JP6253009B2 - 光学製品及び眼鏡レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線の反射を防止する反射防止膜を備えた光学製品、及びその一例としての眼鏡レンズに関する。
紫外領域及び可視領域における光の反射を防止する光学多層膜として、下記特許文献1に記載のものが知られている。
この光学多層膜は、3〜7層構造であり、物理膜厚が6.5ナノメートル(nm)程度であるITO(Indium Tin Oxide)の層を含んでいる。
国際公開WO2012/076714号公報
このような光学多層膜では、インジウムを含むITOを用いるため、材料の調達や蒸着においてコストが嵩んでしまう。
又、ITOを用いるため、光学多層膜を付与したレンズの透明度を低下させる可能性があるし、レンズの色に対して、光学多層膜における僅かな強度の反射光の色彩(色の系統)を調整することが困難である。
そこで、請求項1,に記載の発明は、シンプルな構成ながら、紫外線及び可視光線の反射率が充分に低減されており、僅かな強度である反射光の色彩について調整が可能である光学多層膜を備えた光学製品,眼鏡レンズを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、凸面と凹面を有する基材と、その基材の少なくとも凹面に形成された光学多層膜を含み、前記光学多層膜は、前記基材に近い側を1層目として、1層目から順に二酸化ジルコニウムの層と二酸化ケイ素の層を交互に積層した全部で6層の膜であり、4層目の前記二酸化ケイ素の層の物理膜厚は、10nm以上22nm以下の範囲内にあり、1層目の前記二酸化ジルコニウムの層と2層目の前記二酸化ケイ素の層の物理膜厚の和は、35nm以上45nm以下の範囲内にあり、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は、100nm以上110nm以下の範囲内にあることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記発明において、前記凹面における波長280nm以上400nm未満の光に対する平均反射率が3.5%以下であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明において、前記凹面における波長300nm以上400nm未満の光に対する平均反射率が2.5%以下であることを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、眼鏡レンズにあって、上記の光学製品が用いられており、前記基材は眼鏡レンズ基材であることを特徴とするものである。
請求項1,に記載の発明によれば、シンプルな構成ながら、僅かな強度である反射光の色彩について調整が可能であり、紫外線及び可視光線の反射率が充分に低減されていて、可視光線に対する反射防止等の性能を良好にしながら、凹面における紫外線の反射を抑えて凹面側に位置する眼等を紫外線から保護することができる光学多層膜を備えた光学製品,眼鏡レンズを提供することができる、という効果を奏する。
請求項2,3に記載の発明によれば、紫外線の反射率を眼等の保護が充分に可能である高いレベルに低減することができる、という効果を奏する。
実施例1〜5に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 xy表色系でのxy座標において、凹面反射光の反射色の(x,y)をそれぞれプロットしたグラフであって、(a)は実施例1〜5に係るものであり、(b)は実施例31〜35に係るものであり、(c)は実施例36〜40に係るものであり、(d)は実施例41〜45に係るものであり、(e)は実施例46〜50に係るものであり、(f)は実施例51〜55に係るものである。 実施例6〜10に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 実施例11〜15に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 実施例16〜20に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 実施例21〜25に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 実施例26〜30に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 実施例31〜35に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 実施例36〜40に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 実施例41〜45に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 実施例46〜50に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。 実施例51〜55に係る紫外線域及び可視光域の分光反射率分布を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施の形態の例につき説明する。なお、本発明の形態は、以下のものに限定されない。
光学製品は、凸レンズであり、凸面と凹面を有している。光学製品は、凸面と凹面を有する基材と、その基材の少なくとも凹面に形成された光学多層膜を含む。尚、基材自体も凸レンズとみることができる。
基材の材質は、ガラスやプラスチックを始めとしてどのようなものであっても良いが、好適には、プラスチックが用いられる。基材の材質の例として、ポリウレタン樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂が挙げられる。
光学製品の代表例として、眼鏡プラスチックレンズや眼鏡ガラスレンズを始めとする眼鏡レンズが挙げられ、他の例として、カメラレンズ、プロジェクターレンズ、双眼鏡レンズ、望遠鏡レンズ、各種フィルタが挙げられる。眼鏡レンズの場合、基材は眼鏡レンズ基材となる。
光学多層膜は、基材の凹面の表面において、直接成膜されても良いし、ハードコート層を始めとする単数又は複数の中間膜を介して成膜されても良い。ハードコート層は、例えば、オルガノシロキサン系、その他有機ケイ素化合物、アクリル化合物等から形成される。又、ハードコート層の下層にプライマー層を設けても良い。プライマー層は、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、有機ケイ素系樹脂の少なくとも何れかから形成される。
基材の凹面に形成された光学多層膜は、高屈折率材料と低屈折率材料を交互に積層した全6層の構成を有する。高屈折率材料は、二酸化ジルコニウム(ジルコニア、ZrO)であり、低屈折率材料は、二酸化ケイ素(シリカ、SiO)である。基材側(凸面側)を1層目として、1層目には高屈折率材料を配置する。6層目はSiOであり、最外面となって空気に接する。尚、当該光学多層膜の外側に、撥水膜を始めとする単数又は複数の外膜を更に形成しても良い。
光学多層膜は、例えば真空蒸着法やスパッタ法等の物理気相体積法により積層される。真空蒸着法において、蒸着時に不活性ガス等の各種のガスを供給したり、当該ガスの供給条件(供給量や成膜時圧力等)を制御したり、各種イオンを所定の加速電圧や加速電流にて成膜時に導入するイオンアシストを行ったり、プラズマ処理を成膜時に行ったりして良い。
6層の光学多層膜における4層目の低屈折率層(SiO層)は、物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあるようにされている。4層目の物理膜厚が10nm未満であると、4層目の正確な成膜が比較的に難しくなる。又、4層目が薄くなりすぎてしまい、他の層についてどのように設計したとしても、特に紫外線域における反射率において目標とするレベルを満たし難いこととなる。
ここで、目標とする紫外線域の反射率のレベルは、波長280nm以上400nm未満の光に対する平均反射率が3.5%以下であり、及び/又は波長300nm以上400nm未満の光に対する平均反射率が2.5%以下である。凸レンズにおける凹面において、紫外線域の反射率がこのレベルとなり、紫外線反射がこのレベルで防止されれば、凹面に斜めに入射した紫外線が透過せずに反射する量を充分に低減することができ、凹面側に存在するものを紫外線から保護することができる。例えば、凸レンズが眼鏡レンズであって、凹面側に眼が存在する場合、顔の斜め後方から到来した紫外線が、凹面に反射して眼に進入する量を、充分に低減することができる。
一方、4層目の物理膜厚が22nmを超えた場合においても、紫外線域における反射率について、他の層をどのように設計したとしても目標とするレベルを満たし難いこととなる。又、可視光域の反射率も、例えば平均反射率が5%を超えてしまうような、反射防止のレベルが紫外線域に見合わず低いものになり易い。尚、可視光域は、一般的な可視光の波長領域であり、例えば波長400nm以上800nm以下であり、あるいは400nm以上760nmであり、又は400nm以上720nm以下である。
又、かような4層目の物理膜厚の範囲調整と適宜併せ、6層の光学多層膜における4層目以前(1〜4層目)の物理膜厚の少なくとも何れかを一定程度薄くすると、可視光域の反射率を更に充分に低減しながら、紫外線域の反射率を上述のレベルまで低減することが可能となる。
特に、1層目の高屈折率層(ZrO層)と2層目の低屈折率層(SiO層)の物理膜厚の和が、35nm以上45nm以下の範囲内にあるようにすると、可視光域の反射率の充分な低減と共に、紫外線域の反射率につき上述のレベルを満たすような低減が可能となる。当該物理膜厚の和が35nm未満であると、1層目や2層目の成膜が比較的に困難となるし、他の層の設計をどのようにしても紫外線域の反射率を上述のレベルに達する程度に低減することが困難となる。一方、当該物理膜厚の和が45nmを超えても、紫外線域の反射率を上述のレベルに達する程度に低減することが困難となるし、可視光域の反射率が充分に低減されない可能性が出てくる。
又、1層目ないし4層目(1,2,3,4層目)の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあるようにしても、可視光域の反射率の充分な低減と共に、紫外線域の反射率を上述のレベルまでの低減が可能となる。当該物理膜厚の総和が100nm未満であると、1層目ないし4層目の順次の成膜が比較的に困難となるし、他の層の設計をどのようにしても紫外線域の反射率を上述のレベルに達する程度に低減することが困難となる。一方、当該物理膜厚の和が110nmを超えても、紫外線域の反射率を上述のレベルに達する程度に低減することが困難となるし、可視光域の反射率が充分に低減されない可能性が出てくる。
光学多層膜における4層目(SiO層)の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあるという条件、あるいは更に1層目(ZrO層)と2層目(SiO層)の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあるという条件、及び/又は1層目ないし4層目の物理膜厚の和が100nm以上110nm以下の範囲内にあるという条件を満たしながら、1〜6層目の物理膜厚を適宜設計すれば、光学多層膜における(入射光に比べて僅かな強度である)反射光につき任意の色彩を呈するものとしながら、可視光域の反射率に加え紫外線域の反射率を極めて低いものとすることが可能となる。
光学多層膜における反射光の色彩の例として、無彩色、青色、ピンク色、緑色、オレンジ色が挙げられる。
又、好適には、凹面に成膜される光学多層膜における反射光の色彩が、凸面における反射光の色彩と合うようにする。このようにすると、レンズやこれを備えるもの(眼鏡レンズの装用者等)を外から見た場合に、レンズからの反射光の色彩が調和していることでちらつかずに美しく見えるし、レンズを備えるものにとっても、レンズを媒介して観察する光における色彩のちらつきが抑えられて、レンズからの光が見易くなる。凸面に対し、凹面と同様に成る光学多層膜を形成して、凹面と凸面とで同等の膜を有するようにしても良い。
次いで、全6層の光学多層膜に関する各種の実施例を説明する。
≪実施例1〜5≫
表1は、実施例1〜5の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図1は、実施例1〜5に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフであり、図2(a)は、xy表色系でのxy座標(CIE色度図,CIE Chromaticity Diagram)において、実施例1〜5の凹面反射光の反射色の(x,y)をそれぞれプロットしたグラフである。
尚、反射色の(x,y)は、D65光源のもとでの2°視野における値であり、以下同様である。
Figure 0006253009
実施例1〜5において、凸面と凹面を有するプラスチック製のレンズ基材の凹面に対し、直接6層の光学多層膜を反射防止膜として真空蒸着法により形成した。尚、凸面には反射防止膜等の各種の膜は成膜していない。
光学多層膜の各層の物理膜厚は、蒸着時間や真空容器内圧力(成膜時圧力)等の蒸着条件に基づき算出することができる。
実施例1〜5の各レンズ基材は、何れも同じものであり、チオウレタン樹脂製で、屈折率は1.60であり、アッベ数は42であって、度数は−0.00(凸面と凹面が同じカーブの基板)である。
表1の左上部に示すように、実施例1〜5の光学多層膜は、基材に最も近い層を1層目として、1層目をZrO、2層目をSiOというように、ZrOとSiOが交互に配置されており、何れも物理膜厚が同じであるように形成されている(1層目から順に18.97nm,22.45nm,45.45nm,16.77nm,27.19nm,80.64nm)。
実施例1〜5の光学多層膜の4層目の物理膜厚は16.77nmであり、10nm以上22nm以下の範囲内にある。
又、1層目と2層目の物理膜厚の和は18.97+22.45=41.42nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和は18.97+22.45+45.45+16.77=103.64nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例1〜5は、互いにZrOの屈折率を異ならせている。表1におけるZrOの屈折率は、波長500nmの光に対するものである(λ=500nm)。ZrOの屈折率は、光学多層膜設計時の設計波長や加工時の蒸着速度、酸素ガスやアルゴンガス等によるイオンアシストの付与等により変化する。実施例1におけるZrOの屈折率は1,3,5層目とも2.0288であり、同様に実施例2では2.0504であり、実施例3では2.0726であり、実施例4では2.0920であり、実施例5では2.1264である。尚、SiOの屈折率(λ=500nm)は、実施例1〜5の何れにおいても1.4776である。
実施例1〜5において、ZrOの屈折率が2.0288から2.1264へ徐々に上がっていくところ、波長280nm以上400nm未満(以下「第1紫外線域」という)の平均反射率は順に2.67%,3.25%,1.97%,2.08%,1.92%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、実施例1〜5において、波長300nm以上400nm未満(以下「第2紫外線域」という)の平均反射率は順に1.85%,1.70%,1.92%,1.69%,1.73%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。
又、実施例1〜5において、図1等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても2.5%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は16.77nmであり10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が41.42nmであり35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が103.64nmであり100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。
実施例1〜5のレンズを眼鏡レンズとして用いた場合、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
又、眼鏡ガラスレンズではなく眼鏡プラスチックレンズの場合、レンズ基材に紫外線吸収剤を始めとする紫外線カット剤を混入することで、紫外線域の光をカットし、眼を紫外線から保護することが行われている。この場合、凹面を透過した紫外線は基材において充分にカットされる。
加えて、実施例1〜5における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、順に(x,y)=(0.26,0.29),(0.26,0.30),(0.26,0.30),(0.26,0.31),(0.26,0.32)であって、(x,y)=(0.26,0.29〜0.32)に収まっており、無彩色を呈し、何れも無彩色系統に属するようになっている。
レンズ基材の凸面に対し、無彩色の光学多層膜(反射防止膜等)を併せて成膜すれば、反射防止性能等を呈しながら、レンズ裏面で紫外線が反射して比較的に強い強度で眼に入る事態を防止することができ、更に凸面と凹面とで反射色が相違して外観上あるいは視認上違和感が発生する事態を防止することができるレンズを提供することが可能となる。
≪実施例6〜10≫
表2は、実施例6〜10の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図3は、実施例6〜10に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフである。
Figure 0006253009
実施例6〜10は、6層の光学多層膜の膜構成以外は実施例1〜5と同様に形成した。但し、実施例8は、実施例1と同じである。
表2の左上部に示すように、実施例6〜10におけるZrOの屈折率(λ=500nm)は、何れも2.0288であり、実施例6の光学多層膜における各層の物理膜厚は、1層目から順に20.40nm,16.71nm,53.52nm,10.00nm,28.97nm,75.15nmである。又、実施例7における各層の物理膜厚は、順に20.31nm,17.68nm,50.01nm,12.00nm,27.53nm,76.72nmである。更に、実施例8における各層の物理膜厚は、順に18.97nm,22.45nm,45.45nm,16.77nm,27.19nm,80.64nmであり、実施例9における各層の物理膜厚は、順に18.62nm,25.06nm,40.23nm,20.00nm,26.15nm,83.04nmであり、実施例10における各層の物理膜厚は、順に17.81nm,27.00nm,37.31nm,22.00nm,25.08nm,85.23nmである。
実施例6〜10の光学多層膜の4層目の物理膜厚は順に10.00nm,12.00nm,16.77nm,20.00nm,22.00nmであり、10nm以上22nm以下の範囲内にある。
又、1層目と2層目の物理膜厚の和は順に37.11nm,37.99nm,41.42nm,43.68nm,44.81nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和は順に100.63nm,100.00nm,103.64nm,103.91nm,104.12nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例6〜10において、4層目の物理膜厚が10.00nmから22.00nmへ徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に1.95%,2.04%,2.67%,2.91%,3.04%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、実施例6〜10において、第2紫外線域の反射率は順に1.81%,2.02%,1.85%,2.05%,2.25%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。
又、実施例6〜10において、図3等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても3%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
但し、本発明に属さない比較例として、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えたものとすると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率が上記のレベルまで抑え難くなり、若しくは可視光域の反射率が例えば可視光域の全域において3%あるいは3.5%以下あるいは4%以下あるいは4.5%以下とならないといったように高いレベルで低減することが困難になる。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例6〜10のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例6〜10における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.25〜0.29,0.28〜0.31)に収まっており、無彩色を呈し、何れも無彩色系統に属するようになっている。
≪実施例11〜15≫
表3は、実施例11〜15の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図4は、実施例11〜15に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフである。
Figure 0006253009
実施例11〜15は、実施例6〜10と同様に形成し、ZrOの屈折率(λ=500nm)を、何れも2.0504とした。尚、表3に示すように、実施例11〜15における4層目以外の各層の物理膜厚を、実施例6〜10に対し若干調整している。又、実施例13は、実施例2と同じである。
実施例11〜15の1層目と2層目の物理膜厚の和は順に37.48nm,38.95nm,41.42nm,42.26nm,43.15nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は順に109.03nm,106.87nm,103.64nm,100.53nm,100.15nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例11〜15において、4層目の物理膜厚が10.00nmから22.00nmへ徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に2.98%,3.14%,3.25%,2.26%,2.29%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、第2紫外線域の反射率は順に1.67%,1.67%,1.70%,2.06%,2.07%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。但し、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。
又、実施例11〜15において、図4等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても3%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例11〜15のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例11〜15における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.25〜0.29,0.27〜0.30)に収まっており、無彩色を呈し、何れも無彩色系統に属するようになっている。
≪実施例16〜20≫
表4は、実施例16〜20の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図5は、実施例11〜15に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフである。
Figure 0006253009
実施例16〜20は、実施例6〜10と同様に形成し、ZrOの屈折率(λ=500nm)を、何れも2.0726とした。尚、表4に示すように、実施例16〜20における4層目以外の各層の物理膜厚を、実施例6〜10に対し若干調整している。又、実施例18は、実施例3と同じである。
実施例16〜20の1層目と2層目の物理膜厚の和は順に37.56nm,38.78nm,41.42nm,43.44nm,44.43nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は順に108.05nm,103.40nm,103.64nm,103.89nm,104.87nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例16〜20において、4層目の物理膜厚が10.00nmから22.00nmへ徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に1.99%,1.74%,1.97%,2.14%,2.19%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、第2紫外線域の反射率は順に2.03%,1.82%,1.92%,2.02%,2.05%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。但し、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなり、若しくは可視光域の反射率に影響が出る。
又、実施例16〜20において、図5等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても2.5%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例16〜20のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例16〜20における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.25〜0.28,0.30〜0.33)に収まっており、無彩色を呈し、何れも無彩色系統に属するようになっている。
≪実施例21〜25≫
表5は、実施例21〜25の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図6は、実施例21〜25に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフである。
Figure 0006253009
実施例21〜25は、実施例6〜10と同様に形成し、ZrOの屈折率(λ=500nm)を、何れも2.0920とした。尚、表5に示すように、実施例21〜25における4層目以外の各層の物理膜厚を、実施例6〜10に対し若干調整している。又、実施例23は、実施例4と同じである。
実施例21〜25の1層目と2層目の物理膜厚の和は順に36.42nm,37.90nm,41.42nm,42.49nm,43.47nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は順に108.21nm,104.95nm,103.64nm,102.08nm,102.56nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例21〜25において、4層目の物理膜厚が10.00nmから22.00nmへ徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に2.01%,2.01%,2.08%,1.95%,1.98%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、第2紫外線域の反射率は順に1.73%,1.73%,1.69%,1.66%,1.69%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。但し、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなり、若しくは可視光域の反射率に影響が出る。
又、実施例21〜25において、図6等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても2.5%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例21〜25のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例21〜25における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.24〜0.28,0.30〜0.31)に収まっており、無彩色を呈し、何れも無彩色系統に属するようになっている。
≪実施例26〜30≫
表6は、実施例26〜30の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図7は、実施例26〜30に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフである。
Figure 0006253009
実施例26〜30は、実施例6〜10と同様に形成し、ZrOの屈折率(λ=500nm)を、何れも2.1264とした。尚、表6に示すように、実施例26〜30における4層目以外の各層の物理膜厚を、実施例6〜10に対し若干調整している。又、実施例28は、実施例5と同じである。
実施例26〜30の1層目と2層目の物理膜厚の和は順に37.07nm,38.50nm,41.42nm,43.19nm,44.08nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は順に109.87nm,106.41nm,103.64nm,103.85nm,104.37nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例26〜30において、4層目の物理膜厚が10.00nmから22.00nmへ徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に1.92%,1.90%,1.92%,1.94%,1.95%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、第2紫外線域の反射率は順に1.62%,1.61%,1.73%,1.65%,1.67%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。但し、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなり、若しくは可視光域の反射率に影響が出る。
又、実施例26〜30において、図7等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても2.0%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例26〜30のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例26〜30における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.25〜0.27,0.31〜0.33)に収まっており、無彩色を呈し、何れも無彩色系統に属するようになっている。
≪実施例31〜35≫
表7は、実施例31〜35の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図8は、実施例31〜35に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフであり、図2(b)は、xy表色系でのxy座標において、実施例31〜35の凹面反射光の反射色の(x,y)をそれぞれプロットしたグラフである。
Figure 0006253009
実施例31〜35は、実施例1〜5と同様に形成し、ZrOの屈折率(λ=500nm)を、2.0288〜2.1264まで段階的に変えた。
実施例31〜35における4層目の物理膜厚は21.83nmであり、10nm以上22nm以下の範囲内にある。
又、1層目と2層目の物理膜厚の和は35.03nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は108.86nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例31〜35において、ZrOの屈折率(λ=500nm)が2.0288〜2.1264にかけて徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に2.71%,3.19%,1.92%,2.10%,1.88%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、第2紫外線域の反射率は順に1.66%,1.54%,1.58%,1.39%,1.37%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。尚、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなり、若しくは可視光域の反射率に影響が出る。
又、実施例31〜35において、図8等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても4.0%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例31〜35のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例31〜35における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.19,0.22〜0.24)に収まっており、(薄い半透明の)青色を呈するようになっている。
レンズ基材の凸面に対し、同様な青色の光学多層膜(反射防止膜等)を併せて成膜すれば、反射防止性能を呈しながら、レンズ裏面で反射した紫外線から眼を保護することができ、更に凸面と凹面とで反射色が相違して外観上あるいは視認上違和感が発生する事態を防止することができる青色のレンズを提供することが可能となる。
≪実施例36〜40≫
表8は、実施例36〜40の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図9は、実施例36〜40に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフであり、図2(c)は、xy表色系でのxy座標において、実施例36〜40の凹面反射光の反射色の(x,y)をそれぞれプロットしたグラフである。
Figure 0006253009
実施例36〜40は、実施例1〜5と同様に形成し、ZrOの屈折率(λ=500nm)を、2.0288〜2.1264まで段階的に変えた。
実施例36〜40における4層目の物理膜厚は13.00nmであり、10nm以上22nm以下の範囲内にある。
又、1層目と2層目の物理膜厚の和は35.25nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は108.34nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例36〜40において、ZrOの屈折率(λ=500nm)が2.0288〜2.1264にかけて徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に2.75%,3.00%,2.21%,2.22%,2.07%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、第2紫外線域の反射率は順に2.25%,2.06%,2.21%,1.94%,1.93%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。尚、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなり、若しくは可視光域の反射率に影響が出る。
又、実施例36〜40において、図9等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても3.5%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例36〜40のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例36〜40における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.18〜0.20,0.12)に収まっており、(薄い半透明の)紫色を呈するようになっている。
レンズ基材の凸面に対し、同様な紫色の光学多層膜(反射防止膜等)を併せて成膜すれば、反射防止性能を呈しながら、レンズ裏面で反射した紫外線から眼を保護することができ、更に凸面と凹面とで反射色が相違して外観上あるいは視認上違和感が発生する事態を防止することができる紫色のレンズを提供することが可能となる。
≪実施例41〜45≫
表9は、実施例41〜45の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図10は、実施例41〜45に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフであり、図2(d)は、xy表色系でのxy座標において、実施例41〜45の凹面反射光の反射色の(x,y)をそれぞれプロットしたグラフである。
Figure 0006253009
実施例41〜45は、実施例1〜5と同様に形成し、ZrOの屈折率(λ=500nm)を、2.0288〜2.1264まで段階的に変えた。
実施例41〜45における4層目の物理膜厚は21.10nmであり、10nm以上22nm以下の範囲内にある。
又、1層目と2層目の物理膜厚の和は35.87nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は100.68nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例41〜45において、ZrOの屈折率(λ=500nm)が2.0288〜2.1264にかけて徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に2.22%,2.24%,2.23%,2.10%,2.12%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、第2紫外線域の反射率は順に2.47%,2.38%,2.48%,2.36%,2.37%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。尚、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなり、若しくは可視光域の反射率に影響が出る。
又、実施例41〜45において、図10等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても4%以下となり、可視光域(400nm以上700nm以下)における反射率はどの波長においても3.5%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例41〜45のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例41〜45における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.24〜0.27,0.19〜0.21)に収まっており、(薄い半透明の)ピンク色を呈するようになっている。
レンズ基材の凸面に対し、同様なピンク色の光学多層膜(反射防止膜等)を併せて成膜すれば、反射防止性能を呈しながら、レンズ裏面で反射した紫外線から眼を保護することができ、更に凸面と凹面とで反射色が相違して外観上あるいは視認上違和感が発生する事態を防止することができるピンク色のレンズを提供することが可能となる。
≪実施例46〜50≫
表10は、実施例46〜50の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図11は、実施例46〜50に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフであり、図2(e)は、xy表色系でのxy座標において、実施例46〜50の凹面反射光の反射色の(x,y)をそれぞれプロットしたグラフである。
Figure 0006253009
実施例46〜50は、実施例1〜5と同様に形成し、ZrOの屈折率(λ=500nm)を、2.0288〜2.1264まで段階的に変えた。
実施例46〜50における4層目の物理膜厚は15.01nmであり、10nm以上22nm以下の範囲内にある。
又、1層目と2層目の物理膜厚の和は41.71nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は106.25nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例46〜50において、ZrOの屈折率(λ=500nm)が2.0288〜2.1264にかけて徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に2.78%,3.43%,2.12%,2.25%,2.12%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、第2紫外線域の反射率は順に2.07%,1.94%,2.22%,2.03%,2.10%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。尚、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなり、若しくは可視光域の反射率に影響が出る。
又、実施例46〜50において、図11等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても2.5%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例46〜50のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例46〜50における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.26〜0.27,0.35〜0.40)に収まっており、(薄い半透明の)緑色を呈するようになっている。
レンズ基材の凸面に対し、同様な緑色の光学多層膜(反射防止膜等)を併せて成膜すれば、反射防止性能を呈しながら、レンズ裏面で反射した紫外線から眼を保護することができ、更に凸面と凹面とで反射色が相違して外観上あるいは視認上違和感が発生する事態を防止することができる緑色のレンズを提供することが可能となる。
≪実施例51〜55≫
表11は、実施例51〜55の膜構成や各種の平均反射率、凹面反射光の反射色に係るxy表色系でのxやyの値を示す表であり、図12は、実施例51〜55に係る、紫外線域(280nm以上400nm未満)及び可視光域(400nm以上800nm以下)の分光反射率分布を示すグラフであり、図2(f)は、xy表色系でのxy座標において、実施例51〜55の凹面反射光の反射色の(x,y)をそれぞれプロットしたグラフである。
Figure 0006253009
実施例51〜55は、実施例1〜5と同様に形成し、ZrOの屈折率(λ=500nm)を、2.0288〜2.1264まで段階的に変えた。
実施例51〜55における4層目の物理膜厚は13.50nmであり、10nm以上22nm以下の範囲内にある。
又、1層目と2層目の物理膜厚の和は44.80nmであり、35nm以上45nm以下の範囲内にある。
更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の和は100.68nmであり、100nm以上110nm以下の範囲内にある。
実施例51〜55において、ZrOの屈折率(λ=500nm)が2.0288〜2.1264にかけて徐々に上がっていくところ、第1紫外線域の平均反射率は順に2.41%,2.94%,1.87%,1.90%,1.79%であり、何れも3.5%以下に抑えられていて、第1紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。又、第2紫外線域の反射率は順に1.94%,1.77%,2.06%,1.81%,1.87%であり、何れも2.5%以下に抑えられていて、第2紫外線域における反射率が何れも充分に低減されている。尚、4層目の物理膜厚が10.00nm未満となり、あるいは22.00nmを超えると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなり、若しくは可視光域の反射率に影響が出る。
又、実施例51〜55において、図12等に現れているように、可視光域(400nm以上720nm以下)における反射率はどの波長においても4%以下となっていて、可視光域(400nm以上700nm以下)における反射率はどの波長においても3.5%以下となっており、可視光域における反射率も充分に低減されている。
このように紫外線域や可視光域において反射が防止される理由として、4層目の物理膜厚は10nm以上22nm以下の範囲内にあること、又、1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあること、更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあることが考えられる。尚、1層目と2層目の物理膜厚の和が上記範囲外となると、少なくとも一方の紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率が上記のレベルまで抑え難くなる。又、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲外となっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率は上記のレベルまで抑えることができるが、1層目ないし4層目の物理膜厚の和が上記範囲内であれば、より紫外線域の平均反射率あるいは可視光域の反射率を抑え易くなる。
実施例51〜55のレンズにおいても、眼鏡レンズとして用いた場合に、装用時において顔の後方斜め横から入ってくる紫外線を凹面(裏面)において殆ど反射せず充分に透過することができ、眼を紫外線から保護することができる。
加えて、実施例51〜55における、光学多層膜を施した凹面での反射光の色彩は、(x,y)=(0.40,0.38〜0.41)に収まっており、(薄い半透明の)オレンジ色を呈するようになっている。
レンズ基材の凸面に対し、同様なオレンジ色の光学多層膜(反射防止膜等)を併せて成膜すれば、反射防止性能を呈しながら、レンズ裏面で反射した紫外線から眼を保護することができ、更に凸面と凹面とで反射色が相違して外観上あるいは視認上違和感が発生する事態を防止することができるオレンジ色のレンズを提供することが可能となる。
≪まとめ≫
凹面における反射色がどのようなものであっても、4層目の物理膜厚が10nm以上22nm以下の範囲内にあり、且つ1層目と2層目の物理膜厚の和が35nm以上45nm以下の範囲内にあれば、可視光域における反射を充分に抑制しながら、波長280nm以上400nm未満の第1紫外線域における平均反射率が3.5%以下に抑えられ、且つ波長300nm以上400nm未満の第2紫外線域における平均反射率が2.5%以下に抑えられて、凹面側への紫外線の反射を充分に低減することが可能となる。
更に、1層目ないし4層目の物理膜厚の総和が100nm以上110nm以下の範囲内にあれば、凹面に係る可視光域及び紫外線域における反射をより抑制することができる。

Claims (4)

  1. 凸面と凹面を有する基材と、その基材の少なくとも凹面に形成された光学多層膜を含み、
    前記光学多層膜は、前記基材に近い側を1層目として、1層目から順に二酸化ジルコニウムの層と二酸化ケイ素の層を交互に積層した全部で6層の膜であり、
    4層目の前記二酸化ケイ素の層の物理膜厚は、10nm以上22nm以下の範囲内にあり、
    1層目の前記二酸化ジルコニウムの層と2層目の前記二酸化ケイ素の層の物理膜厚の和は、35nm以上45nm以下の範囲内にあり、
    1層目ないし4層目の物理膜厚の和は、100nm以上110nm以下の範囲内にあ
    ことを特徴とする光学製品。
  2. 前記凹面における波長280nm以上400nm未満の光に対する平均反射率が3.5%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学製品。
  3. 前記凹面における波長300nm以上400nm未満の光に対する平均反射率が2.5%以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学製品。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れかに記載の光学製品が用いられており、
    前記基材は眼鏡レンズ基材である
    ことを特徴とする眼鏡レンズ。
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