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
フィルム状のプラスチック基体の厚みは、特に制限されるものではないが、通常1〜1000μm、好ましくは3〜500μmである。
(2)第1の薄膜
本発明の光感応性基体の第1の薄膜は、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属化合物、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属キレート化合物、金属有機酸塩、並びにこれらの部分加水分解生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機溶媒溶液に、所定量の水を添加して得られる第1の薄膜形成用組成物を用いて形成されるものである。
本発明の光感応性基体の第1の薄膜は、プラスチック基体と良好な接着性を有する。従来公知のアナターゼ型酸化チタンからなる光触媒層は、プラスチック基材との接着性に乏しく、プラスチック基材と光触媒層との間に接着剤層を設ける必要等があるが、本発明によれば、プラスチック基体の表面に、良好な接着性を有する第1の薄膜を直接形成することができる。
(i)加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属化合物
本発明に用いる加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属化合物は、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有している金属化合物であれば、特に制限されないが、式(II)で表される化合物を好ましく例示することができる。
Figure 0004602971
上記式(II)中、M2は金属原子を表し、好ましくは周期律表第13族〜第15族の金属原子である。より具体的には、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、タンタル、タングステン及び亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種を例示することができる。これらの中でも、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種がより好ましい。
前記Rは、水素原子又は金属原子と酸素原子を介して結合を形成し得る加水分解性基を有していてもよい有機基を表す。
ここで加水分解性基は、水と接触して加水分解する官能基、又は水存在下で金属原子と酸素原子を介して結合形成し得る官能基である(以後にて同じである)。
加水分解性基の具体例としては、ハロゲン原子、アミノ基、アルコキシル基、エステル基、カルボキシル基、ホスホリル基、イソシアナート基、シアノ基、エポキシ基等が挙げられる。
また有機基としては、アルキル基、アルケニル基、芳香族基等が挙げられる。
前記Rが有機基である場合、その炭素数は特に制限されないが、通常1〜20、好ましくは1〜12である。
前記Rの具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;クロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、ブロモプロピル基、ブロモオクチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;グリシドキシプロピル基、エポキシシクロヘキシルエチル基等のエポキシアルキル基;アミノプロピル基、アミノブチル基等のアミノアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;アクリルオキシプロピル基、メタクリルオキシプロピル基等の(メタ)アクリルオキシアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基等の芳香族基;等が挙げられる。
Yは、M2に結合した加水分解性基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシル基;ヒドロキシイミノ基、ヒドロキシアミノ基、エノキシ基、アミノ基、カルバモイル基等の窒素原子を含有する基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;等を例示することができる。
a及びbはそれぞれ独立して、0からm(mは金属原子の原子価である。)の整数を表す。ただし、a+b=mである。
前記式(II)で表される化合物は、分子内に2以上の加水分解性基を有する化合物である。
前記式(II)で表される化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、ジメチルジクロロシラン、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラン、ベンジルトリエトキシシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、8−ブロモオクチルトリクロロシラン、3−ブロモプロピルトリクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン、クロロメチルトリクロロシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、チタンテトラプロポキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシドがより好ましい。
(ii)加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属キレート化合物
本発明に用いる加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属キレート化合物は、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有し、かつ、金属キレート化合物が結合してなるものであれば特に制限されない。なかでも、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属化合物の部分加水分解物のキレート化合物が好ましい。
用いるキレート化合物としては、金属と結合してキレートを形成し得る配位子であれば特に制限されず、中性配位子でも陰イオンでも構わない。少なくとも一箇所で金属原子に結合していればよく、単座配位子であっても、多座配位子であってもよい。また、例えば、2座配位子であっても2座で一つの金属原子に結合していなくてもよい。
キレート配位子の具体例としては、以下のものが挙げられる。ただし、キレート配位子となり得るキレート化合物として例示する。
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸類;アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のβ−ケトエステル類;エチレングリコール等のグリコール類;オキシ酢酸等のグリコール酸類;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びそのナトリウム塩、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン、トリ(ピリジニルメチル)アミン等の含窒素化合物;
フランカルボン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、フェナントロリン、フェナントロリン、ジフェナントロリン、置換フェナントロリン、2,2’:6’,2”−ターピリジン、ピリジンイミン、架橋脂肪族ジアミン、4−4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン、O,S,Se,Teの配位したビピリジン、アルキルイミノピリジン、アルキルビピリジニルアミン、アルキル置換トリピリジン、ジ(アルキルアミノ)アルキルピリジン、エチレンジアミンジピリジン、その他の複素環化合物;
2−メルカプトエタノール等のメルカプトアルコール類;エタンジチオール等のジチオール類;2−メルカプトエチルアミン等のメルカプトアミン類;2,4−ペンタンジチオン等のジチオケトン類;等の硫黄含有化合物等が挙げられる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属キレート化合物は、例えば、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属化合物に、所定量のキレート化合物を作用させることにより得ることができる。
得られる金属キレート化合物は単離することもできるが、このまま次の加水分解及び縮重合反応に供することもできる。
(iii)金属有機酸塩
本発明に用いる金属有機酸塩の金属としては、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン、鉛からなる群から選ばれる一種以上が挙げられる。
有機酸としては、酢酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸等のカルボン酸類;スルフォン酸、スルフィン酸、チオフェノール等の含硫黄有機酸;フェノール;エノール;オキシム;イミド;芳香族スルフォンアミド;等の酸性を呈する化合物が挙げられる。
金属有機酸塩は、市販品をそのまま使用することもできるが、公知の製造方法、例えば、有機酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の有機酸塩に、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩等の金属塩を作用させる方法等により製造したものを使用することもできる。
(iv)上記(i)〜(iii)の部分加水分解生成物
本発明に用いる部分加水分解生成物は、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属化合物、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属キレート化合物、並びに金属有機酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種に、水を添加して部分的に加水分解して得られるものである。
第1の薄膜形成組成物は、具体的には、前記加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属化合物、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属キレート化合物、金属有機酸塩、並びにこれらの部分加水分解生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、「金属化合物等」という。)の有機溶媒溶液に、所定量の水を添加して、全容を撹拌することにより調製することができる。
前記金属化合物等の溶液に用いる有機溶媒としては、水の溶解度が大きく、低温で凝固しない有機溶媒が好ましい。
用いる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、ベンジルアルコール、メチルシクロヘキサノール、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、ヘキサントリオール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール等のアルコール類;ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸ベンジル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル等のエステル類;ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;メチラール等のアセタール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、ミシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、シメン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;等が挙げられる。これらの有機溶媒は一種単独で、あるいは二種以上組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、アルコール類、エステル類及び炭化水素類が好ましく、特にブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、トリメチルヘキサノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ペンタン、ヘキサン、キシレン等が好ましい。
有機溶媒の使用量は、前記金属化合物等100重量部に対し、好ましくは10〜5,000重量部、さらに好ましくは100〜3,000重量部であり、10重量部未満では生成する微粒子が結合した状態で成長し、粒径制御が困難になる場合があり、一方、5,000重量部を超えると溶液が希薄すぎて、微粒子の生成が困難な場合がある。
本発明に用いる金属化合物等を含有する有機溶媒溶液中の金属化合物の含有量は、特に制限はないが、緻密な薄膜を製造するためには、0.1〜30重量%の範囲が好ましい。
前記第1の薄膜形成用組成物に調製に用いる水の添加量は、特に制約されないが、前記金属化合物等として、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属キレート化合物を用いる場合、特に、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有し、β−ケトエステルを配位子とする金属キレート化合物を用いる場合には、該金属キレート化合物1モルに対して、2モル未満であるのが好ましく、0.5モル以上2モル未満であるのがより好ましい。
また、前記金属化合物等として、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有する金属キレート化合物を用いる場合、好ましくは、加水分解性基及び/又は水酸基を合計で2以上有し、β−ジケトン又はヒドロキシカルボン酸を配位子とする金属キレート化合物を用いる場合は、該金属キレート化合物1モルに対して、2モル以上の水を用いると、透明な金属酸化物の分散液を得ることができる。ここで透明とは、後述するように、可視光における透過率が高い状態をいう。このような分散液を用いることで、均質で稠密な第1の薄膜を形成することができる。
前記第1の薄膜形成用組成物の調製に用いる水としては、一般水道水、蒸溜水、イオン交換水等が挙げられる。これらのうち、蒸溜水又はイオン交換水の使用が好ましく、電気伝導度が2μs/cm以下のイオン交換水の使用が特に好ましい。
また、前記第1の薄膜形成用組成物に添加する水は、有機溶媒により希釈したものを用いるのが好ましい。水の希釈に用いる有機溶媒としては、金属化合物との反応性を有しないものであって、かつ、金属化合物が水と反応して加水分解しない温度以下の凝固点を有するもの、すなわち凝固点が0℃以下、特に−10℃以下のものが好ましい。具体的には、前記金属化合物等の有機溶媒溶液に用いる有機溶媒として列記したものと同様のものが挙げられる。
水と有機溶媒の混合割合は、有機溶媒100重量部に対し、水の量が、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜15重量部となる量である。水の使用割合が50重量部を超えると生成する粒子の凝集が激しくなることがある。
また、水と有機溶媒とが均一に溶解混合する場合には、そのまま使用することができるが、水と有機溶媒とが均一に混合しない場合には、例えば、1,2−ビス−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(6)ノニルフェニルエーテル等の界面活性剤を利用したり、撹拌処理、超音波処理等の方法で均一に分散させるのが好ましい。
金属化合物等の有機溶媒溶液に水を添加して、全容を攪拌する温度は、通常−100℃〜+200℃、好ましくは−80℃〜+150℃である。金属化合物等の有機溶媒溶液に水を添加して、全容を攪拌することで、金属化合物等の加水分解及び縮重合反応が進行する。全容を攪拌する時間は、通常、数分間から数十時間である。
この場合、金属化合物等の加水分解及び縮重合反応を制御するために、金属化合物等の有機溶媒溶液に水を添加する温度、全容を攪拌する温度等を段階的に変化させることもできる。例えば、金属化合物等の溶液の温度を−80℃〜−20℃に冷却しておき、攪拌下、−10℃〜+20℃の水(又は水と有機溶媒の混合物)をゆっくりと滴下し、水(又は水と有機溶媒の混合物)の滴下終了後、段階的に反応液の温度を溶媒の沸点まで徐々に昇温させて、加水分解・縮合反応を完結させる方法を採用することができる。また、水(又は水と有機溶媒の混合物)の滴下を複数回に分割し、水(又は水と有機溶媒の混合物)の滴下温度を異なる温度に設定することもできる。さらに、金属化合物等を加水分解した後、反応液を適当な塩基で中和してもよい。
以上のようにして得られる第1の薄膜形成用組成物は、金属酸化物前駆体を含有する透明な溶液である。
この金属酸化物前駆体は、平均粒径1〜10nmの範囲の粒子状物であって、単分散の分散質が有機溶媒中において凝集することなく、溶解若しくは均一に分散したものである。すなわち、金属化合物等は、有機溶媒中、酸、塩基及び/又は分散安定化剤の非存在下、凝集することなく安定に分散してなる、金属−酸素結合を有する分散質となっている。
ここで、凝集せずに安定に分散している状態とは、有機溶媒中、金属−酸素結合を有する分散質が、凝結して不均質に分離していない状態を表し、好ましくは透明で均質な状態を示す。透明とは可視光における透過率が高い状態をいう。具体的には、分散質の濃度を酸化物換算で0.5重量%、石英セルの光路長を1cm、対照試料を有機溶媒とし、光の波長を550nmとする条件で測定した分光透過率で表して、好ましくは80〜100%の透過率を表す状態をいう。また、可視光における高い透過率を得るための粒子径は、1〜50nmの範囲が好ましい。
本発明においては、上記で得られた溶液をそのまま第1の薄膜形成用組成物として用いることもできるし、適当な溶媒で希釈し、あるいは溶媒を留去した後別の溶媒に再溶解させたものを第1の薄膜形成用組成物として用いることもできる。
第1の薄膜は、第1の薄膜形成用組成物を基体上に塗布又は吹き付け、得られた塗膜を200℃以下の温度で乾燥することにより形成することができる。
第1の薄膜形成用組成物を基体上に塗布又は吹き付ける方法としては、特に制限されず、ディッピング法、スピンコート法、メイヤバー法、はけ塗り法等、平滑な表面を有する薄膜を形成できる方法であれば、特に制限はされない。
得られた塗膜を、通常20〜200℃、好ましくは20〜150℃で、数分から数十時間乾燥することにより、第1の薄膜を形成することができる。
以上のようにして形成される第1の薄膜の厚みは、通常50nm以下、好ましくは40nm以下、より好ましくは1〜20nmである。
以上のようにして形成される第1の薄膜は、表面をオゾン洗浄することにより、平滑な表面を有する超親水性の薄膜とすることができる。
その平均表面粗さは、20nm以下、好ましくは10nm以下である。平滑な表面を有する第1の薄膜上には、光、紫外線又は電子ビーム等を照射することにより、ナノスケールの微細なパターンを形成できる緻密な単分子膜を効率よく形成することができる。
形成される第1の薄膜は、有機物を含有する薄膜であるのが好ましく、炭素原子を含有する薄膜であって、炭素原子の含有比率が2〜40重量%の薄膜であるのが好ましい。このような第1の薄膜上には、光感応性、特に250〜310nmの波長の光に対する光感応性に優れる第2の薄膜を効率よく形成することができる。
第1の薄膜に含まれる有機物は、例えば、前記金属化合物等として金属アルコキシドを使用する場合であれば、アルコキシド基である。
第1の薄膜に含まれる炭素原子、チタン原子、酸素原子等の含有比率は、例えば、X線光電子分析装置(ESCA)により測定し、求めることができる。
また、形成される第1の薄膜は、波長350nm以下、好ましくは波長250〜350nmの紫外光を吸収する性質を有する。
(2)第2の薄膜
第2の薄膜は、前記第1の薄膜上に、有機金属化合物を用いて形成することができる。
本発明においては、第2の薄膜の形成に用いる有機金属化合物として、少なくとも1以上の加水分解性基又は水酸基を有する金属系界面活性剤であるのが好ましい。
前記金属系界面活性剤としては、少なくとも一つの加水分解可能な官能基を有し、該官能基を介して基体表面上の活性水素と反応して結合を形成することができ、該結合を形成し得る親水性部位と、疎水性部位を同一分子内に有するものであれば、特に制限されないが、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004602971
前記式(I)中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表す。
前記置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へキシル基、イソへキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基等の炭素数1〜30のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等の炭素数2〜30のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;等が挙げられる。
前記置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜30のハロゲン化アルキル基、炭素数2〜30のハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。具体的には、上記例示した炭化水素基中の水素原子の1個以上がフッ素原子、塩素原子又は臭素原子等のハロゲン原子に置換された基が挙げられる。
これらの中でも、前記ハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がハロゲン原子に置換された基が好ましく、炭素数1〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたフッ素化アルキル基がより好ましい。また、フッ素化アルキル基が分岐構造を有する場合には、分岐部分は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜2の短鎖であるのが好ましい。
フッ素化アルキル基としては、末端炭素原子にフッ素原子が1個以上結合した基が好ましく、末端炭素原子にフッ素原子が3個結合したCF3基部分を有する基がより好ましく、末端部分に、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子に置換されたペルフルオロアルキル部分を有し、かつ後述する金属原子M1との間に、−(CH2h−(式中、hは1〜6の整数を表し、好ましくは2〜4の整数である。)で表されるアルキレン基を有する基が特に好ましい。
フッ素化アルキル基中のフッ素原子数は、[(フッ素化アルキル基中のフッ素原子数)/(フッ素化アルキル基に対応する同一炭素数のアルキル基中に存在する水素原子数)×100]%で表現したときに、60%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。
前記置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基の置換基としては、カルボキシル基;アミド基;イミド基;エステル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシル基;又は水酸基等が挙げられる。これらの置換基の数は0〜3であるのが好ましい。
連結基を含む炭化水素基の炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
また、連結基を含むハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記連結基は、炭化水素基若しくはハロゲン化炭化水素基の炭素−炭素結合間、又は炭化水素基の炭素と後述する金属原子M1との間に存在するのが好ましい。
連結基の具体例としては、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−C(=O)O−又は−C(=O)NR21−(式中、R21は、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;を表す。)等が挙げられる。
これらの中でも、R1としては、撥水性、耐久性の観点から、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフッ素化アルキル基、又は連結基を含むフッ素化アルキル基であるのが好ましい。
1のより好ましい具体例としては、CH3−、CH3CH2−、(CH32CH−、(CH33C−、CH3(CH22−、CH3(CH23−、CH3(CH24−、CH3(CH25−、CH3(CH26−、CH3(CH27−、CH3(CH28−、CH3(CH29−、CH3(CH210−、CH3(CH211−、CH3(CH212−、CH3(CH213−、CH3(CH214−、CH3(CH215−、CH3(CH216−、CH3(CH217−、CH3(CH218−、CH3(CH219−、CH3(CH220−、CH3(CH221−、CH3(CH222−、CH3(CH223−、CH3(CH224−、CH3(CH225−、
CF3−、CF3CF2−、(CF32CF−、(CF33C−、CF3(CH22−、CF3(CF23(CH22−、CF3(CF25(CH22−、CF3(CF27(CH22−、CF3(CF23(CH23−、CF3(CF25(CH23−、CF3(CF27(CH23−、CF3(CF24O(CF22(CH22−、CF3(CF24O(CF22(CH23−、CF3(CF27O(CF22(CH22−、CF3(CF27CONH(CH22−、CF3(CF27CONH(CH23−、CF3(CF23O[CF(CF3)CF(CF3)O]2CF(CF3)CONH(CH23−、
CH3(CF27(CH22−、CH3(CF28(CH22−、CH3(CF29(CH22−、CH3(CF210(CH22−、CH3(CF211(CH22−、CH3(CF212(CH22−、CH3(CF27(CH23−、CH3(CF29(CH23−、CH3(CF211(CH23−、CH3CH2(CF26(CH22−、CH3CH2(CF28(CH22−、CH3CH2(CF210(CH22−、CH3(CF24O(CF22(CH22−、CH3(CF27(CH22O(CH23−、CH3(CF28(CH22O(CH23−、CH3(CF29(CH22O(CH23−、CH3CH2(CF26(CH22O(CH23−、CH3(CF26CONH(CH23−、CH3(CF28CONH(CH23−、CH3(CF23O[CF(CF3)CF(CF3)O]2CF(CF3)CONH(CH23−、等が挙げられる。
1は、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる1種の金属原子を表す。これらの中でも、原料の入手容易性、反応性等の観点から、ケイ素原子又はチタン原子が好ましく、ケイ素原子が特に好ましい。
Xは加水分解性基を表す。加水分解性基としては、水と反応して分解して水酸基を生成する基であれば特に制約されない。例えば、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシル基;置換基を有していてもよいアシルオキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;イソシアネート基;シアノ基;アミノ基;又はアミド基等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等が挙げられる。アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。これらの置換基としては、カルボキシル基、アミド基、イミド基、エステル基、水酸基等が挙げられる。
これらの中でも、Xとしては、炭素数1〜6のアルコキシル基、アシルオキシ基又はイソシアネート基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシル基又はアシルオキシ基がより好ましい。
mは、金属原子M1の原子価を表す。
nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表す。高密度の有機薄膜を形成する上では、nは1であるのが好ましい。
nが2以上のとき、R1は同一であっても、相異なっていてもよい。
また、(m−n)が2以上のとき、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。
本発明においては、前記式(I)で表される化合物の中でも、下記(i)〜(v)で表される化合物を好ましく例示することができ、(i)で表される化合物が特に好ましい。
(i)CF3−(CF2p−R2 q−M11 rm-r
(ii)CH3−(CH2g−M11 rm-r-1
(iii)CH3−(CH2s−O−(CH2t−M11 rm-r-1
(iv)CH3−(CH2u−Si(CH32−(CH2v−M11 rm-r-1
(v)CF3COO−(CH2w−M11 rm-r-1
上記式(i)〜(v)中、M1、X及びmは前記と同じ意味を表す。
2は、アルキレン基、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、又はケイ素原子及び/若しくは酸素原子を含む2価の連結基を表す。
2の具体例としては、次のものが挙げられる。
Figure 0004602971
上記式中、c及びdは任意の自然数を表す。
1は、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へキシル基、イソへキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等のアルコキシル基;アルキル基の一部又はすべての水素原子がフッ素原子に置換された含フッ素アルキル基;又はアルコキシル基の一部若しくはすべての水素原子がフッ素原子に置換された含フッ素アルコキシル基;等を表す。
rは、0から(m−2)のいずれかの整数を表すが、高密度の有機薄膜を製造する上では、0が好ましい。また、rが2以上のとき、Y1は同一であっても相異なっていてもよく、(m−r−1)が2以上のとき、Xは同一であっても相異なっていてもよい。
pは0又は自然数を表し、qは0又は1を表す。
g、s、t、u、v、及びwは、任意の整数を表す。特に好ましい範囲は、gは1〜25、sは0〜12、tは1〜20、uは0〜12、vは1〜20、wは1〜25である。
前記式(I)で表される化合物の具体例としては、下記に示すものが挙げられる。
なお、以下においては、金属原子M1がケイ素原子である化合物を代表例として示しているが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、加水分解性基についても、例示した官能基に限定されず他の加水分解性基が結合したものであってもよい。
CH3(CH27Si(OCH33
CH3(CH28Si(OCH33
CH3(CH29Si(OCH33
CH3(CH210Si(OCH33
CH3(CH211Si(OCH33
CH3(CH212Si(OCH33
CH3(CH213Si(OCH33
CH3(CH214Si(OCH33
CH3(CH215Si(OCH33
CH3(CH216Si(OCH33
CH3(CH217Si(OCH33
CH3(CH218Si(OCH33
CH3(CH219Si(OCH33
CH3(CH27Si(OC253
CH3(CH28Si(OC253
CH3(CH29Si(OC253
CH3(CH210Si(OC253
CH3(CH211Si(OC253
CH3(CH212Si(OC253
CH3(CH213Si(OC253
CH3(CH214Si(OC253
CH3(CH215Si(OC253
CH3(CH216Si(OC253
CH3(CH217Si(OC253
CH3(CH218Si(OC253
CH3(CH219Si(OC253
CH3CH2O(CH215Si(OCH33
CF3CH2O(CH215Si(OCH33
CH3(CH22Si(CH32(CH215Si(OCH33
CH3(CH26Si(CH32(CH29Si(OCH33
CH3COO(CH215Si(OCH33
CF3(CF25(CH22Si(OCH33
CF3(CF27(CH=CH)3Si(OCH33
CH3CH2O(CH215Si(OC253
CH3(CH22Si(CH32(CH215Si(OC253
CH3(CH26Si(CH32(CH29Si(OC253
CF3(CH26Si(CH32(CH29Si(OC253
CH3COO(CH215Si(OC253
CF3COO(CH215Si(OC253
CF3COO(CH215Si(OCH33
CF3(CF29(CH22Si(OC253
CF3(CF27(CH22Si(OC253
CF3(CF25(CH22Si(OC253
CF3(CF27(CH=CH)3Si(OC253
CF3(CF29(CH22Si(OCH33
CF3(CF25(CH22Si(OCH33
CF3(CF27(CH22Si(CH3)(OC252
CF3(CF27(CH22Si(CH3)(OCH32
CF3(CF27(CH22Si(CH32(OC25
CF3(CF27(CH22Si(CH32(OCH3
CF3(CH22Si(OCH33
CF3(CF23(CH22Si(OCH33
CF3(CF25(CH22Si(OCH33
CF3(CF27(CH22Si(OCH33
CF3(CF23(CH23Si(OCH33
CF3(CF25(CH23Si(OCH33
CF3(CF27(CH23Si(OCH33
CF3(CF24O(CF22(CH22Si(OCH33
CF3(CF24O(CF22(CH23Si(OCH33
CF3(CF27(CH22O(CH23Si(OCH33
CF3(CF27CONH(CH22Si(OCH33
CF3(CF27CONH(CH23Si(OCH33
CF3(CF23O[CF(CF3)CF(CF3)O]2CF(CF3)CONH(CH23Si(OCH33
CF3(CF23(CH22Si(CH3)(OCH32
CF3(CF25(CH22Si(CH3)(OCH32
CF3(CH22Si(CH3)(OCH32
CF3(CF23(CH23Si(CH3)(OCH32
CF3(CF25(CH23Si(CH3)(OCH32
CF3(CF27(CH23Si(CH3)(OCH32
CF3(CF24(CF22(CH22Si(CH3)(OCH32
CF3(CF24(CF22(CH23Si(CH3)(OCH32
CF3(CF24(CH22O(CH23Si(CH3)(OCH32
CF3(CF27CONH(CH22Si(CH3)(OCH32
CF3(CF27CONH(CH23Si(CH3)(OCH32
CF3(CF23O[CF(CF3)CF(CF3)O]2CF(CF3)CONH(CH23Si(CH3)(OCH32
CH3(CH27Si(OCH33
CH3(CF27(CH22Si(OCH33
CH3(CF27(CH22Si(CH3)(OCH32
CH3(CF27(CH22Si(OCH33
CH3(CF27(CH22Si(NCO)3
CH3(CF28(CH22Si(OCH33
CH3(CF28(CH22Si(NCO)3
CH3(CF29(CH22Si(OCH33
CH3(CF29(CH22Si(NCO)3
CH3CH2(CF26(CH22Si(OCH33
CH3CH2(CF26(CH22Si(OCH33
CH3CH2(CF26(CH22Si(NCO)3
CH3CH2(CF28(CH22Si(OCH33
CH3CH2(CF28(CH22Si(NCO)3
CH3CH2(CF210(CH22Si(OCH33
CH3(CF24O(CF22(CH22Si(OCH33
CH3(CF27(CH22O(CH23Si(OCH33
CH3(CF28(CH22O(CH23Si(OCH33
CH3(CF29(CH22O(CH23Si(OCH33
CH3CH2(CF26(CH22O(CH23Si(OCH33
CH3(CF26CONH(CH23Si(OCH33
CH3(CF28CONH(CH23Si(OCH33
CH3(CF23O[CF(CF3)CF(CF3)O]2CF(CF3)CONH(CH23Si(OCH33
これらの化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記有機溶媒溶液中の金属系界面活性剤の含有量は、特に制限はないが、緻密な単分子膜を製造するためには、0.1〜30重量%の範囲が好ましい。
第2の薄膜は、前記第1の薄膜に、上述した有機金属化合物を含有する溶液(以下、「第2の薄膜形成用組成物」ということがある)を接触させ、得られた第2の薄膜形成用組成物の塗膜を乾燥して形成することができる。
前記第2の薄膜形成用組成物としては、前記有機金属化合物を含有する溶液であればよいが、前記有機金属化合物と触媒とを水の存在下に混合して得られるものが好ましい。
ここで、第2の薄膜形成用組成物の調製に用いる有機溶媒としては、前記金属化合物等の有機溶媒溶液に用いる有機溶媒として列記したものと同様のものが挙げられる。
前記有機金属化合物と混合する触媒としては、有機金属化合物の金属部分又は加水分解性基部分と、配位結合や水素結合等を介して相互作用をすることにより、加水分解性基又は水酸基を活性化させ、縮合を促進させる作用を有する触媒であれば、特に制限されない。なかでも、金属酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類部分加水分解生成物がより好ましい。
金属酸化物としては、特に限定されないが、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン、鉛からなる群から選ばれる一種の金属の酸化物を好ましく例示することができる。
金属酸化物は、ゾル、ゲル、固体状等の何れの状態のものも使用することができる。ゲル、ゾルの製造方法は、特に限定されず、例えばシリカゾルを例にとると、珪酸ナトリウム溶液を陽イオン交換する方法、シリコンアルコキシドを加水分解する方法等を例示することができる。特に、有機溶媒中に安定に分散しているゾルが好ましく、さらに、ゾルの粒子径が10〜100nmの範囲、さらに好ましくは、10〜20nmの範囲であるものが好ましい。ゾルの形状は特に限定されず、球状、細長い形状等、いずれのものも用いることができる。
具体的には、メタノールシリカゾル、IPA−ST、IPA−ST−UP、IPA−ST−ZL、NPC−ST−30、DMAC−ST、MEK−ST、MIBK−ST、XBA−ST、PMA−ST(以上、いずれも日産化学工業(株)社製オルガノシリカゾルの商品名を表す。)等を例示することができる。
金属アルコキシド類としては、特に限定されないが、透明性に優れる有機薄膜を得ることができること等の理由から、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属のアルコキシド類が好ましい。
金属アルコキシド類のアルコキシル基の炭素数は特に限定されないが、含有酸化物濃度、有機物の脱離の容易さ、入手の容易さ等から、炭素数1〜4がより好ましい。
本発明に用いる金属アルコキシド類の具体例としては、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC37−i)4、Si(OC49−t)4等のケイ素アルコキシド;Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(OC37−i)4、Ti(OC494等のチタンアルコキシド;Ti[OSi(CH334、Ti[OSi(C2534等のテトラキストリアルキルシロキシチタン;Zr(OCH34、Zr(OC254、Zr(OC374、Zr(OC494等のジルコニウムアルコキシド;Al(OCH33、Al(OC253、Al(OC37−i)3、Al(OC493等のアルミニウムアルコキシド;Ge(OC254等のゲルマニウムアルコキシド;In(OCH33、In(OC253、In(OC37−i)3、In(OC493等のインジウムアルコキシド;Sn(OCH34、Sn(OC254、Sn(OC37−i)4、Sn(OC494等のスズアルコキシド;Ta(OCH35、Ta(OC255、Ta(OC37−i)5、Ta(OC495等のタンタルアルコキシド;W(OCH36、W(OC256、W(OC37−i)6、W(OC496等のタングステンアルコキシド;Zn(OC252等の亜鉛アルコキシド;Pb(OC494等の鉛アルコキシド;等が挙げられる。これらの金属アルコキシド類は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また本発明においては、金属アルコキシド類として、2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシド、1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と、1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシド、及びこれらの組み合わせを用いることもできる。
2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシドとしては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシドと、遷移金属のアルコキシドとの反応により得られる複合アルコキシドや、第3B族元素の組合せにより錯塩の形で得られる複合アルコキシド等を例示することができる。
その具体例としては、BaTi(OR)6、SrTi(OR)6、BaZr(OR)6、SrZr(OR)6、LiNb(OR)6、LiTa(OR)6、及び、これらの組合せ、LiVO(OR)4、MgAl2(OR)8、(RO)3SiOAl(OR’)2、(RO)3SiOTi(OR’)3、(RO)3SiOZr(OR’)3、(RO)3SiOB(OR’)2、(RO)3SiONb(OR’)4、(RO)3SiOTa(OR’)4等のケイ素アルコキシドと、前記金属アルコキシド類との反応物及びその縮重合物等が挙げられる。ここで、R及びR’はアルキル基等を表す。
1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシドとしては、金属塩と金属アルコキシド類との反応により得られる化合物を例示することができる。
金属塩としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩等を、金属アルコキシド類としては、上述した金属アルコキシド類と同様のものをそれぞれ例示することができる。
金属アルコキシド類部分加水分解生成物は、金属アルコキシド類を完全に加水分解する前に得られるものであって、オリゴマーの状態で存在するものである。
金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の製造方法としては、有機溶媒中、上記例示した金属アルコキシド類に対し0.5〜2.0倍モル未満の水を用い、−100℃から有機溶媒還流温度範囲で加水分解する方法を好ましく例示することができる。
前記シラノール縮合触媒としては、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート等を例示することができる。
具体的には、酢酸第一スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクタン酸第一スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチルスズビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレート、チタンテトラエトキサイド、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキサイド、チタンビス(アセチルアセトニル)ジプロポキサイド等を例示することができる。
前記酸触媒としては、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の鉱酸;酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等の光酸発生剤;等を例示することができる。
前記触媒の使用量は、形成する単分子の有機薄膜の物性に影響を与えない量であれば特に制限されないが、有機金属化合物1モルに対して酸化物換算モル数で、通常0.001〜1モル、好ましくは0.001〜0.2モルである。
前記有機金属化合物と触媒とを混合するに際し、水を存在させる方法としては、例えば
(a)有機金属化合物の有機溶媒溶液に接触して水層を設ける方法、
(b)有機金属化合物の有機溶媒溶液中に、保水性物質を水を含ませた状態で共存させる方法、
(c)有機金属化合物の有機溶媒溶液を、水分を含む気体に接触させる方法、
(d)有機金属化合物と触媒を含む有機溶媒溶液に、適宜水を添加する方法、等を例示することができる。
これらの方法は単独で用いても、2以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(a)〜(d)の方法において、用いる水は中性であれば特に制限されないが、純水又は蒸留水を用いるのが好ましい。また、用いる有機溶媒は、無水のものでも、あらかじめ一定量の水分含むものでも構わない。
上記(a)の方法においては、炭化水素系溶媒等の、水層と分離する有機溶媒を用いた場合には、有機溶媒層と分離した形で水層を共存させてもよいし、有機金属化合物の有機溶媒溶液を水層中に循環又は通過させ分離した有機溶媒層を用いてもよい。
低級アルコール等の、水層と分離しない水の溶解度の大きい有機溶媒を用いた場合には、有機溶媒は浸透しないが水は浸透する膜等を介在させて、有機金属化合物の有機溶媒溶液と水層を接触させる方法等を例示することができる。
上記(b)の方法において、保水性物質としては、有機金属化合物の有機溶媒溶液中において、水を分離せずに前記有機溶媒溶液中に浮遊しない物質が好ましい。
具体的には、吸水性高分子、セルロース等の有機系保水材;ゼオライト、珪酸白土、バーミキュライト、多孔質セラミック等の無機系保水材;界面活性剤等の、溶液中に水を核とするミセル分子を形成することのできる化合物;等が挙げられ、なかでも、ゴミ等の混入が避けられる等の理由から、ガラス繊維フィルター又はセルロース製フィルターが特に好ましい。また、有機溶媒への水の溶解度をあげるために親水性の溶媒を用いる方法も考えられる。この場合の親水性溶媒も便宜上保水することのできる物質として含むこととする。
保水性物質に含ませる水分量は特に制限されないが、有機金属化合物の有機溶媒溶液中で水が保水性物質と分離して遊離していない状態になるまでの水分量が好ましい。また、水分を適時添加して保水できる物質に含ませることもできる。また、保水性物質を、溶液と外気の界面又は、外気から連続して溶液内に設けることにより、外気の湿気等を吸湿することにより、水分を溶液に補給することもできる。
上記(c)の方法において、用いる気体は、溶液中の各成分に影響を及ぼさないものであれば特に制限されず、具体的には、空気、窒素ガス、アルゴンガス等を例示することができる。
水分を含む気体を得る方法としては、気体に水分を含ませる方法;気体を加湿する方法;等が挙げられる。
気体に水分を含ませる方法として、ガスを水中に潜らせる、ガスを水又は温水表面に接触させる等の水とガスを接触させる方法;水蒸気を含むガスをそのまま用いる方法;等を例示することができる。また、気体を加湿する方法として、蒸気加湿法、水噴霧加湿法、又は気化加熱法等を例示することができる。
水分を含む気体と、有機金属化合物の有機溶媒溶液とを接触させる方法としては、水分を含む気体を前記有機溶媒溶液中に吹き込む、又は前記有機溶媒溶液表面に吹き付ける方法;有機金属化合物の有機溶媒溶液を、水分を含む気体雰囲気下に、必要に応じて撹拌しながら放置する方法;有機金属化合物の有機溶媒溶液を、加湿された雰囲気下に、必要に応じて撹拌しながら放置する方法;等を例示することができる。また、水分を含む気体を吹き込む方法においては、必要に応じて吹き込み装置、清浄装置、ろ過装置等を付設するのが好ましい。
上記(d)の方法において、具体的には、有機金属化合物の有機溶媒溶液中の水分量の減少を観測し、減少量に応じて水、又は相溶性を有する有機溶媒もしくは同一の有機溶媒で希釈した水を適宜追加する方法;一定量の水を含有する同一組成の、有機金属化合物の有機溶媒溶液を供給する方法;等を例示することができる。
水分含有量としては、具体的には、50ppm以上が好ましく、50ppmから有機溶媒への飽和水分量の範囲、より具体的には、50〜1000ppmの範囲がより好ましく、200〜800ppmの範囲が特に好ましい。水分量が50ppm以上であると、迅速に有機薄膜の形成を行うことができ、また、水分量が1000ppm以下であれば、金属系界面活性剤等が失活するという問題がない。
なお、ここで示す水分量は、第2の薄膜形成用組成物の一部を採取してカールフィッシャー法で測定した値である。測定装置は、カールフィッシャー法の原理を用いる装置であれば、特に限定されない。なお、第2の薄膜形成用組成物の溶液が均一である場合には、均一な溶液を一部採取して測定し、有機溶媒層と水分層が2層となっている場合には、有機溶媒層より一部採取して測定し、有機溶媒中に水分層が分散し分離不可能な状態な場合には、その分散液をそのまま採取して測定した値を示す。
第2の薄膜形成用組成物を第1の薄膜と接触させる方法としては、特に制限されず、前記第1の薄膜形成用組成物の塗布方法と同様の塗工方法を用いることができるが、均一な単分子膜を形成するには、ディッピング法が好ましい。
第2の薄膜形成用組成物中の有機金属化合物の含有量は、特に制限はないが、緻密な薄膜を製造するためには、0.1〜30重量%の範囲が好ましい。
また、有機金属化合物を含有する溶液の塗膜を乾燥する温度は、通常20〜150℃であり、乾燥時間は、通常数分から数十時間である。
以上のようにして得られる第2の薄膜としては、単分子膜であるのが好ましく、自己集合膜であるのが好ましく、撥水性及び/又は撥油性を有するものであるのが好ましい。
得られる第2の薄膜は、光照射により表面が撥水性から親水性に変化する性質を有する。これは、第1の薄膜が光照射により活性化されて、第2の薄膜の光特性の変化を生じしめたり、光照射された第2の薄膜を分解するためであると考えられる。光照射により変化する水の接触角は、特に制限されないが、70°以上変化するのが好ましい。
照射する光としては、紫外線が好ましく、波長350nm以下の光がより好ましく、波長250〜310nmの光が特に好ましい。
また、照射光量は、第2の薄膜が光照射により表面が撥水性から親水性に変化するだけの照射量であれば、特に制限されないが、好ましくは40J/cm2以下、より好ましくは5J/cm2以下である。
本発明の光感応性基体は、好ましくは波長が350nm以下、より好ましくは250〜310nmの光に対して高い光感応性を有するので、低い光照射量であっても高い光感応性を発揮する。ディスプレイや蛍光灯等においては、365nm以上の波長の光が存在する。本発明の光感応性基体は、365nm以上の波長の光に対してほとんど感応しないものであるので、ディスプレイ、蛍光灯、太陽光等の365nm以上の波長の光を多く含む光が照射された場合であっても、ダメージを受けることが少なく、取扱い性及び保存安定性に優れている。
2)パターニング方法
本発明のパターニング方法は、本発明の光感応性基体の所定部分を光照射し、光照射された有機金属化合物部分の第2の薄膜の光特性の変化を利用すること、第2の薄膜を分解及び/又は除去することを特徴とする。
照射する光としては、紫外線が好ましく、波長350nm以下の光がより好ましく、波長250〜310nmの光が特に好ましい。
光源としては、紫外線を照射することができるものであれば特に制限されないが、254nmの紫外光を照射できる殺菌灯の使用が特に好ましい。また、照射光量は、好ましくは40J/cm2以下、より好ましくは5J/cm2以下である。
本発明のパターニング方法は、本発明の光感応性基体の所定部分に紫外光を照射することで、本発明の光感応性基体の基体表面を撥水性から親水性に変化させてパターニングを行うものである。紫外光の照射は、通常は第2の薄膜が形成された面側から第2の薄膜の所定部分に行うが、基体として透明基体を使用する場合には、透明基体側から行うこともできる。
本発明のパターニング方法の好ましい態様としては、本発明の光感応性基体の第2の薄膜側に、所望のパターンを有し、紫外光を遮断するマスクを配置して紫外光を照射することで、本発明の光感応性基体のパターニングを行うものが挙げられる。
本発明のパターニング方法は、従来のフォトリソグラフィープロセスと同様、種々の薄膜プロセスに応用できる。例えば、金属膜、セラミック膜、有機材料膜等のパターニングや、パターニングされたこれらの膜を形成することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜12)
(1)第1の薄膜形成用組成物の調製
窒素ガス置換した4つ口フラスコ中で、チタンテトライソプロポキシド(製品名:A−1、純度99%、酸化チタン換算濃度28.2重量%、日本曹達社製)をエタノールで希釈し、アセト酢酸エチル(和光純薬社製)を滴下して、室温で0.5時間攪拌した。得られた溶液に、エタノールで希釈したイオン交換水を滴下して、室温で3時間攪拌することにより、酸化チタン換算で1重量%の無色透明な溶液(C−1)を得た。テトライソプロポキシチタン:アセト酢酸エチル:イオン交換水のモル比は1:2:1に調整した。
4つ口フラスコ中で、チタンテトライソプロポキシド(製品名:A−1、純度99%、酸化チタン換算濃度28.2重量%、日本曹達社製)12.4gをトルエン45.0gに溶解した(この溶液を「溶液(1)」とする)。フラスコ内部を窒素ガス置換した後に、エタノール/液体窒素バス中で−80℃に冷却した。
別に、イオン交換水1.26g(モル比(水/Ti原子)=1.6)をイソプロパノール11.3gに混合した溶液を調製した。この溶液を−80〜−70℃に冷却した状態で、上記溶液(1)中へ攪拌しながら滴下した。滴下中は、フラスコ内の液温を−80〜−70℃に維持した。滴下終了後、30分間同温度で攪拌した後、攪拌を継続しながら室温まで昇温して、無色透明な第1の薄膜形成用組成物(C−2)を得た。この組成物の固形分濃度は酸化チタン換算で1重量%であった。
また、メチルシリケート(MS51、コルコート社製)をエタノールでSiO2換算濃度1重量%に希釈した溶液と、上記(C−1)とを重量比で1:4に混合することにより、第1の薄膜形成用組成物(C−3)を調製した。
(2)第2の薄膜形成用組成物の調製
水分量350ppmのトルエンに、n−オクタデシルトリメトキシシラン(Gelest社製、以下、「ODS」と略記する。)を0.5重量%の濃度になるように加えて、室温で30分間攪拌した。この溶液を溶液(2)とする。
次に、得られた溶液(2)中に、前記第1の薄膜形成用組成物を、前記溶液(2)中のODSに対し0.1倍モル量(酸化チタン換算)滴下し、滴下終了後、室温で3時間攪拌した。得られた溶液を溶液(3)とする。
次いで、溶液(3)に、溶液(3)の100gに対して蒸留水1gとなる量の蒸留水を滴下し、室温で2時間静置して第2の薄膜形成用組成物(B−1)を得た。第2の薄膜形成用組成物(B−1)の水分含有量は550ppmであった。
(3)光感応性基体の作製
上記で得た(C−1〜C−3)の組成物を用いて、ディッピング法により、下記に示す基板(D−1〜D−4)上に第1の薄膜(E−1〜E−8)を形成した。第1の薄膜は、引上げ速度:10cm/分で成膜して、60℃、10分間乾燥して形成した。
得られた第1の薄膜(E−1〜E−8)の膜厚は、15±3nmであった。X線回折の結果より、第1の薄膜(E−1〜E−8)は全てアモルファスであった。
また、同様に(C−1〜C−3)の組成物を用いて、メイヤバー法(バーNo.3を使用)により、下記に示す基体(D−1、D−2)上に成膜し、得られた塗膜を、温度60℃、10分間乾燥することにより、第1の薄膜(E−9〜E−12)を形成した。
得られた第1の薄膜(E−9〜E−12)の膜厚は、15±3nmであった。X線回折の結果より、第1の薄膜(E−9〜E−12)は全てアモルファスであった。
次に、上記で作製した第1の薄膜(E−1〜E−12)を有する基板をUV/オゾン洗浄器で5分間洗浄した後、第2の薄膜形成用組成物(B−1)中に1分間浸漬した。浸漬後、トルエンで超音波洗浄し、余分に付着した前記の第2の薄膜形成用組成物を除去した後、60℃で10分間乾燥することにより、第2の薄膜が形成された光感応性基体(F−1〜F−12)を得た。
(比較例1,2)
基体(D−3)上に、第1の薄膜を形成しない以外は実施例1と同様にして、第2の薄膜を直接に形成した光感応性基体(F−13)を作製した(比較例1)。
また、基体(D−1)上に、第1の薄膜を形成しない以外は実施例1と同様にして、第2の薄膜の形成を試みたが、第2の薄膜は形成されなかった(この基体を「F−14」とする(比較例2)。
<使用した基体>
基体としては、下記のものを使用した。
D−1:ポリエステルフィルム:ルミラー(東レ社製、250μm厚)
D−2:ポリイミドフィルム:カプトン(デュポン社製、125μm厚)
D−3:無アルカリガラス:AN−100(旭硝子社製)
D−4:SUS304
<膜外観>
上記で得た光感応性基体(F−1〜F−12)の第1の薄膜及び第2の薄膜の外観を目視により観察した。また、同様に比較例1,2の基体(F−13,F−14)の外観を観察した。これらの観察結果を第1表に示す。
<膜密着性評価試験(セロテープ(登録商標)剥離試験)>
上記で得た光感応性基体(F−1〜F−13)の第2の薄膜にセロテープ(登録商標)を貼り付け、指の腹で複数回擦りつけて後、テープを引き剥がして基体上の膜の剥離の有無を目視により観察した。剥離しない場合を○、剥離した場合を×として評価した。評価結果を第1表に示す。
<第1の薄膜の深さ方向の元素分布>
上記で得た光感応性基体(F−1〜F−13)及び比較例2の基体(F−14)の表面から、アルゴンスパッタリングにより約10nmの深さ方向に1kv、0.25分間隔で膜を削り、X線光電子分光法により膜中の炭素原子、酸素原子、金属原子(シリコン、チタン原子等)の含有率を測定した。XPS装置(Quntum2000)(アルバックファイ社製)を用いた。
<第1の薄膜の元素分布>
上記と同様の方法で、試料の表面から約5nmの深さ(第1の薄膜)における元素分布を測定し、炭素元素の含有比率を次式により求めた。
Figure 0004602971
上記で得た光感応性基体(F−1〜F−13)の第1の薄膜及び基体(F−14)の炭素元素の含有比率を第1表に示した。
なお、第1表中、Dipはディッピング法を、Barはメイヤバー法をそれぞれ表す。
Figure 0004602971
第1表より、実施例1〜12の第1の薄膜は、透明で、炭素原子含有比率が7〜12%の薄膜であり、密着性に優れるものであった。
また、光感応性基体(F−1)のESCAでの深さ方向の元素分布を図1に示した。
図1中、横軸は表面からの深さ(nm)、縦軸は原子の含有比率(%)をそれぞれ表す。また、C1sは炭素原子の含有比率を、Ti2sはチタン原子の含有比率を、O1sは酸素原子の含有比率をそれぞれ表す。
図1より、第1の薄膜は有機物由来の炭素を含有しており、この有機物により、基体への密着性が維持されていると考えられる。また、実施例1における光感応性基体(F−1)のESCAの深さ方向の元素分布から、表面から深さ1nm付近までの領域には、ODSの単分子膜が形成されており、その下層に炭素の含有したTiO2膜が形成されていることが判明した。
(4)パターニング方法
上記で得た光感応性基体(F−1〜F−12)に紫外線を照射したところ、有機金属化合物を用いてなる薄膜が、撥水性から親水性に変化した。照射光の波長、光量を変えて測定し、光感応性基体の光感応特性を求めた。評価法を以下に示す。評価結果を、第2表にまとめて示す。
<接触角(親水性評価試験)>
接触角測定器(360S型、エルマ(株)社製)を用いて、試料の光感応性基体表面層にマイクロシリンジから水滴若しくはテトラデカン5μlを滴下した後、10秒後の試料表面の接触角を測定した。
<光源ランプ>
以下のUV照射用ランプを用いた。
A.殺菌灯(GL−15:254nmのUV光、東芝社製):
強度4mW/cm2
B.ブラックライト(FL15BLB:365nmのUV光、東芝社製):
強度2mW/cm2
第2表中、光源ランプの表記として、Aは殺菌灯を、Bはブラックライトをそれぞれ表す。
<評価方法>
光感応性基体(F−1〜F−13)及び基体(F−14)に紫外線を照射し、接触角を測定した。照射光波長、照射光量を変えて有機金属化合物を用いてなる薄膜が、撥水性から親水性に変化する程度を接触角にて評価した。水の接触角がともに5°以下になる最低光量を算出し、照射光量(J/cm2)とした。
なお、実施例1の光感応性基体(F−1)にブラックライトを照射した場合を、比較例3とした。
第2表に、光感応性基体及び光源の種類、光照射前の水及びテトラデカンの接触角をまとめた。
Figure 0004602971
第2表から、照射光量1.2〜1.6J/cm2で、実施例1〜12の光感応性基体(F−1〜F−12)では、殺菌灯を使用して波長254nmの紫外光を照射すると、水の接触角が、撥水性の100°以上から超親水性の5°以下の領域まで変化した。また、実施例1〜12の光感応性基体(F−1〜F−12)では、照射光量1.2〜1.6J/cm2で、テトラデカンの接触角が30°以上の撥油性から5°以下の親油性に変化した。これらのことから、第1の薄膜が254nmの波長の光により活性化されて、第2の薄膜に含まれる有機物(ODS)の有機部分が短時間で分解されたと考えられる。一方、実施例1の光感応性基体(F−1)は、365nmの波長の光には感応しなかった(比較例3)。
(実施例13)
ジ(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトナト)チタン(Ti(O−i−C372(acac)2)8.75gのイソプロピルアルコール溶液(25重量%溶液)に、水35.05g(モル比(水/Ti原子)=44.4)を加えて加水分解反応を行った。得られた反応液をイソプロピルアルコールで希釈し、酸化チタン換算で1重量%の無色透明な第1の薄膜形成用組成物(C−4)を得た。
ジ(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトナト)チタンのイソプロピルアルコール溶液は、チタンテトライソプロポキシドのイソプロピルアルコール溶液に、2倍モルのアセチルアセトンを添加して攪拌する、公知の方法により調製した。
得られた組成物(C−4)を、メイヤバー法(バーNo.5を使用)により、基板(D−1)上に塗布し、得られた塗膜を温度60℃、10分間乾燥することにより、第1の薄膜(E−13)を形成した。
得られた第1の薄膜を有する基板を用い、実施例1〜12と同様にして光感応性基体(F−15)を得た。
(実施例14)
ジ(イソプロポキシ)ビス(ラクテート)チタン([Ti(O−i−C372(C3532])7.98gのイソプロピルアルコール溶液(25重量%溶液)に、水13.4g(モル比(水/Ti原子)=17)を加えて加水分解反応を行った。得られた反応液をイソプロピルアルコールで希釈し、酸化チタン換算で1重量%の無色透明な第1の薄膜形成用組成物(C−5)を得た。
ジ(イソプロポキシ)ビス(ラクテート)チタンのイソプロピルアルコール溶液は、チタンテトライソプロポキシドのイソプロピルアルコール溶液に、2倍モルの乳酸を添加して攪拌する公知の方法により調製した。
得られた組成物(C−5)を、メイヤバー法(バーNo.5を使用)により、基板(D−1)上に塗布し、得られた塗膜を温度60℃、10分間乾燥することにより、第1の薄膜(E−14)を形成した。
得られた第1の薄膜を有する基板を用い、実施例1〜12と同様にして光感応性基体(F−16)を得た。
実施例1、13、及び14の光感応性基体(F−1)、(F−15)、及び(F−16)の、波長254nmの紫外光照射時の光感応特性の測定結果を図2、3に示す。図3において、黒丸が(F−15)の場合、白丸が(F−16)の場合である。また、比較例1の光感応性基体(F−13)の波長254nmの紫外光照射時の光感応特性の測定結果を図4に示す。
図2、3から、光感応性基体(F−1)、(F−15)及び(F−16)の第2の薄膜は、約5〜7分で親水性に変化することがわかった。一方、比較例1の光感応性基体(F−13)は、254nmの波長の光には感応しなかった。
(比較例4)
無アルカリガラス板(D−3)上に、酸化チタンゾル(STK−03、石原産業社製、平均粒径20nm)をスピンコート法により塗布し、得られた塗膜を120℃で40分乾燥後、500℃で30分焼成することにより酸化チタン薄膜を形成した。次いで、この酸化チタン薄膜が形成されたガラス基板を第2の薄膜形成用組成物(B−1)中に1分間浸漬した。浸漬後、トルエンで超音波洗浄し、余分に付着した前記の第2の薄膜形成用組成物を除去した後、60℃で10分間乾燥して、第2の薄膜を形成して光感応性基体(F−17)を得た。
得られた光感応性基体(F−17)に、殺菌灯(GL−15、強度4mW/cm2、東芝社製)を用いて、波長254nmの紫外線を照射し、接触角を測定した。照射時間と水の接触角の変化を図5に示す。
図5から、本発明の光感応性基体の第1の薄膜を酸化チタンゾル(アナターゼ型チタニアゾル)から形成した光触媒層とした比較例4の光感応性基体は、波長254nmの紫外光に対して、光感応性が低いことがわかった。
産業上の利用の可能性
本発明の光感応性基体は、波長が350nm以下、好ましくは250〜310nmの光に対して高い光感応性を有するので、低い光量であっても良好な光感応性を発揮する。また、ディスプレイや蛍光灯等においては365nm以上の波長の光が存在する。本発明の光感応性基体のうち、365nm以上の波長の光に対してほとんど感応しないものは、ディスプレイ、蛍光灯、太陽光等の365nmの紫外光を多く含む光が照射された場合であっても、ダメージを受けることが少なく、取扱い性及び保存安定性に優れる。
本発明の光感応性基体によれば、特に焼成工程等を経ることなく基体上に第1の薄膜及び第2の薄膜を形成できる。従って、基体としてプラスチック製の基体等を使用した場合であっても、良好な光感応性を有する光感応性基体を得ることができる。
本発明のパターニング方法によれば、本発明の光感応性基体を使用して、簡便に、かつ短時間で、従来のフォトリソグラフィーの技術により形成されたパターンと同様の微細なパターニングが可能である。従って、本発明のパターニング方法は種々の薄膜プロセスに応用できる。
図1は、実施例1における光感応性基体(F−1)のESCAの深さ方向の元素分布を示す図である。 図2は、実施例1における光感応性基体(F−1)の254nmの紫外線照射時の照射時間に対する水の接触角の変化を示す図である。 図3は、実施例13、14における光感応性基体(F−15)及び(F−16)の254nmの紫外線照射時の照射時間に対する水の接触角の変化を示す図である。 図4は、比較例1における光感応性基体(F−13)の254nmの紫外線照射時の照射時間に対する水の接触角の変化を示す図である。 図5は、比較例4における光感応性基体(F−17)の254nmの紫外線照射時の照射時間に対する水の接触角の変化を示す図である。

Claims (27)

  1. 基体と、該基体上に、加水分解性基を合計で2以上有する金属化合物、加水分解性基を合計で2以上有する金属キレート化合物、金属有機酸塩、並びにこれらの部分加水分解生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機溶媒溶液に、所定量の水を添加して得られた第1の薄膜形成用組成物から形成されてなる第1の薄膜と、該第1の薄膜上に、有機金属化合物から形成されてなる第2の薄膜を有する光感応性基体であって、
    前記金属化合物、金属キレート化合物及び金属有機酸塩中の金属が、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛及びタングステンからなる群から選ばれる一種以上であり、
    前記金属化合物は、下記式(II)
    Figure 0004602971
    (式中、Mはチタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛及びタングステンからなる群から選ばれる一種以上を表し、Rは水素原子又は金属原子と酸素原子を介して結合を形成し得る加水分解性基を有していてもよい有機基を表し、YはMに結合した加水分解性基を表し、bは2からm(mは金属原子の原子価である。)の整数を表し、ただし、a+b=mである。)で表されるものであり、
    前記金属キレート化合物は、前記加水分解性基を合計で2以上有する金属化合物の部分加水分解物のキレート化合物であり、
    前記第1の薄膜が、前記第1の薄膜形成用組成物が20〜60℃で乾燥されて形成され、炭素原子の含有比率が2〜40重量%のアモルファスの薄膜であり、
    前記第2の薄膜が、光照射された部分において有機金属化合物が分解及び/又は除去されて撥水性から親水性に変化する薄膜であり、
    感応する光の波長が、350nm以下であることを特徴とする光感応性基体。
  2. 前記第1の薄膜形成用組成物が、加水分解性基を合計で2以上有する金属キレート化合物に、該金属キレート化合物1モルに対して、2モル未満の水を添加して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の光感応性基体。
  3. 前記第1の薄膜形成用組成物が、加水分解性基を合計で2以上有する金属キレート化合物に、該金属キレート化合物1モルに対して、2モル以上の水を添加して得られる、透明な金属酸化物の分散液であることを特徴とする請求項1に記載の光感応性基体。
  4. 前記金属キレート化合物が、加水分解性基を合計で2以上有し、β−ジケトン又はヒドロキシカルボン酸を配位子とする金属キレート化合物であることを特徴とする請求項3に記載の光感応性基体。
  5. 加水分解性基を合計で2以上有する金属化合物を含む有機溶媒溶液に、所定量の水を添加して得られた第1の薄膜形成用組成物から形成されてなる第1の薄膜を有し、前記加水分解性基を合計で2以上有する金属化合物が、金属アルコキシドであることを特徴とする請求項1に記載の光感応性基体。
  6. 前記第1の薄膜が、平均表面粗さが20nm以下の薄膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光感応性基体。
  7. 前記第1の薄膜が、有機物を含有する薄膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光感応性基体。
  8. 前記第1の薄膜が、厚み40nm以下の薄膜であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光感応性基体。
  9. 前記第2の薄膜が、有機金属化合物と触媒とを水の存在下に混合して得られる第2の薄膜形成用組成物を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光感応性基体。
  10. 前記有機金属化合物が、少なくとも1以上の加水分解性基又は水酸基を有する金属系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光感応性基体。
  11. 前記金属系界面活性剤が、式(I)
    Figure 0004602971
    (式中、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基、又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を表し、Xは加水分解性基を表し、nは1〜(m−1)のいずれかの整数を表し、mはMの原子価を表し、nが2以上のとき、Rは同一であっても相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一であっても相異なっていてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする請求項10に記載の光感応性基体。
  12. 前記第2の薄膜が、単分子膜であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光感応性基体。
  13. 前記第2の薄膜が、自己集合膜であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光感応性基体。
  14. 前記第2の薄膜が、撥水性及び/又は撥油性の薄膜であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の光感応性基体。
  15. 前記第2の薄膜が、光照射された部分の水の接触角が70°以上変化する薄膜であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の光感応性基体。
  16. 照射光が、紫外線であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の光感応性基体。
  17. 感応する光の波長が、250〜310nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の光感応性基体。
  18. 照射光量が、40J/cm以下であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の光感応性基体。
  19. 照射光量が5J/cm以下であることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の光感応性基体。
  20. 前記基体が、金属、セラミックス、ガラス及びプラスチックからなる群から選ばれる少なくとも一種からなるものであることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の光感応性基体。
  21. 前記プラスチックが、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂及びポリエーテル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項20に記載の光感応性基体。
  22. 請求項1〜21のいずれかに記載の光感応性基体の所定部分を光照射し、光照射した部分の有機金属化合物を分解及び/又は除去することを特徴とするパターニング方法。
  23. 照射光として、紫外線を用いることを特徴とする請求項22に記載のパターニング方法。
  24. 照射光として、波長350nm以下の光を用いることを特徴とする請求項22に記載のパターニング方法。
  25. 照射光として、波長250〜310nmの光を用いることを特徴とする請求項22に記載のパターニング方法。
  26. 照射光量が、40J/cm以下であることを特徴とする請求項22〜25のいずれかに記載のパターニング方法。
  27. 照射光量が、5J/cm以下であることを特徴とする請求項22〜25のいずれかに記載のパターニング方法。
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