JP2007099828A - コーティング材組成物及び塗装品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)の加水分解性オルガノシランと(B)の加水分解性オルガノシランとシリカ系金属酸化物微粒子とを混合した状態で、(A)及び(B)の加水分解性オルガノシランを加水分解した第一の加水分解物と、(A)の加水分解性オルガノシランと(C)の加水分解性オルガノシランとを共重合した、一方の末端にフッ素置換アルキル基を有する第二の加水分解物と、を含有する。
(A)一般式がSiX4(Xは加水分解基)
で表わされる加水分解性オルガノシラン、
(B)撥水基を直鎖部に備えると共にアルコキシ基が結合したシリカ原子を分子内に2個以上有する加水分解性オルガノシラン、
(C)フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン
【選択図】なし
Description
(A)一般式がSiX4(Xは加水分解基) …(1)
で表わされる加水分解性オルガノシラン、
(B)撥水基を直鎖部に備えると共にアルコキシ基が結合したシリカ原子を分子内に2個以上有する加水分解性オルガノシラン、
(C)フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン
また請求項2の発明は、請求項1において、加水分解性オルガノシラン(B)の撥水基が、下記式(2)又は下記式(3)で示されるものであることを特徴とするものである。
-(-CF2-)n- …(3)
(式(3)においてnは2〜20の整数)
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、加水分解性オルガノシラン(B)が、下記式(4)で示されるオルガノシランであることを特徴とするものである。
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、加水分解性オルガノシラン(B)が、式(5)の構造を備えた直鎖部に、アルコキシ基が結合したシリカ原子が3個以上結合したオルガノシランであることを特徴とするものである。
(式(5)においてn,pは1〜20の整数)
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、マトリクス形成材料に、式(6)で表されるシリコーンジオール(D)を含有することを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係る塗装品は、請求項1乃至5のいずれかに記載のコーティング材組成物の硬化被膜を、基材の表面に備えて成ることを特徴とするものである。
SiX4(Xは加水分解基) …(1)
で表わされる4官能加水分解性オルガノシランである。
上記式(7)のアルコキシル基「OR」中の「R」は1価の炭化水素基であれば特に限定されるものではないが、炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基等のアルキル基等を例示することができる。アルコキシド基中に含有されるアルキル基のうち、炭素数が3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基等のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであってもよい。
上記の加水分解性オルガノシラン(A)と、このフッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン(C)とを混合し、加水分解させて共重合することによって、一方の末端にフッ素置換アルキル基を有する第二の加水分解物を得ることができるものである。加水分解性オルガノシラン(A)とフッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン(C)の混合比率(共重合比率)は、特に限定されるものではないが、縮合化合物換算の質量比率で、加水分解性オルガノシラン(A)/フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン(C)=95/5〜50/50の範囲が好ましい。フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン(C)の量が5質量%未満であると、フッ素成分による撥水・撥油性や防汚性を十分に発現させることができず、逆に50質量%を超えると、被膜強度の低下や、被膜の白濁が生じ、また塗装時にはじいたりする不良の原因になるおそれがある。第二の加水分解物の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、200〜5000の範囲が好ましい。200未満であると被膜形成能力が劣り、逆に5000を超えると被膜強度が低下するおそれがある。加水分解の際の温度条件は、20〜30℃程度が好ましい。温度がこの範囲より低いと反応が進まず、逆にこの範囲より温度が高いと反応が速く進み過ぎて一定の分子量の確保が困難になると共に、分子量が大きくなり過ぎて膜強度が落ちるおそれがある。
撥水基を直鎖に備える加水分解性オルガノシラン(B)として、撥水性の直鎖部がフッ素系の
(H3CO)3Si-(CH2)2-(CF2)2-(CH2)2-Si(OCH3)3
を用いた。そしてこの加水分解性オルガノシラン(B)11.70質量部に、加水分解性オルガノシラン(A)としてテトラエトキシシラン31.25質量部、メタノール445.82質量部、0.1規定硝酸水溶液52.70質量部を加え、またシリカ系金属酸化物フィラーとして中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20.5%、平均一次粒子径60nm、外殻厚み約10nm、触媒化成工業製)を58.53質量部添加した。この混合物を25℃恒温槽中で1時間攪拌することによって、第一の加水分解物を得た。この場合の加水分解性オルガノシラン(B)由来の固形分質量割合は第一加水分解物中で50%である。
CF3-(CF2)7-(CH2)2-Si(OCH3)3
を用い、この加水分解性オルガノシラン(C)3.42質量部に、加水分解性オルガノシラン(A)としてテトラエトキシシラン93.75質量部、メタノール450.13質量部、0.1規定硝酸水溶液52.70質量部を加え、この混合物を25℃恒温槽中で1時間攪拌することによって、第二の加水分解物を得た。この場合のフッ素基置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン(C)由来の固形分質量割合は第二加水分解物中で10%である。
撥水基を直鎖に備える加水分解性オルガノシラン(B)2.34質量部に、テトラエトキシシラン56.25質量部、メタノール430.18質量部、0.1規定硝酸水溶液52.70質量部を加え、またシリカ系金属酸化物フィラーを58.53質量部添加して加水分解するようにした以外は、実施例1と同様にして第一の加水分解物を得た。この場合の加水分解性オルガノシラン(B)由来の固形分質量割合は第一加水分解物中で10%である。その他は、実施例1と同様にしてコーティング材組成物を得た後、実施例1と同様にして硬化被膜を得た。
撥水基を直鎖に備える加水分解性オルガノシラン(B)18.73質量部に、テトラエトキシシラン12.5質量部、メタノール457.54質量部、0.1規定硝酸水溶液52.70質量部を加え、またシリカ系金属酸化物フィラーを58.53質量部添加して加水分解するようにした以外は、実施例1と同様にして第一の加水分解物を得た。この場合の加水分解性オルガノシラン(B)由来の固形分質量割合は第一加水分解物中で80%である。その他は、実施例1と同様にしてコーティング材組成物を得た後、実施例1と同様にして硬化被膜を得た。
撥水基を直鎖に備える加水分解性オルガノシラン(B)として、前記式(2)で示されるR1,R2がメチル基であるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして第一の加水分解物を得た。その他は、実施例1と同様にしてコーティング材組成物を得た後、実施例1と同様にして硬化被膜を得た。
フッ素基置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン(C)1.71質量部に、テトラエトキシシラン98.96質量部、メタノール446.63質量部、0.1規定硝酸水溶液52.70質量部を加えて加水分解するようにした以外は、実施例1と同様にして第二の加水分解物を得た。この場合の加水分解性オルガノシラン(C)由来の固形分質量割合は第二加水分解物中で5%である。その他は、実施例1と同様にしてコーティング材組成物を得た後、実施例1と同様にして硬化被膜を得た。
フッ素基置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン(C)17.08質量部に、テトラエトキシシラン52.08質量部、メタノール478.14質量部、0.1規定硝酸水溶液52.70質量部を加えて加水分解するようにした以外は、実施例1と同様にして第二の加水分解物を得た。この場合の加水分解性オルガノシラン(C)由来の固形分質量割合は第二加水分解物中で50%である。その他は、実施例1と同様にしてコーティング材組成物を得た後、実施例1と同様にして硬化被膜を得た。
第一の加水分解物と第二の加水分解物の他に、コーティング材形成成分として前記式(6)のn≒40であるシリコーンジオール(D)をコーティング材組成物の全固形分に対して1質量%添加するようにした以外は、実施例1と同様にしてコーティング材組成物を得た後、実施例1と同様にして硬化被膜を得た。
第一の加水分解物の製造に、撥水基を直鎖に含有する加水分解性オルガノシラン(B)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてコーティング材組成物を得た後、実施例1と同様にして硬化被膜を得た。
第二の加水分解物の製造に、フッ素基置換加水分解性オルガノシラン(C)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてコーティング材組成物を得た後、実施例1と同様にして硬化被膜を得た。
ヘイズメータ(日本電色工業社製「NDH2000」)を使用し、ヘイズ値を測定した。
分光光度計(日立製作所製「U−4100」)を使用し、波長550nmの反射率を測定した。
25℃の1N−NaOH水溶液に1時間浸漬し、次のA〜Dで判定した。
A:被膜に変化なし
B:被膜に浸漬した跡が見えるが、布で擦っても剥離異常なし
C:浸漬だけでは被膜の剥離はみられないが、布で擦ると被膜が剥離する
D:浸漬により被膜が剥離する
(防汚性)
硬化被膜の表面に指紋を付け、布で拭き取った際の防汚性を次のA〜Dで判定した。
A:数回で指紋を除去できる
B:十数回で指紋を除去できる
C:かなり拭くとなんとか指紋を除去できる
D:指紋を除去することができない(跡が残る)
Claims (6)
- 下記(A)の加水分解性オルガノシランと下記(B)の加水分解性オルガノシランとシリカ系金属酸化物微粒子とを混合した状態で、下記(A)及び下記(B)の加水分解性オルガノシランを加水分解した第一の加水分解物と、下記(A)の加水分解性オルガノシランと下記(C)の加水分解性オルガノシランとを共重合した、一方の末端にフッ素置換アルキル基を有する第二の加水分解物と、を含有して成ることを特徴とするコーティング材組成物。
(A)一般式がSiX4(Xは加水分解基) …(1)
で表わされる加水分解性オルガノシラン、
(B)撥水基を直鎖部に備えると共にアルコキシ基が結合したシリカ原子を分子内に2個以上有する加水分解性オルガノシラン、
(C)フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン - 加水分解性オルガノシラン(B)が、式(5)の構造を備えた直鎖部に、アルコキシ基が結合したシリカ原子が3個以上結合したオルガノシランであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング材組成物。
-(-CH2-)n−(-CF2-)p−(-CH2-)n- …(5)
(式(5)においてn,pは1〜20の整数) - 請求項1乃至5のいずれかに記載のコーティング材組成物の硬化被膜を、基材の表面に備えて成ることを特徴とする塗装品。
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2005
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