JP2006126782A - 光学物品の防汚層処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防汚層が形成済みの光学物品に対し、防汚層の再生処理を可能とする光学物品
の防汚層処理方法を提供する。
【解決手段】 プラスチックの基材からなる基板体41の表面に、ハードコート層42と
、その上層に反射防止膜43と、最上面に防汚層44が形成されている光学物品としての
基板40に対して、洗浄液を用いて過剰に付着している防汚層44Bを除去する洗浄工程
と、化学結合している防汚層44Aをプラズマ処理または、イオンガンによるイオン照射
処理を行って除去する除去工程と、新たな防汚層としてフッ素含有有機ケイ素化合物の被
膜45を形成する工程とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、防汚性の被膜から成る防汚層を形成済みの光学物品に対して、防汚層を再処
理する光学物品の防汚層処理方法に関する。
レンズなどの光学物品には、光の反射を抑制し、光の透過性を高めるために、通常、そ
の表面に反射防止膜が形成されている。その光学物品を使用するに際し、手垢、指紋、汗
、化粧料等の付着による汚れが目立ちやすく、またその汚れが取れ難い。そこで、汚れ難
く、あるいは汚れを拭き取りやすくするために、反射防止膜の表面に更に防汚層を設ける
ことが行われている。光学物品に防汚層を設ける表面処理剤に関しては、例えば特許文献
1に記載されている。特許文献1に記載されているフッ素含有有機ケイ素化合物で表面処
理して防汚層を形成した光学物品は、汚染防止性が良好であり、その効果が持続し、汚れ
の除去も容易である。
特開平9−258003号公報
近年上市された、防汚性(汚染防止性)が大幅に向上したフッ素含有有機ケイ素化合物
からなる防汚層が形成された眼鏡レンズ等の光学物品は、その性能故に、従来のフッ素含
有有機ケイ素化合物から成る防汚性被膜が形成された光学物品を、近い将来に駆逐する勢
いで生産量が推移している。しかし、従来の防汚層が形成され防汚性能が劣る眼鏡レンズ
等の光学物品は、既に市場に大量に出荷されており、多くのユーザーが所有し、小売店や
販売会社には相当量の在庫が存在する。これらの従来の防汚層が形成された光学物品を、
防汚性能を向上させた防汚層を形成した光学物品に再生することが可能となれば、それま
でのユーザーは、新たに眼鏡レンズを買い求めることなく防汚性を向上させることができ
る。
また、小売店や販売会社においても、従来の防汚層が形成された光学物品を、防汚性能
を向上させた防汚層を形成した光学物品に更新することで、余剰在庫の発生を防止するこ
とができる。さらに、光学物品を生産する際に、防汚層を処理する工程で何らかのミス、
もしくはトラブルが生じた場合に、処理済みの防汚層を除去し、再度防汚層を処理するこ
とができれば良品として再生し、歩留まりを向上させることができる。ミスやトラブルに
かかわらず、既に形成済みの防汚層を除去した後、新たな防汚層(新規防汚層)を形成で
きる技術が確立できれば、生産上有益であることは言うまでもない。
しかしながら、防汚層を除去するに際しては、種々の問題がある。まず第一に、新たに
形成する防汚層の性能と耐久性を低下させないためには、既に形成されている防汚層を完
全に除去する必要がある。すなわち、防汚性を発現する成分であるフッ素含有有機ケイ素
化合物は、光学物品の表面と化学反応により結合し固定されるため、光学物品の表面に除
去すべき防汚層が少しでも残存していると、新たな結合が阻害される。
防汚層を除去する方法としては、研磨剤で表面を擦る等の手段が考えられるが、過剰に
擦ると防汚層下層の機能性薄膜まで除去してしまい、光学特性が変化してしまう場合があ
る。また、面内を均一に処理することも困難である。機能性薄膜へのダメージを最小限に
抑えながら、防汚層を均一に除去する方法としては、プラズマ処理、またはイオン源によ
るイオン照射処理が有効である。
プラズマ処理は、プラズマ中に防汚層付きの光学物品を投入すると、光学物品表面が負
に帯電し、そこに加速された正イオンが衝突する物理的作用で防汚層が除去される処理方
法である。イオン源によるイオン照射処理は、プラズマ中の正イオンを加速電極で加速し
、光学物品の表面へ照射する処理方法であり、イオン源としてはイオンガンを用いたイオ
ンビーム法やマグネトロン等を用いたグロー放電法等が挙げられ、プラズマ処理と同様な
効果が得られる。
また、光学物品に形成されている防汚層の膜厚は、その製造ロットが同一ロットであっ
ても、防汚層形成時の状態、例えば真空蒸着等の乾式プロセスであれば、防汚膜蒸発源か
ら光学物品までの距離、あるいは蒸着時のチャンバー内の圧力などで大きく変化する。従
って、プラズマ処理を適用する場合、防汚層の膜厚が厚くても、処理時間を延ばせば除去
可能であるが、事前に防汚層の膜厚の違いを検出するのは困難であり、仮に、予想される
最大膜厚に合わせて処理時間を設定したとしても、混在している膜厚の薄い光学物品では
、機能性薄膜までダメージが及ぶ可能性があるという問題があった。
本発明は、こうした問題を解決するために、光学物品の防汚層処理方法を提供すること
を目的とする。
本発明の光学物品の防汚層処理方法は、防汚性の被膜が最表面上に形成された光学物品
に対して、洗浄液を用いて前記光学物品を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程後の光学物
品の防汚性の被膜をプラズマ処理またはイオン源によるイオン照射処理を行い除去する除
去工程と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、防汚性の被膜(防汚層)が最表面上に形成された光学物品に対して、防
汚層を再処理する場合、既に処理済みの防汚層が、洗浄工程とプラズマ処理工程の2つの
段階を経ることで完全に除去されるため、その後形成される防汚層の性能の低下はなく、
優れた防汚性を有する光学物品が得られる。
すなわち、第1の除去工程としての洗浄工程では、光学物品表面に過剰に形成されてい
る防汚層を除去することを目的とし、さらに、回収したレンズ表面の汚れを除去すること
も目的としている。防汚層の過剰分は、光学物品表面と化学結合をしていない未反応成分
であるため、洗浄によって容易に除去することができる。この洗浄工程によって、製品間
の膜厚のばらつきを無くし、さらに表面を清浄化することが可能となる。
除去工程としてのプラズマ処理工程、またはイオン源によるイオン照射処理工程では、
光学物品表面と化学結合して固定されている防汚層を除去することを目的とする。プラズ
マ処理およびイオン照射処理は、共に正イオンの光学物品表面への衝突による被膜の除去
効果を利用している。除去工程は、洗浄工程で過剰分の防汚層が除去され、製品間の膜厚
のばらつきがなくなっているため、同一のプラズマ処理条件、あるいはイオン照射処理条
件で防汚層を除去することが可能となる。
なお、除去工程では、放電処理装置または真空蒸着装置を用いることを企図しているが
、真空蒸着装置にはプラズマ処理装置とイオン源としてのイオンガン等の照射装置が、と
もに装備されているのが一般的であり、プラズマ処理工程とイオン照射処理工程の2つの
除去工程を用いて防汚層の除去を行うことも可能である。
防汚層を除去した後は、真空蒸着等の乾式プロセス、もしくはディッピング等の湿式プ
ロセス等の通常用いられるプロセスを用いて、新たな防汚層を形成することができる。
また、本発明の光学物品の防汚層処理方法は、前記洗浄液は、パーフルオロ基を有し炭
素数が4以上の有機化合物又はpH9以上のアルカリ性水溶液であることを特徴とする。
これによれば、洗浄液がパーフルオロ基を有し炭素数が4以上の有機化合物、又はpH
9以上のアルカリ性水溶液であることにより、防汚層を形成済みの光学物品の表面に過剰
に付着している防汚層、すなわち未反応分子を、防汚層から容易に除去することができる
また、本発明の光学物品の防汚層処理方法は、前記防汚性の被膜が、フッ素含有有機ケ
イ素化合物を含有する被膜であることを特徴とする。
これによれば、フッ素含有有機ケイ素化合物である防汚性の被膜(防汚層)を確実に剥
離することができ、新たな防汚層を確実に再処理することが可能であるため、防汚性及び
その効果の永続性に優れ、しかも汚染物の除去が容易な光学物品が得られる。
また、本発明の光学物品の防汚層処理方法は、前記防汚性の被膜が、下記一般式(1)
、(2)、(3)のいずれかで表されるフッ素含有有機ケイ素化合物を含有することを特
徴とする。
Figure 2006126782
(但し、式中、Rf1はパーフルオロアルキル基を表す。Xは臭素、ヨウ素または水素
を表す。Yは水素または低級アルキル基を表し、Zはフッ素またはトリフルオロメチル基
を表す。R1は加水分解可能な基を表し、R2は水素または不活性な1価の炭化水素基を表
す。a、b、c、dは0または1以上の整数で、且つa+b+c+d+eは少なくとも1
以上であり、a、b、c、d、eで括られた各繰り返し単位の存在順序は、式中において
限定されない。fは0、1または2を表す。gは1、2または3を表す。hは1以上の整
数を表す。)
Figure 2006126782
(但し、式中、Rf2は式:「−(Ck2k)O−」で表される単位を含み、分岐を有し
ない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する2価の基を表す。なお、
式:「−(Ck2k)O−」におけるkは1〜6の整数である。R3は炭素原子数1〜8の
一価炭化水素基であり、Wは加水分解性基またはハロゲン原子を表す。pは0、1または
2を表す。nは1〜5の整数を表す。m及びrは、2または3を表す。)
Figure 2006126782
これによれば、前記一般式(1)、前記一般式(2)または前記一般式(3)で表され
るフッ素含有有機ケイ素化合物である防汚性の被膜(防汚層)を完全に剥離し、製品間の
膜厚のばらつきを無くし、さらに表面を清浄化することが可能となる。なお、前記一般式
(3)に示すフッ素含有有機ケイ素化合物は、前記一般式(1)および前記一般式(2)
に示されるフッ素含有有機ケイ素化合物よりやや防汚性に劣るが、従来の防汚性被膜とし
て広く使用されている化合物である。
また、本発明の光学物品の防汚層処理方法は、前記光学物品が、前記防汚性の被膜の下
層に反射防止層を有することを特徴とする。
これによれば、主に基材がプラスチックである場合、防汚性の被膜(防汚層)の下層に
反射防止層を形成した光学物品において、該表面の防汚層を効果的に除去し、反射防止膜
の性能を低下することなく、その後、反射防止膜の表面に防汚層の再形成が可能となる。
また、本発明の光学物品の防汚層処理方法は、前記光学物品が、前記防汚性の被膜の下
層にハードコート層を有することを特徴とする。
これによれば、主に基材がプラスチックである場合、耐擦傷性を付与するために、基材
表面にハードコート層を形成した光学物品において、ハードコート層表面の防汚性の被膜
(防汚層)を効果的に除去し、ハードコート層の性能を低下することなく、その後、ハー
ドコート層表面へ防汚層の再形成が可能となる。
また、本発明の光学物品の防汚層処理方法は、前記光学物品の基材がプラスチックであ
ることを特徴とする。
これによれば、光学物品の基材がプラスチックであることにより、最上層表面である防
汚層を効果的に除去し、その後、防汚層の再形成が可能となる。
以下、本発明による光学物品の防汚層処理方法の実施形態を説明する。
本発明の光学物品の防汚層処理方法は、既に防汚処理済みの光学物品の防汚性の被膜と
しての防汚層を除去し、耐久性能が低下することなく、防汚層を再処理するものである。
防汚処理済みの光学物品の基材としては、無機ガラス、プラスチックのいずれでもよい
。プラスチックとしては、例えばジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−
39)樹脂、ポリウレタン樹脂、チオウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹
脂等を挙げることができる。
防汚層の形成は、基板の基材がガラスの場合は、反射防止膜が設けられた後に、形成す
るのが好ましい。基材がプラスチック(プラスチック基板)の場合は、ハードコート層が
設けられた後、もしくはハードコート層と反射防止膜が設けられた後に、形成するのが好
ましい。
ハードコート層は、プラスチック基板に耐擦傷性を付与すると共に、一般的にプラスチ
ック基板に対する反射防止膜の密着性が劣るため、プラスチック基板と反射防止膜の間に
介在させて反射防止膜の密着性を良好にして剥離を防止する働きをする。
ハードコート層の形成方法としては、ハードコート層を形成できる硬化性組成物をプラ
スチック基板の表面に塗布し、その塗膜を硬化させる方法が一般的である。プラスチック
基板が熱可塑性樹脂である場合、熱硬化型よりも紫外線等の電磁波や電子ビーム等の電離
放射線で硬化するものが好ましく用いられる。例えば、紫外線の照射によりシラノール基
を生成するシリコーン化合物とシラノール基と縮合反応するハロゲン原子やアミノ基等の
反応基を有するオルガノポリシロキサンとを主成分とする光硬化性シリコーン組成物、ア
クリル系紫外線硬化型モノマー組成物(例えば、三菱レイヨン(株)製のUK−6074
)、SiO2、TiO2などの粒径1〜100nmの無機微粒子を、ビニル基、アリル基、
アクリル基又はメタクリル基等の重合性基とメトキシ基等の加水分解性基とを有するシラ
ン化合物やシランカップリング剤中に分散させた無機微粒子含有熱硬化性組成物などが例
示される。
塗膜の形成方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、フロー法、
ドクターブレード法などを採用できる。なお、塗膜を形成する前に、密着性を向上させる
ため、プラスチック基板表面を、コロナ放電やマイクロ波などの高電圧放電などで表面処
理をするのが好ましい。
また、形成した塗膜を熱、紫外線、電子ビームなどで硬化させてハードコート層を得る
ことができる。ハードコート層の膜厚としては0.05〜30μm程度の範囲が好ましい
。薄くなりすぎる(0.05μm未満)と基本的な性能が発現しない場合があり、一方、
厚すぎる(30μmを超える)と、光学的歪みが発生する場合がある。
反射防止膜は、無機被膜、有機被膜の単層または多層で構成される。無機被膜の材質と
しては、SiO2、SiO、ZrO2、TiO2、TiO、Ti23、Ti25、Al23
、Ta25、CeO2、MgO、Y23、SnO2、MgF2、WO3等の無機物が挙げられ
、これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。プラスチック基板の場
合は、低温で真空蒸着が可能なSiO2、ZrO2、TiO2、Ta25が好ましい。また
、多層膜構成とした場合は、最外層はSiO2とするのが好ましい。
無機被膜の多層膜としては、基板側からZrO2層とSiO2層の合計光学膜厚がλ/4
,ZrO2層の光学的膜厚がλ/4、最上層のSiO2層の光学的膜厚がλ/4の4層構造
を例示することができる。ここで、λは設計波長であり、通常520nmが用いられる。
なお、無機被膜の成膜方法は、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することがで
きる。
有機被膜の材質は、プラスチック基板やハードコート層の屈折率を考慮して選定され、
真空蒸着法の他、スピンコート法、ディップコート法などの量産性に優れた塗布方法で成
膜することができる。
また、従来防汚層には、下記の一般式(3)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物が
多く用いられている。
Figure 2006126782
フッ素含有有機ケイ素化合物を用いて光学物品の最表面に防汚層を形成するには、湿式
プロセスと乾式プロセスが挙げられるが、これらは、後述する、防汚層除去後、新規防汚
層を再形成する方法と同じであるので、ここでの説明は省略する。
次に、既に防汚処理済み光学物品の最上層である防汚層の除去方法について説明する。
防汚層の除去は2つの除去工程において行われる。
洗浄工程は、光学物品としての基板の表面に過剰に付着している防汚層、すなわち、未
反応分子を防汚層から除去するのを目的としている。ここでは、洗浄液をしみこませた紙
あるいは布によって拭き洗浄する方法、あるいは洗浄液を入れた容器(洗浄槽)中にレン
ズを浸漬し、超音波等物理的なエネルギーを加えることによって行われる。拭き洗浄の場
合は、手拭きもしくは機械的なワイピングが用いられる。超音波洗浄では、発振周波数は
15〜100kHzの範囲で、1〜3分間の洗浄が好ましく、より好ましくは略45kH
z、略2分間である。
拭き洗浄および超音波洗浄で使用する洗浄液は、フッ素含有有機ケイ素化合物を溶解す
ることが可能な有機溶剤、もしくはアルカリ性水溶液である。
有機溶剤としては、パーフルオロ基を有し、炭素数が4以上の有機化合物が好ましく、
例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロオクタン、パ
ーフルオロデカン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチ
ルシクロヘキサン、パーフルオロ−4−メトキシブタン、パーフルオロ−4−エトキシブ
タン、メタキシレンヘキサフロライドを挙げることができる。また、パーフルオロエーテ
ル油、クロロトリフルオロエチレンオリゴマー油を使用することができる。その他に、フ
ロン225(CF3CF2CHCl2とCClF2CF2CHClFの混合物)を例示するこ
とができる。これらの有機溶剤の1種を単独、又は2種以上を混合して用いることができ
る。
アルカリ性水溶液としては、pH9以上であることが好ましい。アルカリ源としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。ア
ルカリ性水溶液には、洗浄効果を上げるために、界面活性剤を添加することができる。ア
ルカリ溶液に添加する界面活性剤としては特に限定はなく、アニオン性界面活性剤、カチ
オン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤の他、シリコーン系界面活性
剤、フッ素系界面活性剤のいずれも使用できる。また、アルカリ石鹸を使用する場合等、
界面活性剤成分のみの添加でpHが9以上になるのであればアルカリ源を使用しなくても
良い。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル等、カチ
オン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等、ノニオン性
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックコポリマー、グリセリン脂肪酸エ
ステル等が挙げられる。
有機溶剤やアルカリ水溶液以外に、例えばパーフルオロ基を有するフッ素系界面活性剤
を、直接処理剤として、あるいは有機溶剤やアルカリ水溶液に添加する界面活性剤として
用いることができる。フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル(C7〜C20
)カルボン酸、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸等を例示することができ
る。
除去工程(以降、プラズマ処理工程または、イオン源によるイオン照射処理工程と記述
する場合もある)は、光学物品としての基板の表面に化学結合している防汚層を除去する
工程である。ここでは、プラズマ処理、またはイオン源としてのイオンガン等によるイオ
ン照射処理を行う。
プラズマ処理は、直流グロー放電および高周波放電が利用できる。プラズマ中には、中
性粒子、および、電子、イオンのような荷電粒子が存在し、全体の電荷は中性である。こ
の中に光学物品の基板を置くと、電子粒子束の過剰流入によって基板は負に帯電する。こ
れによって、周囲のイオンが基板表面に向かって加速され、衝突する。その結果、防汚層
が除去される。
直流グロー放電および高周波放電によるプラズマ処理の条件は、圧力範囲は10-3Pa
〜103Pa、印加電圧は200〜1,100V高周波放電の場合の周波数は通常13.
56MHzが用いられる。導入ガスは、Air、酸素、アルゴンのいずれでも同等の除去
効果が得られることを確認している。
プラズマ処理に要する時間は、30秒〜2分が好ましく、より好ましくは略1分である
。30秒未満では防汚層が十分除去されず、2分を超えると防汚層下層の反射防止膜等に
ダメージを与える可能性がある。また、処理時間が1分以上では、除去効果がほぼ平衡に
達するため、処理時間は略1分がより好ましい。
イオンガンによるイオン照射処理は、導入ガスとして酸素又はアルゴンを使用し、これ
をイオンガン内部でプラズマ化する。プラズマは通常、高周波プラズマであり、周波数は
通常13.56MHzが用いられる。生成した正イオンは、加速電極によって引き出され
、プラスチック基板に照射される。イオン照射処理に要する時間は、プラズマ処理と同等
である。
以上に説明した2つの除去工程により防汚層を除去後に、プラスチック基板の表面に新
たな防汚層(新規防汚層)を形成することができる。防汚層に好ましく用いられるフッ素
含有有機ケイ素化合物は、下記の一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表さ
れる。
Figure 2006126782
但し、式中、Rf1はパーフルオロアルキル基を表す。Xは臭素、ヨウ素または水素を
表す。Yは水素または低級アルキル基を表し、Zはフッ素またはトリフルオロメチル基を
表す。R1は加水分解可能な基を表し、R2は水素または不活性な1価の炭化水素基を表す
。a、b、c、dは0または1以上の整数で、且つa+b+c+d+eは少なくとも1以
上であり、a、b、c、d、eでくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において
限定されない。fは0、1または2を表す。gは1、2または3を表す。hは1以上の整
数を表す。
Figure 2006126782
但し、式中、Rf2は式:「−(Ck2k)O−」で表される単位を含み、分岐を有しな
い直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する2価の基を表す。なお、式
:「−(Ck2k)O−」におけるkは、1〜6の整数である。R3は炭素原子数1〜8の
一価炭化水素基であり、Wは加水分解性基またはハロゲン原子を表す。pは0、1または
2を表す。nは1〜5の整数を表す。m及びrは、2または3を表す。)
Figure 2006126782
フッ素含有有機シラン化合物の防汚層を基板上に再形成するには、フッ素含有有機シラ
ン化合物を有機溶剤中に溶解させ、所定の濃度となるように調整し、光学物品表面に塗布
する方法を採用することができる。有機溶剤としては、フッ素含有有機シラン化合物の溶
解性に優れるパーフルオロ基を有し、炭素数が4以上の有機化合物が好ましく、例えば、
パーフルオロヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロオクタン、パーフルオ
ロデカン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロ
ヘキサン、パーフルオロ−4−メトキシブタン、パーフルオロ−4−エトキシブタン、メ
タキシレンヘキサフロライドを挙げることができる。また、パーフルオロエーテル油、ク
ロロトリフルオロエチレンオリゴマー油を使用することができる。その他に、フロン22
5(CF3CF2CHCl2とCClF2CF2CHClFの混合物)を例示することができ
る。これらの有機溶剤の1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
有機溶剤で希釈するときの濃度は、0.03〜1wt%の範囲が好ましい。0.03w
t%より低すぎると十分な厚さを有する防汚層の形成が困難であり、十分な防汚効果が得
られない場合がある。一方、1wt%より濃すぎると防汚層が厚くなり過ぎるおそれがあ
り、塗布後に塗りむらをなくすためのリンス作業の負担が増すおそれがある。
塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、フロー法、ドクタ
ーブレード法、ロールコート塗装、グラビアコート塗装、カーテンフロー塗装、刷毛塗り
等が用いられる。防汚層の膜厚は、特に限定されないが、0.001〜0.5μmが好ま
しい。なお、より好ましくは0.001〜0.03μmである。防汚層の膜厚が薄すぎる
と防汚効果が乏しくなり、厚すぎると表面がべたつくので好ましくない。また防汚層を反
射防止膜表面に設けた場合には、防汚層の厚さが0.03μmより厚くなると反射防止効
果が低下するため好ましくない。
ディッピング法の場合、上記の有機溶剤を用いて所定濃度に調整した防汚処理液中に基
板を浸漬し、一定時間経過後、一定速度で基板を引き上げる。この際、浸漬時間としては
0.5分から3分程度が望ましい。0.5分以下であると、基板表面への防汚剤の吸着が
充分でないため、所定の防汚性能を得ることができない。3分以上の場合は、サイクルタ
イムの増加を招き好ましくない。引き上げ速度は、100mm/分〜300mm/分が望
ましい。これは、防汚処理液濃度との兼ね合いで決めるものであるが、100mm/分以
下では、防汚層が薄くなりすぎて所定の防汚性能が得られず、300mm/分以上では、
防汚層が厚くなりすぎ、塗布後塗りむらをなくすためのリンス作業の負担が増すおそれが
ある。
また、乾式プロセスとして、前記フッ素含有有機ケイ素化合物を真空槽内で蒸発させて
光学物品表面に付着させる真空蒸着法を採用することもできる。真空蒸着法では、フッ素
含有有機ケイ素化合物は高濃度、または希釈溶剤なしに使用することができる。乾式プロ
セスでは、洗浄工程後のプラズマ処理、またはイオンガンによるイオン照射処理、あるい
は新たな防汚層の形成(蒸着)を蒸着機内で一貫して行うことができる。
次に、この一貫する過程(洗浄工程後のプラズマ処理、またはイオンガンによるイオン
照射処理をする除去工程、および新たな防汚層の形成工程)を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に用いる成膜装置の模式図であり、図2は、防汚層の処理方法のプロセ
スを説明する基板の断面模式図である。
図1において、成膜装置50は、光学物品としての基板40が載置された支持装置80
が、内部を通過可能な3つのチャンバーCH1、CH2およびCH3を備えている。これ
らのチャンバーCH1〜CH3は順に連結され、支持装置80が搬送装置(図示せず)に
より搬送される。また、各々のチャンバーCH1〜CH3は相互に密封できるようになっ
ている。なお、各チャンバーCH1〜CH3は、各真空生成装置52,53,54を備え
、真空生成装置52,53,54により各チャンバーCH1〜CH3内の圧力が、それぞ
れ制御される。
チャンバーCH1は、エントランスまたはゲートチャンバーであり、外部から洗浄工程
が行われた基板40が載置された支持装置80を、搬入装置によりチャンバーCH1内に
導入した後、チャンバーCH1内を、所定時間、所定の圧力以下に保持し、加熱すること
により、基板40の脱ガスが行われる。なお、チャンバーCH1内は、ロータリポンプ5
2a、ルーツポンプ52bおよびクライオポンプ52cを備えた真空生成装置52により
、所定の圧力に制御される。
チャンバーCH2は、本来反射防止膜(AR膜)43を成膜する、いわゆる電子ビーム
蒸着装置である。このため、チャンバーCH2の内部には、低屈折率物質と高屈折率物質
の2つの反射防止膜蒸着源55、各反射防止膜蒸着源55を蒸発させる電子銃56、およ
び蒸着量を調整する開閉可能なシャッター57が備えられている。しかし、本実施形態で
は、既に反射防止膜が形成されているので、ここではプラズマ処理またはイオン源による
イオン照射処理のみが行われる。なお、チャンバーCH2内は、ロータリポンプ53a、
ルーツポンプ53bおよびクライオポンプ53cを備えた真空生成装置53により所定の
圧力に保持される。
また、チャンバーCH2にはプラズマ処理を行うための、高周波プラズマ発生装置が配
設されている。高周波プラズマ発生装置は、チャンバーCH2内にRFコイル60を備え
、チャンバーCH2外にRFコイル60に接続されるマッチングボックス61と、マッチ
ングボックス61に接続する高周波発信器62を備えている。また、チャンバーCH2は
、プラズマ処理時に導入される酸素ガス供給源63、またはアルゴンガス供給源64を備
え、これらのガス供給源63,64は、オートプレッシャーコントローラ65で所定の圧
力になるように、マスフローコントローラ66によって流量が制御される。
さらに、チャンバーCH2にはイオン源としてのイオンガン70が設置されている。イ
オンガン70は、正に帯電したイオン(正イオン)を照射するイオンガン本体70aと、
熱電子を放出して正イオンを中性化するためのニュートラライザー70bとを備えている
イオンガン本体70aには、導入ガスをプラズマ化し、正イオンを発生するためのRF
電源72と、正イオンを加速するためのDC電源71が接続されている。また、イオン照
射処理時に導入される酸素ガス供給源63、アルゴンガス供給源64が、ガス流量を制御
するマスフローコントローラ69を介して接続されている。
チャンバーCH3は、フッ素含有有機ケイ素化合物を、基板40の最表面層に蒸着する
ことにより防汚膜を形成するチャンバーである。チャンバーCH3内には、フッ素含有有
機ケイ素化合物が含浸された防汚膜蒸着源59と、例えばハロゲンランプからなる加熱ヒ
ータ68と、補正板67とが配設されている。補正板67は、固定式であり開度を調整す
ることにより、支持装置80に向かって放出される蒸着量を調整する。なお、チャンバー
CH3内は、ロータリポンプ54a、ルーツポンプ54bおよびターボ分子ポンプ54c
を備えた真空生成装置54により所定の圧力に保持される。
次に、図2に示す基板の断面模式図に基づいて、防汚層の処理方法のプロセスを説明す
る。同図(a)は防汚層が形成された基板を示し、同図(b)は洗浄工程後の基板を示し
、同図(c)は除去工程(プラズマ処理工程、またはイオンガンによるイオン照射処理工
程)後の基板を示し、同図(d)は新たな防汚層が形成された基板を示している。なお、
図2(c)および(d)に示す基板は、基板の一方の面のみが処理された態様を表す。
図2(a)において、既に防汚処理済みの光学物品としての基板40は、例えばプラス
チックの基材からなる基板体41上にハードコート層42が形成されており、その上層に
反射防止膜43と防汚層44が順に形成されている。防汚層44は、化学結合している防
汚層44Aと、防汚層44Aの上層に過剰に付着している防汚層44Bとで形成されてい
る。
先ず、図2(b)に示すように、例えば、洗浄液として有機溶剤を含浸したワイプ紙を
用いて、基板40の両面を払拭し、基板40上の過剰に付着している防汚層44Bが、洗
浄工程で除去される。
そして、過剰に付着している防汚層44Bが除去された基板40が載置された支持装置
80が、チャンバーCH1に搬入され、基板40の脱ガスが行われる。
そして、支持装置80は、搬送装置によりチャンバーCH2に搬入される。支持装置8
0が搬入された後、チャンバーCH2内に酸素(63)又はアルゴン(64)が導入され
、オートプレッシャーコントローラ65とマスフローコントローラ66によって、チャン
バーCH2内が所定の圧力に制御される。そして、RFコイル60に、マッチングボック
ス61を介して高周波発信器62から高周波電力が印加され、チャンバーCH2内にプラ
ズマを発生させる(除去工程としてのプラズマ処理工程)。略0.5分〜3分間のプラズ
マ処理が行われることにより、図2(c)に示すように、基板40上の化学結合している
防汚層44Aが完全に除去される。なお、高周波プラズマは、チャンバーCH2内の圧力
値が略10-3Pa〜103Paで発生可能であるが、1×10-2Pa〜1×10-1Paが
好適である。また、高周波プラズマの周波数は、13.56MHzが通常用いられる。
除去工程として、前記のプラズマ処理の他に、イオンガンによるイオン照射処理も同様
に適用することができる。
イオンガンによるイオン照射処理の場合は、先ず、イオンガン70のイオンガン本体7
0aに酸素ガス、またはアルゴンガスが導入される。ガスの導入は、酸素ガス供給源63
、またはアルゴンガス供給源64からマスフローコントローラ69において所定流量に制
御されて導入される。
そして、イオンガン本体70aに導入されたガスは、RF電源72によりイオンガン本
体70a内部でプラズマ化し、正に帯電したイオン(正イオン)が生成される。プラズマ
は高周波プラズマであり、RF電源72の周波数は13.56MHzが用いられる。さら
に、生成された正イオンは、DC電源71で電圧印加された加速電極によって引き出され
る。
そして、引き出された正イオンは、基板40上で絶縁破壊等により異常放電が発生する
のを防止するため、ニュートラライザー70bにおいて熱電子を放出して中性化されて、
チャンバーCH2内に搬入された支持装置80(基板40)に照射される。
イオンガンによるイオン照射処理時間は、略0.5〜3分間行われることにより、図2
(c)に示すように、基板40上の化学結合している防汚層44Aが完全に除去される。
そして、支持装置80は、搬送装置によりチャンバーCH3に搬入される。チャンバー
CH3は、いわゆる加熱蒸着装置であり、支持装置80が搬入された後、防汚膜蒸着源5
9が加熱ヒータ68により加熱されることで、図2(d)に示すように、防汚層44が除
去され反射防止膜43を最上層とする基板40の表面に、フッ素含有有機ケイ素化合物に
よって、新たな防汚性の被膜である防汚層45が形成される。
そして、防汚層45が成膜された後、チャンバーCH3は徐々に大気圧に戻され、基板
40が支持装置80ごとチャンバーCH3内から取り出される。その後、基板40は表裏
反転して、再度、支持装置80にセットされ、そしてチャンバーCH1〜CH3に順に搬
入されて、脱ガス、プラズマ処理工程、防汚層の形成工程が行われる。これによって、基
板40の両面に防汚層45が形成される。
そして、両面に防汚層45が形成された基板40は、所定の湿度と温度の雰囲気中でア
ニールされる。これは、フッ素含有有機ケイ素化合物と光学物品(基板40)の表面との
化学結合を促進することにより、反射防止膜43の耐久性をより増加させることを目的と
する。
アニール工程は、室内に8時間以上放置することで行われる。より好ましくは、温度が
40℃〜60℃、相対湿度が60%〜90%に設定された恒温恒湿槽内に1時間〜2時間
投入することで行われる。アニールを行うと、例えば、前記一般式(1)に示すフッ素含
有有機ケイ素化合物のR1がメトキシ基であり、基板が無機ガラスである場合、空気中の
水分の存在下で、メトキシ基が加水分解によって水酸基となり、これとガラス基板表面の
シラノール基、及び他のフッ素含有有機ケイ素化合物の加水分解によって生じた水酸基が
、脱水縮合によって結合することにより、反射防止膜43の耐久性を増加させることがで
きる。これらの反応は高温高湿下でより促進される。
その後、防汚層45の厚みを調整する必要があれば、過剰分を拭き取るなどの除去作業
が行われる。
防汚層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜0.5μmであり、よ
り好ましくは0.001〜0.03μmである。防汚性の被膜2の膜厚は、薄すぎると防
汚効果が乏しくなり、厚すぎると表面がべたつく。また、防汚層を反射防止膜表面に設け
た場合には、防汚層の厚さが0.03μmより厚くなると反射防止効果が低下する。
次に、本実施形態に基づく実施例、ならびに比較例を説明する。
(実施例1)
光学物品(レンズ)としての基板40は、基板40の表面から順に、ハードコート層、
反射防止膜(最外層がSiO2膜)、防汚層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイ
コースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を使用した。防汚層は、前記一般
式(1)を主成分とするフッ素含有有機ケイ素化合物(商品名「KP−801M」、信越
化学工業株式会社製)を処理したものである。
洗浄工程は、洗浄液としてパーフルオロ基を有する有機溶剤(商品名「HFE−720
0」、住友スリーエム株式会社製)を含浸したワイプ紙を用いて、レンズ両面を払拭し、
防汚層が過剰に付着している防汚層44Bを除去した。そして、除去工程としてのプラズ
マ処理工程は、放電処理装置を使用し、処理圧力:10Pa、導入ガス:乾燥Air、出
力:45W、処理時間:0.5分とし、化学結合している防汚層44Aを除去した。
次に、防汚層44が除去されたレンズに、ディッピング法によって新たな防汚層の形成
を行った。ディッピング用処理液としては、前記一般式(2)を主成分とするフッ素含有
有機ケイ素化合物(商品名「KY−130」、信越化学工業株式会社製)をパーフルオロ
ヘキサンに希釈し、0.2%溶液を調製して使用した。レンズを調製したディッピング用
処理液に浸漬して1分保持した後、処理液中から200mm/分の引き上げ速度にて引き
上げ、防汚処理液を塗布した。引き続き、アニール工程として、温度:60℃、相対湿度
:80%に設定した恒温恒湿槽に投入し、2時間保持することで防汚層45を形成した。
(実施例2)
実施例1と同じ手順で、防汚層44の除去、および防汚層45の形成を行った。防汚層
44の除去の際、除去工程としてのプラズマ処理の処理時間を0.5分から1分に変更し
、その他の条件は実施例1と同じとした。
(実施例3)
実施例1と同じ手順で、防汚層44の除去、および防汚層45の形成を行った。防汚層
44の除去の際、除去工程としてのプラズマ処理の処理時間を0.5分から2分に変更し
、その他の条件は実施例1と同じとした。
(実施例4)
実施例1と同じ手順で、防汚層44の除去、および防汚層45の形成を行った。防汚層
44の除去の際、洗浄工程は、洗浄液として有機溶剤HFE−7200を使用した超音波
洗浄とし、発振周波数:45kHzにて、2分間の洗浄を行った。その後、除去工程とし
てのプラズマ処理の処理時間を1分とし、その他の条件は実施例1と同じとした。
(実施例5)
基板40は実施例1と同じものを使用した。洗浄工程は、洗浄液として有機溶剤HFE
−7200を含浸したワイプ紙を用いて、レンズ両面を払拭し、過剰に付着している防汚
層44Bを除去した。
そして、過剰に付着している防汚層44Bを除去したレンズを、成膜装置50に投入し
、チャンバーCH2にて除去工程としてのプラズマ処理を行い、化学結合している防汚層
44Aを除去した。プラズマ処理工程は、Arガスを導入し、チャンバーCH2内の圧力
:6×10-2Pa、高周波発信器62の高周波電力:0.5kW、処理時間:2分間の処
理を行った。そして、支持装置80をチャンバーCH3に移動して、防汚層45を形成し
た。防汚膜蒸着源59として、前記一般式(2)を主成分とするフッ素含有有機ケイ素化
合物(商品名「KY−130」、信越化学工業株式会社製)を用いた。このフッ素含有有
機ケイ素化合物の固形分濃度3%溶液を調製し、これを多孔質セラミックス製のペレット
に1g含浸させ、乾燥させたものを防汚膜蒸着源59としてチャンバーCH3にセットし
た。
成膜中は、加熱ヒータ68を稼動して、防汚膜蒸着源59のペレットを600℃に加熱
して、フッ素含有有機ケイ素化合物を蒸発させた。蒸着時間は3分とした。防汚層45を
形成の後、支持装置80をチャンバーCH3から取り出し、レンズ(基板)40を反転し
て支持装置80にセットし直し、レンズ40のもう一方の面に、再び同様の処理を行うこ
とによって、レンズ両面に防汚層45を形成した。その後、レンズ40を取り出し、アニ
ール工程として、60℃、80%RHに設定した恒温恒湿槽に投入して、2時間保持する
ことで防汚層45を形成した。
(実施例6)
光学物品としての基板40は、前記一般式(1)を主成分とするフッ素含有有機ケイ素
化合物(商品名「オプツールDSX」、ダイキン工業株式会社製)を処理した防汚層44
を有する眼鏡用プラスチックレンズであり、その他は実施例1と同じである。実施例5と
同じ手順と条件で防汚層44を除去し、前記一般式(2)を主成分とするフッ素含有有機
ケイ素化合物(製品名「KY−130」、信越化学工業株式会社製)を用い、実施例5と
同じ手順と条件で防汚層45の形成を行った。
(実施例7)
光学物品としての基板40は、前記一般式(2)を主成分とするフッ素含有有機ケイ素
化合物(商品名「KY−130」、信越化学工業株式会社製)を処理した防汚層44を有
する眼鏡用プラスチックレンズであり、その他は実施例1と同じである。実施例5と同じ
手順と条件で防汚層44を除去し、前記一般式(1)を主成分とするフッ素含有有機ケイ
素化合物(商品名「オプツールDSX」、ダイキン工業株式会社製)を用い、実施例5と
同じ手順と条件で防汚層45の形成を行った。
(実施例8)
光学物品としての基板40は、前記一般式(2)を主成分とするフッ素含有有機ケイ素
化合物(商品名「KY−130」、信越化学工業株式会社製)を処理した防汚層44を有
する眼鏡用プラスチックレンズであり、その他は実施例1と同じである。実施例5と同じ
手順と条件で防汚層44を除去し、再び前記一般式(2)を主成分とするフッ素含有有機
ケイ素化合物(商品名「KY−130」、信越化学工業株式会社製)を用い、実施例5と
同じ手順と条件で防汚層45の形成を行った。
(実施例9)
除去工程として、プラズマ処理に代えてイオンガンによるイオン照射処理を行った以外
は、実施例5と同様な手順と条件で処理を行った。
イオンガンによるイオン照射処理は、イオンガン70内部にマスフローコントローラ6
9において流量が20SCCM(standard cc/min、0℃、1atm)に制御されたAr10
0%のガスを導入し、イオンを照射した。イオン照射処理条件は、RF電源72の周波数
13.56MHz、出力450W、およびDC電源71の加速電圧500V、サプレッサ
ー電圧300Vに設定し、2分間処理を行った。処理時の圧力は4×10-3Paであった
(比較例1)
基板40として、基板表面にハードコート層、反射防止膜(最外層がSiO2膜)が形
成され、防汚層のない眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコ
ーエプソン株式会社製)を使用した。
防汚層45の形成はディッピング法によって行った。ディッピング用処理液として前記
一般式(2)を主成分とするフッ素含有有機ケイ素化合物(商品名「KY−130」、信
越化学工業株式会社製)をパーフルオロヘキサンに希釈して0.2%溶液を調製して使用
した。レンズ(基板)40を調製したディッピング用処理液に浸漬して1分保持した後、
処理液中から200mm/分の引き上げ速度にて引き上げ、防汚処理液を塗布した。そし
て、アニール工程として、温度:60℃、相対湿度:80%に設定した恒温恒湿槽に投入
し、2時間保持することで防汚層45を形成した。
(比較例2)
基板40は実施例1と同じものを使用した。
防汚層44の除去を行わずに、防汚層45の形成をディッピング法にて行った。ディッ
ピング条件と、それ以降の工程は実施例1と同様に行った。
(比較例3)
基板40は実施例1と同じものを使用した。
洗浄工程は、洗浄液として有機溶剤HFE−7200を含浸したワイプ紙を用いて、レ
ンズ(基板)40の両面を払拭した。そして、除去工程としてのプラズマ処理は実施せず
に、防汚層45の形成をディッピング法にて行った。ディッピング条件とそれ以降の工程
は実施例1と同様に行った。
(比較例4)
基板40は実施例1と同じものを使用した。
洗浄工程は実施せずに、除去工程としてプラズマ処理工程を、放電処理装置を使用し、
処理圧力:10Pa、導入ガス:乾燥Air、出力:45W、処理時間:0.5分で行っ
た。
その後、防汚層45の形成をディッピング法にて行った。ディッピング条件とそれ以降
の工程は実施例1と同様に行った。
(比較例5)
実施例1と同じ手順で、プラズマ処理工程の処理時間を15秒とし、その他の条件は実
施例1と同じとした。
以上の各実施例及び比較例で得られた基板(レンズ)40を、以下に示す評価方法で評
価した。評価項目は、外観、木綿布による拭き耐久性試験、サンシャインウェザーメータ
による促進曝露試験の3項目とした。
以下、各評価項目についての評価方法、および判定方法を説明する。
(1)外観評価
外観評価は、(a)暗箱での透過検査、(b)暗箱での反射検査の2種類で実施した。
暗箱の検査条件は、背景及び机上を反射の少ない黒色の板とし、検査室内の照度を20
0〜250ルクス、試験位置による照度を350〜500ルクスとし、明視状態で検査す
る。暗箱内の蛍光灯は、3波長域発光型昼白<FL(R)−20S(S)/EX−N>を
使用した。検査室の天井灯は、市販の一般的な蛍光灯を用いた。
次に、外観評価を行う2つの検査方法を説明する。
(a)暗箱での透過検査;暗箱にて、検査対象物のレンズ40を蛍光灯と目を結ぶ直線
上で、目から略30cmの位置に保持し、検査対象物を上下させて評価する。レンズ40
は、45〜90°回転させて評価し、さらに上下させて再度評価する。
(b)暗箱での反射検査;暗箱にて検査対象物のレンズ40を目から30cm前後の机
上付近に保持し、レンズ40の表面に蛍光灯を反射させた状態で傾斜角を変えて評価する
。45〜90°回転させて評価し、さらに傾斜角を変えて再度評価する。
上記2種類の検査の評価方法は、外観上の欠陥発生状態を、次に示す3段階で判定した

○:欠陥なし。
△:薄い欠陥あり。
×:強い欠陥あり。
(2)木綿布による拭き耐久試験。
試験方法:木綿布を用い、レンズ40の凸面を100gの荷重をかけながら5,000
回往復させた。拭き耐久試験前後の防汚性能は、接触角測定と、油性インクの拭き取り性
(弾き性)によって評価した。
(c)接触角測定:接触角の測定には接触角計(「CA−D型」、協和科学株式会社製
)を使用し、液滴法による水接触角を、初期と試験後に測定した。
(d)油性インクの拭き取り性:レンズ40の凸面に、黒色油性マーカー(「ハイマッ
キーケア」、ゼブラ株式会社製)により約4cmの直線を描いた後、5分放置した。そし
て、放置後のレンズ40のマーク部を、ワイプ紙(「ケイドライ」、株式会社クレシア製
)によって拭き取りを行い、その拭き取り易さを初期と試験後に、次の評価方法にて判定
した。
○:10回以下の拭き取りで完全に除去される。
△:11回〜20回の拭き取りで完全に除去される。
×:20回の拭き取り後も除去されない部分が残る。
(3)サンシャインウェザーメータによる促進曝露試験。
試験方法:サンシャインウェザーメータ(「サンシャインスーパーロングライフウェザ
ーメーター」、スガ試験機株式会社製)を使用し、温度:40℃、湿度:50%、15分
/60分の降雨を20時間、の条件で6サイクル(120時間)曝露した。
評価方法は、(2)木綿布による拭き耐久試験と同様に行った。
以上の(1)〜(3)の試験結果および評価結果を、各実施例及び比較例毎に、○と×
で総合評価した。
各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2006126782
表1より、実施例1〜9は、それぞれ評価結果に差異はなく、さらに、防汚層45の本
来の形成方法である比較例1と比較しても差異が認められないことから、品質上問題がな
いと言える。すなわち、本発明の洗浄工程と除去工程の条件の範囲内で処理を行えば、防
汚層44が効果的に除去できるため、新たに形成される防汚層45と基板40との化学結
合が充分に成され、通常品と変わらない耐久性能が得られることが確認できる。
比較例2および3では、形成された防汚層45にムラ状の模様が発生し、外観評価は不
合格であった。また、拭き耐久性試験と促進曝露試験では、インクの拭き取りができない
状態となった。これらの現象は、防汚層44が除去されていないために、新規防汚層45
と基板40との化学結合が阻害され、単に基板上に付着しているだけの状態となっている
ことに起因すると考えられる。
また、比較例4でも、比較例2および3に比べて程度は軽いが、同様な結果を得ており
、評価は不合格である。
また、比較例5では、外観評価は問題がないものの、拭き耐久性試験と促進曝露試験後
のインク拭取性が悪化している。これは、プラズマ処理時間が15秒であるために従来撥
水層が充分に除去されなかったためと考えられる。
以上のように、本発明の光学物品の防汚層処理方法は、防汚層を形成済みの光学物品に
対して、防汚性が向上したフッ素含有有機ケイ素化合物を再処理して防汚性能の向上を図
ろうとする場合、または、既に形成済みの防汚性被膜とは異なる種類の防汚性被膜を再処
理したい場合などに、既に処理済みの防汚性被膜を、2つの除去工程(洗浄工程およびプ
ラズマ処理工程、またはイオンガンによるイオン照射処理工程)を経ることで完全に除去
し、その後、防汚層を再形成することが可能となる。なお、各実施形態は、眼鏡用プラス
チックレンズを用いて説明したが、携帯電話の表示板を始めとする、各種ディスプレイの
カバー、光学機器用のガラスレンズ、プラスチックレンズ、それらのハイブリットレンズ
等に適用することができる。
以下に、前記実施形態から把握される技術的思想を記載する。
(1)防汚層が最表面上に形成された光学物品に対して、前記光学物品から前記防汚層を
除去後、新規防汚層を再形成する防汚層処理方法であって、前記防汚層が最表面上に形成
された光学物品を、洗浄液を用いて洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程後の光学物品をプ
ラズマ処理またはイオンガンによるイオン照射処理を行う除去工程と、前記除去工程後の
光学物品の表面へ前記新規防汚層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする光学物品
の防汚層処理方法。
本発明に用いる成膜装置の模式図。 防汚層の処理方法のプロセスを説明する基板の断面模式図であり、同図(a)は防汚層が形成された基板を示し、同図(b)は洗浄工程後の基板を示し、同図(c)は除去工程(プラズマ処理工程、またはイオンガンによるイオン照射処理工程)後の基板を示し、同図(d)は新たな防汚層が形成された基板を示している。
符号の説明
40…光学物品としての基板、41…基板の基材としての基板体、42…ハードコート
層、43…反射防止膜、44…防汚性の被膜としての防汚層、44A…化学結合している
防汚層、44B…過剰に付着している防汚層、45…新たな防汚層(新規防汚層)、50
…成膜装置、52,53,54…真空生成装置、55…反射防止膜蒸着源、56…電子銃
、57…シャッタ、59…防汚膜蒸着源、60…RFコイル、61…マッチングボックス
、62…高周波発振器、63…酸素ガス供給源、64…アルゴンガス供給源、65…オー
トプレッシャーコントローラ、66,69…マスフローコントローラ、67…補正板、6
8…加熱ヒータ、70…イオン源としてのイオンガン、80…支持装置。

Claims (7)

  1. 防汚性の被膜が最表面上に形成された光学物品に対して、
    洗浄液を用いて前記光学物品を洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程後の光学物品の前記防汚性の被膜をプラズマ処理またはイオン源によるイ
    オン照射処理を行い除去する除去工程と、
    を備えたことを特徴とする光学物品の防汚層処理方法。
  2. 請求項1に記載の光学物品の防汚層処理方法において、
    前記洗浄液は、パーフルオロ基を有し炭素数が4以上の有機化合物又はpH9以上のア
    ルカリ性水溶液であることを特徴とする光学物品の防汚層処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光学物品の防汚層処理方法において、
    前記防汚性の被膜が、フッ素含有有機ケイ素化合物を含有する被膜であることを特徴と
    する光学物品の防汚層処理方法。
  4. 請求項3に記載の光学物品の防汚層処理方法において、
    前記防汚性の被膜が、下記一般式(1)、(2)、(3)のいずれかで表されるフッ素
    含有有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする光学物品の防汚層処理方法。
    Figure 2006126782
    (但し、式中、Rf1はパーフルオロアルキル基を表す。Xは臭素、ヨウ素または水素
    を表す。Yは水素または低級アルキル基を表し、Zはフッ素またはトリフルオロメチル基
    を表す。R1は加水分解可能な基を表し、R2は水素または不活性な1価の炭化水素基を表
    す。a、b、c、dは0または1以上の整数で、且つa+b+c+d+eは少なくとも1
    以上であり、a、b、c、d、eで括られた各繰り返し単位の存在順序は、式中において
    限定されない。fは0、1または2を表す。gは1、2または3を表す。hは1以上の整
    数を表す。)
    Figure 2006126782
    (但し、式中、Rf2は式:「−(Ck2k)O−」で表される単位を含み、分岐を有し
    ない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する2価の基を表す。なお、
    式:「−(Ck2k)O−」におけるkは1〜6の整数である。R3は炭素原子数1〜8の
    1価炭化水素基であり、Wは加水分解性基またはハロゲン原子を表す。pは0、1または
    2を表し、nは1〜5の整数を表す。m及びrは、2または3を表す。)
    Figure 2006126782
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学物品の防汚層処理方法において、
    前記光学物品が、前記防汚性の被膜の下層に反射防止層を有することを特徴とする光学
    物品の防汚層処理方法。
  6. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学物品の防汚層処理方法において、
    前記光学物品が、前記防汚性の被膜の下層にハードコート層を有することを特徴とする
    光学物品の防汚層処理方法。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学物品の防汚層処理方法において、
    前記光学物品の基材がプラスチックであることを特徴とする光学物品の防汚層処理方法

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