JP2003072254A - 印刷用版材 - Google Patents

印刷用版材

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JP2003072254A
JP2003072254A JP2001270042A JP2001270042A JP2003072254A JP 2003072254 A JP2003072254 A JP 2003072254A JP 2001270042 A JP2001270042 A JP 2001270042A JP 2001270042 A JP2001270042 A JP 2001270042A JP 2003072254 A JP2003072254 A JP 2003072254A
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康晴 須田
Toyoo Ofuji
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コート層の強度を維持しつつ、光触媒の活性
を向上させた印刷用版材を提供する。 【解決手段】 少なくとも基材1と、実質的に光触媒の
みからなるコート層3とを含み、該コート層3を上記光
触媒の連続層とした。また、別の形態で、少なくとも基
材1と、実質的に光触媒のみからなるコート層3とを含
み、該コート層3がアナターゼ型の光触媒粒子を上記光
触媒の連続層で固めて形成されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルデータに
基づき版へ直接画像を書き込むことができる印刷機に好
適な印刷用版材に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷技術一般として、昨今、印刷工程の
デジタル化が進行しつつある。これは、パソコンで画
像、原稿を作成したり、スキャナ等で画像を読み込むこ
とにより当該画像データをデジタル化し、このデジタル
データから直接印刷用版を製作するというものである。
このことによって、印刷工程全体の省力化が図れるとと
もに、高精細な印刷を行うことが容易になる。
【0003】従来、印刷に用いる版としては、陽極酸化
アルミを親水性の非画線部とし、その表面上に感光性樹
脂を硬化させて形成した疎水性の画線部を有する、いわ
ゆるPS版(Presensitized Plat
e)が一般的に用いられてきた。このPS版を用いて印
刷用版を作成するには複数の工程が必要であり、このた
め版の製作には時間がかかり、コストも高くなるため、
印刷工程の時間短縮および印刷の低コスト化を推進しに
くい状況である。特に少部数の印刷においては印刷コス
トアップの要因となっている。また、PS版では現像液
による現像工程を必要とし、手間がかかるだけでなく、
現像廃液の処理が環境汚染防止という観点から重要な課
題となっている。
【0004】さらに、PS版では、一般に原画像が穿設
されたフィルムを版面に密着させて露光する方法が用い
られており、デジタルデータから直接版を作成し印刷工
程のデジタル化を進めるうえで印刷用版の作成が障害と
なっている。また、一つの絵柄の印刷が終わると、版を
交換して次の印刷を行わなければならず、版は使い捨て
にされていた。
【0005】上記PS版の欠点に対して、印刷工程のデ
ジタル化に対応し、さらに現像工程を省略できる方法が
提案され商品化されているものもある。例えば、特開昭
63―102936号公報では、液体インクジェットプ
リンタのインクとして感光樹脂を含むインクを用い、こ
れを印刷製版材に噴射し、その後で、光照射により、画
像部を硬化させることを特徴とする製版方法が開示され
ている。また、特開11―254633号公報では、固
体インクを吐出するインクジェットヘッドによりカラー
オフセット印刷用刷版を作成する方法が開示されてい
る。
【0006】さらにまた、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)フィルム上にカーボンブラックなどのレーザ
吸収層、さらにその上にシリコン樹脂層を塗布したもの
に、レーザ光線で画像を書き込むことによりレーザ吸収
層を発熱させ、その熱によりシリコン樹脂層を焼き飛ば
して印刷用版を作成する方法、あるいは、アルミ版の上
に親油性のレーザ吸収層を塗布し、さらにその上に塗布
した親水層を前記と同様にレーザ光線で焼き飛ばして印
刷用版とする方法、などが知られている。この他にも、
親水性ポリマーを版材として使用し、画像露光により照
射部を親油化させ版を作成する手段も提案されている。
しかし、このような方法では、デジタルデータから直接
版を作成することは可能であるが、一つの絵柄の印刷が
終わると新しい版に交換しなければ次の印刷が出来ず、
従って、一度使った版は廃棄されることに変わりはな
い。
【0007】さらにまた、例えば、特開平10―250
027号公報では、酸化チタン光触媒を用いた潜像版
下、潜像版下の製造方法、及び潜像版下を有する印刷装
置が開示されており、また特開平11―147360号
公報においても、光触媒を用いた版材によるオフセット
印刷法が開示されている。これらは、いずれも画像書き
込みには光触媒を活性化させる光、すなわち実質的に紫
外線を用い、加熱処理で光触媒を疎水化して版を再生す
る方法を提案している。また、特開平11―10523
4号公報で開示された平版印刷版の作成方法では、光触
媒を活性光、すなわち紫外線で親水化した後、ヒートモ
ード描画にて画線部を書き込む方法を提案している。し
かし、東京大学・藤嶋教授、橋本教授らにより、酸化チ
タン光触媒は加熱処理で親水化することが確認されてお
り〔三邉ら「酸化チタン表面の構造変化に伴う光励起親
水化現象の挙動に関する研究」、光機能材料研究会第5
回シンポジウム「光触媒反応の最近の展開」資料,(1
998) p.124−125〕、これによれば、上記
各公開公報で開示された方法では、版の再生利用あるい
は版の作成は不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に対して、本
発明者らは、デジタルデータから直接版を作成すること
ができ、現像工程・現像液を必要としないで実用上十分
な画質を有し、かつ版材を再生し繰り返し使用すること
を可能とする印刷用版材の作製方法、再生方法及び印刷
機の開発を行い、平成12年11月29日に特許出願を
行った(整理番号200002461)。そして、その
後、さらに光触媒を用いたコート層の改良について鋭意
検討を重ねた。すなわち、本発明は、コート層の強度を
維持しつつ、光触媒の活性を向上させた印刷用版材を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る印刷用版材は、少なくとも基材と、実
質的に光触媒のみからなるコート層とを含み、該コート
層が上記光触媒の連続層であることを特徴とする。この
場合には、連続層をゾルゲル法または蒸着法により形成
することができる。また、本発明に係る印刷用版材は、
別の形態で、少なくとも基材と、実質的に光触媒のみか
らなるコート層とを含み、該コート層がアナターゼ型の
光触媒粒子を上記光触媒の連続層で固めて成ることを特
徴とする。この場合には、コート層をゾルゲル法により
形成することが好適である。
【0010】上記コート層と上記基材との間には、上記
光触媒とバインダー機能を有する材料とを含む傾斜層を
設けることができる。また、上記コート層と上記基材と
の間に、バインダー機能を有する材料から成る中間層を
設けることもできる。
【0011】上記光触媒としては、酸化チタンを挙げる
ことができる。また、上記バインダー機能を有する材料
としては、TiO2、Al23、ZrO2およびSiO2
を挙げることができる。上記光触媒が酸化チタンの場
合、上記連続層をゾルゲル法で作製するときに調製する
ゾルは、酸化物としての形態のときに、酸化チタン光触
媒を含むゾルであり、具体的には酸化チタンゾル、過酸
化チタンゾル、水酸化チタンゾルのいずれかととするこ
とが好適である。
【0012】上記連続層をゾルゲル法で作製するときに
調製するゾルの原料は有機チタン化合物が好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る印刷用版材
についてさらに詳細に説明する。図1は、本発明に係る
印刷用版材の一実施の形態について、その表面を示す断
面図を示している。この印刷用版材(版材)Pは、基材
1と、中間層2と、コート層3と、から構成されてい
る。この図において、コート層3の表面(版材表面、版
面)上には、後述する有機系化合物層4が形成されてい
る。基材1は、アルミニウムやステンレス等の金属、ポ
リマーフィルムなどで構成されている。ただし、基材1
の材質は、これらアルミニウムやステンレス等の金属あ
るいはポリマーフィルムに限定されるものではない。
【0014】基材1の表面上には、中間層2が形成され
ている。中間層2としては、例えば、シリカ(Si
2)、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等のシリコー
ン形化合物がその材質として利用される。これらは、バ
イダー機能を有する材料である。そのうち特に、シリコ
ーン樹脂としては、シリコーンアルキド、シリコーンウ
レタン、シリコーンエポキシ、シリコーンアクリル、シ
リコーンポリエステル等が使用される。この中間層2
は、基材1と後述するコート層3との付着を確実なもの
とならしめるため、また密着性を向上させるために形成
されているものである。基材1とコート層3との間に、
必要により中間層2を介することにより、コート層3の
付着強度を十分に保つことが可能となる。ただし、基材
1とコート層3との付着強度が十分に確保できる場合に
は、中間層2はなくてもさしつかえない。さらに、基材
1がポリマーフィルム等のように光触媒の作用によって
劣化する物質から構成されている場合は、必要に応じ
て、基材1の保護のために形成されることもある。ま
た、この中間層2を上記光触媒とバインダー機能を有す
る材料とを含む傾斜層として形成することもできる。例
えば、光触媒とシリカについて。光触媒:シリカ=1
0:0〜0:10の傾斜層とすることが好適であるがこ
れに限るものではない。
【0015】中間層2上または基材1の上に、実質的に
酸化チタンのみを光触媒として含むコート層3が光触媒
層として形成されている。このコート層3は、本発明の
特徴部分を構成する。このコート層3の表面は、光触媒
のバンドギャップエネルギーより高いエネルギーをもつ
波長の光、例えば紫外線を照射することによって高い親
水性を示すようになる。この性質は、酸化チタン光触媒
の備える性質に依るものである。図2は、非画線部の有
機系化合物を除去した後、紫外線照射により親水性を示
しているコート層3が露出した状態を表している。この
親水性を示すコート層3の露出により、印刷用版材Pの
非画線部を形成することが可能となる。光触媒としては
酸化チタン光触媒が好適であるが、これに限定されるも
のではない。
【0016】本発明では、コート層3が、実質的に光触
媒のみから成る。「実質的に光触媒のみから成る」と
は、100%光触媒のみから成る場合の他、コーティン
グ膜を均一にするために通常添加される界面活性剤とい
ったような成分を不可避的に含む場合も含む。このコー
ト層3は、光触媒の連続層である。連続層とは、光触媒
作用を有さない物質が実質的に含まれていないことを意
味し、粒子状の光触媒を光触媒作用を示さないバイダー
で結合したものや、光触媒相と光触媒作用を示さない物
質相が混合した複合物などは「連続層」とは呼ばない。
このような連続層は、ゾルゲル法によって形成すること
ができる。ゾルゲル法では、例えばアモルファスの光触
媒ゾルを塗布し焼成して形成した光触媒のみで実質的に
コート層を形成する。酸化チタンなどの光触媒を有する
ゾル、あるいはチタン原子など酸化物の形態で光触媒作
用をする金属原子を含有するアモルファスゾルを調製
し、これを基材1上または中間層2上に塗布し、加熱す
ることによってゲル化する。加熱による結晶化で、例え
ば酸化チタンの場合であれば最も活性が高いとされる1
00%アナターゼ型の連続層とすることが好適である
が、必要な触媒活性と強度を維持できる限り、部分的に
他の結晶型やアモルフォス構造を持つものであっても良
い。
【0017】例えば、水系あるいは溶媒系の酸化チタン
ゾル、過酸化チタン、水酸化チタンゾルのいずれかを、
基材1または中間層3上に塗布し、350℃で60分間
焼成してゲル化させることによって形成することができ
る。酸化チタンゾルとしては、石原産業のSTS−0
1、STS−02、テイカのTKS−201、TKS−
202、TKS−203、TKS−251TKC−30
2、TKC−303、TKC−304、堺化学のCS
B、CSB−M、LAC−NTS、多木化学のA−6、
M−6など、過酸化チタンゾルとしては、テイカのTK
C−301、TKC−305、アリテックスのPTA、
TOsolなどがあるが、これらに限るものではない。
水酸化チタンゾルは、下記の有機チタン化合物を加水分
解するなどして調製したものを用いればよい。
【0018】これらのゾルの原料として、高純度のもの
が入手しやすいことから有機チタン化合物が好適であ
る。例えば、有機チタン化合物に水と硝酸を添加して加
水分解させて水酸化ゾルを形成し、これを基材1または
中間層3上に塗布し、500℃で60分間加熱してゲル
化させることによって形成することができる。
【0019】有機チタン化合物としては、例えば、日本
曹達製の テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n
−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオ
キシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、ジ−i
−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ
−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタ
ン、チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレー
ト、チタニウムステアレート、さらに有機チタン化合物
誘導体であるチタンキレート、チタンアシレート等を採
用することができるがこれにかぎるものではない。
【0020】また、連続層は、基材1または中間層3上
に酸化チタン等の光触媒を直接蒸着することによっても
形成できる。この場合、真空中で蒸着法にて不定形の酸
化チタン層を成長させた後、加熱処理により結晶化させ
る方法など、物理的手法により高い強度をもつ光触媒コ
ート層を作製することも可能である。
【0021】また、本発明では、コート層を、結晶型の
光触媒粒子を光触媒の連続層で固めることによっても形
成できる。この場合、例えば、光触媒粒子の一次粒径は
0.1μm以下、好ましくは0.05μmであることが
好ましい。これは、光触媒のバンドギャップエネルギー
より高いエネルギーをもつ光照射下で有機系化合物を分
解する光触媒性能を高くするためには、酸化チタン光触
媒の粒子径はある程度小さく比表面積が大きい方が好ま
しいからである。この形態では、光触媒が、実質的にバ
インダーとしても機能する。この形態では、例えば触媒
活性の高い結晶型の光触媒粒子をアモルファスの光触媒
ゾルに分散させたゾルを塗布し、焼成して基材1または
中間層3上にコート層を形成する。
【0022】また、コート層3の膜厚は、0.01〜1
0μmの範囲内にあることが好ましい。というのは、膜
厚があまりに小さければ、前記した性質を十分に生かす
ことが困難となるし、また、膜厚があまりに大きけれ
ば、コート層3がヒビ割れし易くなり、耐刷性低下の要
因となるためである。なお、このヒビ割れは膜厚が20
μmを越えるようなときに顕著に観察されるから、前記
範囲を緩和するとしても当該20μmをその上限として
認識する必要がある。また、実際上は0.1〜3μm程
度の膜厚とするのが、より好ましい。
【0023】有機系化合物層4は、コート層3の表面上
に反応ないし固着された際に疎水化剤として作用する有
機系化合物を、水や有機溶剤といった液体中に溶解ある
いは分散させた液をコート層3の表面上に塗布し、乾燥
させることで形成されている。なおここでいう「有機系
化合物」とは、「加熱処理によりコート層の表面(版材
表面)に反応ないし固着される性質と、光触媒のバンド
ギャップエネルギーより高いエネルギーをもつ光を照射
することで光触媒の作用により分解される性質とを併せ
持つ」有機系化合物である。以下、有機系化合物とは、
こうした性質を有する有機系化合物をいうものとする。
また、「有機系化合物を含む液」は、後述する有機系化
合物の種類に応じて、水性又は油性に調整される。な
お、「水性」の基準としては、塗布する段階での液中の
有機溶剤含有量が30wt%以下であり、また「油性」
の基準としては、塗布する段階での液中の有機溶剤含有
量が30wt%を越えるものである。ここで用いる有機
溶剤としては、有機系化合物が溶解あるいは分散可能な
ものであればよく、取扱性やコストの点からは、パラフ
ィン系又はイソパラフィン系の溶剤が好適であるが、こ
れに限定されるものではない。
【0024】以下では、本発明による印刷用版材Pの作
製方法と再生方法について説明する。印刷用版材Pの作
製方法は、「疎水化剤塗布工程」、「画線部書き込み工
程」及び「疎水化剤除去工程」からなる。また、印刷用
版材Pの再生方法は、「インキ除去工程」及び「再生工
程」からなる。
【0025】先ず、印刷用版材Pの作製方法について説
明する。図3に、印刷用版材Pの作製と再生の概念図を
示す。なお、以下において「版の作製」とは、有機系化
合物を含む液を版材表面上に塗布した後、該版材表面の
少なくとも一部をデジタルデータに基づいて加熱処理し
て疎水性画線部を形成し、加熱処理されなかった版材表
面上の前記有機系化合物を除去することをいうものとす
る。
【0026】先ず、コート層3表面に、酸化チタン光触
媒のバンドギャップエネルギーより高いエネルギーをも
つ波長の光を照射し、図2に示すような状態、すなわち
印刷用版材Pの版材表面全面を水Wの接触角が10°以
下の親水性表面とするような状態を現出させておく。こ
の、酸化チタン光触媒のバンドギャップエネルギーより
高いエネルギーをもつ波長の光とは、より具体的には、
波長380nm以下の光を含む紫外線である。そして、
疎水化剤塗布工程として、この親水性のコート層3の表
面に、有機系化合物を含む液(この図では符号4Lで示
す)を塗布し、必要に応じて室温程度の温度で乾燥さ
せ、図1の状態、すなわちコート層3上に有機系化合物
層4が形成された状態を作る。図3(a)は、前記有機
系化合物を含む液を塗布した状態を、図3(b)は、前
記塗布液を室温程度の常温で乾燥させた状態を、各々示
している。コート層3の表面のこの状態を「版作製時の
初期状態」という。なお、上記でいう「版作製時の初期
状態」とは、実際上の印刷工程におけるその開始時とみ
なしてよい。より具体的にいえば、ある与えられた任意
の画像に関して、それをデジタル化したデータが既に用
意されていて、これを版材上に書き込みしようとすると
きの状態を指すものとみなせる。
【0027】上記状態となっている、有機系化合物層4
に覆われたコート層3の表面に対して、画線部書き込み
工程として、画線部を書き込む。この画線部は、画像に
関するデジタルデータに準拠して、そのデータに対応す
るように行われる。なお、ここでいう画線部とは、水の
接触角が50°以上、好ましくは80°以上の疎水性部
分であり、印刷用の疎水性インキが容易に付着し、一
方、湿し水の付着は困難な状態になっている。この疎水
性の画線部を画像データに基づいて現出させる方法とし
て、有機系化合物層4を加熱し、前記有機系化合物をコ
ート層3上に反応ないし固着させる方法が好適である。
画線部を加熱した後、加熱されなかった部分(非加熱部
分)である、疎水性画線部以外の部分に塗布された有機
系化合物を除去することにより、非画線部を現出させ、
版を作製することができる。
【0028】こうした加熱方法としては、光触媒のバン
ドギャップエネルギーより低いエネルギーをもつ光を照
射することにより加熱処理を行うのが好ましい。この
「光触媒のバンドギャップエネルギーより低いエネルギ
ーをもつ光」とは、具体的には、赤外線である。こうし
た光を照射すれば、有機系化合物を光触媒作用で分解さ
せることなくコート層3上に反応ないし固着させること
ができる。
【0029】ここでは、図3(c)に示すように、赤外
線書き込みヘッド6を用いた赤外線照射によって、少な
くとも一部の有機系化合物層4を加熱し、有機系化合物
をコート層3の表面に反応あるいは固着させて画線部4
aを形成するようにしている。
【0030】画線部4aを形成した後、図3(d)に示
すように、洗浄スプレー7を用いて、水または水を含む
洗浄液を有機系化合物層4に吹き付け、非加熱部分の有
機系化合物層4を洗浄・除去して、非画線部5を現出さ
せる。これで、図3(e)に示すように、コート層3の
表面への画線部4aと非画線部5の形成が完了し、印刷
可能な状態となる。
【0031】なお、有機系化合物を含む液の塗布面を加
熱し、疎水性の画線部を画像データに基づいて現出させ
る方法として、ここでは、光で画線部を書き込んで光の
エネルギーで加熱するように構成した例を示している
が、他の構成、例えばサーマルヘッドによる有機系化合
物層4の直接加熱であってもよいことはいうまでもな
い。
【0032】上記までの処理が終了したら、コート層3
の表面に、印刷用の疎水性インキと湿し水を混合した状
態で塗布する。すると、例えば図4に示すような、印刷
用版材Pが製作されたことになる。この図において、網
掛けされた部分は、有機系化合物が光触媒を含むコート
層3の表面と反応もしくは固着して形成された部分、す
なわち疎水性部分の画線部4aに、疎水性インキが付着
した状態を示している。残りの白地の部分、すなわち親
水性部分である非画線部5には、湿し水が優先的に癒着
する一方、疎水性インキははじかれて付着しなかった状
態を示している。このように絵柄が浮かび上がることに
より、コート層3の表面は、印刷用版としての機能を有
することになる。この後、通常の印刷工程を実行し、こ
れを終了させる。
【0033】次に、印刷用版材Pの再生方法について説
明する。なお、「版の再生」とは、少なくとも一部が疎
水性を示し残りが親水性を示す版材表面を、全面均一に
親水化した後、この親水性の版材表面に有機系化合物を
含む液を塗布し、必要に応じて室温程度の温度で乾燥さ
せることによって、再び「版作製時の初期状態」に復活
させることをいうものとする。
【0034】まず、インキ除去工程として、印刷終了後
のコート層3の表面に付着したインキ、湿し水、紙粉な
どを拭き取る。その後、再生工程として、少なくとも一
部が疎水性を示すコート層3の表面全面に、光触媒のバ
ンドギャップエネルギーより高いエネルギーをもつ光を
照射する。こうすることで、画線部4aを形成する有機
系化合物を分解して除去し、コート層3の表面全面を、
水の接触角が10°前後の親水性表面とする、すなわち
図2に示す状態とすることが可能である。
【0035】光触媒のバンドギャップエネルギーより高
いエネルギーをもつ波長の光、例えば紫外線、を照射す
ることによって、コート層3表面に存在する有機系化合
物を分解・除去し、かつ高い親水性を有するという性質
は、酸化チタン光触媒の備える性質に依るものである。
ここでは、図3(f)に示すように、紫外線照射ランプ
8を用いて、紫外線照射のみで画線部4aを形成する有
機系化合物を分解し、コート層3aの表面、すなわち親
水性表面を露出させる場合を示している。紫外線照射に
より全面親水性に回復したコート層3表面に、有機系化
合物を含む液4Lを再度常温で塗布し、必要に応じて室
温程度の温度で乾燥させることによって、版作製時の初
期状態に戻すことが可能である。
【0036】また、コート層3の表面全面に、光触媒の
バンドギャップエネルギーより高いエネルギーをもつ光
を照射して有機系化合物を分解する操作と、水または水
を含む洗浄液でコート層3の表面を洗浄する操作と、を
交互に繰り返すことにより、さらに容易にコート層3の
表面全面を、水の接触角が10°前後の親水性表面とす
ることが可能である。
【0037】上記有機系化合物としては、加熱により版
材表面の親水性部分と反応もしくは強く固着し親水性表
面に疎水性を付与する作用を有する一方、常温では前記
反応もしくは固着が実質的に起らないことはもちろん、
それとともに紫外線照射下において酸化チタン光触媒の
作用で容易に分解されるものが好ましい。具体的には
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなど
のアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン・アクリ
ル酸、スチレン・アクリル酸エステルなどのスチレン・
アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、
エチレン、エチレン・アクリル酸、エチレン・アクリル
酸エステル、エチレン酢酸ビニル、変性エチレン酢酸ビ
ニル樹などのエチレン系樹脂、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル
などのビニル系樹脂等の微粒子が好ましい。なお、有機
系化合物はこれらに限るものでは無い。
【0038】以上説明したことを、まとめて示している
のが図5に示したグラフである。これは、横軸に時間
(あるいは操作)、縦軸に水の接触角をとったグラフで
あって、本実施形態における印刷用版材Pに関して、そ
のコート層3の表面の接触角(すなわち、疎水、親水状
態)が時間あるいは操作に伴ってどのように変化するか
を示したものである。この図において、一点鎖線はコー
ト層3の表面又は非画線部5を、実線は画線部4を、各
々示している。まず、コート層3の表面に紫外線を照射
して、コート層3の表面の、水の接触角が10°前後、
好ましくは10°以下である高い親水性を示すようにし
ておく。最初に、疎水化剤塗布工程(Aの工程)とし
て、コート層3の表面に、前記有機系化合物を含む液を
塗布し(点a)、その後、必要があれば液を室温程度の
常温で乾燥させる。なお、この図においては、乾燥工程
を必要としない場合を示している。有機系化合物を含む
液を塗布し終わった状態が、つまり「版作製時の初期状
態」である。
【0039】次に、画線部書き込み工程(Bの工程)と
して、コート層3の表面上の有機系化合物の画線部相当
部分を加熱して、画線部の書き込みを開始する(点
b)。こうすることによって、有機系化合物はコート層
3の表面と反応または固着し、画線部は高い疎水性を示
すようになる。一方、非画線部では有機系化合物と版面
との反応または固着は実質的に起らず、画線部書き込み
前と同じ状態を維持する。画線部書き込みが完了した
ら、疎水化剤除去工程(Cの工程)として、非画線部の
有機系化合物を、洗浄等の方法によるコート層3の表面
から除去を開始する(点c)。すなわち、非画線部5と
して、親水性のコート層3の表面を露出させる。これに
より、コート層3の表面は、有機系化合物が反応または
固着して形成された疎水性の画線部と、有機系化合物が
除去された親水性の非画線部が現出し、印刷用版として
機能することができるようになる。非画線部5の除去が
完了した後、印刷工程(Dの工程)として、印刷を開始
することになる(点d)。
【0040】印刷が終了すると、インキ除去工程(Eの
工程)として、コート層3の表面のインキ、汚れなどを
拭き取ってクリーニングを開始する(点e)。クリーニ
ング完了、すなわちインキの拭き取りが完了した後に、
再生工程(Fの工程)として、コート層3の表面への紫
外線照射を開始する。こうすることにより、前記の有機
系化合物で形成された画線部4aを分解・除去し、コー
ト層3の表面を再び親水性に戻す。この後、次の疎水化
剤除去工程(A’の工程)として、再び有機系化合物を
含む液を塗布する(点a’)ことにより、「版作製時の
初期状態」に戻ることになり、この印刷用版材Pは再利
用に供されることになる。
【0041】
【実施例】本発明に係る印刷用版材について、以下に実
施例を挙げて説明する。 実施例1 まず、その面積が280×204mm、厚さが0.1m
mのステンレス(SUS301)製の基材1を用意し、
この基材をブラックニッケルによる黒染め処理を行なっ
た。この処理により、830nmの赤外線の吸収率は処
理前の30%から、黒染め処理後は90%以上に向上し
た。この黒染め処理SUS基板をアルカリ脱脂処理し、
版材基板として用いた。
【0042】テイカ株式会社製の酸化チタンゾルTKS
−203と過酸化チタンゾルTKC−301を重量比
1:4の割合で混合した液を上記黒染め処理した基板に
ディップコートし、350℃で加熱して、酸化チタン光
触媒層を版材表面に形成した。光触媒層の厚みは約0.
2μmであった。この版材表面の鉛筆硬度は4〜5Hで
あった。
【0043】次に、版全面に低圧水銀ランプを用いて波
長254nm、照度20mW/cm2の紫外線を10秒
照射した後、紫外線照射部分について直ちにCA−W型
接触角計で水の接触角を測定したところ、接触角は5°
となり、非画線部として十分な親水性を示した。
【0044】次に、ジョンソンポリマー製のスチレン・
アクリル系樹脂(商品名「J−678」)をエタノール
に溶解し、濃度1wt%の樹脂溶液を調製した。この樹
脂溶液中に、界面活性剤イオネット T−60−C(三
洋化成製)を樹脂に対して10wt%添加した後、樹脂
溶液70部に対してイオン交換水(冷水)30重量部を
添加し、樹脂微粒子を析出させた。その後、エバポレー
タを用いて液温40℃にてエタノールを脱気し、熱可塑
性樹脂微粒子の水分散液を調製した。走査電子顕微鏡で
樹脂粒子を観察すると、粒径0.07〜0.1μmの球
状粒子であった。
【0045】紫外線を照射して親水性となっている版全
面に、ロールコートにより上記疎水化剤を塗布した後、
25℃で5分間風乾し、次に、波長830nm、出力1
00mW/チャンネル、ビーム径15μmの赤外線レー
ザを用いた画像書き込み装置により版面に画線率10%
から100%までの10%刻みの網点画像を書き込むこ
とで、照射部分の樹脂微粒子を加熱溶融し、版面に固着
させフィルム層(4)を形成した。この樹脂微粒子が固
着した部分についてCA−W型接触角計で水の接触角を
測定したところ、接触角は80°で、画線部が出来てい
ることを確認した。
【0046】この版材を(株)アルファー技研の卓上オ
フセット印刷機ニューエースプロに取り付け、東洋イン
キ製のインキHYECOO B紅MZと三菱重工業
(株)製の湿し水リソフェロー1%溶液を用いて、アイ
ベスト紙に印刷速度3500枚/時にて印刷を開始し
た。印刷開始1〜3枚目は、画線部が印刷されるだけで
なく、本来インキが付かない非画線部にもインキが部分
的に付着し汚れているような印刷物であったが、次第に
汚れは消えていき、7枚目には本来の非画線部となり、
紙面上には網点画像が印刷できた。
【0047】次に印刷用版材の再生に係わる実施例を説
明する。印刷終了後、版面上に付着したインキ、湿し
水、紙粉などをきれに拭き取った版全面に、低圧水銀ラ
ンプを用いて波長254nm、照度20mW/cm2の
紫外線を20秒照射した。その後、網点を書き込んでい
た部分について直ちにCA−W型接触角計で水の接触角
を測定したところ、接触角は8°となり、十分な親水性
を示すを確認した。すなわち、版材は疎水化剤塗布前の
状態戻り、版再生ができたことを確認した。
【0048】比較例1 実施例1のテイカ株式会社製の酸化チタンゾルTKS−
203と過酸化チタンゾルTKC−301を重量比1:
4の割合で混合した液の替わりに、テイカ株式会社製の
酸化チタンゾルTKS−203にバインダーとして日産
化学製のシリカゾル スノーテックス20を重量比1:
4の割合で混合した液を前記黒染め処理した基板にディ
ップコートした以外は、実施例1と同様にして、版作製
し、印刷と再生を行った。触媒層の鉛筆硬度は5Hで、
実施例1の触媒層と同等であった。しかし、印刷終了
後、版面上に付着したインキ、湿し水、紙粉などをきれ
に拭き取った版全面に、低圧水銀ランプを用いて波長2
54nm、照度20mW/cm2の紫外線を照射した
際、網点を書き込んでいた部分の接触角が8°に成るま
で100秒間紫外線を照射しなければ成らず、実施例1
の触媒層より光触媒活性が低いことが確認できた。
【0049】実施例2 実施例1のテイカ株式会社製の酸化チタンゾルTKS−
203と過酸化チタンゾルTKC−301を重量比1:
4の割合で混合した液の替わりに、テイカ株式会社製の
過酸化チタンゾルTKC−301を前記黒染め処理した
基板にディップコートした以外は、実施例1と同様にし
て、版作製し、印刷と再生を行った。触媒層の鉛筆硬度
は5Hであった。印刷終了後、版面上に付着したイン
キ、湿し水、紙粉などをきれに拭き取った版全面に、低
圧水銀ランプを用いて波長254nm、照度20mW/
cm2の紫外線を20秒照射した。その後、網点を書き
込んでいた部分について直ちにCA−W型接触角計で水
の接触角を測定したところ、接触角は6°となり、十分
な親水性を示すを確認した。
【0050】実施例3 実施例1のテイカ株式会社製の酸化チタンゾルTKS−
203と過酸化チタンゾルTKC−301を重量比1:
4の割合で混合した液の替わりに、日本曹達製の有機チ
タン化合物テトラ−n−ブトキシチタン10部にメタノ
ール10部と5wt%硝酸水溶液5部を添加して有機チ
タン化合物を加水分解し、水酸化チタンゾルとしてを前
記黒染め処理した基板にディップコートした以外は、実
施例1と同様にして、版作製し、印刷と再生を行った。
触媒層の鉛筆硬度は4〜5Hであった。
【0051】印刷終了後、版面上に付着したインキ、湿
し水、紙粉などをきれに拭き取った版全面に、低圧水銀
ランプを用いて波長254nm、照度20mW/cm2
の紫外線を20秒照射した。その後、網点を書き込んで
いた部分について直ちにCA−W型接触角計で水の接触
角を測定したところ、接触角は7°となり、十分な親水
性を示すを確認した。以上のように、本実施例によれ
ば、本発明に係る印刷用版材では、光触媒の活性が向上
していることが了解される。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コート層の強度を維持しつつ、光触媒の活性を向上させ
た印刷用版材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷用版材の一実施の形態につい
て、その構成を示す断面図である。また、この図はコー
ト層の表面に有機系化合物層が形成されている状況も同
時に示している。
【図2】本発明に係る印刷用版材の一実施の形態につい
て、その構成を示す断面図である。また、この図はコー
ト層の表面が親水性を示している状況も同時に示してい
る。
【図3】版材表面への版の作製と版の再生の概念図であ
る。
【図4】版材表面に描かれた画像(画線部)とその白地
(非画線部)の一例を示す斜視図である。
【図5】親水性の版材表面へ有機系化合物により画線部
を形成し、印刷終了後、紫外線照射により画線部を消去
する様子を時間に沿って示したグラフ図である。
【符号の説明】
P 印刷用版材(版材) 1 基材 2 中間層 3 コート層 4 有機系化合物層 4a 画線部 5 非画線部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA13 AB03 AC01 AD01 AD03 BH03 DA40 2H096 AA07 BA16 BA20 EA02 2H114 AA04 AA23 AA24 AA28 AA30 BA01 BA05 BA10 DA08 DA39 DA41 DA75 EA01 EA02 GA29 GA33 GA34 4G069 AA03 AA08 BA01C BA02C BA04A BA04B BA05C BA17 BA18 BA22A BA27C BA48A BB04C BB05C BC50C EA07 EA11 EC22X EC22Y ED01 FA03 FB01 FB09 FB23 FC05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基材と、実質的に光触媒のみ
    からなるコート層とを含み、該コート層が上記光触媒の
    連続層であることを特徴とする印刷用版材。
  2. 【請求項2】 少なくとも基材と、実質的に光触媒のみ
    からなるコート層とを含み、該コート層がアナターゼ型
    の光触媒粒子を上記光触媒の連続層で固めて成ることを
    特徴とする印刷用版材。
  3. 【請求項3】 上記連続層をゾルゲル法により形成した
    ことを特徴とする請求項1または2の印刷用版材。
  4. 【請求項4】 上記連続層を蒸着法により形成したこと
    を特徴とする請求項1の印刷用版材。
  5. 【請求項5】 上記コート層と上記基材との間に、上記
    光触媒とバインダー機能を有する材料とを含む傾斜層を
    設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの印刷
    用版材。
  6. 【請求項6】 上記コート層と上記基材との間に、バイ
    ンダー機能を有する材料から成る中間層を設けたことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかの印刷用版材。
  7. 【請求項7】 上記光触媒が酸化チタンであることを特
    徴とする請求項1ないし6のいずれかの印刷用版材。
  8. 【請求項8】 上記バインダー機能を有する材料がTi
    2、Al23、ZrO2、SiO2のいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項5または6の印刷用版材。
  9. 【請求項9】 上記光触媒が酸化チタンであり、上記連
    続層をゾルゲル法で作製するときに用いるゾルを、酸化
    チタンゾル、過酸化チタンゾル、水酸化チタンゾルのい
    ずれかとしたことを特徴とする請求項3、5、6、およ
    び8のいずれかの印刷用版材。
  10. 【請求項10】 上記光触媒が酸化チタンであり、上記
    連続層をゾルゲル法で作製するときに調製するゾルの原
    料を有機チタン化合物をとしたことを特徴とする請求項
    3、5、6、8および9のいずれかの印刷用版材。
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